JP4440876B2 - 半導体量子ドット構造の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は半導体量子ドット構造の製造方法に関するものである。
従来の構造による半導体量子ドットは、その多くが半導体基板上に該基板とは格子定数が一定の値以上に異なる半導体層を特定の条件下で成長した時に生じる量子ドットの自己形成の現象を利用して作成されているため、半導体量子ドットの大きさや密度、均一性、ドットが他の半導体層に埋め込まれた場合の歪等を狙い通りに制御することが難しい、という問題点があった。例えばGaAs基板上にInAs量子ドットを作成する場合を例にあげると、量子ドットの大きさを大きくして発光波長を長波にしようとした場合には面内のドットの密度が下がり、ドットの密度を上げようとした場合には量子ドットの大きさが小さくなる、といった制約があった。
また、従来、上記のごとく成長の制御が難しい半導体量子ドットの製造においてはドット形成時に必要な低温成長における結晶品質が高く、かつ制御性に優れたMBEが主として用いられている。なぜならば有機金属気相成長法(MOVPE、或いはMOCVD、OMVPEとも呼ばれる)は有機金属原料や水素化物ガスを原料に用いるため、これらの原料が十分に分解する温度以上でなければ良質な結晶が得られないことに加え、これら成長原料の基板表面における拡散、分解、反応、等の現象が複雑であり、半導体量子ドット成長に適した成長条件を得ることが難しいという問題点があったからである。
更に加えてMOVPEにより半導体量子ドット構造を製造する場合において、InAs量子ドットのみの成長においては成長条件を吟味すればある程度制御性の良い成長が可能であるが、実際のデバイスで必要となる、同ドットをGaAs或いはInGaAsからなるカバー層で埋め込む構造を作成すると同ドットが変形したり、光学特性の悪いドットしか得られない、という問題点があった。この理由の一つは、Gaを含む結晶をMOVPEで成長する場合にはInAsの成長に比べ成長温度を上げないと良質な結晶が得られないという事情があるためであり、従来は例えばGaAs基板上で1.3μm以上の波長で発光する量子ドットにおいて、良好な光学特性、高い面密度、高い均一性を兼ね備えたものを実現することが困難であった。同様に、半導体量子ドット構造を用いたレーザダイオード等のデバイスを作成するためには上記埋め込みドット構造に引き続き、光閉じ込め層、クラッド層、コンタクト層等の厚い成長層を積層する工程が必要となるが、この際においても従来のMOVPEにおける標準的な成長温度である650℃から750℃程度でこれらの層の成長を行うと、カバー層成長と同様に、同ドットが変形したり、光学特性の悪いドットしか得られない、という問題点があった。
上記問題を解決するために従来からMOVPEによる半導体量子ドットの製造においても各種の製造方法が考案されており、例えば再度GaAs基板上に量子ドットを作成する場合を例にあげると、InAs量子ドット及びカバー層の成長原料にTMI,TMG,TBAsを用い、成長条件として、成長温度500℃、V/III比0.3という、極端に低いV/III比を選択することにより1.5μmという長波の発光を得たという報告がある(非特許文献1)が、半導体レーザを作成するために必要な光学特性は得られていない。また、良好な光学特性を得て優れた半導体レーザ特性を実現した例としては、InGaAs量子ドットの成長後、カバー層のGaAs成長を490℃で開始し、600℃まで温度を上げながら連続的に成長するという手法を用いたことにより良好なレーザ特性が実現されているが、発光波長は1.1μm台に留まっている(非特許文献2)。
一方、高い面密度、高い均一性を有する半導体量子ドットに関しては、MBEによる成長において優れた結果が報告されており、均一性の高いドットが1×1011/cm2の面密度で得られている(非特許文献3)。この結果はドットの側面に成長ファセットが形成されることによってドットサイズの自己制限効果が発現したことによるものであるが、これまでに同様の効果がMOVPEで得られたという報告はない。
また一方、半導体薄膜の成長時にビスマス、アンチモン、タリウム等の材料を供給し、表面改質剤(サーファクタントと呼ばれる)として用いることにより平坦性の良い結晶を得る試みが行われており(例えば特許文献1、非特許文献4)、InAs量子ドットの成長時にビスマスをサーファクタントとして用いてドットの均一性を向上させた例もあるが(非特許文献5)、同例ではビスマスの供給は反応炉内に設置した固体ビスマス材料をパルスレーザの照射で昇華させる手法を用いており、本発明におけるTMBi添加とは原料の供給方法が異なる。
また、半導体薄膜の成長原料としてアルシン(AsH3)の代わりにTBAsを用いる方法は、TBAsの分解温度がAsH3より低いことから、MOVPE成長において低温成長が必要とされる場合に従来より用いられているが、その際、成長条件におけるV/III比をAsH3より低くできることが特徴とされており、通常はV/III比50以下、多くはV/III比5〜30程度に設定されることが多く、本発明で用いられるV/III比150以上、あるいは300以上の成長条件は従来、少なくとも半導体量子ドットの成長に用いられた報告はない。
また、同様に半導体薄膜の成長原料としてトリメチルガリウム(TMG)やトリエチルガリウム(TEG)の代わりにトリイソプロピルガリウム(TIPG)を用いる方法は、TIPGの分解温度がTMGあるいはTEGより低いことから、MOVPE成長において低温成長が必要とされる場合に従来より稀に用いられているが、少なくとも半導体量子ドットの成長に用いられた報告はない。
特許第3239821号公報 J.Tatebayashi他、Applied Physics Letters, vol.78, p.3469, 2001. R.L.Sellin他、Applied Physics Letters. vol.78, p.1207, 2001. 山口、応用物理、第74巻、P.307 、2005. S.Tixier他、"Surfactant enhanced growth of GaNAs and InGaNAs using bismuth" Journal of Crystal Growth, Vol.251, p.449, 2003. B.N.Zvonkov他、"Surfactant effect of bismuth in the MOVPE grown of the InAs quantum dots on GaAs", Nanotechnology. Vol.11, p.221, 2000.
本発明は上記の如き従来のMOVPE成長を用いた半導体量子ドットの製造方法における限界あるいは欠点を解決するためになされたもので、良好な光学特性、高い面密度、高い均一性を兼ね備えた半導体量子ドットをMOVPE成長により実現することを目的としてなされたものである。
上記課題を解決する第1発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、有機金属気相成長法を用いて形成する半導体量子ドット構造の製造方法において、TMIとTBAsとを主たる原料とし、且つ、成長条件におけるV族原料の前記TBAsとIII族原料の前記TMIとの供給比すなわちV/III比を150以上とし、且つ、成長温度を300℃以上、450℃未満として、In 1-x Ga x As 1-y Bi y (x≧0,y≧0)量子ドット又はIn 1-x Ga x As 1-y Sb y (x≧0,y≧0)からなる量子ドットを成長させることを特徴とする。ここで、450℃未満の成長温度は高い面密度を得るために必要であり、300℃以上の成長温度は成長原料の分解のために必要な温度である。また、ここで、前記V/III比は300未満とすることが好ましい。それ以上のV/III比では量子ドットの成長形態が変わるためである。
また、第2発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、第1発明の半導体量子ドット構造の製造方法において、前記量子ドットの成長前、或いは成長時にビスマス原料又はアンチモン原料も供給して、前記量子ドットを成長させることを特徴とする。
また、第3発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、第2発明の半導体量子ドット構造の製造方法において、前記ビスマス原料としてTMBi、TEBi又はTDMABiを用いること、或いは前記アンチモン原料としてTMSb、TESb又はTDMASbを用いること、を特徴とする。
また、第4発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、第2又は第3発明の半導体量子ドット構造の製造方法において、前記量子ドットの下部及び上部に下地半導体層及びカバー半導体層を有し、前記量子ドットは、前記In1-xGaxAs1-yBiy(x≧0,y≧0)からなる量子ドット又は前記In1-xGaxAs1-ySby(x≧0,y≧0)からなる量子ドットであり、ここでGaは成長原料には含まれないが、前記下地半導体層、或いは前記カバー半導体層から拡散によって導入される成分であることを特徴とする。なお、Gaは拡散により導入されるため、Gaのxの定量的な人為的制御は不可能であり、且つ微小領域であるため定量評価もほぼ不可能であり、現在のところxの具体的な値は不明である。Biのyは特に限定される要因はないが、結晶中に取り込まれにくい性質があるため、実際にはy=0〜0.05程度である。Sbのyも同様、特に限定される要因はないが、実際にはy=0〜0.5程度である。
また、第5発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、有機金属気相成長法を用いて形成する半導体量子ドット構造の製造方法において、TMIとTBAsとを主たる原料とし、且つ、成長条件におけるV族原料の前記TBAsとIII族原料の前記TMIとの供給比すなわちV/III比を300以上とし、且つ、成長温度を300℃以上、450℃未満として、In 1-x Ga x As 1-y Bi y (x≧0,y≧0)量子ドット又はIn 1-x Ga x As 1-y Sb y (x≧0,y≧0)からなる量子ドットを成長させることを特徴とする。ここで、450℃未満の成長温度は高い面密度を得るために必要であり、300℃以上の成長温度は成長原料の分解のために必要な温度である。また、ここで、前記V/III比は2300未満とすることが好ましい。これ以上のV/III比では量子ドットの密度が逆に低下することが確認されているためである。
また、第6発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、第5発明の半導体量子ドット構造の製造方法において、前記量子ドットの下部及び上部に下地半導体層及びカバー半導体層を有し、前記量子ドットは、In1-xGaxAs(x≧0)量子ドットであり、ここでGaは成長原料には含まれないが、前記下地半導体層、或いは前記カバー半導体層から拡散によって導入される成分であることを特徴とする。なお、Gaは拡散により導入されるため、Gaのxの定量的な人為的制御は不可能であり、且つ微小領域であるため定量評価もほぼ不可能であり、現在のところxの具体的な値は不明である。
また、第7発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、第発明の半導体量子ドット構造の製造方法において、前記量子ドットの成長前、或いは成長時にビスマス原料又はアンチモン原料も供給して、前記量子ドットを成長させることを特徴とする。
また、第8発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、第7発明の半導体量子ドット構造の製造方法において、前記ビスマス原料としてTMBi、TEBi又はTDMABiを用いること、或いは前記アンチモン原料としてTMSb、TESb又はTDMASbを用いること、を特徴とする。
また、第9発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、第7又は第8発明の半導体量子ドット構造の製造方法において、前記量子ドットの下部及び上部に下地半導体層及びカバー半導体層を有し、前記量子ドットは、前記In1-xGaxAs1-yBiy(x≧0,y≧0)からなる量子ドット又は前記In1-xGaxAs1-ySby(x≧0,y≧0)からなる量子ドットであり、ここでGaは成長原料には含まれないが、前記下地半導体層、或いは前記カバー半導体層から拡散によって導入される成分であることを特徴とする。なお、Gaは拡散により導入されるため、Gaのxの定量的な人為的制御は不可能であり、且つ微小領域であるため定量評価もほぼ不可能であり、現在のところxの具体的な値は不明である。Biのyは特に限定される要因はないが、結晶中に取り込まれにくい性質があるため、実際にはy=0〜0.05程度である。Sbのyも同様、特に限定される要因はないが、実際にはy=0〜0.5程度である。
また、第10発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、有機金属気相成長法を用いて形成する半導体量子ドット構造の製造方法において、TMIとTIPGとTBAsとを主たる原料とし、且つ、成長条件におけるV族原料の前記TBAsとIII族原料の前記TMI及び前記TIPGとの供給比すなわちV/III比を150以上とし、且つ、成長温度を300℃以上、450℃未満として、In 1-x Ga x As 1-y Bi y (x≧0,y≧0)量子ドット又はIn 1-x Ga x As 1-y Sb y (x≧0,y≧0)からなる量子ドットを成長させることを特徴とする。ここで、450℃未満の成長温度は高い面密度を得るために必要であり、300℃以上の成長温度は成長原料の分解のために必要な温度である。また、ここで、前記V/III比は300未満とすることが好ましい。それ以上のV/III比では量子ドットの成長形態が変わるためである。
また、第11発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、第10発明の半導体量子ドット構造の製造方法において、前記量子ドットの成長前、或いは成長時にビスマス原料又はアンチモン原料も供給して、前記量子ドットを成長させることを特徴とする。
また、第12発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、第11発明の半導体量子ドット構造の製造方法において、前記ビスマス原料としてTMBi、TEBi又はTDMABiを用いること、或いは前記アンチモン原料としてTMSb、TESb又はTDMASbを用いること、を特徴とする。
また、第13発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、第11又は第12発明の半導体量子ドット構造の製造方法において、前記量子ドットは、In1-xGaxAs1-yBiy(x>0,y≧0)量子ドット又はIn1-xGaxAs1-ySby(x>0,y≧0)量子ドットであることを特徴とする。なお、xの範囲は、量子ドットの自己形成のために必要な、基板との格子不整合の大きさによって決定される。そのため、同xの範囲は基板の選択によって異なり、例えばGaAs基板を用いた場合にはxは0.75未満であることが必要であり、InP基板を用いた場合にはxは0.2未満であることが必要である。Biのyは特に限定される要因はないが、結晶中に取り込まれにくい性質があるため、実際にはy=0〜0.05程度である。Sbのyも同様、特に限定される要因はないが、実際にはy=0〜0.5程度である。
また、第14発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、有機金属気相成長法を用いて形成する半導体量子ドット構造の製造方法において、TMIとTIPGとTBAsとを主たる原料とし、且つ、成長条件におけるV族原料の前記TBAsとIII族原料の前記TMI及び前記TIPGとの供給比すなわちV/III比を300以上とし、且つ、成長温度を300℃以上、450℃未満として、In 1-x Ga x As 1-y Bi y (x≧0,y≧0)量子ドット又はIn 1-x Ga x As 1-y Sb y (x≧0,y≧0)からなる量子ドットを成長させることを特徴とする。ここで、450℃未満の成長温度は高い面密度を得るために必要であり、300℃以上の成長温度は成長原料の分解のために必要な温度である。また、ここで、前記V/III比は2300未満とすることが好ましい。これ以上のV/III比では量子ドットの密度が逆に低下することが確認されているためである。
また、第15発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、第14発明の半導体量子ドット構造の製造方法において、前記量子ドットは、In1-xGaxAs(x>0)量子ドットであることを特徴とする。なお、xの範囲は、量子ドットの自己形成のために必要な、基板との格子不整合の大きさによって決定される。そのため、同xの範囲は基板の選択によって異なり、例えばGaAs基板を用いた場合にはxは0.75未満であることが必要であり、InP基板を用いた場合にはxは0.2未満であることが必要である。
また、第16発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、第14発明の半導体量子ドット構造の製造方法において、前記量子ドットの成長前、或いは成長時にビスマス原料又はアンチモン原料も供給して、前記量子ドットを成長させることを特徴とする。
また、第17発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、第16発明の半導体量子ドット構造の製造方法において、前記ビスマス原料としてTMBi、TEBi又はTDMABiを用いること、或いは前記アンチモン原料としてTMSb、TESb又はTDMASbを用いること、を特徴とする。
また、第18発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、第16又は第17発明の半導体量子ドット構造の製造方法において、前記量子ドットは、In1-xGaxAs1-yBiy(x>0,y≧0)量子ドット又はIn1-xGaxAs1-ySby(x>0,y≧0)量子ドットであることを特徴とする。なお、xの範囲は、量子ドットの自己形成のために必要な、基板との格子不整合の大きさによって決定される。そのため、同xの範囲は基板の選択によって異なり、例えばGaAs基板を用いた場合にはxは0.75未満であることが必要であり、InP基板を用いた場合にはxは0.2未満であることが必要である。Biのyは特に限定される要因はないが、結晶中に取り込まれにくい性質があるため、実際にはy=0〜0.05程度である。Sbのyも同様、特に限定される要因はないが、実際にはy=0〜0.5程度である。
また、第19発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、第1〜第18発明の何れかの半導体量子ドット構造の製造方法において、前記量子ドット上に、TMIとTIPGとTBAsを主たる原料とし、且つ、成長温度を300℃以上、450℃未満として、カバー半導体層を成長させることを特徴とする。
また、第20発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、第19発明の半導体量子ドット構造の製造方法において、前記カバー半導体層は、In1-xGaxAs(x>0)カバー半導体層であることを特徴とする。なお、xの範囲は、量子ドットに加わる圧縮歪を弾性的に緩和するために必要な、基板との格子不整合の大きさによって決定されるが、その際、カバー半導体層の成長によりミスフィット転位等の欠陥を発生しないように調整することをあわせて考慮する必要がある。そのため、同xの範囲は基板の選択によって異なり、例えばGaAs基板を用いた場合にはxは0.7以上であることが必要であり、InP基板を用いた場合にはxは0.2以上0.8以下であることが必要である。
また、第21発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、第19発明の半導体量子ドット構造の製造方法において、前記カバー半導体層の成長前、或いは成長時にビスマス原料又はアンチモン原料も供給して、前記カバー半導体層を成長させることを特徴とする。
また、第22発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、第21発明の半導体量子ドット構造の製造方法において、前記ビスマス原料としてTMBi、TEBi又はTDMABiを用いること、或いは前記アンチモン原料としてTMSb、TESb又はTDMASbを用いること、を特徴とする。
また、第23発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、第21又は第22発明の半導体量子ドット構造の製造方法において、前記カバー半導体層は、In1-xGaxAs1-yBiy(x>0,y≧0)カバー半導体層又はIn1-xGaxAs1-ySby(x>0,y≧0)カバー半導体層であることを特徴とする。なお、xの範囲は、量子ドットに加わる圧縮歪を弾性的に緩和するために必要な、基板との格子不整合の大きさによって決定されるが、その際、カバー半導体層の成長によりミスフィット転位等の欠陥を発生しないように調整することをあわせて考慮する必要がある。そのため、同xの範囲は基板の選択によって異なり、例えばGaAs基板を用いた場合にはxは0.7以上であることが必要であり、InP基板を用いた場合にはxは0.2以上0.8以下であることが必要である。また、Biのyは特に限定される要因はないが、結晶中に取り込まれにくい性質があるため、実際にはy=0〜0.05程度である。Sbのyも同様、特に限定される要因はないが、実際にはy=0〜0.5程度である。
また、第24発明の半導体量子ドット構造の製造方法は、第19〜第23発明の何れかの半導体量子ドット構造の製造方法において、前記カバー半導体層上に、TBAsもしくはTBPを主たるV族原料とし、又はTBAs及びTBPを主たるV族原料とし、且つ、成長温度を前記量子ドットの成長温度以上、650℃未満として、素子を形成するために必要な上部成長層を順次成長させることを特徴とする。ここで成長温度を量子ドットの成長温度以上、650℃未満としたのは、650℃以上では量子ドットの変形が生じて発光波長、発光効率が劣化し、量子ドット構造の成長温度よりも低いと良質な結晶が得られないためである。なお、前記上部成長層の具体的な構成は素子構造によって変わり、例えば光閉じ込め層、クラッド層、コンタクト層等の上部成長層を順次成長させる。
本発明による半導体量子ドット構造の製造方法は、従来の技術による半導体量子ドット構造に比べ、良好な光学特性、高い面密度、高い均一性を兼ね備えた半導体量子ドットをMOVPE成長により実現することができ、例えば、より発光効率等の特性に優れた半導体光源並びに半導体光増幅器の活性層、或いは、より受光効率の高い半導体受光素子の光吸収層として作用する半導体量子ドット構造を実現することを可能にする。
本発明の最良の実施形態は以下の通りである。
(1) 本発明の最良の実施形態の半導体量子ドット構造の製造方法で製造される半導体量子ドット構造は、有機金属気相成長法(MOVPE)を用いて形成された量子ドット構造であって、前記量子ドットがトリメチルインジウム(TMI)とターシャリーブチルアルシン(TBAs)、或いはTMIとトリイソプロピルガリウム(TIPG)とTBAsを主たる原料とし、且つ成長温度が300℃以上、450℃未満であり、且つ成長条件においてV族原料とIII族原料との供給比(TBAsとTMIとの供給比或いはTBAsとTMI及びTIPGとの供給比)すなわちV/III比(モル比)が150以上、300未満、又は、前記V/III比(モル比)が300以上、2300未満であり、且つ上記量子ドット構造の成長前、或いは成長時にトリメチルビスマス(TMBi)が供給されて形成された、面密度3×1010/cm2以上、或いは成長ファセット(成長時に形成される特有の結晶面方位)によって側面が囲まれた、面密度5×1010/cm2以上のIn1-xGaxAs1-yBiy(x≧0,y≧0)量子ドット或いはIn1-xGaxAs1-yBiy(x>0,y≧0)量子ドットが用いられていることを特徴とする。
上記構造による量子ドットは良好な光学特性、高い面密度、高い均一性を兼ね備えた半導体量子ドットが従来主たる成長方法であったMBE成長に代わり、MOVPE成長によって実現されたものである。
ここで上記原料、成長温度、V/III比が規定された量子ドットが用いられていることは、MOVPE成長による半導体量子ドット構造において上記特性を具現するために重要な要件である
また、更に詳しくは、上記原料の組み合わせは450℃未満の成長温度において良好な光学特性を得るために必要であり、更にドット構造の成長前、或いは成長時にTMBiが供給されて形成されている点はより良好な光学特性、且つ、より長波で発光または受光可能な量子ドットを得るために必要であり、450℃未満の成長温度は高い面密度を得るために必要である。また、300℃以上の成長温度は成長原料の分解のために必要な温度である。高いV/III比は高い面密度において高い均一性を得るために必要であるとともに量子ドット構造の特性を劣化させる、合体した巨大なドットが生成されることを阻止するために必要である。特に300以上のV/III比は、側面が成長ファセットによって囲まれたドットを形成し、ドットサイズの自己制限効果を発現させることにより、より高い面密度、且つ高い均一性を得るために必要である。なお、V/III比150以上の場合にV/III比300未満としたのは、それ以上のV/III比では量子ドットの成長形態が変わるためである。また、V/III比300以上の場合にV/III比2300未満としたのは、これ以上のV/III比では量子ドットの密度が逆に低下することが確認されているためである。
ここでTMBiが供給されて形成された量子ドットにおいては更に2種類の分類ができる。一つはTMBiがサーファクタントとして働き、Biは量子ドット中には取り込まれずに光学特性、均一性の向上のみに寄与している場合である。もう一つは前記効果に加えBiが量子ドット中に取り込まれることにより量子ドットを構成する材料のバンドギャップが小さくなり、その発光がより長波となる半導体量子ドット構造が得られる場合である。これらの違いは主に成長温度とTMBi/TBAs供給比によって決定されるため、目的によって任意に選択することが可能である。
更に上記半導体量子ドットを半導体層中に埋め込んだ構造における本発明の最良の実施形態は、前記構造における量子ドット上に、TMIとTIPGとTBAsを主たる原料とし、且つ成長温度が300℃以上、450℃未満であり、且つ成長前、或いは成長時にTMBiが供給されて形成された、In1-xGaxAs1-yBiy(x>0,y≧0)カバー半導体層を有することを特徴とするものである。
ここで上記成長温度は上記量子ドットの成長温度と同一に設定されるべきものであり、上記量子ドットの変形を防ぎ、発光又は受光波長の変動を防ぐために必要である。更に上記原料、又は上記原料とTMBi供給の組み合わせによって形成された上記カバー半導体層を用いることは上記埋込構造における半導体量子ドットの光学特性を良好に保つために必要である。ここでカバー半導体層におけるTMBiの供給は必須ではないが、半導体量子ドットの発光又は受光波長の制御、並びに光学特性の再現性向上に寄与するものである。この理由はカバー半導体層成長時にTMBiの供給を行わない場合にも、量子ドットの成長前又は成長中に供給されたTMBi又はその分解物が基板表面に偏析したまま残留し、カバー半導体層成長においてもサーファクタントとして働くが、その効果、再現性の観点からはカバー半導体層成長前、或いは成長中にTMBiを供給することが望ましいという事情による。
なお、ここでは量子ドットの成長前或いは成長時やカバー半導体層の成長前或いは成長時にビスマス原料としてTMBiを用いたが、これに限らず、ビスマス原料としてトリエチルビスマス(TEBi)又はトリスジメチルアミノビスマス(TDMABi)を用いても同様の効果が得られ、更にはビスマス原料に代えてアンチモン原料を用いてもよく、アンチモン原料としてトリメチルアンチモン(TMSb)、トリエチルアンチモン(TESb)又はトリスジメチルアミノアンチモン(TDMASb)を用いても同様の効果が得られる。アンチモン原料を供給した場合、In1-xGaxAs1-ySby(x≧0,y≧0)量子ドット或いはIn1-xGaxAs1-ySby(x>0,y≧0)量子ドットや、In1-xGaxAs1-ySby(x>0,y≧0)カバー半導体層を形成する。
(2) 本発明の最良の実施形態による半導体量子ドット構造の製造方法は、MOVPEを用いて形成する量子ドット構造の製造方法であって、トリメチルインジウム(TMI)とターシャリーブチルアルシン(TBAs)、或いはTMIとトリイソプロピルガリウム(TIPG)とTBAsを主たる原料とし、且つ成長温度が300℃以上、450℃未満とし、且つ成長条件においてV族原料とIII族原料との供給比(TBAsとTMIとの供給比或いはTBAsとTMI及びTIPGとの供給比)すなわちV/III比(モル比)が150以上、300未満、又は、前記V/III比(モル比)が300以上、2300未満とし、且つ上記量子ドット構造の成長前、或いは成長時にトリメチルビスマス(TMBi)も供給して、量子ドットを成長させることを特徴とする。
上記による量子ドットの構造の製造方法は良好な光学特性、高い面密度、高い均一性を兼ね備えた半導体量子ドットを従来主たる成長方法であったMBE成長に代わり、MOVPE成長によって実現するために必要な方法である。
ここで上記原料、成長温度、V/III比が規定されている点はMOVPE成長による半導体量子ドット構造において上記特性を具現するために重要な要件である
また、更に詳しくは、上記原料の組み合わせは450℃未満の成長温度において良好な光学特性を得るために必要であり、更にドット構造の成長前、或いは成長時にTMBiを供給する点はより良好な光学特性、且つ、より長波で発光または受光可能な量子ドットを得るために必要であり、450℃未満の成長温度は高い面密度を得るために必要である。また、300℃以上の成長温度は成長原料の分解のために必要な温度である。高いV/III比は高い面密度において高い均一性を得るために必要であるとともに量子ドット構造の特性を劣化させる、合体した巨大なドットが生成されることを阻止するために必要である。特に300以上のV/III比は、側面が成長ファセットによって囲まれたドットを形成し、ドットサイズの自己制限効果を発現させることにより、より高い面密度、且つ高い均一性を得るために必要である。なお、V/III比150以上の場合にV/III比300未満としたのは、それ以上のV/III比では量子ドットの成長形態が変わるためである。また、V/III比300以上の場合にV/III比2300未満としたのは、これ以上のV/III比では量子ドットの密度が逆に低下することが確認されているためである。
ここでTMBiが供給されて形成された量子ドットにおいては更に2種類の分類ができる。一つはTMBiがサーファクタントとして働き、Biは量子ドット中には取り込まれずに光学特性、均一性の向上のみに寄与している場合である。もう一つは前記効果に加えBiが量子ドット中に取り込まれることにより量子ドットを構成する材料のバンドギャップが小さくなり、その発光がより長波となる半導体量子ドット構造が得られる場合である。これらの違いは主に成長温度とBi/TBAs比によって決定されるため、目的によって任意に選択することが可能である。
更に上記半導体量子ドットを半導体層中に埋め込んだ構造の製造方法における本発明の最良の実施形態は、前記構造における量子ドット上にカバー半導体層を形成する際、TMIとTIPGとTBAsを主たる原料とし、且つ成長温度が300℃以上、450℃未満であり、且つ成長前、或いは成長時にTMBiを供給して形成することを特徴とするものである。
ここで上記成長温度は上記量子ドットの成長温度と同一に設定されるべきものであり、上記量子ドットの変形を防ぎ、発光又は受光波長の変動を防ぐために必要である。更に上記原料、又は上記原料とTMBi供給の組み合わせは上記埋込構造における半導体量子ドットの光学特性を良好に保つために必要である。ここでカバー半導体層におけるTMBiの供給は必須ではないが、半導体量子ドットの発光又は受光波長の制御、並びに光学特性の再現性向上に寄与するものである。この理由はカバー半導体層成長時にTMBiの供給を行わない場合にも、量子ドットの成長前または成長中に供給されたTMBi又はその分解物が基板表面に偏析したまま残留し、カバー半導体層成長においてもサーファクタントとして働くが、その効果、再現性の観点からはカバー半導体層成長前、或いは成長中にTMBiを供給することが望ましいという事情による。
なお、ここでは量子ドットの成長前或いは成長時やカバー半導体層の成長前或いは成長時にビスマス原料としてTMBiを用いたが、これに限らず、ビスマス原料としてトリエチルビスマス(TEBi)又はトリスジメチルアミノビスマス(TDMABi)を用いても同様の効果が得られ、更にはビスマス原料に代えてアンチモン原料を用いてもよく、アンチモン原料としてトリメチルアンチモン(TMSb)、トリエチルアンチモン(TESb)又はトリスジメチルアミノアンチモン(TDMASb)を用いても同様の効果が得られる。
更に上記半導体量子ドットを用いて半導体レーザダイオード等の素子を作成する場合における本発明の最良の実施形態は、前記量子ドット上にカバー半導体層を形成した構造の後、光閉じ込め層、クラッド層、コンタクト層等の素子を形成するために必要な上部成長層を成長する製造工程において、主たるV族原料としてTBAs、或いはTBP、或いはその両方を用いることである。この製造方法により同構造を成長する温度を650℃未満(例えば600℃以下)とすることが可能となり、半導体量子ドットの劣化を防ぐことが可能となった。即ち、光閉じ込め層、クラッド層、コンタクト層等の素子を形成するために必要な上部成長層の成長温度は、上記量子ドットの成長温度(300℃以上、450℃未満の範囲の温度)以上、650℃未満とする。一般に、GaAs及びその混晶の成長温度は700℃以上とすることが多いが、650℃以上の成長温度では量子ドットの変形が生じ、発光波長、発光効率が劣化する。量子ドット構造の成長温度よりも低い成長温度では良質な結晶が得られない。
以下に本実施形態による作用を説明する。
本発明による半導体量子ドット構造の製造方法は、従来の技術による半導体量子ドット構造に比べ、良好な光学特性、高い面密度、高い均一性を兼ね備えた半導体量子ドットをMOVPE成長により実現することができ、例えば、より発光効率等の特性に優れた半導体光源並びに半導体光増幅器の活性層、あるいは、より受光効率の高い半導体受光素子の光吸収層として作用する半導体量子ドット構造を実現することを可能にする。
図1(a)には本発明の実施例1の半導体量子ドット構造の製造方法によって製造される半導体量子ドット構造を示し、図1(b)には図1(a)のA部拡大図を示し、表1には本発明の実施例1の半導体量子ドット構造の製造方法を示す。
図1中、101はGaAs基板、102はAlGaAsクラッド層(膜厚1.5μm)、103はAlGaAs光閉じ込め層(膜厚200nm)、104はGaAs障壁層(膜厚50nm)、105は面密度4×1010/cm2のIn(Ga)As(Bi)量子ドット、106はInGaAs(Bi)薄膜層(膜厚10nm)、107はGaAsコンタクト層(膜厚100nm)であり、InGaAs(Bi)薄膜層106のうち106aはカバー半導体層であるInGaAs(Bi)カバー半導体層(膜厚6nm)、106bは下地半導体層であるInGaAs(Bi)下地層(膜厚4nm)である。
更にIn(Ga)As(Bi)量子ドット105中、105aは自己組織化によって形成された第一の領域であるIn(Ga)As(Bi)の領域、105bはIn(Ga)As(Bi)からなる領域105aのIn(Ga)As(Bi)量子ドット上へのInGaAs(Bi)カバー半導体層106aの成長中にIn(Ga)As(Bi)からなる領域105aによる歪場に誘起された組成変調(InGaAs(Bi)カバー半導体層106aの組織変調)によってIn(Ga)As(Bi)からなる領域105a上に選択的に形成された第二の領域であるInGaAs(Bi)の領域である。ここで上記第二の領域105bのInGaAs(Bi)におけるIn組成は上記InGaAs(Bi)薄膜層106の平均的In組成に比べて高いため、本実施例1においてはIn(Ga)As(Bi)からなる領域105aとInGaAs(Bi)からなる領域105bの複合体が実効的な量子ドットとして作用しており、量子ドットの体積が大きくなること並びに上記第一の領域105aの歪が弾性的に緩和されることによってその発光波長が長波長化している。
ここで本実施例1においてはIn(Ga)As(Bi)量子ドット105の下部にInGaAs(Bi)下地層106bがあるが、同下地層を省いても本発明における効果は同様に得られる。
図1に示した半導体量子ドット構造を種々の成長条件を用いて作成し、レーザダイオード素子を作成した結果、発光波長1.2〜1.6μmの素子が得られた。
また、同構造を作成する際、故意に量子ドットの大きさが分布するように成長条件を定め、得られた構造により半導体光増幅器を作成した結果、増幅帯域1.2〜1.6μmの、広帯域、高飽和出力の素子が得られた。
なお、上記本文中、並びに図中、表中の元素表記で( )内に示した元素は構造設定、或いは成長条件によっては含まれない場合があるものである。
次に図1の構造を作成するための本発明の実施例1の半導体量子ドット構造の製造方法を表1に表すとともに、以下、詳細に説明する。半導体量子ドット構造の成長にはMOVPEを用いた。
まず、GaAs基板101を装置内に導入し、通常の成長手順でGaAs基板101上にAlGaAsクラッド層102、AlGaAs光閉じ込め層103、GaAs障壁層104を成長する。
次に成長を中断し、基板温度を400℃まで下げた後、In(Ga)As(Bi)量子ドット105とInGaAs(Bi)薄膜層106をトリメチルインジウム、トリイソプロピルガリウム、トリメチルビスマス、ターシャリーブチルアルシンを原料として成長した。ここで同薄膜層の成長におけるガリウム材料としてトリイソプロピルガリウムを用いたことにより400℃という低温においても十分な熱分解が得られたことに加えビスマス原料の供給による低温成長時の結晶性劣化防止効果により光学特性の良い結晶が得られた。また更にInGaAs混晶が熱力学的に相分離を起こしやすい400℃という温度下においてビスマス原料を供給したことにより相分離が促進され、In(Ga)As(Bi)からなる領域105aのIn(Ga)As(Bi)量子ドットの周辺にIn組成の高いInGaAs(Bi)からなる領域105bが再現性良く形成できた。
次に再び成長を中断し、基板温度を上げた後、GaAs障壁層104、AlGaAs光閉じ込め層103、AlGaAsクラッド層102、GaAsコンタクト層107を成長し、図1に示す実施例1の構造を得た。
この実施例1の構造の各層の成長時に供給した原料、TBAs分圧、並びに成長温度を表1に示す。
Figure 0004440876
なお、表1中に略記した原料名は以下の通りである。
TMA:トリメチルアルミニウム
TEG:トリエチルガリウム
AsH3:アルシン
TMI:トリメチルインジウム
TIPG:トリイソプロピルガリウム
TMBi:トリメチルビスマス
TBAs:ターシャリーブチルアルシン
図2(a)には本発明の実施例2の半導体量子ドット構造の製造方法によって製造される半導体量子ドット構造を示し、図2(b)には図2(a)のB部拡大図を示し、表2には本発明の実施例2の半導体量子ドット構造の製造方法を示す。
図2中、201はInP基板、202はInPクラッド層(膜厚1.5μm)、203はInGaAsP光閉じ込め層(膜厚200nm)、204はInGaAsP障壁層(膜厚50nm)、205は面密度4×1010/cm2のIn(Ga)As(Bi)量子ドット、206はInGaAs(Bi)薄膜層(膜厚10nm)、207はInGaAsコンタクト層(膜厚100nm)であり、InGaAs(Bi)薄膜層206のうち206aはカバー半導体層であるInGaAs(Bi)カバー半導体層(膜厚6nm)、206bは下地半導体層であるInGaAs(Bi)下地層(膜厚4nm)である。
更にIn(Ga)As(Bi)量子ドット205中、205aは自己組織化によって形成された第一の領域であるIn(Ga)As(Bi)の領域、205bはIn(Ga)As(Bi)からなる領域205aのIn(Ga)As(Bi)量子ドット上へのInGaAs(Bi)カバー半導体層206aの成長中にIn(Ga)As(Bi)からなる領域205aによる歪場に誘起された組成変調(InGaAs(Bi)カバー半導体層206aの組成変調)によってIn(Ga)As(Bi)からなる領域205aのドット上に選択的に成長したInGaAs(Bi)の領域である。ここで上記第二の領域205bのInGaAs(Bi)におけるIn組成は上記InGaAs(Bi)薄膜層206の平均的In組成に比べて高いため、本実施例2においてはIn(Ga)As(Bi)からなる領域205aとInGaAs(Bi)からなる領域205bの複合体が実効的な量子ドットとして作用しており、量子ドットの体積が大きくなること並びに上記第一の領域205aの歪が弾性的に緩和されることによってその発光波長が長波長化している。
ここで本実施例2においてはIn(Ga)As(Bi)量子ドット205の下部にInGaAs(Bi)下地層206bがあるが、同下地層を省いても本発明における効果は同様に得られる。
図2に示した半導体量子ドット構造を種々の成長条件を用いて作成し、レーザダイオード素子を作成した結果、発光波長1.3〜2.4μmの素子が得られた。
また、同構造を作成する際、故意に量子ドットの大きさが分布するように成長条件を定め、得られた構造により半導体光増幅器を作成した結果、増幅帯域1.3〜2.4μmの、広帯域、高飽和出力の素子が得られた。
なお、上記本文中、並びに図中、表中の元素表記で( )内に示した元素は構造設定、あるいは成長条件によっては含まれない場合があるものである。
次に図2の構造を作成するための本発明の本発明の実施例2の半導体量子ドット構造の製造方法を表2に表すとともに、以下、詳細に説明する。半導体量子ドット構造の成長にはMOVPEを用いた。
まず、InP基板201を装置内に導入し、通常の成長手順でInP基板201上にInPクラッド層202、InGaAsP光閉じ込め層203、InGaAsP障壁層204を成長する。
次に成長を中断し、基板温度を400℃まで下げた後、In(Ga)As(Bi)量子ドット205とInGaAs(Bi)薄膜層206をトリメチルインジウム、トリイソプロピルガリウム、トリメチルビスマス、ターシャリーブチルアルシンを原料として成長した。ここで同薄膜層の成長におけるガリウム材料としてトリイソプロピルガリウムを用いたことにより400℃という低温においても十分な熱分解が得られたことに加えビスマス原料の供給による低温成長時の結晶性劣化防止効果により光学特性の良い結晶が得られた。また更にInGaAs混晶が熱力学的に相分離を起こしやすい400℃という温度下においてビスマス原料を供給したことにより相分離が促進され、In(Ga)As(Bi)からなる領域205aのIn(Ga)As(Bi)量子ドットの周辺にIn組成の高いInGaAs(Bi)からなる領域205bが再現性良く形成できた。
次に再び成長を中断し、基板温度を上げた後、InGaAsP障壁層204、InGaAsP光閉じ込め層203、InPクラッド層202、InGaAsコンタクト層207を成長し、図2に示す実施例2の構造を得た。
この実施例2の構造の各層の成長時に供給した原料、TBAs分圧、並びに成長温度を表2に示す。
Figure 0004440876
なお、表2中に略記した原料名は以下の通りである。
TMA:トリメチルアルミニウム
TEG:トリエチルガリウム
PH3:ホスフィン
AsH3:アルシン
TMI:トリメチルインジウム
TIPG:トリイソプロピルガリウム
TMBi:トリメチルビスマス
TBAs:ターシャリーブチルアルシン
TBP:ターシャリーブチルホスフィン
図3(a)には本発明の実施例3の半導体量子ドット構造の製造方法によって製造される半導体量子ドット構造を示し、図3(b)には図3(a)のC部拡大図を示し、表3には本発明の実施例3の半導体量子ドット構造の製造方法を示す。
図3中、301はGaAs基板、302はAlGaAsクラッド層(膜厚1.5μm)、303はAlGaAs光閉じ込め層(膜厚200nm)、304はGaAs障壁層(膜厚50nm)、305は面密度1×1011/cm2の、成長ファセットによって側面が囲まれたIn(Ga)As(Bi)量子ドット、306はInGaAs(Bi)薄膜層(膜厚10nm)、307はGaAsコンタクト層(膜厚100nm)であり、InGaAs(Bi)薄膜層306のうち306aはカバー半導体層であるInGaAs(Bi)カバー半導体層(膜厚6nm)、306bは下地半導体層であるInGaAs(Bi)下地層(膜厚4nm)である。
更にIn(Ga)As(Bi)量子ドット305中、305aは自己組織化によって形成された第一の領域であるIn(Ga)As(Bi)の領域、305bはIn(Ga)As(Bi)からなる領域305aのIn(Ga)As(Bi)量子ドット上へのInGaAs(Bi)カバー半導体層306aの成長中にIn(Ga)As(Bi)からなる領域305aによる歪場に誘起された組成変調(InGaAs(Bi)カバー半導体層306aの組織変調)によってIn(Ga)As(Bi)からなる領域305a上に選択的に形成された第二の領域であるInGaAs(Bi)の領域である。ここで上記第二の領域305bのInGaAs(Bi)におけるIn組成は上記InGaAs(Bi)薄膜層306の平均的In組成に比べて高いため、本実施例3においてはIn(Ga)As(Bi)からなる領域305aとInGaAs(Bi)からなる領域305bの複合体が実効的な量子ドットとして作用しており、量子ドットの体積が大きくなること並びに上記第一の領域305aの歪が弾性的に緩和されることによってその発光波長が長波長化している。
ここで本実施例3においてはIn(Ga)As(Bi)量子ドット305の下部にInGaAs(Bi)下地層306bがあるが、同下地層を省いても本発明における効果は同様に得られる。
図3に示した半導体量子ドット構造を種々の成長条件を用いて作成し、レーザダイオード素子を作成した結果、発光波長1.2〜1.6μmの素子が得られた。
また、同構造を種々の成長条件を用いて作成し、半導体光増幅器を作成した結果、増幅帯域の中央値1.2〜1.6μmの、高利得、高飽和出力の素子が得られた。
なお、上記本文中、並びに図中、表中の元素表記で( )内に示した元素は構造設定、あるいは成長条件によっては含まれない場合があるものである。
次に図3の構造を作成するための本発明の実施例3の半導体量子ドット構造の製造方法を表3に表すとともに、以下、詳細に説明する。半導体量子ドット構造の成長にはMOVPEを用いた。
まず、GaAs基板301を装置内に導入し、通常の成長手順でGaAs基板301上にAlGaAsクラッド層302、AlGaAs光閉じ込め層303、GaAs障壁層304を成長する。
次に成長を中断し、基板温度を400℃まで下げた後、In(Ga)As(Bi)量子ドット305とInGaAs(Bi)薄膜層306をトリメチルインジウム、トリイソプロピルガリウム、トリメチルビスマス、ターシャリーブチルアルシンを原料として成長した。ここで同薄膜層の成長におけるガリウム材料としてトリイソプロピルガリウムを用いたことにより400℃という低温においても十分な熱分解が得られたことに加えビスマス原料の供給による低温成長時の結晶性劣化防止効果により光学特性の良い結晶が得られた。また更にInGaAs混晶が熱力学的に相分離を起こしやすい400℃という温度下においてビスマス原料を供給したことにより相分離が促進され、In(Ga)As(Bi)からなる領域305aのIn(Ga)As(Bi)量子ドットの周辺にIn組成の高いInGaAs(Bi)からなる領域305bが再現性良く形成できた。
次に再び成長を中断し、基板温度を上げた後、GaAs障壁層304、AlGaAs光閉じ込め層303、AlGaAsクラッド層302、GaAsコンタクト層307を成長し、図3に示す実施例3の構造を得た。
この実施例1の構造の各層の成長時に供給した原料、TBAs分圧、並びに成長温度を表3に示す。
Figure 0004440876
なお、表3中に略記した原料名は以下の通りである。
TMA:トリメチルアルミニウム
TEG:トリエチルガリウム
AsH3:アルシン
TMI:トリメチルインジウム
TIPG:トリイソプロピルガリウム
TMBi:トリメチルビスマス
TBAs:ターシャリーブチルアルシン
図4(a)には本発明の実施例4の半導体量子ドット構造の製造方法によって製造される半導体量子ドット構造を示し、図4(b)には図4(a)のD部拡大図を示し、表4には本発明の実施例4の半導体量子ドット構造の製造方法を示す。
図4中、401はInP基板、402はInPクラッド層(膜厚1.5μm)、403はInGaAsP光閉じ込め層(膜厚200nm)、404はInGaAsP障壁層(膜厚50nm)、405は面密度1×1011/cm2の、成長ファセットによって側面が囲まれたIn(Ga)As(Bi)量子ドット、406はInGaAs(Bi)薄膜層(膜厚10nm)、407はInGaAsコンタクト層(膜厚100nm)であり、InGaAs(Bi)薄膜層406のうち406aはカバー半導体層であるInGaAs(Bi)カバー半導体層(膜厚6nm)、406bは下地半導体層であるInGaAs(Bi)下地層(膜厚4nm)である。
更にIn(Ga)As(Bi)量子ドット405中、405aは自己組織化によって形成された第一の領域であるIn(Ga)As(Bi)の領域、405bはIn(Ga)As(Bi)からなる領域405aのIn(Ga)As(Bi)量子ドット上へのInGaAs(Bi)カバー半導体層406aの成長中にIn(Ga)As(Bi)からなる領域405aによる歪場に誘起された組成変調(InGaAs(Bi)カバー半導体層406aの組織変調)によってIn(Ga)As(Bi)からなる領域405aのドット上に選択的に形成されたInGaAs(Bi)の領域である。ここで上記第二の領域405bのInGaAs(Bi)におけるIn組成は上記InGaAs(Bi)薄膜層406の平均的In組成に比べて高いため、本実施例においてはIn(Ga)As(Bi)からなる領域405aとInGaAs(Bi)からなる領域405bの複合体が実効的な量子ドットとして作用しており、量子ドットの体積が大きくなること並びに上記第一の領域405aの歪が弾性的に緩和されることによってその発光波長が長波長化している。
ここで本実施例においてはIn(Ga)As(Bi)量子ドット405の下部にInGaAs(Bi)下地層406bがあるが、同下地層を省いても本発明における効果は同様に得られる。
図4に示した半導体量子ドット構造を種々の成長条件を用いて作成し、レーザダイオード素子を作成した結果、発光波長1.3〜2.4μmの素子が得られた。
また、同構造を種々の成長条件を用いて作成し、半導体光増幅器を作成した結果、増幅帯域の中央値1.3〜2.4μmの、高利得、高飽和出力の素子が得られた。
なお、上記本文中、並びに図中、表中の元素表記で( )内に示した元素は構造設定、あるいは成長条件によっては含まれない場合があるものである。
次に図4の構造を作成するための本発明の実施例4の半導体量子ドット構造の製造方法を表4に表すとともに、以下、詳細に説明する。半導体量子ドット構造の成長にはMOVPEを用いた。
まず、InP基板401を装置内に導入し、通常の成長手順でInP基板401上にInPクラッド層402、InGaAsP光閉じ込め層403、InGaAsP障壁層404を成長する。
次に成長を中断し、基板温度を400℃まで下げた後、In(Ga)As(Bi)量子ドット405とInGaAs(Bi)薄膜層406をトリメチルインジウム、トリイソプロピルガリウム、トリメチルビスマス、ターシャリーブチルアルシンを原料として成長した。ここで同薄膜層の成長におけるガリウム材料としてトリイソプロピルガリウムを用いたことにより400℃という低温においても十分な熱分解が得られたことに加えビスマス原料の供給による低温成長時の結晶性劣化防止効果により光学特性の良い結晶が得られた。また更にInGaAs混晶が熱力学的に相分離を起こしやすい400℃という温度下においてビスマス原料を供給したことにより相分離が促進され、In(Ga)As(Bi)からなる領域405aのIn(Ga)As(Bi)量子ドットの周辺にIn組成の高いInGaAs(Bi)からなる領域405bが再現性良く形成できた。
次に再び成長を中断し、基板温度を上げた後、InGaAsP障壁層404、InGaAsP光閉じ込め層403、InPクラッド層402、InGaAsコンタクト層407を成長し、図4に示す実施例4の構造を得た。
この実施例4の構造の各層の成長時に供給した原料、TBAs分圧、並びに成長温度を表4に示す。
Figure 0004440876
なお、表4中に略記した原料名は以下の通りである。
TMA:トリメチルアルミニウム
TEG:トリエチルガリウム
PH3:ホスフィン
AsH3:アルシン
TMI:トリメチルインジウム
TIPG:トリイソプロピルガリウム
TMBi:トリメチルビスマス
TBAs:ターシャリーブチルアルシン
TBP:ターシャリーブチルホスフィン
本発明は半導体量子ドット構造の製造方法に関するものであり、光通信、光計測機器用の半導体光源並びに半導体光増幅器の活性層、或いは半導体受光素子の光吸収層などとして用いる半導体量子ドット構造の製造に適用して有用なものである。
特に本発明においては、従来の発明で主として用いられている分子線エピタキシー法(MBE)によって成長されたものに比べ、生産性が高いという長所を有しながらも良質な半導体量子ドットの製造が難しいとされてきたMOVPEを用いながらも、半導体量子ドットに求められるすべての特性、即ち、良好な光学特性、高い面密度、高い均一性を兼ね備えた半導体量子ドットが実現されており、発光効率並びに温度特性がより良好な半導体光源、あるいは光増幅特性が並びに温度特性がより良好な半導体光増幅器、あるいは受光効率がより良好な半導体受光素子を実現できる、という特徴を有する。
(a)は本発明の実施例1の半導体量子ドット構造の製造方法によって製造される半導体量子ドット構造を示す図、(b)は(a)のA部拡大図である。 (a)は本発明の実施例2の半導体量子ドット構造の製造方法によって製造される半導体量子ドット構造を示す図、(b)は(a)のB部拡大図である。 (a)は本発明の実施例3の半導体量子ドット構造の製造方法によって製造される半導体量子ドット構造を示す図、(b)は(a)のC部拡大図である。 (a)は本発明の実施例4の半導体量子ドット構造の製造方法によって製造される半導体量子ドット構造を示す図、(b)は(a)のD部拡大図である。
101 GaAs基板
102 AlGaAsクラッド層
103 AlGaAs光閉じ込め層
104 GaAs障壁層
105 面密度4×1010/cm2のIn(Ga)As(Bi)量子ドット
105a 自己組織化によって形成されたIn(Ga)As(Bi)からなる領域
105b 組成変調によってIn(Ga)As(Bi)の領域105a上に選択的に形成されたInGaAs(Bi)からなる領域
106 InGaAs(Bi)薄膜層
106a InGaAs(Bi)カバー半導体
106b InGaAs(Bi)下地層
107 GaAsコンタクト層
201 InP基板
202 InPクラッド層
203 InGaAsP光閉じ込め層
204 InGaAsP障壁層
205 In(Ga)As(Bi)量子ドット
205a 自己組織化によって形成されたIn(Ga)As(Bi)からなる領域
205b 組成変調によってIn(Ga)As(Bi)の領域205a上に選択的に成長したInGaAs(Bi)からなる領域
206 InGaAs(Bi)薄膜層
206a InGaAs(Bi)カバー半導体
206b InGaAs(Bi)
207 InGaAsコンタクト層
301 GaAs基板
302 AlGaAsクラッド層
303 AlGaAs光閉じ込め層
304 GaAs障壁層
305 In(Ga)As(Bi)量子ドット
305a 自己組織化によって形成されたIn(Ga)As(Bi)からなる領域
305b 組成変調によってIn(Ga)As(Bi)の領域305a上に選択的に形成されたInGaAs(Bi)からなる領域
306 InGaAs(Bi)薄膜層
306a InGaAs(Bi)カバー半導体
306b InGaAs(Bi)下地層
307 GaAsコンタクト層
401 InP基板
402 InPクラッド層
403 InGaAsP光閉じ込め層
404 InGaAsP障壁層
405 In(Ga)As(Bi)量子ドット
405a 自己組織化によって形成されたIn(Ga)As(Bi)からなる領域
405b 組成変調によってIn(Ga)As(Bi)の領域405a上に選択的に形成されたInGaAs(Bi)からなる領域
406 InGaAs(Bi)薄膜層
406a InGaAs(Bi)カバー半導体
406b InGaAs(Bi)下地層
407 InGaAsコンタクト層

Claims (24)

  1. 有機金属気相成長法を用いて形成する半導体量子ドット構造の製造方法において、
    TMIとTBAsとを主たる原料とし、
    且つ、成長条件におけるV族原料の前記TBAsとIII族原料の前記TMIとの供給比すなわちV/III比を150以上とし、
    且つ、成長温度を300℃以上、450℃未満として、
    In 1-x Ga x As 1-y Bi y (x≧0,y≧0)量子ドット又はIn 1-x Ga x As 1-y Sb y (x≧0,y≧0)からなる量子ドットを成長させることを特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  2. 請求項1に記載の半導体量子ドット構造の製造方法において、
    前記量子ドットの成長前、或いは成長時にビスマス原料又はアンチモン原料も供給して、前記量子ドットを成長させることを特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  3. 請求項2に記載の半導体量子ドット構造の製造方法において、
    前記ビスマス原料としてTMBi、TEBi又はTDMABiを用いること、
    或いは前記アンチモン原料としてTMSb、TESb又はTDMASbを用いること、を特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  4. 請求項2又は3に記載の半導体量子ドット構造の製造方法において、
    前記量子ドットの下部及び上部に下地半導体層及びカバー半導体層を有し、
    前記量子ドットは、前記In1-xGaxAs1-yBiy(x≧0,y≧0)からなる量子ドット又は前記In1-xGaxAs1-ySby(x≧0,y≧0)からなる量子ドットであり、ここでGaは成長原料には含まれないが、前記下地半導体層、或いは前記カバー半導体層から拡散によって導入される成分であることを特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  5. 有機金属気相成長法を用いて形成する半導体量子ドット構造の製造方法において、
    TMIとTBAsとを主たる原料とし、
    且つ、成長条件におけるV族原料の前記TBAsとIII族原料の前記TMIとの供給比すなわちV/III比を300以上とし、
    且つ、成長温度を300℃以上、450℃未満として、
    In 1-x Ga x As 1-y Bi y (x≧0,y≧0)量子ドット又はIn 1-x Ga x As 1-y Sb y (x≧0,y≧0)からなる量子ドットを成長させることを特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  6. 請求項5に記載の半導体量子ドット構造の製造方法において、
    前記量子ドットの下部及び上部に下地半導体層及びカバー半導体層を有し、
    前記量子ドットは、In1-xGaxAs(x≧0)量子ドットであり、ここでGaは成長原料には含まれないが、前記下地半導体層、或いは前記カバー半導体層から拡散によって導入される成分であることを特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  7. 請求項5に記載の半導体量子ドット構造の製造方法において、
    前記量子ドットの成長前、或いは成長時にビスマス原料又はアンチモン原料も供給して、前記量子ドットを成長させることを特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  8. 請求項7に記載の半導体量子ドット構造の製造方法において、
    前記ビスマス原料としてTMBi、TEBi又はTDMABiを用いること、
    或いは前記アンチモン原料としてTMSb、TESb又はTDMASbを用いること、を特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  9. 請求項7又は8に記載の半導体量子ドット構造の製造方法において、
    前記量子ドットの下部及び上部に下地半導体層及びカバー半導体層を有し、
    前記量子ドットは、In1-xGaxAs1-yBiy(x≧0,y≧0)量子ドット又はIn1-xGaxAs1-ySby(x≧0,y≧0)量子ドットであり、ここでGaは成長原料には含まれないが、前記下地半導体層、或いは前記カバー半導体層から拡散によって導入される成分であることを特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  10. 有機金属気相成長法を用いて形成する半導体量子ドット構造の製造方法において、
    TMIとTIPGとTBAsとを主たる原料とし、
    且つ、成長条件におけるV族原料の前記TBAsとIII族原料の前記TMI及び前記TIPGとの供給比すなわちV/III比を150以上とし、
    且つ、成長温度を300℃以上、450℃未満として、
    In 1-x Ga x As 1-y Bi y (x≧0,y≧0)量子ドット又はIn 1-x Ga x As 1-y Sb y (x≧0,y≧0)からなる量子ドットを成長させることを特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  11. 請求項10に記載の半導体量子ドット構造の製造方法において、
    前記量子ドットの成長前、或いは成長時にビスマス原料又はアンチモン原料も供給して、前記量子ドットを成長させることを特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  12. 請求項11に記載の半導体量子ドット構造の製造方法において、
    前記ビスマス原料としてTMBi、TEBi又はTDMABiを用いること、
    或いは前記アンチモン原料としてTMSb、TESb又はTDMASbを用いること、を特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  13. 請求項11又は12に記載の半導体量子ドット構造の製造方法において、
    前記量子ドットは、In1-xGaxAs1-yBiy(x>0,y≧0)量子ドット又はIn1-xGaxAs1-ySby(x>0,y≧0)量子ドットであることを特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  14. 有機金属気相成長法を用いて形成する半導体量子ドット構造の製造方法において、
    TMIとTIPGとTBAsとを主たる原料とし、
    且つ、成長条件におけるV族原料の前記TBAsとIII族原料の前記TMI及び前記TIPGとの供給比すなわちV/III比を300以上とし、
    且つ、成長温度を300℃以上、450℃未満として、
    In 1-x Ga x As 1-y Bi y (x≧0,y≧0)量子ドット又はIn 1-x Ga x As 1-y Sb y (x≧0,y≧0)からなる量子ドットを成長させることを特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  15. 請求項14に記載の半導体量子ドット構造の製造方法において、
    前記量子ドットは、In1-xGaxAs(x>0)量子ドットであることを特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  16. 請求項14に記載の半導体量子ドット構造の製造方法において、
    前記量子ドットの成長前、或いは成長時にビスマス原料又はアンチモン原料も供給して、前記量子ドットを成長させることを特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  17. 請求項16に記載の半導体量子ドット構造の製造方法において、
    前記ビスマス原料としてTMBi、TEBi又はTDMABiを用いること、
    或いは前記アンチモン原料としてTMSb、TESb又はTDMASbを用いること、を特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  18. 請求項16又は17に記載の半導体量子ドット構造の製造方法において、
    前記量子ドットは、In1-xGaxAs1-yBiy(x>0,y≧0)量子ドット又はIn1-xGaxAs1-ySby(x>0,y≧0)量子ドットであることを特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  19. 請求項1〜18の何れか1項に記載の半導体量子ドット構造の製造方法において、
    前記量子ドット上に、
    TMIとTIPGとTBAsを主たる原料とし、
    且つ、成長温度を300℃以上、450℃未満として、
    カバー半導体層を成長させることを特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  20. 請求項19に記載の半導体量子ドット構造の製造方法において、
    前記カバー半導体層は、In1-xGaxAs(x>0)カバー半導体層であることを特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  21. 請求項19に記載の半導体量子ドット構造の製造方法において、
    前記カバー半導体層の成長前、或いは成長時にビスマス原料又はアンチモン原料も供給して、前記カバー半導体層を成長させることを特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  22. 請求項21に記載の半導体量子ドット構造の製造方法において、
    前記ビスマス原料としてTMBi、TEBi又はTDMABiを用いること、
    或いは前記アンチモン原料としてTMSb、TESb又はTDMASbを用いること、を特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  23. 請求項21又は22に記載の半導体量子ドット構造の製造方法において、
    前記カバー半導体層は、In1-xGaxAs1-yBiy(x>0,y≧0)カバー半導体層又はIn1-xGaxAs1-ySby(x>0,y≧0)カバー半導体層であることを特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
  24. 請求項19〜23の何れか1項に記載の半導体量子ドット構造の製造方法において、
    前記カバー半導体層上に、
    TBAsもしくはTBPを主たるV族原料とし、又はTBAs及びTBPを主たるV族原料とし、
    且つ、成長温度を前記量子ドットの成長温度以上、650℃未満として、
    素子を形成するために必要な上部成長層を順次成長させることを特徴とする半導体量子ドット構造の製造方法。
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