JP4440654B2 - ファンフィルタユニットおよび既設加圧チャンバ方式クリーンルームをffu方式クリーンルームに改修する方法ならびにffu方式クリーンルームをffu方式クリーンルームと一部空調機方式クリーンルームとの併用型クリーンルームに改修する方法 - Google Patents
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Description
その一例を図15に示す。
クリーンルーム(プロセス)2とクリーンルーム(サービス)3とには、天井側にHEPAフィルタなどの高性能フィルタ4が敷設され、床側にパンチングメタルなどの穴あき板5が設置されている。
また、敷設した高性能フィルタの天井チャンバ側にモータ付き送風機を取り付けて成るFFUを設置するFFU方式クリーンルームが知られている(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)。
本例に示すFFU方式クリーンルームは、高性能フィルタ4の上にFFU11を設置するとともに、循環ファン7を用いない点で、図15に示す加圧チャンバ方式クリーンルームとは相違する。
しかし、クリーンルームを平面的に眺めた場合、縦シャフト8に大型の循環ファン7が設置され、また空気の搬送における圧力損失や音の発生の観点から、循環ファン7の吸込側スペースが床下やレタンシャフトに、吐出側スペースが気流方向の天井裏に必要となり、大きなスペースを縦シャフト8として必要とする場合がある。
ところで、加圧チャンバ方式クリーンルームは、循環ファン7によって空気を循環させる方式であるため少数の大型送風機で空気を搬送する。これに対し、FFU方式クリーンルームは、FFU11自体に送風機を備えており、多数の小型送風機で循環空気を搬送する。
また、本発明は、FFU、ダクト接続吹出口が混在しているクリーンルーム内での空調方式にFFU方式クリーンルームから変更する場合においても、FFUとダクト接続吹出口との兼用利用を可能としたファンフィルタユニットを提供することにある。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のファンフィルタユニットにおいて、前記2つの開口部の少なくとも一方は、ダクトが接続できるフランジを形成し、前記フランジにボルトを突出していることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、運転中の既設加圧チャンバ方式クリーンルームの天井チャンバ内に、予め決めた切替時期毎の工区に沿って天井内間仕切りを設ける工程と、前記天井内間仕切りで仕切られた当切替時期の工区において、運転中の既設フィルタユニット上に、高性能フィルタ上に設置される囲い部と、前記囲い部の天井部に設けられた2つの開口部と、前記開口部の一方に設けられたモータ付き送風機と、前記開口部の内のモータ付き送風機を備えていない開口部を塞ぐ蓋部材とを備えたファンフィルタユニットを、前記モータ付き送風機を備えていない開口部が開放された状態で順次設置する工程と、運転中の既設加圧チャンバ方式クリーンルームの循環ファンの運転を停止し、この循環ファンの撤去および縦シャフトのファン回り閉塞板撤去を行い、その後に、前記モータ付き送風機を備えていない開口部を前記蓋部材で塞ぐ工程とを備えたことを特徴とする。
本発明に係るファンフィルタユニットにおいては、モータ付き送風機を設けていない開口部が、加圧チャンバ対応のバイパス吸込口として機能し、加圧チャンバ下での使用時には開放し、FFU使用時では蓋部材で塞ぐことができる。
また、バイパス吸込口をダクトフランジ型とし、ここをダクト吸込口として利用することができる。ダクト吸込口を使用する場合には、モータ付き送風機を設けた開口部を蓋部材で覆い、逆流を防止することができる。
本発明に係るファンフィルタユニットを用いて既設加圧チャンバ方式クリーンルームをFFU方式クリーンルームに改修する方法においては、既設の加圧チャンバ方式クリーンルームの天井チャンバ内に、天井内間仕切りを予め決めた切替時期毎の工区に沿って設け、モータ付送風機を備えていない開口部が開放された状態のファンフィルタユニットを、運転中の加圧チャンバ方式クリーンルームの既設フィルタユニット上に順次設置し、そのまま加圧チャンバ方式クリーンルームとして運転し、天井内間仕切りで仕切られた当切替時期の工区に必要な所定の台数のファンフィルタユニット全てを、天井内のユニット設置、それぞれのFFUへの配線工事、その後の通電動作試験まで完了させ、その状態で、先ず、運転中の加圧チャンバ方式クリーンルームの循環ファンの運転を停止し、この循環ファンの撤去および縦シャフトのファン回り閉塞板撤去を行い、しかる後に、ファンフィルタユニットを、モータ付送風機を備えていない開口部が開放されている加圧チャンバ方式クリーンルームのフィルタユニットとして機能していたのを、モータ付送風機を備えていない開口部を蓋部材で塞ぐことでファンフイルタユニットとして機能させ、各モータ付送風機を運転し、吹出風速を測定確認しながら全FFU運転に切り替えていくことができる。工事としては、ファンフィルタユニットの動作確認まで事前に完了しているので、循環ファンと周囲閉塞板の撤去作業およびFFUの開口部蓋部材の切替作業のみで切替工事が済むこととなり、生産工程での休日を利用した工程に影響のない短時間の作業が可能となった。また、切替時期毎の工区のエリアは、停止できる時間、および既設の循環ファンの受持エリア、循環ファン周辺の撤去工事から決定していけば良い。よって、順次切替工事を生産工程に支障無く実施することができる。
本発明によれば、加圧チャンバクリーンルームを稼働しながら順次FFUを実装できるので、クリーンルームの操業停止が不要となった。
本発明によれば、FFU、ダクト接続吹出口が混在しているクリーンルーム内での空調方式においても、FFUとダクト接続吹出口との兼用利用が可能となった。
図1〜図6は、本発明の一実施形態に係るファンフィルタユニットを示す(請求項1,2,3に対応する)。
本実施形態に係るファンフィルタユニット20は、HEPAフィルタ、ULPAフィルタなどの高性能フィルタ55上に設置される囲い部21と、この囲い部21の天井部22に設けられた2つの開口部30,35と、開口部35に設けられたモータ付き送風機40とを備えている。
囲い部21は、矩形状の天井部22と、天井部22の周縁部から同一方向に起立するスカート部23と、スカート部23の縁部に設けたフィルタ取付部24とを備えた箱形容器で構成されている。
開口部30,35は、同一形状を為す筒部31,36と、筒部31,36の先端部に設けたフランジ部32,37と、フランジ部32,37上に載置したパッキン33,38とを備えている。
蓋部材45は、フランジ部32,37の上を覆うことができるようにフランジ部32,37とほぼ同径の円盤46と、この円盤46に連接する舌部47とで構成されている。
円盤46には、図6に示すように、4個のボルト34,39を挿通することができる長孔48が設けてある。長孔48を挿通した4個のボルト34,39には、ちょうナット49がワッシャ49aを介して螺着されて蓋部材45を固定するようになっている。
次に、斯くして構成された本実施形態に係るファンフィルタユニットを用いて既設加圧チャンバ方式クリーンルームをFFU方式クリーンルームに改修する方法を説明する(請求項5に対応する)。
この場合には、モータ付き送風機40を備えていない開口部30が開放されているので、加圧チャンバ方式クリーンルームのフィルタユニットとして機能することができる。
従って、例えば図7に示すように、加圧チャンバクリーンルームを運転中に既設のフィルタ4上に順次設置しても、ほとんど圧力損失が増加せず、よってフィルタ4のみの天井部分とユニット20載置部の天井部分とで吹出風量にばらつきは無く、工程稼働に支障がない。
この場合には、モータ付送風機40を備えた開口部35が開放されているので、FFU方式チャンバクリーンルームのファンフィルタユニットとして機能することができる。
このファンフィルタユニット20を用いれば、例えば次のように既設の加圧チャンバ方式クリーンルームを生産工程に支障がない停止時間だけで順次FFU方式クリーンルームに切り替えることができる。
その状態で、図8の示すように、先ず、運転中の加圧チャンバ方式クリーンルームの循環ファン7の運転を停止し、この循環ファン7の撤去および縦シャフトのファン回り閉塞板撤去を行う。しかる後に、ファンフィルタユニット20を、モータ付送風機40を備えていない開口部30が開放されている加圧チャンバ方式クリーンルームのフィルタユニットとして機能していたのを、モータ付送風機40を備えていない開口部30を蓋部材45を回動させて塞ぐことでファンフイルタユニットとして機能させ、各モータ付送風機40を運転し、吹出風速を測定確認しながら全FFU運転に切り替えていく。工事としてはファンフィルタユニットの動作確認まで事前に完了しているので、循環ファン7と周囲閉塞板の撤去作業およびFFUの開口部蓋部材の切替作業のみで切替工事が済むこととなり、生産工程での休日を利用した工程に影響のない短時間の作業で可能となった。また、切替時期毎の工区のエリアは、停止できる時間、および既設の循環ファンの受持エリア、循環ファン周辺の撤去工事から決定していけば良い。よって、図11のように、工区を2年目、3年目に行う工事に相当する第二工区、第三工区を順次切替工事を生産工程の支障無く実施することができる。
この例では、図8に示す形の既設FFU方式クリーンルームをFFU方式クリーンルームと一部空調機方式クリーンルームとの併用型クリーンルームに改修する方法を示す(請求項6,7に対応する)。この例では、図8に示す形の既設FFUクリーンルームを改修して供給温度差の違いなどにより一部のエリアであるクリーンルーム(サービス)3を個別空調機61からのダクト接続を行う場合について説明する。
一方、クリーンルーム(サービス)3では、図1,図2に示すファンフィルタユニット20が設置されて運転されている最中に、床側に吸込口62を設け、機械室スペースに個別空調機61を設置し、給気ダクト60および還気ダクト63を空調機61側から天井内、床下でクリーンルーム運転中に順次施工し、最後にクリーンルーム(サービス)3のファンフィルタユニット20を全停止させ、蓋部材45を開口部30からモータ付送風機40を備えている開口部35に回動させて塞ぎ、その後各開口部30にダクト60端部を接続する作業と、各吸込口62にダクト63端部を接続する作業とを一斉に短時間に行い、その日の内に系統を切り替えて工事完了として、個別空調機61の運転を開始する。
また、上記各実施形態においては、蓋部材45をちょうナット49によって固定する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、天井部に固定アームを設け、この固定アームによって蓋部材45を固定するようにしても良い。
21 囲い部
22 天井部
30,35 開口部
40 モータ付き送風機
45 蓋部材
70 天井内間仕切り
Claims (9)
- 高性能フィルタ上に設置される囲い部と、
前記囲い部の天井部に設けられた2つの開口部と、
前記開口部の一方に設けられたモータ付き送風機と、
前記開口部の内の前記モータ付き送風機を備えていない開口部を塞ぐための蓋部材とを備え、
前記蓋部材は、前記2つの開口部の間の前記天井部に固定される蝶番により軸支され、何れか一方の前記開口部を開放する場合には他方の前記開口部を覆って塞ぐように回動自在に設けてある
ことを特徴とするファンフィルタユニット。 - 請求項1記載のファンフィルタユニットにおいて、前記2つの開口部の少なくとも一方は、ダクトが接続できるフランジを形成し、前記フランジにボルトを突出していることを特徴とするファンフィルタユニット。
- 請求項2記載のファンフィルタユニットにおいて、前記モータ付き送風機を備えていない開口部を塞ぐための前記蓋部材が、前記モータ付き送風機を備えていない開口部に形成されたフランジに突出したボルトとナットにて螺着して固定されることを特徴とするファンフィルタユニット。
- 運転中の既設加圧チャンバ方式クリーンルームの天井チャンバ内に、予め決めた切替時期毎の工区に沿って天井内間仕切りを設ける工程と、
前記天井内間仕切りで仕切られた当切替時期の工区において、運転中の既設フィルタユニット上に、高性能フィルタ上に設置される囲い部と、前記囲い部の天井部に設けられた2つの開口部と、前記開口部の一方に設けられたモータ付き送風機と、前記開口部の内のモータ付き送風機を備えていない開口部を塞ぐ蓋部材とを備えたファンフィルタユニットを、前記モータ付き送風機を備えていない開口部が開放された状態で順次設置する工程と、
運転中の既設加圧チャンバ方式クリーンルームの循環ファンの運転を停止し、この循環ファンの撤去および縦シャフトのファン回り閉塞板撤去を行い、その後に、前記モータ付き送風機を備えていない開口部を前記蓋部材で塞ぐ工程と
を備えたことを特徴とする既設加圧チャンバ方式クリーンルームをFFU方式クリーンルームに改修する方法。 - 運転中の既設加圧チャンバ方式クリーンルームの天井チャンバ内に、予め決めた切替時期毎の工区に沿って天井内間仕切りを設ける工程と、
前記天井内間仕切りで仕切られた当切替時期の工区において、運転中の既設フィルタユニット上に、モータ付き送風機を備えていない開口部が開放された状態の請求項1記載のファンフィルタユニットを、順次設置する工程と、
前記運転中の既設加圧チャンバ方式クリーンルームの循環ファンの運転を停止し、前記循環ファンの撤去および縦シャフトのファン回り閉塞板撤去を行い、その後に、前記モータ付き送風機を備えていない開口部を前記蓋部材を回動させて塞ぐ工程と
を備えたことを特徴とする既設加圧チャンバ方式クリーンルームをFFU方式クリーンルームに改修する方法。 - 請求項4記載の既設加圧チャンバ方式クリーンルームをFFU方式クリーンルームに改修する方法によって改修され、運転中のFFU方式クリーンルームにおける一部のクリーンルームの床側に吸込口を設け、機械室スペースに個別空調機を設置し、給気ダクトおよび還気ダクトを空調機側から天井内、床下に設置する工程と、
前記一部のクリーンルームのファンフィルタユニットを全停止させ、前記蓋部材を開口部から前記モータ付き送風機を備えている開口部に移して塞ぎ、開放している前記各開口部に前記給気ダクトを接続し、前記各吸込口に前記還気ダクトを接続し、前記個別空調機の運転を開始する工程と
を備えたことを特徴とするFFU方式クリーンルームをFFU方式クリーンルームと一部空調機方式クリーンルームとの併用型クリーンルームに改修する方法。 - 請求項5記載の既設加圧チャンバ方式クリーンルームをFFU方式クリーンルームに改修する方法によって改修され、運転中のFFU方式クリーンルームにおける一部のクリーンルームの床側に吸込口を設け、機械室スペースに個別空調機を設置し、給気ダクトおよび還気ダクトを空調機側から天井内、床下に設置する工程と、
前記一部のクリーンルームのファンフィルタユニットを全停止させ、前記蓋部材を開口部から前記モータ付き送風機を備えている開口部に回動して塞ぎ、開放している前記各開口部に前記給気ダクトを接続し、前記各吸込口に前記還気ダクトを接続し、前記個別空調機の運転を開始する工程と
を備えたことを特徴とするFFU方式クリーンルームをFFU方式クリーンルームと一部空調機方式クリーンルームとの併用型クリーンルームに改修する方法。 - 高性能フィルタ上に設置される囲い部と、前記囲い部の天井部に設けられた2つの開口部と、前記開口部の一方に設けられたモータ付き送風機と、前記開口部の内のモータ付き送風機を備えていない開口部を塞ぐ蓋部材とを備えたファンフィルタユニットを備えたFFU方式クリーンルームにおける一部のクリーンルームの床側に吸込口を設け、機械室スペースに個別空調機を設置し、給気ダクトおよび還気ダクトを空調機側から天井内、床下に設置する工程と、
前記一部のクリーンルームのファンフィルタユニットを全停止させ、前記蓋部材を開口部から前記モータ付き送風機を備えている開口部に移して塞ぎ、開放している前記各開口部に前記給気ダクトを接続し、前記各吸込口に前記還気ダクトを接続し、前記個別空調機の運転を開始する工程と
を備えたことを特徴とするFFU方式クリーンルームをFFU方式クリーンルームと一部空調機方式クリーンルームとの併用型クリーンルームに改修する方法。 - 請求項1または請求項3記載のファンフィルタユニットを備えたFFU方式クリーンルームにおける一部のクリーンルームの床側に吸込口を設け、機械室スペースに個別空調機を設置し、給気ダクトおよび還気ダクトを空調機側から天井内、床下に設置する工程と、
前記一部のクリーンルームのファンフィルタユニットを全停止させ、前記蓋部材を開口部から前記モータ付き送風機を備えている開口部に回動して塞ぎ、開放している前記各開口部に前記給気ダクトを接続し、前記各吸込口に前記還気ダクトを接続し、前記個別空調機の運転を開始する工程と
を備えたことを特徴とするFFU方式クリーンルームをFFU方式クリーンルームと一部空調機方式クリーンルームとの併用型クリーンルームに改修する方法。
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