JP3521801B2 - クリーンルーム設備 - Google Patents

クリーンルーム設備

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JP3521801B2
JP3521801B2 JP16952399A JP16952399A JP3521801B2 JP 3521801 B2 JP3521801 B2 JP 3521801B2 JP 16952399 A JP16952399 A JP 16952399A JP 16952399 A JP16952399 A JP 16952399A JP 3521801 B2 JP3521801 B2 JP 3521801B2
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松雄 神谷
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクリーンルーム設備
に係り、特に連続運転する必要のない研究開発用のクリ
ーンルーム設備に関する。
【0002】
【従来の技術】クリーンルームは、天井面に多数のファ
ンフィルタユニットが設置され、このファンフィルタユ
ニットによって天井裏空間のエアが除塵されてクリーン
ルーム内に吹き出される。そして、吹き出されたエア
は、クリーンルーム下面のグレーチング床を介して床下
空間に吸い込まれ、その一部が排気ダクトを介して外部
に排気される。また、床下空間に吸い込まれた残りのエ
アは、クリーンルーム側壁に沿って形成された還気路
と、空調機が配設された還気ダクトを介して天井裏空間
に還気される。天井裏空間に還気されたエアは、再びフ
ァンフィルタユニットによって除塵されてクリーンルー
ム内に吹き出される。
【0003】ところで、クリーンルーム設備は、前記フ
ァンフィルタユニットや空調機等の空調系機器を連続運
転することによってクリーンルームが常に高い清浄度に
維持され、空調系機器を停止すると清浄度が低下する。
したがって、例えば夜間にクリーンルームを使用しない
研究開発用のクリーンルーム設備の場合であっても空調
系機器を連続運転する必要がある。しかし、クリーンル
ームの未使用時に空調系機器を連続運転すると、クリー
ンルーム設備のランニングコストがかさむという問題が
ある。
【0004】そこで、従来のクリーンルーム設備は、ク
リーンルームの未使用時に空調系機器の一部を停止する
ことでランニングコストの削減を図っていた。例えば、
多数のファンフィルタユニットのうち複数台を停止して
間引き運転したり、ファンフィルタユニットを駆動しな
がら空調機の駆動を停止したりしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ファン
フィルタユニットを間引き運転すると、クリーンルーム
内のエアが、停止中のファンフィルタユニットを介して
天井裏空間へ逆流し、その際フィルタに付着した塵埃が
ファンフィルタユニットの再駆動時にクリーンルーム内
に再飛散するという欠点がある。また、空調機を停止し
た場合には、還気ダクトの内圧が大きく低下し、外部の
塵埃が還気ダクトを介してクリーンルーム設備内に入り
込むため、塵埃を捕集するフィルタの寿命が低下すると
いう欠点がある。このように、従来のクリーンルーム設
備は、空調系機器の一部を停止した際にクリーンルーム
の清浄度が悪化するため、クリーンルームの清浄度の維
持とコスト削減の両方を実現することができなかった。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、クリーンルームの未使用時において高い清浄度
を維持しながらコストを削減することができるクリーン
ルーム設備を提供することを目的とする。また、本発明
は、火災等の非常時にその排煙等がファンフィルタユニ
ットのフィルタに付着することのないクリーンルーム設
備を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、空調機の給気側とクリーンルームの天井裏
空間との間が給気ダクトで連結されると共に前記空調機
の吸気側と前記クリーンルームの床下空間との間が還気
ダクトで連結されて前記空調機と前記クリーンルームと
の間にエアの第1循環路が形成される一方、前記クリー
ンルームの天井面に前記天井裏空間に給気されたエアを
クリーンルーム内に吹き出すファンフィルタユニットが
複数配設されると共に、前記天井面の天井裏空間と前記
クリーンルームの床下空間との間がクリーンルーム側壁
に沿って形成された還気路で連結されて前記天井裏空間
と前記床下空間との間にエアの第2循環路が形成された
クリーンルーム設備において、前記還気路には、前記第
2循環路を開閉する開閉手段が設けられると共に、前記
ファンフィルタユニットのファンを駆動した際に前記開
閉手段を開放し、前記ファンを停止した際に前記開閉手
段を閉成する前記開閉手段の制御装置を備えることを特
徴とする。
【0008】請求項1記載の発明によれば、前記開閉手
段を閉じて第2循環路を遮断すると共にファンフィルタ
ユニットを停止し、空調機のみを運転することにより、
空調機から天井裏空間に給気されたエアによって天井裏
空間の圧力がクリーンルーム内の圧力よりも高くなり、
ファンフィルタユニットを運転しなくても、天井裏空間
のエアがファンフィルタユニットのフィルタを介してク
リーンルーム内に吹き出される。したがって、クリーン
ルーム内の適切な空調や清浄度を維持しながら、ファン
フィルタユニットを停止した分の電力費を削減すること
ができる。
【0009】
【0010】請求項記載の発明によれば、火災等の非
常時に、前記開閉バルブを閉じて第1循環路を遮断する
とともに前記開閉手段を閉じて第2循環路を閉塞するこ
とにより、クリーンルーム内の排煙が天井裏空間に還気
されることを防止できる。したがって、排煙がファンフ
ィルタユニットのフィルタに付着しないので、クリーン
ルーム設備の被害を最小限に抑えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って、本発明に
係るクリーンルーム設備の好ましい実施の形態について
説明する。
【0012】第1の実施の形態に係るクリーンルーム設
備10は、図1に示すように、主としてクリーンルーム
12、天井裏空間14及び床下空間16からなり、クリ
ーンルーム12の天井面には、複数台のファンフィルタ
ユニット18、18…が配設されている。ファンフィル
タユニット18は、フィルタ20とファン22を備え、
該ファン22を駆動することにより天井裏空間14のエ
アがファルタ20で除塵されてクリーンルーム12内に
吹き出される。また、クリーンルーム12の床面には、
多数の開口を有するグレーチング床24が配設され、ク
リーンルーム12内に吹き出されたエアは、このグレー
チング床24の開口を介して床下空間16に吸い込まれ
る。
【0013】床下空間16は、還気ダクト28を介して
空調機30の吸気側に連結され、この空調機30の給気
側は、給気ダクト29を介して天井裏空間14に連結さ
れ、これにより、空調機30とクリーンルーム12との
間に、給気ダクト29及び還気ダクト28を用いた第1
循環路が形成されている。空調機30は、還気ダクト2
8を介して送気されたエアを外気と混合して温湿度調節
し、この温湿度調節したエアを、給気ダクト29を介し
て天井裏空間14に送気する。
【0014】また、床下空間16は、排気ダクト26を
介してクーンルーム設備10の外部に連通され、これに
より、床下空間16内のエアの一部がクリーンルーム設
備10外に排気される。
【0015】クリーンルーム12の側壁の外側には、床
下空間16と天井裏空間14とを連通する還気路32が
形成され、この還気路32により天井裏空間14と床下
空間16との間で第2循環路が形成されている。還気路
32の上部には、開閉ダンパ(開閉手段に相当)34が
配設されている。開閉ダンパ34は、図2に示すように
回動自在に取り付けられた羽根36によって構成され、
この羽根36をモータ等のアクチュエータ(図示せず)
によって回動させることにより還気路32を開閉するよ
うに構成される。羽根36の両端部には、弾性体37、
37が取り付けられ、還気路32を完全に遮断できるよ
うになっている。この開閉ダンパ34は、図示しない制
御装置によって制御され、ファンフィルタユニット18
のファン22を駆動した際に開放し、ファン22を停止
した際に閉成するように構成される。
【0016】次に上記の如く構成されたクリーンルーム
設備10の好ましい実施の形態について詳説する。
【0017】昼間のように、クリーンルーム12内に作
業者がいたり、クリーンルーム12内の装置等が稼働し
たりしてクリーンルーム12内に発生する塵埃量が多い
ときには、開閉ダンパ34を開にして第1循環路と第2
循環路を生かした状態で空調機30とファンフィルタユ
ニット18の両方を運転する。これにより、空調機30
から給気ダクト29を介して天井裏空間14に給気され
たエアは、ファンフィルタユニット18によりクリーン
ルーム12内に吹き出され、塵埃を同伴して床下空間1
6に排出される。床下空間16に排出されたエアの一部
は、還気路32を通って天井裏空間14に戻され、残り
のエアは還気ダクト28を介して空調機30にもどされ
る。これにより、クリーンルーム12内の適切な空調と
高い清浄度を維持することができる。しかし、夜間のよ
うに、クリーンルーム12内に作業者がおらず、クリー
ンルーム12内の装置等も稼働しておらずクリーンルー
ム12内に発生する塵埃量が少ないときには、開閉ダン
パ34を閉じることにより第2循環路を遮断すると共に
ファンフィルタユニット18を停止し、空調機30のみ
を運転する。これにより、空調機30から天井裏空間1
4に給気されたエアにより天井裏空間14の圧力が上昇
してクリーンルーム12内の圧力よりも高くなるので、
ファンフィルタユニット18を運転しなくても、天井裏
空間14のエアがファンフィルタユニット18のフィル
タ20を介してクリーンルーム12内に吹き出される。
吹き出されたエアは、床下空間16から還気ダクト28
を通って空調機30に戻される。この場合、クリーンル
ーム12内に吹き出されるエア量はファンフィルタユニ
ット18を運転した場合よりも少ないが、発生する塵埃
量が少ないので問題ない。従って、クリーンルーム12
内の適切な空調や清浄度を維持しながら、ファンフィル
タユニット18を停止した分の電力費を削減することが
できる。
【0018】このように第1の実施の形態のクリーンル
ーム設備10によれば、還気路32に開閉ダンパ34を
設け、この開閉ダンパ34をファンフィルタユニット1
8の停止時に閉じたので、ファンフィルタユニット18
を停止してもエアが第1循環路を介して空調機30とク
リーンルーム12との間で循環し、クリーンルーム12
の清浄度が保たれる。これにより、クリーンルーム12
の清浄度を保ちながら、ファンフィルタユニット18を
停止した分の電力を削減することができる。
【0019】また、第1の実施の形態によれば、空調機
30を連続運転しているので、クリーンルーム12には
常に温湿度調節されたエアが供給され、クリーンルーム
12内を一定の環境に保つことができる。
【0020】また、第1の実施の形態において、空調機
30をインバータ等で制御し、ファンフィルタユニット
18の停止時に回転数を低下させると、さらにコストを
削減することができる。この場合、クリーンルーム12
内で発生する塵埃の発生量に応じて空調機30の回転数
を制御するとよい。
【0021】なお、第1の実施の形態では、遮断手段と
して開閉ダンパ34を還気路32の上部に取り付けたが
これに限定するものではなく、還気路32を開閉できる
のであればよい。例えば図1の還気路32の床面38
を、図3に示すように、摺動自在に取り付けた2枚の多
孔板40、42によって構成し、一方の多孔板42をモ
ータ等のアクチュエータ(図示せず)によって矢印44
方向に摺動させる。これにより、多孔板42の摺動量に
よって床面38の開口率を調節できるので、クリーンル
ーム12内外の差圧を間接的に調節することができる。
【0022】また、遮断手段として、図4に示すような
遮蔽板46を設けても良い。遮蔽板46は、還気路32
の床面を形成するグレーチング床38上にスライド自在
に設けられ、図4(a)の開放状態から図4(b)の状
態を介して図4(c)の閉成状態にスライドされる。
【0023】第2の実施の形態のクリーンルーム設備5
0は、図5に示すように還気ダクト28にダンパ(開閉
バルブに相当)52が配設され、このダンパ52が非常
時に閉じるように構成される。なお、図1で示した第1
の実施の形態と同一若しくは類似の部材については、同
一の符号を付してその説明を省略する。
【0024】上記の如く構成されたクリーンルーム設備
50では、クリーンルーム12内や床下空間16で非常
事態、例えば火災や危険薬品の飛散等が発生した場合
に、ダンパ52と開閉ダンパ34を閉じて、第1循環路
(還気ダクト28)及び第2循環路(還気路32)を遮
断する。これにより、クリーンルーム12内のエアは、
床下空間16に吸い込まれた後、第1循環路及び第2循
環路を介して天井裏空間14に還気されることがなく、
全て排気ダクト26からクリーンルーム設備50外に排
気される。
【0025】このように第2の実施の形態のクリーンル
ーム設備50によれば、ダンパ52と開閉ダンパ34に
よって第1循環路及び第2循環路を遮断するので、クリ
ーンルーム12内や床下空間16内の排煙や危険薬品等
が天井裏空間14に還気されることがない。したがっ
て、排煙や危険薬品がファンフィルタユニット18のフ
ィルタ20に付着してフィルタ20の寿命を低下させる
のを防止することができ、非常事態におけるクリーンル
ーム設備10の被害を最小限に抑えることができる。
【0026】なお、第2の実施の形態において、排気ダ
クト26に風量調整ダンパを配設し、この風量調整ダン
パによって排気時の排気量を調節してもよい。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明のクリーンル
ーム設備によれば、還気路に開閉手段を設け、この開閉
手段を閉じて第2循環路を遮断すると共にファンフィル
タユニットを停止し、空調機のみを運転するようにした
ので、ファンフィルタユニットを運転しなくても、天井
裏空間のエアがファンフィルタユニットのフィルタを介
してクリーンルーム内に吹き出され、クリーンルーム内
の適切な空調や清浄度を維持することができる。これに
より、クリーンルームの清浄度を維持しながら、ファン
フィルタユニットを停止した分の電力費を削減すること
ができる。さらに、本発明によれば、還気ダクトに開閉
バルブを設けることにより、火災等の非常時に排煙等が
ファンフィルタユニットのフィルタに付着しないように
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るクリーンルーム設備を
示す概略構成図
【図2】図1に示したダンパの構造を示す説明図
【図3】図2と別構造の開閉手段を説明する説明図
【図4】図2と別構造の遮断手段を説明する説明図
【図5】第2の実施の形態に係るクリーンルーム設備を
示す概略構成図
【符号の説明】
10…クリーンルーム設備、12…クリーンルーム、1
4…天井裏空間、16…床下空間、18…ファンフィル
タユニット、24…グレーチング床、28…還気ダク
ト、29…給気ダクト、30…空調機、32…還気路、
34…開閉ダンパ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 7/04 - 7/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空調機の給気側とクリーンルームの天井裏
    空間との間が給気ダクトで連結されると共に前記空調機
    の吸気側と前記クリーンルームの床下空間との間が還気
    ダクトで連結されて前記空調機と前記クリーンルームと
    の間にエアの第1循環路が形成される一方、前記クリー
    ンルームの天井面に前記天井裏空間に給気されたエアを
    クリーンルーム内に吹き出すファンフィルタユニットが
    複数配設されると共に、前記天井面の天井裏空間と前記
    クリーンルームの床下空間との間がクリーンルーム側壁
    に沿って形成された還気路で連結されて前記天井裏空間
    と前記床下空間との間にエアの第2循環路が形成された
    クリーンルーム設備において、 前記還気路には、前記第2循環路を開閉する開閉手段が
    設けられると共に、 前記ファンフィルタユニットのファンを駆動した際に前
    記開閉手段を開放し、前記ファンを停止した際に前記開
    閉手段を閉成する前記開閉手段の制御装置を備える こと
    を特徴とするクリーンルーム設備。
  2. 【請求項2】前記開閉手段は、回動自在に取り付けられ
    るとともに両端部に弾性体が取り付けられた羽根によっ
    て構成され、該開閉手段によって前記還気路を完全に遮
    断することを特徴とする請求項1のクリーンルーム設
    備。
  3. 【請求項3】前記開閉手段は、摺動自在に取り付けられ
    た二枚の多孔板から成ることを特徴とする請求項1のク
    リーンルーム設備。
  4. 【請求項4】前記開閉手段は、前記クリーンルームの床
    面を形成するグレーチング床にスライド自在に設けられ
    た遮蔽板によって構成されることを特徴とする請求項1
    のクリーンルーム設備。
  5. 【請求項5】前記還気ダクトには、前記第1循環路を遮
    断する開閉バルブ又はダンパを設けたことを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか1のクリーンルーム設備。
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