JP4440432B2 - 浴室用クッション材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はクッション材、特に浴室内での安全性、快適性を向上するクッション材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のクッション材としては、特開平7−236586号公報に記載されているようなフットレストが知られている。これは図6、図7に示す。同図において、1は浴槽本体で、上端に全周に亘ってフランジ2を備えている。3は浴槽本体1の外周壁である。4はフットレストで、全体が発泡ポリウレタンゴム等の軟質の弾性材から成る。図7に示すように、フットレスト4はフランジ2の上面に載置されるフランジ載置部5と、フランジ載置部5と連続し、浴槽本体1の内壁6の上端部内面に係合する係合部7とを有し、断面形状がくの字形状を成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のフットレストは単一素材であるため、浴室内では耐水性の無い材質は使用できず、弾性を出すために発泡材を使用すると、表面にざらつきを生じたり、吸水してしまう、あるいは外観が良くできないという問題があった。また、発泡材を使用した場合、表面に付着した水や、吸水された水によって肌を押し付けた時に冷たさを感じるなどの不快感を与えるものであった。さらに、浴槽形状を利用しているので、形状が制約されるという課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために、浴室用クッション材を弾力性のある樹脂からなる表皮と、前記表皮に内包される弾性材と加熱手段とから構成し、前記加熱手段が、ヒータ線と前記ヒータ線を固定する芯地からなる構成としたものである。
【0005】
本発明によれば、表皮と弾性材を別の材料とすることができるので、表皮を防水材料とすることにより、弾性材は耐水性に乏しい材料を使用することが可能となるとともに、弾性材として発泡材等を利用しても外観、肌触り、使用感を向上することができる。さらに、表皮は吸水することがなく、また表皮に内包された加熱手段によって表皮および表皮に付着している水滴が暖められるので冷たいという不快感を払拭することが出来る。また、ヒータ線に通電することによってその熱をクッション材の表面に伝えて暖めることにより快適性を増すことが出来るとともに芯地に固定するヒータ線の配置を変えることにより熱の分布を任意にコントロールすることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1にかかる発明は、浴室用クッション材を弾力性のある樹脂からなる表皮と、前記表皮に内包される弾性材と加熱手段とから構成し、前記加熱手段がヒータ線と前記ヒータ線を固定する芯地からなる構成としたものである。
【0007】
そして、表皮と弾性材を別の材料とすることができるので、表皮を防水材料とすることにより、弾性材は耐水性に乏しい材料を使用することが可能となるとともに、弾性材として発泡材等を利用しても外観、肌触り、使用感を向上することができる。さらに、表皮は吸水することがなく、また内包された加熱手段によって表皮および表皮に付着している水滴は暖められるので冷たいという不快感を払拭することが出来る。また、ヒータ線に通電することによってその熱をクッション材の表面に伝えて暖めることにより快適性を増すことが出来るとともに芯地に固定するヒータ線の配置を変えることにより熱の分布を任意にコントロールすることができる。
【0008】
また、本発明の請求項2にかかる発明は、表皮は防水性の材料である浴室用クッション材である。
【0009】
そして、内部に水が吸収されないので、弾性材の耐水性を考慮する必要がなく、耐久性を向上できる。表皮に内包される加熱手段が電気的な加熱手段を用いる際に、防水性が維持されるので感電や漏電などの安全性を確保できる。
【0010】
さらに、本発明の請求項3にかかる発明は、表皮は開口部を有する袋状に成形された浴室用クッション材とする。
【0011】
そして、表皮の開口部から加熱手段を表皮内に挿入することができるととともに、弾性材も開口部から注入できる。
【0012】
さらに、本発明の請求項4にかかる発明は、クッション材は袋状に成形された表皮の開口部より弾性材を注入して形成され、前記開口部に内部への水の吸収を防止するシール部材を接合した構成する。
【0013】
そして、開口部とシール部材を接合することにより容易に弾性材を防水でき、内部に水が吸収されないので、弾性材の耐水性を考慮する必要がなく耐久性を向上できるとともに、表皮に内包される加熱手段が電気的な加熱手段を用いる際に、防水性が維持されるので感電や漏電などの安全性を確保できる。
【0016】
さらに、本発明の請求項5にかかる発明は、加熱手段が弾性材中に配設された構成とする。
【0017】
そして、加熱手段の熱による表皮の局部加熱に伴う変形等の悪影響をなくし、穏やかで均等な温度分布を有するものとすることが出来る。さらに、外観上のヒータ線の見栄えや加熱手段を設けたことによるクッション性の違和感も解消できる。
【0018】
さらに、本発明の請求項6にかかる発明は、表皮に内包する部分に温度検出手段または温度制御手段を備えた構成とする。
【0019】
そして、表皮の中に設けた温度検出手段または温度制御手段により温度を検出して制御をすることにより加熱手段を設けたことによる安全性を確保できる。
【0020】
さらに、本発明の請求項7にかかる発明は、浴室用クッション材を弾力性のある樹脂からなる表皮と、前記表皮に内包される加熱手段を備えた表皮形状より小さい1次発泡体と、前記表皮と前記1次発泡体の空隙を埋める2次発泡体から構成し、前記加熱手段が、ヒータ線と前記ヒータ線を固定する芯地からなる構成とする。
【0021】
そして、加熱手段を備えた表皮形状より小さい1次発泡体を用いることで、クッション材中の適切な位置に加熱手段を配設することができる。また、2次発泡体で空隙を埋めることによりクッション性が損なわれず、各材質において密着性の優れた浴室用クッション材を得ることができる。
【0022】
さらに、本発明の請求項8にかかる発明は、袋状で開口部を有する表皮に、ヒータ線と前記ヒータ線を固定する芯地からなる構成とした加熱手段を表皮の開口部から挿入し、表皮内面から隙間を設けて配設したのち弾性材を開口部、もしくは他に設けた注入口から充填して開口部、注入口をシール部材で封口処理して製造される浴室用クッション材の製造方法である。
【0023】
そして、加熱手段は、表皮から所定の距離を保ちつつ弾性材中に一体に埋設され、表皮の局部加熱に伴う変形等から表皮を保護し、穏やかで均等な温度分布を有する浴室用クッション材を得ることができる。
【0024】
さらに、本発明の請求項9にかかる発明は、袋状で開口部を有する表皮に、ヒータ線と前記ヒータ線を固定する芯地からなる構成とした加熱手段を備えた表皮形状より小さい1次発泡体を表皮の開口部から挿入し、表皮裏面に1次発泡体を固定し、発泡材を表皮の注入口から充填し、注入口をシール部材で封口処理して製造される浴室用クッション材の製造方法である。
【0025】
そして、加熱手段は、表皮から所定の距離を確実に保ちつつ弾性材に挟まれて埋設され、表皮の局部加熱に伴う変形等から表皮を保護し、穏やかで均等な温度分布を有する浴室用クッション材を得ることができる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0027】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1のクッション材を取り付けた浴室内斜視図である。図1において11は浴室であり、浴槽12、カウンター13、洗い場14、壁15から構成されている。また、カウンター13は浴槽12上面から排水部16を介して壁15にそって設けられており、洗い場14に向けて洗い場14床面から高さ350〜550mmの高さに設置されている。17はクッション材で、カウンター13上面にそれぞれの凹凸が嵌合し取り外し自在になるように取りつけられている。
【0028】
この浴室で入浴する場合、入浴者はカウンター13に取りつけられたクッション材17に腰掛けて体を洗う。このような姿勢で体を洗う場合、無理に屈んだ姿勢をとる必要がなくゆったりと座ることができ、シャワーを浴びる動作においても楽に安全に行なうことができる。また、クッション材17周辺はこれらの動作を行なうのに充分なスペースを確保してある。入浴者は、クッション材に臀部を接触させて座ることになり、クッション性があるので座りごこちも良く、さらに加熱手段(後述する)によりクッション材17表面が暖められているので冬場などでも冷たいと感じずにクツション材17表面に着座することができる。
【0029】
図2にクッション材17の断面図を示す。18は弾力性のある樹脂からなる袋状の表皮で、裏面に凹部(図示せず)を構成してあり、カウンターに設けられた凸部(図示せず)と取り外し自在に嵌合して座った時の位置ずれを防止している。19は加熱手段としての電気ヒーターで、クッション材17の表面側の表皮18裏面に接着剤または両面テープなどを用い固定される。電気ヒーター19は、袋状の表皮18の裏面に開口を設けることにより、袋状の表皮の中に挿入することができ、挿入後開口はシール材で封口する。電気を供給するリード線20はクッション材の裏面より表皮から外へ出ている。21は弾性体で表皮18内に充填されている。
【0030】
表皮18の成形は、金型を回転して成形を行なうローテション成形や、ブロー成形により袋状の表皮を形成することができる。弾力性のある樹脂としては、軟質塩ビ樹脂やポリオレフィン系のエラストマーなどを用いることができる。
【0031】
加熱手段としては面状ヒーターやヒーター線を用いた電気的な加熱手段や畜熱材を用いた加熱手段等を適時用いることが手きる。
【0032】
弾性材24には軟質発泡ポリウレタンやその他の樹脂発泡材やゲル状のゴム系材料等を用いることができる。特に軟質発泡ポリウレタンを用いた場合、クッション性に優れており、容易に、表皮18内に注入し発泡させ内部に充填させることができる。
【0033】
このような構成にすることにより、表皮と弾性材を別々の材料とすることができ、表皮を防水材料とすることで、弾性材は耐水性に乏しい材料を使用することが可能となるとともに、弾性材として発泡材等を利用しても外観、肌触り、使用感を向上させることができる。さらに、表皮は吸水することがなく、また内包された加熱手段によってクッション材表面が暖められるので、冬場などでも冷たいと感じずにクツション材表面に着座することができる。また、表皮を防水性の材料とすることにより内部に水が吸収されないので、弾性材の耐水性を考慮する必要がなく、耐久性を向上できるとともに、表皮に内包される加熱手段が電気的な加熱手段を用いる際に、防水性が維持されるので感電や漏電などの安全性を確保できる。
【0034】
開口部にシール部材を接合することにより容易に弾性材を防水でき、内部に水が吸収されないので、弾性材の耐水性を考慮する必要がなく耐久性を向上できるとともに、表皮に内包される加熱手段が電気的な加熱手段を用いる際に、防水性が維持されるので感電や漏電などの安全性を確保できる。
【0035】
(実施例2)
図2では、クッション材の表面側の表皮裏面に加熱手段を設ける構成としてあるが、図3のように加熱手段は弾性材21中に配置されていても良い。
【0036】
このようにすると、加熱手段の熱による表皮の局部加熱に伴う変形等の悪影響をなくし、穏やかで均等な温度分布を有するものとすることができる。さらに、外観上のヒータ線の見栄えや加熱手段を設けたことによるクッション性の違和感も解消できる。
【0037】
(実施例3)
実施例1と同様の部分の説明は省略する。図4(a)(b)に示すように、加熱手段19は、ヒータ線22と前記ヒータ線22を固定する芯地23からなる構成とし、弾性材21中に埋設される。
【0038】
クッション材の上視図とヒータ線22のパターンを点線で示している。ほぼ等間隔のパターンを示しているがパターンを替えて温度分布の強弱をつけることもできる。
【0039】
芯地としては、ポリエステル不織布やその他のフィルムを用い、ヒータ線22を糸で芯地23に縫い付けたり、ホットメルトによりヒータ線22を芯地23に固定する。
【0040】
ヒータ線22に通電することによってその熱をクッション材の表面に伝えて暖めることにより快適性を増すことができるとともに、芯地23にヒータ線22を固定してあるのでそのヒータ線22のパターンによりクッション材の熱の分布を任意にコントロールすることができる。
【0041】
またこの実施例では表皮に内包される部分に温度制御手段24を設ける。温度制御手段24としては、サーモスタットやサーミスタなどが挙げられる。温度制御手段の例を述べたが温度検出手段により温度を検出し別の電子制御ボックスで温度コントロールすることもできる。
【0042】
(実施例4)
この実施例では図5に示すように浴室用クッション材を弾力性のある樹脂からなる表皮18と、前記表皮に内包される加熱手段19を備えた表皮形状より小さい1次発泡体25と、前記表皮18と前記1次発泡体25の空隙を埋める2次発泡体26から構成する。
【0043】
加熱手段19を備えた表皮形状よりひとまわり小さい1次発泡体25を用いることで、弾性材21中の適切な位置にヒータ線22を配設することができる。また、2次発泡体26で空隙を埋めることによりクッション性が損なわれず、表皮18と弾性材である発泡ウレタンとの界面や発泡ウレタンと芯地23の界面において密着性の優れた浴室用クッション材を得ることができる。
【0044】
次に、これらクッション材の製造方法の1実施例の概略を示す。
【0045】
熱可塑性エラストマーからなる袋状の表皮は、ゾル状の原料を金型内に注入し、金型を回転して原料が金型表面に付着する成形方法によって成形されている。袋状の表皮には、開口部が設けてあり、開口部から不織布に固定されたヒーター線、同じく固定されたスペーサーを挿入して表皮の内表面にスペーサーを接着する。リード線は開口部から取り出した状態で表皮と同素材のシール部材で封口処理を行ない、防水構造とする。
【0046】
次いで、発泡型に装着して注入口からエーテル系発泡ウレタン原料を注入して表皮内で発泡充填させて弾性体となし、発泡完了後に型より取り出して注入口をシール部材で封口処理を行なってクッション材を得る。
【0047】
上記で得られたクッション材はカウンターに構成された凸部(図示せず)にクッション材の凹部を嵌合して着脱自由に装着される。リード線はカウンターの凸部(図示せず)に穿設された穴(図示せず)からカウンター下方に余裕をもって引き出され、壁の下方で浴室より取り出されて制御装置(図示せず)に接続されている。
【0048】
上記製造方法ではスペーサーを介在させてヒーターを表皮裏面に固定して発泡ウレタン原料を注入することでヒーターを発泡ウレタンの弾性体中に配設しているが、実施例4に示したように加熱手段19を一次発泡体25で固定して表皮内に挿入し一次発泡体25を表皮裏面に固定することで加熱手段19と表皮18との一定空隙を確保したのち、二次発泡体26を充填してクッション材を製造することもできる。
【0049】
入浴時において、クッション材17は予め通電されておおよそ30℃から低温やけどの心配のない50℃に加温されているので、入浴者が腰をかけても冷たさを感じさせることなく快適にシャワーを浴びたり体を洗ったりすることができる。入浴時に急激な冷たさを体に与えることは強いストレスを感じるものであり、心臓などへの負担が亢進される原因となる。本発明は、入浴時に体を強く屈曲させることなく、座面の比較的高い状態に座ったままの楽な姿勢で体を洗うことによって体への負担を軽減することに加え、カウンターにはヒーター線22を内蔵したクッション材17を設置することで、座った時の冷たさによるストレスをも軽減することができるものである。
【0050】
また、表皮18は熱可塑性エラストマーで作成されており、電気ヒーター22が表皮18に接触している場合、局部的な加熱を受けやすく、表皮18の強度にむらを生じて局部的な伸びや破れを発生してクッション材17を損なう結果となるので、電気ヒーター22を弾性体21に内包させた構造とすることによって、表皮18に直接接触しない構造とした。この構造によって、クッション材17の温度むらが解消され、均一で穏やかな温かさを入浴者の体に与えることができる効果が得られた。
【0051】
このように、クッション材において、防水性のある熱可塑性エラストマーで成形した袋状の表皮18で表面を構成して内部の弾性材21へのを水の侵入を防止しているので、浴室という多湿の環境に設置されるクッション材にもかかわらず防湿性の低い発泡ウレタンを使用することができ、使用感が良く、弾性耐久性の良いクッション材を実現できる。特に開口部に凹部に設け、シール部材により開口部を防水構造として、より確実な防水性を実現しており、内部に水が溜まって、使用時の異音が発生することがない
さらに、表皮23は0.2mm以上の厚みを設けているので、多少の表面に傷が生じても内部に水が浸入することがない。
【0052】
なお、本実施例では表皮を熱可塑性エラストマーとしているが、軟質塩化ビニルを用いれば、成形性および材料強度を向上でき、その厚みを均一化しやすい。さらに質感、耐水性をも向上できる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の本発明によれば、表皮と弾性材を別の材料とすることができるので、表皮を防水材料とすることにより、弾性材は耐水性に乏しい材料を使用することが可能となるとともに、弾性材として発泡材等を利用することにより外観、肌触り、使用感を向上させることができる。さらに、表皮は吸水することがなく、また内包された加熱手段によってクッション材の表面を加熱することができるので使用者が着座した場合に座りごこちも良く、冬場でも冷たさを感じずに着座することができる。また、ヒータ線に通電してその熱をクッション材の表面に伝えて暖めることにより快適性を増すことが出来るとともに芯地に固定するヒータ線の配置を変えることにより熱の分布を任意にコントロールすることができる。
【0054】
また、請求項2の発明によれば内部に水が吸収されないので、弾性材の耐水性を考慮する必要がなく、耐久性を向上できる。そして表皮に内包される加熱手段が電気的な加熱手段を用いる際に、防水性が維持されるので感電や漏電などの安全性を確保できる。
【0055】
さらに、請求項3の発明によれば表皮の開口部から加熱手段を表皮内に挿入することができるととともに、弾性材も開口部から注入できる。
【0056】
さらに、請求項4の発明によれば開口部をシール部材で接合することにより容易に弾性材を防水でき、内部に水が侵入できないので弾性材の耐水性を考慮する必要がなく耐久性を向上できるとともに、表皮に内包される加熱手段が電気的な加熱手段を用いる際に、防水性が維持されるので感電や漏電などの安全性を確保できる。
【0058】
さらに、請求項5の発明によれば加熱手段を弾性材中に配設することで、加熱手段の熱による表皮の局部加熱に伴う変形等の悪影響をなくし、穏やかで均等な温度分布を有するものとすることが出来る。さらに、外観上のヒータ線の見栄えや加熱手段を設けたことによるクッション性の違和感も解消できる。
【0059】
さらに、請求項6の発明によれば表皮の中に設けた温度検出手段または温度制御手段により温度を検出して制御をすることにより加熱手段を設けたことによる安全性を確保できる。
【0060】
さらに、請求項7の発明によれば加熱手段を備えた表皮形状より小さい1次発泡体を用い加熱手段を固定することで、クッション材中の適切な位置に加熱手段を配設することができる。また、2次発泡体で空隙を埋めることによりクッション性が損なわれず、各材質において密着性の優れた浴室用クッション材を得ることができる。
【0061】
さらに、請求項8、9の発明によれば加熱手段は、表皮から所定の距離を保ちつつ弾性材中に一体に埋設され、表皮の局部加熱に伴う変形等から表皮を保護し、穏やかで均等な温度分布を有する浴室用クッション材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における浴室内の斜視図
【図2】同クッション材の断面図
【図3】同実施例2におけるクッション材の断面図
【図4】(a)(b)は同実施例3におけるクッション材の断面図
【図5】同実施例4におけるクッション材の断面図と上視図
【図6】従来の浴槽の斜視図
【図7】同浴槽の部分断面図
【符号の説明】
17 クッション材
18 表皮
19 加熱手段
21 弾性体
22 ヒータ線
23 芯地
24 温度制御手段
25 1次発泡体
26 2次発泡体
Claims (9)
- 弾力性のある樹脂からなる表皮と、前記表皮に内包される弾性材と加熱手段とからなり、前記加熱手段が、ヒータ線と前記ヒータ線を固定する芯地からなる構成とした浴室用クッション材。
- 表皮は防水性の材料である請求項1記載の浴室用クッション材。
- 表皮は開口部を有する袋状に成形された請求項1または2記載の浴室用クッション材。
- クッション材は袋状に成形された表皮の開口部より弾性材を注入して形成され、前記開口部に内部への水の侵入を防止するシール部材を接合した請求項3記載の浴室用クッション材。
- 加熱手段が弾性材中に配設された請求項1ないし4のいずれか1項記載の浴室用クッション材。
- 表皮の中に温度検出手段または温度制御手段を備えた請求項1ないし5のいずれか1項記載の浴室用クッション材。
- 弾力性のある樹脂からなる表皮と、前記表皮に内包される加熱手段を備えた表皮形状より小さい1次発泡体と、前記表皮と前記1次発泡体の空隙を埋める2次発泡体からなり、前記加熱手段が、ヒータ線と前記ヒータ線を固定する芯地からなる構成とした浴室用クッション材。
- 袋状で開口部を有する表皮に、ヒータ線と前記ヒータ線を固定する芯地からなる構成とした加熱手段を表皮の開口部から挿入し、表皮内面から隙間を設けて配設した後、弾性材を表皮の開口部もしくは他に設けた注入口から充填して開口部、注入口をシール部材で封口処理してなる浴室用クッション材の製造方法。
- 袋状で開口部を有する表皮に、ヒータ線と前記ヒータ線を固定する芯地からなる構成とした加熱手段を備えた表皮形状より小さい1次発泡体を表皮の開口部から挿入し、表皮裏面に1次発泡体を固定し、発泡材を表皮の注入口から充填し、注入口をシール部材で封口処理してなる浴室用クッション材の製造方法。
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