JP4439613B2 - 振動子励振用電力増幅装置 - Google Patents

振動子励振用電力増幅装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する利用分野】
本発明は、強力超音波応用に使用される振動子励振用電力増幅装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、強力超音波は各種洗浄や機械加工以外にも様々な分野で応用が進められている。従来この種の強力超音波応用に使用される振動子の励振用電力増幅装置としては、自励式、帰還式の回路が主に提供されている。
【0003】
また、振動子の音響負荷が一定しているような用途では他励式の回路も提供されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の自励式の電力増幅装置は、振動子の音響(機械)負荷がダイナミックに変動するような用途には十分には対応できない。また、帰還式の電力増幅装置は、振動子の信号をピックアップして電力増幅器に帰還させる際の位相補償回路等が複雑となり、位相補償用のコンデンサも複数個必要となり、プリント基板が大型化すると共に、装置のコストアップをも招くという課題を有していた。また、振動子毎に一対の調整された増幅装置を用意し、製造ラインで調整する必要があった。そのため振動子が使用中に劣化もしくは損傷して交換する場合は増幅装置の調整を製造ラインと同等の設備を用いて再度調整する必要があった。本発明は、上記従来の課題を解決するもので、効率的な配置によるプリント基板の小型化と、より安価で調整が不要な振動子励振用電力増幅装置を提供することを目的とするものである。特に、本発明は、前記第一の目的に関連してより手軽で簡便な励振用電力装置を提供することを目的としているものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の手段では、直流電源と、電圧制御発振器と、この電圧制御発振器の出力する高周波信号を増幅する電力増幅手段と、この電力増幅手段の出力する高周波電力で励振される振動子と、この振動子電流波形の基本波成分を検出し、正の期間分のみ出力する電流波形検出手段と、同電圧波形の基本波成分を検出し、正の期間分のみ出力する電圧波形検出手段と、この電圧波形検出手段の出力を最小値が正となるように反転させるインバータと、このインバータの出力と前記電流波形検出手段の出力との論理積を演算する論理積演算手段と、この論理積演算手段の出力を入力して前記電圧制御発振器の制御電圧値を調整する電流最小値制御手段とを備え、前記電流最小値制御手段は、前記電圧制御発振器の制御電圧値に微少変位を加算もしくは減算し所定時間経過後の論理積演算手段の出力と、微少変位加減算前の論理積演算手段の出力とを比較し、微少変位加減算前の出力の方が大きい場合は、再び前記電圧制御発振器の制御電圧値に微少変位を加算もしくは減算し所定時間経過後の論理積演算手段の出力と、微少変位加減算前の論理積演算手段の出力とを比較する処理を繰り返すことにより、論理積演算手段の出力値が常に最小になるように前記電圧制御発振器の制御電圧値を調整することを特徴としている。
【0006】
また、本発明の第二の手段では、直流電源と、電圧制御発振器と、この電圧制御発振器の出力する高周波信号を増幅する電力増幅手段と、この電力増幅手段の出力する高周波電力で励振される振動子と、この振動子電流波形の基本波成分を検出し、正の期間分のみ出力する電流波形検出手段と、同電圧波形の基本波成分を検出し、正の期間分のみ出力する電圧波形検出手段と、この電圧波形検出手段の出力を最小値が正となるように反転させるインバータと、このインバータの出力と前記電流波形検出手段の出力との論理積を演算する論理積演算手段と、この論理積演算手段の出力値が最小となる前記電圧制御発振器の制御電圧値を検索する電流最小点検索手段と、検索された制御電圧値を保持する保持手段と、この保持手段の保持している制御電圧値と検索中の制御電圧値のいずれかを選択して出力する選択手段と、この選択手段及び前記電流最小点検索手段に信号を出力するタイマー手段とで構成され、このタイマー手段の信号に基づいて所定時間毎に電流最小点を検索更新することを特徴とする。
【0007】
【実施例】
以下、本発明の具体例について、図1から図17を用いて説明する。
【0008】
(実施例1)
図1は本発明の第一の実施の形態によるブロック図を示し、1は直流電源、2は電圧制御発振器、3は電力増幅器、4は電力増幅器3の出力する高周波電力で励振される振動子、5は振動子4の等価電気抵抗値と電力増幅器3の最適出力抵抗値を整合させるための出力整合回路で、昇圧を兼ねた出力トランス5a、直列インダクタンス5b、並列コンデンサ5cからなる。この出力整合回路5及び電力増幅器3については多数考案され実用に供されており、コロナ社発行の「超音波工学」等の書籍に詳しく解説がなされている。6は振動子4の電流波形の基本波成分を検出する電流波形検出手段、7は同電圧波形の基本波成分を検出する電圧波形検出手段、8はカレントトランス、9は検出された基本波成分の電流及び電圧波形から力率を計算する力率演算手段、10はこの計算された力率が常に最大になるように電圧制御発振器2の制御電圧を調整する力率最大値制御手段である。
【0009】
以下本実施例の動作について説明する。電圧制御発振器2は力率最大値制御手段10の出力を制御電圧として入力し、振動子4の動作(共振)周波数±500Hz程度の周波数範囲の高周波信号(矩形波)を出力する。この高周波信号はパワートランジスタやIGBTのスイッチング動作を利用した電力増幅器3で電力増幅された後、出力整合回路5で正弦波形に近づけられてから振動子4に加えられる。
【0010】
一般的に励振用電源から効率良く電力を振動子に供給するためには振動子励振電力の電気力率cosθはゼロに近い値、即ち、振動子に加わる電圧・電流波形が正弦波で位相が一致する方が良い。しかし、電力増幅器でパワー素子のスイッチング動作を使用するために、電力増幅器の出力電力は矩形あるいは台形となり、多くの高調波成分を含んでしまう。一方、圧電磁器等の振動子は機械共振で使用され、その共振のQm(共振の鋭さ)は数10以上の高い値を持っているため、振動子の励振波形が歪み波形であっても、振動子材料の誘電及び圧電的な非線形性のため、振動子の(機械的な)振動速度の波形は正弦波となる。そこで、励振する電圧または電流波形のいずれかを正弦波形にすることにより、振動子の入力電気パワーと機械振動パワーは動作(共振)周波数の基本波パワーで効率よく結ばれることになる。例えば、出力整合回路を直列共振回路として設計する場合は、直列インダクタンスの値を振動子の電気容量を相殺する値に、また、電流波形が正弦波形となるように並列コンデンサ、直列共振回路のQ、直列インダクタンスの値を調整する。
【0011】
振動子4に流れる電流をカレントトランス8で検出して電流波形入力手段6に入力する。電流波形入力手段6は入力された電流波形から高調波成分をフィルターで除去し、基本波成分の電流波形のみを出力する。同じく電圧波形入力手段7は入力された振動子4の両端の電圧波形から高調波成分をフィルターで除去し、基本波成分の電圧波形のみを出力する。力率演算手段9は上記基本波成分の電流・電圧波形を各々入力して両方の波形の位相差等を測定することにより力率を演算し出力する。
【0012】
次に力率最大値制御手段10の動作を図2のフローチャートに従って説明する。ステップP1の初期状態で変数V=Vstartに設定し、ステップP2で変数Vを電圧制御発振器2の制御電圧値として出力する。ステップP3で出力結果が振動子4の励振電力に反映されるまで時間待ちする。ステップP4で力率演算手段9から力率値を入力し変数R1に代入する。ステップP5で変数Vに微少変位Vstepを加える。ステップP6で変数VとVendを比較し変数Vが定数Vendより小さい場合はステップP8へ進む。VがVendより大きい場合はステップP7でVにVendを代入する。ステップP8では変数Vを制御電圧値として出力し、ステップP9で時間待ちする。ステップP10で入力した力率値を変数R2に代入する。ステップP11で変数R1とR2を比較してR2の方が大きい場合はステップP2へ戻る。(変数R1より)変数R2の方が小さい場合はステップP12へ進む。
【0013】
ステップP12では変数Vを制御電圧値として出力し、ステップP13で時間待ちする。ステップP14で入力した力率値を変数R3に代入する。ステップP15で変数Vから微少変位Vstepを引く。ステップP16で変数Vと定数Vstartを比較がVがVstartより大きい場合はステップP18へ進む。VがVstartより小さい場合はステップP17で変数VにVstartを代入する。ステップP18では変数Vを制御電圧値として出力し、ステップP19で時間待ちする。ステップP20で入力した力率値を変数R4に代入する。ステップP21で変数R3とR4を比較してR4の方が大きい場合はステップP12へ戻る。(変数R3より)変数Rの方が小さい場合はステップP2へ戻る。以上の動作を繰り返すことで電気力率cosθが最大値を維持するように制御される。
【0014】
電気力率cosθが最大値となる点は音響(機械)負荷を含めた振動子系の最適動作周波数であるので、振動子4へ効率よく高周波電力を供給できる。定数Vstartは電圧制御発振器2の出力周波数が動作周波数−500Hzとなる制御電圧値、定数Vendは動作周波数+500Hzとなる制御電圧値である。微少変位Vstepは(Vend−Vstart)/256以下の値である。この値よりVstepが大きくなると共振のQが大きいため力率の最大点を正確に捕らえられなくなる。励振周波数と力率の関係は図3(a)に示すようなグラフとなるが、音響負荷によっては力率最大点と最小点の差が小さく、図2のアルゴリズムで力率最大点を捕らえるのが多少困難となるケースもまれに生じるが、そのような場合には変数R1、R2、R3の3点を測定し(各々はVstepずつ周波数が異なる)、3点のmax値を次の測定時のR2とするアルゴリズムが有効である。
【0015】
また、ステップP3、P9、P13及びP19の遅延時間は数10μs程度のもので、ステップP7及びステップP17の代入処理を実行することは通常の制御域では無い。
【0016】
(実施例2)
続いて本発明の第2の実施例について説明する。図4は本実施例のブロック図を示し、20は直流電源、21は電圧制御発振器、22は電力増幅器、23は電力増幅器22の出力する高周波電力で励振される振動子、24は振動子23の等価電気抵抗値と電力増幅器22の最適出力抵抗値を整合させるための出力整合回路で、昇圧を兼ねた出力トランス24a、直列インダクタンス24b、並列コンデンサ24cからなる。
【0017】
25は振動子23の電流波形の基本波成分を検出する電流波形検出手段、26は同電圧波形の基本波成分を検出する電圧波形検出手段、27はカレントトランス、29は検出された基本波成分の電流及び電圧波形から力率を計算する力率演算手段、30はこの計算された力率が最大となる電圧制御発振器21の制御電圧を検索する力率最大点検索手段、31検索された制御電圧値を保持する保持手段、32はこの保持手段31の保持している制御電圧値と検索中の制御電圧値のいずれかを選択して出力する選択手段、33はこの選択手段32及び力率最大点検索手段30に信号を出力するタイマー手段である。
【0018】
以下本実施例の動作について説明する。電圧制御発振器21は選択手段32の出力を制御電圧として入力し、振動子23の動作(共振)周波数±500Hz程度の周波数範囲の高周波信号(矩形波)を出力する。この高周波信号はパワートランジスタやIGBTのスイッチング動作を利用した電力増幅器22で電力増幅された後、出力整合回路24で正弦波形に近づけられてから振動子23に加えられる。振動子23に流れる電流をカレントトランス27で検出して電流波形入力手段25に入力する。電流波形入力手段25は入力された電流波形から高調波成分をフィルターで除去し、基本波成分の電流波形のみを出力する。同じく電圧波形入力手段26は入力された振動子23の両端の電圧波形から高調波成分をフィルターで除去し、基本波成分の電圧波形のみを出力する。力率演算手段29は上記基本波成分の電流・電圧波形を各々入力して両方の波形の位相差等を測定することにより力率を演算し出力する。タイマー手段33からの信号が入力されると選択手段32は力率最大点検索手段30の出力を電圧制御発振器21へ出力するように切り替える。
【0019】
力率最大点検索手段30は制御電圧値をVstartからVendまで、微少変位Vstep毎に掃引して、力率が最大となる制御電圧値を検索する。検索された制御電圧値は保持手段31に出力される。タイマー手段33からの信号が停止すると選択手段32は保持手段31の出力を電圧制御発振器21へ出力するように切り替える。タイマー手段33は力率最大点検索手段30が制御電圧値をVstartからVendまで掃引・検索するのに要する時間以上のタイマー出力を行うように設定してある。次に力率最大点検索手段30の動作を図5のフローチャートに従って詳しく説明する。
【0020】
ステップP30の初期状態で変数V=Vstartに、変数Rmax=−99に設定する。ステップP31で変数Vを電圧制御発振器21の制御電圧値として選択手段32に出力する。ステップP32で出力結果が振動子23の励振電力に反映されるまで時間待ちする。ステップP33で力率演算手段29から力率値を入力し変数Rtempに代入する。ステップP34で変数Rtempと変数Rmaxを比較し変数Rmaxの方が大きい場合はステップ36へ進む。他方、変数Rmaxの方が小さい場合はステップ35で変数Rmaxに変数Rtempを代入する。ステップP36で変数Vに微少変位Vstepを加える。ステップP37で変数VとVendを比較し変数VがVendより小さい場合はステップP31へ戻り、上記動作を繰り返す。変数VがVendより大きい場合は検索が終了したのでステップP38で変数Rmaxを力率最大となる制御電圧値として保持手段31へ出力する。
【0021】
以上の動作を繰り返すことで電気力率cosθが最大となる点をタイマー手段33の信号に基づいて所定時間毎に検索更新するよう作用する。ここで、定数Vstartは電圧制御発振器21の出力周波数が動作周波数−500Hzとなる制御電圧値、定数Vendは動作周波数+500Hzとなる制御電圧値である。微少変位Vstepは(Vend−Vstart)/256以下の値であることが望ましい。ステップP32の遅延時間は数10μs程度のものである。また、検索し更新する時間間隔は強力超音波応用の用途によって適当な値に設定すれば良い。音響負荷が余り変動しない用途では振動子23等の発熱による動作周波数の変位を補償するだけでよいので30秒に1回程度の頻度で十分である。
【0022】
(実施例3)
次に本発明の第三の実施例について説明する。図6は本発明の第三の実施形態によるブロック図を示し、40は直流電源、41は電圧制御発振器、42は電力増幅器、43は電力増幅器42の出力する高周波電力で励振される振動子、44は振動子43の等価電気抵抗値と電力増幅器42の最適出力抵抗値を整合させるための出力整合回路で、昇圧を兼ねた出力トランス44a、直列インダクタンス44b、並列コンデンサ44cからなる。45は直流電源40の出力電流値を検出する電流値検出手段、46はシャント抵抗、47はこの検出された電流値が常に最大になるように電圧制御発振器41の制御電圧を調整する電流最大値制御手段である。
【0023】
以下本実施例の動作について説明する。電圧制御発振器41は電流最大値制御手段47の出力を制御電圧として入力し、振動子43の動作(共振)周波数±500Hz程度の周波数範囲の高周波信号(矩形波)を出力する。この高周波信号はパワートランジスタやIGBTのスイッチング動作を利用した電力増幅器42で電力増幅された後、出力整合回路44で正弦波形に近づけられてから振動子43に加えられる。
【0024】
振動子43の動作周波数近傍では電気的な入力パワーが最大となるため直流電源40から流れ出る電流も最大値となる。電流値検出手段45はシャント抵抗46で直流電源40から電力増幅器42に供給される電流値を検出して出力する。電流値最大制御手段47は入力された電流値が常に最大となるように出力を制御する。
【0025】
次に電流最大値制御手段47の動作を図7のフローチャートに従って説明する。ステップP40の初期状態で変数V=Vstartに設定する。ステップP41で変数Vを電圧制御発振器41の制御電圧値として出力する。ステップP42で出力結果が振動子43の励振電力に反映されるまで時間待ちする。ステップP43で電流値検出手段45から電流値を入力し変数I1に代入する。ステップP44で変数Vに微少変位Vstepを加える。ステップP45で変数Vと定数Vendを比較し変数VがVendより小さい場合はステップP47へ進む。変数VがVendより大きい場合はステップP46で変数VにVendを代入する。ステップP47では変数Vを制御電圧値として出力し、ステップP48で時間待ちする。ステップP49で入力した電流値を変数I2に代入する。ステップP50で変数I1とI2を比較してI2の方が大きい場合はステップP41へ戻る。(変数I1より)変数I2の方が小さい場合はステップP51へ進む。
【0026】
ステップP51では変数Vを制御電圧値として出力し、ステップP52で時間待ちする。ステップP53で入力した電流値を変数I3に代入する。ステップP54で変数Vから微少変位Vstepを引く。ステップP55で変数Vと定数Vstartを比較し、変数VがVstartより大きい場合はステップP57へ進む。変数VがVstartより小さい場合はステップP56で変数VにVstartを代入する。ステップP57では変数Vを制御電圧値として出力し、ステップP58で時間待ちする。ステップP59で入力した電流値を変数I4に代入する。ステップP60で変数I3とI4を比較してI4の方が大きい場合はステップP51へ戻る。(変数I3より)変数I4の方が小さい場合はステップP41へ戻る。
【0027】
以上の動作を繰り返すことで電流値が最大値を維持するように制御される。電流値が最大となる点は音響(機械)負荷を含めた振動子系の最適動作周波数であるので、振動子43へ効率よく高周波電力を供給できる。ここで定数Vstartは電圧制御発振器41の出力周波数が動作周波数−500Hzとなる制御電圧値、定数Vendは動作周波数+500Hzとなる制御電圧値である。微少変位Vstepは(Vend−Vstart)/256以下の値である方が望ましい。この値よりVstepが大きくなると共振のQが大きいため電流の最大点を正確に捕らえられなくなる。励振周波数と電流値の関係は図3(b)に示すようなグラフとなるが、音響負荷によっては電流の最大点と最小点の差が小さく、図7のアルゴリズムで電流最大点を捕らえるのが多少困難となるケースもまれに生じるが、そのような場合には変数I1、I2、I3の3点を測定し(各々はVstepずつ周波数が異なる)、3点のmax値を次の測定時のI2とし、順次上記3点の測定を繰り返すアルゴリズムが有効である。また、ステップP42、P48、P52及びP58の遅延時間は数10μs程度のものであり、ステップP46及びステップP56の代入処理は通常の制御域では実行されない。
【0028】
(実施例4)
続いて本発明の第四の実施例について説明する。図8に本実施例のブロック図を示す、50は直流電源、51は電圧制御発振器、52は電力増幅器、53は電力増幅器52の出力する高周波電力で励振される振動子、54は振動子53の等価電気抵抗値と電力増幅器52の最適出力抵抗値を整合させるための出力整合回路で、昇圧を兼ねた出力トランス54a、直列インダクタンス54b、並列コンデンサ54cからなる。
【0029】
55は直流電源50の出力電流値を検出する電流値検出手段、56はシャント抵抗、57は検出された電流値が最大となる電圧制御発振器51の制御電圧値を検索する電流最大点検索手段、58検索された制御電圧値を保持する保持手段、59はこの保持手段の保持している制御電圧値と検索中の制御電圧値のいずれかを選択して出力する選択手段、60はこの選択手段59及び電流最大点検索手段57に信号を出力するタイマー手段である。
【0030】
以下本実施例の動作について説明する。電圧制御発振器51は選択手段59の出力を制御電圧として入力し、振動子53の動作(共振)周波数±500Hz程度の周波数範囲の高周波信号(矩形波)を出力する。この高周波信号はパワートランジスタやIGBTのスイッチング動作を利用した電力増幅器52で電力増幅された後、出力整合回路で正弦波形に近づけられてから振動子53に加えられる。振動子53の動作周波数では電気的な入力パワーが極大となるため直流電源50に流れる電流も極大値となる。電流値検出手段55はシャント抵抗56で直流電源50から電力増幅器52に供給される電流値を検出して出力する。タイマー手段60からの信号が入力されると選択手段59は電流最大点検索手段57の出力を電圧制御発振器51へ出力するように切り替える。電流最大点検索手段57は制御電圧値を定数Vstartから定数Vendまで、微少変位Vstep毎に掃引して、電流が最大となる制御電圧値を検索する。検索された制御電圧値は保持手段58に出力される。タイマー手段60からの信号が停止すると選択手段59は保持手段58の出力を電圧制御発振器51へ出力するように切り替える。次に電流最大点検索手段57の動作を図9のフローチャートに従って詳しく説明する。
【0031】
ステップP70で初期状態で変数V=Vstartに、変数Imax=−99に設定する。ステップP71で変数Vを電圧制御発振器51の制御電圧値として選択手段59に出力する。ステップP72では出力結果が振動子53の励振電力に反映されるまで時間待ちする。ステップP73で電流検出手段57から電流値を入力し変数Itempに代入する。ステップP74で変数Itempと変数Imaxを比較し、変数Imaxが大きい場合はステップ76へ進む。他方、変数Imaxの方が小さい場合はステップ75で変数Imaxに変数Itempを代入する。ステップP76で変数Vに微少変位Vstepを加える。ステップP77で変数VとVendを比較し、変数VがVendより小さい場合はステップP71へ戻り、同じ動作を繰り返す。変数VがVendより大きい場合は検索が終了したのでステップP78で変数Imaxを電流最大となる制御電圧値として保持手段58へ出力する。以上の動作を繰り返すことで電流値が最大となる点をタイマー手段60の信号に基づいて所定時間毎に検索更新するよう作用する。ここで、定数Vstartは電圧制御発振器51の出力周波数が動作周波数−500Hzとなる制御電圧値、定数Vendは動作周波数+500Hzとなる制御電圧値である。微少変位Vstepは(Vend−Vstart)/256以下の値であることが望ましい。また、ステップP72の遅延時間は数10μs程度のものであり、検索を更新する時間間隔は強力超音波応用の用途によって適当な値に設定すれば良い。
【0032】
(実施例5)
次に本発明の第五の実施例について説明する。図10は本発明の第五の実施の形態によるブロック図を示し、70は直流電源、71は電圧制御発振器、72は電力増幅器、73は電力増幅器72の出力する高周波電力で励振される振動子、74は振動子73の等価電気抵抗値と電力増幅器72の最適出力抵抗値を整合させるための出力整合回路で、昇圧を兼ねた出力トランス74a、直列インダクタンス74b、並列コンデンサ74cからなる。75は振動子73の電流波形の基本波成分を検出する電流波形検出手段、76はカレントトランス、77は第一の設定手段、78はこの第一の設定手段77と検出された電流値とを比較する第一の比較器、79はこの第一の比較器78の出力を積分する積分手段でコンデンサ79aと抵抗79bからなる。80は第二の設定手段、81はこの第二の設定手段80と電圧制御発振器71の制御電圧値とを比較する第二の比較器、82は第二の比較器81のヒステリシス手段で抵抗82aとダイオード82bからなる。第2の比較器81の出力はダイオード83と抵抗84を介して第一の比較器78の出力に接続されている。
【0033】
以下本実施例の動作について説明する。電圧制御発振器71は積分手段79のコンデンサ79aの電圧を制御電圧として入力し、振動子73の動作(共振)周波数±500Hz程度の周波数範囲の高周波信号(矩形波)を出力する。この高周波信号はパワートランジスタやIGBTのスイッチング動作を利用した電力増幅器72で電力増幅された後、出力整合回路74で正弦波形に近づけられてから振動子73に加えられる。
【0034】
次に、振動子73に流れる電流をカレントトランス76で検出して電流波形入力手段75に入力する。電流波形入力手段75は入力された電流波形から高調波成分をフィルターで除去し、基本波成分の電流波形のみを出力する(図11イ)。第一の比較器78は第一の設定手段77の電圧(図11イの波線)とこの出力を比較し出力する(図11ロ)。コンデンサ79aに蓄えられる電荷は第一の比較器78の比較出力を積分したものとなる(図11ハ)。すなわち、検出電流値が第一の設定手段の設定値より大きければ制御電圧は高く、検出電流値が第一の設定手段の設定値より小さければ制御電圧は低く制御される。
【0035】
従って、第一の設定手段の設定値を図3bのカーブの最大値付近の手前(左側)に設定しておけば、振動子には概略最大値の電力が印加されるように制御される。一方、第二の比較器81は音響(機械)負荷の急変により第一の比較器78による制御が図3b最大点より右側に逸した時、すなわち制御電圧値が第2の設定手段80の設定値を越えた場合にヒステリシス手段82が定める値まで制御電圧値を減少させ、再び上記の第一の比較器78の制御動作を継続させるように作用する。ここで、第2の設定手段80の設定値は電圧制御発振器71の出力周波数が振動子73の動作周波数+500Hzとなる値近くに設定し、ヒステリシス手段82の値はヒステリシス動作時に第2の設定手段80の設定値を電圧制御発振器71の出力周波数が振動子73の動作周波数−500Hz近くに引き下げる値に設定する。また、第2の設定手段80は最小値、最大値まで調整しないか、もしくは上下に補助抵抗を挿入して最大・最小に調整しても0V、+Vccにならないようにしておく。
【0036】
(実施例6)
続いて本発明の第六の実施例について説明する。図12は本発明の第六の実施形態によるブロック図を示す。図12で90は直流電源、91は電圧制御発振器、92は電力増幅器、93は電力増幅器92の出力する高周波電力で励振される振動子、94は振動子93の等価電気抵抗値と電力増幅器92の最適出力抵抗値を整合させるための出力整合回路で、昇圧を兼ねた出力トランス94a、直列インダクタンス94b、並列コンデンサ94cからなる。95は振動子93の電流波形の基本波成分を検出する電流波形検出手段、96は同電圧波形の基本波成分を検出する電圧波形検出手段、97はカレントトランス、98は電圧波形検出手段96の出力を反転させるインバータ、99はインバータ98の出力と上記検出された基本波成分の電流波形との論理積を演算する論理積演算手段、100はこの演算された結果が常に最小になるように電圧制御発振器91の制御電圧を調整する電流最小値制御手段である。
【0037】
以下本実施例の動作について説明する。電圧制御発振器91は電流最小値制御手段100の出力を制御電圧として入力し、振動子93の動作(共振)周波数±500Hz程度の周波数範囲の高周波信号(矩形波)を出力する。この高周波信号はパワートランジスタやIGBTのスイッチング動作を利用した電力増幅器92で電力増幅された後、出力整合回路94で正弦波形に近づけられてから振動子93に加えられる。
【0038】
振動子93に流れる電流をカレントトランス97で検出して電流波形入力手段95に入力する。電流波形入力手段95は入力された電流波形から高調波成分をフィルターで除去し、基本波成分の電流波形のみを出力する(図13イ)。同じく電圧波形入力手段96は電力増幅器92の入力信号から振動子93の両端の基本波成分の電圧波形に近似した波形を整形出力する。インバータ98はこの出力を反転させる(図13ロ)。
【0039】
論理積演算手段99は上記基本波成分の電流及び電圧波形(反転された)を各々入力して論理積を演算し出力する(図13ハ)。ここで出力整合回路94を直列共振回路として直列インダクタンス、並列コンデンサ、直列共振回路のQの値を調整しておけば、動作周波数で電気共振をおこした時は振動子93の等価電気抵抗Rmのみが電力増幅器92の負荷となり、電圧波形と電流波形は位相が一致する。他方、上記の論理積演算手段99の出力値は基本波成分の電流波形のうち電圧波形と同期している部分をマスクして除いたものなので、電流波形のうち電圧に同期していない部分(進み位相部分、或いは遅れ位相部分)である。従って、論理積演算手段99の出力値が最小もしくはゼロとなるように電圧制御発振器91の制御電圧を制御すれば音響(機械)負荷を含めた振動子系の最適動作周波数に常に一致させ、振動子93へ効率よく高周波電力を供給できる。
【0040】
次に電流最小値制御手段100の動作を図14のフローチャートに従って説明する。
【0041】
ステップP80の初期状態で変数V=Vstartに設定する。ステップP81で変数Vを電圧制御発振器91の制御電圧値として出力する。ステップP82で出力結果が振動子93の励振電力に反映されるまで時間待ちする。ステップP83で論理積演算手段99からの出力値を入力し変数i1に代入する。ステップP84で変数Vに微少変位Vstepを加える。ステップP85で変数Vと定数Vendを比較し変数VがVendより小さい場合はステップP87へ進む。変数VがVendより大きい場合はステップP86で変数VにVendを代入する。ステップP87では変数Vを制御電圧値として出力し、ステップP88で時間待ちする。ステップP89で入力した力率値を変数i2に代入する。ステップP90で変数i1とi2を比較してi1の方が大きい場合はステップP81へ戻る。(変数i2より)変数i1の方が小さい場合はステップP91へ進む。
【0042】
ステップP91で変数Vを制御電圧値として出力し、ステップP92で時間待ちする。ステップP93で入力した値を変数i3に代入する。ステップP94で変数Vから微少変位Vstepを引く。ステップP95で変数Vと定数Vstartを比較し変数VがVstartより大きい場合はステップP97へ進む。変数VがVstartより小さい場合はステップP96で変数VにVstartを代入する。ステップP97では変数Vを制御電圧値として出力し、ステップP98で時間待ちする。ステップP99で入力した値を変数i4に代入する。ステップP100で変数i3とi4を比較してi3の方が大きい場合はステップP91へ戻る。(変数i4より)変数i3の方が小さい場合はステップP81へ戻る。以上の動作を繰り返すことで論理積演算手段99の出力値が最小もしくはゼロを維持するように制御される。定数Vstartは電圧制御発振器91の出力周波数が動作周波数−500Hzとなる制御電圧値、定数Vendは動作周波数+500Hzとなる制御電圧値である。微少変位Vstepは(Vend−Vstart)/256以下の値である方が望ましい。励振周波数と論理積演算手段99の出力値の関係は図3(c)に示すようなグラフとなるが、音響負荷によっては最大点と最小点の差が小さく、図14のアルゴリズムで最大点を捕らえるのが多少困難となるケースもまれに生じるが、そのような場合には変数i1、i2、i3の3点を測定し(各々はVstepずつ周波数が異なる)、3点のmax値を次の測定時のi2とし、順次3点の測定を継続するアルゴリズムが有効である。また、ステップP82、P88、P92及びP98の遅延時間は数10μs程度のものであり、ステップP86及びステップP96の代入処理は通常の制御域では実行されない。尚本実施例では、電圧波形検知手段は電力増幅器の入力信号から取り出す構成としたが、振動子両端の波形をフィルターを通して基本波のみ取り出す構成としても良い。
【0043】
(実施例7)
続いて本発明の第七の実施例について説明する。図15に本実施例のブロック図を示す。図15で110は直流電源、111は電圧制御発振器、112は電力増幅器、113は電力増幅器112の出力する高周波電力で励振される振動子、114は振動子113の等価電気抵抗値と電力増幅器112の最適出力抵抗値を整合させるための出力整合回路で、昇圧を兼ねた出力トランス114a、直列インダクタンス114b、並列コンデンサ114cからなる。115は振動子113の電流波形の基本波成分を検出する電流波形検出手段、116は同電圧波形の基本波成分を検出する電圧波形検出手段、117はカレントトランス、118は電圧波形検出手段116の出力を反転させるインバータ、119はインバータ118の出力と上記検出された基本波成分の電流波形との論理積を演算する論理積演算手段、120はこの演算された結果が最小となる電圧制御発振器111の制御電圧を検索する電流最小点検索手段、121は検索された制御電圧値を保持する保持手段、122はこの保持手段121の保持している制御電圧値と検索中の制御電圧値のいずれかを選択して出力する選択手段、123はこの選択手段122及び電流最小点検索手段120に信号を出力するタイマー手段である。以下本実施例の動作について説明する。電圧制御発振器111は選択手段122の出力を制御電圧として入力し、振動子113の動作(共振)周波数±500Hz程度の周波数範囲の高周波信号(矩形波)を出力する。この高周波信号はパワートランジスタやIGBTのスイッチング動作を利用した電力増幅器112で電力増幅された後、出力整合回路114で正弦波形に近づけられてから振動子113に加えられる。振動子113に流れる電流をカレントトランス117で検出して電流波形入力手段115に入力する。電流波形入力手段115は入力された電流波形から高調波成分をフィルターで除去し、基本波成分の電流波形のみを出力する(図13イ)。同じく電圧波形入力手段116は電力増幅器112の入力信号から振動子113の両端の基本波成分の電圧波形に近似した波形を整形出力する。インバータ118はこの出力を反転させる(図13ロ)。論理積演算手段119は上記基本波成分の電流及び電圧波形(反転された)を各々入力して論理積を演算し出力する(図13ハ)。ここで出力整合回路114を直列共振回路として直列インダクタンス、並列コンデンサ、直列共振回路のQの値を調整してあるので、動作周波数で電気共振をおこした時は振動子113の等価電気抵抗Rmのみが電力増幅器112の出力負荷となり、電圧波形と電流波形は位相が一致する。
【0044】
タイマー手段123からの信号が入力されると選択手段122は電流最小点検索手段120の出力を電圧制御発振器111へ出力するように切り替える。電流最小点検索手段120は制御電圧値をVstartからVendまで、微少変位Vstep毎に掃引して、論理積演算手段119の出力が最小となる制御電圧値を検索する。
【0045】
検索された制御電圧値は保持手段121に出力される。タイマー手段123からの信号が停止すると選択手段122は保持手段121の出力を電圧制御発振器111へ出力するように切り替える。タイマー手段123は電流最小点検索手段120が制御電圧値をVstartからVendまで掃引・検索するのに要する時間以上のタイマー出力を行うように設定してある。
【0046】
次に電流最小点検索手段120の動作を図16のフローチャートに従って詳しく説明する。
【0047】
ステップP110の初期状態で変数V=Vstartに、変数imin=9999に設定する。ステップP111で変数Vを電圧制御発振器111の制御電圧値として選択手段122に出力する。ステップP112で出力結果が振動子113の励振電力に反映されるまで時間待ちする。ステップP113で論理積演算手段119からの出力値を入力し変数itempに代入する。ステップP114で変数itempと変数iminを比較し、変数iminの方が小さい場合はステップP116へ進む。他方、変数iminの方が大きい場合はステップP115で変数iminに変数itempを代入する。ステップP116で変数Vに微少変位Vstepを加える。ステップP117で変数Vと定数Vendを比較し、変数Vの方がVendより小さい場合はステップP111へ戻る。変数Vの方Vendよりが大きい場合は検索が終了したのでステップP118で変数iminを論理積演算手段99の出力値が最小もしくはゼロとなる制御電圧値として保持手段121へ出力する。以上の動作を繰り返すことで論理積演算手段99の出力値が最小もしくはゼロとなる点をタイマー手段123の信号に基づいて所定時間毎に検索更新するよう作用し、音響(機械)負荷を含めた振動子系の最適動作周波数に常に一致させ、振動子113へ効率よく高周波電力を供給できる。ここで、定数Vstartは電圧制御発振器111の出力周波数が動作周波数−500Hzとなる制御電圧値、定数Vendは動作周波数+500Hzとなる制御電圧値である。
【0048】
微少変位Vstepは(Vend−Vstart)/256以下の値である。上記検索を更新する時間間隔は強力超音波応用の用途によって適当な値に設定すれば良い。音響負荷が余り変動しない用途では振動子113等の発熱による動作周波数の変位を補償するだけでよいので30秒に1回程度の頻度で十分である方が望ましい。また、ステップP112の遅延時間は数10μs程度のものである。
【0049】
(実施例8)
次に本発明の第八の実施例について説明する。図17は本発明の第八の実施形態によるブロック図を示す。図17で130は直流電源、131は電圧制御発振器、132は電力増幅器、133は電力増幅器132の出力する高周波電力で励振される振動子、134は振動子133の等価電気抵抗値と電力増幅器132の最適出力抵抗値を整合させるための出力整合回路で、昇圧を兼ねた出力トランス134a、直列インダクタンス134b、並列コンデンサ134cからなる。135は振動子133の電流波形の基本波成分を検出する電流波形検出手段、136はカレントトランス、137はこの検出された基本波成分の電流波形と、電圧制御発振器131の出力波形の位相を比較する位相比較器、138はこの位相比較器137の出力を平滑化するローパスフィルターである。
【0050】
この位相比較器137とローパスフィルター138、電圧制御発振器131で、いわゆるPLL(フェーズロックドループ)139を構成している。
【0051】
以下本実施例の動作について説明する。電圧制御発振器131はローパスフィルター138の出力を制御電圧として入力し、振動子133の動作(共振)周波数±500Hz程度の周波数範囲の高周波信号(矩形波)を出力する。この高周波信号はパワートランジスタやIGBTのスイッチング動作を利用した電力増幅器132で電力増幅された後、出力整合回路134で正弦波形に近づけられてから振動子133に加えられる。
【0052】
次に、振動子133に流れる電流をカレントトランス136で検出して電流波形入力手段135に入力する。電流波形入力手段135は入力された電流波形から高調波成分をフィルターで除去し、基本波成分の電流波形のみを出力する(図13イ)。PLL139はこの電流波形と電圧制御発振器131の出力電圧波形の位相を比較し、両波形の位相を一致させるよう、電圧制御発振器131の制御電圧値を制御する。ここで電圧制御発振器131の出力電圧波形(矩形波)の位相は概略電力増幅器132の出力電圧位相と等しいので、上記制御により振動子133に加えられる高周波電圧と電流の位相が一致することとなり、振動子133へ効率よく高周波電力を供給できる。
【0053】
電圧制御発振器131の出力周波数範囲は試作器による実験結果によると振動子133の動作周波数±200Hz程度が限度となる。この範囲以上に設定しても周波数の上限及び下限近辺でフィルターをとおしても波形歪みが大きくなりロック外れを起こし易くなるため実用的ではない。この範囲を広げる替わりに、前記第二、第四、第七の実施例で用いたような検索手段を併用しVstepを大きい値にして極大値を粗く検索した後、PLL動作に移行するようにする方がより実用的である。また、電圧制御発振器131の制御電圧の上限と下限を監視して、上限又は下限に張り付いたままPLL動作をしない時に強制的に制御可能な領域に戻す回路を追加すると有用である。
【0054】
なお本発明の第一〜第八実施例で用いた力率演算手段や電流検知手段、AND演算手段を商用電源の所定の位相(例えば商用電源電圧のピーク位相)に同期して動作するようにすれば、直流電源は商用電源を整流して得られる単方向電源(非平滑の脈流電圧)でも良い。その場合、小電力の振動子なら出力整合回路の出力トランスは無くても良い。
【0055】
なお、電圧制御発振器はプログラムカウンターや、ワンチップマイクロコンピュータに内蔵されたタイマーカウンター等でも良い。ワンチップマイクロコンピュータを用いれば力率演算手段、論理積演算手段、力率最大点検索手段、電流最大点検索手段、電流最小点検索手段、保持手段、タイマー手段も含めて装置全体の制御部を容易に一石で構成することが可能である。力率最大点検索手段、電流最大点検索手段、電流最小点検索手段は各実施例の説明ではタイマー手段の出力により所定時間毎に検索更新するよう作用するものであったが、検知した値の最大或いは最小を判断する際に不感帯を設け、その範囲外になれば検索を実行する方法や、短時間定格の機器の場合などは初回のみ検索を実行する方法でも良い。
【0056】
【発明の効果】
以上のように本発明は、構成がシンプル、従って安価、長寿命であり、且つ、振動子の音響(機械)負荷がダイナミックに変動するような用途でも対応できる励振用電力装置を提供することが可能となる。また、製造ラインで振動子毎に一対の調整された増幅装置を用意して調整する必要がなく、振動子が使用中に劣化もしくは損傷して交換する場合でも増幅装置を再調整する必要がないという効果を有する。特に、請求項1及び請求項2に記載した発明はより簡便で低価格なロジックで振動子の音響負荷に関わらず振動子の励振電力が常に最大となるような励振用電力装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施例である振動子励振用電力装置のブロック図
【図2】 同第一の実施例の主要部の動作を示すフローチャート
【図3】 本発明の実施例の制御原理を説明するグラフ
【図4】 本発明の第二の実施例である振動子励振用電力装置のブロック図
【図5】 同第二の実施例の主要部の動作を示すフローチャート
【図6】 本発明の第三の実施例である振動子励振用電力装置のブロック図
【図7】 同第三の実施例の主要部の動作を示すフローチャート
【図8】 本発明の第四の実施例である振動子励振用電力装置のブロック図
【図9】 同第四の実施例の主要部の動作を示すフローチャート
【図10】 本発明の第五の実施例である振動子励振用電力装置のブロック図
【図11】 同第五の実施例の動作を示すグラフ
【図12】 本発明の第六の実施例である振動子励振用電力装置のブロック図
【図13】 同第六の実施例の動作を示すグラフ
【図14】 同第六の実施例の主要部の動作を示すフローチャート
【図15】 本発明の第七の実施例である振動子励振用電力装置のブロック図
【図16】 同第七の実施例の主要部の動作を示すフローチャート
【図17】 本発明の第八の実施例である振動子励振用電力装置のブロック図
【符号の説明】
1 直流電源
2 電圧制御発振器
3 電力増幅器
4 振動子
5 出力整合回路
6 電流波形検知手段
7 電圧波形検知手段
9 力率演算手段
10 力率最大値制御手段
30 力率最大点検索手段
31 保持手段
32 選択手段
33 タイマー手段

Claims (2)

  1. 直流電源と、電圧制御発振器と、この電圧制御発振器の出力する高周波信号を増幅する電力増幅手段と、この電力増幅手段の出力する高周波電力で励振される振動子と、この振動子電流波形の基本波成分を検出し、正の期間分のみ出力する電流波形検出手段と、同電圧波形の基本波成分を検出し、正の期間分のみ出力する電圧波形検出手段と、この電圧波形検出手段の出力を最小値が正となるように反転させるインバータと、このインバータの出力と前記電流波形検出手段の出力との論理積を演算する論理積演算手段と、この論理積演算手段の出力を入力して前記電圧制御発振器の制御電圧値を調整する電流最小値制御手段とを備え、前記電流最小値制御手段は、前記電圧制御発振器の制御電圧値に微少変位を加算もしくは減算し所定時間経過後の論理積演算手段の出力と、微少変位加減算前の論理積演算手段の出力とを比較し、微少変位加減算前の出力の方が大きい場合は、再び前記電圧制御発振器の制御電圧値に微少変位を加算もしくは減算し所定時間経過後の論理積演算手段の出力と、微少変位加減算前の論理積演算手段の出力とを比較する処理を繰り返すことにより、論理積演算手段の出力値が常に最小になるように前記電圧制御発振器の制御電圧値を調整することを特徴とする振動子励振用電力増幅装置。
  2. 直流電源と、電圧制御発振器と、この電圧制御発振器の出力する高周波信号を増幅する電力増幅手段と、この電力増幅手段の出力する高周波電力で励振される振動子と、この振動子電流波形の基本波成分を検出し、正の期間分のみ出力する電流波形検出手段と、同電圧波形の基本波成分を検出し、正の期間分のみ出力する電圧波形検出手段と、この電圧波形検出手段の出力を最小値が正となるように反転させるインバータと、このインバータの出力と前記電流波形検出手段の出力との論理積を演算する論理積演算手段と、この論理積演算手段の出力値が最小となる前記電圧制御発振器の制御電圧値を検索する電流最小点検索手段と、検索された制御電圧値を保持する保持手段と、この保持手段の保持している制御電圧値と検索中の制御電圧値のいずれかを選択して出力する選択手段と、この選択手段及び前記電流最小点検索手段に信号を出力するタイマー手段とで構成され、このタイマー手段の信号に基づいて所定時間毎に電流最小点を検索更新することを特徴とする振動子励振用電力増幅装置。
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