JP4438229B2 - 電子部品検査装置用測定プローブのクリーニング方法及びこれを用いる電子部品検査装置 - Google Patents

電子部品検査装置用測定プローブのクリーニング方法及びこれを用いる電子部品検査装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品検査装置用測定プローブのクリーニング方法及びこれを用いる電子部品検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子部品検査装置には、電子部品の外部電極に少なくとも一対の測定プローブを接触させ、両測定プローブを介して測定信号を与えることにより、電子部品の特性を検査するものがある。
【0003】
電子部品の特定検査として例えばチップ型コンデンサの絶縁特性等の検査を行う場合、測定器に一対の測定プローブを接続するとともに、両測定プローブの先端を測定対象のコンデンサの両外部電極にそれぞれ接触させた状態で、両測定プローブに絶縁抵抗測定のための測定信号を入力させるとともに測定対象のコンデンサから出力される測定信号を測定器に取り込み、この測定器で前記絶縁特性の検査を行う。
【0004】
したがって、このような検査では、測定プローブ先端と外部電極との電気的導通が良好に保持されていることが正確な検査を行ううえで必要とされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、測定対象の電子部品の外部電極が例えば錫電極である場合、測定プローブの先端表面には前記特性検査における外部電極に対する接触によりその錫電極の一部が異物として付着し、これが酸化して絶縁皮膜を構成することがある。 また、空気中やその他の箇所からの有機物などの絶縁物が測定プローブの先端に異物として付着し絶縁皮膜を構成することがある。
【0006】
このような異物は、測定プローブ先端と外部電極との電気的導通の障害となり電子部品の検査に影響して好ましくないから、その測定プローブの先端はクリーニングすることが要求される。しかしながら、このような異物の絶縁皮膜は簡単に除去できず、従来の場合、装置を停止して、オペレータが研磨して異物除去することも行われていたが、微妙な研磨が要求されるために研磨作業が不十分となりやすかったり、過剰研磨で測定プローブ先端が摩滅しその寿命に影響したりするという問題があった。また、専用の研磨装置を用いると設備的に大掛かりでコストがかかる。さらには、研磨材を用いた場合その研磨粉が逆に異物として測定プローブ先端に付着しやすい。
【0007】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであって、測定プローブ先端に付着している異物を設備的には大掛かりにならずコスト的にも安価でしかも確実に除去できるようにすることを解決課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の請求項1に係る方法は、要するに、クリーニングされる測定プローブと、アーク発生用部材とをクリーニング用電源装置に接続した後、該測定プローブと前記アーク発生用部材とを互いが短絡する状態と開放する状態との間で移行させて、前記測定プローブの先端と前記アーク発生用部材との間でクリーニング用の電気的アークを発生させることにより前記測定プローブの先端をクリーニングし、前記クリーニング用電源装置は直流電源であるとともに、前記測定プローブと前記アーク発生用部材とのうち一方を前記直流電源の正極に接続し、他方を前記直流電源の負極に接続して前記測定プローブと前記アーク発生用部材とを接近させることにより前記クリーニング用の電気的アークを発生させ、前記測定プローブの端子材と前記アーク発生用部材の金属材とのうち前記正極に接続した一方を電離させて前記負極に接続した他方へ付着させることにより、前記測定プローブの前記クリーニングを行うことを特徴とするものである。
【0009】
上記の場合の電気的アーク現象は、大気中において、測定プローブと前記部材との間の電位傾度が所定値を超えると、測定プローブと部材との間にこれを結ぶアーク(柱)が発生するものである。
【0010】
したがって、本発明によると、測定プローブの先端からの電気的アーク発生時に、その先端に付着していた異物が同時にそのアーク方向に飛ばされて該先端がクリーニングされるものであるから、従来のように研磨材で測定プローブ先端をクリーニングする必要がなくなり、研磨材を用いた場合のように、微妙な研磨が要求されるために研磨作業が不十分となりやすかったり、過剰研磨で測定プローブ先端が摩滅しその寿命に影響したりするという不具合が生じるおそれがない。また、専用の研磨装置を用いる必要がないから設備的に大掛かりにならずに済み、その分、コストも安価となるうえ、研磨粉が異物として測定プローブ先端に付着することもない。
【0011】
すなわち、本発明の場合、測定プローブ先端に付着している異物を設備的には大掛かりにならずコスト的にも安価でしかも確実に除去できるものとなる。
【0013】
また、測定プローブとアーク発生用部材とが短絡する状態と開放する状態との間で移行される瞬間にアークは発生しやすくなっているから、そのアークの発生の制御が簡単にでき、クリーニングを行うために、測定プローブとアーク発生用部材とのギャップ距離の変更制御が簡易なものとなる。
【0015】
さらに、直流電源に接続して電気的アークを発生させて測定プローブの先端のクリーニングを行うものであるから、アークの極性が固定される為に小さい電力で大きなクリーニング効果を得ることができるとともに、各測定プローブに対しての電圧印加が簡易な構成でかつ容易に行うことができて好ましい。
【0016】
本発明の請求項に係る方法は、請求項に記載の電子部品検査装置用測定プローブのクリーニング方法において、電子部品検査装置は少なくとも一対の測定プローブを備えるとともに、前記直流電源の正極に一方の測定プローブを、また、該直流電源の負極に他方の測定プローブを、それぞれ接続して各測定プローブに前記対応する電圧を印加して前記クリーニングを行うことを特徴としている。
【0017】
本発明の請求項に係る方法によれば、一対の測定プローブの間で直接あるいはアーク発生用部材を介在させてクリーニング用電源から電圧を印加させることで、両測定プローブに対してクリーニング用の電気的アークを発生させることができるので、単独で測定プローブのクリーニングを行うものに比べて効率的にクリーニングできる利点がある。
【0018】
本発明の請求項3に係る方法は、請求項1または2に記載の電子部品検査装置用測定プローブのクリーニング方法において、電子部品検査装置で検査される部品を前記アーク発生用部品として用い、該部品と前記測定プローブとを互いに対して電気的に短絡することにより前記クリーニングを行うことを特徴としている。
【0019】
本発明の請求項に係る方法によれば、検査対象の部品を利用して測定プローブのクリーニングを行うので、専用のアーク発生用部品を別途容易しなくても良く、検査対象部品の電極のクリーニングも行うことができ、その作業性を向上できる利点がある。また、検査測定におけるプローブと検査対象部品の接触点を直接クリーニングするので、少ないアーク放電で確実な接触性が実現できる。なお、電子部品が回路基板等に組み込まれた状態でも、上記クリーニングを行うことも可能である。
【0020】
本発明の請求項に係る方法は、請求項ないしのいずれか一項に記載の電子部品検査装置用測定プローブのクリーニング方法において、前記直流電源に対して並列にコンデンサを接続した状態で前記クリーニングを行うことを特徴としている。
【0021】
本発明の請求項に係る方法によれば、測定プローブに対してクリーニングする状態に切り換えると、クリーニング用の直流電源で予め蓄電されているコンデンサからの電流と直流電源からの電流とがアーク電流となるので、アーク電流が大きなものとなって測定プローブのクリーニングが一層良好に行われ易いとともに、直流電源として起電力の小さいものを利用できる利点がある。
【0022】
本発明の請求項に係る方法は、請求項またはに記載の電子部品検査装置用測定プローブのクリーニング方法において、前記直流電源の極性を切り換えて前記クリーニングを行うことを特徴としている。
【0023】
本発明の請求項に係る方法によれば、クリーニングされる測定プローブの先端が直流電源の一定の電極のみに接続してクリーニングが多数回行われると、正極側の表面が幾分消耗されてしまうような現象も生じる虞れがあるが、適当に極性を切り換えることで各プローブの消耗度が均一になり、検査対象部品の姿勢を常に安定にできる利点がある。
【0024】
本発明の請求項に係る方法によれば、請求項1ないしのいずれか一項に記載の電子部品検査装置用測定プローブのクリーニング方法において、前記測定プローブを非クリーニング時においては測定側に接続し、クリーニング時においてはクリーニング用電源装置側に接続することを特徴としている。
【0025】
本発明の請求項に係る方法によれば、測定プローブを測定側に接続して測定を行っているときに、必要に応じてクリーニングを行う場合には、クリーニング用電源装置側に接続するように切り換えることで、迅速にクリーニングを行える状態に変更でき、作業性を向上できる。
【0026】
(2)本発明の請求項7に係る電子部品検査装置は、電子部品の外部電極に少なくとも一対の測定プローブを接触させ、両測定プローブを介して測定信号を与えることにより、電子部品の特性を検査する電子部品検査装置であって、前記両測定プローブに対して測定信号を与える測定器と、直流電源であるクリーニング用電源装置と、前記両測定プローブを測定時には前記測定器側に、クリーニング時には前記クリーニング用電源装置側に、それぞれ切り換え接続する切り換え手段と、アーク発生用部材と、前記測定プローブの先端と前記アーク発生用部材との間で短絡と開放との間で移行させて、前記測定プローブの先端をクリーニングする電気的アークを発生させるアーク発生用作動手段とを有し、前記測定プローブと前記アーク発生用部材とのうち一方を前記直流電源の正極に接続し、他方を前記直流電源の負極に接続して前記測定プローブと前記アーク発生用部材とを接近させることにより前記クリーニング用の電気的アークを発生させ、前記測定プローブの端子材と前記アーク発生用部材の金属材とのうち前記正極に接続した一方を電離させて前記負極に接続した他方へ付着させることにより、前記測定プローブの前記クリーニングを行うことを特徴とするものである。
【0027】
本発明の請求項に係る電子部品検査装置によると、電子部品の検査時には、両測定プローブを測定器に接続して測定を行い、測定プローブのクリーニング時には、測定プローブをクリーニング用電源装置側に接続して、測定プローブの先端とアーク発生用部材との間に電気的アークを発生させることによってクリーニングを行うことが可能となって、従来のように研磨してクリーニングするものよりも装置の簡素化や小型化を図れるとともに、クリーニングの作業性も向上できるなど好ましいものとなっている。
【0028】
本発明の請求項に係る電子部品検査装置は、請求項のものにおいて、前記両測定プローブによる電子部品の特性検査用の測定ステージに、検査対象の電子部品を搬送する搬送手段を備えるとともに、該搬送手段で前記電子部品とは別に前記アーク発生用部材を前記測定ステージに搬送するように構成し、該アーク発生用部材が前記測定ステージにあるとき、前記両測定プローブを前記クリーニング用電源装置に接続した状態で、該アーク発生用部材と前記両測定プローブとの間でアークを発生させて前記両測定プローブの先端のクリーニングを行う手段を設けていることを特徴としている。
【0029】
この請求項に係る構成にすれば、電子部品の測定作業を行う状態のときに、電子部品とは別のアーク発生用部材が測定ステージに搬送されてくると、その場合には、そのアーク発生用部材を利用して測定プローブの先端とアーク発生用部材との間に電気的アークを発生させることができる。従って、電子部品の測定に必要な搬送手段や測定ステージを利用して、アーク発生用部材を測定プローブのクリーニングに供する状態に簡単かつ短時間に移行させることができ、作業性を向上できる利点がある。また、所定測定数毎にアーク発生用部材を測定プローブのクリーニングに供するように測定ステージに搬送させれば、測定プローブの先端を測定に適した清浄な状態に常時維持でき、測定精度も高く維持できる利点がある。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0031】
図1ないし図13は、本発明の実施形態に係り、図1、図7、図8、図9、図11、図12、図13は、本実施形態のアーク放電機構を備えた電子部品検査装置の要部の概略構成図、図2ないし図6それぞれは、図1等に示される一対の測定プローブの電気的短絡の形態例を示す図である。図10は、電気的アークの発生の様子を示す図である。
【0032】
図1ないし図6において、1a,1bは測定プローブ、2a,2bは切り換え手段としての接点切換器、3は測定用の電気的回路が構成されている測定器、4はクリーニング用電源装置としての直流電源、5は電流制限抵抗器である。測定プローブ1a,1bの先端材料としては、例えばタングステン、炭素鋼等の超硬材が用いられている。
【0033】
一方の測定プローブ1aは、一方の接点切換器2aの可動接点2a3に接続されている。他方の測定プローブ1bは、他方の接点切換器2bの可動接点2b3に接続されている。
【0034】
両接点切換器2a,2bは、両測定プローブ1a,1bを測定時には測定器3側に、クリーニング時には直流電源4側に、それぞれ切り換え接続する切り換え手段を構成するものである。
【0035】
一方の接点切換器2aは、二つの個別接点2a1,2a2と両個別接点2a1,2a2間を切り換わる前記可動接点2a3とを有している。そして、両個別接点2a1,2a2のうち、一方の個別接点2b1は測定側として測定器3の一方の入出力部に、他方の個別接点2a2はクリーニング側として電流制限抵抗器5を介して直流電源4の正極にそれぞれ接続されている。
【0036】
他方の接点切換器2bは、二つの個別接点2b1,2b2と両個別接点2b1,2b2間を切り換わる前記可動接点2b3とを有している。そして、両個別接点2b1,2b2のうち、一方の個別接点2b1は測定側として測定器3の他方の入出力部に、他方の個別接点2b2はクリーニング側として直流電源4の負極にそれぞれ接続されている。
【0037】
測定器3は、接点切換器2a,2bおよび両測定プローブ1a,1bを介して不図示の検査対象である電子部品に対して測定信号、例えばチップコンデンサの絶縁検査を行うような場合には1ボルトの電圧を印加させる測定信号を出力し、また、電子部品から出力される測定信号を入力し、入力した測定信号からその電子部品の特性を検査するようになっている。
【0038】
クリーニング用直流電源4は、両測定プローブ1a,1bの先端に後程詳しく説明する電気的アークを発生させるに必要な直流電圧、例えば30ボルトの直流電圧を発生するものである。ただし、このアーク発生に必要な電圧は一般に周知であるが、この電圧は実験で種々に定めることが可能である。
【0039】
抵抗5は、アーク発生時の電流を例えば2mAに制限するものである。電流が大きい方がクリーニングの効果は大きいが、同時にプローブやアーク発生用部材の損耗度も増えるため、クリーニングの目的に合わせて制限抵抗の値を選定することができる。
【0040】
電子部品の検査時には、両接点切換器2a,2bの可動接点2a3,2b3をそれぞれ個別接点2a1,2b1に切り換えることで、両測定プローブ1a,1bを測定器3に接続し測定器3からの測定用信号を電子部品に入力させて所要の検査ないし測定を行う。
【0041】
両測定プローブ1a,1bのクリーニング時には、両接点切換器2a,2bの可動接点2a3,2b3をそれぞれ個別接点2a2,2b2に切り換えることで、両測定プローブ1a,1bを直流電源4に接続しクリーニングを行う。
【0042】
このクリーニングの形態としては、図2で示すように、両測定プローブ1a,1bを互いに対して直接的に電気的に短絡と開放との間を移行させる方法がある。
【0043】
このクリーニング形態においては、いずれか一方の測定プローブ1a,1bがクリーニングされるべき測定プローブとなり、いずれか他方の測定プローブ1a,1bがアーク発生用部材となり、これらの間で電気的アークを発生させることにより当該測定プローブの先端をクリーニングする。この場合、互いの測定プローブ1a,1bがある程度離間した位置から相対的に近接するよう移行させ、お互いが接触する短絡状態にするか、又は、接触状態から互いに離間して開放する状態に移行することを少なくとも1回以上行うことで、短絡する直前や、開放直後にお互いの間にクリーニング用のアーク放電を発生させる。以下の実施の形態についても同様に、測定プローブとアーク発生用部材との間にクリーニング用のアーク放電を発生させる。尚、予めクリーニング対象の測定プローブ先端と、アーク発生用部材との間をアーク放電可能な距離に設定し、その後両者にアーク放電用の電圧を印加させるようにしても良い。
【0044】
上記クリーニングの形態としては、図3で示すように、一枚の金属板6、材質としては例えばベリリウム銅を介して両測定プローブ1a,1bを互いに対して間接的に電気的に短絡と開放との間を移行させる方法がある。
【0045】
このクリーニング形態においては、測定プローブ1a,1bがクリーニングされるべき測定プローブとなり、金属板6がアーク発生用部材となり、これらの間で電気的アークを発生させることにより当該測定プローブの先端をクリーニングする。
【0046】
上記クリーニングの形態としては、図4で示すように、電子部品検査装置で検査される回路基板に組み込まれた部品の一つである短絡用チップ7、あるいは後述のように電子部品を単品毎に検査する電子部品検査装置において部品検査用のステージに電子部品のダミーとして送られてきた短絡用チップ7をアーク発生用部材として用いて互いに対して間接的に電気的に短絡と開放との間を移行させる方法がある。
【0047】
このクリーニング形態においては、測定プローブ1a,1bがクリーニングされるべき測定プローブとなり、短絡用チップ7がアーク発生用部材となり、これらの間で電気的アークを発生させることにより当該測定プローブの先端をクリーニングする。
【0048】
上記クリーニングの形態としては、図5で示すように、電子部品検査装置で検査される回路基板に組み込まれた部品の一つであるチップ型電子部品8、あるいは電子部品を単品毎に検査する電子部品検査装置において部品検査用のステージに送られてきたチップ型電子部品8をアーク発生用部材として用いて互いに対して間接的に電気的に短絡と開放との間を移行させる方法がある。
【0049】
このクリーニング形態においては、測定プローブ1a,1bがクリーニングされるべき測定プローブとなり、例えばチップ抵抗やチップ型のインダクタンス部品等のような十分抵抗の低いチップ型電子部品8がアーク発生用部材となり、図5に示すように、チップ型電子部品8の両端の端子のそれぞれに各測定プローブ1a,1bを対応させ、これらの間で電気的アークを発生させることにより当該測定プローブの先端をクリーニングする。
【0050】
このチップ型電子部品8をアーク発生用部材に利用する場合に、図6に示すように、チップ型電子部品8の両端の端子の一方のみに両測定プローブ1a,1bを遠近移動させてその端子との間で電気的に短絡と開放とを移行させるようにしても良い。この場合のチップ型電子部品は低抵抗であるという制限を受けず、例えばチップコンデンサでも良い。なお、アーク発生用部材として利用できる電子部品としてはチップ型電子部品に限定されるものでない。
【0051】
また、請求項に係るクリーニング形態について説明する。図7に示すように、クリーニング用直流電源4と並列にコンデンサ20を接続している。これによって、チップ部品等の特性を測定するときには、接点切換器2a,2bの可動接点2a3,2b3をそれぞれ個別接点2a1,2b1に接続して測定プローブ1a,1bを測定用に供する。そのときには、コンデンサ20には、直流電源4から蓄電がなされている。そして、測定プローブ1a,1bの先端のクリーニングを行うときには、接点切換器2a,2bの可動接点2a3,2b3をそれぞれ個別接点2a2,2b2に接続するよう切り換え、アーク発生用部材との間で測定プローブ1a,1bを短絡と開放との間を移行させるようにする。その際に最初に発生するアークは、直流電源4からの電流のみならず、コンデンサ20からの電流も流れるので、直流電源4のみの場合に比べてアーク電流が大きなものとなるため、測定プローブ1a,1bから異物を一層除去し易くなるとともに、同じアーク電流を流すものに比較して、直流電源は起電力の小さいものを利用できる利点がある。
【0052】
請求項に係るクリーニング形態について説明する。図8に示すように、測定プローブ1a,1bを直流電源4の正極と負極とに交互に接続できるようにして、測定プローブ1a,1bのクリーニング時においてアーク発生の極性を適宜変更できるように構成しても良い。詳述すると、直流電源4の正極に接続される接点切換器10aと、直流電源4の負極に接続される接点切換器10bとを設けている。接点切換器10aの可動接点10a3は直流電源4の正極に接続され、接点切換器10aの個別接点10a1は、接点切換器2aの個別接点2a2と、接点切換器10bの個別接点10b2に接続されている。接点切換器10bの可動接点10b3は直流電源4の負極に接続され、接点切換器10bの個別接点10b1は、接点切換器2bの個別接点2b2と接点切換器10aの個別接点10a2に接続されている。また、可動接点10a3と可動接点10b3とは連動して接点切換を行うように構成されており、図8に示すような状態と、可動接点10a3が個別接点10a1に接続し、かつ可動接点10b3が個別接点10b1に接続する状態との切り換えが行われるように構成されている。なお、この切り換えは人為的に行っても良いとともに、自動的に定期的にあるいは不定期に行うようにしても良い。
【0053】
次に、図9に示す実施形態について説明する。この図9に示すものは、測定器3によって、複数(図9では2個)の電子部品に対しての電気的特性の測定を行えるようにしている。すなわち、一対の測定プローブ1a,1b,1c,1dが2組設けられ、各組の測定プローブそれぞれで電子部品の電気的特性を測定できるように、特性測定用の信号が測定器3から出力され、各組の測定プローブからの検出信号が測定器3に入力されるようにしている。そして、各測定プローブ1a,1b,1c,1dの先端部のクリーニングを行う場合には、各組ごとに対応して設けたクリーニング用直流電源4,4に対して接点切り換え器2a,2b,2c,2dの接点を切り換えて測定器3との接続状態からクリーニング用直流電源4,4にそれぞれの各測定プローブ1a,1b,1c,1dが接続されるようにする。その後、アーク発生用部材との短絡及び開放を繰り返すように各測定プローブ1a,1b,1c,1dを操作することによって複数組の測定プローブに対してもその先端の電気的アークによるクリーニングを行うことができる。なお、この図9においては、クリーニング用直流電源を測定プローブの組数に対応した数設けるようにしたものを示したが、単一で共通のクリーニング用直流電源を各組の測定プローブを接続してアーク放電可能にしても良い。個別に電源を設ける時は、各電源をフローティング状態にすることで、検査対象部品に電圧を印加することなく、同時にクリーニングが可能となる。
【0054】
尚、上述した直流電源4に直列に接続された電流制限抵抗に替えて電流制限用のダイオードを設けても良い。
【0055】
上述で接点切り換え器2a,2bで測定プローブ1a,1bを測定器3と直流電源4との接続の切り換えを行うものを示したが、機械的な接点切り換えを行うものに替えて、トランジスタ等の電気的なスイッチング素子を利用してその切り換えを行うように構成しても良い。
【0056】
尚、上述のものにおいては、測定プローブのクリーニング方法として説明してきたが、そのクリーニング方法を使用する電子部品検査装置と発明は同一である。
【0057】
次に図10,11を参照して測定プローブ1a,1bの先端における電気的アークの発生と効果について説明する。図10は、電気的アーク発生の説明に、一方の測定プローブ1aと図3で示される金属板6とを用い、プローブ側を正電極とした場合を示している。プローブの材質はタングステン等の超硬材、金属板の材質はベリリウム銅、異物9は検査部品の電極材料であるSuの酸化物とする。異物9は、図10(a)では測定プローブ1a側、図10(b)では金属板6側への転写異物、図10(c)では金属板6側に存在する。
【0058】
まず、図10(a)で示すように、測定プローブ1aと金属板6との間に所定以上の距離がある場合を示しており、測定プローブ1aの先端に異物9が付着した状態となっている。この状態では測定プローブ1aの先端に異物9が付着した状態となっている。この状態では測定プローブ1aと金属板6との間に距離があるために、これらの間における電位傾度は低く、アーク発生に必要な所定の電位傾度以下となってアークは発生しない。
【0059】
そして、図10(b)で示すように、両者1a,6間の距離が接近して両者1a,6間の電位傾度が所定以上になると、アークAが発生する。アークに伴い金属板6側より放出された電子は測定プローブ1aに衝突し、測定プローブ1a側の端子材及び異物9をそれぞれ電離させる。イオン化した端子材W+や異物Su+は電界に従い、金属板6側へ付着する。結果として、端子材の表面が削り取られると同じ効果にして、プローブ1aがクリーニングされる。なお、具体的には、プローブ径がφ0.2、クリーニング用電圧がDC100Vの時、測定プローブ1aと金属板6との距離が3μm程度以下になった時、アークAが発生する。
【0060】
図11は、図10と同じ構成にして、プローブ側を負電極とした場合を示している。
【0061】
まず、図11(a)で示すように、測定プローブ1aと金属板6との間に所定以上の距離がある場合を示しており、測定プローブ1aの先端に異物9が付着した状態となっている。この状態では測定プローブ1aの先端に異物9が付着した状態となっている。この状態では測定プローブ1aと金属板6との間に距離があるために、これらの間における電位傾度は低く、アーク発生に必要な所定の電位傾度以下となってアークは発生しない。
【0062】
そして、図11(b)で示すように、両者1a,6間の距離が接近して両者1a,6間の電位傾度が所定以上になると、アークAが発生する。アークに伴い測定プローブ1a側より放出された電子は金属板6に衝突し、金属板6側の金属材を電離させる。イオン化した金属材Cu+は電界に従い、測定プローブ1a側へ付着する。結果として、端子材の表面に散在している異物をつつみ込むようにしてCuが付着するメッキ効果にて、プローブ1aがクリーニングされる。なお、上記と同条件の場合、アークAが発生するプローブ1aと金属板6との距離は、プローブ側が正電極の場合より負極となった時の方が長く、約5μm程度である。
【0063】
このような図10(a),(b),(c)、図11(a),(b),(c)を所要回数定期的あるいは不定期に繰り返すことで測定プローブ1aの先端をクリーニングすることができる。
【0064】
他方の測定プローブ1bについても上述の測定プローブ1aの場合と同様にすることでその先端をクリーニングすることができる。
【0065】
次に、本発明に係る電子部品検査装置について説明する。図12および図13に示すように、電子部品検査装置は、多数のチップコンデンサCを個別に並べた状態で載せて検査できるターンテーブル10と、該ターンテーブル10上のチップコンデンサCの端子に対して測定プローブ1a,1bを接触させて例えば絶縁特性等の検査を行って良品と不良品とを識別する特性テストを行う検査装置11と、検査装置11で検査された後のチップコンデンサCを良品と不良品とで選別する選別装置12と、測定プローブ1a,1bの先端を後述するアークによりクリーニングするクリーニング手段Kで構成されている。
【0066】
ターンテーブル10は、1個のチップコンデンサCのみを一時的に収納する大きさの切欠き部13を外周縁部に周方向に一定間隔おきに形成して備える円盤状回転テーブル10aと、この円盤状回転テーブル10aの下側に位置して切欠き部13に収納されたチップコンデンサCが下方に落ちないように載せておくための固定テーブル10bと、チップコンデンサCが切欠き部13から飛び出たりしないように円盤状回転テーブル10aの上側で全周にわたって全切欠き部13を覆っておくためのカバー10cと、円盤状回転テーブル10aを一定微小角度分回転作動させた後一時的に停止する動作を繰り返すように作動させる電動モータやその制御を行う制御装置Sとで構成されている。なお、切欠き部13の内壁には、チップコンデンサCを保持するための真空吸引穴が設けられている。
【0067】
図12に示すように、円盤状回転テーブル10aの所定回転位相の部品受入位置において、切欠き部13に対して横側の開口箇所からチップコンデンサCが1個のみ収納されるようにしている。なお、チップコンデンサCは、振動フィーダ14によって、振動させながら並んだ状態で順に円盤状回転テーブル10aの部品受入位置に送られる。
【0068】
ターンテーブル10において部品受入位置よりも回転方向での下手側には、チップコンデンサCの例えば絶縁特性検査を行う測定ステージとしての検査装置11が配備されている。検査装置11は、図12に示すように、円盤状回転テーブル10aの3箇所の所定回転位置にそれぞれユニットとして構成されて配置されている。ここで、11aは容量検査装置、11bは正側絶縁抵抗検査装置、11cは逆側絶縁抵抗検査装置である。各検査装置11は、図13に示すように、制御回路Sを介して測定器3と接続されている測定プローブ1a,1bを、固定テーブル10bに穿設された一対の上下貫通孔15,16を通して切欠き部13に対して出退できるようにしている。すなわち、測定プローブ1a,1bは、押付けバネ17と共に、非図示の電磁アクチュエータ(ソレノイド)によって上下に位置変更可能に構成しているとともに、円盤状回転テーブル10aが回転作動しているときは、測定プローブ1a,1bを下降させておき、円盤状回転テーブル10aが1ピッチ分回転して停止すると、その停止時に測定プローブ1a,1bを上昇させ、チップコンデンサCの両端の端子にそれぞれの測定プローブ1a,1bの先端を接触する状態にして、チップコンデンサCの特性を測定する状態にする。そのときには、チップコンデンサCはカバー10cによってプローブ1a,1bの接当による反力を受け止められている。これにより測定器3からの測定用信号が一対の測定プローブ1a,1bを通してチップコンデンサCに与えられ、チップコンデンサCからの測定結果信号が測定器3へ入力される。なお、切欠き部13に収納されたチップコンデンサCは切欠き部13の側壁によって位置規制されて一定姿勢に保たれているので、チップコンデンサCの端子位置に対応させて穿設された上下貫通孔15,16を通して上昇してきた測定プローブ1a,1bの先端は精度良くチップコンデンサCの各端子に接触する。また、3つの検査装置11の各々は円盤状回転テーブル10a上に並んで位置するチップコンデンサCを、円盤状回転テーブル10aが1ピッチ回転作動、停止した後に検査するものである。
【0069】
各検査装置11の検査結果に基づいて、3番目の検査装置11よりも回転方向下手側位置に配置されている選別装置12によって、チップコンデンサCの良品と不良品との選別を行う。選別装置12は、図12に示すように、良品のみを選別して回収する良品選別部12aと、不良品を選別して回収する3つの不良品選別部12bとを設けている。良品選別部12aも不良品選別部12bも、円盤状回転テーブル10aの切欠き部13から図示しない最終回収部へ選別後のチップコンデンサCをノズルから吹き出るエアによって吹き飛ばすように構成している。すなわち、この選別処理は良品選別部12a位置に円盤状回転テーブル10aの回転作動に伴い移動してきた良品のチップコンデンサCを円盤状回転テーブル10aの外側へ良品用の最終回収部に向けて切欠き部13から吹き飛ばすようにしているとともに、不良品のチップコンデンサCがその良品選別部12a位置にきたときは良品選別部12aは作動しないようになっている。そして、不良品選別部12bでは、そこに不良品のチップコンデンサCがきたときのみ、不良品用の最終回収部に向けてそのチップコンデンサCを切欠き部13から吹き飛ばすようにしている。各選別部12a,12bの作動は、検査装置11の検査結果に基づく測定器3からの出力信号によって制御されるようにしている。
【0070】
さらに、特定位置の切欠き部13には、チップコンデンサCを模擬したアーク発生用部材としての短絡用チップ7が予め固定設置されている。この短絡用チップ7の設置されている切欠き部13の位置は、円盤状回転テーブル10aの周方向での位相との関係において特定位置として測定器3が認識できるようにしている。測定器3では、円盤状回転テーブル10aが所定数回転して、例えば10回回転する毎に短絡用チップ7が所定の検査装置11位置に来ると、測定プローブ1a,1bを上昇させて短絡用チップ7に接触させる前に、両測定プローブ1a,1bが測定器3との接続状態を解除してクリーニング用直流電源4に接続されるように、制御回路Sに備えられている接点切換器2a,2bを自動的に切り替える。その後、測定プローブ1a,1bを上昇させる。そして、測定用プローブ1a,1bの先端が短絡用チップ7への上昇により測定プローブ1a,1b先端部と短絡用チップ7とが接触して短絡する前にお互いの間に生じるアーク放電のアーク柱によって、測定プローブ1a,1bの先端表面に付着している異物を飛散除去するようにしている。また、一定時間後測定プローブ1a,1bが下降する際に、その測定プローブ1a,1b先端と短絡用チップ7とが離れた瞬間に生じるアーク放電のアーク柱によっても、測定プローブ1a,1bの先端表面に付着している異物を飛散除去するようにしている。ここで、短絡用チップ7、クリーニング用直流電源4、および円盤状回転テーブル10aの所定回転数おきにクリーニングを行うように制御し、かつ測定プローブ1a,1bを上下動制御する制御手段S等は、短絡用チップ7と測定プローブ1a,1bの先端とを短絡と開放との間で移行させて、前記測定プローブの先端をクリーニングする電気的アークを発生させるアーク発生用作動手段を構成している。また、アーク発生用部材としての短絡用チップ7が測定ステージとしての検査装置11にあるとき、両測定プローブ1a,1bを直流電源4に接続した状態で、短絡用チップ7と両測定プローブ1a,1bとの間でアークを発生させて両測定プローブ1a,1bの先端のクリーニングを行う手段が構成されている。
【0071】
尚、上記実施の形態では、検査および選別を行う対象の電子部品としてチップコンデンサを示したが、これに限定されるものでなく、チップ抵抗や、デスクリート型のトランジスタ、IC等各種の電子部品の検査用の測定プローブの異物除去用のクリーニング装置として適用できる。
【0072】
また、上記実施の形態では、測定プローブがチップコンデンサ等のアーク発生用部材に対して遠近移動することでアークを発生させてクリーニングするものを示したが、固定した測定プローブに対して、アーク発生用部材を遠近移動させるように構成しても良いとともに、測定プローブとアーク発生用部材とを相対的に遠近移動させるように構成しても良い。
【0073】
上記クリーニング装置としては、回路基板に取り付けられた状態の検査対象の電子部品をアーク発生用部材として利用しても良い。勿論この場合には、アーク放電による悪影響を受けない電子部品を対象とする。
【0074】
なお、請求項1ないし請求項に係る方法を用いる構成としては、上記実施の形態に限定されるものではなく、また、請求項1ないし請求項に係る方法によりアーク放電での測定プローブの先端のクリーニングを行う装置についても本願発明を構成する。
【0075】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る方法によれば、測定プローブの先端からの電気的アーク発生時に、その先端に付着していた異物が同時にそのアーク方向に飛ばされて該先端がクリーニングされるものであるから、従来のように研磨材で測定プローブ先端をクリーニングする必要がなくなり、研磨材を用いた場合のように、微妙な研磨が要求されるために研磨作業が不十分となりやすかったり、過剰研磨で測定プローブ先端が摩滅しその寿命に影響したりするという不具合が生じるおそれがない。また、専用の研磨装置を用いる必要がないから設備的に大掛かりにならずに済み、その分、コストも安価となるうえ、研磨粉が異物として測定プローブ先端に付着することもない。
【0076】
また、測定プローブとアーク発生用部材とが短絡する状態と開放する状態との間で移行される瞬間にアークは発生しやすくなっているから、そのアークの発生の制御が簡単にでき、クリーニングを行うために、測定プローブとアーク発生用部材とのギャップ距離の変更制御が簡易なものとなる。
【0077】
さらに、直流電源に接続して電気的アークを発生させて測定プローブの先端のクリーニングを行うものであるから、アークの極性が固定されるために小さい電力で大きなクリーニング効果を得ることができるとともに、各測定プローブに対しての電圧印加が簡易な構成でかつ容易に行うことができて好ましい。
【0078】
本発明の請求項に係る方法によれば、一対の測定プローブの間で直接あるいはアーク発生用部材を介在させてクリーニング用電源から電圧を印加させることで、両測定プローブに対してクリーニング用の電気的アークを発生させることができるので、単独で測定プローブのクリーニングを行うものに比べて効率的にクリーニングできる利点がある。
【0079】
本発明の請求項に係る方法によれば、検査対象の部品を利用して測定プローブのクリーニングを行うので、専用のアーク発生用部品を別途容易しなくても良く、検査対象部品の電極のクリーニングも行うことができ、その作業性を向上できる利点がある。また、検査測定におけるプローブと検査対象部品の接触点を直接クリーニングするので、少ないアーク放電で確実な接触性が実現できる。なお、電子部品が回路基板等に組み込まれた状態でも、上記クリーニングを行うことも可能である。
【0080】
本発明の請求項に係る方法によれば、測定プローブに対してクリーニングする状態に切り換えると、クリーニング用の直流電源で予め蓄電されているコンデンサからの電流と直流電源からの電流とがアーク電流となるので、アーク電流が大きなものとなって測定プローブのクリーニングが一層良好に行われ易いとともに、直流電源として起電力の小さいものを利用できる利点がある。
【0081】
本発明の請求項に係る方法によれば、クリーニングされる測定プローブの先端が直流電源の一定の電極のみに接続してクリーニングが多数回行われると、正極側の表面が幾分消耗されてしまうような現象も生じる虞れがあるが、適当に極性を切り換えることで各プローブの消耗度が均一になり、検査対象部品の姿勢を常に安定にできる利点がある。
【0082】
本発明の請求項に係る方法によれば、測定プローブを測定側に接続して測定を行っているときに、必要に応じてクリーニングを行う場合には、クリーニング用電源装置側に接続するように切り換えることで、迅速にクリーニングを行える状態に変更でき、作業性を向上できる。
【0083】
本発明の請求項に係る構成によれば、電子部品の検査時には、両測定プローブを測定器に接続して測定を行い、測定プローブのクリーニング時には、測定プローブをクリーニング用電源装置側に接続して、測定プローブの先端とアーク発生用部材との間に電気的アークを発生させることによってクリーニングを行うことが可能となって、従来のように研磨してクリーニングするものよりも装置の簡素化や小型化を図れるとともに、クリーニングの作業性も向上できるなど好ましいものとなっている。
【0084】
本発明の請求項に係る構成によれば、電子部品の測定作業を行う状態のときに、電子部品とは別のアーク発生用部材が測定ステージに搬送されてくると、その場合には、そのアーク発生用部材を利用して測定プローブの先端とアーク発生用部材との間に電気的アークを発生させることができる。従って、電子部品の測定に必要な搬送手段や測定ステージを利用して、アーク発生用部材を測定プローブのクリーニングに供する状態に簡単かつ短時間に移行させることができ、作業性を向上できる利点がある。また、所定測定数毎にアーク発生用部材を測定プローブのクリーニングに供するように測定ステージに搬送させれば、測定プローブの先端を測定に適した清浄な状態に常時維持でき、測定精度も高く維持できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】測定プローブのクリーニング用回路の一例を示す回路図
【図2】図1に係る回路でのクリーニング方法の一例を示す回路図及び説明図
【図3】図1に係る回路等でのクリーニング方法の別の例を示す説明図
【図4】図1に係る回路等でのクリーニング方法の別の例を示す説明図
【図5】図1に係る回路等でのクリーニング方法の別の例を示す説明図
【図6】図1に係る回路等でのクリーニング方法の別の例を示す説明図
【図7】測定プローブのクリーニング用回路の別の例を示す回路図
【図8】測定プローブのクリーニング用回路のさらに別の例を示す回路図
【図9】測定プローブのクリーニング用回路のさらなる別の例を示す回路図
【図10】正極測定プローブとアーク発生用部材との間でのアーク発生の様子を示す説明図であって、(a)は、測定プローブをアーク発生手段に近接させていく様子を示す説明図、(b)は、測定プローブが近接移動しているときのアーク発生部材との間にアークを発生させている様子を示す説明図、(c)は、測定プローブがアーク発生部材から離間するときのアークの発生の様子を示す説明図
【図11】負極測定プローブとアーク発生用部材との間でのアーク発生の様子を示す説明図であって、(a)は、測定プローブをアーク発生手段に近接させていく様子を示す説明図、(b)は、測定プローブが近接移動しているときのアーク発生部材との間にアークを発生させている様子を示す説明図、(c)は、測定プローブがアーク発生部材から離間するときのアークの発生の様子を示す説明図
【図12】チップ部品の特性検査用の電子部品検査装置の概略を示す一部破断平面図
【図13】電子部品測定ステージ及び回路等を示す説明図
【符号の説明】
1a,1b 測定プローブ(アーク発生部材)
2a,2b 接点切換器(切り換え手段)
3 測定器
4 クリーニング用直流電源(クリーニング用電源装置)
6 金属板(アーク発生部材)
7 短絡用チップ(アーク発生部材)
8 電子部品(アーク発生部材)
9 異物
11 検査装置(測定ステージ)
10a 円盤状回転テーブル(搬送装置)
20 コンデンサ

Claims (8)

  1. 電子部品検査装置が備える測定プローブをクリーニングする方法であって、
    クリーニングされる測定プローブと、アーク発生用部材とをクリーニング用電源装置に接続した後、該測定プローブと前記アーク発生用部材とを互いが短絡する状態と開放する状態との間で移行させて、
    前記測定プローブの先端と前記アーク発生用部材との間でクリーニング用の電気的アークを発生させることにより前記測定プローブの先端をクリーニングする電子部品検査装置用測定プローブのクリーニング方法において、
    前記クリーニング用電源装置は直流電源であるとともに、
    前記測定プローブと前記アーク発生用部材とのうち一方を前記直流電源の正極に接続し、他方を前記直流電源の負極に接続して前記測定プローブと前記アーク発生用部材とを接近させることにより前記クリーニング用の電気的アークを発生させ、前記測定プローブの端子材と前記アーク発生用部材の金属材とのうち前記正極に接続した一方を電離させて前記負極に接続した他方へ付着させることにより、前記測定プローブの前記クリーニングを行う、ことを特徴とする電子部品検査用測定プローブのクリーニング方法。
  2. 請求項1に記載の電子部品検査装置用測定プローブのクリーニング方法において、
    電子部品検査装置は少なくとも一対の測定プローブを備えるとともに、
    前記直流電源の正極に一方の測定プローブを、また、該直流電源の負極に他方の測定プローブを、それぞれ接続して各測定プローブに前記対応する電圧を印加して前記クリーニングを行う、ことを特徴とする電子部品検査装置用測定プローブのクリーニング方法。
  3. 請求項1または2に記載の電子部品検査装置用測定プローブのクリーニング方法において、
    電子部品検査装置で検査される部品を前記アーク発生用部品として用い、該部品と前記測定プローブとを互いに対して電気的に短絡することにより前記クリーニングを行う、ことを特徴とする電子部品検査装置用測定プローブのクリーニング方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電子部品検査装置用測定プローブのクリーニング方法において、
    前記直流電源に対して並列にコンデンサを接続した状態で前記クリーニングを行う、ことを特徴とする電子部品検査装置用測定プローブのクリーニング方法。
  5. 請求項2または3に記載の電子部品検査装置用測定プローブのクリーニング方法において、
    前記直流電源の極性を切り換えて前記クリーニングを行う、ことを特徴とする電子部品検査装置用測定プローブのクリーニング方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の電子部品検査装置用測定プローブのクリーニング方法において、
    前記測定プローブを非クリーニング時においては測定側に接続し、クリーニング時においてはクリーニング用電源装置側に接続する、ことを特徴とする電子部品検査装置用測定プローブのクリーニング方法。
  7. 電子部品の外部電極に少なくとも一対の測定プローブを接触させ、両測定プローブを介して測定信号を与えることにより、電子部品の特性を検査する電子部品検査装置であって、
    前記両測定プローブに対して測定信号を与える測定器と、
    直流電源であるクリーニング用電源装置と、
    前記両測定プローブを測定時には前記測定器側に、クリーニング時には前記クリーニング用電源装置側に、それぞれ切り換え接続する切り換え手段と、
    アーク発生用部材と、
    前記測定プローブの先端と前記アーク発生用部材との間で短絡と開放との間で移行させて、前記測定プローブの先端をクリーニングする電気的アークを発生させるアーク発生用作動手段とを有し、
    前記測定プローブと前記アーク発生用部材とのうち一方を前記直流電源の正極に接続し、他方を前記直流電源の負極に接続して前記測定プローブと前記アーク発生用部材とを接近させることにより前記クリーニング用の電気的アークを発生させ、前記測定プローブの端子材と前記アーク発生用部材の金属材とのうち前記正極に接続した一方を電離させて前記負極に接続した他方へ付着させることにより、前記測定プローブの前記クリーニングを行う、ことを特徴とする電子部品検査装置。
  8. 請求項7に記載の電子部品検査装置において、
    前記両測定プローブによる電子部品の特性検査用の測定ステージに、検査対象の電子部品を搬送する搬送手段を備えるとともに、
    該搬送手段で前記電子部品とは別に前記アーク発生用部材を前記測定ステージに搬送するように構成し、
    該アーク発生用部材が前記測定ステージにあるとき、前記両測定プローブを前記クリーニング用電源装置に接続した状態で、該アーク発生用部材と前記両測定プローブとの間でアークを発生させて前記両測定プローブの先端のクリーニングを行う手段を設けている、ことを特徴とする電子部品検査装置。
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