JP4437021B2 - 焼成ラベル - Google Patents
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Description
このような焼成処理工程においては、前記粘着ラベルを貼付した状態で焼成処理すると、焼成温度によっては、有機物質由来の灰分が焼成物に付着し、該焼成物の品質に悪影響を及ぼすおそれがある。したがって焼成処理前に、貼付された粘着ラベルを一つ一つ剥がす必要があり、この場合、操作が煩雑であって、生産性が低下するのを免れないといった問題が生じる。
そこで、このような問題を解決するために、焼成工程を伴う製品、例えばガラス製品、金属製品、焼結セラミック製品などの管理用ラベルとして、ガラスフリット、無機化合物及び有機バインダーなどを含む材料をシート化してなるラベルを貼付し、剥がすことなく、そのまま焼成する焼成ラベルが実用化されている。
ところで、電子製品におけるセラミック系部品としては、例えばセラミックコンデンサやインダクタ素子などが知られている。
セラミックコンデンサを製造するには、通常高誘電率セラミックス粉体と、バインダーや有機溶剤とを混合してスラリーを調製し、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの工程フィルム上に塗布、乾燥してセラミックグリーンシートを作製する。次いで、このグリーンシートに導体ペーストを用いて、スクリーン印刷などにより電極パターンを形成したのち、該セラミックグリーンシートを工程フィルムから剥離する。次に、この印刷されたセラミックグリーンシートを、所定の順序で多数積層し、加熱圧着後、裁断して所望のチップ形状とした後、焼成処理して、焼結を行う方法が用いられる。
一方、積層インダクタ素子の製造においては、一般にまず、フェライトなどの磁性セラミックス粉体を用い、前記と同様にして工程フィルム上にセラミックグリーンシートを作製する。次いで、このグリーンシートに、導体ペーストを用いて、スクリーン印刷などによりコイルパターンを形成したのち、該セラミックグリーンシートを工程フィルムから剥離する。次に、前記と同様にしてチップ形状の積層インダクタ素子を作製する方法が用いられる。
このようなセラミック系電子部品においては、工程管理用ラベルとして、上記グリーンシート上に前述の焼成ラベルが貼付され、該グリーンシートと共に焼成処理される。そして、この焼成ラベルにおいては、有機バインダーとして、ポリアセタール系、ニトロセルロース系、アクリル系樹脂などが好適に用いられる(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このような有機バインダーでは、焼成温度が、例えば600℃以下の比較的低い場合には、焼成後、灰分が残存し、製品の性能に悪影響を及ぼすおそれがある。また、上記特許文献1記載の焼成ラベルは、それ自体被着体に対する接着性に劣ることから、該被着体に仮着するために、別途粘着剤層を設けることが行われており、この場合は、さらに前記温度で焼成処理後、粘着剤由来の灰分も残存するおそれが生じる。
さらに、このように管理用ラベルにおいては、表面に、通常バーコードなどの印刷が施されるが、近年印刷インキの種類などが増え、従来のラベルシート組成では、印刷インキのにじみなどが生じ、印字適性が不十分であるなどの問題も生じていた。
すなわち本発明は、
(1)(A)(a1)アルキル基の炭素数が1〜12のメタクリル酸アルキルエステル単位と、(a2)反応性官能基を有するメタクリル酸エステル単位及びエチレン性不飽和カルボン酸単位の中から選ばれる少なくとも1種の単位を含むメタクリル系単位を主体とする共重合体、(B)架橋剤、及び(C)ガラスフリットを含み、かつ前記(A)成分の共重合体と(C)成分のガラスフリットの含有割合が重量比で10:90ないし70:30の範囲にあるシート形成材料を架橋硬化させてなる感圧接着性シートから構成されていることを特徴とする焼成ラベル、
(2)架橋硬化を熱架橋、熱重合架橋又は電離放射線照射架橋により行う第1項記載の焼成ラベル、
(3)裏面側に剥離シートを設けてなる第1項又は第2項記載の焼成ラベル、
(4)被着体に貼付し、400〜600℃の温度で焼成するのに用いられる第1項、第2項又は第3項記載の焼成ラベル、及び
(5)被着体がセラミック前駆体である第4項記載の焼成ラベル、
を提供するものである。
この焼成ラベルに用いられるシート形成材料は、(A)(a1)アルキル基の炭素数が1〜12のメタクリル酸アルキルエステル単位と、(a2)反応性官能基を有するメタクリル酸エステル単位及びエチレン性不飽和カルボン酸単位の中から選ばれる少なくとも1種の単位を含むメタクリル系単位を主体とする共重合体、(B)架橋剤、及び(C)ガラスフリットを含むものである。
当該シート形成材料における(A)成分のメタクリル系単位を主体とする共重合体は、(a1)単位としてアルキル基の炭素数が1〜12のメタクリル酸アルキルエステル単位を含む。ここで、上記アルキル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、該(a1)単位を形成する単量体のアルキルメタクリレートとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルメタクリレート、イソペンチルメタクリレート、シクロペンチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、イソヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−デシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ドデシルメタクリレート、イソドデシルメタクリレートなどを例示することができる。これらは1種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてよい。
また、(メタ)アクリロイル基を有する単量体単位としては、例えば前記のヒドロキシアルキルメタクリレートから形成された単量体単位のヒドロキシル基に、アクリル酸やメタクリル酸を反応させてエステルを形成させ、(メタ)アクリロイル基を導入してなる単位などを挙げることができる。
一方、エチレン性不飽和カルボン酸単位を形成する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などを例示することができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、(A)成分の共重合体においては、(a2)単位として、前記の反応性官能基を有するメタクリル酸エステル単位のみを含んでいてもよいし、反応性官能基としてカルボキシル基を有するエチレン性不飽和カルボン酸単位のみを含んでいてもよく、また、その両方を含んでいてもよい。
前記(A)成分の共重合体における(a2)単位の含有量については特に制限はなく、シート形成材料を架橋硬化させて得られたシートが、所望の印字適性及び被着体に対する所望の粘着力を有するように選定される。
当該シート形成材料において、(A)成分として用いられる共重合体は、メタクリル系単位を主体とする共重合体である。ここで、メタクリル系単位を主体とする共重合体とは、共重合体中のメタクリル酸エステル単位及びメタクリル酸単位の合計含有量が、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上である共重合体を指す。
このようなメタクリル系単位を主体とする共重合体を用いることにより、比較的低い温度、例えば400〜600℃程度の温度での焼成においても熱分解しやすく、焼成後の有機物質由来の灰分残存量を抑制することができる。アクリル系単位を主体とする共重合体を用いた場合、上記温度で焼成した場合、有機物質由来の灰分がかなり多く残存し、製品の品質に悪影響を及ぼす。
当該シート形成材料において、(B)成分として用いられる架橋剤としては特に制限はなく、従来公知の架橋剤の中から、架橋硬化方法に応じて適宜選択することができる。
架橋硬化方法としては、例えば熱架橋、熱重合架橋、電離放射線照射架橋などの方法を用いることができる。熱架橋方法の場合には、架橋剤として、例えばポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、アジリジン系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩などが用いられる。これらの中で、ポリイソシアネート化合物及びエポキシ樹脂が好ましい。
また、熱重合架橋方法や電離放射線照射架橋方法の場合には、(B)架橋剤として、多官能(メタ)アクリレート系化合物が用いられる。この多官能(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどを用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、焼成処理時において、ラベルシート中の有機物質の燃焼分解性の点から、アクリレート化合物よりもメタクリレート化合物の方が好ましい。
また、電離放射線照射架橋方法においては、前記多官能(メタ)アクリレート系化合物と共に、必要に応じて光重合開始剤を併用することができる。この光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロプル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステルなどが挙げられる。これらは1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、電離放射線として電子線を用いる場合には、上記光重合開始剤は用いなくてもよい。
当該シート形成材料における(C)成分のガラスフリットは、ラベルを被着体のセラミック前駆体と共に焼成後、金属酸化物などを被着体に密着させる接着剤としての役割を果たすものである。このようなガラスフリットとしては特に制限はないが、管理すべき製品の種類などに応じて適宜選定される。本発明の焼成ラベルは、400〜600℃程度の温度におけるセラミック前駆体の焼成処理に好適に用いられるので、該ガラスフリットは、上記範囲の温度において、軟化又は溶融するものが好ましい。ガラスフリットは、特にその組成については制限はないが、B2O3及びSiO2の1種以上を主成分とするガラスであることが好ましい。
このガラスとしては、珪酸ガラス、硼珪酸ガラス、珪酸カルシウムガラス、硼酸カルシウムガラス、硼珪酸カルシウムガラス、珪酸ストロンチウムガラス、硼酸ストロンチウムガラス、硼珪酸ストロンチウムガラス、珪酸バリウムガラス、硼酸バリウムガラス、硼珪酸バリウムガラス、珪酸マグネシウムガラス、硼酸マグネシウムガラス、硼珪酸マグネシウムガラス、珪酸リチウムガラス、硼酸リチウムガラス、硼珪酸リチウムガラス、珪酸ナトリウムガラス、硼酸ナトリウムガラス、硼珪酸ナトリウムガラス、珪酸カリウムガラス、硼酸カリウムガラス、硼珪酸カリウムガラス、珪酸リンガラス、硼酸リンガラス、硼珪酸リンガラス、珪酸銅ガラス、硼酸銅ガラス、硼珪酸銅ガラス、珪酸バナジウムガラス、硼酸バナジウムガラス、硼珪酸バナジウムガラス、珪酸亜鉛ガラス、硼酸亜鉛ガラス、硼珪酸亜鉛ガラス、珪酸マンガンガラス、硼酸マンガンガラス、硼珪酸マンガンガラス、珪酸ビスマスガラス、硼酸ビスマスガラス、硼珪酸ビスマスガラスなどを例示することができる。これらのガラスは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、上記組成のガラスフリットは、焼成前は非晶質であり、焼成によって結晶化してもよい。
当該シート形成材料においては、この(C)成分であるガラスフリットの含有量は、前記(A)成分の共重合体100重量部に対し、40〜900重量部にあるように選定される。ガラスフリットの含有割合が上記範囲より少ないと分解する有機物が多くなり、焼成時にセラミックに不純物として取り込まれる可能性があり、一方上記範囲より多いと脆いシートとなる。したがって、(C)成分の好ましい含有割合は、(A)成分100重量部に対し、150〜600重量部であり、特に200〜400重量部が好適である。
当該シート形成材料には、管理すべきセラミック製品を構成する成分と同種の金属酸化物の粉末及びラベルの焼成時に酸化されて金属酸化物となる金属塩の粉末などを含有させることが、焼成時の熱膨張や熱収縮による反りや割れが生じにくくなり好ましい。
このような金属化合物としては、例えばアルミニウム、シリコン、ジルコニウム、チタン、カルシウム、マグネシウムなどの金属の酸化物やこれら金属の炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物などの金属塩などの中から選ばれる少なくとも1種の金属化合物の粉末を用いることができる。これらの金属化合物粉末は、前記(A)成分の共重合体100重量部に対し、通常5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部の範囲で用いられる。
当該シート形成材料は、例えば下記の方法に従って調製することができる。適当な有機溶剤、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコールなどのアルコール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテートなどのエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのセロソルブ系溶剤;等に前述の(A)成分の共重合体、(B)成分の架橋剤、(C)成分のガラスフリット及び必要に応じて用いられる金属酸化物粉末又はそれに対応する金属化合物粉末、助燃剤などを、それぞれ所定の割合で加え、ペースト状のシート形成材料を調製する。この際、必要に応じ、さらに公知の可塑剤、分散剤、消泡剤などを含有させることができる。
このようにして調製されたペースト状のシート形成材料を、例えば剥離シートの剥離処理面にナイフコーター、ダイコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーターなどの既存のコーターで塗布し、溶媒を除去しながら、又は除去した後熱架橋、熱重合架橋、電離放射線照射架橋などにより、架橋硬化させてシートを形成し、本発明の焼成ラベルを得る。熱架橋で硬化させる場合には、架橋剤として、好ましくはポリイソシアネート化合物やエポキシ樹脂などを用い、通常80〜150℃の範囲の温度において、1〜30分間程度加熱処理する方法が用いられる。また、熱重合架橋で硬化させる場合には、架橋剤として、好ましくは多官能(メタ)アクリレート系化合物を用いると共に、必要に応じアゾ化合物や有機過酸化物などのラジカル重合開始剤を用い、通常80〜150℃の範囲の温度において、1〜30分間程度加熱処理する方法が用いられる。
電離放射線としては、例えば紫外線や電子線などが挙げられる。上記紫外線は、高圧水銀ランプ、ヒュージョンHランプ、キセノンランプなどで得られ、一方、電子線は電子線加速器などによって得られる。この電離放射線の中では、特に紫外線が好適である。なお、電子線を使用する場合は、光重合開始剤を添加することなく、架橋硬化させることができる。紫外線照射においては、照射量は、通常50〜500mJ/cm2程度である。
上記剥離シートとしては、例えばグラシン紙、コート紙、キャストコート紙などの紙基材、これらの紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルムに、シリコーン樹脂などの剥離剤を塗布したものなどが挙げられる。この剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。
この剥離シートは、所望により剥がすことなく、そのまま付着させておいて、ラベル使用時に剥離してもよい。
この剥離シート上に設けられた焼成ラベルの厚さは、通常5〜100μm、好ましくは10〜70μmの範囲である。
本発明の焼成ラベルにおいては、このようにして形成されたシートの表面にバーコードなどの印刷を施すことができる。バーコードラベルプリンターの印字方式には、(1)インクジェット方式、(2)熱転写サーマル方式、(3)ダイレクトサーマル方式、(4)レーザー方式、(5)その他の方式(ドットマトリックス方式など)があるが、本発明においては、シート表面の印字適性に優れており、いずれの方式も用いることができる。また、上記プリンターによる印字の他、手書きでもよいし、被着体に悪影響を与えないかぎり、着色剤で粘着剤を着色し、着色ラベルとすることもできる。
本発明の焼成ラベルは、ガラスフリットや金属酸化物のバインダーとして、メタクリル系単位を主体とする共重合体を用いているので燃焼分解性がよく、400〜600℃程度の比較的低い温度で焼成しても、有機物質由来の灰分が実質的に残存することがない。したがって、本発明の焼成ラベルは、セラミック系電気・電子部品の製造工程における管理用として好適に用いられる。例えば、グリーンシート上に貼付し、グリーンシートと共に焼成しても、該ラベルの有機物質由来の灰分が実質的に残存することがないので、セラミック製品の品質に及ぼす影響が少ない。
また、本発明の焼成ラベルは、それ自体感圧接着性を有しているので、例えば剥離シートを剥がして、そのまま被着体に貼付することができ、しかも表面側の印字適性に優れているので、バーコード印刷などをきれいに施すことができる。
なお、各例で得られた焼成ラベルの諸特性は、下記の方法に従って求めた。
(1)印字適性
印刷は市販のピエゾ方式のシングルノズルをもつインクジェットプリンタを使用し、参考例1で調製したインクを用いた。実施例及び比較例で作製したシートにバーコード印刷を行い、東研社製「インスペクター3000」を用いバーコードスキャンし、ANSI(X3.182)品質評価基準に基づき印字適性を評価した。[(優)A>B>C>D>E>F(劣)]
(2)剥離シートを剥がしたシート面の粘着力
JIS Z 0237に準拠して測定した。
(3)無機質以外の灰分残存率
実施例及び比較例で作製したシートを約20mg採取し、TG.DTA[熱重量/示差熱同時測定装置、島津製作所製「DTG−60」、温度条件:室温から10℃/分の昇温速度で400℃まで昇温したのち、400℃で20分間保持]測定にて、残灰量(mg)の測定を行い、次式により無機質以外の灰分残存率(%)を算出した。
灰分残存率(%)=[(100×b/a−A)/(100−A)]×100
a:シート(焼成ラベル)採取量(mg)
b:残灰量(mg)
A:シート中のガラスフリット及び金属酸化物などの無機質の含有割合(重量%)
参考例1
インクは市販の黒色顔料12重量部、ホウケイ酸鉛系ガラスフリット48重量部、ターピネオール30重量部、エチルセロソルブアセテート10重量部からなる混合物を用いた。
実施例1
珪酸ガラスフリット90重量部と無機化合物であるアルミナ粉末10重量部と、2−エチルヘキシルメタクリレートとアクリル酸を重量比99:1の割合で用いて得られた重量平均分子量20万のアクリル樹脂30重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート8重量部、光重合開始剤[チバ・スペシャリティケミカルズ社製、商品名「Irg651」]0.4重量部及びトルエン40重量部を混合してシート形成用ペーストを調製した。
次いで、片面にシリコーン樹脂による剥離処理を施してなる厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる剥離シート[リンテック社製、商品名「PET3811」]のシリコーン樹脂処理面に、上記シート形成用ペーストを塗布し、乾燥後、紫外線を光量300mJ/cm2で照射して硬化させ、剥離シート上に、厚さ15μmのシートを形成し、焼成ラベルを作製した。
次に、このシート表面に参考例1で作製したインキを用いてバーコード印字して焼成ラベルの印字適性を評価した。また、このラベル(シート)を用いて無機物以外の灰分残存量を測定した。
これらの結果を第1表に示す。
珪酸ガラスフリット90重量部と無機化合物であるアルミナ粉末10重量部と、2−エチルヘキシルメタクリレートとアクリル酸を重量比99:1の割合で用いて得られた重量平均分子量20万の樹脂30重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート8重量部、熱重合開始剤のアゾビスイソブチロニトリル0.4重量部及びトルエン40重量部を混合してシート形成用ペーストを調製した。
次いで、剥離シート[リンテック社製、商品名「PET3811」]のシリコーン樹脂処理面に、上記シート形成用ペーストを塗布し、120℃で10分間加熱して硬化させ、剥離シート上に厚さ15μmのシートを形成し、焼成ラベルを得た。
以下、実施例1と同様な操作を行い、印字適性を評価すると共に、剥離シートを剥がしたシート面の粘着力及び焼成後の無機質以外の灰分量を測定した。これらの結果を第1表に示す。
実施例3
珪酸ガラスフリット90重量部と無機化合物であるアルミナ粉末10重量部と、2−エチルヘキシルメタクリレートとアクリル酸を重量比99:1の割合で用いて得られた重量平均分子量20万の樹脂30重量部、エポキシ樹脂[三菱ガス化学社製]0.1重量部及びトルエン40重量部を混合してシート形成用ペーストを調製した。
次いで、剥離シート[リンテック社製、商品名「PET3811」]のシリコーン樹脂処理面に、上記シート形成用ペーストを塗布し、110℃にて5分間加熱して硬化させ、剥離シート上に厚さ15μmのシートを形成した。
以下、実施例1と同様な操作を行い、印字適性を評価すると共に、剥離シートを剥がしたシート面の粘着力及び焼成後の無機質以外の灰分量を測定した。これらの結果を第1表に示す。
実施例4
珪酸ガラスフリット90重量部と無機化合物であるアルミナ粉末10重量部と、2−エチルヘキシルメタクリレートとアクリル酸を重量比99:1の割合で用いて得られた重量平均分子量20万の樹脂30重量部、イソシアネート系架橋剤[日本ポリウレタン社製]0.4重量部及びトルエン40重量部を混合してシート形成用ペーストを調製した。
次いで、剥離シート[リンテック社製、商品名「PET3811」]のシリコーン樹脂処理面に、上記シート形成用ペーストを塗布し、110℃にて5分間加熱処理して、剥離シート上に厚さ20μmのシートを形成した。
以下、実施例1と同様な操作を行い、印字適性を評価すると共に、剥離シートを剥がしたシート面の粘着力及び焼成後の無機質以外の灰分量を測定した。これらの結果を第1表に示す。
珪酸ガラスフリット90重量部と無機化合物であるアルミナ粉末10重量部と、2−エチルヘキシルメタクリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートを重量比99:1の割合で用いて得られた重量平均分子量20万のアクリル樹脂30重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート8重量部、光重合開始剤[チバ・スペシャリティケミカルズ社製、商品名「Irg651」]0.4重量部及びトルエン40重量部を混合してシート形成用ペーストを調製した。
次いで、剥離シート[リンテック社製、商品名「PET3811」]のシリコーン樹脂処理面に、上記シート形成用ペーストを塗布し、乾燥後、紫外線を光量300mJ/cm2で照射して硬化させ、剥離シート上に、厚さ15μmのシートを形成し、焼成ラベルを作製した。
以下、実施例1と同様な操作を行い、印字適性を評価すると共に、剥離シートを剥がしたシート面の粘着力及び焼成後の無機質以外の灰分量を測定した。これらの結果を第1表に示す。
実施例6
珪酸ガラスフリット90重量部と無機化合物であるアルミナ粉末10重量部と、2−エチルヘキシルメタクリレートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートを重量比99:1の割合で用いて得られた重量平均分子量20万の樹脂30重量部、イソシアネート系架橋剤[日本ポリウレタン社製]0.4重量部及びトルエン40重量部を混合してシート形成用ペーストを調製した。
次いで、剥離シート[リンテック社製、商品名「PET3811」]のシリコーン樹脂処理面に、上記シート形成用ペーストを塗布し、110℃にて5分間加熱処理して、剥離シート上に厚さ20μmのシートを形成した。
以下、実施例1と同様な操作を行い、印字適性を評価すると共に、剥離シートを剥がしたシート面の粘着力及び焼成後の無機質以外の灰分量を測定した。これらの結果を第1表に示す。
珪酸ガラスフリット90重量部と無機化合物であるアルミナ粉末10重量部と、2−エチルヘキシルメタクリレートとアクリル酸を重量比99:1の割合で用いて得られた重量平均分子量20万の樹脂30重量部及びトルエン40重量部を混合してシート形成用ペーストを調製した。
次いで、剥離シート[リンテック社製、商品名「PET3811」]のシリコーン樹脂処理面に、上記シート形成用ペーストを塗布し、110℃にて5分間加熱処理して、剥離シート上に厚さ15μmのシートを形成した。
以下、実施例1と同様な操作を行い、印字適性を評価すると共に、剥離シートを剥がしたシート面の粘着力及び焼成後の無機質以外の灰分量を測定した。これらの結果を第1表に示す。
比較例2
実施例1において、樹脂として2−エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸を重量比99:1の割合で用いて得られた重量平均分子量20万の樹脂を用い、かつトリメチロールプロパントリメタクリレートの代わりにトリメチロールプロパントリアクリレートを用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、印字適性を評価すると共に、剥離シートを剥がしたシート面の粘着力及び焼成後の無機質以外の灰分量を測定した。これらの結果を第1表に示す。
Claims (5)
- (A)(a1)アルキル基の炭素数が1〜12のメタクリル酸アルキルエステル単位と、(a2)反応性官能基を有するメタクリル酸エステル単位及びエチレン性不飽和カルボン酸単位の中から選ばれる少なくとも1種の単位を含むメタクリル系単位を主体とする共重合体、(B)架橋剤、及び(C)ガラスフリットを含み、かつ前記(A)成分の共重合体と(C)成分のガラスフリットの含有割合が重量比で10:90ないし70:30の範囲にあるシート形成材料を架橋硬化させてなる感圧接着性シートから構成されていることを特徴とする焼成ラベル。
- 架橋硬化を熱架橋、熱重合架橋又は電離放射線照射架橋により行う請求項1記載の焼成ラベル。
- 裏面側に剥離シートを設けてなる請求項1又は2記載の焼成ラベル。
- 被着体に貼付し、400〜600℃の温度で焼成するのに用いられる請求項1、2又は3記載の焼成ラベル。
- 被着体がセラミック前駆体である請求項4記載の焼成ラベル。
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