JP4436506B2 - 電子カメラ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に手振れ補正機能を有する電子カメラ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、被写体を電子的撮像機能により画像データに変換して、当該画像データを記録媒体に記録する電子カメラが普及している。電子カメラは、ディジタルカメラとも呼ばれている電子スチールカメラ以外に、動画撮影を主機能とするディジタルビデオカメラも含む。
【0003】
ところで、最近の電子カメラには、通常の静止画撮影機能や動画撮影機能と共に、いわゆる手振れ補正機能を備えた製品が開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
手振れ補正機能は、撮影時にオペレータ(電子カメラのユーザ)の手振れにより、撮影光学系に発生する被写体の結像位置のずれ(像振れ)を補正する機能である。具体的な手振れ補正方式としては、各種の方式が開発または提案されている。例えば、複数回の連続的撮影を実行し、各撮影毎の画像データの手振れ補正結果を重ね合わせて、結果として手振れを抑制した露出画像を得る方式などが提案されている(例えば特開平9−261526号公報を参照)。
【0005】
しかしながら、前記の従来の方式では、データ量及び手振れ補正の演算量が膨大になるため、実際の電子カメラに実装する場合にシステム上の制約になる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、手振れの発生状況に応じた実際的な手振れ補正機能を実現し、常に快適な撮影を可能とする電子カメラ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点は、撮影レンズを介して受光した被写体像を光電変換して画像データを生成する撮像手段と、撮影時に発生した手振れに関係する手振れ値を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された手振れ値に基づいて、前記撮像手段での露光中の所定期間に許容される手振れ値を超える手振れが発生するときは、当該所定期間での露光動作を強制的に終了するように前記撮像手段を制御する制御手段とを備えた電子カメラ装置である
【0009】
このような構成であれば、特に大きい手振れが発生したときの画像データを撮影結果から取り除くことにより、結果的に手振れの影響を除外した撮影画像を得ることが可能となる。
【0010】
本発明の第2の観点は、検出された手振れ値に基づいて、相対的な手振れの程度に応じて、手振れ補正に関係する露光制御を切り替える機能を有する電子カメラ装置に関する。
【0011】
即ち、本発明は、撮影レンズを介して受光した被写体像を光電変換して画像データを生成する撮像手段と、撮影時に発生した手振れに関係する手振れ値を検出する検出手段と、撮像手段での露光中に発生する手振れ値が許容範囲外の場合に相対的な程度を判定する判定手段と、当該判定結果が相対的に大きい値の場合には撮像手段での露光動作に対応する画像データを削除し、また相対的に小さい値の場合には撮像手段での露光動作を強制的に終了するように制御する制御手段とを備えた電子カメラ装置である。
【0012】
このような構成により、相対的に大きい手振れが発生した場合には画像データを撮影結果から取り除き、また相対的に小さい手振れが発生した場合には露光動作を強制的に終了することにより、手振れの発生状況に応じて適切な手振れ補正を行なうことが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
(電子カメラの構成)
図1は、同実施形態に関係する電子カメラの要部を示すブロック図である。同実施形態の電子カメラは、静止画撮影機能を主機能とし、動画撮影機能も有する電子スチールカメラ(ディジタルカメラ)を想定する。当然ながら、動画撮影機能を主機能とし、静止画撮影機能も有するディジタルビデオカメラにも適用可能である。
【0015】
同実施形態の電子カメラは、図1に示すように、大別して撮影系1と、画像処理系2と、メイン制御系(システムコントローラ)3と、表示系4と、入力操作系(入力操作部)5と、記録系6と、電源系7とから構成されている。
【0016】
撮影系1は、ズームレンズ10と、絞り部11と、防振ユニット12と、オートフォーカス(AF)レンズ13と、シャッタ(機械的に開閉するメカシャッタ)14と、半透過型ミラー15と、撮像回路16と、光学ファインダ17とを有する。但し、光学ファインダ17は、同実施形態の電子カメラには必ずしも必要ではない。
【0017】
防振ユニット12は、手振れ補正機能に関係する要素であり、被写体の結像位置を調整するための補正光学レンズを有する。防振ユニット12は、防振アクチュエータ102により駆動して、X軸方向とY軸方向の2次元での補正制限範囲内で、結像位置を調整(補正)する。シャッタ14は常時開状態であり、入力操作部5のレリーズボタン(静止画撮影用ボタン)50のオン操作(深押し操作)に応じて閉状態となって、静止画像露光時間を制御する。撮像回路16は、通常では数百万画素のCCD(Charge Coupled Device)撮像素子を有し、光学レンズ系(10〜13)を介して入射した被写体像を光電変換する。撮像回路16は、ガンマ補正やホワイトバランス調整などの各種の信号処理回路も含む。
【0018】
ズームレンズ10、絞り部11、AFレンズ13、及びシャッタ14はそれぞれ、ズームモータ100、絞りモータ101、AFモータ103、及びシャッタアクチュエータ104により駆動する。また、防振アクチュエータ102を含むこれらのモータ(100〜103)及びアクチュエータ104は、システムコントローラ3により制御される駆動回路(ドライバ)105により駆動制御される。
【0019】
画像処理系2は、A/Dコンバータ20と、バッファメモリ21と、動画圧縮/伸長処理部22と、静止画圧縮/伸長処理部23と、AE(automatic exposure)回路24と、コントラスト検出回路25とを有する。A/Dコンバータ20及びバッファメモリ21以外の画像処理系2の各要素は、具体的には画像処理用CPU(マイクロプロセッサ)及びその制御プログラムを格納したメモリから構成されている。A/Dコンバータ20は、撮像回路16から得られた画像信号(画素数に応じたアナログ信号)をディジタル信号(画像データ)に変換して、バッファメモリ21に送出する。
【0020】
動画圧縮/伸長処理部22は、動画撮影モードで機能し、バッファメモリ21に格納された画像データに対する画像圧縮処理(例えばモーションJPEG方式圧縮)を実行し、連続的なファイル(映像データ)として記録系6に記録する。また、動画圧縮/伸長処理部22は、再生時には記録系6から読出した画像データの画像伸長処理を実行する。静止画圧縮/伸長処理部23は、静止画モードで機能し、バッファメモリ21に格納された画像データに対する画像圧縮処理(例えばJPEG方式圧縮)を実行し、静止画像データとして記録系6に記録する。また、静止画圧縮/伸長処理部23は、再生時には記録系6から読出した画像データの画像伸長処理を実行する。
【0021】
システムコントローラ3は、制御用CPU(マイクロプロセッサ)及びその制御プログラムを格納したメモリから構成されている。システムコントローラ3は、駆動回路105を介して撮影系1を制御し、かつ画像処理系2、ストロボ制御回路81、及び電源部70の各要素を制御すると共に、後述するように、同実施形態の手振れ補正制御(露光制御)を実行する。さらに、システムコントローラ3は、入力操作部5からの各種入力、及び電源検出回路72からの電源検出信号の入力を受け付けて、電源部70の制御などの各種の制御動作を実行する。
【0022】
手振れセンサ90は加速度センサであり、撮影時のオペレータによる手振れ値(BR)を検出して、システムコントローラ3に送出する。入力操作部5の静止画レリーズ(シャッタ)ボタン50の操作入力に応じて、システムコントローラ3は、静止画撮影動作を実行させる。システムコントローラ3は、ストロボ制御回路81を介して、撮影動作時のストロボ発光部80の発光制御を行なう。
【0023】
さらに、電源部70は電源系7のメイン要素であり、電池71や外部電源端子73からの外部電源を入力して、各種要素に動作用電力を供給する。電源検出回路72は、電源部70の電源電圧を監視し、監視結果である電源検出信号をシステムコントローラ3に出力する。
【0024】
表示系4は、表示処理回路40と、表示装置41と、オンスクリーン回路42とを有する。表示装置41は、液晶表示モニタまたはEVF(Electro−view finder)である。表示処理回路40は、バッファメモリ21に格納されたスルー画像データ(動画像データ)または静止画像データを表示処理して、表示装置41に供給している。オンスクリーン回路42は、システムコントローラ3からの各種の撮影条件(絞り値、シャッタスピードなど)を設定するための設定情報(SC)を表示装置41に表示するように処理する。
【0025】
同実施形態の記録系6は、動画用メディア60と静止画用メディア62とを有する。動画用メディア60は、例えば光磁気ディスクからなり、ディスクドライブに含まれる動画記録再生回路61により記録再生される。また、静止画用メディア62は、例えばフラッシュEEPROMからなるメモリカードであり、メモリコントローラに含まれる静止画記録再生回路63により記録再生される。
【0026】
(手振れ補正動作)
以下図1と共に、図2のフローチャート及び図6を参照して、同実施形態の手振れ補正動作を説明する。同実施形態の手振れ補正動作は、システムコントローラ3が手振れ値を予測し、撮像回路16のCCD撮像素子に対する露光制御(露光動作の強制終了)を実行するものである。
【0027】
まず、入力操作部のレリーズボタン50が操作されると、撮影動作(ここでは静止画撮影動作)が実行される。即ち、撮影系1において、撮像回路16では、CCD撮像素子に対する露光動作が開始される(ステップS1)。CCD撮像素子により光電変換された被写体像に対応する画像信号は、A/Dコンバータ20によりディジタルの画像データに変換される。
【0028】
システムコントローラ3は、撮影動作が開始してから、所定の間隔で手振れセンサ90により検出された手振れ値を入力する(ステップS2)。システムコントローラ3は、入力した手振れ値に基づいて、露光開始から所定期間における手振れ値(BR)を予測し、当該予測値(BR)と許容値(BRT)とを比較する(ステップS3)。ここで、図6(A)に示すように、露光時間(T)を横軸として、実際に検出された手振れ値の変化(実線600)と、システムコントローラ3が予測した予測値(点線601)とを想定する。なお、同図(B)は、CCD撮像素子に対する露光量(時間積分値)を示している。
【0029】
システムコントローラ3は、手振れ予測値(BR)が許容値(BRT)以下であれば、通常の露光終了まで撮像回路16の露光制御を続行する(ステップS4,S5)。一方、手振れ予測値(BR)が許容値(BRT)を超える場合には、システムコントローラ3は、前記予測値に基づいて撮像回路16での露光動作を強制的に終了する(ステップS3のNO,S6)。即ち、図6に示すように、手振れ値が許容値(BRT)を超えると予測された時点(Ts)で、露光動作(CCD撮像素子の電荷蓄積)を停止させる。
【0030】
システムコントローラ3は、強制的に露光動作を終了させて、撮像回路16からA/Dコンバータ20に画像信号を出力させる。このとき、システムコントローラ3は、撮像回路16のアンプまたはA/Dコンバータ20のゲイン(G)を調整する。従って、図6(B)に示すように、強制終了により削除された露光量(点線の範囲)に相当するゲイン(G=Texp/Ts)を補償することにより、画像データの信号品質の劣化を抑制できる。
【0031】
以上のように同実施形態によれば、撮影動作時の露光中に、検出された手振れ値に基づいて、所定期間の手振れ値を予測し、当該予測値が許容値を超える場合には、当該露光動作を強制的に終了させる。これにより、予測される許容範囲外の手振れにより影響される画像データ(1枚分の静止画データの一部)を削除することができる。従って、手振れの影響のない安定した撮影画像を得ることが可能となる。なお、削減した露光量に相当するゲイン(G)を調整することにより、画像データの信号品質の劣化を抑制できる。
【0032】
(変形例1)
図3のフローチャート及び図7は、同実施形態の変形例に関係する図である。本変形例は、同実施形態において所定期間だけ露光動作を強制的に終了させる場合に、所定期間以前の画像信号をCCD撮像素子に蓄積し、当該画像信号を所定期間後に得られる画像信号に加算する構成(間欠露光制御方式)である。
【0033】
ここで言う所定期間とは、例えば露光中に許容値(BRT)を超える手振れが発生した期間のように、画像データに手振れの影響が生ずるような露光中の期間等が相当する。
【0034】
以下図3及び図7を参照して具体的に説明する。
【0035】
同実施形態と同様に、システムコントローラ3は、撮影動作が開始してから、所定の間隔で手振れセンサ90により検出された手振れ値を入力する(ステップS10,S11)。システムコントローラ3は、入力した手振れ値に基づいて、図7(A)に示すように、露光開始から所定期間における手振れ値(BR)を予測する(実線600)。なお、同図(B)は、CCD撮像素子に対する露光量702,703(時間積分値)を示している。システムコントローラ3は、当該予測値(BR)と許容値(BRT)とを比較する(ステップS12)。
【0036】
システムコントローラ3は、手振れ予測値(BR)が許容値(BRT)以下であれば、通常の露光終了まで撮像回路16の露光制御を続行する(ステップS13,S14)。一方、手振れ予測値(BR)が許容値(BRT)を超える場合には、システムコントローラ3は、撮像回路16での所定期間(ΔT)の露光動作を強制的に一時終了するために、当該所定期間(ΔT)以前の露光に応じた電荷量(画像信号)をCCD撮像素子の垂直転送部(V−CCD)に転送して一時蓄積すると共に、V−CCDの駆動を一時停止する(ステップS12のNO,S15,S16)。
【0037】
そして、システムコントローラ3は、手振れ予測値(BR)が許容値(BRT)以下になると予測される期間(ΔT)にCCD撮像素子に蓄積された不要電荷を初期化(排出)し、再び、次の露光動作で(Texp−ΔT)の期間、電荷を蓄積するように撮像回路16を制御する(ステップS17,S18)。
【0038】
ここで、期間(Texp−ΔT)は、期間(Ts)の蓄積動作と所定期間(ΔT)から算出された適正露光レベルまでの必要な残りの露光時間で、この期間(Texp−ΔT)の蓄積が終了すると、システムコントローラ3は、蓄積電荷(画像信号)をCCD撮像素子の垂直転送部(V−CCD)に転送する(ステップS12のYES,S13,S14)。
【0039】
以上の動作により、図7(C)に示すように、期間(Ts)と期間(Texp−ΔT)に蓄積された電荷をV−CCD内で蓄積加算された電荷を得ることができる。手振れ予測値(BR)が許容値(BRT)を超えた所定期間(ΔT)からそれ以後ので蓄積加算されたCCD撮像素子の電荷を得ることができる。
【0040】
以上のように本変形例によれば、露光中に手振れ予測値(BR)が許容値(BRT)を超える所定期間(ΔT)では、強制的に露光動作を終了させる。従って、当該所定期間(ΔT)で得られる画像データを削除する。さらに、当該所定期間以前の電荷量(画像信号)を蓄積し、かつ所定期間以後(Texp−ΔT)に蓄積された電荷を加算する。従って、当該CCD撮像素子に蓄積及び加算された電荷を使用して、手振れの発生期間に対応する画像データの不足分を補償することが可能となる。これにより、手振れの影響がなく、かつ信号品質の劣化を抑制した撮影画像を得ることが可能となる。
【0041】
(変形例2)
図4のフローチャートは、同実施形態の変形例2に関係する図である。本変形例は、手振れ予測値(BR)の程度に応じて、手振れ補正処理を切り替える構成である。具体的には、同実施形態及び変形例1での各手振れ補正処理(露光動作の強制終了及び蓄積加算による間欠露光制御)を組み合わせたものである。
【0042】
本変形例は、手振れ予測値(BR)の判定処理に使用する第1の許容値(BRT)以外に、第2の許容値(BRL)を使用する。第2の許容値(BRL)は、第1の許容値(BRT)より高いレベル値であり、許容範囲外の手振れ値の程度(大ぶれ又は中ぶれ)を判定するための基準値である。以下図4のフローチャートを参照して具体的に説明する。
【0043】
システムコントローラ3は、撮影動作が開始してから、所定の間隔で手振れセンサ90により検出された手振れ値を入力する(ステップS20,S21)。システムコントローラ3は、入力した手振れ値に基づいて露光開始から所定期間における手振れ値(BR)を予測し、当該予測値(BR)と第1の許容値(BRT)とを比較する(ステップS22)。システムコントローラ3は、手振れ予測値(BR)が第1の許容値(BRT)以下であれば、通常の露光終了まで撮像回路16の露光制御を続行する(ステップS27,S28)。
【0044】
一方、手振れ予測値(BR)が第1の許容値(BRT)を超える場合には、システムコントローラ3は、当該予測値(BR)の程度(大ぶれ又は中ぶれ)を判定する(ステップS23)。この判定結果により、当該予測値(BR)の程度が大ぶれの場合には、システムコントローラ3は、当該所定期間でのCCD撮像素子に蓄積された電荷(画像信号)を初期化(消去)する(ステップS23のNO,S24)。さらに、システムコントローラ3は、撮像回路16での露光動作を再実行させる。従って、大ぶれの影響がある画像データを削除し、再露光動作により新たな画像データを生成することになる。
【0045】
一方、判定結果による予測値(BR)の程度が中ぶれの場合には、システムコントローラ3は、露光量が十分であるか否かを判定する(ステップS25)。露光量が十分であれば、システムコントローラ3は、露光動作を強制的に終了させる(ステップS25のYES,S26)。従って、中程度の手振れにより影響される画像データを削除することにより、手振れの影響のない安定した撮影画像を得ることが可能となる。この場合、露光量が十分であるため、システムコントローラ3は、削減した露光量に相当するゲイン(G)を調整することにより、画像データの信号品質の劣化を抑制できる。
【0046】
また、予測値(BR)の程度が中ぶれで、かつ露光量が不十分な場合には、システムコントローラ3は、前述した変形例2の間欠露光制御を実行する(ステップS25のNO,S29〜S32)。即ち、所定期間での中程度の手振れにより影響される画像データを削除すると共に、当該所定期間以前及び所定期間以後の電荷量(画像信号)を蓄積、加算して使用する。従って、露光量が不足している場合でも、画像データの不足分を補償できるため、手振れの影響がなく、かつ信号品質の劣化を抑制した撮影画像を得ることが可能となる。
【0047】
(変形例3)
図5のフローチャートは、同実施形態の変形例3に関係する図である。本変形例は、手振れ予測値(BR)が許容範囲外となる所定期間に、撮像回路16での露光制御ではなく、メカシャッタ14を制御して露光動作を強制的に終了させる構成である。
【0048】
即ち、システムコントローラ3は、撮影動作が開始してから、所定の間隔で手振れセンサ90により検出された手振れ値を入力する(ステップS40,S41)。システムコントローラ3は、入力した手振れ値に基づいて、露光開始から所定期間における手振れ値(BR)を予測し、当該予測値(BR)と許容値(BRT)とを比較する(ステップS42)。
【0049】
システムコントローラ3は、手振れ予測値(BR)が許容値(BRT)以下であれば、通常の露光終了まで撮像回路16の露光制御を続行する(ステップS43,S44)。一方、手振れ予測値(BR)が許容値(BRT)を超える場合には、システムコントローラ3は、メカシャッタ14を強制的に閉じて、所定期間の露光動作を強制的に終了する(ステップS45)。そして、手振れ予測値(BR)が許容値(BRT)以下になると、システムコントローラ3は、メカシャッタ14を開けて、露光動作を再開させる(ステップS46のYES,S47)。
【0050】
以上のように本変形例によれば、露光中に手振れ予測値(BR)が許容値(BRT)を超える所定期間では、メカシャッタ14を強制的に閉じて、強制的に露光動作を終了させる。従って、当該所定期間で得られる画像データを削除する。そして、手振れ予測値が許容範囲内であれば、メカシャッタ14を開いて、露光動作を再開させることにより、直ちに正常な画像データを得るこができる。従って、手振れの影響がなく、かつ画像データの信号品質の劣化を最小限に抑制した撮影画像を得ることが可能となる。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、撮影時の手振れの発生を予測し、この予測結果に基づいて、手振れの影響を除去した画像データを生成することができる。従って、露光量や手振れの程度などの手振れの発生状況に応じた実際的な手振れ補正機能を実現することが可能となる。これにより、常に快適な撮影を可能とする電子カメラ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に関係する電子カメラの要部を示すブロック図。
【図2】同実施形態に関係する露光制御動作を説明するためのフローチャート。
【図3】同実施形態の変形例1に関係する露光制御動作を説明するためのフローチャート。
【図4】同実施形態の変形例2に関係する露光制御動作を説明するためのフローチャート。
【図5】同実施形態の変形例3に関係する露光制御動作を説明するためのフローチャート。
【図6】同実施形態に関係する手振れ補正動作を説明するための概念図。
【図7】同実施形態の変形例1に関係する手振れ補正動作を説明するための概念図。
【符号の説明】
1…撮影系
2…画像処理系
3…システムコントローラ
4…表示系
5…入力操作部
6…記録系
7…電源系
10…ズームレンズ
11…絞り部
12…防振ユニット
13…AFレンズ
14…シャッタ
15…半透過型ミラー
16…撮像回路
17…光学ファインダ
20…A/Dコンバータ
21…バッファメモリ
22…動画圧縮/伸長処理部
23…静止画圧縮/伸長処理部
40…表示処理回路
41…表示装置
42…オンスクリーン回路
60…動画用メディア
61…動画用記録再生回路
62…静止画用メディア
63…静止画用記録再生回路
70…電源部
71…電池
72…電源検出回路
80…ストロボ発光部
81…ストロボ制御回路
90…手振れセンサ
100…ズームモータ
101…絞りモータ
102…防振アクチュエータ
103…AFモータ
104…シャッタアクチュエータ
105…駆動回路

Claims (8)

  1. 撮影レンズを介して受光した被写体像を光電変換して画像データを生成する撮像手段と、
    撮影時に発生した手振れに関係する手振れ値を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された手振れ値に基づいて、前記撮像手段での露光中の所定期間に許容される手振れ値を超える手振れが発生するときは、当該所定期間での露光動作を強制的に終了するように前記撮像手段を制御する制御手段と
    を具備したことを特徴とする電子カメラ装置。
  2. 前記撮像手段により生成される画像データを所定のゲインで出力する出力手段を有し、
    前記制御手段は、前記露光動作の強制的終了により削除された露光量に応じて前記ゲインを調整し、前記所定期間以前に得られた画像データを出力させるように前記出力手段を制御することを特徴とする請求項1記載の電子カメラ装置。
  3. 撮影レンズを介して受光した被写体像を光電変換して画像データを生成する撮像手段と、
    撮影時に発生した手振れに関係する手振れ値を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された手振れ値に基づいて、前記撮像手段での露光中の所定期間に許容される手振れ値を超える手振れが発生するときは、当該所定期間以前の露光動作により得られた画像データを前記撮像手段に設けられた記憶部に記憶するように制御する制御手段と
    を具備したことを特徴とする電子カメラ装置。
  4. 前記制御手段は、前記撮像手段に設けられたCCD撮像素子の垂直電荷転送における電荷蓄積動作を制御することにより、前記画像データの記憶制御を実行することを特徴とする請求項3記載の電子カメラ装置。
  5. 前記制御手段は、
    当該所定期間以前の露光動作により得られた画像データを前記撮像手段に設けられた記憶部に記憶した後で、前記所定期間以後に得られた画像データを前記記憶部に記憶した画像データに付加するように制御することを特徴とする請求項3記載の電子カメラ装置。
  6. 撮影レンズを介して受光した被写体像を光電変換して画像データを生成する撮像手段と、
    撮影時に発生した手振れに関係する手振れ値を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された手振れ値に基づいて、前記撮像手段での露光中に発生する手振れ値が許容範囲外の場合に相対的な程度を判定する判定手段と、
    前記判定結果が相対的に大きい値の場合には前記撮像手段での露光動作に対応する画像データを削除し、また相対的に小さい値の場合には前記撮像手段での露光動作を強制的に終了するように制御する制御手段と
    を具備したことを特徴とする電子カメラ装置。
  7. 前記制御手段は、前記画像データを削除した後に、前記撮像手段での再露光動作を実行させるように制御することを特徴とする請求項6記載の電子カメラ装置。
  8. 撮影レンズを介して受光した被写体像を光電変換して画像データを生成する撮像手段と、
    前記撮像手段に入射される被写体光を遮光する遮光手段と、
    撮影時に発生した手振れに関係する手振れ値を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された手振れ値に基づいて、前記撮像手段での露光中の所定期間に許容される手振れ値を超える手振れが発生するときには、当該所定期間での前記遮光手段の遮光動作を実行させるように制御する制御手段と
    を具備したことを特徴とする電子カメラ装置。
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