JP4434753B2 - 磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング収集データの処理方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング収集データの処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、被検体内における原子核スピンの磁気共鳴により生じた核磁気共鳴信号を利用して被検体の画像を再構成する磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング収集データの処理方法に係り、特にパラレルイメージング撮影において、撮影の適否を確認するための確認用画像を表示させる磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング収集データの処理方法に関する。
従来、医療現場におけるモニタリング装置として、図12に示すような磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置1が利用される(例えば特許文献1参照)。
磁気共鳴イメージング装置1は、静磁場を形成する筒状の静磁場用磁石2内部にセットされた被検体Pの撮像領域に傾斜磁場コイルユニット3の各傾斜磁場コイル3x、3y、3zでX軸、Y軸、Z軸方向の傾斜磁場を形成するとともにRF(Radio Frequency)コイル4からラーモア周波数の高周波(RF)信号を送信することにより被検体P内の原子核スピンを磁気的に共鳴させ、励起により生じた核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)信号を利用して被検体Pの画像を再構成する装置である。
すなわち、予め静磁場電源5により静磁場用磁石2内部に静磁場が形成される。さらに、入力装置6からの指令によりシーケンスコントローラ制御手段7は、信号の制御情報であるシーケンスをシーケンスコントローラ8に与え、シーケンスコントローラ8はシーケンスに従って各傾斜磁場コイル3x、3y、3zに接続された傾斜磁場電源9およびRFコイル4に高周波信号を与える送信器10を制御する。このため、撮像領域に傾斜磁場が形成され、被検体Pには高周波信号が送信される。
この際、傾斜磁場コイル3x、3y、3zにより形成されたX軸傾斜磁場、Y軸傾斜磁場,Z軸傾斜磁場は主として、位相エンコード(PE:phase encoding)用傾斜磁場、読出し(RO:readout)用傾斜磁場、スライスエンコード(SE:slice encoding)用傾斜磁場としてそれぞれ使用される。このため、原子核の位置情報であるX座標、Y座標、Z座標はそれぞれ原子核スピンの位相、周波数、スライスの位置に変換され、位相エンコード量を変えながらシーケンスが繰返し実行される。
そして、被検体P内の原子核スピンの励起に伴って発生したNMR信号は、RFコイル4で受信されるとともに受信器11に与えられてデジタル化された生データ(raw data)に変換される。さらに、生データは、シーケンスコントローラ8を介してシーケンスコントローラ制御手段7に取り込まれ、シーケンスコントローラ制御手段7は生データデータベース12に形成されたK空間(フーリエ空間)に生データを配置する。そして、画像再構成手段13が、K空間に配置された生データに対してフーリエ変換を実行することにより、被検体Pの再構成画像が得られる。
このような磁気共鳴イメージング装置1による高速撮影技術の1つにパラレルイメージング(PI:Parallel Imaging)法がある(例えば非特許文献1、非特許文献2、非特許文献2および非特許文献4参照)。PI法は、RFコイル4を複数の表面コイルで構成されるマルチコイルとし、各表面コイルで同時にNMR信号を受信して画像を再構成させる撮影方法である。PI法によれば画像の再構成に必要な位相エンコードの数を表面コイルの数の分だけ減らすことができるため撮影時間を短縮することができる。
PI法によれば、3次元(3D:three dimensions)撮影においても数秒という高時間分解能の撮影が可能であるため、造影剤を被検体Pに投入して時間的な移動を観測する造影磁気共鳴血管撮影(MRA:magnetic resonance angiography)法等のようなダイナミック撮影に適用される。すなわち、PI法によるダイナミック撮影では、非常に多時相の撮影が可能であるため、造影MRA法において造影剤の移動を克明に描出できる。
PI法による撮影は、図13に示す手順で実施される。まず、ステップS1において、上述のようにPIシーケンスによる撮影が行われて生データデータベース12に形成されたK空間に生データが配置される。すなわち、3Dダイナミック撮影の場合には、図14(a)に示すような3Dボリュームデータが時相Tごとに得られる。
さらに、図13のステップS2において、画像再構成手段13によりK空間のうち予め指定されたマトリクスについて画像が再構成される。すなわち、図14(b)に示すようにマトリクスに含まれる生データを3D−FT(3D Fourier transformation)することにより3次元の画像情報が得られる。
ここで、PI法により得られた画像には、フォールディング(folding)と呼ばれる折り返しが生じる。そこで、図13のステップS3において、マルチコイルの各表面コイルの感度の相違に基づいて展開(unfolding)処理が画像再構成処理の後処理としてPI展開処理手段14により実行される。
すなわち図15に示すように予めマルチコイルの感度マップデータD1が収集され、図12の感度マップデータベース14aに保存される。そして、図15に示すようにK空間における生データD2を3D−FTすることにより得られたPI展開処理前の3次元画像情報(実空間データ)D3の各スライス面に相当する感度マップデータD1が感度マップデータベース14aからPI展開処理手段14により展開処理用感度マップデータD4として切り出される。さらに、3次元画像情報D3について展開処理用感度マップデータD4を用いてスライスごとにPI展開処理が実行され、PI展開処理後の3次元画像が展開画像D5として得られる。
この結果、図14(c)に示すように全時相における全画像が得られて適宜保存される。
また、図13のステップS4において、必要に応じて所定の時相における画像を親画像として親画像よりも時相が後の画像に対して差分(複素差分、絶対値差分)処理が差分処理手段15により実行される。このため、図14(d)に示すように親画像よりも後の時相における差分画像が得られて適宜保存される。
さらに、図13のステップS5において、必要に応じて最大値投影(MIP:maximum intensity projection)法による画像処理であるMIP処理がMIP処理手段16により実行され、3次元の全画像や差分画像が2次元平面に投影されてMIP像が得られる。すなわち、3次元画像を構成する各スライス画像データのうち最大信号値を有するスライス画像データを投影面上での値とすることにより図14(e)に示す2次元の全画像あるいは図14(f)に示す差分画像であるMIP像が得られる。
この結果、図13のステップS6において、MIP像並びに全時相における全画像や差分画像が確認用画像として画像データベース17に保存される。さらに、画像表示手段18により画像データベース17に保存された確認用画像が表示装置19に与えられて表示される。このため、オペレータは、MIP像や全時相における全画像等の確認用画像を確認することにより撮影の適否を判断することができる。
一方、磁気共鳴イメージング装置1による3D撮影では、3Dボリュームデータの3D再構成処理が膨大になることに鑑みてReference Viewの作成技術が利用される(例えば特許文献2および特許文献3参照)。Reference Viewは、3DボリュームデータからK空間中心の2次元(2D:two dimensions)データを切り出して2DFTすることにより得られ、簡易的に投影像に相当する2D画像である。このReference Viewによりオペレータは、より少ないデータ処理量かつ短時間で画像を確認することができる。
また、磁気共鳴イメージング装置1による3D撮影において、画像表示の高速化のために撮影中に随時得られる2Dデータを2DFTすることにより、2D画像を再構成させて表示する技術が提案される(例えば特許文献4参照)。
特開2003−334177号公報(第4頁−第6頁、図1参照) 米国特許第5,166,875号明細書 特公平5−78341号公報(第5頁―第6頁、図4参照) 特開平2−46828号公報(第6頁―第8頁、図1参照) 論文"Carlson J.W. and Minemura T., Image Time Reduction Through Multiple Receiver Coil Data Acquisition and Image Reconstruction, MRM 29:681-688, 1993" 論文"Sodikson D.K. and Manning W.J., Simultaneous Acquisition of Spatial Harmonics (SMASH): Fast Imaging with Radiofrequency Coil Arrays, MRM 38:591-603, 1997" 論文"Pruessman K.P., Weiger M., Scheidegger M.B., and Boesiger P., SENSE: Sensitivity Encoding for Fast MRI, MRM 42:952-962, 1999" 論文"Ra J.B. and Rim C.Y., Fast Imaging Using Subencoding Data Sets From Multiple Detectors, MRM 30:142-145, 1993"
PI法による高速造影MRA撮影では、撮影時間分解能を向上させてリアルタイムでの観察が望まれる。しかし、従来の磁気共鳴イメージング装置1では、ゼロ詰め等の再構成処理含む画像再構成やPI展開処理等の各処理に数十秒から数分時間程度の時間を要し、リアルタイムでの観察が困難である。このため、最終画像である確認用画像を表示するまでに時間がかかり、オペレータは撮影後直ちに撮影の適否を確認することができない。この結果、確認用画像が得られてオペレータが撮影の適否を確認するまで、被検体Pを磁気共鳴イメージング装置1から降ろすことができないという問題がある。
さらに、通常ダイナミック撮影の場合には非常に多くの時相撮影が行われるため、画像枚数の増加に伴って保存すべき画像容量が膨大となり画像検索や画像転送にも時間を要するという問題がある。
一方、従来のReference Viewを利用した技術はPI撮影に対応しておらず、Reference Viewをそのまま用いても位相エンコード方向に折り返しを有する画像となり、撮影の適否を確認するには不十分な精度の画像しか得ることができない。すなわち、PI撮影では、位相エンコード方向の撮影領域(FOV:field of view)が小さく設定されるため、そのまま画像を再構成させるとFOVの大きさに応じて位相エンコード方向に折り返しを有する画像となる。
本発明はかかる従来の事情に対処するためになされたものであり、PI法による高速造影MRA撮影において、より短時間で撮影の適否を確認するための確認用画像を表示させることが可能な磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング収集データの処理方法を提供することを目的とする。
また、本発明の別の目的は、ダイナミック撮影において保存すべきデータ容量を低減させることが可能な磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング収集データの処理方法を提供することである。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置は、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、パラレルイメージング展開処理に必要な複数コイルからなるマルチコイルの感度マップデータを保存する感度マップデータベースと、パラレルイメージング撮影により各コイル毎に収集された3次元ボリュームデータからそれぞれ部分データを切り出すデータ切出手段と、前記部分データに対して再構成処理を実行することにより各コイル毎に中間画像を再構成する中間画像再構成手段と、前記中間画像に対応する当該中間画像より薄い感度マップデータを展開処理用感度マップデータとして前記感度マップデータベースから切り出して、前記展開処理用感度マップデータを用いて前記中間画像に対してパラレルイメージング展開処理を実行し、参照画像を生成する参照画像生成手段とを有することを特徴とするものである。
また、本発明に係る磁気共鳴イメージング収集データの処理方法は、上述の目的を達成するために、請求項11に記載したように、パラレルイメージング撮影により複数コイルからなるマルチコイルの各コイル毎に収集された3次元ボリュームデータからそれぞれ部分データを切り出すステップと、前記部分データに対して再構成処理を実行することにより各コイル毎に中間画像を再構成するステップと、パラレルイメージング展開処理に必要な前記マルチコイルの感度マップデータから前記中間画像に対応する当該中間画像より薄い感度マップデータを展開処理用感度マップデータとして切り出すステップと、前記展開処理用感度マップデータを用いて前記中間画像に対してパラレルイメージング展開処理を実行することにより参照画像を生成するステップとを有することを特徴とする方法である。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング収集データの処理方法においては、PI法による高速造影MRA撮影において、より短時間で撮影の適否を確認するための確認用画像を表示させることができる。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴イメージング収集データの処理方法の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第1の実施形態を示す機能ブロック図である。
磁気共鳴イメージング装置20は、静磁場を形成する筒状の静磁場用磁石21と、この静磁場用磁石21の内部に設けられたシムコイル22、傾斜磁場コイルユニット23およびRFコイル24とを図示しないガントリに内蔵した構成である。
また、磁気共鳴イメージング装置20には、制御系25が備えられる。制御系25は、静磁場電源26、傾斜磁場電源27、シムコイル電源28、送信器29、受信器30、シーケンスコントローラ31およびコンピュータ32を具備している。制御系25の傾斜磁場電源27は、X軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zで構成される。また、コンピュータ32は、図示しない演算装置および記憶装置を備え、入力装置33および表示装置34が設けられる。
静磁場用磁石21は静磁場電源26と接続され、静磁場電源26から供給された電流により撮像領域に静磁場を形成させる機能を有する。また、静磁場用磁石21の内側には、同軸上に筒状のシムコイル22が設けられる。シムコイル22はシムコイル電源28と接続され、シムコイル電源28からシムコイル22に電流が供給されて静磁場が均一化されるように構成される。
傾斜磁場コイルユニット23は、X軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zで構成され、静磁場用磁石21の内部において筒状に形成される。傾斜磁場コイルユニット23の内側には寝台35が設けられて撮像領域とされ、寝台35には被検体Pがセットされる。RFコイル24はガントリに内蔵されず、寝台35や被検体P近傍に設けられる場合もある。
また、傾斜磁場コイルユニット23は、傾斜磁場電源27と接続される。傾斜磁場コイルユニット23のX軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zはそれぞれ、傾斜磁場電源27のX軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zと接続される。
そして、X軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zからそれぞれX軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zに供給された電流により、撮像領域にそれぞれX軸方向の傾斜磁場Gx、Y軸方向の傾斜磁場Gy、Z軸方向の傾斜磁場Gzを形成することができるように構成される。
RFコイル24はマルチコイルで構成され、送信器29および受信器30と接続される。RFコイル24は、送信器29から高周波信号を受けて被検体Pに送信する機能と、被検体P内部の原子核スピンの高周波信号による励起に伴って発生したNMR信号を受信して受信器30に与える機能を有する。
図2は図1に示すRFコイル24として用いられるマルチコイルの構成図である。
RFコイル24は、複数の表面コイル24aを備えたマルチコイルで構成される。RFコイル24の各表面コイル24aは、それぞれ個別に送信器29および受信器30と接続される。このため、RFコイル24の各表面コイル24aにより、多チャンネルで被検体Pに高周波信号を送信する一方、NMR信号を受信して各受信器30に与えることができるように構成される。
一方、制御系25のシーケンスコントローラ31は、傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30と接続される。シーケンスコントローラ31は傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30を駆動させるために必要な制御情報、例えば傾斜磁場電源27に印加すべきパルス電流の強度や印加時間、印加タイミング等の動作制御情報を記述したシーケンス情報を記憶する機能と、記憶した所定のシーケンスに従って傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30を駆動させることによりX軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy,Z軸傾斜磁場Gzおよび高周波信号を発生させる機能を有する。
また、シーケンスコントローラ31は、受信器30からデジタル化されたNMR信号である生データ(raw data)を受けてコンピュータ32に与えるように構成される。
このため、送信器29には、シーケンスコントローラ31から受けた制御情報に基づいて高周波信号をRFコイル24に与える機能が備えられる一方、受信器30には、RFコイル24から受けたNMR信号に所要の信号処理を実行するとともにA/D変換することにより、デジタル化されたNMR信号である生データを生成する機能と、生成した生データをシーケンスコントローラ31に与える機能とが備えられる。
また、コンピュータ32には、プログラムが読み込まれて実行されることによりシーケンスコントローラ制御手段36、生データデータベース37、画像表示手段38およびPI収集信号処理システム39として機能する。PI収集信号処理システム39は、データ切出手段40、中間画像再構成手段41、参照画像生成手段42、参照画像差分処理手段43、参照画像データベース44、時相指定手段45、画像再構成手段46、PI展開処理手段47、差分処理手段48、MIP処理手段49、画像データベース50および感度マップデータベース51を有する。ただし、プログラムによらず、特定の回路を設けてコンピュータ32を構成してもよい。
シーケンスコントローラ制御手段36は、入力装置33またはその他の構成要素からの情報に基づいてシーケンスコントローラ31にPI撮影を実行するためのシーケンスであるPIシーケンスを与えてPI法により駆動制御させる機能を有する。また、シーケンスコントローラ制御手段36は、シーケンスコントローラ31からPIシーケンスによるダイナミック撮影あるいは単一の時相における撮影においてマルチコイルの各コイル毎に収集された各時相の生データを受けて3Dボリュームデータとして生データデータベース37に形成されたK空間(フーリエ空間)に配置する機能を有する。
このため、生データデータベース37には、受信器30において生成されたPI法による各生データが時相ごとに保存される。すなわち、生データデータベース37に形成されたK空間に生データが配置される。
感度マップデータベース51には、PI展開処理に必要な複数コイルからなるマルチコイルの感度マップデータが保存される。
データ切出手段40は生データデータベース37のK空間に3Dボリュームデータとして配置された生データから部分データの一例として任意のスライスにおける2Dデータをそれぞれ切り出す機能と、切り出した2Dデータを中間画像再構成手段41に与える機能を有する。この際、データ切出手段40は、必要に応じて血管以外の静止部組織からのNMR信号により得られた生データの影響を抑制することが可能な2Dデータを切り出すことができるようにされる。すなわち、データ切出手段40には、必要に応じてK空間中心を含まない2Dデータ、例えばK空間中心から少しずれた部分の2Dデータを切り出す機能が備えられる。
中間画像再構成手段41は、データ切出手段40から受けた部分データである2Dデータに対して再構成処理である2DFTを実行することにより被検体Pの2D中間画像を中間画像の一例として各コイル毎に再構成する機能と、得られた各2D中間画像を参照画像生成手段42に与える機能を有する。
参照画像生成手段42は、中間画像再構成手段41から受けた2D中間画像に対してPI展開処理を実行することにより2D参照画像を参照画像として生成する機能と、PI展開処理後の各2D中間画像である2D参照画像を参照画像差分処理手段43に与えるとともに参照画像データベース44に書き込む機能を有する。
ここで、2D中間画像は2DFTにより得られるため、スライス厚は、スラブ選択励起厚となる。そこで、参照画像生成手段42は、感度マップデータベース51に保存されたマルチコイルの感度マップデータから中間画像に対応する感度マップデータを展開処理用感度マップデータとして切り出してPI展開処理に用いるようにされる。2D中間画像に対応する感度マップデータとしては、例えば2DFTスラブの中心位置に相当する感度マップデータ等の任意の位置における感度マップデータを用いることができる。
参照画像差分処理手段43は、参照画像生成手段42から受けたPI展開処理後の各2D中間画像である2D参照画像のうち、所定の時相における2D参照画像を2D親参照画像として2D親参照画像よりも時相が後の2D参照画像に対して複素差分処理や絶対値差分処理といった差分(DSA;Digital Subtraction Anigiology)処理を実行することにより、2D差分参照画像を得る機能と、得られた2D差分参照画像を参照画像データベース44に書き込む機能を有する。
参照画像データベース44には、参照画像生成手段42により生成された2D参照画像と参照画像差分処理手段43により生成された2D差分参照画像が蓄積される。
時相指定手段45は、入力装置33から2D参照画像または2D差分参照画像の指定情報を受けて、指定された2D参照画像または2D差分参照画像の時相である指定時相における生データを生データデータベース37から抽出して画像再構成手段46に与える機能を有する。この際、時相指定手段45は、参照画像データベース44に保存された2D参照画像または2D差分参照画像を参照することができるように構成される。指定時相は、単一の時相あるいは複数の時相のいずれであってもよい。
ただし、入力装置33から2D参照画像または2D差分参照画像の指定情報ではなく時相指定情報を受けて、時相指定情報に対応する時相を指定時相として各指定時相における生データを生データデータベース37から抽出する機能を時相指定手段45に設けてもよい。
画像再構成手段46は、時相指定手段45から受けた各指定時相における生データに対して3DFTを実行することにより被検体Pの3D画像を再構成させる機能と、得られた各3D画像をPI展開処理手段47に与える機能を有する。
PI展開処理手段47は、画像再構成手段46から受けた各指定時相における3D画像に対してPI展開処理を実行する機能と、PI展開処理後の各3D画像を差分処理手段48およびMIP処理手段49に与えるとともに画像データベース50に書き込む機能を有する。この際、PI展開処理手段47は、感度マップデータベース51に保存された感度マップデータから3D画像に対応する感度マップデータを展開処理用感度マップデータとして切り出してPI展開処理に用いるようにされる。3D画像に対応する展開処理用感度マップデータとしては、3D画像の各3DFTスライス面に相当する感度マップデータを用いることができる。
差分処理手段48は、PI展開処理手段47から受けたPI展開処理後の各3D画像のうち、所定の時相、例えば2D親参照画像の時相における3D画像を3D親画像として、3D親画像よりも時相が後の3D画像に対して複素差分処理や絶対値差分処理といった差分処理を実行することにより、3D差分画像を得る機能と、得られた3D差分画像をMIP処理手段49に与えるとともに画像データベース50に書き込む機能を有する。
MIP処理手段49は、PI展開処理手段47から受けたPI展開処理後の各3D画像および差分処理手段48から受けた3D差分画像に対して、3D画像または3D差分画像を構成する各スライス画像データのうち最大信号値を有するスライス画像データを投影面上での値とするMIP処理を行うことにより、3D画像あるいは3D差分画像を2次元平面に投影したMIP像を得る機能と、得られたMIP像を画像データベース50に書き込む機能を有する。
画像データベース50には、画像再構成手段46により生成された各指定時相におけるPI展開処理後の各3D画像、差分処理手段48により生成された各指定時相における3D差分画像およびMIP処理手段49により生成された各指定時相におけるMIP像がそれぞれ蓄積される。
画像表示手段38は、参照画像データベース44に保存された2D参照画像および2D差分参照画像並びに画像データベース50に保存された3D画像、3D差分画像およびMIP像を表示装置34に与えて表示させる機能を有する。
次に磁気共鳴イメージング装置20の作用について説明する。
図3は、図1に示す磁気共鳴イメージング装置20により被検体Pの断層画像を撮像する際の手順を示すフローチャートであり、図中Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。また、図4は図3に示すPI法の各処理により得られるデータを示す図である。
まずステップS10において、PIシーケンスに従って造影MRA法によるダイナミック撮影が行われて生データデータベース12に形成されたK空間に各時相における生データが3Dボリュームデータとして順次配置される。この際、3Dボリュームデータは時系列にソーティングされる。
すなわち予め寝台35には被検体Pがセットされるとともに、静磁場電源26から静磁場用磁石21に電流が供給されて撮像領域に静磁場が形成される。また、シムコイル電源28からシムコイル22に電流が供給されて撮像領域に形成された静磁場が均一化される。
次に、入力装置33からシーケンスコントローラ制御手段36にPIシーケンスの選択情報とともに動作指令が与えられる。このため、シーケンスコントローラ制御手段36はPIシーケンスをシーケンスコントローラ31に与える。シーケンスコントローラ31は、シーケンスコントローラ制御手段36から受けたPIシーケンスに従って傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30を駆動させることにより被検体Pがセットされた撮像領域にX軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy,Z軸傾斜磁場Gzを形成させるとともに、高周波信号を発生させる。
この際、傾斜磁場コイルにより形成されたX軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy,Z軸傾斜磁場Gzは主として、位相エンコード(PE)用傾斜磁場、読出し(RO)用傾斜磁場、スライスエンコード(SE)用傾斜磁場としてそれぞれ使用される。このため、被検体P内部における原子核のスピンの回転方向に規則性が現れ、SE用傾斜磁場によりZ軸方向に形成されたスライスにおける二次元的な位置情報であるX座標およびY座標は、PE用傾斜磁場およびRO用傾斜磁場によりそれぞれ被検体P内部における原子核のスピンの位相変化量および周波数変化量に変換される。
そして、送信器29からPIシーケンスに応じてRFコイル24の各チャンネルを経由して各表面コイル24aにそれぞれに高周波信号が与えられ、各表面コイル24aから被検体Pに高周波信号が送信される。さらに、被検体Pの内部において高周波信号の周波数に応じたスライスに含まれる原子核の核磁気共鳴により生じたNMR信号が、RFコイル24の各表面コイル24aにより受信されて受信器30に与えられる。
受信器30は、RFコイル24の各表面コイル24aからNMR信号を受けて、前置増幅、中間周波変換、位相検波、低周波増幅、フィルタリング等の各種信号処理を実行する。さらに受信器30は、NMR信号をA/D変換することにより、デジタルデータのNMR信号である生データを生成する。受信器30は、生成した生データをシーケンスコントローラ31に与える。
シーケンスコントローラ31は、受信器30から受けた生データをシーケンスコントローラ制御手段36に与え、シーケンスコントローラ制御手段36は生データデータベース37に形成されたK空間に生データを配置する。この結果、図4(a)に示すように経時的に変化する生データが3Dダイナミック収集され、被検体Pの各スライスにおける各時相の生データが3Dボリュームデータとして生データデータベース37に蓄積される。
尚、造影MRA法によるPIダイナミック撮影では、上述のようなMRA画像を生成するための本スキャンに先立って表面コイル24aの感度分布を測定して感度マップデータを得るための感度分布測定用スキャンがPIシーケンスにより実行される。そして、感度分布測定用スキャンの実行後にMRA画像の輝度を増強させるための造影剤が被検体Pに投与される。さらに、本スキャンは、例えば造影剤の輝度増強効果を測定するに十分な所定回数だけ実行される。
感度分布測定用スキャンはスキャン時間短縮のため、より高速なシーケンスを用いて空間分解能を低下させたマトリクスサイズで行われる。本スキャンには、造影MRA用の所望の3次元パルスシーケンスが用いられ、位相エンコードのステップ数を減らして(間引いて)設定される。
このため、PI撮影では、画像の再構成に必要な位相エンコードの数を減らすことができる。すなわち、表面コイル24aの個数が増加するにつれて時間分解能が向上するため、撮影時間を短くすることができる。例えば、表面コイル24aの個数がn個であれば時間分解能をn倍に向上させる一方、撮影時間を1/nに短縮することができる。
次にステップS11において、データ切出手段40が生データデータベース37のK空間に3Dボリュームデータとして配置された各時相の生データから任意のスライスにおける2Dデータを図4(b)に示すようにそれぞれ切り出して、切り出した各時相における2Dデータを順次中間画像再構成手段41に与える。すなわち、データ切出手段40は撮影の適否を判断するための確認用画像を生成するための2Dデータを3Dボリュームデータから切り出す。
ここで、データ切出手段40は、必要に応じて必要に応じて血管以外の静止部組織からのNMR信号により得られた生データの影響を抑制することが可能な2Dデータ、例えばK空間中心から少しずれた低周波成分のK空間中心を含まない2Dデータを切り出す。すなわち、例えば3Dボリュームデータのスラブ選択励起厚をαcmとしたとき、K空間中心からスライスエンコード方向に±1から±αまでの範囲内における2Dデータがデータ切出手段40により切り出される。
つまり、確認用画像を生成するための2DデータをK空間中心から少しずらすと、静止部からの信号が低下し、血管のような細かい構造物からの信号を強調することができる。このため、血管以外の静止部組織からの生データを抑制した2Dデータを確認用画像用に切り出すことができる。ただし、切り出す2DデータをK空間中心からずらし過ぎると太い血管からの信号も抑制してしまうため、適切なαが設定される。αの値は例えば過去のデータに基づいて所要の信号抑制量となるように予め経験的に設定することができる。
次にステップS12において、中間画像再構成手段41は、データ切出手段40から受けた各時相における2Dデータに対して順次2DFTを実行することにより被検体Pの2D中間画像を図4(c)に示すように再構成し、得られた各2D中間画像を参照画像生成手段42に与える。
次にステップS13において、参照画像生成手段42は、中間画像再構成手段41から受けた各時相における2D中間画像に対して、予め感度分布測定用スキャンにより測定された表面コイル24aの感度分布に基づいて順次PI展開処理を実行することにより図4(d)に示すように2D参照画像を生成する。
図5は、図3に示す2D中間画像のPI展開処理の手順を示す概念図である。
図5に示すように、PI展開処理に必要なマルチコイルの感度マップデータD10が予め感度分布測定用スキャンにより収集されて感度マップデータベース51に保存される。そして、2Dデータがデータ切出手段40により3DボリュームデータD11から切り出され、中間画像再構成手段41により2D−FTされて2D中間画像D12がPI展開処理前の実空間データとして得られる。
さらに、参照画像生成手段42は、感度マップデータベース51に保存された感度マップデータD10から例えば2D中間画像D12における2DFTスラブの中心位置D12mに相当する感度マップデータD10を展開処理用感度マップデータD13として切り出す。そして、参照画像生成手段42は、展開処理用感度マップデータD13を用いて2D中間画像D12にPI展開処理を実行し、2D参照画像D14が得られる。
参照画像生成手段42は、得られた各2D参照画像を順次参照画像データベース44に書き込む。また、参照画像生成手段42は、参照用に差分画像が必要な場合には、各2D参照画像を順次参照画像差分処理手段43に与える。
次にステップS14において、参照画像差分処理手段43が参照画像生成手段42から2D参照画像を受けた場合には、所定の時相、例えば造影剤注入前の時相における2D参照画像を2D親参照画像として2D親参照画像よりも時相が後となる造影剤注入後の時相における2D参照画像に対して複素差分処理や絶対値差分処理といった差分処理を実行することにより、図4(e)に示すように2D差分参照画像を生成する。さらに、参照画像差分処理手段43は、生成した2D差分参照画像を参照画像データベース44に書き込む。
この結果ステップS15において、参照画像データベース44に2D参照画像と2D差分参照画像とが順次保存される。そして、画像表示手段38が参照画像データベース44に保存された時系列の2D参照画像および2D差分参照画像を順次表示装置34に与えて表示させる。
図6は、図1に示す磁気共鳴イメージング装置により作成された参照画像の一例を示す図である。
図6に示すように各時相Tにおける2D参照画像が時系列に表示装置34に順次表示される。このため、オペレータは2D参照画像を確認することにより、造影MRA法によるダイナミック撮影の適否を判断することができる。
ここで、2D参照画像および2D差分参照画像の生成のためのデータ処理量は、従来行われるようなK空間の3Dボリュームデータを3DFTすることにより3D画像を生成し、さらにPI展開処理やMIP処理して3D画像やMIP像を表示させる場合におけるデータ処理量に比べて小さい。このため、3D画像やMIP像を表示させる場合に比べてより短時間で2D参照画像および2D差分参照画像を表示させることが可能となり、オペレータはより速くリアルタイムに撮影の適否を判断することができる。
さらに、オペレータはリアルタイムに造影剤の移動を観察することが可能となり、ダイナミック撮影の開始後にどの時相Tにおいて造影剤が診断領域に到達したかを確認することができる。
また、通常ダイナミック撮影の場合には非常に多くの時相撮影が行われ、保存すべきデータ量が膨大となるが、3D画像やMIP像を確認用の画像とした場合に比べて、2D参照画像や2D差分参照画像を確認用の画像とする場合のほうがデータ量が小さいため保存すべきデータ量を低減させることができる。このため、画像枚数の増加に伴う画像検索や画像転送の時間を短縮させることが可能となり、より短時間で被検体Pを診断できる。
さらに、造影剤注入前の時相における2D参照画像を2D親参照画像として差分処理で得られた造影剤注入後の時相における2D差分参照画像を表示装置34に順次表示させることにより、より精細な観察が可能となる。この場合、2D親参照画像までの時相における2D参照画像と2D差分参照画像とを併せて表示装置34に順次表示させれば、2D親参照画像前後の各時相においてリアルタイムに被検体Pを観察することができる。
また、オペレータは各時相における2D参照画像および2D差分参照画像から3D画像を再構成させる必要がある時相を指定することができる。
そこで、ステップS16において、オペレータは入力装置33から2D参照画像または2D差分参照画像の指定情報を時相指定手段45に与える。例えばオペレータは入力装置33から2D参照画像の指定情報を時相指定手段45に与え、表示装置34には図6に示すような枠による指定表示80が表示される。
このため、時相指定手段45は、入力装置33から2D参照画像または2D差分参照画像の指定情報を受けて、参照画像データベース44に保存された2D参照画像または2D差分参照画像を参照することにより、図4(f)または(g)の示すように指定された太線枠で示す2D参照画像または2D差分参照画像の時相を特定する。時相指定手段45は、特定した時相を指定時相として、図4(h)に示すように指定時相における3Dボリュームデータ(生データ)を生データデータベース37から抽出して画像再構成手段46に与える。
次にステップS17において、画像再構成手段46は、時相指定手段45から受けた各指定時相における3Dボリュームデータ(生データ)のうち、予め再構成させる範囲として指定されたマトリクスに対して順次3DFTを実行することにより被検体Pの3D画像を図4(i)に示すように再構成させる。さらに、画像再構成手段46は、再構成して得られた各3D画像をPI展開処理手段47に与える。
次にステップS18において、PI展開処理手段47は、画像再構成手段46から受けた各指定時相における3D画像に対して順次PI展開処理を実行することにより図4(j)に示すようなPI展開処理後の各3D画像を生成する。すなわち、感度マップデータベース51に保存されたマルチコイルの感度マップデータから3D画像の各スライス面に相当する感度マップデータが展開処理用感度マップデータとしてPI展開処理手段47により切り出される。そして、PI展開処理手段47は、切り出した展開処理用感度マップデータを用いてスライスごとに各3D画像のPI展開処理を実行して、PI展開処理後の3D画像を得る。
さらに、PI展開処理手段47は、PI展開処理後の各3D画像を順次差分処理手段48およびMIP処理手段49に与えるとともに画像データベース50に書き込む。
次にステップS19において、差分処理手段48は、PI展開処理手段47から受けたPI展開処理後の各3D画像のうち、2D親参照画像の時相における3D画像を3D親画像として3D親画像よりも時相が後の3D画像に対して差分処理を実行することにより、図4(k)に示すように3D差分画像を生成する。差分処理手段48は、得られた3D差分画像をMIP処理手段49に与えるとともに画像データベース50に書き込む。
次にステップS20において、MIP処理手段49は、PI展開処理手段47から受けたPI展開処理後の各3D画像および差分処理手段48から受けた3D差分画像に対して、それぞれMIP処理を行うことにより、図4(l)に示すような3D画像を2次元平面に投影したMIP像および図4(m)に示すような3D差分画像を2次元平面に投影したMIP像を生成する。そして、MIP処理手段49は、得られたMIP像を画像データベース50に書き込む。
この結果ステップS21において、画像データベース50には、画像再構成手段46により生成された各指定時相におけるPI展開処理後の各3D画像、差分処理手段48により生成された各指定時相における3D差分画像およびMIP処理手段49により生成された各指定時相におけるMIP像がそれぞれ蓄積される。そして、画像表示手段38は、画像データベース50に保存された3D画像、3D差分画像およびMIP像を表示装置34に与えて表示させる。
このため、PI収集信号処理システム39により3D画像、3D差分画像またはMIP像が必要な時相についてのみ3D画像、3D差分画像またはMIP像が生成されて表示装置34に表示される。すなわち、診断に必要な時相についてのみ3D画像、3D差分画像またはMIP像を生成することにより、全ての3Dボリュームデータを3DFTすることにより3D画像、3D差分画像またはMIP像を生成する場合に比べて、より短時間で表示装置34に表示させることができる。
この結果、オペレータは、より早く3D画像、3D差分画像またはMIP像を確認して被検体Pの診断を行うことができる。
以上のような磁気共鳴イメージング装置20によれば、上述のように3Dボリュームデータからデータ量がより小さい2Dデータを切り出して2DFTやPI展開処理等の処理により、2D参照画像または2D差分参照画像を確認用画像として生成するため、より短時間で撮影の適否を確認するための確認用画像を表示させるとともに保存すべき確認用画像のデータ量を低減させることができる。さらに、診断に必要な時相における3Dボリュームデータのみを3DFTおよびPI展開処理して3D画像、3D差分画像またはMIP像を生成するため、より短時間で被検体Pの診断を行うことができるのみならず、保存すべき3D画像等のデータ量を低減させることができる。
この結果、磁気共鳴イメージング装置20によるダイナミック撮影後の被検体Pの拘束時間が短縮され、スループットの向上にもつながる。
また、2D差分参照画像や3D差分画像等の差分画像を生成することにより、造影剤の時間的な移動をリアルタイムに把握することができる。
さらに、3Dボリュームデータから2D参照画像または2D差分参照画像を生成するための2Dデータを、K空間中心から少しずれた低周波成分のK空間中心を含まない2Dデータとすることにより、2D参照画像または2D差分参照画像を血管以外の静止部組織からの生データを抑制して生成することができる。
尚、従来の磁気共鳴イメージング装置1によりスライス枚数22枚のPI撮影を行って、3Dボリュームデータを3DFTおよびPI展開処理することにより3D画像を再構成した場合、再構成に要する時間が18秒であり、かつ再構成後のMIP処理に1秒要したが、磁気共鳴イメージング装置20では、1秒で診断用の3D画像を再構成できることが確認された。
また、従来の磁気共鳴イメージング装置1によりスライス枚数22枚で全30時相のダイナミック撮影を行う場合には、全30時相分の660枚もの3D画像を保存する必要があったが、磁気共鳴イメージング装置20では、2D参照画像が30枚、3時相を選択して3DFTして再構成された3D画像が66枚であり合計でも96枚の画像を保存すればよいことが確認された。
図7は、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第2の実施形態を示す機能ブロック図である。
図2に示された、磁気共鳴イメージング装置20Aでは、PI収集信号処理システム39Aに参照画像MIP処理手段49を設けた点およびPI収集信号処理システム39Aの各構成要素の詳細機能が図1に示す磁気共鳴イメージング装置20と相違する。他の構成および作用については図1に示す磁気共鳴イメージング装置20と実質的に異ならないため同一の構成については同符号を付して説明を省略する。
磁気共鳴イメージング装置AのPI収集信号処理システム39Aは、データ切出手段40、中間画像再構成手段41、参照画像生成手段42、参照画像差分処理手段43、参照画像データベース44、時相指定手段45、画像再構成手段46、PI展開処理手段47、差分処理手段48、MIP処理手段49、画像データベース50、感度マップデータベース51および参照画像MIP処理手段60を有する。
データ切出手段40は生データデータベース37のK空間に3Dボリュームデータとして配置された生データから部分データの一例として任意のスライスにおける複数の2Dデータをそれぞれ切り出す機能と、切り出した複数の2Dデータを中間画像再構成手段41に与える機能を有する。
中間画像再構成手段41は、データ切出手段40から受けた複数の2Dデータに対して再構成処理である3DFTを実行することにより被検体Pの3D中間画像を中間画像の一例として各コイル毎に再構成する機能と、得られた各3D中間画像を参照画像生成手段42に与える機能を有する。
参照画像生成手段42は、中間画像再構成手段41から受けた3D中間画像に対してPI展開処理を実行することにより3D参照画像を参照画像として生成する機能と、PI展開処理後の各3D中間画像である3D参照画像を参照画像差分処理手段43および参照画像MIP処理手段60に与えるとともに参照画像データベース44に書き込む機能を有する。この際、PI展開処理手段47は、感度マップデータベース51に保存された感度マップデータから各3D中間画像に対応する感度マップデータを展開処理用感度マップデータとして切り出してPI展開処理に用いるようにされる。3D中間画像に対応する展開処理用感度マップデータとしては、例えば3D中間画像の各3DFTスライス面に相当する感度マップデータを用いることができる。
参照画像差分処理手段43は、参照画像生成手段42から受けた3D参照画像のうち、所定の時相における3D参照画像を3D親参照画像として3D親参照画像よりも時相が後の3D参照画像に対して差分処理を実行することにより、3D差分参照画像を得る機能と、得られた3D差分参照画像を参照画像MIP処理手段60に与えるとともに参照画像データベース44に書き込む機能を有する。
参照画像MIP処理手段60は、参照画像生成手段42から受けた3D参照画像および参照画像差分処理手段43から受けた3D差分参照画像に対して、MIP処理を行うことによりMIP像をそれぞれ得る機能と、得られた各MIP像を参照画像データベース44に書き込む機能とを有する。
参照画像データベース44には、参照画像生成手段42により生成された3D参照画像、参照画像差分処理手段43により生成された3D差分参照画像および参照画像MIP処理手段60により生成されたMIP像が蓄積される。
時相指定手段45は、入力装置33から3D参照画像、3D差分参照画像またはMIP像の指定情報を受けて、参照画像データベース44に保存された3D参照画像、3D差分参照画像またはMIP像を参照することにより、指定された3D参照画像、3D差分参照画像またはMIP像の時相である指定時相における生データを生データデータベース37から抽出して画像再構成手段46に与える機能を有する。
ただし、入力装置33から時相指定情報を受けて、各指定時相における生データを生データデータベース37から抽出する機能を時相指定手段45に設けてもよい。
画像再構成手段46、PI展開処理手段47、差分処理手段48およびMIP処理手段49は図1に示すPI収集信号処理システム39の画像再構成手段46、PI展開処理手段47、差分処理手段48およびMIP処理手段49と同等な機能を有し、画像データベース50および感度マップデータベース51には、それぞれ図1に示すPI収集信号処理システム39の画像データベース50および感度マップデータベース51と同様な3D画像や感度マップデータ等の情報が保存される。
図8は、図7に示す磁気共鳴イメージング装置20AによりPI法による被検体Pの断層画像を撮像する際の手順を示すフローチャートであり、図中Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。また、図9は、図8に示すPI法の各処理により得られるデータを示す図である。
次に磁気共鳴イメージング装置20Aの作用について説明する。
まずステップS30において、PIシーケンスに従って造影MRA法によるダイナミック撮影が行われて生データデータベース12に形成されたK空間に各時相における生データが図9(a)に示すように3Dボリュームデータとして順次配置される。
次にステップS31において、データ切出手段40が生データデータベース37のK空間に3Dボリュームデータとして配置された各時相の生データから、再構成範囲として指定されたマトリクスよりも少ないマトリクスに含まれる2Dデータ、例えばK空間近傍の少数のマトリクスに含まれる2Dデータを図9(b)に示すようにそれぞれ切り出して、切り出した各時相における複数の2Dデータを順次中間画像再構成手段41に与える。
次にステップS32において、中間画像再構成手段41は、データ切出手段40から受けた各時相における複数の2Dデータに対して順次3DFTを実行することにより被検体Pの3D中間画像を図9(c)に示すように再構成し、得られた各2D中間画像を参照画像生成手段42に与える。
次にステップS33において、参照画像生成手段42は、中間画像再構成手段41から受けた各時相における3D中間画像に対して、順次PI展開処理を実行することにより図9(d−1)に示すように3D参照画像を生成する。この際、PI展開処理手段47は、感度マップデータベース51に保存された感度マップデータから例えば3D中間画像の各3DFTスライス面に相当する感度マップデータを展開処理用感度マップデータとして切り出してPI展開処理に用いる。
そして、参照画像生成手段42は、3D参照画像を順次参照画像データベース44に書き込むとともに、差分画像やMIP像が必要な場合には順次参照画像差分処理手段43および参照画像MIP処理手段60に与える。
次にステップS34において、参照画像差分処理手段43が参照画像生成手段42から3D参照画像を受けた場合には、所定の時相、例えば造影剤注入前の時相における3D参照画像を3D親参照画像として3D親参照画像よりも時相が後となる造影剤注入後の時相における3D参照画像に対して差分処理を実行することにより、図9(e−1)に示すように3D差分参照画像を生成する。さらに、参照画像差分処理手段43は、生成した3D差分参照画像を参照画像データベース44に書き込むとともに、MIP像が必要な場合には順次参照画像MIP処理手段60に与える。
次にステップS35において、参照画像MIP処理手段60が参照画像生成手段42からPI展開処理後の各3D参照画像または参照画像差分処理手段43から3D差分参照画像を受けた場合には、MIP処理を順次行なうことにより図9(d−2)に示すような3D参照画像のMIP像または図9(e−2)に示すような3D差分参照画像のMIP像をそれぞれ得て参照画像データベース44に書き込む。
この結果ステップS36において、参照画像データベース44に3D参照画像、3D差分参照画像またはMIP像が順次保存され、画像表示手段38が時系列の各3D参照画像、3D差分参照画像またはMIP像を順次表示装置34に与えて表示させる。
このため、オペレータはリアルタイムに各3D参照画像、3D差分参照画像またはMIP像を確認することにより、造影MRA法によるダイナミック撮影の適否の判断や造影剤の移動の観察を行なうことができる。
また、オペレータは各時相における各3D参照画像、3D差分参照画像またはMIP像から3D画像を再構成させる必要がある時相を指定することができる。
そこで、ステップS37において、オペレータは入力装置33から各3D参照画像、3D差分参照画像またはMIP像の指定情報を時相指定手段45に与え、時相指定手段45は参照画像データベース44を参照することにより、例えば図9(f)または(g)に示すように指定された太線枠で示す3D参照画像のMIP像または3D差分参照画像のMIP像における時相を特定する。時相指定手段45は、特定した時相を指定時相として、図9(h)に示すように指定時相における3Dボリュームデータ(生データ)を生データデータベース37から抽出して画像再構成手段46に与える。
さらに、ステップS38からステップS42において、図3のステップS17からステップS21と同様に、画像再構成手段46、PI展開処理手段47、差分処理手段48、MIP処理手段49により図9(i)に示す3D画像、図9(j)に示すPI展開処理後の各3D画像、図9(k)に示す3D差分画像、図9(l)に示す3D画像のMIP像および図9(m)に示す3D差分画像のMIP像がそれぞれ診断に必要な時相のみについて生成されて、画像データベース50に蓄積される。
そして、画像表示手段38により、画像データベース50に保存された3D画像、3D差分画像およびMIP像が表示装置34に与えられて表示され、オペレータは、より早く3D画像、3D差分画像またはMIP像を確認して被検体Pの診断を行うことができる。
以上のような磁気共鳴イメージング装置20Aによれば、図1に示す磁気共鳴イメージング装置20と同様な効果に加え、2D参照画像や2D差分参照画像では、撮影の適否を判断することが困難な場合や造影剤の移動を観察することが困難な場合であっても、3D参照画像、3D参照差分画像あるいはMIP画像により、撮影の適否を判断し、あるいは造影剤の移動を観察することができる。
図10は、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第3の実施形態を示す機能ブロック図である。
図10に示された、磁気共鳴イメージング装置20Bでは、PI収集信号処理システム39Bに感度マップ平均化手段70を設けた点が図1に示す磁気共鳴イメージング装置20と相違する。他の構成および作用については図1に示す磁気共鳴イメージング装置20と実質的に異ならないため同一の構成については同符号を付して感度マップ平均化手段70の機能および作用についてのみ説明する。
感度マップ平均化手段70は、感度マップデータベース51から中間画像に対応する範囲の複数の感度マップデータを切り出して平均化処理をスライス方向に実行することにより展開処理用感度マップデータを生成する機能と、生成した展開処理用感度マップデータを参照画像生成手段42に与える機能とを有する。2D中間画像に対応する範囲の感度マップデータとしては、例えば2D中間画像における2DFTスラブに含まれるすべての感度マップデータや2DFTスラブの中心位置からスライス方向に所要の範囲を設定し、設定した範囲に含まれる感度マップデータを用いることができる。
このため、参照画像生成手段42は、2D中間画像のPI展開処理の際、感度マップ平均化手段により生成された平均化処理後の感度マップデータである展開処理用感度マップデータを用いるようにされる。
次に磁気共鳴イメージング装置20Bの作用について説明する。
図11は、図10に示す磁気共鳴イメージング装置20Bによる2D中間画像のPI展開処理の手順を示す概念図である。尚、図11において、図5と同様なデータについては同符号を付してある。
磁気共鳴イメージング装置20Bでは、感度マップ平均化手段70が、感度マップデータベース51に保存された感度マップデータD10のうち例えば2D中間画像D12における2DFTスラブに含まれるすべての感度マップデータD20を切り出す。次に、感度マップ平均化手段70は切り出した感度マップデータD20の平均化処理をスライス方向に実行する。この結果、平均化処理後の感度マップデータD21が展開処理用感度マップデータとして得られ、感度マップ平均化手段70は得られた平均化処理後の感度マップデータD21である展開処理用感度マップデータを参照画像生成手段42に与える。
このため、参照画像生成手段42による2D中間画像のPI展開処理には、平均化処理後の感度マップデータD21である展開処理用感度マップデータが用いられる。
以上のような磁気共鳴イメージング装置20Bによれば、図1に示す磁気共鳴イメージング装置20と同様な効果に加え、スラブが非常に厚い(例えば10cm程度)であってもPI展開処理の精度を維持することができる。すなわち、スラブが厚い程スラブの上部と下部とでマルチコイルの感度マップデータの相違がより大きくなり、スラブの中心位置における感度マップデータを用いてPI展開処理を実行すると誤差が増加して精度が不十分となる。
しかし、磁気共鳴イメージング装置20Bでは、スラブ全体の感度マップデータを平均化処理するため、参照画像の精度低下を抑制させることができる。
以上のような各実施形態における磁気共鳴イメージング装置20、20A、20Bを組合せて構成してもよい。すなわち、例えば一部の時相について2D参照画像を生成する一方、他の時相について3D参照画像を生成する構成や2D参照画像と3D参照画像の双方を生成する構成としてもよい。あるいは、磁気共鳴イメージング装置20Aに感度マップ平均化手段70を設け、3DFT後における3D中間画像の各スライスに含まれる感度マップデータについてそれぞれ平均化処理をスライス方向に実行するようにしてもよい。
また、磁気共鳴イメージング装置20、20A、20Bの一部の構成要素を省略してもよい。
さらに、ダイナミック撮影に限らず、単一の時相に対する通常のPI撮影に磁気共鳴イメージング装置20、20A、20Bを用いることもできる。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第1の実施形態を示す機能ブロック図。 図1に示すRFコイルとして用いられるマルチコイルの構成図。 図1に示す磁気共鳴イメージング装置によりPI法による被検体Pの断層画像を撮像する際の手順を示すフローチャート。 図3に示すPI法の各処理により得られるデータを示す図。 図3に示す2D中間画像のPI展開処理の手順を示す概念図。 図1に示す磁気共鳴イメージング装置により作成された参照画像の一例を示す図。 本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第2の実施形態を示す機能ブロック図。 図7に示す磁気共鳴イメージング装置によりPI法による被検体Pの断層画像を撮像する際の手順を示すフローチャート。 図8に示すPI法の各処理により得られるデータを示す図。 本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第3の実施形態を示す機能ブロック図。 図10に示す磁気共鳴イメージング装置による2D中間画像のPI展開処理の手順を示す概念図。 従来の磁気共鳴イメージング装置の機能ブロック図。 従来のPI法による画像処理の手順を示すフローチャート。 図13に示すPI法の各処理により得られるデータを示す図。 図13に示すPI展開処理の手順を示す概念図。
符号の説明
20 磁気共鳴イメージング装置
21 静磁場用磁石
22 シムコイル
23 傾斜磁場コイルユニット
23x X軸傾斜磁場コイル
23y Y軸傾斜磁場コイル
23z Z軸傾斜磁場コイル
24 RFコイル
24a 表面コイル
25 制御系
26 静磁場電源
27 傾斜磁場電源
27x X軸傾斜磁場電源
27y Y軸傾斜磁場電源
27z Z軸傾斜磁場電源
28 シムコイル電源
29 送信器
30 受信器
31 シーケンスコントローラ
32 コンピュータ
33 入力装置
34 表示装置
35 寝台
36 シーケンスコントローラ制御手段
37 生データデータベース
38 画像表示手段
39 PI収集信号処理システム
40 データ切出手段
41 中間画像再構成手段
42 参照画像生成手段
43 参照画像差分処理手段
44 参照画像データベース
45 時相指定手段
46 画像再構成手段
47 PI展開処理手段
48 差分処理手段
49 MIP処理手段
50 画像データベース
51 感度マップデータベース
60 参照画像MIP処理手段
70 感度マップ平均化手段

Claims (11)

  1. パラレルイメージング展開処理に必要な複数コイルからなるマルチコイルの感度マップデータを保存する感度マップデータベースと、パラレルイメージング撮影により各コイル毎に収集された3次元ボリュームデータからそれぞれ部分データを切り出すデータ切出手段と、前記部分データに対して再構成処理を実行することにより各コイル毎に中間画像を再構成する中間画像再構成手段と、前記中間画像に対応する当該中間画像より薄い感度マップデータを展開処理用感度マップデータとして前記感度マップデータベースから切り出して、前記展開処理用感度マップデータを用いて前記中間画像に対してパラレルイメージング展開処理を実行し、参照画像を生成する参照画像生成手段とを有することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記部分データを2次元データとするとともに前記参照画像を2次元参照画像としたことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記部分データをK空間中心を含まない2次元データとするとともに前記参照画像を2次元参照画像としたことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記部分データを複数の2次元データとするとともに前記参照画像を3次元参照画像としたことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記参照画像のうち所定の時相における参照画像を親参照画像としてこの親参照画像よりも時相が後の参照画像に対して差分処理を実行することにより差分参照画像を得る参照画像差分処理手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 前記部分データを複数の2次元データとするとともに前記参照画像を3次元参照画像とし、さらに前記3次元参照画像に対して、MIP処理を行ってMIP像をそれぞれ得る参照画像MIP処理手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  7. 指定時相における3次元ボリュームデータを抽出する時相指定手段と、前記時相指定手段から受けた指定時相における3次元ボリュームデータに対して3次元再構成処理を実行することにより3次元画像を再構成させる画像再構成手段と、前記画像再構成手段から受けた指定時相における3次元画像に対してパラレルイメージング展開処理を実行するパラレルイメージング展開処理手段とを設けたことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  8. 指定時相における3次元ボリュームデータを抽出する時相指定手段と、前記時相指定手段から受けた指定時相における3次元ボリュームデータに対して3次元再構成処理を実行することにより3次元画像を再構成させる画像再構成手段と、前記画像再構成手段から受けた指定時相における3次元画像に対してパラレルイメージング展開処理を実行するパラレルイメージング展開処理手段と、パラレルイメージング展開処理後の前記3次元画像のうち所定の時相における3次元画像を3次元親画像として3次元親画像よりも時相が後の3次元画像に対して差分処理を実行することにより3次元差分画像を得る差分処理手段とを設けたことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  9. 指定時相における3次元ボリュームデータを抽出する時相指定手段と、前記時相指定手段から受けた指定時相における3次元ボリュームデータに対して3次元再構成処理を実行することにより3次元画像を再構成させる画像再構成手段と、前記画像再構成手段から受けた指定時相における3次元画像に対してパラレルイメージング展開処理を実行するパラレルイメージング展開処理手段と、パラレルイメージング展開処理後の前記3次元画像に対してMIP処理を行ってMIP像を得るMIP処理手段とを設けたことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  10. 前記感度マップデータベースから前記中間画像に対応する範囲の複数の感度マップデータを切り出して平均化処理をスライス方向に実行することにより展開処理用感度マップデータを生成する感度マップ平均化手段を設け、前記参照画像生成手段は、前記感度マップ平均化手段により生成された展開処理用感度マップデータを用いてパラレルイメージング展開処理を実行するようにしたことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  11. パラレルイメージング撮影により複数コイルからなるマルチコイルの各コイル毎に収集された3次元ボリュームデータからそれぞれ部分データを切り出すステップと、前記部分データに対して再構成処理を実行することにより各コイル毎に中間画像を再構成するステップと、パラレルイメージング展開処理に必要な前記マルチコイルの感度マップデータから前記中間画像に対応する当該中間画像より薄い感度マップデータを展開処理用感度マップデータとして切り出すステップと、前記展開処理用感度マップデータを用いて前記中間画像に対してパラレルイメージング展開処理を実行することにより参照画像を生成するステップとを有することを特徴とする磁気共鳴イメージング収集データの処理方法。
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