JP4434727B2 - 改良カソードを有するアルカリ電池 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、二酸化マンガンと炭素繊維、特に黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維とを含む、改良されたカソード混合物に関する。
アルカリ電気化学電池は従来から、筒状のケーシングで形成されている。このケーシングは最初、一方の端部が広く開口し、他方の端部が閉じている。次に電池内容物を入れた後、絶縁プラグを有する端部蓋を、開口端部にはめる。そして、絶縁プラグの縁にケーシングの縁をかぶせて折りこみ、さらに絶縁プラグを取り囲んだケーシングを径方向に圧して緊密に封ずることによって、この電池を閉じる。電池のケーシングにおける閉じた端部のところがプラス端子となる。
一次アルカリ電気化学電池は、典型的には、亜鉛のアノード活物質と、アルカリ電解液と、二酸化マンガンのカソード活物質と、電解液が透過可能で典型的にはセルロースやセルロース系のポリビニルアルコール繊維でできたセパレーターフィルムとを含む。このアノード活物質はたとえば、カルボキシルメチルセルロースナトリウムやアクリル酸共重合体ナトリウム塩のような従来からのゲル化剤と、電解液とを混合させた亜鉛粒子を含むことができる。このゲル化剤の働きは、亜鉛粒子を懸濁させ、さらに亜鉛粒子どうしの接触を維持することである。そして典型的には、アノード活物質に挿入された導電金属爪がアノードの集電体として働き、この集電体はマイナス端子の端部蓋と電気的に接続している。また電解液としては、たとえば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムのようなアルカリ金属水酸化物の水溶液が可能である。さらにカソードは、典型的には、粒子状二酸化マンガンを電気化学的活物質として含み、この活物質に、導電添加物、典型的には黒鉛材料と混ぜ合わせて、導電性を高めている。また任意選択的に、ポリマー系のバインダーや他の添加物、たとえばチタニウムを含有する化合物をこのカソードに添加できる。
二酸化マンガンは、典型的には、比較的低い導電性を示すため、個々の二酸化マンガン粒子どうしの導電性を高めるには、導電添加物が必要となる。この導電添加物はさらに、二酸化マンガンと、カソード集電体としても働く電池のハウジングとの間の導電性を高めるものでもある。適切な導電添加物として、アセチレンブラックを含むカーボンブラック、鱗片状結晶天然黒鉛、膨張黒鉛、層剥離黒鉛を含む鱗片状結晶合成黒鉛などの導電炭素粉末が含まれ得る。
一次アルカリ電池は、高い放電容量(すなわち長い耐用寿命)を有することが望ましい。市販の電池寸法は規定されており大きくすることはできないので、より多くの電極活物質を電池に詰めることで、電池の使用可能寿命を長くできることが知られている。しかしこの方法は、たとえば電極活物質を電池内に密に詰めすぎると、電池放電中の電気化学反応速度が低下し、ひいては耐用寿命が短くなるおそれがあることなど、適用上の制約がある。ほかにも電池の分極のような逆効果もあわせて起きる恐れがある。この分極は、電解液および電極の両方の内部でのイオンの移動を制限し、ひいては電池性能や耐用寿命を低下させるものである。また典型的には、ポリマー系バインダーや導電添加物のような電気化学的活物質でないものの量を減らすことによっても、カソードに含まれる活物質の量を増やすことができる。しかし、カソード中のバルクとしての導電性を確実に適切レベルにするだけの十分な量の導電添加物は維持しなければならない。つまり、適切レベルの導電性を提供するだけの量の導電添加物は必要であり、カソード活物質の総量は、この導電添加物の必要量によって実際的に制約を受けている。
またアルカリ電池においては、ハイレート放電時の性能を強化することがきわめて望ましい。そこで典型的には、カソードの全体(バルク)導電性を高めるために、カソード内の導電添加物の割合を増やす。いっぽうでカソード内の導電添加物の割合は、導電粒子の適切なネットワークが形成できるようなものにしなければならない。典型的には、導電添加物が導電炭素である場合、混合物総量の約3から15重量パーセント、望ましくは4から10重量パーセントとなる。しかもこの導電炭素の量を増やすと、それに伴いカソード活物質の量は減らさざるをえなくなり、結果的に耐用寿命が短くなる。アセチレンブラックのような従来の粉末状の導電炭素は、ある程度の重量のものであれば容積は大きいのに、その導電性は後述する三次元結晶構造を有する鱗片状の結晶性天然もしくは合成黒鉛より低い。つまり、カーボンブラックの導電性は低く、そのためにカソード電極の炭素の含有量を増やさければならなくなり、すると電気化学的活物質のほうを減らさざるをえず、結局は電気化学電池の耐用寿命が短くなる。
そこで炭素材料の導電性を高めるために、黒鉛化として知られる熱処理を行ない、炭素を黒鉛材料や黒鉛製品に転化する。このような黒鉛製品の特徴は、黒鉛独特の三次元結晶構造にある。この結晶構造では、個々の単位格子が「a」方向および「c」方向で繰り返し可能となっている。黒鉛結晶構造の単位格子は、一般に六角(六辺)形状が三次元的に積み重なったものとなっている。このような六方晶形格子の基となっている六角形平面の各辺はみな同じサイズの「a」を有して、それぞれの辺どうしが120度の角度で開いている。そしてこの六角形平面が、結晶構造における「a」方向を定める。また単位格子の厚さはその高さによって定まるものであり、この単位格子の高さは、「a」方向に配された前記六角形平面に垂直な「c」軸によって定まる。同じ標準命名法を使ってこのような六方晶形単位格子について言及したものが、たとえば、F. DanielsとR. Alberty著「Physical Chemistry」John Wiley &Sons社第2版(1961年)622から623ページに見られる。単位格子は、これらが突然その方向を変えるまでは、「a」方向および「c」方向に、繰り返し可能となっている。単位格子が方向を変えることによって、結晶構造における「a」方向および「c」方向での境界が定まる。そして、黒鉛の種類が異なれば、「a」方向および「c」方向での単位格子の繰り返し可能な個数も異なる(ただしそれぞれの黒鉛において、繰り返し可能な単位格子どうしいずれも同じサイズである)。ある黒鉛を特定したとき、その結晶構造のサイズ(結晶子サイズ)は、「a」方向における繰り返し単位格子の総個数分におよぶ「a」方向における結晶構造の長さLaと、「c」方向における繰り返し単位格子の総個数分におよぶ「c」方向における結晶構造の長さLcとから定めることができる。さらに「a」方向における単位格子の個数は、長さLaを、「a」方向における単位格子の大きさで割って求めることができる。いっぽう「c」方向における単位格子の個数は、長さLcを、「c」方向における単位格子の大きさで割って求めることができる。
多くの黒鉛製品、たとえば天然黒鉛では、結晶子サイズを成す長さLaおよびLcは、X線回折測定によれば、典型的には、1000から3000オングストロームの範囲にある。いっぽう膨張黒鉛、典型的な層剥離黒鉛においては、Laのほうは長いままで約500から1000オングストロームの範囲、Lcのほうは、「c」方向で化学剥離が起きるために短くなって典型的には300から1000オングストローム、より典型的には400から600オングストロームになりうる。こうして、結晶単位格子の「a」および「c」方向における黒鉛の異方性のために、通常はLaのほうがLcよりも、黒鉛の伝熱性および導電性に寄与する度合いが高くなる。アルカリ電池のカソードでは、良好な導電性を提供するために、100オングストロームより大きい、より典型的には100から300オングストロームのLaを有する天然黒鉛もしくは合成黒鉛を使用することが望ましい。しかしアセチレンブラックのような従来の粉末状導電炭素のLaは短く、典型的には100オングストロームより短い。したがってこのような従来の炭素材料では、導電性が低くなる。
黒鉛化すると、その炭素においてLaおよびLcの成す結晶単位格子のサイズは大きくなる。そして物性、たとえば導電性は顕著に向上する。炭素材料のなかには、その分子構造によって、完全には黒鉛に転化できない、もしくは部分的にしか黒鉛に転化できないものもある。このような炭素材料を難黒鉛化炭素あるいはハードカーボンとして分類し、いっぽう容易に黒鉛化できる炭素を易黒鉛化炭素として分類する。黒鉛化炭素は通常、黒鉛化されていないハードカーボンより導電性が高い。
(黒鉛化されていない)炭素繊維は、炭素材料を繊維形態もしくは細いストランド形態にした合成炭素材料である。この炭素繊維は、そのプリカーサや製造中に用いられる処理に基づき、1)レーヨン系炭素繊維、2)ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile; PAN)系炭素繊維、3)ピッチ系炭素繊維(pitch-based carbon fibers; PCF)そして4)触媒効果による気相成長炭素繊維(catalyzed vapor growth carbon fibers; VCGF)の4種類に分類できる。そしてピッチ系炭素繊維(PCF)はさらに、等方性ピッチ系炭素繊維とメソフェーズピッチ系炭素繊維(mesophase pitch-based carbon fiber; MPCF)とに、分類できる。炭素繊維の多くは、易黒鉛化炭素ではない。しかしメソフェーズピッチ系炭素繊維(MPCF)と気相成長炭素繊維(VCGF)とは、易黒鉛化炭素である。そして黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維(graphitized mesophase pitch-based carbon fiber; GMPCF)は、一般的にその導電性が、MPCFや、等方性ピッチ系炭素繊維や例えばレーヨン系炭素繊維やポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維といった他の炭素繊維のような難黒鉛化炭素に比べ、非常に高くなる。炭素繊維の径の範囲は、たとえば気相成長炭素繊維の場合の約1ミクロン(1×10−6メートル)より小さい値から約5から10ミクロン(5から10×10−6メートル)まで、あるいはメソフェーズピッチ系炭素繊維の場合の100ミクロン(100×10−6メートル)に至ることさえある。そしてメソフェーズピッチ系炭素繊維(MPCF)および黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維(GMPCF)は、典型的には約5から10ミクロンの径、より典型的には約5から7ミクロンの径を有する。また従来のメソフェーズピッチ系炭素繊維および黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維は、約0.2から5.0m2/g、より典型的には0.5から3m2/gのBET比表面積を有する。
膨張黒鉛を含む天然および合成黒鉛材料は、典型的には鱗片状結晶の形状をとる。そしてこれらの平均粒径は約2から50ミクロンの範囲をとり得る。約12から15ミクロンの平均粒径を有する適切な鱗片状天然結晶黒鉛が、「MP-0702X」や「NdG-15」の商標名のもとNational de Grafite社から市場入手可能となっている。適切な膨張黒鉛の平均粒径は, 典型的には0.5から40ミクロンの範囲である。上述したとおり膨張黒鉛としては、黒鉛結晶の格子が一軸方向のみに膨張されたものであれば、天然黒鉛でも合成黒鉛でも可能である。一軸方向のみの膨張によって、膨張黒鉛粒子の結晶子サイズはc軸方向では小さくなるが、a軸方向の結晶寸法は大きいまま維持される。こうして膨張黒鉛は、結晶子サイズとしては、より高いアスペクト比(すなわち、径/厚さの比)を示すことができる。そして黒鉛の粒子群内では、c軸方向の膨張によって体積が増加し、その結果、見かけ体積と粒径とが増加する。粒径が大きくアスペクト比が高い膨張黒鉛では、黒鉛どうしのみならず二酸化マンガン粒子とも接触するポイントの数および/または接触する面積が、膨張黒鉛ではない鱗片状天然または合成黒鉛に比べ、増加することが示唆される。ひいては、これら膨張黒鉛と二酸化マンガンとの混合物からカソードを形成すれば、導電性が強化できることになる。適切な膨張黒鉛が、たとえば「DCN-2」の商標名のもと中越黒鉛工業所から、「BNB90」の商標名のもとTimcal社から、「ABG-40」の商標名のもとSuperior Graphite社から市場入手可能となっている。膨張黒鉛を含むカソードは通常、小さい粒子の鱗片状天然黒鉛の場合よりも、すぐれた導電性を有する。
膨張黒鉛を導電添加物として従来のアルカリ一次電池のカソードに使用することは周知であり、たとえば米国特許5,482,798号に開示されている。この米国特許5,482、798号には、0.5から15ミクロン、好適には2から6ミクロンの範囲の平均粒径を有する適切な膨張黒鉛が開示されている。膨張黒鉛の平均粒径が従来の天然結晶黒鉛や合成結晶黒鉛の平均粒径(たとえば15から30ミクロン)に比べ小さいことによって、典型的には黒鉛の体積分率が低いところで、導電ネットワークを容易に形成できるようになっているという仮定がなされた。さらに膨張黒鉛の平均粒径が約30ミクロンより大きいと、それと匹敵する粒径を有する膨張黒鉛ではない従来の天然黒鉛と比べて、アルカリ電池の性能において何ら優位性を示さないことが、開示されている。また米国特許5,482,798号は、膨張黒鉛の適切な量はカソード総量に対して約2から8重量パーセント、より好適には約3から6重量パーセントであることが開示されている。さらに、膨張黒鉛の含有量が約10重量パーセントより多いと、同量の膨張黒鉛ではない天然黒鉛と比べて、アルカリ電池の性能においていかなる優位性も生じないことが示されている。
アルカリ電池のカソードに適切レベルの導電性を提供するための、二酸化マンガンと黒鉛の混合物の製造方法が種々知られている。典型的には、黒鉛は二酸化マンガンと、従来からの種々の配合機、混合機あるいは混練機のいずれを用いても、乾式または湿式で混合可能である。たとえば米国特許5,482,798号の開示によれば、V型ブレンダーやロータリータンブルミキサーを使って、黒鉛と二酸化マンガンとを乾式混合している。この米国特許5,482,798号の開示による次の工程では、形成された混合物を湿式で、好ましくは水中で、ボールミルやビーズミルのような横型媒体ミルを用いて、二酸化マンガンの平均粒径が10ミクロンより小さくなるまで、粉砕する。
アルカリ電池での使用に適した二酸化マンガンとしては、化学的に製造された二酸化マンガンで「化学的二酸化マンガン」として知られ本技術分野では「CMD」(chemical manganese dioxide)として広く言及されるもの、そして電気化学的に製造された二酸化マンガンで「電解二酸化マンガン」として知られ「EMD」(electrolytic manganese dioxide)として広く言及されるものいずれも、含まれる。CMDは、たとえば米国特許2,956,860号のなかでWelshらによって説明された方法によって、経済的かつ高純度に製造できる。そしてEMDは、硫酸マンガンを硫酸溶液に溶解させた浴の直接電解によって商業的に製造できる。また電着法で製造された二酸化マンガンは、典型的には高純度で高密度である。EMDの製造方法およびその代表的な特性について、Karl V. Kordesch編、ニューヨークのMarcel Dekker社の「Batteries」第1巻(1974年)の433から488ページに説明されている。EMDは、アルカリ電池で使用するのに好適な種類の二酸化マンガンである。電着法を用いたことにより、典型的には、EMDに電解浴の硫酸から生じた高レベルの表面酸度が残ってしまう。このような残留表面の酸度は、たとえば塩基性水溶液で処理することによって中和できる。適切な水性の塩基類としては、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム(すなわちアンモニア水)、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、およびこれらのうちのいずれかの混合物が含まれる。典型的には市販のEMDは、効果的であり且つ経済的であるという理由から水酸化ナトリウムのような強塩基で中和される。
このようにカソードの導電性を向上させるためにかなりの努力がはらわれてきたものの、上記に引用された従来技術から証明されるように、アルカリ電気化学電池の放電性能や耐用寿命を実質的に向上させるためには、適用する導電炭素および/または黒鉛のさらなる改良が必要である。
本発明の主要な目的は、二酸化マンガンと、処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維(graphitized mesophase pitch-based carbon fibers; GMPCF)を含む黒鉛材料とを含む、改良されたカソードを製造して、カソードの導電性および放電性能を向上させることである。
あるひとつの態様での本発明の目指すところは、使用可能寿命が長いということに加え、たとえば約0.5から1ワットあるいは0.5から2アンペアのようなハイレート放電時に放電性能の強化もなされた、アルカリ一次電池を製造することにある。
本発明の提供する導電カソードは、二酸化マンガンを主体として、これに少量の導電性の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維(GMPCF)を混合させたものから成る。この黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維が、MnO2と混合する前に、化学的に処理されて処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維(処理済GMPCF)になっていると好ましい。さらに黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維が、MnO2と混合する前に、高温において水酸化カリウム(KOH)と共に処理されるとより好ましい。この処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維を、粒状二酸化マンガンとの混合に用いてカソード混合物を形成することによって、任意量の炭素に対してカソード混合物の導電性を高めるものとなる。処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維はさらにまた、粒状の二酸化マンガンのバインダーとしても機能する。このような処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維は、未処理の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維に比べ、より大きいBET比表面積を有し、またより軟質であるためカソード製造での圧縮処理中の戻りが少なくなる。これらの要素が組み合わさったことによってMnO2と処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維とを含むカソードの導電性を高めたことが、理論づけられる。つまり、このようなカソードは、圧縮が容易である。そして、より軟質な炭素繊維と、この繊維のより大きいBET比表面積とによって、繊維どうしおよび繊維とMnO2粒子とがより良好に緊密接触でき、ひいては導電性を高めることになったと考えられるということである。
本発明において、処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維(処理済GMPCF)におけるBET比表面積は、約10から60m2/g、好ましくは約10から50m2/gである。
さらに処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維におけるBET比表面積は、望ましくは約30から60m2/g、より有利には約30から50m2/gである。またこの処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維の長さは典型的には約20から200ミクロンで、平均長さは約40から150ミクロン、そして平均径は約1から10ミクロンで典型的には約4から7ミクロンである。さらにまた処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維(処理済GMPCF)の「c」方向における結晶子サイズLcは、約50から300オングストローム、たとえば約50から250オングストローム、より典型的には「c」方向において結晶子サイズLc(結晶厚さ)は約100から200オングストロームであり、「a」方向における結晶子サイズLaは、約100から300オングストローム、典型的には結晶子サイズLaは約200オングストロームである(本発明において、処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維の「c」方向における結晶子サイズLcは、未処理のメソフェーズピッチ系炭素繊維の結晶子サイズLcより短くなるように定められている)。
アルカリ電池カソード中の黒鉛材料のMnO2に対する重量比は、カソード中のMnO2の重量パーセントとは無関係であり、約0.05(1:20)から0.085(1:12)である。そして代表的なアルカリ電池カソードの黒鉛材料の全量は、カソードの約4から10重量パーセントである。本発明の一態様によれば、本発明における処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維全部が黒鉛材料の総量を構成することも、天然黒鉛と膨張黒鉛とを含む黒鉛と処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維との混合物全部が、黒鉛材料の総量を構成することもできる。あるいはまた、処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維が、黒鉛材料の一部分、たとえばカソード内の黒鉛総量に対して約1から100重量パーセント、望ましくは約5から50重量パーセントを成すこともできる。このような場合、黒鉛のうち処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維以外は、他の黒鉛、たとえば天然黒鉛や膨張黒鉛あるいはこれらの混合物から構成できる。
処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維はまた、MnO2と、処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維と、KOH水溶液とを含むカソード混合物を、圧縮しやすくする特性も有している。このカソード混合物は、MnO2と、処理済および未処理の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維とを、水酸化カリウム(KOH)水溶液と共に、混合することによって湿式で製造できる。次いでこうしてできた湿潤混合物を圧縮してから電池のケーシングに挿入することも、あるいは湿潤混合物を電池に挿入してから電池に入れたまま圧縮することもできる。こうして得られた黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維を含むカソード混合物によって、導電性が向上しそしてMnO2(EMD)の嵩密度が高くなり、結局、電池内の二酸化マンガン(EMD)の装入量を増加できるようになる。
あるいはまた、MnO2と、処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維とを、乾燥状態で混合し、こうしてできた乾燥混合物を電池内に圧縮することができる。次いで水酸化カリウム水溶液を、電池内の圧縮された乾燥混合物に添加できる。KOH水溶液は、乾燥混合物に容易に吸収されて、カソードを形成する。この結果、カソードは導電性が増加し嵩密度も高くなり、ひいてはカソード内の二酸化マンガンの装入量を増加できるようになる。さらにまたMnO2と、処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維との圧縮された乾燥混合物は、水酸化カリウム水溶液を急速且つ多量に吸収できる。これは、処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維の多孔構造によるものである。この結果、カソードにおいて電解液吸収が増加でき、その結果、ハイレート放電時の高性能が得られる。
用語の定義
本明細書で用いられる用語「黒鉛」や「黒鉛材料」は、天然および合成黒鉛と、膨張黒鉛と、黒鉛化炭素と、そして黒鉛化炭素繊維とを含むものとする。用語「黒鉛化炭素繊維」は、Journal Carbon20巻445ページに発表された、International Committee for Characterization and Terminology of Carbon(ICCTC、1982)によって定義されたように、基本的な黒鉛結晶性構造を有する炭素繊維を意味するものとする。このような黒鉛化炭素繊維を得るための炭素繊維の黒鉛化処理では、通常、炭素や炭素繊維を非常に高温、典型的には約2500℃から3000℃で加熱し、International Committee for Characterization and Terminology of Carbon(ICCTC、1982)において言及されているような、黒鉛の基本的構造としての、六角形に配向された炭素原子の層が互いに平行に並んだ三次元結晶性構造という特徴がもたらされる。黒鉛化炭素繊維におけるBET比表面積や結晶子サイズ(La、Lc)は本明細書で述べた方法を行うことにより多様な値をとり得るものの、これらをすべて「黒鉛化炭素繊維」として含めており、炭素繊維全体を大きく分けてそのひとつに「黒鉛化炭素繊維」という括り方をしたことが、理解できよう。
用語「天然結晶黒鉛」は、地質的に生じた天然結晶形状に、最小限の処理、すなわち必須処理だけがなされた黒鉛を意味するものとする。いっぽう、本明細書で用いられる用語「合成黒鉛」は、合成して製造されたあるいは処理された黒鉛を意味するものとする。合成黒鉛の結晶構造や形態学的特性が、天然黒鉛と同じもの、または類似したもの、さらに合成黒鉛が天然黒鉛と異なる構造をとること、いずれも可能である。本明細書で用いられる用語「合成黒鉛」は黒鉛の種々の膨張形態についても、さらなる制限条件がついて膨張形態から逸脱しない限り、含もうとするものである(層剥離を起こした膨張黒鉛も含まれる)。なお用語「膨張黒鉛」は技術用語として、たとえば、米国特許5,482,798号のなかで言及されているように、一般的な黒鉛の一形態として認識されている。さらに、本明細書で用いられる膨張黒鉛は、膨張黒鉛ではない天然および/または合成黒鉛を一軸方向のみに膨張された結晶格子を有するように処理して、形成できる。なおこの一軸方向のみの膨張は、膨張黒鉛粒子において完全に層剥離が可能となる(つまり薄層に分かれる)のに十分な程度の膨張である。黒鉛に関して普通に用いられる用語「鱗片状」は、このような黒鉛(つまり、天然または合成の鱗片状黒鉛)が膨張していない平板状粒子形態を有することを表そうとするものである。
用語「炭素繊維」は、径に対する長さの比が約4より大きく、典型的には8より大きく、約30以上に至ることもある炭素を伸ばしたストランドを意味するものとする。そして「メソフェーズピッチ系炭素繊維」は、市場で入手可能な周知の炭素繊維の1種である。この炭素繊維は「ピッチ」を熱処理することによって作られる。「ピッチ」は、たとえばHawleyのCondensed Chemical Dictionary10版で説明されているとおり、炭素質粘着タール、典型的には石油タールを蒸留したときの残油という、よく知られた材料である。そしてメソフェーズピッチは、このピッチを化学的に処理することによってできる。このことについては、たとえば米国特許4,005,183号、日本の特開昭57−42924号(対応米国特許4,303,631号)、米国特許4,208,267号、日本の特開昭58−18421号、日本の特開昭63−120112号(対応米国特許4,822,587号)、あるいはMochidaによるCarbon13巻135ページ(1975年)、ParkとMochidaによるCarbon27巻925ページ(1989年)およびMochidaによるCarbon27巻843ページ(1989年)などの参考文献のなかで説明されたとおりである。メソフェーズピッチは中間的なフェーズ、すなわち液晶である。タールやピッチを高温で、典型的には約350℃から450℃に加熱して、これらのタールやピッチ中にメソフェーズ液晶が形成できる。Fuel40巻465ページ(1961年)のTaylor, G.H.による「Development of Optical Properties of Coke During Carbonization(炭化中のコークス最適特性)」に、タールやピッチの加熱からえられるメソフェーズタールやメソフェーズピッチについて、最初に報告、説明されている。メソフェーズピッチは特色として、ひとつの方向に高い配向性を持つ分子を有しており、このことによってメソフェーズピッチはさらに黒鉛化しやすくなっている。メソフェーズピッチのこのような分子配向性については、Brooks, J.D.とTaylor, G.H.とによってChemistry and Physics of Carbon4巻243ページ(1968年)のなかで説明されている。このようにメソフェーズピッチという用語は、ピッチ材料についてメソフェーズ液晶の相構造を得るために熱処理されたこのピッチに適用されるものであって、本技術分野で用いられる一般的に認められた意味を有する。たとえばOtaniによる米国特許4,016,247号で述べられているように、このメソフェーズピッチからメソフェーズピッチ系炭素繊維(MPCF)を得るには先ず、メソフェーズピッチ材料を先ず約200から350℃という高温で加熱押出し加工する。限定しようとするものでなく単なる例としてあげるならば、この押出された炭素繊維を、典型的には酸化させ、このために好ましくは、たとえばOtaniによってCarbon3巻31ページ(1965年)で述べられているように、押出されたメソフェーズピッチ系炭素繊維を酸化させるために、空気中で約200から350℃で再加熱する。つづいてこれを、たとえばOtaniによってCarbon3巻31ページ(1965年)のなかで述べられているように、1000℃から1800℃、典型的には1000℃から1200℃の温度において、アルゴンのような不活性ガスの存在下で熱処理することができる。こうして得られた最終製品が、「メソフェーズピッチ系炭素繊維」であり、本技術分野において、この名称で呼ばれる周知の炭素繊維として、広く一般に認められたものである。
次いで、このメソフェーズピッチ系炭素繊維を、炭素の黒鉛化の従来方法によって、黒鉛化することができる。黒鉛化処理は通常、本技術分野で周知のとおり、この繊維を非常に高温で、典型的には約2500℃から3000℃で加熱することを含む。このような黒鉛化処理として含まれ得るものを限定する意図なく単なる例としてあげるならば、炭素繊維の熱処理において、2500℃を越える温度になるまで、より望ましくは2800℃から3000℃の温度で、あるいはたとえばJournal Carbon20巻445ページに発表されたInternational Committee for Characterization and Terminology of Carbon(ICCTC、1982)で定義されたように、六角形に配向された炭素原子の層が互いに平行に積み上げられて並んだ三次元の黒鉛結晶構造という特徴をもたらすのに十分な高さの温度で、炭素繊維を処理するものである。さらに黒鉛は、黒鉛層(並んだ層)どうしの距離つまり並んだd002面の面間距離と、結晶構造における「c」方向の結晶子サイズLcと、「a」方向の結晶子サイズLaとによって特徴づけられる。結局、「黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維(GMPCF)」は黒鉛材料の1種であり、以上のような従来の黒鉛化処理を受けたメソフェーズピッチ系炭素繊維を意味するものとする。
用語「処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維」(処理済GMPCF)は、上記の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維を、引き続いてBET比表面積を大きくするように処理した炭素繊維を意味するものとする。このBET比表面積を大きくするための処理として含まれるものを限定する意図なく単なる例としてあげるならば、黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維を、高温において、水酸化カリウム;KOH、水酸化ナトリウム;NaOH、あるいは他の酸化剤と共に加熱するものである。この処理方法としては、米国特許4,082,694号(Wennerberg)や米国特許4,039,473号(schafer)などの参考文献で開示された方法が含まれ得る。ただし説明によればこれらの方法は、黒鉛化炭素ではなくそれ以外の炭素に適用されている。つまりこれらの参考文献では、黒鉛化炭素繊維を高温においてKOHと共に処理し、黒鉛化繊維として改良し、アルカリ電池のカソードに適用し、このカソードの導電性を向上させようとする意図はまったくない。また米国特許4,946,663号(Audley)の開示によれば、炭化繊維や、「木炭布」のような炭化カーボンマット、あるいは単純にレーヨンのように炭素繊維のプリカーサとなる炭化されていない材料などの表面積を大きくするため、これらの材料を高温でKOHと共に処理している。ただし、この引例特許では、KOHと共に処理した繊維はいずれも黒鉛化されていない。この引例特許においては、黒鉛化炭素繊維をKOHと共に処理することに言及も関連もないのである。つまり、この引例特許および上記の米国特許4,082,694号(Wennerberg)と米国特許4,039,473号(schafer)いずれにおいても、黒鉛化炭素繊維を高温でKOHと共に処理し、黒鉛化炭素繊維におけるBET比表面積を大きくして、このような材料を用いるカソードの導電性を高めようとすることについての言及も意図もない。
いっぽう本発明では、この処理方法を黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維に適用し、黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維のBET比表面積を大きくし、MnO2(EMD)と黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維とを含むカソード混合物の導電性を高めることが判明した。
本明細書で用いられる用語BET比表面積(m2/g)は、本技術分野で認識されているとおり、ガス(窒素および/または他のガス)を用いた細孔解析法による粒子表面積の標準的な測定を意味するものとする。BET比表面積は、粒子や繊維の外側表面の表面積総和を測定したもので、さらにまた表面積のうち、ガス吸着および脱着がなされたときにそれらが行われ得る粒子内や繊維内の開放細孔に相当する部分についても測定している。本明細書に示したBET比表面積測定法(Brunauer、 Emmett およびTaylorの方法)は、ASTM Standard Test Method D4820-99にしたがって行われる。先ずQuantachrome社製造のQuantachrome Autosorber Model 6のような機器を用いて、黒鉛粉末あるいは黒鉛化炭素繊維から150℃で7時間の真空脱気がなされる。続いて、窒素ガス吸着量に基づいて多点法BET式で機器製造業者の提供するソフトウエアによる計算を行って、BET比表面積を決定できる。
電池、たとえばZn/MnO2アルカリ電池用のカソード混合物は、本発明にしたがって、処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維(処理済GMPCF)を粒子状二酸化マンガン(EMD)と混合することによって、製造することができる。このような混合物は、MnO2の重量パーセントがこの混合物と同じMnO2/黒鉛やMnO2/未処理の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維などの従来のカソード混合物よりも、抵抗率が低いことがわかった。この結果,たとえば1ワット定電力や約0.5から2Ampの負荷電流を要するようなハイパワーで適用される場合は特に、アルカリ電池の耐用寿命が約13から26パーセント向上する。このようなハイパワー適用時における電池の耐用寿命の向上を図るには、本発明による黒鉛、好適には高温においてKOHと共に処理した黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維と、二酸化マンガン(EMD)とを含んだカソードの形成が行われる。なお、この黒鉛としては、未処理の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維と処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維との混合物も含まれ得る。ここで、カソード中の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維の全部もしくは実質的に全部が、高温においてKOHと共に前処理されて、処理済になっていると好ましい。カソード中の導電黒鉛材料として、従来の天然黒鉛や膨張黒鉛が含まれ得る場合があることは理解されるであろう。このような場合、本発明の黒鉛として処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維を含むならば、カソード中の黒鉛材料の全量に対してその一部分を成すことになる。アルカリ電池カソードがとり得る組成として、代表的な例をあげてみる。
電解二酸化マンガン(80から87重量%)、黒鉛(4から10重量%)、任意選択的にポリエチレンバインダー(0.1から0.5重量%)そして残りが7から10重量%のKOH溶液(約30から40重量%のKOH濃度を持つKOH水溶液)である。
本発明によれば、カソード中の黒鉛材料の全部もしくは一部分、好ましくはカソードに対して約4から10重量パーセントを、本発明の処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維が成すことができる。MnO2の装入量と無関係に、すなわちカソード中のMnO2の重量%と無関係に、カソード中で処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維を使用するのは望ましいことである。一般的なアルカリ電池のカソードとして、たとえば約40から87重量%の組成のMnO2を有するものが周知である。本発明で、処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維を、カソード中の導電黒鉛としてあるいは導電黒鉛全量の一部分を成すものとして使用している態様があり、これを前記した周知のアルカリ電池にも適用できる。
電池内の導電黒鉛全量のMnO2に対する重量比は、電池内のMnO2の重量パーセントと無関係であり、望ましくは約0.05(1:20)から0.085(1:12)である。本発明によれば、カソードが、本発明による処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維の全量から構成されることも、未処理の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維と処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維との混合物の全量から構成されることも可能である。あるいはまた、処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維が、導電黒鉛の全量の一部分、たとえばカソード内の導電黒鉛材料全量の約1から100重量パーセント、望ましくは約5から50重量パーセントを成すこともできる。このような場合、黒鉛材料のうち、処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維以外は、他の黒鉛材料、たとえば天然黒鉛や膨張黒鉛あるいはこれらの混合物が成すことができる。
本発明による処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維(処理済GMPCF)におけるBET比表面積は、約10から60m2/g、好ましくは約10から50m2/gである。さらに望ましくは、処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維におけるBET比表面積は約30から60m2/g、より有利には約30から50m2/gである。また好ましくは、本発明による処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維の平均径は約1から10ミクロンで、より好ましくは約4から7ミクロンである。さらにこれらの炭素繊維の長さは、典型的には約20から200ミクロンで、平均長さは約40から150ミクロン、そして真密度は2.19から2.26g/cm3である。このような処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維は、未処理の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維に比べ、BET比表面積がより大きく、より軟質で、さらに圧縮していた圧を取り除いた後の付勢戻りがより小さい。
したがってこのようなカソードはより圧縮しやすい。そしてより軟質な炭素繊維と、この繊維のより高いBET比表面積とによって、繊維どうしおよび繊維とMnO2粒子とがより良好に緊密接触でき、ひいては導電性を高めることになったことが、理論づけられる。
さらにまた本発明による処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維の「c」方向における結晶子サイズLcは、X線回折測定によれば、50から300オングストローム、たとえば50から250オングストローム、より典型的には100から200オングストロームである。そして処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維の「a」方向における結晶子サイズLaは一定で、約100から300オングストローム、典型的には約200オングストロームである。そしてこれを、未処理の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維と比べてみる。この未処理の炭素繊維は典型的には、「c」方向における結晶子サイズLcが約300から400オングストローム、「a」方向における結晶子サイズLaが約100から300オングストローム、より典型的には200オングストロームである。つまり、処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維の「c」方向における結晶子サイズLcは、未処理の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維のものより小さいことが明らかである。LaおよびLcはそれぞれ、黒鉛の結晶単位格子における「a」方向および「c」方向における結晶子サイズを表すもので、本技術分野で使用される標準的な専門用語である。そして「a」方向における結晶子サイズLaは広い層面の載る平面方向における結晶構造の全体サイズを表すもので、「c」方向における結晶子サイズLcは単位格子の結晶厚さを表すものである。
本発明による処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維は、次のようにして製造される。すなわちTA-1F、DKE-X、42C、42およびLB-3Fという商標名のもとBP Amoco社から入手可能な、約5から10ミクロンの平均径と20から200ミクロンの長さを有する黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維(GMPCF)を、高温においてKOHと共に処理する。この処理プロセスは、黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維と97%濃度のKOH固体ペレットとで、約2から20重量部のKOHに対して1重量部の炭素繊維(GMPCF)、望ましくは約5から20重量部のKOHに対して1重量部の炭素繊維、より望ましくは約5から10重量部のKOHに対して1重量部の炭素繊維という重量比で、混合物を作ることからはじめる。次いでこの混合物を、炉内で、約800から1200℃、好ましくは約800から1000℃の温度において、約60から120分にわたって、好ましくは窒素と他の不活性ガスを通しながら、加熱する。この加熱は、約3から5時間かけて室温から所望の温度まで昇温させて行う。こうして得られた処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維は、室温まで冷やして、蒸留水で洗浄し、ろ過する。ろ液のpHを測定する。この操作を、ろ液の最終pHが8から10程度に下がるまで、少なくとも5回続ける。それからこのろ過した材料を、オーブンで80から100℃の温度において、空気中で、3から5時間乾燥してから、使用する。黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維を、約800から1200℃、好ましくは800から1000℃の高温において、固体KOHと共に処理する際に、KOHに対する前記黒鉛化炭素繊維の重量比を種々変えたことによって、BET比表面積が種々のレベルで増加することがわかった。たとえば、800℃において、特定的に前記黒鉛化炭素繊維に対するKOHの重量比が2:1(2.0)から10:1(10.0)の範囲で変化すると、BET比表面積は、10から50m2/gの範囲をとり得る。ここでBET比表面積は、この10から50m2/gの範囲において、KOHの前記炭素繊維に対する比が高くなるのにともなって、大きくなる。KOHの前記炭素繊維に対する重量比が約5:1(5.0)から10:1(10.0)であれば、30から50m2/g のBET比表面積が得られる。このようにしてい
けば、黒鉛化炭素繊維を、800℃において固体KOHと共に加熱することによって得られるBET比表面積は約60m2/g に至ることも可能である。ただし、約60m2/g というBET比表面積を得るために、KOHの炭素に対する比率を、上述の方法の場合より高くして、たとえばKOHの前記黒鉛化炭素繊維に対する比を約20:1(20.0)まで高めることになる。
あるいはまた、これと同レベルのBET比表面積を前記黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維(GMPCF)において達成するのに、加熱温度をたとえば約1000℃まで上げることによっても可能であるということがわかった。ただしこれに伴いKOHの量は少なくなる。つまりKOHの黒鉛化炭素繊維に対する重量比を小さくできる。すなわち、約1000℃の温度で10から50m2/gのBET比表面積を達成するには、KOHの前記黒鉛化炭素繊維に対する重量比としては、約1:1(1.0)から10:1.5(6.7)、典型的には1:1(1.0)から4:1(4.0)にできる。ここでBET比表面積は、この範囲において、KOHの前記黒鉛化炭素繊維に対する重量比が高くなるのにともなって、大きくなる。さらに約1000℃の温度で30から50m2/gのBET比表面積を達成するには、KOHの前記黒鉛化炭素繊維に対する重量比としては、約10:3(3.3)から10:1.5(6.7)が可能である。また約1000℃の温度で60m2/gまたはそれより大きいBET比表面積を達成するには、KOHの前記黒鉛化炭素繊維に対する重量比は約10:1(10.0)にできる。
さらに、上記で示したのと同レベルのBET比表面積を達成するのに、KOHの前記黒鉛化炭素繊維に対する比率が上記の場合よりたとえいくらか低く、言い換えれば前記黒鉛化炭素繊維のKOHに対する比率が上記の場合より高くなっていても、加熱温度を上記の場合より高くする、たとえば1200℃まで上げることによっても可能であるということがわかった。
YamashitaとOuchiによってCarbon20巻41ページ(1982年)や、EhrburgerらによってFuel65巻1447ページ(1986年)などの文献に説明されているように、炭素繊維をKOHと共に加熱することにより副反応が起きて、COガスやCO2ガスが発生する場合がある。温度が1200℃をかなり越えると、このようなガスが炭素繊維と不利な反応を起こして、それによって、炭素繊維結晶構造に劣化をひきおこす恐れがある。このように、黒鉛化炭素繊維をKOHと共に加熱するにあたっては、適用上の限界がある。
なお、米国特許4,039,473号(Schafer)および米国特許4,082,694号(Wennerberg)に、炭素材料をKOH溶液に溶かしこんで、その後に高温で処理するという前記の処理の変形が開示されているが、石炭、褐炭およびコークスのような本発明とは異なる炭素材料に適用したものである。
本発明のカソード混合物を利用した代表的なアルカリ電池が図1に示されている。アルカリ電池610は、一方の閉じた端部614と他方の開口端部616とを有する筒状のスチールケーシング620を備える。この電池に、MnO2(EMD)と黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維と水性KOHとを含む本発明のカソード混合物612が入っていると好ましい。さらに本明細書で前述したように、黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維を高温においてKOHと共に前処理してからMnO2と混合するのが好ましい。カソード混合物612を湿式製造してから、たとえばこの混合物に含まれた水性KOHと共に電池に挿入する。この場合、湿潤状態の混合物を電池内で圧縮することも、湿潤状態の混合物を圧縮してディスク612aにしてから電池に挿入することもできる。あるいはまた、最初に乾燥状態でMnO2(EMD)を処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維と混合することによって、カソード混合物612を製造できる(このとき本明細書で述べたように、処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維を高温においてKOHと共に前処理しておくのが好ましい)。次いでこの乾燥した混合物を圧縮して電池に入れることも、圧縮してディスク状のブロック612aにして電池内に重ねて並べて挿入することもできる。そしてセパレーターシート690を、カソードディスク612aの内側面に寄付けて配することができる。水性KOH電解液をこの乾燥カソードに掛けると、この電解液がセパレーターとカソードに染み込むようになる。そしてアノード材料615を電池に入れる。
アノード615は、亜鉛と水性KOH電解液とを含む。アノード中の電解液は、従来どおりKOHとZnOとゲル化材との混合物を含む。アノードとカソードとは、たとえばポリビニルアルコールとセルロース系繊維材料とを含む従来からのイオン通過用の多孔性セパレーター690によって、隔されている。電池610に内容物を入れてから、絶縁プラグ660を開口端部616にはめ込む。この絶縁プラグ660は、ポリプロピレン製でも、タルク入りのポリプロピレン製でも、スルホン化ポリエチレン製でも、ナイロン製でもよい。このプラグ660を、図示したように円周段部618に沿ってスナップ嵌めすると、プラグが開口端部616の正しい位置にはまり込むので、好ましい。このようにはめ込まれた絶縁プラグ660の最上部の縁にケーシング620の周縁部627をかぶせて折りこむ。そしてこのように折りこんだケーシング620の周縁部627の上に、紙製の絶縁ワッシャー680をさらにかぶせる。この絶縁ワッシャー680としては、ポリエチレンで被覆した紙製ワッシャーも可能である。端子端部蓋630を、集電体640の頭部に溶接しておく。この集電体は細長形状で、端部蓋630を絶縁ワッシャー680に寄付けて配するように、絶縁プラグ660の通孔部644に挿入する(押し込む)。集電体640の材質は、多様な周知の導電金属の中から、たとえば真鍮、錫めっきした真鍮、ブロンズ、銅やインジウムでめっきした真鍮など集電体として有用とされたものを選択できる。本明細書の実験電池に用いた集電体640は、真鍮製であった。さらに集電体640を通孔部644に挿入するまえに、従来からのアスファルトシーラントをあらかじめ集電体640の外周面に塗っておいてもよい。それからフィルムラベル670をケーシング620の外周面に貼る。端子端部蓋630がアルカリ電池610のマイナス端子となり、ケーシング620の閉じた端部のピップ625がプラス端子となる。
図示された電池610は、単3電池になり得る。しかし図示された電池をいずれか特定のサイズに限定しようとするものではない。したがって本発明は単6、単4、単2および単1の筒状アルカリ電池のみならず、どんなサイズや形状のアルカリボタン電池にも適用できる。そしてアルカリ電池610は、カソード612が、本発明による、MnO2(EMD)と黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維(GMPCF)、好ましくは高温においてKOHと共に処理された黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維(処理済GMPCF)とを含むカソード混合物を利用して製造したものでさえあれば、電池用の化学物質、サイズのいずれも限定しようとするものではない。
こうして電池610は、従来のアルカリ電池アノード化学物質を含むことができ、その中には、水銀ゼロ使用のもの(電池総重量100万部あたり50部より低い、好ましくは電池総重量100万部あたり10部より低い)やその改質物質も含む。このような化学物質の代表的なものが、たとえば米国特許5,401,590号に開示されている。なお、この米国特許の内容はこの公報番号を参照することにより本明細書に含まれるものとする。本発明の電池610は、好ましくは、鉛が添加されていない、つまり実質的に鉛ゼロ使用になりうる。これは、鉛の含有総量がアノードの金属含有総量の30ppmより少ない、望ましくは15ppmより少ないということである。さらにまた、本発明は原則的に一次アルカリ電池に関するものだが、本技術分野で周知のように、アノードとカソードの化学物質を調整して二次電池(充電が可能で繰り返し使える)にすることもできる。
以下の例は、本発明のMnO2(EMD)と処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維との混合物を含むアルカリ電池カソードを使うことによる利点を示したものである。以下の各例において、カソードは、湿式製造し、湿潤状態のままカソードディスク612aに圧縮した。そしてこの圧縮されたディスク612aを図示したように重ねて並べて電池に挿入した。
例1(カソード抵抗率)
EMDと(1)未処理黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維(BP Amoco社から入手したTA-1F、DKE-X、42C、42D、LB-3F)、(2)上記した、処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維、(3)天然鱗片状黒鉛(MP0702X)、および(4)膨張黒鉛DCN-2とを、EMD/黒鉛の重量比2種類、12:1と20:1とで、混合することによって、アルカリカソードを製造した。次いで、0.7グラム程度のカソード粉末を、径が12.75mmで厚さが1.6から1.8mmのペレットにした。それから、4探針法の抵抗率測定装置(三菱化学製LORESTA AP MCP-T400)を用いて、このペレットの抵抗率測定を行った。4個のペレットについて、それぞれのペレットの両面で測定して、8個のデータポイントの平均を得た。
以下の表1は、黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維におけるBET比表面積についての処理前および処理後の変化、KOH電解液のカソード中の存在下におけるカソードの抵抗率についての処理前および処理後の変化を示したものである。比較のために、天然鱗片状黒鉛および膨張黒鉛を用いたカソードについてもあわせて挙げた。
Figure 0004434727
付記:
1.KOHと共に、800℃から1000℃の高温で、KOHの黒鉛化炭素繊維に対する比を10:1(10.0)から2:1(2.0)として、約60から120分にわたって行った処理。
2.ここに挙げたすべての炭素繊維は、BP. Amoco社から入手した、黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維である。
例2(アルカリ電池性能)
単3サイズのMnO2/亜鉛アルカリ電池を、未処理GMPCF、天然鱗片状黒鉛、そして膨張黒鉛を用いたカソードと、亜鉛アノードとから作った。
アノード材料は、62から69重量%の亜鉛合金(インジウムを含む99.9重量%亜鉛)粉末と、35から40重量%の水性KOH電解液(約2重量%のZnOを添加して含む)と、0.5から2重量%の架橋型ポリアクリル酸のゲル化剤(例、B.F.Goodrich社から入手可能なCARBOPOL C940)と、0.01から0.5重量%のポリアクリロニトリルを幹としてのデンプンにグラフト共重合させた後加水分解したもの(例、Grain Processing社から入手可能なWaterlock A-221)と、約50ppmのジノニルフェノールリン酸エステル界面活性剤(例、Rhone-Poulenc社から入手可能なRM-510)とを含んでいた。亜鉛合金粉末の平均粒径は、望ましくは、約30から350ミクロンであった。電池内の亜鉛アノードの量は5.5から6.0グラムであった。アノード中の亜鉛合金粉末の嵩密度はアノード1立方センチメートルあたり約1.75から2.2グラムであった。アノード中の電解溶液の容量パーセントは、アノードの約69.2から75.5容量パーセントであった。アノードは水銀、鉛ともに使用ゼロであった。つまり、アノード中の水銀の含有量は、亜鉛100万重量部あたり約50重量部より少なく、好ましくは亜鉛100万重量部あたり20重量部より少ない。そしてアノード中の鉛の含有量は、アノード中の亜鉛含有量のあたり30ppmより少なく、好ましくは15ppmより少ない。
カソードは、MnO2(EMD)と、未処理の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維と、天然鱗片状黒鉛と、KOH水溶液と、ポリマーバインダーとを含んでいた。カソード組成は以下のようであった。
カソード組成1、2
重量%
MnO2(EMD) 85.52
未処理の黒鉛化
メソフェーズピッチ系炭素繊維 2.27
天然鱗片状黒鉛
(MP0702X) 5.0
KOH水溶液
(35から40重量%KOH) 6.91
ポリマーバインダー 0.3
計 100.00
付記
1.電池内のカソードを圧縮後、カソードの嵩密度は3.30から3.40g/cm3であった。
2.上記のカソードの抵抗率は、20℃において、0.339ohm-cmであった。
3.未処理の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維の平均径は約7ミクロンで、BET比表面積は0.74m2/gであった。
4.天然鱗片状黒鉛MP0702Xの平均粒径は約15ミクロンで、BET比表面積は8.8m2/gであった。
5.製造直後のアルカリ電池は、2アンペアの定電流、1ワットの定電力で放電された。それからこの電池を、55℃において2週間保管し、1ワットの定電力で試験した。このような高いドレインのもとでの電池の耐用時間としての性能を、表2、3にまとめて後に示した。
例3
比較例2と同じ単2サイズの電池を製造した。この電池はカソードが下記のとおりの組成を有して処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維(処理温度800℃、KOHの炭素繊維に対する比は8:1)を用いること以外は、アノードの組成や電池の組成は例2と同じである。
カソード組成1、2(例3)
重量%
MnO2(EMD) 88.3
処理済の黒鉛化
メソフェーズピッチ系炭素繊維 4.5
KOH水溶液
(35から40重量%KOH) 6.9
ポリマーバインダー 0.3
計 100.00
付記
1.電池内のカソードを圧縮後、カソードの嵩密度は3.30から3.40g/cm3であった。
2.上記のカソードの抵抗率は、20℃において、0.201ohm-cmであった。
3.処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維の平均径は約7ミクロンで、BET比表面積は27.6m2/gであった。黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維の処理は、前記のとおり、800℃の高温において、KOHを炭素繊維の1重量部あたり8重量部として行われた。
4.電池は例2で述べたように放電させた。電池の性能を後に示した。
例4
比較例2から3と同じ単2サイズの電池を製造した。この電池はカソードが下記のとおりの組成を有して処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維(処理温度800℃、KOHの炭素繊維に対する比は8:1)と天延鱗片状黒鉛とを50:50で用いること以外は、アノードの組成や電池の組成は例2から3と同じである。
カソード組成(例4)
重量%
MnO2(EMD) 88.3
処理済の黒鉛化
メソフェーズピッチ系炭素繊維 2.25
天然鱗片状黒鉛 2.25
KOH水溶液
(35から40重量%KOH) 6.9
ポリマーバインダー 0.3
計 100.00
付記
1.電池内のカソードを圧縮後、カソードの嵩密度は3.30から3.40g/cm3であった。
2.処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維の処理法と物性は例3で述べたとおりである。
3.例2で述べたMP0702X。
4.例2から3の電池の性能。
例5
比較例2から4と同じ単2サイズの電池を製造した。この電池はカソードが下記のとおりの組成を有して処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維(処理温度1000℃、KOHの炭素繊維に対する比は4:1)を用いること以外は、アノードの組成や電池の組成は例2から4と同じである。
カソード組成1、2(例5)
重量%
MnO2(EMD) 88.3
処理済の黒鉛化
メソフェーズピッチ系炭素繊維 4.5
KOH水溶液
(35から40重量%KOH) 6.9
ポリマーバインダー 0.3
計 100.00
付記
1.電池内のカソードを圧縮後、カソードの嵩密度は3.30から3.40g/cm3であった。
2.上記のカソードの抵抗率は、20℃において、0.273ohm-cmであった。
3.処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維の平均径は約7ミクロンで、BET比表面積は40.2m2/gであった。黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維の処理は、前記のとおり、1000℃の高温において、KOHを炭素繊維の1重量部あたり4重量部として行われた。
3.例2で述べたMP0702X。
4.例2から4に述べた電池の性能。
例6
比較例2から5と同じ単2サイズの電池を製造した。この電池はカソードが下記のとおりの組成を有して処理済の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維(処理温度1000℃、KOHの炭素繊維に対する比は4:1)と天然鱗片状黒鉛とを50:50で用いること以外は、アノードの組成や電池の組成は例2から5と同じである。
カソード組成(例6)
重量%
MnO2(EMD) 88.3
処理済の黒鉛化
メソフェーズピッチ系炭素繊維 2.25
天然鱗片状黒鉛 2.25
KOH水溶液
(35から40重量%KOH) 6.9
ポリマーバインダー 0.3
計 100.00
付記
1.電池内のカソードを圧縮後、カソード中のMnO2の嵩密度は3.30から3.40g/cm3であった。
2.例5で述べたとおり。
3.例2で述べたとおり。
4.例2から5に述べた電池の性能。
例7
比較例2から6と同じ単2サイズの電池を製造した。この電池はカソードが下記のとおりの組成を有して天然鱗片状黒鉛を用いること以外は、アノードの組成や電池の組成は例2から6と同じである。
カソード組成1、2(例7)
重量%
MnO2(EMD) 88.3
天然鱗片状黒鉛 4.5
KOH水溶液
(35から40重量%KOH) 6.9
ポリマーバインダー 0.3
計 100.00
付記
1.電池内のカソードを圧縮後、カソード中のMnO2の嵩密度は3.30から3.40g/cm3であった。
2.上記のカソードの抵抗率は、20℃において、0.874ohm-cmであった。
3.例2で述べたとおり。
4.例2から6に述べた電池の性能。
例8
比較例2から7と同じ単2サイズの電池を製造した。この電池はカソードが下記のとおりの組成を有して膨張黒鉛を用いること以外は、アノードの組成や電池の組成は例2から7と同じである。
カソード組成1、2(例8)
重量%
MnO2(EMD) 88.3
膨張黒鉛、DCN-2 4.5
KOH水溶液
(35から40重量%KOH) 6.9
ポリマーバインダー 0.3
計 100.00
付記
1.電池内のカソードを圧縮後、カソード中のMnO2の嵩密度は3.30から3.40g/cm3であった。
2.上記のカソードの抵抗率は、20℃において、0.188ohm-cmであった。
3.膨張黒鉛、DCN-2の平均粒径は約20ミクロンで、BET比表面積は20.7m2/gであった。
4.例2から7に述べた電池の性能。
性能のまとめとして、以下の表2および3はそれぞれ、上記のとおり、単2サイズのアルカリ電池の定電流2アンペアおよび定電力1ワットの下での放電における耐用時間を示している。未処理の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維(GMPCF)や天然鱗片状黒鉛を使うときに比べて、著しい性能向上を達成した。
Figure 0004434727
Figure 0004434727
例9(カソードの機械的強度)
カソードの機械的強度を、いろいろな組成で作られたカソードペレットを一定の圧縮負荷のもとで壊すことによって測定した。以下の表4は、例3から8に述べたカソードの測定結果である。
Figure 0004434727
本発明を特定の実施態様に関して述べてきたが、本発明の概念から逸脱することなく変形できることは明らかであろう。したがって本発明は、本明細書で述べた特定の実施態様に限定されることなく、前記特許請求の範囲およびそれと均等のものによって、定められるものとする。
本発明のカソードを備えたアルカリ電池の切欠き断面図である。

Claims (27)

  1. アノードと、水性アルカリ電解液と、二酸化マンガンと黒鉛材料とを含むカソードとを有する一次アルカリ電気化学電池であって、
    前記黒鉛材料が
    10から60m2/gのBET比表面積を有する黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維であって、水酸化カリウムと共に800から1000℃の温度において加熱処理された処理後の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維を含む
    ことを特徴とする電気化学電池。
  2. 前記電池が、亜鉛を含むアノードを有するアルカリ電池である請求項1記載の電気化学電池。
  3. 前記電解液が、水酸化カリウム水溶液を含む請求項1記載の電気化学電池。
  4. 前記炭素繊維が、10から50m2/gのBET比表面積を有する請求項1記載の電気化学電池。
  5. 前記炭素繊維が、30から50m2/gのBET比表面積を有する請求項1記載の電気化学電池。
  6. 前記炭素繊維が、50から300オングストロームの結晶「c」方向における結晶子サイズLcと、100から300オングストロームの結晶「a」方向における結晶子サイズLaとを有する請求項1記載の電気化学電池。
  7. 前記炭素繊維が、100から200オングストロームの結晶「c」方向における結晶子サイズLcと、100から300オングストロームの結晶「a」方向における結晶子サイズLaとを有する請求項1記載の電気化学電池。
  8. 前記炭素繊維が、カソードの4から10重量パーセントを成す請求項1記載の電気化学電池。
  9. 前記炭素繊維の前記二酸化マンガンに対する重量比が、1:25(0.04)から1:10(0.10)である請求項1記載の電気化学電池。
  10. 前記炭素繊維が、黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維を含む請求項1記載の電気化学電池。
  11. 前記炭素繊維が、黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維を含む請求項4記載の電気化学電池。
  12. 前記炭素繊維が、黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維を含む請求項5記載の電気化学電池。
  13. 前記炭素繊維が、黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維を含み、この黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維が、800℃から1200℃の温度において水酸化カリウムと共に加熱処理されたものである請求項1記載の電気化学電池。
  14. 前記炭素繊維が、黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維を含み、この黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維が、1から2時間にわたって800℃から1200℃の温度において水酸化カリウムと共に加熱処理されたものである請求項1記載の電気化学電池。
  15. 前記炭素繊維が、1から10ミクロンの平均径を有する請求項1記載の電気化学電池。
  16. 前記炭素繊維が、1から10ミクロンの平均径と40から150ミクロンの平均長さとを有する請求項1記載の電気化学電池。
  17. 前記カソード中の黒鉛材料が、前記カソードの4から10重量パーセントを成し、前記黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維が、前記黒鉛材料の1から100重量パーセントを成す、請求項10記載の電気化学電池。
  18. 前記カソード中の黒鉛材料が、前記カソードの4から10重量パーセントを成し、前記黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維が、前記黒鉛材料の5から50重量パーセントを成す、請求項10記載の電気化学電池。
  19. 前記カソード中の黒鉛材料が、前記黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維と鱗片状結晶黒鉛との混合物を含む請求項11記載のカソード。
  20. 前記カソード中の黒鉛材料が、前記黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維と膨張黒鉛との混合物を含む請求項11記載のカソード。
  21. アノードと、水性アルカリ電解液と、二酸化マンガンと黒鉛材料とを含むカソードとを有する一次アルカリ電気化学電池であって、前記黒鉛材料が、10から50m2/gのBET比表面積を有する黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維であって、水酸化カリウムと共に800から1000℃の温度において加熱処理された処理後の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維を含むことを特徴とする電池化学電池。
  22. アノードと、水性アルカリ電解液と、二酸化マンガンと黒鉛材料とを含むカソードとを有する一次アルカリ電気化学電池であって、前記黒鉛材料が、30から50m2/gのBET比表面積を有する黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維であって、水酸化カリウムと共に800から1000℃の温度において加熱処理された処理後の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維を含むことを特徴とする電池化学電池。
  23. 前記黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維が、前記カソードの4から10重量パーセントを成す請求項21記載のカソード。
  24. 前記黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維が、前記カソードの4から10重量パーセントを成す請求項22記載のカソード。
  25. アノードと、水性アルカリ電解液と、二酸化マンガンと黒鉛材料とを含むカソードとを有する一次アルカリ電気化学電池であって、前記黒鉛材料が、10から60m2/gのBET比表面積を有する黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維であって、水酸化カリウムと共に800から1000℃の温度において加熱処理された処理後の黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維を含むこと、そして前記炭素繊維が、50から300オングストロームの結晶「c」方向における結晶子サイズLcと、100から300オングストロームの結晶「a」方向における結晶子サイズLaとを有することを特徴とする電池化学電池。
  26. 前記炭素繊維が、100から200オングストロームの結晶「c」方向における結晶子サイズLcを有する請求項25の電気化学電池。
  27. 前記炭素繊維が、30から50m2/gのBET比表面積を有する請求項25の電気化学電池。
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