JP4434397B2 - 軟質眼用レンズ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は軟質眼用レンズ、詳しくはレンズ表面の粘着性が極めて小さく、かつレンズの形状回復性に優れた軟質眼用レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、軟質眼用レンズとしてはさまざまなものが開発されている。眼用レンズが軟質であることによる利点は数多く、例えば眼内レンズであるならばレンズを小さく折り畳めるため、眼内レンズの挿入が手術時小切開により行うことができる。また、コンタクトレンズであるならば装用感に優れる等の多大なメリットを持つ。軟質眼用レンズとしては一般にアクリル系材料が使用され、その理由としては眼に重篤な問題を及ぼす菌繁殖が少なく、また適度な柔軟性及び形状回復性を兼ね備えていることが挙げられる。
【0003】
しかし、軟質アクリル材料には難点もあり、材料表面に粘着性が生じ易く、レンズ取り扱い時や装用時に悪影響を及ぼす原因となっている。例えば、眼内レンズであるならば表面の粘着性により眼内レンズ挿入の際取り扱いに不備が生じ、多大な労力及び時間が必要となる。また、コンタクトレンズとしてもレンズ表面の粘着性のため、角膜に張り付いてしまう等の重篤な障害を及ぼしかねない。
【0004】
そこで、粘着性の問題を解決するため、特表平7−507356号公報ではプラズマ処理が行われている。しかし、プラズマ処理のみでは粘着性を完全には減少し難く、その効果の持続性にも欠けるという問題がある。また、プラズマ処理によってレンズ表面に生じたラジカルが装用時にも残存している可能性もあり、眼用レンズとしてあまり好ましくない。
【0005】
特開平10−24097号公報では軟質眼用レンズ表面の粘着性を改質するため、重合成分中に熱重合開始剤と光重合開始剤を混在させ、熱により成形体を重合した後、光照射を行う方法がとられている。しかしながら、この方法では熱重合によるレンズ成形体の製造の後、更にレンズ成形体に光照射を行うというものであり、作業工程が繁雑になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、軟質アクリル材料自体の表面粘着性が小さく、強度に優れ、かつ眼用レンズとして好適な柔軟性及び形状回復性を兼ね備えた軟質眼用レンズを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高級不飽和脂肪酸のトリマー酸トリメタクリレートを5〜20重量部と、フェノキシエチルアクリレートとトリフルオロエチルアクリレートと2−エチルへキシルアクリレートとの組合せ、オクチルアクリレートとトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレートとn−ブチルアクリレートとの組合せ及びトリフルオロエチルアクリレートとトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレートと2−エチルへキシルアクリレートとの組合せからなる一群から選択されるアクリレートを80〜90重量部と、を含む混合物を均一になるように撹拌し、該撹拌したものを鋳型に注入して成形体を得ることを特徴とする軟質眼用レンズである。
【0008】
本発明は、高級不飽和脂肪酸のトリマー酸トリメタクリレートを5〜20重量部と、高級不飽和脂肪酸のダイマー酸ジメタクリレートを5〜10重量部と、フェノキシエチルアクリレートとトリフルオロエチルアクリレートと2−エチルへキシルアクリレートとの組合せ、フェノキシエチルアクリレートとトリフルオロエチルアクリレートとトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレートとの組合せ、オクチルアクリレートとテトラフルオロプロピルアクリレートとエチルアクリレートとの組合せ及びテトラフルオロプロピルアクリレートとトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレートと2−エチルへキシルアクリレートとの組合せからなる一群から選択されるアクリレートを70〜90重量部と、を含む混合物を均一になるように撹拌し、該撹拌したものを鋳型に注入して成形体を得ることを特徴とする軟質眼用レンズである。
【0009】
本発明は、高級不飽和脂肪酸のトリマー酸トリメタクリレートとアクリレートとを均一になるように撹拌したもの又は高級不飽和脂肪酸のトリマー酸トリメタクリレートと高級不飽和脂肪酸のダイマー酸ジメタクリレートとアクリレートとを均一になるように撹拌したものを、それぞれ前記鋳型に注入して紫外線照射で成形体を得ることを特徴とする軟質眼用レンズである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する高級不飽和脂肪酸のトリマー酸エステル、または高級不飽和脂肪酸のダイマー酸エステルとトリマー酸エステルは、高級不飽和脂肪酸もしくはそのエステルの2量体または3量体を還元処理して得られる多価アルコールを(メタ)アクリルエステル化することによって得られる。
【0011】
本発明で使用する高級不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸等が挙げられ、この他にもオクタデセン酸、エライジン酸、分岐オクタデセン酸、イソオレイン酸、エイコセン酸、ドコセン酸、ウンデシレン酸等が挙げられる。また、高級不飽和脂肪酸のエステルとしては、前記高級不飽和脂肪酸等とメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール等とのエステルが挙げられ、これら高級不飽和脂肪酸またはそのエステルは、単独または2種類以上混合して使用することができる。
【0012】
ダイマー酸またはトリマー酸は、前記高級不飽和脂肪酸またはそのエステルをモンモリロナイト系活性白土を触媒に用いて熱重合する等、一般に行われている公知の製造方法により混合物として得ることができる。
【0013】
ダイマー酸とトリマー酸の分離方法としては、例えば前記合成混合物を減圧蒸留することにより未反応物等を留出させる。その後、ダイマー酸成分を留出させ、更に蒸留を続行させることによりトリマー酸成分を得ることができる。
【0014】
また、その他の分離方法としては、薄膜蒸留法、分子蒸留法、抽出法、クロマト分離法等が挙げられる。
【0015】
得られたダイマー酸またはトリマー酸を水素化リチウムアルミニウム等を使用した公知の還元操作によりアルコール化し、次いでアルコール化したダイマー酸またはトリマー酸と(メタ)アクリル酸とをエステル化反応させることにより、本発明で使用する下記式(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)で示されるダイマー酸エステル、または下記式(1)、(2)及び(3)で示される化合物と下記式(6)で示される化合物とが各々の不飽和結合部位において反応し結合してなるトリマー酸エステルを得ることができる。
【0016】
【化1】
Figure 0004434397
【0017】
本発明では前記トリマー酸エステルを単独で、または前記ダイマー酸エステルとトリマー酸エステルの任意の割合のものを使用する。
【0018】
一般に、アクリル系ポリマーは柔軟であればあるほど粘着性が増大する傾向にあるが、材料成分を架橋すると、粘着性は大幅に減少することが知られている。粘着性が減少すると汚れの物理的付着量も少なくなり、またレンズの取り扱いも容易になる。前記トリマー酸エステル、またはダイマー酸エステルとトリマー酸エステルを使用することにより、軟質アクリル材料として充分な柔軟性を持たせつつ架橋効果をもたらすことが可能であり、更に材料表面エネルギーを低くなるため大幅な粘着性の減少をもたらす。また、適度な架橋効果により形状回復性も向上する。
【0019】
高級不飽和脂肪酸のダイマー酸エステル及びトリマー酸エステルは、ステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖状のアルキル(メタ)アクリレートと同程度の極性を示すものであるが、分子中に分岐鎖状構造や環状構造を有し、更にラジカル重合性の官能基を2つあるいは3つ有しているため、同程度の炭素数を有する直鎖状アルキル(メタ)アクリレートより機械的強度が大きくなり、眼用レンズ材料として大変好ましい。また、ダイマー酸単独で使用するよりも、分子中の分岐鎖状構造や環状構造が複雑でラジカル重合性の官能基も多いトリマー酸を単独で、あるいはダイマー酸と混合して使用することにより、更に機械的強度に優れた眼用レンズとなり得る。
【0020】
以上のことは、ダイマー酸エステルを単独で使用した場合にも期待できる効果であるが、より架橋効果が高く、分子中の分岐鎖状構造や環状構造がより複雑なトリマー酸エステルを単独で、またはダイマー酸エステルと組み合わせて使用することで、より柔軟で、表面粘着性が小さく、形状回復性及び機械的強度に優れた眼用レンズ材料とすることが可能になる。
【0021】
高級不飽和脂肪酸のトリマー酸エステル、または高級不飽和脂肪酸のダイマー酸エステルとトリマー酸エステルの使用量は、好ましくは共重合体100重量部中1〜40重量部、より好ましくは5〜30重量部である。
【0022】
本発明で使用するアルキルアクリレートの具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、トリメチルシクロヘキシルアクリレート、t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、トリデシルアクリレート、テトラデシルアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、3−メチルトリデシルアクリレート、6−メチルトリデシルアクリレート、7−メチルトリデシルアクリレート、2,11−ジメチルドデシルアクリレート、2,7−ジメチル−4,5−ジエチルオクチルアクリレート、ペンタデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、i−ステアリルアクリレート、アリルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、イソボニルアクリレート等の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキルアクリレートが挙げられる。
【0023】
前記アクリレートの他に、耐汚染性の向上のためにフッ素原子含有アルキルアクリレートを使用することができる。一般に、フッ素原子含有アルキルアクリレートは材料表面エネルギーを低下させるため、粘着性を減少させる成分として使用する。しかし、本発明ではフッ素原子含有アルキルアクリレートを使用しなくても充分に粘着性が減少するため、耐汚染性の向上を目的として使用する。具体例としては、トリフルオロエチルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、テトラフルオロペンチルアクリレート、ヘキサフルオロビス(トリフルオロメチル)ペンチルアクリレート、ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、ヘプタフルオロブチルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、ノナフルオロペンチルアクリレート、ドデカフルオロオクチルアクリレート、トリデカフルオロオクチルアクリレート、トリデカフルオロヘプチルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、オクタデカフルオロウンデシルアクリレート、エイコサフルオロドデシルアクリレート等が挙げられる。
【0024】
前記各種アルキルアクリレートは、目的に応じて単独で、または2種以上を適宜混合して使用することができる。これらアルキルアクリレートの使用量は、好ましくは共重合体100重量部中30〜90重量部である。
【0025】
更に、目的とする眼用レンズの用途及び要求される性質に応じて、各種共重合成分を使用することができる。
【0026】
コンタクトレンズとして酸素透過性を向上させるためには、シリコン原子含有量が10〜50%でラジカル重合性官能基を分子中に少なくとも1個有する単量体を使用する。具体例としては、ペンタメチルジシロキサニルメチル(メタ)アクリレート、ペンタメチルジシロキサニルプロピル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、イソブチルヘキサメチルトリシロキサニルメチル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルメチル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロール(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロール(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、2−メチル−4−トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、トリメチルシリルスチレン、2−メチル−4−トリメチルシリルスチレン、ペンタメチルジシロキサニルスチレン、2−メチル−4−ペンタメチルジシロキサニルスチレン、ヘプタメチルトリシロキサニルスチレン、2−メチル−4−ヘプタメチルトリシロキサニルスチレン、ノナメチルテトラシロキサニルスチレン、2−メチル−4−ノナメチルテトラシロキサニルスチレン、ペンタデカメチルヘプタシロキサニルスチレン、2−メチル−4−ペンタデカメチルヘプタシロキサニルスチレン、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルスチレン、2−メチル−4−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルスチレン、(トリメチルシロキシ)(ペンタメチルジシロキシ)メチルシリルスチレン、2−メチル−4−(トリメチルシロキシ)(ペンタメチルジシロキシ)メチルシリルスチレン、トリス(ペンタメチルジシロキシ)シリルスチレン、2−メチル−4−トリス(ペンタメチルジシロキシ)シリルスチレン、(トリス(トリメチルシロキシ)シロキサニル)(ビス(トリメチルシロキシ))シリルスチレン、2−メチル−4−(トリス(トリメチルシロキシ)シロキサニル)(ビス(トリメチルシロキシ))シリルスチレン、(ビス(ヘプタメチルトリシロキシ))メチルシリルスチレン、2−メチル−4−(ビス(ヘプタメチルトリシロキシ))メチルシリルスチレン、トリス(トリス(トリメチルシロキシ)シロキシ)シリルスチレン、2−メチル−4−トリス(トリス(トリメチルシロキシ)シロキシ)シリルスチレン等が挙げられる。これらシリコン系単量体の使用量は、好ましくは共重合体100重量部中5〜80重量部、より好ましくは30〜60重量部である。
【0027】
得られるコンタクトレンズに親水性を付与するためには、共重合成分として(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン等の親水性単量体を使用することができ、また機械的強度を更に向上させるためには、ウレタン結合を有するラジカル重合性の(メタ)アクリレートを使用することができる。更には目的とした柔軟性、強度等に応じて直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキルメタクリレートや、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の各種多官能(メタ)アクリレート等も使用することができる。ただし、前記多官能(メタ)アクリレートは、高級不飽和脂肪酸のダイマー酸エステル及びトリマー酸エステルと異なり、配合量が多くなると目的とした軟質眼用レンズに必要な柔軟性や弾力性を損ない易いことから、共重合体100重量部中3重量部以下で使用することが好ましい。
【0028】
また、前記共重合成分と、前記トリマー酸エステル、またはダイマー酸エステルとトリマー酸エステルとの適宜組み合わせにより、低比重の軟質眼用レンズを製造することが可能である。
【0029】
本発明における共重合は、熱重合や紫外線重合が可能である。開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2′−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキシビバレート、ビス(4−ターシャリーブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、α,α′−ビス(ターシャリーブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ターシャリーブチルペルオキシ)ヘキサン等が挙げられる。
【0030】
更に、高エネルギー放射線等を照射する放射線重合も本発明の範囲内である。
【0031】
重合はあらかじめレンズ形状に調節されている型中に重合開始剤を含む単量体混合物を注入して重合することも可能であるし、チューブ状の型中で重合をした後に目的とするレンズ形状に切削及び研磨を施す方法も可能である。本発明の眼用レンズを眼内レンズに適用するならば、レンズ成形後にレンズ部にレンズ支持部を取り付けることも可能であるし、レンズ部と支持部を一体的に成形することも可能である。
【0032】
本発明では軟質眼用レンズ表面の親水性及び耐汚染性を更に向上するために、表面親水化処理を施すことが可能である。親水化処理においてはプラズマ、紫外線、電子線、熱等を利用することが可能である。
【0033】
本発明の眼用レンズには紫外線吸収剤を導入することが可能である。
【0034】
紫外線吸収剤の具体例としては、2−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリロイルオキシ−5−t−ブチルベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシメチル安息香酸フェニル等が挙げられる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
【0036】
(合成例)
オレイン酸メチル75重量部、リノール酸メチル15重量部、ステアリン酸メチル9重量部を含有してなる高級不飽和脂肪酸メチルエステルを原料とし、触媒としてモンモリロナイト系活性白土8重量部を用いて、耐熱容器中で230℃、5時間二量化及び三量化反応を行った。次いで反応生成液から触媒をろ過して除去した後、230℃、133.32Pa(1mmHg)で減圧蒸留を行い未反応物等を留出させた。その後残留分を230℃、13.332Pa(0.1mmHg)条件下で分子蒸留することによりダイマー酸ジメチルエステルを得、蒸留残物としてトリマー酸トリメチルエステルを得た。
【0037】
分離して得られたダイマー酸ジメチルエステル、トリマー酸トリメチルエステルをジエチルエーテルで希釈し、該希釈液を水素化リチウムアルミニウムを分散させたジエチルエーテル溶液に5mL/min.の速度で滴下した。このとき、反応系の温度は30℃に保持しながら行った。滴下終了後1時間放置し、その後反応液に純水を滴下して加え、続いて氷を入れた容器中にゆっくりと移し替えた。更に、そこへ10重量%硫酸水溶液を加え、続いてジエチルエーテルを適量加えてエーテル層を抽出し、廃液が中性になるまで純水で洗浄後、溶媒を減圧留去してダイマージオール、トリマートリオールを得た。
【0038】
得られたダイマージオール、トリマートリオールと、メタクリル酸、p−メトキシフェノール、酸触媒であるp−トルエンスルフォン酸とを、シクロヘキサンを溶媒として三口フラスコ内で攪拌しながら90℃で6時間エステル化反応させた。この間、エステル化反応に伴って生成した水を除去しながら反応を続けた。反応終了後1時間放置し、次いで反応生成物を適量のジエチルエーテルに溶解して、10重量%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、水層を分離除去した。次いで10重量%炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、水層を分離除去後、エーテル層を廃液が中性になるまで純水で洗浄した。洗浄後水層を分離除去し、残ったエーテル層中に硫酸マグネシウムを入れ一晩静置することにより、エーテル層中から水分を完全に除去した。その後エーテル層中の硫酸マグネシウムをろ過して取り除き、次いで溶媒を減圧留去して、本発明で使用するダイマー酸ジメタクリレート(DiMA)、トリマー酸トリメタクリレート(TriMA)を得た。
【0039】
(実施例1)
トリマー酸トリメタクリレート(TriMA)、ダイマー酸ジメタクリレート(DiMA)、トリフルオロエチルアクリレート(3FEA)、フェノキシエチルアクリレート(POA)、2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)及び2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(HMB)を表1に示すように調製し、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンを0.2重量部混合した。
【0040】
前記各成分を均一になるように充分撹拌した後、直径6mm、厚さ1mmのポリプロピレン製鋳型内に注入した。かかる鋳型に紫外線を照射し成形体を得た。
【0041】
かかるレンズ成形体について、レンズ形状回復性及び表面の粘着性について以下の方法に基づき評価し、評価結果を表1に示した。
【0042】
評価
・形状回復性及びレンズ表面の粘着性
レンズ成形体を4つ折りにした上に500gの重りをのせ1分間保持、その後重りを外しその時の挙動により評価した。
【0043】
[レンズ形状回復性]
○:10秒以内でもとの形状に戻る。
【0044】
△:1時間以内でもとの形状に戻る。
【0045】
×:形状回復不可能である。
【0046】
[レンズ表面粘着性]
○:レンズ同士粘着しない。
【0047】
△:レンズ同士粘着するが容易に剥離できる。
【0048】
×:レンズ同士完全に粘着し剥離できない。
【0049】
(実施例2〜7)
表1に示すような組成の混合物を用い、実施例1と同様にして眼用レンズ成形体を得た。かかる成形体につきレンズ形状回復性及び表面の粘着性について評価した結果を表1に合わせて示す。
【0050】
(比較例1〜7)
トリマー酸エステルを使用しない代わりに、ダイマー酸エステル(DiMA)、エチレングリコールジメタクリレート(ED)またはヒドロキシプロピレングリコールアクリレートメタクリレート(GAMA)を用い、他の組成及び工程は実施例1と同様にして眼用レンズ成形体を得た。かかる成形体につきレンズ形状回復性及び表面の粘着性について評価した結果を表1に合わせて示す。
【0051】
【表1】
Figure 0004434397
【0052】
表1から高級不飽和脂肪酸のトリマー酸エステル、または高級不飽和脂肪酸のダイマー酸エステルとトリマー酸エステルを使用した眼用レンズ成形体は、レンズ表面の粘着性が小さく、また形状回復性に優れていることがわかる。
【0053】
【発明の効果】
本発明は、非粘着性及び強度に優れ、柔軟性及び形状回復性を兼ね備えた軟質眼用レンズを可能にした。

Claims (3)

  1. 高級不飽和脂肪酸のトリマー酸トリメタクリレートを5〜20重量部と、フェノキシエチルアクリレートとトリフルオロエチルアクリレートと2−エチルへキシルアクリレートとの組合せ、オクチルアクリレートとトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレートとn−ブチルアクリレートとの組合せ及びトリフルオロエチルアクリレートとトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレートと2−エチルへキシルアクリレートとの組合せからなる一群から選択されるアクリレートを80〜90重量部と、を含む混合物を均一になるように撹拌し、該撹拌したものを鋳型に注入して成形体を得ることを特徴とする軟質眼用レンズ。
  2. 高級不飽和脂肪酸のトリマー酸トリメタクリレートを5〜20重量部と、高級不飽和脂肪酸のダイマー酸ジメタクリレートを5〜10重量部と、フェノキシエチルアクリレートとトリフルオロエチルアクリレートと2−エチルへキシルアクリレートとの組合せ、フェノキシエチルアクリレートとトリフルオロエチルアクリレートとトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレートとの組合せ、オクチルアクリレートとテトラフルオロプロピルアクリレートとエチルアクリレートとの組合せ及びテトラフルオロプロピルアクリレートとトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレートと2−エチルへキシルアクリレートとの組合せからなる一群から選択されるアクリレートを70〜90重量部と、を含む混合物を均一になるように撹拌し、該撹拌したものを鋳型に注入して成形体を得ることを特徴とする軟質眼用レンズ。
  3. 請求項1に記載の、高級不飽和脂肪酸のトリマー酸トリメタクリレートとアクリレートとを均一になるように撹拌したもの又は請求項2に記載の、高級不飽和脂肪酸のトリマー酸トリメタクリレートと高級不飽和脂肪酸のダイマー酸ジメタクリレートとアクリレートとを均一になるように撹拌したものを、それぞれ前記鋳型に注入して紫外線照射で成形体を得ることを特徴とする請求項1又は2に記載の軟質眼用レンズ。
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