JP4434255B2 - 補正定数算出システムならびに補正定数算出方法 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施形態に係る補正定数算出システムの構成図である。図1の補正定数算出システム1は、電流検出装置3の電流検出部34における検出結果を補正するための補正定数Htを決定する際に用いられる。本実施形態に係る補正定数算出システム1は、電流検出装置3の生産ライン時、即ち電流検出装置3が完成して出荷される前に用いられる場合を例に取る。このような補正定数算出システム1は、図1に示すように、モータ装置2と、電流検出装置3と、パワーメータ4と、補正定数算出装置(補正定数算出部に相当)5とを備える。
モータ装置2は、モータ21、モータドライバ22(モータ駆動部に相当)、及びインターフェース23を含む。
電流検出装置3は、ファンの風量制御において用いられるモータ電流Imを求めるためのものであって、電流検出装置3の各種配線31〜33によりインターフェース37を介してモータ装置2と接続されている。
モータ用電源装置30a及び駆動用電源装置30bは、それぞれモータ21供給用の電源(以下、モータ用電源という)及びモータドライバ22供給用の電源(以下、駆動用電源という)を生成する。ここで、モータ用電源装置30a及び駆動用電源装置30bの種類としては、ドロッパー方式の電源やスイッチング電源等が挙げられる。
モータ用電源配線31は、モータ用電源装置30aの出力からインターフェース37を介してモータ装置2のインターフェース23にまで延びており、モータ用電源装置30aから出力されたモータ用電源が印加される。そして、このモータ用電源は、インターフェース23及びモータ21の電源ラインを介してモータ21に印加される。従って、モータ用電源配線31上には、モータ電流Imが流れる。
駆動用電源配線32は、駆動用電源装置30bの出力からインターフェース37を介してモータ装置2のインターフェース23にまで延びており、駆動用電源装置30bから出力された駆動用電源が印加される。そして、この駆動用電源は、インターフェース23及びモータドライバ22の電源ラインを介してモータドライバ22に印加される。従って、駆動用電源配線32上には、モータドライバ22に通電される駆動電流Idが流れる。
GND配線33は、各種電源装置30a,30bのGNDからインターフェース37を介してモータ装置2のインターフェース23にまで延びている。そして、GND配線33は、インターフェース23とモータ装置2内部のGNDラインとを介してモータ21及びモータドライバ22のGNDと接続されている。従って、モータ21が回転している場合、GND配線33上には、モータ21及びモータドライバ22それぞれに通電された後のモータ電流Im及び駆動電流Idが流れる(図2の区間D。特に、区間B)。一方で、モータ21が回転していない場合、モータ21にはモータ電流Imが通電されていないがモータドライバ22には駆動電流Idが通電されているため、GND配線33上には、駆動電流Idのみが流れる(図2の区間A)。
電流検出部34は、GND配線33上を流れるGND電流Igを検出する。より具体的には、電流検出部34は、モータ21が回転している場合には、モータ電流Im及び駆動電流Idを検出し(図2の区間D。特に、区間B)、モータ21が回転していない場合には、駆動電流Idを検出する(図2の区間A)。
メモリ35は、補正定数算出装置5により算出された補正定数Htを記憶することができる。メモリ35の種類としては、フラッシュメモリやEEPROM等の不揮発性メモリが挙げられる。
マイクロコンピュータ36は、主として、CPUと、CPUが読み出して実行するための各種プログラムを格納するROMと、CPUがプログラムを実行する際のワークメモリとして機能するRAMとで構成されている。
パワーメータ4は、補正定数Htの算出が行われる際(即ち、電流検出装置3の出荷前)、図1に示すようにモータ用電源配線31に接続され、モータ用電源配線31上を流れるモータ電流Imを測定する。そして、パワーメータ4は、補正定数算出装置5とも接続されており、測定した測定結果を補正定数算出装置5に出力する。
補正定数算出装置5は、図1に示すように、出荷前の電流検出装置3及びパワーメータ4と接続されており、補正定数Htの算出を行うと共に、算出した補正定数Htを電流検出装置3のメモリ35内に書き込む。即ち、補正定数算出装置5は、補正定数Htの算出動作及びメモリ35への書き込み動作を、電流検出装置3の出荷前に行う。このような補正定数算出装置5は、電流検出装置3のマイクロコンピュータ36とは別のマイクロコンピュータやインターフェース等で構成されている。
(a)モータ21が回転している時の、電流検出部34の検出結果DIon
(b)モータ21が回転している時の、パワーメータ4の測定結果MIon
(c)モータ21が回転していない時の、電流検出部34の検出結果DIoff
Ht=MIon/(DIon−DIoff) ・・・(1)
次に、補正定数算出システム1による補正定数算出方法の全体的な流れについて、図4を用いて説明する。尚、以下の動作は、電流検出装置3の出荷前、具体的には組み立てられた後の電流検出装置3がモータ装置2に接続された状態で行われるものとする。また、パワーメータ4等の各種装置の接続動作は、補正定数算出システム1の利用者により行われるとする。
(A)
本実施形態に係る補正定数算出システム1及び補正定数算出方法によると、電流検出装置3には、パワーメータ4及び補正定数算出装置5に加えてモータ装置2が接続された状態で、補正定数算出装置5により補正定数Htが算出される。ここで、パワーメータ4の測定動作及び電流検出部34の検出動作が、モータ21の回転時に行われるとすると、補正定数Htは、モータ21の回転時における電流検出部34の検出結果及びパワーメータ4の測定結果が用いられる。これにより、実際のモータ21のバラツキに合致した補正定数Htが得られるため、電流検出部34による検出結果を適切に補正することができる。
また、補正定数算出システム1及び補正定数算出方法によると、補正定数算出装置5による補正定数Htの算出動作及び書き込み動作は、電流検出装置3の出荷前に行われる。これにより、出荷された電流検出装置3のメモリ35には、実際のモータ21のバラツキに合致した補正定数Htが既に書き込まれている。そのため、電流検出装置3がモータ21の電流検出用として実際に用いられる場合、メモリ35内の補正定数Htを用いて電流検出部34の検出結果を補正することができる。従って、精度の良い検出結果を得ることができる。
モータ21が回転していない場合(即ち、モータの回転数が約0rpmの時)、モータ電流Imは略0Aとなるため、パワーメータ4の測定結果は略0Aとなり、電流検出部34の検出結果DIoffのうちモータ電流Imは略0Aとなる。そこで、実際のモータ21のバラツキに合致した補正定数Htを算出する際、略0Aのパワーメータ4の測定結果を用いずに、モータ21が回転している時の電流検出部34の検出結果DIon及びパワーメータ4の測定結果MIonと、モータ21が回転していない時の電流検出部34の検出結果DIoffとを用いる。従って、補正定数Htの算出に用いるパラメータを少なくすることができ、補正定数の算出が容易になる。
また、補正定数算出システム1及び補正定数算出方法では、電流検出装置3と接続されるモータとして、モータドライバ22と共にモータ装置2に内蔵されているモータ21を利用することができる。この場合においても、モータ21のバラツキを合わせ込むことができる補正定数Htが算出され、電流検出装置3のメモリ35内に書き込まれるため、補正定数Htを用いて電流検出部34の検出結果を補正し、精度の良い検出結果を得ることができる。
(a)
上記実施形態では、電流検出装置3が、モータ21とモータドライバ22とを含むモータ装置2に接続される場合について説明した。しかし、本発明に係る電流検出装置の用途は、これに限定されない。例えば、図5に示すように、電流検出装置3が、それぞれ個別に設けられているモータドライバ22'及びモータ21'に接続されている場合にも適用できる。
上記実施形態では、図1に示すように、補正定数Htを算出する補正定数算出装置5が、電流検出装置3やパワーメータ4とは個別に設けられている場合について説明した。しかし、補正定数算出装置5は、例えば図6に示すように、電流検出装置3と共にプリント基板P1上に実装されていてもよい。
上記実施形態では、パワーメータ4のモータ用電源配線31への接続や補正定数算出装置5の電流検出部34及びパワーメータ4への接続は、補正定数算出システム1を利用する利用者によりなされる場合について説明した。しかし、これらの接続動作は、利用者により行われるのではなく、自動で行われても良い。この場合、接続動作の制御を例えば補正定数算出装置5が行うことで実現できる。
上記実施形態では、電流検出装置3のマイクロコンピュータ36とは別の制御部(図示せず)が、モータ21の回転開始及び回転停止等の制御を行う場合について説明した。しかし、これらのモータ21の各制御は、別の制御部が行うのではなく、マイクロコンピュータ36が行っても良い。
上記実施形態では、モータ21が回転している時の電流検出部34の検出結果DIon及びパワーメータ4の測定結果MIonと、モータ21が回転していない時の電流検出部34の検出結果DIoffとの、3つの結果に基づいて補正定数Htが算出される場合について説明した。しかし、補正定数Htが算出される際に用いられる結果は、3つ以上であってもよい。例えば、補正定数算出装置5は、モータ21が3種類の異なる回転数で回転している時の、電流検出部34の検出結果及びパワーメータ4の測定結果(即ち、6つの結果)をそれぞれ用いて補正定数Htを算出してもよい。
上記実施形態では、補正定数Htを算出する動作が、電流検出装置3の出荷前(具体的には、生産ライン)の過程において行われる場合について説明した。しかし、補正定数Htを算出する動作が行われる時期は、これに限定されない。本発明に係る補正定数Htを算出する動作は、例えば電流検出装置3やモータ装置2のメンテナンス時などに行われても良い。
2 モータ装置
3 電流検出装置
4 パワーメータ
5 補正定数算出装置
21 モータ
22 モータドライバ
23 インターフェース
30a モータ用電源装置
30b 駆動用電源装置
31 モータ用電源配線
32 駆動用電源配線
33 GND配線
34 電流検出部
35 メモリ
36 マイクロコンピュータ
37 インターフェース
Rs シャント抵抗
OP1 オペアンプ
Im モータ電流
Id 駆動電流
Ig GND電流
DIon モータが回転している場合の検出結果
DIoff モータが回転していない場合の検出結果
MIon モータが回転している場合の測定結果
Ht 補正定数
Claims (6)
- モータ(21)と、
前記モータ(21)に通電されるモータ電流が流れる配線(31)と、少なくとも前記モータ電流を検出可能な電流検出部(34)と、前記電流検出部(34)の検出結果を補正するための補正定数を記憶可能な記憶部(35)とを有し、前記モータ(21)に接続された電流検出装置(3)と、
前記配線(31)に接続され、前記配線(31)上を流れる前記モータ電流を測定するパワーメータ(4)と、
前記モータ(21)が回転している時の前記電流検出部(34)の検出結果及び前記パワーメータ(4)の測定結果と、前記モータ(21)が回転していない時の前記電流検出部(34)の検出結果とに基づいて前記補正定数を算出し、算出した前記補正定数を前記記憶部(35)に書き込む補正定数算出部(5)と、
を備える、補正定数算出システム(1)。 - 前記補正定数算出部(5)は、前記補正定数の算出及び書き込み動作を前記電流検出装置(3)の出荷前に行う、
請求項1に記載の補正定数算出システム(1)。 - 前記モータ(21)は、前記モータ(21)を駆動するためのモータ駆動部(22)と共にモータ装置(2)に含まれている、
請求項1または2に記載の補正定数算出システム(1)。 - モータ(21)に通電されるモータ電流が流れる配線(31)と、少なくとも前記モータ電流を検出可能な電流検出部(34)と、前記電流検出部(34)の検出結果を補正するための補正定数を記憶可能な記憶部(35)とを有し前記モータ(21)に接続された電流検出装置(3)において、前記補正定数を算出する補正定数算出方法であって、
前記配線(31)にパワーメータ(4)を接続し、前記配線(31)上を流れる前記モータ電流を測定する測定ステップと、
前記モータ(21)が回転している時の前記電流検出部(34)の検出結果及び前記パワーメータ(4)の測定結果と、前記モータ(21)が回転していない時の前記電流検出部(34)の検出結果とに基づいて前記補正定数を算出する算出ステップと、
前記算出ステップにおいて算出した前記補正定数を前記記憶部(35)に書き込む書き込みステップと、
を備える、補正定数算出方法。 - 前記測定ステップ、前記算出ステップ及び前記書き込みステップを、前記電流検出装置(3)の出荷前に行う、
請求項4に記載の補正定数算出方法。 - 前記モータ(21)は、前記モータ(21)を駆動するためのモータ駆動部(22)と共にモータ装置(2)に含まれている、
請求項4または5に記載の補正定数算出方法。
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