以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明に係る高分子化合物は、珪素を含有する繰り返し単位と、下記一般式(1)、(2)又は(3)で示される置換基を有する繰り返し単位を含有することを特徴とする。
(式中、A
1はフランジイル、テトラヒドロフランジイル又はオキサノルボルナンジイルから選ばれる2価の基を示す。R
1、R
2はそれぞれ独立に炭素数1〜10、特に1〜8の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。又は、R
1とR
2は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成してもよい。R
3は水素原子又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10、特に1〜8の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
4a、R
4bはそれぞれ単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基もしくはアルケニレン基であるが、R
4aとR
4bとの合計炭素数は3〜6である。)
ここで、R1、R2の炭素数1〜10の1価炭化水素基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキル基等が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。また、R1、R2及びこれらが結合する炭素原子が結合して形成する脂肪族炭化水素基としては、炭素数3〜12、特に3〜10の2価の単環、特にシクロアルキレン基、ノルボルニレン基等が挙げられる。
また、R3のヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキル基や、その水素原子の1個又は2個以上が水酸基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、アセトキシ基等のアシル基等で置換された基を挙げることができる。
上記式(1)〜(3)の置換基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(4)〜(8)の繰り返し単位であることが好ましい。
[式中、R
5は水素原子又はメチル基であり、mは0又は1である。Aは下記式(1a)、(2a)、(3a)から選ばれる基であり、複数のAは互いに同一であっても異なっていてもよい。
(但し、A
1、R
1〜R
3、R
4a、R
4bは上記の通りである。)]
上記式(4)〜(8)の繰り返し単位は、それぞれ対応するモノマーから得られるが、ここで用いるモノマーは、7−オキソノルボルナン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン骨格を含むことが特徴である。
特に、7−オキソノルボルナンの親水性は非常に高く、ノルボルナンとは大きな差がある。橋頭位に当たる7位は、立体的に歪みがかかり、酸素原子のローンペアが環の外側に向くために極性が高まり、親水性が高まっていると考えられる。
下記に上記式(4)〜(8)の繰り返し単位を形成するモノマーを例示する。なお、下記式において、Meはメチル基、Acはアセチル基を示す。
物質の溶解性パラメータとして、n−オクタノール/水の分配係数;LogPが使われている。これは、オクタノールと水の最大溶解濃度の比である。LogPが特に医薬にとって重要であると最初に発表したのは、Pomona大学のHansch教授である。以降様々な物質のLogPが測定されている。
一方、化学構造式から置換基定数πを用いてLogPを計算するcLogPはHansch教授と共に研究していたDr.Leoによって開発され、Daylight社によって上市されている。cLogPはLogPの値を計算によって簡便に予測する方法として用いられている。
前記Daylight社製のソフトウェアpcmodelsを用い計算した結果を下記に示す。ここで、ソフトウェアのバージョンとしては4.7.2を用いた。
LogPあるいはcLogPの値が低いほど水に対する溶解性が高く、親水性が高いことを示す。下記の結果より、7−オキソノルボルナン環による親水性向上効果が示されている。
一方、珪素を含む繰り返し単位としては、下記一般式(9)又は(18)で示されるものが好ましい。
[式中、R
5は水素原子又はメチル基であり、R
6は下記一般式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)の中から選ばれる珪素含有基である。
(R
7、R
8、R
15は水素原子、又は炭素数1〜10、特に1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
16、R
17、R
18は炭素数1〜10、特に1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、トリアルキルシリル基、又は式中の珪素原子とシロキサン結合もしくはシルアルキレン結合している珪素含有基である。また、R
7とR
8とは、これらが結合する炭素原子と共に結合して炭素数3〜10、特に3〜8の脂肪族炭素環を形成してもよい。更に、R
9とR
10、R
9とR
11、R
10とR
11、R
12とR
13、R
12とR
14、R
13とR
14、R
16とR
17、R
16とR
18、R
17とR
18は、互いに結合してこれらが結合する珪素原子と共に珪素原子数3〜10、特に4〜8のポリシロキサン環を形成してもよい。)
(R
29、R
30、R
31は炭素数1〜20、特に1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、R
19、R
20、R
23、R
24、R
27、R
28、R
32、R
33、R
36、R
37、R
40、R
41、R
42は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、R
21、R
22、R
25、R
26、R
34、R
35、R
38、R
39は水素原子、炭素数1〜20、特に1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、フッ素化した炭素数1〜20、特に1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又は炭素数6〜20、特に6〜10のアリール基であり、p、q、r、sは0〜10、特に0〜8の整数で、1≦p+q+s≦20、特に1≦p+q+s≦10を満足する。)
(R
43は炭素数2〜4のアルキレン基、R
44、R
45、R
46は炭素数1〜10、特に1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基であり、tは2≦t≦10、特に2≦t≦6の整数である。)
(R
48〜R
54は独立に水素原子、炭素数1〜10、特に1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又はフッ素化されたアルキル基であり、エーテル、ラクトン、エステル、ヒドロキシ基又はシアノ基を含んでいてもよい。R
47は単結合、あるいは一般式(17)で示される連結基である。R
55、R
56は炭素数1〜10、特に1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、R
57は単結合、酸素原子、又は炭素数1〜4のアルキレン基である。uは1〜20、特に1〜10の整数である。)]
(式中、R
58、R
59、R
60は水素原子、又は炭素数1〜10、特に1〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、R
61は単結合、又は炭素数1〜10、特に1〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、R
62、R
63、R
64は同一又は異種の炭素数1〜20、特に1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基もしくはハロアルキル基、炭素数6〜20、特に6〜10のアリール基、トリアルキルシリル基、又は式中の珪素原子とシロキサン結合もしくはシルアルキレン結合している珪素含有基であり、R
62とR
63、R
62とR
64、R
63とR
64が結合してこれらが結合する珪素原子と共にポリシロキサン環を形成していてもよい。)
この場合、上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ミリスチル基、ステアリル基等が挙げられ、フッ素化等のハロアルキル基としては、これらのアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子等のハロゲン原子で置換された基が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。アルキレン基としては、上記アルキル基から水素原子が1個脱離した基が挙げられる。トリアルキルシリル基としては、各アルキル基が炭素数1〜6であるもの、例えばトリメチルシリル基が挙げられる。
また、珪素原子とシロキサン結合もしくはシルアルキレン結合している珪素含有基としては、下記式
−W−(SiR2−W)v−SiR3
(但し、WはO又はCH2を示し、Rは炭素数1〜10、特に1〜6のアルキル基又はアリール基を示し、vは0〜10、特に0〜6の整数である。)
で示される基が挙げられる。
なお、SiR3で示されるトリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基等が挙げられる。
更に、ポリシロキサン環としては、下記のものが挙げられる。
(但し、Rは上記と同様であり、wは2〜10、特に3〜6の整数である。)
ここで、上記一般式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)で示される珪素含有基は酸不安定基として作用するものである。
一般式(10)、(11)、(12)として具体的には、下記式(10)−1〜(10)−16、(11)−1、(12)−1に示すものを挙げることができる。
また、一般式(13)あるいは(14)で表される環状の珪素含有酸不安定基としては、下記式(13)−1〜(13)−6、(14)−1〜(14)−6を例示することができる。
一般式(15)で示される珪素含有基としては、下記式(15)−1〜(15)−3を例示することができる。
一般式(16)で示される珪素含有基としては、下記式(16)−1〜(16)−18を例示することができる。
一般式(18)に示される珪素含有繰り返し単位としては、下記式(18)−1〜(18)−22を例示することができる。
本発明のレジスト材料に添加される高分子化合物は、一般式(1)乃至(3)で示される酸脱離性基を有するモノマー、及び珪素を含む基をペンダントした(メタ)アクリルモノマー、あるいはビニルシランやアリルシラン誘導体を共重合させることによって得ることができるが、更に酸不安定基を有する従来のモノマー、特には(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸、ノルボルネンカルボキシレートあるいはヒドロキシスチレンの水酸基の水素原子を酸不安定基で置換したモノマーを更に共重合させることもできる。
ここで、酸不安定基としては種々選定されるが、下記一般式(A−1)、(A−2)、(A−3)で示すものを例示することができる。
式(A−1)において、R70は炭素数4〜20、好ましくは4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基又は上記一般式(A−3)で示される基を示し、三級アルキル基として具体的には、tert−ブチル基、tert−アミル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−エチルシクロペンチル基、1−ブチルシクロペンチル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−ブチルシクロヘキシル基、1−エチル−2−シクロペンテニル基、1−エチル−2−シクロヘキセニル基、2−メチル−2−アダマンチル基等が挙げられ、トリアルキルシリル基として具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基等が挙げられ、オキソアルキル基として具体的には、3−オキソシクロヘキシル基、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イル基、5−メチル−2−オキソオキソラン−5−イル基等が挙げられる。aは0〜6の整数である。
式(A−2)において、R71、R72は水素原子又は炭素数1〜18、好ましくは1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基等を例示できる。R73は炭素数1〜18、好ましくは1〜10の酸素原子等のヘテロ原子を有してもよい1価の炭化水素基を示し、直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基等に置換されたものを挙げることができ、具体的には下記の置換アルキル基等が例示できる。
R71とR72、R71とR73、R72とR73とは環を形成してもよく、環を形成する場合にはR71、R72、R73はそれぞれ炭素数1〜18、好ましくは1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。
上記式(A−1)の酸不安定基としては、具体的にはtert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−アミロキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニルメチル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニルメチル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニルメチル基、1−エトキシエトキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基等が例示できる。
更に、下記式(A−1)−1〜(A−1)−9で示される置換基を挙げることもできる。
ここで、R77は互いに同一又は異種の炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基、R78は水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基である。
また、R79は互いに同一又は異種の炭素数2〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基である。
上記式(A−2)で示される酸不安定基のうち、直鎖状又は分岐状のものとしては、下記式(A−2)−1〜(A−2)−23のものを例示することができる。
上記式(A−2)で示される酸不安定基のうち、環状のものとしては、テトラヒドロフラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル基等が挙げられる。
また、一般式(A−2a)あるいは(A−2b)で表される酸不安定基によってベース樹脂が分子間あるいは分子内架橋されていてもよい。
式中、R80、R81は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。又は、R80とR81は結合して環を形成してもよく、環を形成する場合にはR80、R81は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R82は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、b、dは0又は1〜10、好ましくは0又は1〜5の整数、cは1〜7の整数である。A’は、(c+1)価の炭素数1〜50の脂肪族もしくは脂環式飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基又はヘテロ環基を示し、これらの基はヘテロ原子を介在してもよく、又はその炭素原子に結合する水素原子の一部が水酸基、カルボキシル基、カルボニル基又はフッ素原子によって置換されていてもよい。Bは−CO−O−、−NHCO−O−又は−NHCONH−を示す。
この場合、好ましくは、A’は2〜4価の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、アルキルトリイル基、アルキルテトライル基、炭素数6〜30のアリーレン基であり、これらの基はヘテロ原子を介在していてもよく、またその炭素原子に結合する水素原子の一部が水酸基、カルボキシル基、アシル基又はハロゲン原子によって置換されていてもよい。また、cは好ましくは1〜3の整数である。
一般式(A−2a)、(A−2b)で示される架橋型アセタール基は、具体的には下記式(A−2)−24〜(A−2)−31のものが挙げられる。
次に、式(A−3)においてR74、R75、R76は、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基等の1価炭化水素基であり、酸素、硫黄、窒素、フッ素などのヘテロ原子を含んでもよく、R74とR75、R74とR76、R75とR76とは互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に、炭素数3〜20の環を形成してもよい。
式(A−3)に示される三級アルキル基としては、tert−ブチル基、トリエチルカルビル基、1−エチルノルボニル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロペンチル基、2−(2−メチル)アダマンチル基、2−(2−エチル)アダマンチル基、tert−アミル基等を挙げることができる。
また、三級アルキル基としては、下記に示す式(A−3)−1〜(A−3)−18を具体的に挙げることもできる。
上記式(A−3)−1〜(A−3)−18中、R83は同一又は異種の炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又は炭素数6〜20のフェニル基等のアリール基を示す。R84、R86は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R85は炭素数6〜20のフェニル基等のアリール基を示す。
更に下記式(A−3)−19、(A−3)−20に示すように、2価以上のアルキレン基、アリーレン基であるR87を含んで、ポリマーの分子内あるいは分子間が架橋されていてもよい。式(A−3)−19、(A−3)−20中、R83は前述と同様、R87は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、又はフェニレン基等のアリーレン基を示し、酸素原子や硫黄原子、窒素原子などのヘテロ原子を含んでいてもよい。eは1〜3の整数である。
更に、式(A−3)中のR74、R75、R76は酸素、窒素、硫黄などのヘテロ原子を有していてもよく、具体的には下記式(A)−1〜(A)−7に示すものを挙げることができる。
式(A−1)、(A−2)、(A−3)中のR70、R73、R76は、フェニル基、p−メチルフェニル基、p−エチルフェニル基、p−メトキシフェニル基等のアルコキシ置換フェニル基等の非置換又は置換アリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等や、これらの基に酸素原子を有する、あるいは炭素原子に結合する水素原子が水酸基に置換されたり、2個の水素原子が酸素原子で置換されてカルボニル基を形成する上記式(A)−1〜(A)−7で示されるようなアルキル基、あるいは下記式(A)−8、(A)−9で示されるオキソアルキル基を挙げることができる。
また、酸不安定基として用いられる各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基としてはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等が挙げられる。
本発明の珪素含有高分子化合物は、更に上記以外に、密着性を向上させるための置換基を含むモノマーを加えて重合させることができる。密着性向上のためのモノマーとは、無水物、エステル(ラクトン)、カーボネート、アルコール、アミド、ケトンなどの親水性置換基を含むものであり、例えば下記のようなものが挙げられる。
ここで、R90は水素原子、メチル基、又はシアノ基である。
なお、一般式(18)で示される下記繰り返し単位fは、ビニルシラン又はアリルシラン誘導体を重合して得ることができるが、下記繰り返し単位gの無水マレイン酸、マレイミド誘導体と交互共重合することが知られている。
(式中、R
58〜R
64は上記の通りであり、R
f1、R
f2は同一又は異種の水素原子、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基である。ZはO、S、NH、NOH、NCH
3又はNCH
2COO−R
65であり、R
65は炭素数4〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、好ましくは3級アルキル基である。)
上記繰り返し単位gとしては、下記式(g)−1〜(g)−11のものが例示される。
更に、一般式(18)で示される繰り返し単位fは、下記繰り返し単位hと交互共重合することが知られている。
上記式中、R58〜R64は上記の通りである。Y1、Y2、Y3、Y4は、それぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基、又はフッ素置換アルキル基を示し、同一であっても異なっていてもよい。
重合可能な繰り返し単位hとしては、下記式(h)−1〜(h)−8を例示することができる。
上記高分子化合物を製造する場合、一般的には上記モノマー類と溶媒を混合し、触媒を添加して、場合によっては加熱あるいは冷却しながら重合反応を行う。重合反応は開始剤(あるいは触媒)の種類、開始の方法(光、熱、放射線、プラズマなど)、重合条件(温度、圧力、濃度、溶媒、添加物)などによっても支配される。本発明の高分子化合物の重合においては、過酸化物(例えばベンゾイルパーオキサイド)やアゾ化合物(例えばAIBN)などのラジカルによって重合が開始されるラジカル共重合、ナフチルナフタレンやアルキルリチウムなどの触媒を用いたアニオン重合、硫酸やルイス酸触媒を用いたカチオン重合などが一般的である。これらの重合は、その常法に従って行うことができる。
ここで、式(1)〜(3)の置換基を有する繰り返し単位、特に式(4)〜(8)の繰り返し単位のa1、式(9)、(18)の珪素を含有する繰り返し単位のa2を必須とし、加えて上記式(A−1)〜(A−3)等の酸不安定基を有するモノマーに由来する繰り返し単位のa3、密着性を向上させるための置換基を含むモノマーに由来する繰り返し単位のa4、繰り返し単位gのa5、繰り返し単位hのa6を加えることができ、a1〜a6の含有量は下記の通りであることが好ましい。
0.1≦a1/(a1+a2+a3+a4+a5+a6)≦0.85
0.05≦a2/(a1+a2+a3+a4+a5+a6)≦0.8
0≦a3/(a1+a2+a3+a4+a5+a6)≦0.5
0.1≦a4/(a1+a2+a3+a4+a5+a6)≦0.85
0≦a5/(a1+a2+a3+a4+a5+a6)≦0.7
0≦a6/(a1+a2+a3+a4+a5+a6)≦0.7
なお、複数の種類の珪素含有基、あるいは複数の種類の一般式(1)〜(3)で示される酸不安定基を共重合、あるいは異なる珪素含有基あるいは異なる一般式(1)〜(3)で示される密着性基を共重合した複数のポリマー同士のブレンド、あるいは異なる分子量、分散度の複数のポリマーをブレンドすることもできる。
本発明の高分子化合物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)におけるポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜100,000の範囲であり、好ましくは2,000〜50,000の範囲である。分子量分布は1.0〜3.0が好ましく、2.0以下がより好ましく、重合後のポリマーの高分子量成分あるいは低分子成分をカットして1.5以下の狭分散ポリマーにすることはレジスト解像性向上のために好ましい方法である。
本発明の高分子化合物は、レジスト材料のベース樹脂として有効であり、本発明のレジスト材料は、上記高分子化合物を含有する。この場合、本発明のレジスト材料は特には化学増幅型として有効に用いられ、とりわけ化学増幅ポジ型として用いることが好ましい。
この場合、化学増幅ポジ型レジスト材料としては、
(1)上記高分子化合物、
(2)酸発生剤、
(3)有機溶剤
を含有し、好ましくは
(4)溶解阻止剤
を含有し、更に好ましくは
(5)塩基性化合物
を含有することが望ましい。
本発明のレジスト材料に使用される有機溶剤としては、ベース樹脂、酸発生剤、その他の添加剤等が溶解可能な有機溶剤であればいずれでもよい。このような有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、メチル−2−n−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ−ブチルラクトン等のラクトン類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
有機溶剤の使用量は、ベース樹脂100部(質量部、以下同じ)に対して200〜1,000部、特に400〜800部が好適である。
本発明のレジスト材料には、高エネルギー線もしくは電子線に感応して酸を発生する化合物(以下、酸発生剤)、有機溶剤、必要に応じてその他の成分を含有することができる。
本発明で使用される酸発生剤としては、
i.下記一般式(P1a−1)、(P1a−2)又は(P1b)のオニウム塩、
ii.下記一般式(P2)のジアゾメタン誘導体、
iii.下記一般式(P3)のグリオキシム誘導体、
iv.下記一般式(P4)のビススルホン誘導体、
v.下記一般式(P5)のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル、
vi.β−ケトスルホン酸誘導体、
vii.ジスルホン誘導体、
viii.ニトロベンジルスルホネート誘導体、
ix.スルホン酸エステル誘導体
等が挙げられる。
(式中、R
101a、R
101b、R
101cはそれぞれ炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、オキソアルキル基又はオキソアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部がアルコキシ基等によって置換されていてもよい。また、R
101bとR
101cとは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R
101b、R
101cはそれぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を示す。K
-は非求核性対向イオンを表す。)
上記R101a、R101b、R101cは互いに同一であっても異なっていてもよく、具体的にはアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロぺニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。オキソアルキル基としては、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基等が挙げられ、2−オキソプロピル基、2−シクロペンチル−2−オキソエチル基、2−シクロヘキシル−2−オキソエチル基、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−オキソエチル基等を挙げることができる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等や、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基等のアルキルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基等のアルコキシナフチル基、ジメチルナフチル基、ジエチルナフチル基等のジアルキルナフチル基、ジメトキシナフチル基、ジエトキシナフチル基等のジアルコキシナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェニルエチル基、フェネチル基等が挙げられる。アリールオキソアルキル基としては、2−フェニル−2−オキソエチル基、2−(1−ナフチル)−2−オキソエチル基、2−(2−ナフチル)−2−オキソエチル基等の2−アリール−2−オキソエチル基等が挙げられる。K-の非求核性対向イオンとしては塩化物イオン、臭化物イオン等のハライドイオン、トリフレート、1,1,1−トリフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等のフルオロアルキルスルホネート、トシレート、ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンスルホネート等のアリールスルホネート、メシレート、ブタンスルホネート等のアルキルスルホネートが挙げられる。
(式中、R
102a、R
102bはそれぞれ炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R
103は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示す。R
104a、R
104bはそれぞれ炭素数3〜7の2−オキソアルキル基を示す。K
-は非求核性対向イオンを表す。)
上記R102a、R102bとして具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。R103としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、1,4−シクロへキシレン基、1,2−シクロへキシレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,4−シクロオクチレン基、1,4−シクロヘキサンジメチレン基等が挙げられる。R104a、R104bとしては、2−オキソプロピル基、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基、2−オキソシクロヘプチル基等が挙げられる。K-は式(P1a−1)及び(P1a−2)で説明したものと同様のものを挙げることができる。
(式中、R
105、R
106は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。)
R105、R106のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、アミル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としてはトリフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,1−トリクロロエチル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基が挙げられる。ハロゲン化アリール基としてはフルオロフェニル基、クロロフェニル基、1,2,3,4,5−ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
(式中、R
107、R
108、R
109は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。R
108、R
109は互いに結合して環状構造を形成してもよく、環状構造を形成する場合、R
108、R
109はそれぞれ炭素数1〜6の直鎖状、分岐状のアルキレン基を示す。)
R107、R108、R109のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、アラルキル基としては、R105、R106で説明したものと同様の基が挙げられる。なお、R108、R109のアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
(式中、R
101a、R
101bは上記と同様である。)
(式中、R
110は炭素数6〜10のアリーレン基、炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数2〜6のアルケニレン基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルコキシ基、ニトロ基、アセチル基、又はフェニル基で置換されていてもよい。R
111は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は置換のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシアルキル基、フェニル基、又はナフチル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基;炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基;炭素数3〜5のヘテロ芳香族基;又は塩素原子、フッ素原子で置換されていてもよい。)
ここで、R110のアリーレン基としては、1,2−フェニレン基、1,8−ナフチレン基等が、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、フェニルエチレン基、ノルボルナン−2,3−ジイル基等が、アルケニレン基としては、1,2−ビニレン基、1−フェニル−1,2−ビニレン基、5−ノルボルネン−2,3−ジイル基等が挙げられる。R111のアルキル基としては、R101a〜R101cと同様のものが、アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプレニル基、1−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、ジメチルアリル基、1−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基等が、アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、ペンチロキシメチル基、ヘキシロキシメチル基、ヘプチロキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、ペンチロキシエチル基、ヘキシロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、プロポキシプロピル基、ブトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシブチル基、プロポキシブチル基、メトキシペンチル基、エトキシペンチル基、メトキシヘキシル基、メトキシヘプチル基等が挙げられる。
なお、更に置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等が、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基としては、フェニル基、トリル基、p−tert−ブトキシフェニル基、p−アセチルフェニル基、p−ニトロフェニル基等が、炭素数3〜5のヘテロ芳香族基としては、ピリジル基、フリル基等が挙げられる。
具体的には、例えばトリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリメチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、エチレンビス[メチル(2−オキソシクロペンチル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート]、1,2’−ナフチルカルボニルメチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等のオニウム塩。
ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシレンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソアミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−tert−アミルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体。
ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(tert−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(シクロヘキサンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体。
ビスナフチルスルホニルメタン、ビストリフルオロメチルスルホニルメタン、ビスメチルスルホニルメタン、ビスエチルスルホニルメタン、ビスプロピルスルホニルメタン、ビスイソプロピルスルホニルメタン、ビス−p−トルエンスルホニルメタン、ビスベンゼンスルホニルメタン等のビススルホン誘導体。
2−シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−イソプロピルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン等のβ−ケトスルホン誘導体。
p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,4−ジニトロベンジル等のニトロベンジルスルホネート誘導体。
1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン等のスルホン酸エステル誘導体。
N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−オクタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−メトキシベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−クロロエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド−2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドp−トルエンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体等が挙げられるが、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、1,2’−ナフチルカルボニルメチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等のオニウム塩、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体、ビスナフチルスルホニルメタン等のビススルホン誘導体、N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体が好ましく用いられる。
なお、上記酸発生剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。オニウム塩は矩形性向上効果に優れ、ジアゾメタン誘導体及びグリオキシム誘導体は定在波低減効果に優れるため、両者を組み合わせることによりプロファイルの微調整を行うことが可能である。
酸発生剤の添加量は、ベース樹脂100部に対して好ましくは0.1〜50部、より好ましくは0.5〜40部である。0.1部より少ないと露光時の酸発生量が少なく、感度及び解像力が劣る場合があり、50部を超えるとレジストの透過率が低下し、解像力が劣る場合がある。
溶解阻止剤としては、重量平均分子量が100〜1,000、好ましくは150〜800で、かつ分子内にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物の該フェノール性水酸基の水素原子を酸不安定基により全体として平均0〜100モル%の割合で置換した化合物又は分子内にカルボキシ基を有する化合物の該カルボキシ基の水素原子を酸不安定基により全体として平均50〜100モル%の割合で置換した化合物を配合する。
なお、フェノール性水酸基の水素原子の酸不安定基による置換率は、平均でフェノール性水酸基全体の0モル%以上、好ましくは30モル%以上であり、その上限は100モル%、より好ましくは80モル%である。カルボキシ基の水素原子の酸不安定基による置換率は、平均でカルボキシ基全体の50モル%以上、好ましくは70モル%以上であり、その上限は100モル%である。
この場合、かかるフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物又はカルボキシ基を有する化合物としては、下記式(D1)〜(D14)で示されるものが好ましい。
(但し、上記式中R
201、R
202はそれぞれ水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示す。R
203は水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基、あるいは−(R
207)
hCOOHを示す。R
204は−(CH
2)
i−(i=2〜10)、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示す。R
205が炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示す。R
206は水素原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基又はそれぞれ水酸基で置換されたフェニル基又はナフチル基を示す。R
207は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R
208は水素原子又は水酸基を示す。jは0〜5の整数である。u、hは0又は1である。s、t、s’、t’、s’’、t’’はそれぞれs+t=8、s’+t’=5、s’’+t’’=4を満足し、かつ各フェニル骨格中に少なくとも1つの水酸基を有するような数である。αは式(D8)、(D9)の化合物の分子量を100〜1,000とする数である。)
なお、上記化合物の重量平均分子量は100〜1,000、好ましくは150〜800である。溶解阻止剤の配合量は、ベース樹脂100部に対して0〜50部、好ましくは5〜50部、より好ましくは10〜30部であり、単独又は2種以上を混合して使用できる。配合量が少ないと解像性の向上がない場合があり、多すぎるとパターンの膜減りが生じ、解像度が低下する傾向がある。
更に、本発明のレジスト材料には、塩基性化合物を配合することができる。
塩基性化合物としては、酸発生剤より発生する酸がレジスト膜中に拡散する際の拡散速度を抑制することができる化合物が適している。塩基性化合物の配合により、レジスト膜中での酸の拡散速度が抑制されて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制したり、基板や環境依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプロファイル等を向上することができる。
このような塩基性化合物としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられる。
具体的には、第一級の脂肪族アミン類として、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示され、第二級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示され、第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
また、混成アミン類としては、例えばジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例示される。芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えばアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えばピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えばオキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えばチアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリジン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
更に、カルボキシ基を有する含窒素化合物としては、例えばアミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えばニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン)等が例示され、スルホニル基を有する含窒素化合物として3−ピリジンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム等が例示され、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノ−ル、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。アミド誘導体としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド等が例示される。イミド誘導体としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。
更に、下記一般式(B)−1で示される塩基性化合物から選ばれる1種又は2種以上を配合することもできる。
N(X)n(Y)3-n (B)−1
(式中、nは1、2又は3である。側鎖Xは同一でも異なっていてもよく、下記一般式(X)−1〜(X)−3で表すことができる。側鎖Yは同一又は異種の、水素原子もしくは直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜20のアルキル基を示し、エーテル基もしくはヒドロキシル基を含んでもよい。また、X同士が結合して環を形成してもよい。)
ここで、R300、R302、R305は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R301、R304は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、ラクトン環を1あるいは複数含んでいてもよい。R303は単結合、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R306は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、ラクトン環を1あるいは複数含んでいてもよい。
上記一般式(B)−1で表される化合物は具体的には下記に例示される。
トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン、4,7,13,18−テトラオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.5.5]エイコサン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザビシクロオクタデカン、1−アザ−12−クラウン−4、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6、トリス(2−フォルミルオキシエチル)アミン、トリス(2−アセトキシエチル)アミン、トリス(2−プロピオニルオキシエチル)アミン、トリス(2−ブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−イソブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−バレリルオキシエチル)アミン、トリス(2−ピバロイルオキシエチル)アミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(アセトキシアセトキシ)エチルアミン、トリス(2−メトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス(2−tert−ブトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス[2−(2−オキソプロポキシ)エチル]アミン、トリス[2−(メトキシカルボニルメチル)オキシエチル]アミン、トリス[2−(tert−ブトキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス[2−(シクロヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス(2−メトキシカルボニルエチル)アミン、トリス(2−エトキシカルボニルエチル)アミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−ヒドロキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−アセトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(4−ヒドロキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(4−ホルミルオキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(2−ホルミルオキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−メトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチル]アミン、N−メチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−エチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−メチルビス(2−ピバロイルオキシエチル)アミン、N−エチルビス[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、N−エチルビス[2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、トリス(メトキシカルボニルメチル)アミン、トリス(エトキシカルボニルメチル)アミン、N−ブチルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、N−ヘキシルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、β−(ジエチルアミノ)−δ−バレロラクトンを例示できるが、これらに制限されない。
更に、下記一般式(B)−2に示される環状構造を持つ塩基性化合物の1種あるいは2種以上を添加することもできる。
(式中、Xは前述の通り、R
307は炭素数2〜20の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、カルボニル基、エーテル基、エステル基又はスルフィドを1個あるいは複数個含んでいてもよい。)
上記式(B)−2としては具体的には、1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ピロリジン、1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ピペリジン、4−[2−(メトキシメトキシ)エチル]モルホリン、1−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]ピロリジン、1−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]ピペリジン、4−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]モルホリン、酢酸2−(1−ピロリジニル)エチル、酢酸2−ピペリジノエチル、酢酸2−モルホリノエチル、ギ酸2−(1−ピロリジニル)エチル、プロピオン酸2−ピペリジノエチル、アセトキシ酢酸2−モルホリノエチル、メトキシ酢酸2−(1−ピロリジニル)エチル、4−[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]モルホリン、1−[2−(t−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]ピペリジン、4−[2−(2−メトキシエトキシカルボニルオキシ)エチル]モルホリン、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸メチル、3−ピペリジノプロピオン酸メチル、3−モルホリノプロピオン酸メチル、3−(チオモルホリノ)プロピオン酸メチル、2−メチル−3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸メチル、3−モルホリノプロピオン酸エチル、3−ピペリジノプロピオン酸メトキシカルボニルメチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−ヒドロキシエチル、3−モルホリノプロピオン酸2−アセトキシエチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、3−モルホリノプロピオン酸テトラヒドロフルフリル、3−ピペリジノプロピオン酸グリシジル、3−モルホリノプロピオン酸2−メトキシエチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、3−モルホリノプロピオン酸ブチル、3−ピペリジノプロピオン酸シクロヘキシル、α−(1−ピロリジニル)メチル−γ−ブチロラクトン、β−ピペリジノ−γ−ブチロラクトン、β−モルホリノ−δ−バレロラクトン、1−ピロリジニル酢酸メチル、ピペリジノ酢酸メチル、モルホリノ酢酸メチル、チオモルホリノ酢酸メチル、1−ピロリジニル酢酸エチル、モルホリノ酢酸2−メトキシエチルで挙げることができる。
更に、下記一般式(B)−3〜(B)−6で表されるシアノ基を含む塩基性化合物を添加することができる。
(式中、X、R
307、nは前述の通り、R
308、R
309は同一又は異種の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基である。)
シアノ基を含む塩基は、具体的には3−(ジエチルアミノ)プロピオノニトリル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−シアノエチル)−N−エチル−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(3−ホルミルオキシ−1−プロピル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−テトラヒドロフルフリル−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、ジエチルアミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−シアノメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−アセトキシエチル)−N−シアノメチル−3−アミノプロピオン酸メチル、N−シアノメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミノアセトニトリル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(シアノメチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−ホルミルオキシエチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−メトキシエチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミノアセトニトリル、N−(シアノメチル)−N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)アミノアセトニトリル、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)−N−(シアノメチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(3−ホルミルオキシ−1−プロピル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(シアノメチル)アミノアセトニトリル、1−ピロリジンプロピオノニトリル、1−ピペリジンプロピオノニトリル、4−モルホリンプロピオノニトリル、1−ピロリジンアセトニトリル、1−ピペリジンアセトニトリル、4−モルホリンアセトニトリル、3−ジエチルアミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、3−ジエチルアミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、1−ピロリジンプロピオン酸シアノメチル、1−ピペリジンプロピオン酸シアノメチル、4−モルホリンプロピオン酸シアノメチル、1−ピロリジンプロピオン酸(2−シアノエチル)、1−ピペリジンプロピオン酸(2−シアノエチル)、4−モルホリンプロピオン酸(2−シアノエチル)が例示される。
なお、本発明の塩基化合物の配合量はベース樹脂100部に対して0.001〜2部、特に0.01〜1部が好適である。配合量が0.001部より少ないと配合効果がなく、2部を超えると感度が低下しすぎる場合がある。
分子内に≡C−COOHで示される基有する化合物としては、例えば下記I群及びII群から選ばれる1種又は2種以上の化合物を使用することができるが、これらに限定されるものではない。本成分の配合により、レジストのPED安定性が向上し、窒化膜基板上でのエッジラフネスが改善されるのである。
[I群]
下記一般式(A1)〜(A10)で示される化合物のフェノール性水酸基の水素原子の一部又は全部を−R401−COOH(R401は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基)により置換してなり、かつ分子中のフェノール性水酸基(C)と≡C−COOHで示される基(D)とのモル比率がC/(C+D)=0.1〜1.0である化合物。
(但し、式中R
408は水素原子又はメチル基を示す。R
402、R
403はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示す。R
404は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基、あるいは−(R
409)
h−COOR’基(R’は水素原子又は−R
409−COOH)を示す。R
405は−(CH
2)
i−(i=2〜10)、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示す、R
406は炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示す。R
407は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、それぞれ水酸基で置換されたフェニル基又はナフチル基を示す。R
409は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基又は−R
411−COOH基を示す。R
410は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基又は−R
411−COOH基を示す。R
411は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。jは0〜3、s1〜s4、t1〜t4はそれぞれs1+t1=8、s2+t2=5、s3+t3=4、s4+t4=6を満足し、かつ各フェニル骨格中に少なくとも1つの水酸基を有するような数である。κは式(A6)の化合物を重量平均分子量1,000〜5,000とする数である。λは式(A7)の化合物を重量平均分子量1,000〜10,000とする数である。)
[II群]
下記一般式(A11)〜(A15)で示される化合物。
(R
402、R
403、R
411は上記と同様の意味を示す。R
412は水素原子又は水酸基を示す。s5、t5は、s5≧0、t5≧0で、s5+t5=5を満足する数である。h’は0又は1である。)
本成分として、具体的には下記一般式(AI−1)〜(AI−14)及び(AII−1)〜(AII−10)で示される化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
(式中、R’’は水素原子又はCH
2COOH基を示し、各化合物においてR’’の10〜100モル%はCH
2COOH基である。κ、λは上記と同様の意味を示す。)
なお、上記分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物の添加量は、ベース樹脂100部に対して0〜5部、好ましくは0.1〜5部、より好ましくは0.1〜3部、更に好ましくは0.1〜2部である。5部より多いとレジスト材料の解像性が低下する場合がある。
界面活性剤の例としては、特に限定されるものではないが、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレインエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノール等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのノニオン系界面活性剤、エフトップEF301、EF303、EF352(トーケムプトダクツ)、メガファックF171、F172、F173(大日本インキ化学工業)、フロラードFC430、FC431FC−4430(住友スリーエム)、アサヒガードAG710、サーフロンS−381、S−382、SC101、SC102,SC103、SC104、SC105、SC106、サーフィノールE1004、KH−10、KH−20、KH−30、KH−40(旭硝子)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP−341、X−70−092、X−70−093(信越化学工業)、アクリル酸系又はメタクリル酸系ポリフローNo.75,No.95(共栄社油脂化学工業)が挙げられ、中でもFC430、FC−4430、サーフロンS−381、サーフィノールE1004、KH−20、KH−30が好適である。これらは単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。
本発明の化学増幅ポジ型レジスト材料中の界面活性剤の添加量としては、レジスト材料組成物中の固形分100部に対して2部以下、好ましくは1部以下である。
本発明のレジスト材料を使用してパターンを形成するには、公知のリソグラフィー技術を採用して行うことができ、例えばシリコンウエハー等の基板上にスピンコーティング等の手法で膜厚が0.1〜1.0μmとなるように塗布し、これをホットプレート上で60〜200℃、10秒〜10分間、好ましくは80〜150℃、30秒〜5分間プリベークする。次いで目的のパターンを形成するためのマスクを上記のレジスト膜上にかざし、波長300nm以下の遠紫外線、エキシマレーザー、X線等の高エネルギー線もしくは電子線を露光量1〜200mJ/cm2程度、好ましくは10〜100mJ/cm2程度となるように照射した後、ホットプレート上で60〜150℃、10秒〜5分間、好ましくは80〜130℃、30秒〜3分間ポストエクスポージャベーク(PEB)する。更に、0.1〜5%、好ましくは2〜3%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、10秒〜3分間、好ましくは30秒〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像することにより基板上に目的のパターンが形成される。なお、本発明材料は、特に高エネルギー線の中でも254〜120nmの遠紫外線又はエキシマレーザー、特に193nmのArF、146nmのKr2、134nmのKrAr等のエキシマレーザー、157nmのF2、126nmのAr2等のレーザー、X線及び電子線による微細パターンニングに最適である。また、上記範囲を上限及び下限から外れる場合は、目的のパターンを得ることができない場合がある。
本発明のパターン形成方法を図示する。
図1は、露光、PEB、現像によって珪素含有レジストパターンを形成し、酸素ガスエッチングによって下地の有機膜パターンを形成し、ドライエッチングによって被加工膜の加工を行う方法を示す。ここで、図1(A)において、1は下地基板、2は被加工基板(SiO2、SiN等)、3は有機膜(ノボラック、ポリヒドロキシスチレン等)、4は本発明に係る珪素含有高分子化合物を含むレジスト材料によるレジスト層であり、図1(B)に示したように、このレジスト層の所用部分を露光5し、更に図1(C)に示したようにPEB、現像を行って露光領域を除去し、更に図1(D)に示したように酸素プラズマエッチング、図1(E)に示したように被加工基板エッチング(CF系ガス)を行って、パターン形成することができる。
ここで、酸素ガスエッチングは酸素ガスを主成分とした反応性プラズマエッチングであり、高いアスペクト比で下地の有機膜を加工することができる。酸素ガスの他にオーバーエッチングによるT−トップ形状を防止するために、側壁保護を目的とするSO2、N2、NO2、NH3、CO、CO2ガスを添加してもよい。また、現像後のレジストのスカムを除去し、ラインエッジを滑らかにしてラフネスを防止するために、酸素ガスエッチングを行う前に、短時間のフロン系ガスでエッチングすることも可能である。次に、被加工膜のドライエッチング加工は、被加工膜がSiO2やSi3N4であれば、フロン系のガスを主成分としたエッチングを行う。フロン系ガスはCF4、CHF3、CH2F2、C2F6、C3F8、C4F10、C5F12などが挙げられる。この時は被加工膜のドライエッチングと同時に、珪素含有レジスト膜を剥離することが可能である。被加工膜がポリシリコン、タングステンシリサイド、TiN/Alなどの場合は、塩素、臭素ガスを主成分としたエッチングを行う。
本発明の珪素含有レジスト材料は、塩素、臭素ガスを主成分としたエッチングに対して優れた耐性を示し、単層レジストと同じ加工方法を用いることもできる。
図2は、これを示すもので、図2(A)において、1は下地基板、6は被加工基板、4は上記したレジスト層であり、図2(B)、(C)に示したように、露光5及びPEB、現像を行った後、図2(D)に示したように被加工基板エッチング(Cl系ガス)を行うことができるもので、このように被加工膜直上に本発明の珪素含有レジスト膜をパターン形成し、塩素、臭素ガスを主成分としたエッチングで被加工膜の加工を行うことができる。
以下、合成例及び実施例と比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
珪素含有ポリマーの合成例
下記合成例で使用した重合モノマー1〜7を下記に示す。
モノマー1:メタクリル酸1−(2−テトラヒドロフラニル)シクロペンチル
モノマー2:メタクリル酸1−(7−オキサノルボルナン−2−イル)シクロペンチル
モノマー3:5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(2−テトラヒドロフラニル)シク
ロペンチル
モノマー4:5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(7−オキサノルボルナン−2−イ
ル)シクロペンチル
モノマー5:メタクリル酸トリス(トリメチルシリル)シリルエチル
モノマー6:メタクリル酸−3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.0
4.8]−9−ノナン
モノマー7:ビニルヘプタメチルシクロテトラシロキサン
モノマー8:メタクリル酸3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペン
チルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサ
ン−1−イル)プロピル
[合成例1]メタクリル酸1−(2−テトラヒドロフラニル)シクロペンチル/メタクリル酸1−トリス(トリメチルシリル)シリルエチル/p−ヒドロキシスチレン共重合体(10:15:75)の合成(ポリマー1)
1Lのフラスコ中でモノマー1を22.4g、モノマー5を64.8g、4−ヒドロキシスチレン90.0gをTHF(テトラヒドロフラン、以下略記)300mLに溶解させ、この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返し、十分に系中の酸素を除去した後、開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル);AIBNを5g仕込み、次いで60℃まで昇温して24時間重合反応を行った。
得られたポリマーを精製するために、反応混合物をヘキサン/エーテル(3:2)混合溶媒中に注ぎ、得られた重合体を沈澱・分離したところ、132gの白色重合体メタクリル酸1−(2−テトラヒドロフラニル)シクロペンチル/メタクリル酸1−トリス(トリメチルシリル)シリルエチル/p−ヒドロキシスチレン共重合体が得られた。
光散乱法により重量平均分子量(Mw)が16,000であり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.65の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ上記モノマーによる繰り返し単位が10:15:75の割合で含まれていることが確認できた。
[合成例2]メタクリル酸1−(7−オキサノルボルナン−2−イル)シクロペンチル/メタクリル酸1−トリス(トリメチルシリル)シリルエチル/p−ヒドロキシスチレン共重合体(8:15:77)の合成(ポリマー2)
1Lのフラスコ中でモノマー2を25.4g、モノマー5を64.8g、4−ヒドロキシスチレン90.0gをTHF300mLに溶解させ、この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返し、十分に系中の酸素を除去した後、開始剤AIBNを5g仕込んだ後、60℃まで昇温して24時間重合反応を行った。
得られたポリマーを精製するために、反応混合物をヘキサン/エーテル(3:2)混合溶媒中に注ぎ、得られた重合体を沈澱・分離したところ、130gの白色重合体メタクリル酸1−(7−オキサノルボルナン−2−イル)シクロペンチル/メタクリル酸1−トリス(トリメチルシリル)シリルエチル/p−ヒドロキシスチレン共重合体が得られた。
光散乱法により重量平均分子量が15,500であり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.72の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ上記モノマーによる繰り返し単位が8:15:77の割合で含まれていることが確認できた。
[合成例3]メタクリル酸1−(7−オキサノルボルナン−2−イル)シクロペンチル/メタクリル酸−3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.04.8]−9−ノナン/メタクリル酸1−トリス(トリメチルシリル)シリルエチル/p−ヒドロキシスチレン共重合体(8:25:15:52)の合成(ポリマー3)
1Lのフラスコ中でモノマー2を25.4g、モノマー6を33.6g、モノマー5を64.8g、4−ヒドロキシスチレン62.4gをTHF300mLに溶解させ、この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返し、十分に系中の酸素を除去した後、開始剤AIBNを5g仕込んだ後、60℃まで昇温して24時間重合反応を行った。
得られたポリマーを精製するために、反応混合物をヘキサン/エーテル(3:2)混合溶媒中に注ぎ、得られた重合体を沈澱・分離したところ、139gの白色重合体メタクリル酸1−(7−オキサノルボルナン−2−イル)シクロペンチル/メタクリル酸−3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.04.8]−9−ノナン/メタクリル酸1−トリス(トリメチルシリル)シリルエチル/p−ヒドロキシスチレン共重合体が得られた。
光散乱法により重量平均分子量が15,500であり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.69の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ上記モノマーによる繰り返し単位が8:25:15:52の割合で含まれていることが確認できた。
[合成例4]メタクリル酸1−(7−オキサノルボルナン−2−イル)シクロペンチル/ビニルヘプタメチルシクロテトラシロキサン/無水マレイン酸共重合体(40:12:48)の合成(ポリマー4)
200mLのフラスコにモノマー2を22.4g、モノマー7を10g、無水マレイン酸12.0gを添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを4.0g加え、55℃まで昇温後、25時間反応させた。この反応溶液にアセトン5mLを加えて希釈後、イソプロピルアルコール4.5L溶液中に沈澱させ、得られた白色固体を濾過し、40℃で減圧乾燥したところ、26gの白色重合体メタクリル酸1−(7−オキサノルボルナン−2−イル)シクロペンチル/ビニルヘプタメチルシクロテトラシロキサン/無水マレイン酸共重合体(40:12:48)が得られた。
光散乱法により重量平均分子量が8,500であり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.82の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ上記モノマーによる繰り返し単位が40:12:48の割合で含まれていることが確認できた。
[合成例5]5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(2−テトラヒドロフラニル)シクロペンチル/ビニルヘプタメチルシクロテトラシロキサン/無水マレイン酸共重合体(38:12:50)の合成(ポリマー5)
200mLのフラスコにモノマー3を27.5g、モノマー7を10g、無水マレイン酸12.0gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50mLに溶解した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを4.0g加え、55℃まで昇温後、25時間反応させた。この反応溶液にアセトン5mLを加えて希釈後、イソプロピルアルコール4.5L溶液中に沈澱させ、得られた白色固体を濾過し、40℃で減圧乾燥したところ、32gの白色重合体5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(2−テトラヒドロフラニル)シクロペンチル/ビニルヘプタメチルシクロテトラシロキサン/無水マレイン酸共重合体(38:12:50)が得られた。
光散乱法により重量平均分子量が6,500であり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.77の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ上記モノマーによる繰り返し単位が38:12:50の割合で含まれていることが確認できた。
[合成例6]5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(7−オキサノルボルナン−2−イル)シクロペンチル/ビニルヘプタメチルシクロテトラシロキサン/無水マレイン酸共重合体(37:13:50)の合成(ポリマー6)
200mLのフラスコにモノマー4を30.2g、モノマー7を10g、無水マレイン酸12.0gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50mLに添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを4.0g加え、55℃まで昇温後、25時間反応させた。この反応溶液にアセトン5mLを加えて希釈後、イソプロピルアルコール4.5L溶液中に沈澱させ、得られた白色固体を濾過し、40℃で減圧乾燥したところ、36gの白色重合体5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(7−オキサノルボルナン−2−イル)シクロペンチル/ビニルヘプタメチルシクロテトラシロキサン/無水マレイン酸共重合体(37:13:50)が得られた。
光散乱法により重量平均分子量が7,300であり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.68の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ上記モノマーによる繰り返し単位が37:13:50の割合で含まれていることが確認できた。
[合成例7]メタクリル酸1−(7−オキサノルボルナン−2−イル)シクロペンチル/メタクリル酸−3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.04.8]−9−ノナン/モノマー8共重合体(42:58:10)の合成(ポリマー7)
1Lのフラスコ中でモノマー2を66.2g、モノマー6を98.2g、モノマー8を102.0gをTHF300mLに溶解させ、この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素ブローを3回繰り返し、十分に系中の酸素を除去した後、開始剤AIBNを5g仕込んだ後、60℃まで昇温して24時間重合反応を行った。
得られたポリマーを精製するために、反応混合物をヘキサン/エーテル(3:2)混合溶媒中に注ぎ、得られた重合体を沈澱・分離したところ、225gの白色重合体メタクリル酸1−(7−オキサノルボルナン−2−イル)シクロペンチル/メタクリル酸−3−オキソ−2,7−ジオキサトリシクロ[4.2.1.04.8]−9−ノナン/モノマー8共重合体が得られた。
光散乱法により重量平均分子量が17,100であり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.98の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ上記モノマーによる繰り返し単位が42:58:10の割合で含まれていることが確認できた。
[比較合成例1]メタクリル酸トリス(トリメチルシリル)シリルエチル/p−ヒドロキシスチレン(15:85)の合成(比較ポリマー1)
1Lのフラスコ中でメタクリル酸トリス(トリメチルシリル)シリルエチル(モノマー5)85gとp−ヒドロキシスチレン220gをトルエン630mLに溶解させ、十分に系中の酸素を除去した後、開始剤AIBNを6.6g仕込んだ後、60℃まで昇温して24時間重合反応を行った。
得られたポリマーを精製するために、反応混合物をヘキサン/エーテル(3:2)混合溶媒中に注ぎ、得られた重合体を沈澱・分離したところ、191gの白色重合体メタクリル酸トリス(トリメチルシリル)シリルエチル/p−ヒドロキシスチレン共重合体(15:85)が得られた。
光散乱法により重量平均分子量が13,500であり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.58の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ15:85で含まれていることが確認できた。
ドライエッチング試験
合成例1〜7、比較合成例1で得られたポリマー1gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート5gに十分に溶解させ、0.1μmのフィルターで濾過して、ポリマー溶液を作製した。
ポリマー溶液をスピンコーティングでシリコンウエハーに塗布して、100℃で90秒間ベークして500nm厚みのポリマー膜を作製した。
次に、ポリマー膜を作製したウエハーを下記2つの条件でドライエッチングを行い、エッチング前後のポリマー膜の膜厚差を求めた。
(1)O2ガスでのエッチング試験
東京エレクトロン株式会社製ドライエッチング装置TE−8500Pを用い、エッチング前後のポリマーの膜厚差を求めた。
エッチング条件は下記に示す通りである。
チャンバー圧力 450mTorr
RFパワー 600W
Arガス流量 40sccm
O2ガス流量 60sccm
ギャップ 9mm
時間 60sec
(2)Cl2/BCl3系ガスでのエッチング試験
日電アネルバ株式会社製ドライエッチング装置L−507D−Lを用い、エッチング前後のポリマーの膜厚差を求めた。
エッチング条件は下記に示す通りである。
チャンバー圧力 300mTorr
RFパワー 300W
ギャップ 9mm
Cl2ガス流量 30sccm
BCl3ガス流量 30sccm
CHF3ガス流量 100sccm
O2ガス流量 2sccm
時間 60sec
レジスト評価例
表2に示す組成で、ポリマー1〜7及び比較ポリマー1のシリコーンポリマー、酸発生剤(PAG1,2)、塩基(トリブチルアミン、TMMEA、AAA、AACN)、溶解阻止剤(DRI1,2)を配合し、FC−430(住友スリーエム製)0.01質量%を含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶媒1,000質量部に十分に溶解させ、0.1μmのテフロン製のフィルターを濾過することによってレジスト液をそれぞれ調製した。なお、表2の組成中、PAG1,2、TMMEA、AAA、AACN、DRI1,2は下記の通りである。
シリコンウエハーに下層ノボラック系レジスト材料としてOFPR−800(東京応化工業(株)製)を塗布し、300℃で5分間加熱し、硬化させて0.5μmの厚みにした。
その上にブリューワーサイエンス社製反射防止膜(DUV−30)をスピンコートして110℃で30秒、200℃で60秒ベークして55nmの厚みにした。
レジスト液を硬化させたDUV−30/ノボラックレジスト上へスピンコーティングし、ホットプレートを用いて120℃で60秒間ベークして0.2μmの厚さにした。これをKrFエキシマレーザーステッパー;S203B(ニコン社製、NA0.68 σ0.75 2/3輪帯照明)を用いて露光し、120℃で60秒間ベーク(PEB)後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)で60秒間現像を行うと、ポジ型のパターンを得ることができた。
得られたレジストパターンを次のように評価した。結果を表2に示す。
評価方法:
0.15μmのラインアンドスペースを1:1で解像する露光量を最適露光量(Eop)として、この露光量において分離しているラインアンドスペースの最小線幅を評価レジストの解像度とした。
0.15μmラインアンドスペースを1:1のラインエッジラフネスを測定し、測定値を3σで算出した。
0.15μmラインアンドスペース1:10の孤立線のスペース部分をSEMで観察し、残渣が存在しているかどうか、また残渣の量を確認した。