JP4433105B2 - 空気電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気電池に関し、さらに詳しくは、高容量化を図るとともに安全でかつ信頼性に優れた空気電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属集電体を支持体とし、これに空気中の酸素と反応する触媒層を圧着成形した正極組立体(正極)と、亜鉛粉および電解液を含むゲル状の負極作用物質層(負極)との間で、空気中の酸素を利用して電力を得る空気電池が実用に供されている。すなわち、空気電池では空気を利用して正極および負極で次のような電極反応が行われ、1.4V程度の起電力を得ている。
【0003】
負極側:Zn+2OH- →ZnO+H2 O+2e-
正極側:1/2O2 +H2 O+2e- →2OH-
近年、より高容量の空気電池の需要が高まっており、一方耳穴式空気電池の需要とともに安全でかつ信頼性の高い空気電池の開発が進められている。高容量化に関してはいろいろな試みがなされているが、その中でも触媒層の薄肉化は内容積の増加を図ることが可能であるので、有力な手段となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、触媒層を薄くすれば内容積は簡単に増加させることができるが、その反面、触媒層を薄くしたことによる不具合も発生している。例えば、触媒層を薄くするためには支持体である金属ネットをより薄くしなければならない。ところが、支持体を薄くすると支持体自体の強度が低下し柔軟性が高くなる傾向がある。このような支持体を用いると、触媒を支持体に充填する触媒層成形工程で、支持体が途中で切れたり支持体の線と線が寄ってしまうといった現象が発生し、触媒層が波打つといった成形上の問題が発生する。また、仮に電池にすることができたとしても、クリンプを行った際に、支持体の柔軟性が高いために触媒層に変形が生じ、それが原因で撥水層に亀裂が入り、撥水性が低下する。その結果、放電特性、過放電耐漏液特性の低下を招き、電池特性上の問題も発生する。
【0005】
逆に、厚さが薄く強度が高い支持体にすると、柔軟性が低くなってしまい、触媒を支持体に充填する触媒層成形工程で、支持体が割れてしまうといった問題が発生する。仮に、電池にすることができたとしても、クリンプを行った際に、支持体の柔軟性が低いために触媒層の割れが生じ、そのことが原因で撥水膜に傷がつき、放電特性、過放電耐漏液特性の低下を招くといった電池特性の問題も発生する。このように触媒層を薄くした場合は、支持体の強度や柔軟性の低下によって、触媒層の成形性や電池の安全性が著しく低下することになる。
【0006】
本発明は上記問題に対処してなされたもので、空気電池の高容量化を図るとともに、製造性に優れ、安全でかつ信頼性に優れた空気電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、負極作用物質として亜鉛を用い、正極体として金属集電体を支持体とした触媒層を用いた空気電池において、前記支持体としてエリクセン値が4〜20mmである金属製支持体を用いたことを特徴とする。
上記の金属製支持体としては金属ネットまたはエキスパンドメタルが用いられる。
【0008】
なお、エリクセン試験とは薄板の深絞り性を判定するために行われる試験で、エリクセン試験Aとエリクセン試験Bの2つの試験方法がある。エリクセン試験Aは、ダイスとしわ押えとの間に試験片の厚さの他に0.05mmの隙間を設けた状態で行ない、エリクセン試験Bはダイスとしわ押えとによって、およそ1000kgの締付け荷重を常に試験片に加えた状態で行う。エリクセン値は、このエリクセン試験において試験片の少なくとも1箇所に裏面に達する割れができた時までにポンチ先端がしわ押え面から移動した距離をミリメートルで表す数である。本発明ではエリクセン試験Bで測定したエリクセン値を用いた。
【0009】
本発明では空気電池における正極触媒層の支持体として、エリクセン値が4〜20mmの範囲の金属製支持体を用いたことにより、触媒層の成形性を安定化させ、かつ過放電耐漏液特性を向上させることができた。エリクセン値が上記の範囲よりも小さいと、支持体の強度が強く柔軟性が低下してしまうため、触媒層製造中に触媒層が割れたり、クリンプ時に電池内で触媒層が割れてしまい、撥水膜に傷がついて放電特性の低下、過放電耐漏液特性の低下につながる。また、エリクセン値が上記の範囲より大きいと、触媒層製造中に触媒層が切れたり、クリンプ時に電池内で触媒層が変形してしまい、撥水膜に亀裂が入り、放電特性の低下、過放電特性の低下につながる。
【0010】
触媒層の薄肉化を実現するために支持体の線径を細くした場合でも、上記の範囲内であれば電池特性、製造性ともに損なうことがなく、高容量化を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
ボタン型空気電池を例にとって本発明の実施の態様を説明する。
図1は外径5.8mm、総高2.15mmである空気電池の要部構成を断面的に示したものである。
【0012】
1は底壁面に空気孔2を有する一端が開口型の正極ケースである。そして、前記正極ケース1内には、その内底壁面上に拡散紙3、撥水膜4、金属集電体5を支持体として圧着成形された触媒層6およびセパレータ7が順次積層配置されて正極組立体8を形成している。ここで、拡散紙3はクラフト紙、撥水膜4はポリテトラフロロエチレン(PTFE)フィルム、触媒層6は活性炭、マンガン酸化物、導電性材料として膨張化黒鉛、ポリテトラフロロエチレン粉末を混合し、シート状に形成したもの、セパレータ7はポリプロピレン微多孔質膜である。
【0013】
また、9は正極組立体8のセパレータ7上に積層配置された亜鉛粉および電解液を含有したゲル状の負極作用物質である。ここで、ゲル状の負極作用物質9は、30〜45重量%の水酸化カリウム水溶液の電解液に、ポリアクリル酸(ゲル化剤)、亜鉛粉末もしくは亜鉛合金粉末とを配合して調製したゲル状の混合体である。
【0014】
さらに、10は前記負極作用物質9層内に内壁面部が電気的に接する一方、前記正極ケース1の開口部を封止する負極ケース、11は前記負極ケース10および正極ケース1の被封止部間に介挿配置された絶縁ガスケット、12は前記空気孔2を封止するため正極ケース1外装壁面に貼着されたシールテープである。負極ケース10は、例えばニッケル、ステンレス鋼および銅の3層クラッド構造の材料からなり、また絶縁ガスケット11はポリアミド系樹脂である。
【0015】
(実施例1)
前記触媒層の支持体にエリクセン値が4mmである金属ネットを用い、図1に示す空気電池を作製した。
【0016】
(実施例2)
前記触媒層の支持体にエリクセン値が10mmである金属ネットを用い、図1に示す空気電池を作製した。
【0017】
(実施例3)
前記触媒層の支持体にエリクセン値が20mmである金属ネットを用い、図1に示す空気電池を作製した。
【0018】
(実施例4)
前記触媒層の支持体にエリクセン値が10mmであるエキスパンドメタルを用い、図1に示す空気電池を作製した。
【0019】
(比較例1)
前記触媒層の支持体にエリクセン値が3mmである金属ネットを用い、図1に示す空気電池を作製した。
【0020】
(比較例2)
前記触媒層の支持体にエリクセン値が25mmである金属ネットを用い、図1に示す空気電池を作製した。
【0021】
これらの各実施例および比較例について各50個ずつ電池を作製し、各電池について触媒層の成形性、電池の放電容量および過放電耐漏液特性を調べた。触媒層の成形性は目視判定を行い、不具合のないものを○、集電体の寄り及び割れの度合が比較的小さいものを△、集電体の寄り及び割れの度合が比較的大きいものを×と判定した。また、放電容量試験は3kΩの連続放電試験をして終止電圧1.0Vでの放電容量(mAh)を調べた。さらに、過放電耐漏液特性は、電池各20個について25℃−85%RHの環境下において、3kΩで168時間の連続放電を行なったときの漏液発生数を調べた。
【0022】
これらの結果を表1に示す。
【0023】
なお、前記触媒層に用いる支持体のエリクセン試験にはJIS Z 2247の試験方法を用いた。
【表1】
【0024】
表1から明らかなように、本発明に係る空気電池(実施例1〜4)は、触媒層の成形性、放電特性ともに良好であり、過放電耐漏液特性についても漏液発生は見られず良好であった。実施例4では金属ネットの代わりにエキスパンドメタルを用いたが、エキスパンドメタルでも金属ネットと同様に良好な結果が得られた。
【0025】
また、比較例1のようにエリクセン値が低いと、支持体自体の強度が強くなり柔軟性がなくなってしまうため、支持体に触媒を充填する工程において支持体に割れが発生して触媒層の成形が困難になる。また成形ができた場合でも、クリンプ時に空気極が割れてテフロン膜に傷をつけ、それが原因で放電特性および過放電耐漏液特性を低下させてしまうことがわかった。
【0026】
一方、比較例2のようにエリクセン値が高いと、支持体自体の強度が弱くなり柔軟性が高すぎるため、支持体に触媒を充填する工程において支持体に寄りが発生して触媒層が波打ってしまい、成形が困難になった。また成形ができた場合でも、クリンプ時に空気極が変形して撥水膜にひび割れが発生し、それが原因で放電特性および過放電耐漏液特性を低下させてしまうことがわかった。
【0027】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態をとることができる。例えば、上記ではボタン型空気電池について説明したが、ボタン型以外の空気電池、例えば円筒型空気電池であってもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば触媒層の支持体にエリクセン値が4〜20mmである金属製支持体を用いることで、空気電池の高容量化を図るとともに製造性に優れ、安全でかつ信頼性に優れた空気電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気電池の要部構成例を示す断面図。
【符号の説明】
1…正極ケース、2…空気孔、3…拡散紙、4…撥水膜、5…集電体、6…触媒層、7…セパレータ、8…正極組立体、9…負極作用物質、10…負極ケース、11…絶縁ガスケット、12…シールテープ。
Claims (3)
- 負極作用物質として亜鉛を用い、正極体として金属集電体を支持体とした触媒層を用いた空気電池において、前記支持体としてエリクセン値が4〜20mmである金属製支持体を用いたことを特徴とする空気電池。
- 金属製支持体が金属ネットである請求項1記載の空気電池。
- 金属製支持体がエキスパンドメタルである請求項1記載の空気電池。
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1999
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