JP4432461B2 - 光拡散板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光拡散板の製造方法に関するものである。
近年、会議等において発言者が資料を提示する方法としてオーバヘッドプロジェクターやスライドプロジェクターが広く用いられている。また、一般家庭においても液晶を用いたビデオプロジェクターや動画フィルムプロジェクターが普及しつつある。これらのプロジェクターの映写方法は光源から出力された光を、例えば透過形の液晶パネル等によって光変調して画像光を形成し、この画像光をレンズ等の光学系を通して出射してスクリーン上に映写するものである。
例えば、スクリーン上にカラー画像を形成することができるプロジェクター装置は、光源から出射された光線を赤(R)、緑(G)、青(B)の各色に分離して所定の光路に収束させる照明光学系と、この照明光学系によって分離されたRGB各色の光束をそれぞれ光変調する液晶パネル(ライトバルブ)と、液晶パネルにより光変調されたRGB各色の光束を合成する光合成部とを備え、光合成部により合成したカラー画像を投射レンズによりスクリーンに拡大投影するようになっている。
また、最近では光源として狭帯域三原色光源を使用し、液晶パネルの代わりにグレーティング・ライト・バルブ(GLV:Grating Light Valve)を用いてRGB各色の光束を空間変調するタイプのプロジェクター装置も開発されている。
上述したプロジェクター装置においては、投影像を見るためにプロジェクター用スクリーンが用いられる。このプロジェクター用スクリーンには大別して、スクリーンの表側から投影光を照射して当該投影光のスクリーンでの反射光を見るフロントプロジェクタ用スクリーンと、スクリーンの裏側から投影光を照射してスクリーンを透過した光をスクリーンの表側から見るリアプロジェクタ用スクリーンとがある。いずれの方式のスクリーンにおいても視認性の良好な広視野角のスクリーンであることが要求される。
そのため、いずれの方式においても一般にスクリーン表面に光を散乱させる光拡散板が設けられており、この光拡散板により画像光が均一にしかも画面の有効領域全体へ拡散射出されるようになる。
この光拡散板の製法として、従来から樹脂粒子を樹脂バインダーへ分散したものを透明基板に塗布する方法、微小な凹凸を機械加工した金型から紫外線硬化樹脂などを用いて形状転写する方法などがあった。
また、コヒーレント光束を粗面に照射した際に生成されるスペックルパターンを感光材料に形成する方法も従来から用いられている(例えば、特許文献1,2参照。)。特にこの手法は個々のスペックルパターンを微小レンズに見立てて効果的な光拡散が得られるだけでなく、形状がランダム配置されるため、モアレ模様や光干渉による色づきが発生しない利点があり極めて有用である。
スペックルパターンを感光材料に形成する方法を用いた光拡散板の製造は、つぎのような工程により行われる。
(s91)基板上に感光性媒体として、例えば重クロム酸化ゼラチン(DCG)などの感光性媒体を設けた感光基板を用意し、その感光性媒体にスペックルパターンに変調されたレーザ光を露光した後に現像・固定化する。なお、1回の露光エリアの面積は1〜数10cmであることから、露光工程では感光性媒体の露光対象部分をずらしながら繰り返して感光性媒体全面の露光を行う。また、ポジ型フォトレジストを用いた場合には、現像したとき露光エリアは除去され、非露光エリアはそのまま残るようになる。これにより、前記スペックルパターンに対応する凹凸形状の微細彫刻面が表面に形成された感光基板となる。
(s92)ステップs91で作製された感光基板の表面に、例えば紫外線硬化型のエポキシ樹脂を塗布し、硬化させて感光基板表面の凹凸を転写させた樹脂製の型を作製する。
(s93)ついで、その樹脂製型の表面に導電化処理を施して導電層を形成し、その導電層を陰極として電鋳加工を行い、メタルマスターを作製する。このとき、導電化処理として銀鏡処理、無電解メッキ処理、真空蒸着処理、スパッタリング処理などにより金属等の導電層を形成する。また、電鋳加工として、例えばニッケルを所定厚みに電着させ、その電着ニッケル層から樹脂製型を脱型して金属電鋳のメタルマスターを得る。
あるいは、ステップs92の工程を省略し、ステップs91で作製された感光基板にステップs93の処理を施してメタルマスターを直接形成してもよい。
(s94)ステップs93で作製されたメタルマスターに基づいて、例えば熱成形のプラスチックフィルムに型押しするなどして光拡散板を製造する。
特開昭53−51755号公報 特開2001−100621号公報
しかしながら、上記方法で作製された光拡散板では、露光エリアごとにそのエリア内の拡散角分布が異なっており、例えば図6に示すように露光エリア中央部とエッジ部との間で輝度ムラが生じていた。また、露光処理の効率化を図るために露光エリアの面積を大きくするほど、露光エリア内の輝度ムラも大きくなっていた。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、放出する光束を精度よく所定の角度で指向させ、輝度ムラをなくすことができる光拡散板の製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、従来の露光方法では、図7に示すように平板形状の感光基板の露光対象のエリアの中央に対向する位置に配置されたレーザ光源からの光がマスター拡散体を通過してある広がりをもった光となって感光基板に露光されることにより、上記輝度ムラが発生していることを掴んだ。すなわち、露光エリアでは平面方向の位置によりマスター拡散体からの距離と角度が異なっている(例えば、図中エリアエッジ部A点とエリア中央部B点とにおける差異)ため、感光性媒体上に露光・現像されるスペックル(斑点状)の凹凸の形状と向きがそれに対応して不均一なものとなり、それが拡散角分布ひいては輝度分布の差異となっていた。そこで、発明者らはその問題点を解決すべく、鋭意検討を行った結果、本発明を成すに至った。
すなわち、前記課題を解決するために提供する本発明は、拡散体を通して拡散された干渉光により、基板上に形成された感光性媒体を露光・現像してスペックルパターンを有する微細彫刻面を形成し、該微細彫刻面を利用して光拡散板を製造することよりなる光拡散板の製造方法であって、前記基板として可撓性部材を用い、基板の感光性媒体面を前記感光性媒体面と拡散体との間の距離が該感光性媒体面内で一定となるように拡散体側に撓ませて露光を行う光拡散板の製造方法である。
ここで、前記微細彫刻面が形成された基板を用いて該微細彫刻面の組織が転写された電鋳金型を製造し、次いで該電鋳金型を用いて直接または間接に光拡散板を製造することが好ましい。
本発明によれば、光拡散板のどの場所においても放出される光が目的の視野内に指向せしめるように制御されるため、高く均一な輝度やゲインを得ることができる。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明で使用する感光基板の断面構成図である。
感光基板10は、基板1上に層状に感光性媒体2が設けられた構成である。
基板1は、可撓性部材であることが好ましく、例えば、塩ビシート、ポリエチレンテレフタレート(PET)シート等が挙げられる。また、感光性媒体2へ露光した際に感光性媒体2を透過した光が基板1で反射されて感光性媒体2に悪影響を及ぼさないようにするために光透過性の材料であることが好ましい。
感光性媒体2は、露光工程で使用される光に感度を有するものであり、例えば重クロム酸化ゼラチン(DCZ)、フォトレジスト、ハロゲン化銀、フォトポリマーなどが挙げられる。このうち、フォトレジストは、光化学反応によりポリマー化を示す一般的なものでよく、例えば光重合型感光性樹脂などが挙げられ、現像時に露光部が溶出する、いわゆるポジタイプ、又は同未露光部が溶出するネガタイプのいずれをも用いることができる。また、このフォトレジストは液状でもドライフィルムタイプでもよい。
この感光性媒体2が基板1上に塗布あるいは貼付けされて層状に形成される。
以下、本発明の根幹をなす露光工程について説明する。
図2は、光拡散板の製造工程のうち、露光工程における露光機構の構成図であり、図3はその拡大図である。
図2において、レーザ4から出射されたレーザ光は対物レンズ5、シリンドリカルレンズ6を経た後、マスター拡散体7を通過することにより、干渉光(スペックルパターンに変調されたコヒーレント光)となり、感光基板10に露光される。
本発明で使用されるレーザ4は、とくに制約はないがその波長が感光性媒体2の感度がなるべく高くなるように設定されると同時に、露光時間短縮のため十分に大きな出力が確保されていることが好ましい。
また、対物レンズ5、シリンドリカルレンズ6は、従来公知のものでよい。
マスター拡散体7は、レーザ光を干渉させスペックルパターンに変調するためのものであり、例えば従来公知のすりガラス、レンズ状拡散体、アセテート拡散体などでよい。
感光性媒体2に露光されるスペックルのサイズは、すりガラス等のマスター拡散体7に照射される投射光のサイズに反比例する。すなわち、マスター拡散体7に照射される投射光のサイズが大きくなれば、感光性媒体2に露光されるスペックルのサイズは小さくなり、投射光のサイズが小さくなれば、スペックルのサイズが大きくなる。従って、例えばマスター拡散体7に照射する投射光のサイズが横方向に細長い場合には、感光性媒体2上のスペックルは縦方向に細長くなる。
一般に光拡散板の拡散散乱光の拡がり角度、即ち、散乱光の角度分布は、感光性媒体2に露光されるスペックルの平均サイズ及び形状に依存する。スペックルが横方向の長円形であれば、散乱光の角度分布の形は縦方向の長円形となる。従って、感光性媒体2に露光されるスペックルのサイズと形状は光拡散板において目的の出力または拡がり角度が得られるように制御されるのが好ましい。
ここで、感光性媒体2に露光されるスペックルのサイズと形状(最終的には現像・固定化されて形成される微細彫刻面のサイズ、形状及び方向)は、用いられた対物レンズ5、シリンドリカルレンズ6とマスター拡散体7の型及びこれら感光性媒体8との相対位置を含む多数の変数の関数となる。
感光性媒体2内に所望の彫刻表面組織を記録するためには、スペックルのサイズに関しては、対物レンズ5とマスター拡散体7との間の距離x、およびシリンドリカルレンズ6とマスター拡散体7との間の距離y、マスター拡散体7と感光性媒体2との間の距離zを考慮しなければならない。
例えば、距離xが減少したとき、スペックルのサイズは縦方向、横方向共に増加する。また、シリンドリカルレンズ6の結像側焦点距離より遠い場所で結像させるときで距離yが減少したとき、スペックルのサイズは縦方向のみに増加する。また、距離zが減少すれば、感光性媒体2に記録されたスペックルのサイズもまた減少する。これとは逆に、距離zが増加すれば、スペックルのサイズが増加する。
本発明においては、図3に示すように感光基板10の感光性媒体2面をマスター拡散体7側に撓ませて露光を行う。すなわち、基板1を撓ませることにより感光性媒体2をマスター拡散体7の中心に対して略円弧状に設置し、マスター拡散体7からの距離zを可能な限り感光性媒体2の平面内で一定とする。このことにより感光性媒体2に形成されるスペックルのサイズと方向が図に示すように感光性媒体2の平面内で一定となる。
また、マスター拡散体7へは、対物レンズ5、シリンドリカルレンズ6によってレーザ4からの光が拡大されて投射される。ここで、シリンドリカルレンズ6からマスター拡散体7に向かう投射光の断面積は、レーザ4のビームの断面積よりも大きくなっており、この投射光のビームは対物レンズ5とシリンドリカルレンズ6の倍率に応じて広がる。
以上のように、距離x、y、z間の単純な関係と対物レンズ5の倍率と、シリンドリカルレンズ6の倍率と、感光性媒体2の曲げ形状を経験に基づいて総て調節することにより、感光性媒体2に望ましいサイズのスペックルを得ることができる。
ついで、上記工程により露光された感光基板10の感光性媒体2について所定の現像・固定化の処理が行われ、例えば感光性媒体2がネガタイプの場合には露光部だけが残って、その表面にスペックルパターンに基づいた凹凸形状の微細彫刻面が形成される。この凹凸形状が最終製品である光拡散板の表面形状の原型となり、この微細彫刻面を利用して光拡散板を製造すればよい。
上記に示した本発明は、感光基板上の感光性媒体に露光する工程に特徴を有するものであるため、それ以降の工程については、上記微細彫刻面から光拡散板を製造する方法であれば、どのような製造方法にも本発明の適用が可能である。例えば、微細彫刻面が形成された基板を用いて該微細彫刻面が転写された電鋳金型を製造し、次いで該電鋳金型を用いて直接または間接に光拡散板を製造する方法でよい。
例えば、光拡散板の好ましい製造方法としては、第1の工程としてすりガラス等のマスター拡散体を通過した干渉光を感光性媒体に記録し、第2の工程として感光性媒体の表面組織を例えばエポキシに複写し、第3の工程として量産のためエポキシから金属電鋳マスターを作る方法が挙げられる。
上記第1の工程では露光後、感光性媒体を現像するため従来の現像プロセスを用いればよい。DCGの例では、表面組織を作るため露光エリアよりもはるかに大きく非露光エリアを増大せしめるため水−アルコール浴を用いる。また、ポジ型フォトレジストを用いた場合には、現像したとき露光エリアは除去され、非露光エリアはそのまま残る。ネガ型フォトレジストを用いた場合には、現像したとき非露光エリアは除去され、露光エリアはそのまま残る。上記記録機構の何れかを用いて感光性媒体が記録、現像される。
ついで、第2の工程では、感光性媒体に形成された微細彫刻面の表面組織を硬化可能な標準エポキシまたはシリコンゴム、または他のモールド材に写すことが好ましい。また、硬化後エポキシの引きはがしを容易ならしめるためエポキシを適用する前に感光性媒体に離型剤を塗布すればよい。エポキシは、感光性媒体との間に気泡が入り込まないよう均一に挟む必要がある。この挟み込みが完了した後エポキシをUVランプまたは時間経過により硬化せしめ、最後にエポキシを感光性媒体から分離せしめて複写を完了する。
ついで、第3の工程では、正確な親複製を多数作るため標準の量産技術を用いることができ、例えばニッケル電鋳等の従来の電鋳プロセスを用いればよい。これにより、ポリエステルまたは熱成形プラスチックに型押しするために用いる金属マスター(親複製)を作ることができる。
図4に、本発明により作製された光拡散板の出力特性を表す概念図を示す。
光拡散板20は、所定の出力エリア8内に光を反射、あるいは透過せしめるために好適な、上記感光性媒体に形成された微細彫刻面を原型とする彫刻表面組織を有するプラスチック等の材料より成る。また、光拡散板20は画像を射影する所望の寸法及び形状のものである。
光拡散板20の表面組織は光拡散板20を透過して所定の出力エリア8に放出される光束を再指向せしめ、その光は所定の出力エリア8内に出力され、出力エリア8以外での光の輝度レベルは極端に低くなり、効率は極めて高くなる。
また、所定の出力エリア8に実際に再指向される光の出力エリア8d内の輝度は、本発明の光拡散板20を用いない場合よりも高くなり、その輝度は光拡散板20の平面内位置により変化が少ない。光拡散板20の平面内の各位置を平行に透過した光はそれぞれの位置a,b,cで異なった出力エリア8a,8b,8cを示すがそれぞれの矩形形状は同一であり、各位置からの出力エリアの重なった矩形のエリア8dにおいては光拡散板20の平面内のどの位置から出射された光の輝度もほぼ一定となる。
したがって、本発明により作製した光拡散板は、光拡散板のどの場所においても放出される光が目的の視野内に指向せしめるように制御されるため、高く均一な輝度やゲインを得ることができ、反射型スクリーン、透過型スクリーンを問わず用いることができる。例えば、アルミニウム、選択反射膜等の反射機能を有した材料を光拡散板の表面、あるいは裏面に蒸着、あるいは塗布、あるいは貼付して形成した反射型スクリーンの場合には、光拡散板の彫刻組織に応じて入射光束を反射せしめ、光は望まないエリア内には反射されず、所定の出力エリア内に反射されるため、全出力エリア内で輝度が上昇する。
以下に、本発明の実施例を説明する。なお、本実施例は例示であり、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図2,3に示した構成で露光処理を行った。その露光条件を以下に示す。
(1)光源:水冷アルゴンイオンレーザ(スペクトラフィジックス社製、出力0.2mW、露光エネルギー2mJ)
(2)マスター拡散体:すりガラス
(3)マスター拡散体と感光基板との距離:600mm
(4)マスター拡散体上の投影形状(マスクにて調整):横×縦=60mm×10mmの長円
(5)感光基板
i)基板:PETフィルム 200mm×150mm
ii)感光性媒体:フォトレジスト(デュポンMRCドライフィルム社製FMA6E40)
(6)感光基板曲げ形状:横方向マスター拡散体中心に対してR600mmに湾曲
(7)露光時間:10秒
この感光基板を用いて上記露光条件で露光した後、炭酸ナトリウム1.0%溶液で現像を行った。その後、十分に水洗した後、温風乾燥してスペックルパターンに対応した凹凸形状の微細彫刻面を形成した。
このようにして作製した微細彫刻面へアルミ蒸着を行い、ついでNiからなる電鋳層を形成して、メタルマスターを作製した。
こうして得られたメタルマスターを用いて熱可塑性透明樹脂シートと重ねて熱プレスを行い、光拡散板の製品を得た。
上記光拡散板の露光エリアエッジ部Aと中央部Bそれぞれの位置における輝度分布を図5に示す。なお、この光拡散板は横方向で略40°、縦方向で略20°のFWHM(Full Width Half Maximum)を有する、いわゆる横方向40°、縦方向20°の略楕円形光拡散板である。
従来の光拡散板では、図6のようにA,Bの各位置での幅とピークの角度が異なっており、この範囲内で輝度ムラが大きい。これに対して、本発明の光拡散板では、図5においてA,Bの各位置で輝度分布のばらつきはほとんどなく、輝度ムラが少ないことが分かる。
また、輝度分布のサイドローブ(所定の出力エリアの外側エリア、またはFWHM発光エリア)の強度は最小であり、従って光エネルギーは有効に保存されていることが分かる。
(実施例2)
以下の条件で光拡散板を作製した。
(1)感光基板:
i)基板:PETフィルム(厚み125μm)サイズ 対角線の長さ80インチ
ii)剥離層:アクリル系樹脂(塗布厚1〜2μm)
iii)感光性媒体:ネガ型ドライフィルム(デュポンMRCドライフィルム社製FMA107、厚さ25μm)
ここで、基板のPETフィルムに剥離層としてアクリル系樹脂をグラビアコータにて塗布乾燥した後、その表面に感光性媒体として上記ドライフィルムを約100℃でラミネートして感光基板とした。
ついで、この感光基板を用いて、図2,3に示す構成の露光を行った。露光条件を以下に示す。
(2)露光条件
i)光源:アルゴンイオンレーザ(スペクトラフィジックス社製STABILITE2017、波長488nm、出力1W)
ii)マスター拡散板:すりガラス(透過光強度の半値幅20°)
iii)マスター拡散体と感光基板との距離:600mm
iv)マスター拡散体上の投影形状(マスクにて調整):横×縦=60mm×10mmの長円
v)感光基板曲げ形状:横方向マスター拡散体中心に対してR600mmに湾曲
vi)露光時間:10秒
上記露光条件で露光した後、液温28℃の炭酸ナトリウム1.0%溶液をスプレー圧1.5×10Paでスプレーして現像を行った。その後、十分に水洗した後、温風乾燥してスペックルパターンに対応した凹凸形状の微細彫刻面を有する感光基板を得た。
ついで、この感光基板は厚み0.160mm前後であり剛性に欠けるため、紫外線硬化性接着剤を用いてその裏面に厚み2mmのアクリル基板を接着して剛性を増し、その後の処理の利便性を図った。
このようにして作製した感光基板表面へ硝酸銀水溶液と還元剤水溶液を二筒式スプレー法により塗布し、銀鏡反応により導電化処理を行い、導電層としてAg層を形成した。
電鋳工程ではスルファミン酸ニッケル水溶液浴中にて、上記導電層を陰極としてニッケル電極との間に直流電流を通電して電着層としてNi層を厚さ5mm電着した。
電着終了後、端面の研磨工程を経て第1電鋳層とし、アクリル基板を120℃に加熱して剥離層を溶融して層間剥離させることにより、基板を分離した。ついで、60℃、5%の水酸化ナトリウム水溶液により感光性媒体及び中間層の残存物を膨潤剥離した。
つぎに第1電鋳層の表面に付着している導電層は除去せずに、上記第1電鋳層の場合と同様の手順にて第2電着層としてNi層を形成した。
ついで、導電層を層間剥離させることにより、第2電鋳層を第1電鋳層から分離し、さらに第2電鋳層に付着している導電層の残存物を除去した。
こうして得られた第2電鋳層をマスターの電鋳金型としてサブマスターの電鋳金型を作成し、これにアクリル系紫外線硬化型樹脂を塗布した後、紫外線照射により硬化させて対角線の長さ80インチの光拡散板の製品を得た。
上記のように、大面積の感光性媒体への露光を短時間で行うことができるため、大画面で高品質の光拡散板の製造が可能であり、かつ電鋳金型製造時に第1世代電着後に導電層に残存している形状を崩すことなく感光性媒体を除去することができ、引き続き施される第2世代電着によって原型(感光基板の凹凸パターン)に忠実な電鋳金型を得ることが可能であった。またそのため、光拡散板のどの場所においても放出される光が目的の視野内に指向せしめるように制御された高く均一な輝度やゲインを有する光拡散板を得ることができた。
感光基板の断面構成図である。 本発明に係る光拡散板の製造方法における露光工程における露光機構の構成図である。 図2の拡大構成図である。 本発明により作製された光拡散板の出力特性を表す概念図である。 本発明により作製された光拡散板の露光エリアエッジ部Aと中央部Bそれぞれの位置における輝度分布を示す図である。 従来の光拡散板の露光エリアエッジ部Aと中央部Bそれぞれの位置における輝度分布を示す図である。 従来の露光工程における露光機構の拡大構成図である。
符号の説明
1…基板、2…感光性媒体、4…レーザ、5…対物レンズ、6…シリンドリカルレンズ、7…マスター拡散体、8,8a,8b,8c,8d…出力エリア、10…感光基板、20…反射型スクリーン

Claims (2)

  1. 拡散体を通して拡散された干渉光により、基板上に形成された感光性媒体を露光・現像してスペックルパターンを有する微細彫刻面を形成し、該微細彫刻面を利用して光拡散板を製造することよりなる光拡散板の製造方法であって、
    前記基板として可撓性部材を用い、基板の感光性媒体面を前記感光性媒体面と拡散体との間の距離が該感光性媒体面内で一定となるように拡散体側に撓ませて露光を行う光拡散板の製造方法。
  2. 前記微細彫刻面が形成された基板を用いて該微細彫刻面の組織が転写された電鋳金型を製造し、次いで該電鋳金型を用いて直接または間接に光拡散板を製造する請求項1に記載の光拡散板の製造方法。
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