JP4432150B2 - ラックピニオン式ステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラックピニオン式ステアリング装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
ラックピニオン式ステアリング装置は、通常、ケーシングと、このケーシングに回転自在に支持されたピニオンと、このピニオンに噛合うラック歯が形成されたラックバーと、ケーシング内に配されて、ラックバーを摺動自在に支持するラックガイドと、このラックガイドをラックバーに向かって押圧するスプリングとを具備している。
【0003】
斯かるラックピニオン式ステアリング装置において、摺動摩擦抵抗を減少して操縦性を向上させるために、ラックガイドのラックバーとの摺動面を、ラックバーと一定の帯状幅の領域内で接触させるように偏心曲率中心をもって円弧凹面に形成することが特開平11−91592号公報等で提案されている。
【0004】
ところで、上記のようにラックガイドに一定の帯状幅の領域内で接触して当該ラックバーにより摺動自在に支持されるラックバーを具備したラックピニオン式ステアリング装置では、摺動摩擦抵抗の減少により操縦性は一応向上するが、ラックバーがラックガイドに全体的に接触されて当該ラックガイドに摺動自在に支持されるものと比較してある意味ではラックバーが線接触支持されることになるために、ステアリング操作によるラックバーの移動において、ラックバーに揺動が生じ易くなる。
【0005】
ステアリング操作においてラックバーが揺動されると、ピニオンとの噛合いが上手くいかず、噛合いにおいて異音が発生したり、噛合いの不都合による振動がステアリングホイールに伝達されて操縦者に不安感を抱かせる虞がある。
【0006】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、摺動摩擦抵抗の減少による操縦性の向上を得ることができる上に、しかも、ラックバーの揺動を抑えて、揺動による不都合を生じさせないラックピニオン式ステアリング装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様のラックピニオン式ステアリング装置は、ケーシングと、このケーシングに回転自在に支持されたピニオンと、このピニオンに噛合うラック歯が形成されたラックバーと、このラックバーを摺動自在に支持するラックガイドと、このラックガイドをラックバーに向かって押圧するスプリングとを具備しており、ここで、ラックガイドは、ラックガイド基体と、ラックバーの円弧外周面に摺動自在に当接してラックバーを摺動自在に支持する円弧凹面を有していると共に、ラックガイド基体に固着された彎曲摺動板片とを具備しており、円弧凹面は、ラックバーの円弧外周面の曲率中心を通る中心線から角度方向の両側において角度50°を越えない部位でラックバーの円弧外周面に外接し、角度50°を越える部位ではラックバーの円弧外周面に隙間をもって配されており、円弧凹面の角度方向の両端の夫々とラックバーの円弧外周面との間の隙間長は、0.02mmから0.20mmまでの範囲である。
【0008】
第一の態様のラックピニオン式ステアリング装置によれば、角度50°を越える部位ではラックバーの円弧外周面に隙間をもって配されているために、彎曲摺動板片の円弧凹面とラックバーの円弧外周面との接触面積を低減できる結果、摺動摩擦抵抗の減少を図り得て、操縦性の向上を得ることができる上に、しかも、円弧凹面の角度方向の両端の夫々とラックバーの円弧外周面との間の隙間長が0.02mmから0.20mmまでの範囲であるために、ステアリング操作によるラックバーの移動において、ラックバーの揺動を彎曲摺動板片の円弧凹面により好ましく抑えることができ、揺動による不都合を生じさせないようにし得る。
【0009】
第一の態様のラックピニオン式ステアリング装置において、ラックバーの円弧外周面に外接する円弧凹面の部位は、角度方向の両側において、互いに連続していても、或いは、これに代えて、曲率中心を通る中心線付近で分断された一定の幅の互いに独立した帯状であってもよい。外接する最大角度が50°を越えると、ラックバーを両側から挟み付けたようになって、ラックバーのピニオンへの噛合力に寄与しない摺動抵抗が増加するので、操縦性の低下を招来する。好ましい例では、本発明の第二の態様のラックピニオン式ステアリング装置のように、外接する最大角度が45°から30°までの範囲である。外接する最大角度が30°よりも小さくなると、円弧凹面によるラックバーの所定位置への保持が低下して、ステアリング操作によるラックバーの移動において、ラックバーが大きく揺動される虞が生じる。
【0010】
第一の態様のラックピニオン式ステアリング装置において、隙間が0.02mmよりも小さいと、円弧凹面によりラックバーを締め付けるようになり、ラックバーに対する摺動抵抗を増加させ好ましくなく、隙間長が0.20mmよりも大きいと、ステアリング操作によるラックバーの移動において、ラックバーが大きく揺動される虞が生じる。より好ましい例では、本発明の第三の態様のラックピニオン式ステアリング装置のように、隙間長は、0.05mmから0.18mmまでの範囲である。
【0011】
本発明のラックガイド基体としては、金属、好ましくは、鉄系の焼結金属若しくはアルミニウム又はガラス繊維若しくは炭素繊維等の補強充填材入り合成樹脂から好ましくは一体形成される。
【0012】
本発明の第四の態様のラックピニオン式ステアリング装置では、第一から第三のいずれかの態様のラックピニオン式ステアリング装置において、円弧凹面の角度方向の両端は、ラックバーの円弧外周面の曲率中心を通る中心線から角度方向の両側において、90°以下の範囲に位置している。
【0013】
円弧凹面の角度方向の両端が90°を超えて位置していると、円弧凹面へのラックバーの装着及びラックガイド基体への彎曲摺動板片の装着が比較的困難となり、好ましくない。
【0014】
本発明の第五の態様のラックピニオン式ステアリング装置では、第一から第四のいずれかの態様のラックピニオン式ステアリング装置において、ラックガイド基体は、中央に貫通孔を具備しており、彎曲摺動板片は、ラックガイド基体の貫通孔に嵌着された中空の突起部を有して、当該突起部を介してラックガイド基体に固着されている。
【0015】
第五の態様のラックピニオン式ステアリング装置によれば、彎曲摺動板片を突起部を介してラックガイド基体に固着するために、彎曲摺動板片が確実にラックガイド基体に固定され、振動等で彎曲摺動板片がラックガイド基体から浮き上がったり、外れたりすることをなくし得る。
【0016】
本発明の第六の態様のラックピニオン式ステアリング装置では、第五の態様のラックピニオン式ステアリング装置において、彎曲摺動板片の突起部の先端には、突起部の中空先端を閉塞するようにして突起部の形状を保持する補強部が一体的に形成されている。
【0017】
第六の態様のラックピニオン式ステアリング装置によれば、彎曲摺動板片の突起部の先端に、当該突起部の形状を保持する補強部が一体的に形成されているために、中空の突起部の先端部側の縮径等の形状変化の虞を低減でき、而して、彎曲摺動板片をラックガイド基体に長期に亘ってしっかりと保持でき、摺動抵抗及び摩耗の増大という不都合な事態を回避できる。
【0018】
本発明の第七の態様のラックピニオン式ステアリング装置では、第五又は第六の態様のラックピニオン式ステアリング装置において、補強部と突起部とは、絞り成形により一体的に形成されている。
【0019】
本発明の第八の態様のラックピニオン式ステアリング装置では、第一から第七の態様のいずれかの態様のラックピニオン式ステアリング装置において、彎曲摺動板片は、複層材料からなり、略楕円形又は方形に形成されている。
【0020】
本発明の彎曲摺動板片は、第八の態様のように複層材料からなるものが好ましく、このような複層材料からなる素板を打ち抜き加工又は切断して略楕円形又は方形の摺動板素材を得て、この摺動板素材を彎曲状に曲げ加工して形成するとよい。複層材料としては、薄鋼板と、この薄鋼板上に一体に被着形成された多孔質焼結金属層と、この多孔質焼結金属層に含浸され且つ一部が多孔質焼結金属層上に薄層として形成された合成樹脂層とからなるものを好ましい例として挙げることができ、多孔質焼結金属層に含浸される合成樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリアセタール樹脂又はこれに潤滑油剤を含有させた含油ポリアセタール樹脂等の自己潤滑性、耐摩耗性を有する合成樹脂を使用し得る。
【0021】
本発明の第九の態様のラックピニオン式ステアリング装置では、第一から第八の態様のいずれかの態様のラックピニオン式ステアリング装置において、円弧凹面は、ラックバーの円弧外周面の曲率中心に対して偏心した曲率中心をもつと共に、ラックバーの円弧外周面の曲率半径よりも大きな曲率半径をもった前記中心線に関して対称な二つの円弧凹面からなる。
【0022】
本発明の第九の態様のラックピニオン式ステアリング装置によれば、彎曲摺動板片の円弧凹面が、ラックバーの円弧外周面の曲率中心に対して偏心した曲率中心を有すると共に、ラックバーの円弧外周面の曲率半径よりも大きな曲率半径をもった二つの円弧凹面からなるために、彎曲摺動板片の円弧凹面へのラックバーの円弧外周面の摺接が二個所の部位で線的又は狭帯状的になされる結果、ラックバーと彎曲摺動板片との摺動摩擦抵抗を大幅に低減できる。
【0023】
なお、第九の態様に代えて、本発明の第十の態様のラックピニオン式ステアリング装置のように、円弧凹面が、ラックバーの円弧外周面に外接する最大角度までは、ラックバーの円弧外周面の曲率中心を有すると共に、ラックバーの円弧外周面の曲率半径と実質的に同一の曲率半径をもった円弧凹面からなり、ラックバーの円弧外周面に外接する最大角度を越える部位では、ラックバーの円弧外周面の曲率中心に対して偏心した曲率中心を有すると共に、ラックバーの円弧外周面の曲率半径と異なる曲率半径をもった前記中心線に関して対称な二つの円弧凹面からなるようにしてもよい。
【0024】
以下本発明の実施の形態を、図に示す好ましい例に基づいて詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1から図4において、本例のラックピニオン式ステアリング装置1は、中空部2を有したケーシング3と、ケーシング3にボール軸受4及び5を介して回転自在に支持されたステアリング軸6と、中空部2に配されて、ステアリング軸6の軸端に一体的に設けられたピニオン7と、ピニオン7に噛合うラック歯8が形成されたラックバー9と、ケーシング3の中空部2に配されて、ラックバー9を摺動自在に支持するラックガイド10と、ラックガイド10をラックバー9に向かって押圧するコイルスプリング11とを具備している。
【0026】
ケーシング3は円筒部15を有しており、ステアリング軸6の軸心に対して直角な方向においてケーシング3を貫通して、当該直角な方向に移動自在に配されたラックバー9は、ラック歯8が形成された面に対向する裏面側に曲率半径R0の円弧外周面16を有している。
【0027】
ラックガイド10は、円弧凹面20を有すると共に、凹所21及び凹所21に連通して中央に形成された貫通円孔22を有するラックガイド基体23と、補強部としての先端閉塞部24が一体的に形成された中空の円筒状の突起部25を有しており、当該突起部25が貫通円孔22に嵌着されて、円弧凹面20に密に着座するようにラックガイド基体23に突起部25を介して固着された彎曲摺動板片26とを具備している。
【0028】
ラックガイド基体23は、その円筒状の外周面27でケーシング3の円筒部15の内面28に摺動自在に接しており、これにより、ラックガイド10は、ステアリング軸6の軸心に対して直角な方向に移動自在となっている。
【0029】
彎曲摺動板片26は、二つの円弧凹面29及び30からなる円弧凹面19を具備しており、円弧凹面29及び30でラックバー9の円弧外周面16に後述するように部分的に摺動自在に接してラックバー9を摺動自在に支持している。二つの円弧凹面29及び30からなる円弧凹面19の裏側の面である彎曲摺動板片26の円弧凸面63及び64は円弧凹面20に密に接触している。
【0030】
円弧凹面29は、ラックバー9の円弧外周面16の曲率中心O1を通る中心線43の角度方向の一方側において角度50°を超えない部位で、本例では、角度α=40°の部位81でラックバー9の円弧外周面16に外接し、角度50°を越える部位ではラックバー9の円弧外周面16に隙間91をもって配され、しかも、角度方向の一端92とラックバー9の円弧外周面16との間の隙間長Lが0.02mmから0.20mmまでの範囲、本例では0.05mmとなるように、ラックバー9の円弧外周面16の曲率中心O1に対して偏心した曲率中心O2を有すると共に、ラックバー9の円弧外周面16の曲率半径R0よりも大きな曲率半径R1(R1>R0)をもった円弧凹面からなり、円弧凹面30は、ラックバー9の円弧外周面16の曲率中心O1を通る中心線43の角度方向の他方側において角度50°を超えない部位、本例では角度α=40°の部位82でラックバー9の円弧外周面16に外接し、角度50°を越える部位ではラックバー9の円弧外周面16に隙間94をもって配され、しかも、角度方向の他端95とラックバー9の円弧外周面16との間の隙間長Lが0.02mmから0.20mmまでの範囲、本例では0.05mmとなるように、ラックバー9の円弧外周面16の曲率中心O1に対して偏心した曲率中心O3を有すると共に、ラックバー9の円弧外周面16の曲率半径R0よりも大きな曲率半径R1(R1>R0)であって、円弧凹面29の曲率半径R1と同一の曲率半径R1をもった円弧凹面からなり、二つの円弧凹面29及び30は、中心線43に関して対称に形成されている。
【0031】
なお本発明では、隙間長Lは、両端92及び95を互いに結ぶ直線93とラックバー9の円弧外周面16との交点96及び97の夫々から各端92及び95の夫々までの距離をいう。
【0032】
円弧凹面29及び30の角度方向の両端92及び95は、ラックバー9の円弧外周面16の曲率中心O1を通る中心線43から角度方向の両側において、90°以下の範囲、本例では角度β=80°に位置している。
【0033】
矩形状又は短冊状の彎曲摺動板片26は、薄鋼板と、薄鋼板上に一体に被着形成された多孔質焼結金属層と、多孔質焼結金属層に含浸され且つ一部が多孔質焼結金属層52薄層として形成された合成樹脂層とからなる複層素板から打ち抜き加工により、矩形状又は短冊状の摺動板片素材を形成し、この摺動板片素材に、合成樹脂層の露出面からなる二つの円弧凹面29及び30を得るようにして、プレス曲げ加工を施すと共に、先端閉塞部24を一体的に有した突起部25を得るようにして絞り成形を施して形成される。
【0034】
ラックガイド基体23の円弧凹面20は、彎曲摺動板片26の二つの円弧凸面63及び64にぴったりと密接するように、当該二つの円弧凸面63及び64の形状に相補的な形状をもった二つの円弧凹面41及び42をもって形成されている。
【0035】
凹所21に配されたコイルスプリング11は、凹所21において、一端がラックガイド基体23に当接し、他端がケーシング3の蓋部材31に当接して、ラックガイド基体23を介して彎曲摺動板片26をラックバー9に向かって押圧している。
【0036】
以上のラックピニオン式ステアリング装置1において、ラックガイド10は、ステアリング軸6の回転において、ラック歯8のピニオン7への噛合いを確保して、しかも、当該噛合いによるステアリング軸6の軸心に対して直角な方向のラックバー9の移動を案内する。そして、ラックピニオン式ステアリング装置1においては、ラックバー9が、部位81及び82において線的又は角度方向に角度50°を超えないようにして部位81及び82を含んで部位81及び82の近傍において狭帯状的に彎曲摺動板片26に接触する結果、ラックバー9と彎曲摺動板片26との摺動摩擦抵抗は大幅に低減される。
【0037】
更に、ラックピニオン式ステアリング装置1では、円弧凹面29及び30は、角度方向において角度50°を越える部位ではラックバー9の円弧外周面16に隙間91及び94をもって配されているために、ラックバー9を彎曲摺動板片26により両側から挟み付けるようなことをなくし得て、ラックバー9のピニオン7への噛合力に寄与しない摺動抵抗を増加させることがなく、操縦性の低下を回避でき、しかも、彎曲摺動板片26の円弧凹面29及び30とラックバー9の円弧外周面16との接触面積を低減できる結果、摺動摩擦抵抗の減少を図り得て、操縦性の向上を得ることができる上に、円弧凹面29及び30の角度方向の両端92および95の夫々とラックバー9の円弧外周面16との間の隙間長Lが0.02mmから0.20mmまでの範囲、本例では0.05mmであるために、ステアリング操作によるラックバー9の移動において、ラックバー9の揺動を彎曲摺動板片26の円弧凹面29及び30により好ましく抑えることができ、揺動による不都合を生じさせないようにし得る。
【0038】
加えて、本例のラックガイド10では、貫通円孔22に嵌着された突起部25が、補強部としての先端閉塞部24を一体的に具備しているために、突起部25の先端部側の縮径等の形状変化が生じ難く、而して、貫通円孔22での突起部25のしっかりした嵌合、嵌着状態、すなわち、突起部25と貫通円孔22との間でのしまりばめ状態を長期に亘って維持できる結果、彎曲摺動板片26をラックガイド基体23に長期に亘って同じくしっかりと保持でき、ラックバー9と彎曲摺動板片26との線的又は狭帯状的な接触を初期設定時の状態のまま長期に亘って維持できる。
【0039】
なお上記では、矩形状又は短冊状の彎曲摺動板片26を用いたが、素板を略楕円形に打ち抜き加工して又は切断して、略楕円形の摺動板素材を形成し、これを前記と同様に曲げ加工及び絞り成形して彎曲摺動板片を形成し、この略楕円形の彎曲摺動板片98を図5に示すようにラックガイド基体23に嵌着して、本発明のラックピニオン式ステアリング装置を構成してもよい。
【0040】
更に上記では、ラックバー9が、部位81及び82において線的又は角度方向に角度50°を超えないようにして部位81及び82を含んで部位81及び82の近傍において狭帯状的に彎曲摺動板片26に接触するようにしたが、これに代えて、一方側において角度50°を超えない部位81又は部位81を含んで部位81近傍から他方側において角度50°を超えない部位82又は部位82を含んで部位82近傍まで突起部25を除いて全体的に連続的に彎曲摺動板片26に接触するようにしてもよい。すなわち、具体的には、例えば部位81から部位82までの彎曲摺動板片26の円弧凹面19を、曲率中心O1を有すると共にラックバー9の円弧外周面16の曲率半径R0と実質的に同一の曲率半径R0をもった円弧凹面で形成し、部位81から端92まで及び部位82から端95までの彎曲摺動板片26の円弧凹面19を、ラックバー9の円弧外周面16の曲率中心O1に対して偏心した曲率中心、本例では曲率中心O2及びO3を有すると共に、ラックバー9の円弧外周面16の曲率半径R0と異なる曲率半径、本例では曲率半径R1をもった中心線43に関して対称な前記と同様な円弧凹面29及び30で形成してもよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、摺動摩擦抵抗の減少による操縦性の向上を得ることができる上に、しかも、ラックバーの揺動を抑えて、揺動による不都合を生じさせないラックピニオン式ステアリング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラックピニオン式ステアリング装置の好ましい実施の態様の一例の断面図である。
【図2】図1に示すラックピニオン式ステアリング装置に用いられているラックガイドの平面図である。
【図3】図1に示すラックピニオン式ステアリング装置に用いられているラックガイドの詳細説明図である。
【図4】図1に示すラックピニオン式ステアリング装置に用いられているラックガイドの一部拡大断面図である。
【図5】彎曲摺動板片の他の例の説明平面図である。
【符号の説明】
1 ラックピニオン式ステアリング装置
3 ケーシング
7 ピニオン
8 ラック歯
9 ラックバー
10 ラックガイド
11 コイルスプリング
16 円弧外周面
23 ラックガイド基体
26 彎曲摺動板片
29、30 円弧凹面
91、94 隙間
L 隙間長
Claims (6)
- ケーシングと、このケーシングに回転自在に支持されたピニオンと、このピニオンに噛合うラック歯が形成されたラックバーと、このラックバーを摺動自在に支持するラックガイドと、このラックガイドをラックバーに向かって押圧するスプリングとを具備しており、ラックガイドは、中央に貫通孔を有したラックガイド基体と、ラックバーの円弧外周面に摺動自在に当接してラックバーを摺動自在に支持する円弧凹面を有していると共に、ラックガイド基体に固着された彎曲摺動板片とを具備しており、円弧凹面は、ラックバーの円弧外周面の曲率中心を通る中心線から角度方向の両側において角度50°を越えない部位でラックバーの円弧外周面に外接し、角度50°を越える部位ではラックバーの円弧外周面に隙間をもって配されており、ラックバーの円弧外周面に外接する最大角度までの部位では、ラックバーの円弧外周面の曲率中心を有すると共に、ラックバーの円弧外周面の曲率半径と実質的に同一の曲率半径をもった円弧凹面からなり、ラックバーの円弧外周面に外接する最大角度を越える部位では、ラックバーの円弧外周面の曲率中心に対して偏心した曲率中心を有すると共に、ラックバーの円弧外周面の曲率半径よりも大きな曲率半径をもった前記中心線に関して対称な二つの円弧凹面からなっており、円弧凹面の角度方向の両端は、ラックバーの円弧外周面の曲率中心を通る中心線から角度方向の両側において、90°以下の範囲に位置しており、円弧凹面の角度方向の両端の夫々とラックバーの円弧外周面との間の隙間長は、0.02mmから0.20mmまでの範囲であり、彎曲摺動板片は、ラックガイド基体の貫通孔に嵌着された中空の突起部を有して、当該突起部を介してラックガイド基体に固着されており、彎曲摺動板片の円弧凹面におけるラックバーの円弧外周面に外接する最大角度までの部位の円弧凹面は、突起部を除いて全体的に連続的にラックバーの円弧外周面に接触しているラックピニオン式ステアリング装置。
- 円弧凹面がラックバーの円弧外周面に外接する最大角度が45°から30°までの範囲である請求項1に記載のラックピニオン式ステアリング装置。
- 隙間長は、0.05mmから0.18mmまでの範囲である請求項1又は2に記載のラックピニオン式ステアリング装置。
- 彎曲摺動板片の突起部の先端には、突起部の中空先端を閉塞するようにして突起部の形状を保持する補強部が一体的に形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載のラックピニオン式ステアリング装置。
- 補強部と突起部とは、絞り成形により一体的に形成されている請求項4に記載のラックピニオン式ステアリング装置。
- 彎曲摺動板片は、複層材料からなり、略楕円形又は方形に形成されている請求項1から5のいずれか一項に記載のラックピニオン式ステアリング装置。
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