JP4432084B2 - レーザ計測方法、レーザ状態検知機器およびレーザ状態検知システム - Google Patents

レーザ計測方法、レーザ状態検知機器およびレーザ状態検知システム Download PDF

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本発明は、レーザ素子における自己結合効果(自己混合効果ともいう)を利用して計測対象物の状態を計測および検知するに好適なレーザ計測方法、レーザ状態検知機器およびレーザ状態検知システムに関する。
光学的な状態検知技術の1つにレーザ光の自己結合効果[Self mixing Effect]を利用したものがある(例えば特許文献1,2を参照)。この手法は、例えば図5に示すように所定の変調信号を用いて駆動したレーザ素子(以下、LD)1から計測対象物2にレーザ光を照射すると共に、計測対象物2により反射されて前記レーザ素子1に戻った反射光と前記照射光との自己結合効果により生じた干渉信号が重畳した照射光を受光器(以下、PD)3にて受光し、その出力を周波数分析する等して前記計測対象物2の状態を検知するものである。
即ち、レーザ素子1から出力光の発振波長を連続的に変化させると、検出対象物2により反射した戻り光と上記レーザ素子1の出力光とが干渉を生じ、共振条件を満たす波長においてはレーザ素子1の増幅効率が僅かに上がり、また減衰条件を満たす波長においては増幅効率が僅かに下がり、この結果、受光器3の出力が増減を繰り返す。例えば付与した電流値に応じてレーザ光の発振波長が変化するタイプの半導体レーザ素子を、例えば図6に示すような時間経過に伴って電流値が変化する三角波αを用いて波長変調すれば、電流値の連続的な増加に伴ってレーザ光の波長が連続的に増加し、また電流値がピークに達した後の上記電流値の連続的な減少に伴って上記レーザ光の波長が連続的に減少する。
このようにしてレーザ光の波長が連続的に増減する中で、上記照射光とその戻り光(反射光)との間の共振条件と減衰条件が何度も満たされる。この結果、前記受光器3からは上記三角波αに微小な干渉成分が重畳したビート波形(変調光)βが得られる。この干渉成分は、レーザ素子1と検出対象物2との距離L等の情報を含んでいる。従ってこのビート波形βを解析すれば、上記共振成分の周波数から対象物2までの距離や速度、振動等の状態を検知することが可能となる。例えば図5に示すように上記ビート波形βを微分して三角波αに重畳した信号成分を抽出し、この信号成分を計数することによって測定対象物の状態を検知することが可能となる。
特開平10−246782号公報 特開平11−287859号公報
ところで上述した三角波αに重畳した干渉成分は微小な信号成分である。この為、前記受光器3の出力から前述した干渉成分を検出することができないとき、その原因が干渉成分が微弱過ぎるのか、或いは干渉自体が生じていないのかを判断することができないと言う問題がある。換言すればレーザ素子における自己結合効果により生じた干渉成分が微弱なためにこれを検出することができないのか、或いは計測対象物が存在しないので戻り光(反射光)がなく、この結果、自己結合効果(共振/減衰)が生じていないのかを識別することができないと言う問題がある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、レーザ素子の自己結合効果を利用した状態検知を信頼性良く実行することのできるレーザ計測方法およびレーザ状態検知機器を提供することにある。
上述した目的を達成するべく本発明に係るレーザ計測方法は、計測対象物に向けて波長変調したレーザ光を照射すると共に、上記計測対象物にて反射した上記レーザ光が導入される半導体レーザ素子を用い、前記計測対象物による反射光とは独立に、前記レーザ素子における自己結合効果により生じた干渉信号が重畳した前記レーザ素子からの照射光だけ受光して前記計測対象物の状態を検知すると共に、上記照射光とは独立に前記計測対象物による反射光だけを受光して前記計測対象物の有無を検出することを特徴としている(請求項1)。
ちなみに前記照射光とは独立に検出する前記計測対象物による反射光として、前記レーザ素子から前記計測対象物に向けて照射されたレーザ光の反射光成分を検出する場合には、前記計測対象物による反射光を遮断して前記レーザ素子からの照射光だけを受光して状態検出を行い、且つ前記計測対象物による反射光については前記レーザ素子からの照射光を遮断して検出することが好ましい(請求項2)。また前記照射光とは独立に検出する前記計測対象物による反射光として、前記レーザ素子とは異なる光源から前記計測対象物に向けて発せられた補助光の反射光成分を検出する場合には、前記レーザ素子からの照射光を遮断することで上記反射光だけを検出することが望ましい(請求項3)。
また本発明に係るレーザ状態検知機器は、計測対象物に向けて波長変調したレーザ光を照射すると共に、上記計測対象物にて反射した上記レーザ光が導入される半導体レーザ素子を用い、このレーザ素子における自己結合効果により生じた干渉信号が重畳した照射光を解析して前記計測対象物の状態を検知するものであって、
特に前記レーザ素子からの照射光だけを受光可能に設けた状態検知用受光器と、前記対象物による反射光だけを受光可能に設けた対象物検出用受光器とを備えたことを特徴としている(請求項4)。
好ましくは前記レーザ素子が対物レンズを介して計測対象物にレーザ光を射出するものであるとき、
<a> 前記レーザ素子の照射光を直接受光または上記対物レンズにより反射された前記照射光の一部を受光可能で、且つ前記計測対象物による反射光が前記対物レンズを介して到達することのない位置に前記状態検知用受光器を設けると共に、
<b> 前記計測対象物による反射光が前記対物レンズを介して到達し、且つ前記レーザ素子の照射光および上記対物レンズにより反射された前記照射光が到達することのない位置に前記対象物検出用受光器を設けることが望ましい
また本発明に係るレーザ状態検知装置は、前記レーザ素子からの照射光だけを受光可能に設けた状態検知用受光器と、前記計測対象物に向けて補助光を照射する光源と、前記レーザ素子からの照射光を遮断して上記補助光の前記対象物による反射光だけを受光可能に設けた対象物検出用受光器とを備えたものとして構成することも可能である。
より好ましくは前記対象物検出用受光器を、前記対象物に向けてレーザ光を照射するレーザ素子の背面側であって、前記対物レンズの焦点位置に設けるようにすれば良い。尚、前記対物レンズについては、例えば請求項8に記載するように前記レーザ素子から出力されたレーザ光を略平行光束として計測対象物に照射するコリメートレンズとして実現することが好ましい。
また本発明は、上述したレーザ状態検知機器に加えて、前記計測対象物に向けて光を照射する投光素子、上記計測対象物からの反射光を受光する受光素子、およびこの受光素子の受光量から上記計測対象物の有無を識別する識別手段を有する光電スイッチと、この光電スイッチの識別結果から前記レーザ状態検知機器の検知状態を判定する判定手段と備えてレーザ状態検知システムを構築することを特徴としている。
本発明に係るレーザ計測方法によれば、レーザ素子から出力されるレーザ光とは独立に前記計測対象物による反射光を受光することで反射光の有無を判定し、この判定結果から前記レーザ素子においてレーザ光の自己結合効果による変調レーザ光が生じているか否かを判定することができる。従って自己結合効果により生じた干渉成分を検出することができない場合であっても、その原因が干渉成分が微弱であるのか、計測対象物が存在していないかを容易に判定して、その計測信頼性を高めることが可能となる。
また上記構成のレーザ状態検知機器によれば、状態検知用受光器にはレーザ素子から出力されたレーザ光、つまり計測対象物により反射されてレーザ素子に導入された戻り光により自己結合効果が生じて干渉信号が重畳した照射光だけが入射し、一方、対象物検出用受光器には計測対象物により反射された戻り光だけが導入されるので、上記対象物検出用受光器の出力をモニタすることで戻り光が存在するか否かを、ひいては計測対象物が存在するか否かを確実に検出することができる。また状態検知用受光器に戻り光が入り込むことがないので、レーザ素子における自己結合効果により生じた干渉成分を高感度に(S/N良く)検出することができる。
特にレーザ素子の前面(レーザ光射出面)に設けた対物レンズに対して前記状態検知用受光器および対象物検出用受光器を前述した位置関係にそれぞれ配置すれば、これらの2つの受光器を光学的に分離してコンパクトに位置付けることができるので、その全体構造のコンパクト化を容易に図ることが可能となる。また対象物検出用受光器をレーザ素子の裏面側であって対物レンズの焦点位置に配置すれば、戻り光の上記対象物検出用受光器による受光効率、ひいてはその受光強度を高めることができるので、その検出感度を十分に確保することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係るレーザ計測方法と、このレーザ計測方法を適用して実現されるレーザ状態検知機器について説明する。
レーザ状態検知機器は、基本的には波長変調したレーザ光を出力して計測対象物2に照射すると共に、計測対象物2により反射された上記レーザ光の戻り光(反射レーザ光)が導入されて上記照射レーザ光との自己結合効果により共振する半導体レーザ素子1を備える。更にこのレーザ状態検知機器は、自己結合効果により共振した上記レーザ素子1の出力(レーザ光)を受光して、その受光強度を検出する状態検知用受光器3とを備えると共に、前記計測対象物2による反射光(戻り光)の有無を検出する対象物検出用受光器5を備えて構成される。ちなみに半導体レーザ素子1はVCSEL型のレーザダイオード(LD)からなる。また状態検知用受光器3および対象物検出用受光器5は、それぞれフォトダイオード(PD)からなる。
尚、ここではレーザ素子1から出力されて計測対象物2にて反射したレーザ光の戻り光(反射レーザ光)を前記対象物検出用受光器5にて検出するものとして説明するが、レーザ素子1と並べて設けた別の光源、例えば発光ダイオード(LED)1aから計測対象物2に向けて前記レーザ光とは波長の異なる補助光を照射し、この補助光の計測対象物2による反射光を前記対象物検出用受光器5にて検出するようにしても良い。
例えば上記の別光源と対象物検出用受光器5とを、いわゆる反射形光電スイッチによって構成しても良い。市販されている代表的な反射形光電スイッチは、1つの筐体に投光素子(発光ダイオード)と受光素子(フォトダイオード)とを備えており、投光素子から対象空間へ向けて光を放射し、対象空間に対象物が存在する場合にその対象物によって反射した光を受光素子にて受光し、この受光量から対象物の有無を判定する機能を有するものとなっている。そこで反射形光電スイッチの投光素子を前述した「別の光源」と看做し、反射形光電スイッチの受光素子を対象物検出用受光器5と看做して、前述したレーザ素子1および状態検出用受光器3と共に用いるようにすれば本発明を実施することが可能となる。
この場合、補助光をパルス状に照射し、この補助光の照射タイミングに同期させて前記レーザ素子1から出力するレーザ光を波長変調することも有用である。即ち、補助光の立ち上がりと立ち下がりとを、レーザ素子1を波長変調するためのトリガとして利用する。このようにすれば非同期に入力する光に起因するノイズを抑えて、そのSN比を向上させることが可能となる。換言すればレーザ光と補助光との不本意な干渉を抑えることが可能となる。
さてこのレーザ状態検知機器(レーザ測定方法)が特徴とするところは、図1にその光学的な概念を示すように、上記状態検知用受光器3を、前記レーザ素子1から射出するレーザ光を受光し、且つ計測対象物2による反射光(戻り光)を受光することがないように、つまり上記レーザ素子1から出力されるレーザ光だけを受光するように設けて構成される。また対象物検出用受光器5を、前記計測対象物2による反射光(戻り光)を受光し、且つレーザ素子1から射出されるレーザ光を受光することがないように、つまり上記反射光だけを受光するように設けて構成される。
具体的には、例えば図2に示すように前記レーザ素子1は、そのレーザ放射面を対物レンズ4に向けて配置されている。ちなみにこの対物レンズ4は非球面レンズであり、光軸近傍では焦点距離が短く、外周に近付くにつれて徐々に焦点距離が長くなるように形成されている。そしてレーザ放射面から円錐状または楕円錐状に放射されるレーザ光を対物レンズ4を介してほぼ平行光路として計測対象物2に照射し、計測対象物2により反射されたレーザ光(戻り光)を前記対物レンズ4を介して受光するように構成される。
尚、対物レンズ4として球面レンズを用いることも可能である。この場合、対物レンズ4の焦点位置にレーザ素子1を配置し、焦点位置よりも遠くに受光素子5を配置することが望ましい。また図2においてはレーザ光の光軸と対物レンズ4の光軸とは同軸に設けているが、非同軸に設けることもできる。更に図2においてはレーザ光の光軸と対物レンズ4の光軸とを互いに平行に設けているが、互いに角度を持たせて設けることもできる。
このような状態検知光学系を備えた反射形レーザ状態検知機器において前記状態検知用受光器3は、前記レーザ素子1の側方であり、該レーザ素子1から出力された照射光を直接受光または前記対物レンズ4により反射したレーザ光の一部が到達する領域であって、且つ前記計測対象物2にて反射された戻り光が前記対物レンズ4を介して集光される領域を避けた位置に設けられる。
尚、上記対物レンズ4による反射については、対物レンズ4のレーザ素子1側の表面で生じる反射を用いても、或いは対物レンズ4の計測対象物2側の表面で生じる反射を用いても良い。また対物レンズ4の表面での反射率を向上させるべく、例えば対物レンズ4の表面の一部に金属反射膜や反射鏡等の反射手段を設けても良い。更には対物レンズ4の計測対象物2側の表面で生じる全反射を用いれば、特段の反射手段を設けずとも大きな反射率を得ることができる。
また対象物検出用受光器5は、前記レーザ素子1から出力された照射光を直接受光または前記対物レンズ4により反射したレーザ光の一部が到達することのない領域であって、且つ前記計測対象物2にて反射された戻り光が前記対物レンズ4を介して集光される領域内に設けられる。
即ち、対象物検出用受光器5(フォトダイオード)としては、その受光面積がレーザ素子1(レーザダイオード)の外形よりも大きいものが用いられる。そして上記対象物検出用受光器5は、前記レーザ素子1から出力された照射光を直接受光しない領域、または前記対物レンズ4により反射したレーザ光の一部が到達することのない領域であって、且つ前記計測対象物2にて反射された戻り光が前記対物レンズ4を介して集光される領域内に設けられる。具体的には前記対象物検出用受光器5は、レーザ素子1の裏面側(レーザ放射面の反対側)であって、特に前記計測対象物2にて反射されて対物レンズ4を介して集光される反射光(戻り光)が収束する位置、換言すれば前記非球面対物レンズ4の外周部分による焦点位置近傍に設けられる。この際、レーザ素子1から放射された光軸近傍の光は、対物レンズ4の表面で反射して反射光としてレーザ素子1の方向へ戻る。しかし対象物検出用受光器5はレーザ素子1の陰に入っているので、上記反射光を受光することはない。
このようにして状態検知用受光器3および対象物検出用受光器5をそれぞれ設けて、レーザ素子1における自己結合効果により干渉信号が重畳した照射光、および計測対象物2による反射レーザ光をそれぞれ検出するように構成された反射形レーザ状態検知機器によれば、状態検知用受光器3の出力からその干渉成分を検出することができない事態が生じても、対象物検出用受光器5の出力を調べることによって計測対象物2による反射レーザ光が存在するか否か、つまり計測対象物2が存在するか否かを判定することができる。従ってレーザ素子1における自己結合効果による共振成分を検出することができない原因が、例えばレーザ素子1の駆動条件が不適切でその干渉成分か微弱であるのか、或いは計測対象物2自体が存在しないことに起因するのかを容易に、しかも確実に判定することができる。
特に上述した構成によれば、対物レンズ4の焦点位置に対象物検出用受光器5を設けているので、計測対象物2からの戻り光(反射レーザ光)が微弱であっても、その微弱な光を効果的に収束させて対象物検出用受光器5に導くことができるので、戻り光に対する受光効率を効果的に高めることができ、高感度な戻り光検出を行うことが可能となる。特にレーザ素子1の裏面側に対象物検出用受光器5を配置しているので、対物レンズ4を介して集光される戻り光が前記レーザ素子1の周囲を経て該レーザ素子1の裏面側に集光されるので、その戻り光を確実に検出することができる。しかも対象物検出用受光器5には、レーザ素子1からの出力レーザ光、および対物レンズ4にて反射したレーザ光が入り込むことがないので上述した戻り光の検出をS/N良く実行することができる。
一方、前記状態検知用受光器3には計測対象物2にて反射した戻り光が到達することがないので、該状態検知用受光器3においてはレーザ素子1から出力されたレーザ光(自己結合効果が生じている場合には、その干渉信号が重畳した照射光)だけを正確に検出することができる。従ってレーザ素子1での自己結合効果により生じた共振成分が微弱であっても、その干渉成分が外乱光成分等に埋もれることがないので上記干渉成分に対する検出精度を容易に高めることが可能となる。
また構造的にはレーザ素子1の裏面側に対象物検出用受光器5を配置し、上記レーザ素子1の側部に状態検知用受光器3を配置すれば良いので全体的にコンパクトな配置構造とすることができ、容易にその小型化を図ることが可能となる。従って、例えば図3に示すように有底筒状のメタルカン11の先端開口部に対物レンズ4を装着すると共に、この対物レンズ4の裏面側凹部にレーザ素子1を埋め込んで配置し、更に上記メタルカン11の裏面側開口部(基部)に状態検知用受光器3および対象物検出用受光器5を搭載した回路基板12を装着すれば、反射形レーザ状態検知機器の、いわゆるTOパッケージ型のセンシングユニットを容易に構築することが可能となる。尚、図3においては、レーザ素子1の光軸を中心に2個の状態検知用受光器3を対称に設けた例を示している。またこの例では、レーザ素子1から出力されたレーザ光は、対物レンズ4の内面にて反射して状態検知用受光器3に導かれることになる。
また或いは、例えば図4に示すように構成すれば良い。即ち、金属製のケース100は有底の円筒形状に形成されており、傾きαを呈する底部101に円形の開口102を有している。そして開口102のケース100の内部側にガラス製の平凸のレンズ4が、その凸面を開口102に対峙させて斜めに設けられ、該レンズ4の外周全周を囲むように低融点ガラス103を溶融固化することでレンズ4がケース100に固定されている。尚、ケース100、レンズ4、および低融点ガラス103の材質としては、熱膨張率が互いに近似すると共に密着性に優れた材質がそれぞれ選択されており、レンズ4と開口102との間の密封状態が保たれる。
一方、ケース100の端部は金属製の円板状の基板110で塞がれている。即ち、ケース100の端部外周に形成されたフランジ形状の部分と基板110の外周に形成されたフランジ形状の部分とが密着して全周で溶接されて密封されている。基板110に形成された複数の貫通孔には、それぞれに金属製のピン111が挿入されている。それらの間は低融点ガラス112が溶融・固化されており、ピン111を基板110に固定している。基板110、ピン111、および低融点ガラス112の材質としては、熱膨張率が互いに近似すると共に密着性に優れた材質がそれぞれ選択されており、基板110とピン111との間の密封状態が保たれると共に、電気的絶縁性が保たれている。
また基板110の内側には、金属製の支柱113が固定されており、その先端部にはレーザ出射面11をレンズ4へ向けて、レーザ素子1が接着固定されている。また基板110にはその受光面をレンズ4側に向けて受光素子3,5が接着固定されており、特に受光素子5は前記レーザ素子1の裏面側であって、該レーザ素子1から照射されてレンズ4にて反射されたレーザ光が到達することのない位置に設けられている。また受光素子3は、計測対象物2により反射されたレーザ光(戻り光)がレンズ4を介して集光されることのない位置、具体的には基板110の縁部側に設けられる。
そしてこれらのレーザ素子1および受光素子3,5のそれぞれの端子とピン111との間は導電性を持つワイヤ(図示せず)で電気的に接続されており、外部からの給電および外部への信号取り出しが可能となっている。尚、基板110には接地ピン115が設けられており、この接地ピン115は基板110および支柱113に電気的に導通している。そして、レーザ素子1はその裏面で基板110に接地され、受光素子3はその裏面で支柱113に接地されている。
レーザ素子1とレンズ4と受光素子3,5については、図2に示した位置関係が採用されている。即ち、レーザ素子1の光軸はレンズ4の主点を通らずにやや変位して設けられており、レーザ素子1の光軸とレンズ4の光軸とは傾きαを成している。レーザ素子1のレーザ出射面11から円錐状に放射されるレーザ光の外縁部分120は、レンズ4の表面44で反射されてレンズ4の側方へ出射し、受光素子3により受光される。尚、レーザ光120がレンズ4に入射するとき、その一部121はレンズ4の内側の表面43で反射されるが、それが受光素子3に受光されないように、各部の位置関係が予め考慮されている。この際、カン・パッケージの内部空間に不活性ガスを充填しておけば、レーザ素子1の劣化を防いで長寿命化することができる。尚、平凸レンズ4の平面側をパッケージの外側へ向けて配置し、その平面側で生じる全反射を利用するようにしても良い。この場合、レンズ4の傾きαを小さくすることができる。また前述したようにレンズ4の凸面側をパッケージの外側へ向けて配置したときには、その凸面側で生じる全反射を利用するようにしても良い。
かくして上述した如く構成された反射形レーザ状態検知機器によれば、レーザ素子1における自己結合効果を利用して計測対象物2の状態を検知するに際し、計測対象物2による反射光だけを検出する対象物検出用受光器5を備え、状態検知用受光器3においてはレーザ素子10から出力されるレーザ光だけを検出するように構成されるので、計測対象物2による反射光(戻り光)の有無、ひいては計測対象物2の存在を容易に確認しながら該計測対象物2の状態を正確に検出することができる。しかも対象物検出用受光器5をレーザ素子1の背面側に配置することで、レーザ素子1および受光器3,5のレイアウトのコンパクト化を図ることができ、特にこれらを一体にパッケージ化する場合には、容易にその小型化を図ることができる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。実施形態においては対物レンズ4をレーザ素子1から射出されるレーザ光の光軸に対して直交させて配置したが、対物レンズ4を上記光軸に対して傾けて配置し、状態検知用受光器3に対するレーザ光の反射方向を更に外側に向けるようにしても良い。このようにして対物レンズ4を傾けても、該対物レンズ4を介して集光される戻り光の光路に殆ど変化が生じることがないので、対象物検出用受光器5については前述した実施形態と同様にレーザ素子1の背面側に配置すれば十分である。またレーザ素子1から出力された光の反射角を大きくすることができるので、状態検知用受光器3への戻り光の入射を確実に阻止することが可能となる。また対物レンズ4としては、例示した片面凸レンズに変えて両面凸レンズを用いることも勿論可能である。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明の一実施形態に係るレーザ計測方法を実施する上での概略的な光学系を示す図。 本発明の一実施形態に係るレーザ状態検知機器の概略構成を示す図。 レーザ状態検知機器の具体的な構成例を示す図。 レーザ状態検知機器のより具体的な構成例を示す断面図。 自己結合効果を利用したレーザ状態検知機器の基本的な構成を示す図。 レーザ光の自己結合効果により生じる変調レーザ光の概念を示す図。
符号の説明
1 レーザ素子
1a 光源
2 計測対象物
3 状態検知用受光器
4 対物レンズ
5 対象物検出用受光器

Claims (9)

  1. 計測対象物に向けて波長変調したレーザ光を照射すると共に、上記計測対象物にて反射した上記レーザ光が導入される半導体レーザ素子を用い
    前記計測対象物による反射光とは独立に、前記レーザ素子における自己結合効果により生じた干渉信号が重畳した前記レーザ素子からの照射光だけ受光して前記計測対象物の状態を検知すると共に、
    前記レーザ素子からの照射光とは独立に前記計測対象物による反射光だけを受光して前記計測対象物の有無を検出することを特徴とするレーザ計測方法。
  2. 前記照射光とは独立に検出される前記計測対象物による反射光は、前記レーザ素子から前記計測対象物に向けて照射されたレーザ光の反射光成分であって、前記レーザ素子からの照射光の検出は前記計測対象物による反射光を遮断して行われ、且つ前記計測対象物による反射光の検出は前記レーザ素子からの照射光を遮断して行われるものである請求項1に記載のレーザ計測方法。
  3. 前記照射光とは独立に検出される前記計測対象物による反射光は、前記レーザ素子とは異なる光源から前記計測対象物に向けて発せられた補助光の反射光成分であって、前記計測対象物による反射光は前記レーザ素子からの照射光を遮断して検出されるものである請求項1に記載のレーザ計測方法。
  4. 計測対象物に向けて波長変調したレーザ光を照射すると共に、上記計測対象物にて反射した上記レーザ光が導入される半導体レーザ素子を用い、このレーザ素子における自己結合効果により生じた干渉信号が重畳した前記レーザ素子からの照射光を解析して前記計測対象物の状態を検知するレーザ状態検知機器であって、
    前記レーザ素子からの照射光だけを受光可能に設けた状態検知用受光器と、前記対象物による反射光だけを受光可能に設けた対象物検出用受光器とを備えたことを特徴とするレーザ状態検知機器。
  5. 前記状態検知用受光器は、前記レーザ素子からの照射光を受光可能で、且つ前記計測対象物による反射光が到達することのない位置に設けられ、
    前記対象物検出用受光器は、前記計測対象物による反射光が到達し、且つ前記レーザ素子からの照射光が到達することのない位置に設けられるものである請求項4に記載のレーザ状態検知機器。
  6. 計測対象物に向けて波長変調したレーザ光を照射すると共に、上記計測対象物にて反射した上記レーザ光が導入される半導体レーザ素子を用い、このレーザ素子における自己結合効果により生じた干渉信号が重畳した照射光を解析して前記計測対象物の状態を検知するレーザ状態検知機器であって、
    前記レーザ素子の照射光だけを受光可能に設けた状態検知用受光器と、
    前記計測対象物に向けて補助光を照射する光源と、
    前記レーザ素子からの照射光を遮断して上記補助光の前記対象物による反射光だけを受光可能に設けた対象物検出用受光器と
    を備えたことを特徴とするレーザ状態検知機器。
  7. 前記レーザ素子は、対物レンズを介して計測対象物にレーザ光を照射するものであって、
    前記対象物検出用受光器は、前記対象物に向けてレーザ光を照射するレーザ素子の背面側であって、前記対物レンズの焦点位置に設けられるものである請求項4または6に記載のレーザ状態検知機器。
  8. 前記対物レンズは、前記レーザ素子から出力されたレーザ光を略平行光束として計測対象物に照射するものである請求項7に記載のレーザ状態検知機器。
  9. 計測対象物に向けて波長変調したレーザ光を照射すると共に、上記計測対象物にて反射した上記レーザ光が導入される半導体レーザ素子を用い、このレーザ素子における自己結合効果により生じた干渉信号が重畳した前記レーザ素子からの照射光を解析して前記計測対象物の状態を検知する請求項4〜8のいずれかに記載のレーザ状態検知機器と、
    上記計測対象物に向けて光を照射する投光素子、上記計測対象物からの反射光を受光する受光素子、およびこの受光素子の受光量から上記計測対象物の有無を識別する識別手段を有する光電スイッチと、
    この光電スイッチの識別結果から前記レーザ状態検知機器の検知状態を判定する判定手段と
    を具備したことを特徴とするレーザ状態検知システム。
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