JP4431593B2 - 折板屋根等吊金具用補強プレート - Google Patents

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Description

本発明は、吊り杆の下端に耳保持部を備えた軒樋吊金具を設け、前記吊り杆の上端を、折板屋根等に挿通して固定される折板屋根等吊金具用補強プレートに関する。
折板屋根等の建物では、軒樋等を直接取り付けできないため、一般には、前記折板屋根等に軒樋吊金具を固定し、該軒樋吊金具に前記軒樋を取付ける折板屋根等吊金具が使用されている。
このような折板屋根等吊金具は、吊り杆の下端に軒樋を取り付ける耳保持部を備えた軒樋吊金具を設け、前記吊り杆の上端を、折板屋根等に挿通して固定している。
そのため、前記吊り杆の上端には、軒樋等の全荷重が集中荷重となってかかり、前記吊り杆や折板屋根等に、曲げや破損等を生じる危険があるため、最近では、前記集中荷重を分散させて、曲げや破損等を防止するための補強部材が提案されている。
この補強部材は、吊り杆に貫通され、該吊り杆の上部に直交する方向に固定されてなり、前記補強部材の上面全体が、前記折板屋根等の裏面に当接されるようにしている。
そのため、前記軒樋等にかかる全荷重は、前記補強部材が当接している上面全体が折板屋根等の裏面に分散荷重となって負荷されるため、前記吊り杆や折板屋根等に生じる曲げや破損等を防止できる(例えば、特許文献1参照。)。
特開平8−253985号
このように、従来の折板屋根等吊金具用補強部材は、吊り杆や折板屋根等に生じる曲げや破損等を防止できる点で効果があるが、構造が複雑であるうえ、施工し難いという問題があった。
具体的には、前記吊り杆の上端は、折板屋根等に貫通して固定されるが、前記補強部材は、この作業前に予め前記吊り杆に貫通して取り付ける必要がある。
一方、折板屋根等には、屋根勾配があると共に、該屋根勾配は、設置する建物等によって様々であるが、前記軒樋吊金具自体は、これを水平に設置しなければならない。
そのため、施工現場においては、前記軒樋吊金具自体が水平に設置されるように、前記屋根勾配に応じて前記吊り杆を若干曲げて加工したうえで、取付けることが多い。
しかしながら、前記補強部材を備えた折板屋根等吊金具では、前記吊り杆の曲げ調節の度に一々前記補強部材を取外して調節した後、再度吊り杆に貫通しなければならない手間が生じ、施工し難いという問題がある。
そこで、本発明者等は、吊り杆の曲げ調節を行った後に装着可能な着脱構造の折板屋根等吊金具用補強部材を新規に創作しただけでなく、更に進んで、折板屋根等吊金具の設置後であっても、前記吊り杆の曲げ調節を簡単且つ確実に行うことのできる簡易な構造の折板屋根等吊金具用補強プレートを提供するものである。
上記目的を達成するため、
請求項1に係る折板屋根等吊金具用補強プレートは、吊り杆の下端に耳保持部を備えた軒樋吊金具を設け、前記吊り杆の上端を、折板屋根等に挿通して固定される折板屋根等吊金具に用いるための補強プレートであって、前記補強プレートは、相互に重合される一対の板体と、重合された前記一対の板体を固着するための固着具と、より構成してなり、前記板体は、前記固着具を挿通する取付孔を開設すると共に、上端には、前記折板屋根等の裏面に当接する当接片を設け、又、前記板体の略中央には、外方に膨出させると共に、上、下端に亘って連通した通し溝部を形成し、更に、前記通し溝部は、前記板体の上、下に亘って拡幅又は減幅するように形成してなる。
請求項2に係る折板屋根等吊金具用補強プレートは、請求項1において、吊り杆は、ネジ山を備えたボルト軸で形成するとともに、通し溝部には、内方に向けて突出させた切り起し爪を形成して、この切り起し爪が前記吊り杆のネジ山に係止されるようにしている。
請求項3に係る折板屋根等吊金具用補強プレートは、請求項1又は2の何れかにおいて、1つの板体は、複数枚の板片に分割されて形成している。
本発明によれば、次のような効果がある。 請求項1に係る折板屋根等吊金具用補強プレートによれば、相互に重合される一対の板体と、重合された前記一対の板体を固着するための固着具とよりなり、前記板体の上端に折板屋根等の裏面に当接する当接片を設けた簡易な構造にしている。
そのため、吊り杆の曲げ調節を行った後に、前記一対の板体を前記吊り杆に着脱自在にできるため、折板屋根等吊金具の施工を簡単且つ確実に行うことができる。
又、前記板体の略中央には、外方に膨出させると共に、上、下端に亘って連通した通し溝部を形成し、更に、この通し溝部は、上、下に亘って拡幅又は減幅するように形成してなる。
そのため、折板屋根等吊金具の設置後においても、前記通し溝部の許容範囲内で吊り杆の曲げ調節を行うことができ、前記吊り杆の曲げ調節を簡単且つ確実に行うことができる。
請求項2に係る折板屋根等吊金具用補強プレートによれば、吊り杆は、ネジ山を備えたボルト軸で形成するとともに、膨出部には、内方に向けて突出させた切り起し爪を形成して、この切り起し爪が前記吊り杆のネジ山に係止されるようにしている。
そのため、前記一対の板体を前記吊り杆に装着した際、この板体の切り起し爪が前記吊り杆のネジ山に係止されるため、前記一対の板体がズレることなく確実に装着されて折板屋根等吊金具の施工をより確実に行うことができる。
請求項3に係る折板屋根等吊金具用補強プレートによれば、1つの板体は、複数枚の板片に分割されて形成している。
そのため、必要な部分の板片だけを着脱自在にできるため、折板屋根等吊金具の吊り杆の曲げ調節を更に簡単且つ確実に行うことができる。
以下、本発明に係る折板屋根等吊金具用補強プレートAを図面とともに説明する。
図1は、本発明に係る折板屋根等吊金具用補強プレートAの一実施例を示す取付状態図であり、図2(a)、(b)は、図1で示した折板屋根等吊金具用補強プレートAの1枚の板体を示す正面図及び側面図である。
この折板屋根等吊金具用補強プレートAは、吊り杆T1の下端に耳保持部T2備えた軒樋吊金具T3を設け、吊り杆T1の上端を、折板屋根Yに挿通して固定される折板屋根等吊金具Tに用いるものであって、相互に重合される一対の板体1、1と、重合された一対の板体1、1を固着するための固着具2と、より構成してなる。
板体1は、固着具2を挿通する取付孔11を適所に開設すると共に、上端には、折板屋根Yの裏面に当接する当接片12を設けている。
ここでは、一対の板体1、1を、同形状に形成することでコストダウンを図っており、 そのため、当接片12は、重合された板体1、1上端の前、後に向けて突設しているが、例えば、当接片12を一方の板体1にのみ形成しても構わない。
又、板1の形状は、上端から下方に向けて狭くした略逆台形状に形成して、板1を小型化しているが、これに限定されるものではなく、折板屋根Yの断面波形状等に応じて適宜選択できる。
又、板体1の略中央には、外方に膨出させると共に、上、下端に亘って連通した通し溝部13を形成している。
この通し溝部13は、板体1、1の上、下端の何れか一方から他方に向けて徐々に拡幅するように形成しており、ここでは、板体1、1の下端から上端に向けて徐々に拡幅するように形成した通し溝部13を例示している。
この通し溝部13の拡幅は、吊り杆T1の曲げ調節を行った後に、該吊り杆1を通し溝部13内に収容できる程度(吊り杆T1の曲げを許容できる程度)に形成されていれば良い。
固着具2は、一対の板体1、1を確実に固着できるものであれば良く、ここでは、板体1、1に開設した取付孔11にボルトを挿通し、このボルトにナットを螺着して一対の板体1、1を固着するものを例示している。
只、一対の板体1、1を確実に固着できるものであれば、例えば、一方の板体1のみに取付孔11を開設しておき、この取付孔11に向けてドリルネジ等の固着具2をネジ込んで、一対の板体1、1を固着することも可能である。
以上のように構成した本発明に係る折板屋根等吊金具用補強プレートAは、以下の要領で使用する。
先ず、軒樋吊金具T3を備えた吊り杆T1の上端を、折板屋根Yに貫通し、この吊り杆T1の上端部にゴムパッキン等を備えたナット等の締着具からなる固定部材T4を螺合して、折板屋根Yに折板屋根等吊金具Tを取付ける。
そして、折板屋根Yの屋根勾配に応じて、軒樋が水平に設置されるように、吊り杆T1を周知手段によって若干曲げ加工を行い調節する。
次に、一方の板体1の通し溝部13に吊り杆T1を収容し、この吊り杆T1を挟み込むようにして、他方の板体1を重合する。
そして、重合された板体1、1の取付孔11に、ボルト等の固着具2を挿通してナットを仮締めして、板体1、1を仮止めする。
最後に、重合された板体1、1を上方に押し上げて、上端に設けた当接片12を、折板屋根Yの裏面に当接させたうえで、固着具2を締付け、施工を完了する。
このように、本発明の折板屋根等吊金具用補強プレートAによれば、吊り杆T1の曲げ調節を行った後に、一対の板体1、1を吊り杆T1に装着できるため、折板屋根等吊金具Tの施工を簡単且つ確実に行うことができる。
又、板体1、1の略中央には、下端から上端に向けて徐々に拡幅された通し溝部13を形成している。
そのため、折板屋根等吊金具Tの施工を完了した設置後においても、通し溝部13の許容範囲内で吊り杆T1の曲げ調節を行うことができるのである。
なお、上記施工要領は、一例に過ぎず、これに限定されるわけではない。
図3(a)、(b)は、本発明に係る折板屋根等吊金具用補強プレートAの他の実施例を示す板体の正面図及び(a)の点線部分を示した要部断面図である。
なお、図1、2と共通する部位には、同一の符号を付して重複する説明を省略し、以下では、実施例の特徴についてのみ説明する。
この折板屋根等吊金具用補強プレートAは、吊り杆T1がネジ山T11を備えたボルト軸で形成されている場合に使用されるものであって、板体1の通し溝部13には、内方に向けて突出させた切り起し爪14を形成し、この切り起し爪14が吊り杆T1のネジ山T11に係止されるようにしている。
本実施例では、通し溝部13の略中央に、上下方向に間隔をあけて複数の切り起し爪14を形成し、これら複数の切り起し爪14が吊り杆T1のネジ山T11に係止されることで、その係止を確実に行うことができる。
また、切り起し爪14は、図例のような切り起した板状のものに限定されず、例えば、板体1の内方に向けて膨出させたリブであっても良く、ネジ山T11に係止できるように形成されていれば良い。
このような折板屋根等吊金具用補強プレートAによれば、一対の板体1、1を吊り杆T1に装着した際、この板体1の切り起し爪14が吊り杆T1のネジ山T11に係止されるため、一対の板体1、1がズレることなく確実に装着され、折板屋根等吊金具Tの施工をより確実に行うことができる。
図4は、本発明に係る折板屋根等吊金具用補強プレートAの更に他の実施例を示す取付状態図である。
なお、図1〜3と共通する部位には、同一の符号を付して重複する説明を省略し、以下では、実施例の特徴についてのみ説明する。
この折板屋根等吊金具用補強プレートAは、1つの板体1が、複数枚の板片1a、1bに分割されて形成している点に特徴がある。
ここでは、1つの板体1が、上、下2枚の板片1a、1bに分割されており、これら2枚の板片1a、1bの一方には長孔11aを形成すると共に、他方には、長孔11aに重合する軸孔11bを形成している。
そして、これら長孔11a及び軸孔11bに固着具2を貫通させて1つの板体1が連結されると共に、一対の板体1、1が重合されて固着するようにしている。
なお、本実施例では、一方に長孔11aを形成し、他方に軸孔11bを形成して両者を重合することで、板体1の微調節を可能にしているが、例えば、両者の何れも長孔11aに形成したり、或いは、両者の何れも軸孔11bに形成することも可能である。
このような折板屋根等吊金具用補強プレートAによれば、1つの板体1が、複数枚の板片1a、1bに分割されているため、必要な部分の板片1a、1bだけを着脱自在にできる。
そのため、例えば、折板屋根等吊金具Tの設置後における折板屋根Yの裏面に当接された上側部分の板片1aの固定状態を維持したまま、下側の板片1bだけ取外して、吊り杆T1の一部を外被させて、その曲げ状態等を容易に確認でき、場合によっては、吊り杆T1の曲げ調節を行うことができるため、折板屋根等吊金具Tの施工を更に簡単且つ確実に行うことができる。
本発明に係る折板屋根等吊金具用補強プレートAの一実施例を示す取付状態図である。 (a)、(b)は、図1で示した折板屋根等吊金具用補強プレートAの1枚の板体を示す正面図及び側面図である。 (a)、(b)は、本発明に係る折板屋根等吊金具用補強プレートAの他の実施例を示す板体の正面図及び(a)の点線部分を示した要部断面図である。 本発明に係る折板屋根等吊金具用補強プレートAの更に他の実施例を示す取付状態図である。
折板屋根等吊金具用補強プレート
Y 折板屋根
折板屋根等吊金具
T1 吊り杆
T11 ネジ山
T2 耳保持部
T3 軒樋吊金具
1 板体
11 取付孔
2 固着具
12 当接片
13 通し溝部
14 切り起し爪

Claims (3)

  1. 吊り杆の下端に耳保持部を備えた軒樋吊金具を設け、前記吊り杆の上端を、折板屋根等に挿通して固定される折板屋根等吊金具に用いるための補強プレートであって、
    前記補強プレートは、相互に重合される一対の板体と、重合された前記一対の板体を固着するための固着具と、より構成してなり、
    前記板体は、前記固着具を挿通する取付孔を開設すると共に、上端には、前記折板屋根等の裏面に当接する当接片を設け、又、前記板体の略中央には、外方に膨出させると共に、上、下端に亘って連通した通し溝部を形成し、更に、前記通し溝部は、前記板体の上、下に亘って拡幅又は減幅するように形成してなる折板屋根等吊金具用補強プレート。
  2. 請求項1において、
    吊り杆は、ネジ山を備えたボルト軸で形成するとともに、通し溝部には、内方に向けて突出させた切り起し爪を形成して、この切り起し爪が前記吊り杆のネジ山に係止されるようにしている折板屋根等吊金具用補強プレート。
  3. 請求項1又は2の何れかにおいて、
    1つの板体は、複数枚の板片に分割されて形成している折板屋根等吊金具用補強プレート。
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