JP4431355B2 - タンニンを含有する段ボール用澱粉系接着剤及びそれを用いた段ボール - Google Patents

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本発明は、段ボールの製造に用いられる澱粉系接着剤及びそれを用いた段ボールに関する。
波形に成形された中芯原紙とライナー原紙を貼り合わせるために用いられる段ボール用澱粉系接着剤には、ステインホール方式、プレミックス方式、ノーキャリア方式、ワンタンク方式等の製法がある。これらの製法で調製した接着剤は、α化した又は可溶化したキャリア澱粉、未糊化澱粉のメイン澱粉、硼素化合物、メイン澱粉の糊化温度を調整するアルカリ等を主成分とした混合物からなっている。これらの調製法にはそれぞれ特色があるものの、接着剤としての接着メカニズムは各方式ともに同様である。即ち、接着部に塗布された段ボール用澱粉系接着剤は、ライナー原紙を通し加熱されると、原紙中への水分の移行、水分の蒸散により接着剤の固形分濃縮が始まり、それと同時に澱粉が膨潤・糊化・乾燥の工程を経て接着がなされる。更に詳細には、接着部に塗布された段ボール用澱粉系接着剤は、ライナー原紙と中芯原紙の接合部において加熱・濃縮が始まると、硼素化合物との反応により粘着性を付与されたキャリア澱粉が強い初期接着力を発現し予備接着を形成する。粘着性を付与されたキャリア澱粉は保水能力が高く、メイン澱粉が糊化するための水分を補給する役目も負っている。メイン澱粉は、水分を吸収すると膨潤・糊化へと進み、糊化したメイン澱粉と硼素化合物が反応して強い粘着性を発現することで、更に接着を完全なものとする。このように、硼素化合物と澱粉糊との反応から形成される硼素化合物−澱粉複合体は、初期接着力の発現、糊剤の保水性発現、強固な接着力の発現等に非常に重要な役割を負っており、硼素化合物は段ボール用澱粉系接着剤に欠くことのできない成分として使用されてきた。
しかし、世の中においては環境問題を無視できない状況にあり、環境汚染・有害物質について排出規制措置が取られている。硼素化合物においても例外ではなく河川等への排出規制が取られつつある中、PRTR(Pollutant Release and Transfer Register)法が施行され、硼素化合物もその対象物質となった。即ち、硼素(B)量として年間1t以上使用する企業にあっては、これを関係省庁に届け出をし、物の出入りを管理しなければならなくなった。
このような流れの中で、硼素化合物を使用しない、又は硼素化合物の使用量が少ない段ボール用澱粉系接着剤の開発が望まれるようになった。しかし、初期接着力の発現に必須の硼素化合物を含有しない段ボール用澱粉系接着剤は、当然のことながら初期接着力を発現できず、現在使用されている貼合装置では貼合スピードの大幅な減速が避けられず、生産性が著しく低下するという大きな問題があり、貼合スピード等の経済的観念から初期接着力の改善が求められ、その実用化が待たれている。従って、硼素化合物を含まなくても、又は硼素化合物含量が少なくても、初期接着力に優れ、生産性の高い接着剤の開発が待たれている。
一方、耐水化の目的でタンニンを段ボール用澱粉系接着剤に使用することが知られている(特許文献1〜3)。これらは全て硼素化合物を含んだ従来型の段ボール用澱粉系接着剤にタンニンを使用する方法であって、その目的とするところは水に弱い澱粉系接着剤に耐水性を付与することであった。更に、特許文献4には、タンニンが貼合性向上剤として使用できることが記載されているが、これは硼素化合物を使用した従来型の段ボール用澱粉系接着剤に用いる方式で、従来型澱粉系接着剤の接着性能改善を目的にしたもので、硼素化合物の不使用又は使用量低減を示唆するものではない。
また、タンニンの分子量と段ボール用澱粉系接着剤における初期接着力との関係についてはこれまで報告されていない。
特公昭53−15891号公報(請求項1) 特開昭51−124132号公報(請求項1) 特開昭51−106138号公報(請求項1) 特開2000−355683号公報(段落0034、実施例6)
本発明の課題は、前述したように硼素化合物を含まなくても、又は硼素化合物含量が少なくても、初期接着力を高めて貼合スピードを向上し、生産性を損なわない段ボール用澱粉系接着剤及びそれを用いた段ボールを提供することである。
前記課題に鑑み研究を重ねた結果、本発明者らは、硼素化合物を含有しない段ボール用澱粉系接着剤に、特定の分子量を持ったタンニンを使用することにより、初期接着力を大幅に改善できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)澱粉、分子量700〜4000のタンニン及びアルカリを含有する段ボール用澱粉系接着剤。
(2)タンニンが縮合型タンニンである前記(1)に記載の段ボール用澱粉系接着剤。
(3)縮合型タンニンがケブラチョタンニン及び/又はミモザタンニンである前記(2)に記載の段ボール用澱粉系接着剤。
(4)タンニンの含有率が澱粉に対して0.5〜15質量%である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の段ボール用澱粉系接着剤。
(5)倍水率が1.9〜4.5である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の段ボール用澱粉系接着剤。
(6)熱硬化性樹脂、珪酸ナトリウム及びアルデヒド基を持つ化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する前記(1)〜(5)のいずれかに記載の段ボール用澱粉系接着剤。
(7)硼素化合物の含有率が硼砂換算量として、対澱粉0〜1質量%である前記(1)〜(6)のいずれかに記載の段ボール用澱粉系接着剤。
(8)波形に成形された中芯と、澱粉系接着剤によって前記中芯の片面又は両面に貼合されたライナーとを有し、前記中芯及びライナーの貼合に、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の澱粉系接着剤が用いられていることを特徴とする段ボール。
本発明によれば、硼素化合物を含まなくても、又は硼素化合物含量が少なくても、初期接着力を高めて貼合スピードを向上し、生産性を損なわない段ボール用澱粉系接着剤が提供され、その結果、段ボールを効率よく生産することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において、「澱粉系接着剤」とは、澱粉を主体とする接着剤であって、接着剤を加熱することで澱粉の持つ吸水・膨潤・糊化の各物性を利用して接着機能を発現させ、接着剤として機能する接着剤の総称である。「段ボール用澱粉系接着剤」とは、波形に成形された中芯原紙とライナー原紙を貼り合わせるために用いられる澱粉系接着剤の総称である。
従来の段ボール用澱粉系接着剤から硼素化合物を除いた接着剤では、初期接着力の発現力がなく、片面段ボールの生産時に貼合スピードを上げると、波形に成形された中芯とライナーがテイクアップコンベアー上で“バラケテ”しまう。また、後工程のダブルフェーサーの貼合においても、接着部がカッターやスリッターの衝撃に負けて剥れを起こすなど、スピードを上げて貼合できない。このような事情があるにも拘らず、環境問題等の観点から硼素化合物を含有しない、又は硼素化合物の含量が少ない段ボール用澱粉系接着剤の開発が望まれている。
本発明者らは、硼素化合物を含有しない段ボール用澱粉系接着剤に、特定の分子量を持ったタンニン、即ち分子量700〜4000のタンニンを配合すると初期接着力が改善できることを突き止めた。
タンニンは、植物の幹、皮、葉、実等から抽出される天然物であり、環境に優しい物質である。タンニンには、ピロガロール系の加水分解型タンニンとカテコール系の縮合型タンニンがある。本発明においては、いずれのタンニンを用いてもよいが、初期接着力の改善効果の点で、カテコール系の縮合型タンニンが好ましい。カテコール系の縮合型タンニンは澱粉と複合体を形成するとともに縮合して高分子化し不溶化するため、硼素化合物を含有しない段ボール用澱粉系接着剤に用いても初期接着力改善に特に優れた効果を示すのである。本発明者らは、分子量700〜4000のタンニンが澱粉系接着剤の初期接着力の改善効果を示し、特に縮合型タンニン、中でもケブラチョ、ミモザから抽出したケブラチョタンニン、ミモザタンニンが初期接着力改善に著しい効果を示すことを見出した。タンニンは、植物の幹、皮、葉、実等から温水抽出により得られる。ケブラチョタンニン、ミモザタンニンは、縮合型タンニンの中でも大きな分子量を持ったタンニンで、そのため縮合を起こし不溶化する傾向が強く、初期接着力改善効果が顕著である。分子量が700未満のものは縮合しても不溶化しにくく、また分子量が4000を超えると水不溶性で澱粉との複合体形成が困難となり初期接着力への効果が不十分である。
分子量700〜4000のタンニンは、植物体から抽出したタンニンを次亜硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等の薬品で高温アルカリ処理して得られる。
本発明において、分子量700〜4000のタンニンの添加率は、使用澱粉量に対し、通常0.5〜15質量%、好ましくは1〜10質量%である。前記添加率が0.5質量%以上であれば、十分な効果が認められるが、15質量%を超えるとその効果も頭打ちになると共に、タンニンが酸性物質であることからアルカリを消費するため、適正糊化温度を維持する目的からもアルカリの使用量が大幅に増加して経済的に不利となる。
本発明において、タンニンの使用にあたっては、製糊した出来上がり糊に添加する方法、メイン部に予め添加する方法、キャリア部に予め添加しその後アルカリを加える方法、キャリア糊が出来上がった後にキャリア糊へ添加する方法等がとれる。いずれにしても作業性を考慮しどの方法を採用してもよいが、キャリア糊中への添加が好ましい。
本発明の接着剤において、倍水率は、好ましくは1.9〜4.5である。倍水率が1.9未満であるとタンニン−澱粉複合体による初期接着力の発現はあるものの、メイン澱粉が糊化するに十分な水分が欠如するため接着不良が発生しやすくなる。また、倍水率が4.5を超えると接着剤の固形分濃度が低下することで初期接着力発現が低下する傾向にある。本明細書において、「倍水率」とは、澱粉系接着剤における(全水量/全澱粉量)の質量比を意味する。
本発明に使用する澱粉は、従来段ボール用澱粉系接着剤に使われてきた澱粉が使用できる。例えば、コーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉等、及びこれら澱粉を酸化、酸処理、エステル化、エーテル化した澱粉が使用できる。
本発明に使用するアルカリは、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)、水酸化カリウム等、従来段ボール用澱粉系接着剤に使われてきたものが使用できる。本発明の接着剤の苛性率は、適性糊化温度を得るために、タンニンの使用量、使用澱粉等の製糊条件に合わせて決めればよい。即ち、タンニンが酸性物質であるため、そのアルカリ消費分を考慮し苛性率(全接着剤質量に対するアルカリ添加質量の割合)を決めればよい。一般には、アルカリの添加量は苛性率として0.60〜1.5%の範囲が好ましい。
本発明に係る製糊方式は、ステインホール方式、プレミックス方式、ノーキャリア方式、ワンタンク方式等の製法である。
本発明の段ボール用澱粉系接着剤には、硼素化合物を含有させる必要はないが、縮合型タンニンの効果を更に引出すために硼砂、硼酸、メタ硼酸ナトリウム等の硼素化合物を少量併用すると、タンニンと硼素化合物の相乗効果で本発明の接着剤の性能をより一層改善できる。PRTR法の施行により硼素化合物の使用量の控えるようなケースが考えられる。このような場合、糊剤の接着性能が低下し生産性を大きく下げなければ段ボールの貼合ができなくなることが想定される。従来の段ボール用澱粉系接着剤において使用される硼素化合物は、硼砂換算量として対澱粉2.0質量%程度使用されてきた。当然この量を減じて使用すると初期接着力は低下するが、本発明者らの机上試験では硼砂を対澱粉1%前後程度まで減ずると、明らかな初期接着力の低下が認められた。本発明の接着剤に使用する硼素化合物は、硼砂換算量として、好ましくは対澱粉0〜1質量%、更に好ましくは0〜0.6質量%である。
本発明では、以上説明した段ボール用澱粉系接着剤に、更に熱硬化性樹脂、珪酸ナトリウム及びアルデヒド基を持つ化合物を単独で、又は組合せて添加することにより段ボール用澱粉系耐水接着剤を得ることができる。
熱硬化性樹脂としては、耐水化剤として作用するものであれば特に制限はなく、例えばレゾルシノール樹脂(レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂)、フェノール樹脂(フェノール−ホルムアルデヒド樹脂)、尿素樹脂(尿素−ホルムアルデヒド樹脂)、ケトン樹脂(ケトン−ホルムアルデヒド樹脂)等が挙げられる。熱硬化性樹脂の添加率は、使用澱粉量に対し、通常1〜20質量%、好ましくは3〜10質量%である。
アルデヒド基を持つ化合物としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グルタルアルデヒド等が使用できる。アルデヒド基を持つ化合物の添加率は、使用澱粉量に対し、通常0.1〜5質量%、好ましくは0.3〜2質量%である。
珪酸ナトリウムは、SiO/NaOモル比0.5〜4の珪酸ナトリウムが使用できる。珪酸ナトリウムの添加率は、使用澱粉量に対し、通常0.5〜20質量%、好ましくは2〜10質量%である。
本発明の段ボールは、本発明の澱粉系接着剤を用いて製造されたものであり、波形に成形された中芯と、澱粉系接着剤によって前記中芯の片面又は両面に貼合されたライナーとを有し、前記中芯及びライナーの貼合に、前述した本発明の澱粉系接着剤が用いられていることを特徴とする。
本発明の段ボールは、段ボールの製造で通常使用されるコルゲーターを用いて製造することができる。即ち、本発明の段ボールは、糊ロール及び糊ロールに澱粉系接着剤を付着させる手段を少なくとも有するコルゲーターを用い、波形に成形された中芯の頂縁と糊ロールとを当接させて頂縁に澱粉系接着剤を塗布する工程と、中芯の、澱粉系接着剤が塗布された面側にライナーを貼り合わせる工程と、を含む段ボールの製造方法において、前述した本発明の澱粉系接着剤を用いることにより製造することができる。
本発明の段ボールは、中芯及びライナーの貼合に本発明の澱粉系接着剤を用いるものであれば特に制限はなく、片面段ボール、両面段ボール、複両面段ボール、複複両面段ボールのいずれをも包含する。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例における製糊手順は図1に示す手順に従い実施し、実施例中の「部」及び「%」は質量基準を表すものとする。
(実施例1)
3リッター容のステンレスジョッキに40℃の温水(1次溶解水)502.4部を取り、特殊機化工業(株)製ホモジナイザー“ロボミックス”で撹拌(5000rpm)し、その中へコーンスターチ(王子コーンスターチ(株)製)(1次澱粉)を72.5部加え、分散溶解後25%水酸化ナトリウム68.1部を添加し10分間撹拌した。撹拌後、分子量2,500の縮合型タンニンのケブラチョタンニン(川村通商(株)製)25部を加え更に10分間撹拌を続けた。この後、40℃の温水(2次溶解水)796.5部を加え、引き続きコーンスターチ(王子コーンスターチ(株)製)(2次澱粉)427.5部を加え、10分間撹拌して、硼素化合物を含有しない段ボール用澱粉系接着剤を製造した。得られた接着剤の粘度、初期接着力、常態接着強度、糊化温度を測定した。
粘度は、フォードカップ粘度(FCV)及びB型粘度を測定した。FCVは、東洋テスター工業(株)製のフォードカップ(水10秒)により測定し、B型粘度は、東京計器(株)製の回転粘度計(型:BM型)を用いて60rpmで測定した。初期接着力は、以下のようにして測定した。50mm×85mmの大きさの片面段ボール(原紙構成:王子板紙NRK280/北陽強化MM180)に絶乾5g/m−片面の前記段ボール用澱粉系接着剤を糊ロールで塗布した。これをロードセルに細工したアタッチメントにセットし、50mm×85mmの大きさに裁断したライナー(原紙:王子板紙NRK280)を重ね、更にその上から130℃の熱源を持った1kg/42.5cmのヒーターで5秒間加熱し、加熱後直ちに接着層を剥離しその剥離強度を測定した。常態接着強度の測定は、初期接着力測定の場合と同様に片面段ボールに糊剤を塗布し、先に180℃に加熱したホットプレート上にライナー原紙を置くと同時に片面段ボールを重ね1kg/42.5cmの荷重を5秒間かけ、そのサンプルを温度23℃、相対湿度50%の状態に24時間放置した後、リングクラッシュテスター(日本TMC(株)製)でその強度を測定した。糊化温度は、ブラベンダーアミログラム法により測定した。それぞれの測定結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1のケブラチョタンニンを分子量1,000の縮合型タンニンのミモザタンニン(川村通商(株)製)に変えた以外は、実施例1と同様の手順で硼素化合物を含まない段ボール用澱粉系接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1のケブラチョタンニンを分子量3,000のケブラチョタンニン(川村通商(株)製)に変えた以外は、実施例1と同様の手順で硼素化合物を含まない段ボール用澱粉系接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1のケブラチョタンニンを分子量1,200のケブラチョタンニン(川村通商(株)製)に変えた以外は、実施例1と同様の手順で硼素化合物を含まない段ボール用澱粉系接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1のケブラチョタンニンを分子量1,250の加水分解型タンニンのチェストナットタンニン(川村通商(株)製)に変えた以外は、実施例1と同様の手順で硼素化合物を含まない段ボール用澱粉系接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1のケブラチョタンニンを分子量900のチェストナットタンニン(川村通商(株)製)に変えた以外は、実施例1と同様の手順で硼素化合物を含まない段ボール用澱粉系接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1のケブラチョタンニンを用いず、25%水酸化ナトリウムを45部に変更した以外は実施例1と同様の手順で硼素化合物を含まない段ボール用澱粉系接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1のケブラチョタンニンの代わりに分子量650のチェストナットタンニン(川村通商(株)製)を使用した以外、実施例1と同様の手順で硼素化合物を含まない段ボール用澱粉系接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1のケブラチョタンニンの代わりに縮合型タンニンで分子量600のミモザタンニン(川村通商(株)製)を使用した以外、実施例と同様の手順で硼素化合物を含まない段ボール用澱粉系接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1のケブラチョタンニンを2.5部にし、25%水酸化ナトリウムを50.7部変えた以外は、実施例1と同様の手順で硼素化合物を含まない段ボール用澱粉系接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1のケブラチョタンニンを37.5部にし、25%水酸化ナトリウムを82.3部に変えた以外は、実施例1と同様の手順で硼素化合物を含まない段ボール用澱粉系接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例1のケブラチョタンニンを50部にし、25%水酸化ナトリウムを86.1部に変えた以外は、実施例1と同様の手順で硼素化合物を含まない段ボール用澱粉系接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例1の1次溶解水を510.4部、コーンスターチを73.6部、25%水酸化ナトリウムを57.4部、ケブラチョタンニンを22.5部、2次溶解水を783.0部、コーンスターチを375.8部に変えた以外は、実施例1と同様の手順で硼素化合物を含まない段ボール用澱粉系接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
(実施例11)
実施例1の1次溶解水を520.1部、コーンスターチを74.3部、25%水酸化ナトリウムを62.5部、ケブラチョタンニンを20.5部、2次溶解水を796.5部、コーンスターチを335.5部に変えた以外は、実施例1と同様の手順で硼素化合物を含まない段ボール用澱粉系接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
(実施例12)
実施例1の1次溶解水を557.5部、コーンスターチを81.6部、25%水酸化ナトリウムを48.7部、ケブラチョタンニンを15.7部、2次溶解水を756部、コーンスターチを232.3部に変えた以外は、実施例1と同様の手順で硼素化合物を含まない段ボール用澱粉系接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
(実施例13)
実施例1の1次溶解水を415.1部、コーンスターチを58.3部、25%水酸化ナトリウムを76.5部、ケブラチョタンニンを30.7部、2次溶解水を877.5部、コーンスターチを555.3部に変えた以外は、実施例1と同様の手順で硼素化合物を含まない段ボール用澱粉系接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1の1次溶解水を334.6部、コーンスターチを49.5部、25%水酸化ナトリウムを39.8部、2次溶解水を985.5部、コーンスターチを400.5部に変え、ケブラチョタンニンを使用しない以外は、実施例1と同様の手順で硼素化合物を含まない段ボール用澱粉系接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
(実施例14)
実施例1の接着剤に硼砂を対澱粉0.5%添加した以外は、実施例1と同様の手順で接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表2に示す。
(比較例5)
実施例14よりケブラチョタンニンを除いた以外は、実施例14と同様な手順で接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表2に示す。
(実施例15)
実施例1の接着剤に硼砂を対澱粉1%添加した以外は、実施例1と同様の手順で接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表2に示す。
(比較例6)
実施例15よりケブラチョタンニンを除いた以外は、実施例15と同様な手順で接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表2に示す。
(実施例16)
実施例1の接着剤に王子コーンスターチ(株)製耐水化剤A(ケトン樹脂)を対澱粉4%添加した以外は、実施例1と同様の手順で耐水接着剤を製造した。この耐水接着剤を50mm×85mmの大きさの耐水用片面段ボール(原紙構成:王子板紙SK280/サンパワードライ200)に絶乾10g/m−片面塗布し、これを180℃に加熱したホットプレート上に50mm×85mmの大きさの王子板紙SK280の耐水ライナー原紙を置くと同時に重ね、1kg/42.5cmの荷重を5秒間かけて、耐水接着強度測定サンプルを作成した。そのサンプルを温度23℃、相対湿度50%の状態に24時間放置し、次いで60分間水に浸漬後、耐水接着強度を測定した。その測定結果を表3に示す。
(実施例17)
実施例1の接着剤にパラホルムアルデヒドを対澱粉0.5%添加した以外は、実施例16と同様の手順で耐水接着剤を製造し、同様の測定を行った。その結果を表3に示す。
(比較例7)
実施例1の接着剤で実施例16と同様の操作で耐水用片面段ボールと耐水ライナーを貼り合わせ、耐水接着強度を測定した。その測定結果を表3に示す。
Figure 0004431355
表1から明らかなように、硼素化合物を含まない段ボール用澱粉系接着剤に分子量700〜4000の縮合型タンニンを加えて得られる段ボール用澱粉系接着剤は、初期接着性を大幅に改善する。従って、タンニンが従来の段ボール用澱粉系接着剤に使用されてきた硼砂や硼酸等の硼素化合物の代替を可能にするものである。
Figure 0004431355
表2から明らかなように、タンニンを含む段ボール用澱粉系接着剤と硼砂とを併用することにより併用効果が見られ、初期接着性の改善が認められる。
Figure 0004431355
表3から明らかなように、タンニンを含む段ボール用澱粉系接着剤と熱硬化性樹脂の耐水化剤A、及びアルデヒド基を持つ化合物パラホルムアルデヒドを添加することにより耐水性を付与することができる。
(実施例18)
製糊装置に40℃の水500kgを入れ、コーンスターチ(王子コーンスターチ(株)製)73kgを投入し撹拌して、25%水酸化ナトリウム水溶液68kgを投入後、10分撹拌した。その後、縮合型タンニンのケブラチョタンニン(川村通商(株)製、分子量2,500)25kgを投入し10分撹拌して40℃の水800kgを加え、更にコーンスターチ(王子コーンスターチ(株)製)430kgを投入して10分撹拌後、硼素化合物を含有しない段ボール用澱粉系接着剤を製造した。
この接着剤を用いて紙幅1800mmのコルゲーター(三菱重工)で、表ライナー(坪量220g)、中芯(坪量120g)、裏ライナー(坪量220g)の貼り合わせを行い両面段ボールシートを製造したところ、生産性は従来の接着剤と同等で、貼り合わせをしたシートも品質に問題はなかった。
本発明によれば、段ボールを効率よく生産することができる。
実施例における製糊手順を示す。

Claims (8)

  1. 澱粉、分子量700〜4000のタンニン及びアルカリを含有する段ボール用澱粉系接着剤。
  2. タンニンが縮合型タンニンである請求項1記載の段ボール用澱粉系接着剤。
  3. 縮合型タンニンがケブラチョタンニン及び/又はミモザタンニンである請求項2記載の段ボール用澱粉系接着剤。
  4. タンニンの含有率が澱粉に対して0.5〜15質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の段ボール用澱粉系接着剤。
  5. 倍水率が1.9〜4.5である請求項1〜4のいずれか1項に記載の段ボール用澱粉系接着剤。
  6. 熱硬化性樹脂、珪酸ナトリウム及びアルデヒド基を持つ化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の段ボール用澱粉系接着剤。
  7. 硼素化合物の含有率が硼砂換算量として、対澱粉0〜1質量%である請求項1〜6のいずれか1項に記載の段ボール用澱粉系接着剤。
  8. 波形に成形された中芯と、澱粉系接着剤によって前記中芯の片面又は両面に貼合されたライナーとを有し、前記中芯及びライナーの貼合に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の澱粉系接着剤が用いられていることを特徴とする段ボール。
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