JP4431303B2 - 車両用洗浄剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車を代表とする車両の表面の各種汚れを洗浄するための車両用洗浄剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平10−147794号公報
【特許文献2】
特開2002−235095号公報
【特許文献3】
特開平11−116988号公報
【特許文献4】
特開平6−73371号公報
【0003】
自動車や電車等の車両は、見栄えの観点から、その表面に付着した汚れ等を洗い流すため、度々洗浄される。また、付着物によっては、車両表面の塗膜を荒らしてしまう場合があり、さらに塗膜保護のためワックスを掛けるに際して、表面の付着物を除去する必要があり、これら塗膜保護の観点からも、度々洗浄される。
【0004】
車両の洗浄には、こびり付いた油性の付着物を除去するため、および、砂埃等の微細粒により塗膜表面を傷付けるのを防止するべく泡で当該微細粒を包み込むため、界面活性剤等の洗浄成分を含有する洗浄剤(シャンプー)が用いられる。特に車両用の洗浄剤としては、その目的から十分な洗浄性や発泡性が要求され、かつ、塗膜表面を侵すことの無い材料の選択が要求されるが、近年、これら要求を満たす車両用洗浄剤が多数提案され、かつ、市販されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、1液で洗浄と同時に車両の塗装表面に撥水性を付与する撥水洗浄剤(撥水シャンプー)や、車両の塗装表面に固着した水アカ等の汚れを除去し得る水アカ取り洗浄剤(水アカ取りシャンプー)等、洗浄性に加えて何らかの機能を別途付与した車両用洗浄剤についても多数提案され、かつ、市販されている(例えば、特許文献2〜4参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
車両の表面の洗浄を暑熱条件等で行った場合、表面が洗浄と同時に汚れを巻き込んだ状態で乾いてしまう。また、自動車等車両は、非常に広い面積であり、これを洗浄しようとする場合、どうしても時間を要し、最初に洗浄した箇所は汚れを巻き込んだ状態で乾いてしまう。この汚れを巻き込んだ状態で乾燥した洗浄剤を、水で洗い流す事は極めて困難であり、また、汚れの再付着をも併発してしまう。
【0007】
従来から、車両用洗浄剤は、洗浄性や発泡性、塗膜表面を侵さない等車両用洗浄剤としての基本的性能を向上させたり、何らかの機能を別途付与したり等の提案にシフトが置かれ、乾燥後の水洗い性(以下、「すすぎ性」と称する。)を改善する提案はほとんど見られなかった。
【0008】
すすぎ性改善の提案として特許文献1では、洗浄成分として、式 Cn2n+1O(C6105xH(但しn=8〜16、1<x<2)で表されるアルキルグルコシド(以下、単に「特定のアルキルグルコシド」と称する。)を0.1〜30重量%含有することを特徴とする水系自動車塗膜用洗浄剤(車両用洗浄剤)が開示されており、この特定のアルキルグルコシド(界面活性剤)自身、塗装面上およびウィンドガラス面上で乾燥固化しても、塗装面上およびウィンドガラス面上にシミやフクレ、変色などの悪影響を与えることがなく、自動車用洗浄剤またはウィンドウォッシャー液として最適であると、当該文献では述べられている。また当該文献には、さらに塗装面上に乾燥固化して付着した時、より洗浄剤分を水で洗い流しやすくする為にグリセリンを加えると良い旨も開示されている。
【0009】
しかし、これら組成の車両用洗浄剤においても、すすぎ性はまだ不十分であり、また、すすぎ性を高めるために特定のアルキルグルコシドの濃度を高めると、特に撥水洗浄剤として用いた場合に、著しい撥水性の低下を惹き起こしてしまう。
【0010】
したがって、本発明は、暑熱条件等で車両の表面の洗浄を行った場合であっても、水道水で簡単にすすぎ落とすことができ、かつ、発泡性や洗浄性が良好で車両表面の塗膜にダメージを与えることの無い車両用洗浄剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、以上のような車両洗浄に関する優れた特性を備えた、撥水洗浄剤および/または水アカ取り洗浄剤として使用可能な車両用洗浄剤を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、少なくとも、両性界面活性剤、陰イオン界面活性剤、および、非イオン界面活性剤からなる群より選ばれる1種または2種以上の洗浄成分と、水とからなる車両用洗浄剤であって、さらに糖アルコールが含まれてなること(ただし、水酸化アルカリを含む場合を除く。)を特徴とする車両用洗浄剤である。
【0012】
アルコールは、保湿性、キレート性に優れており、これを含む本発明の車両用洗浄剤を、自動車等、非常に広い面積の車両の洗浄に用いたり、暑熱条件下で用いたりしても、水すすぎ性が極めて良好である。また、糖アルコールは、比較的多くの量を車両用洗浄剤に混入させても、洗浄性に影響を与えることなく、塗装表面に影響を与えることも無く、洗浄剤としての良好な特性を保持することができる。さらに、糖アルコールを添加することで、車両用洗浄剤の泡質の改善ができ、きめが細かく弾力性のある泡質となり、洗浄作業において快適性が得られる他、界面活性剤等の洗浄成分の減量化や、様々な種類の洗浄成分の選択が可能となり、洗浄剤として求める性能を得ることが容易になる。
【0013】
前記糖アルコールは、糖類の還元誘導体の一種である。糖類の還元誘導体は天然由来の成分が多く、一般的に生分解性が高く、環境にやさしいため、排水処理が為される環境であっても勿論好適であるが、屋外環境で使用され、排水がそのまま自然環境に還るような状況となりやすい車両用洗浄剤においては、特に好ましい。
【0014】
本発明においては、さらに、撥水成分を含ませることで、撥水洗浄剤として使用可能な車両用洗浄剤とすることができる。また、研磨剤を含ませることで、水アカ取り洗浄剤として使用可能な車両用洗浄剤とすることもできる。いずれにおいても、洗浄剤としての良好な特性を保持しつつ、すすぎ性の良好な車両用洗浄剤となる。
【0015】
特に、撥水洗浄剤においては、糖アルコールが添加されることで、主にエマルションとして液中に分散する撥水成分の安定性に影響を与えることがなく、さらに、撥水性を高めるためには、より少ない量としたい洗浄成分の減量化を図ることができるため、撥水性の一層の向上を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の車両用洗浄剤は、洗浄成分と、水と、糖アルコールとが必須構成成分であり(ただし、アルカリ金属水酸化物む場合を除く。)、さらに必要に応じて、撥水成分、研磨剤、およびその他の成分が含まれる。以下、本発明を各成分に分けて詳細に説明する。
【0017】
<水>
本発明においては、後述する各主成分を安定的に溶解ないし分散させた状態で維持するための溶剤として、水を用いる。この時用いる水については、特に制限はなく、一般的な水道水、工業用水、地下水、純水、脱イオン水、河川水、湧き水等が問題なく使用できる。車両用洗浄剤としての保存性を高めるためには、できるだけ不純物を含まない方が好ましいため、純水、脱イオン水が好ましいが、水道水、工業用水あるいは地下水であっても、一般的に保存性に大きな影響を与える程ではないため、使用には全く差し支えない。
【0018】
<洗浄成分>
本発明の車両用洗浄剤には、両性界面活性剤、陰イオン界面活性剤、および、非イオン界面活性剤からなる群より選ばれる1種または2種以上の洗浄成分が、必須成分として含まれる。これらは1種類のみでも構わないが、2種以上を組み合わせて用いてもよく、洗浄可能な汚染成分の多様性を考慮したり、相乗効果による洗浄性や発泡性の向上を見極めて、適宜最適の組み合わせを選択すればよい。
【0019】
具体的に使用可能な好ましい両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルヒドロキシエチルアミンオキサイド、アルキルジメチルベタイン、アルキルヒドロキシエチルベタイン、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アミノ酸型両性界面活性剤、脂肪酸アミドアミンオキサイド、上記両性界面活性剤中にフッ化炭化水素基を含有する両性イオン系界面活性剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
また、具体的に使用可能な好ましい陰イオン界面活性剤としては、例えば、直鎖アルキルベンゼン脂肪酸塩、高級アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩(石鹸)、N−サルコシン酸塩、アシル化ポリペプチド、リグニンスルホン酸塩、N−アシルアルキルタウリン塩、エーテルカルボン酸塩、n−パラフィンスルホン酸塩(SAS)、スルホコハク酸塩、イセチオン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩(AOS)、直鎖第一級アルコール硫酸塩(AS)、ポリオキシエチレン付加直鎖アルコール硫酸塩(AES)、アルキルリン酸エステル、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、上記陰イオン界面活性剤中にフッ化炭化水素基を含有する陰イオン系界面活性剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
また、具体的に使用可能な好ましい非イオン界面活性剤としては、例えば、エチレンオキサイド付加アルキルフェノール(APE)、エチレンオキサイド付加高級アルコール(AE)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン付加ポリオキシプロピレングリコール、アルカノールアミン−脂肪酸縮合物、アルキルアルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ヤシ油脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、上記非イオン界面活性剤中にフッ化炭化水素基を含有する非イオン界面活性剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
洗浄成分として、さらに金属封鎖剤(キレート剤)も使用可能である。具体的に使用可能な好ましい金属封鎖剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミノ五酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラアミノ六酢酸(TTHA)、L−グルタミン酸二酢酸(GLDA)、L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸(ASDA)、2−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIMDA)、グルコン酸塩、3−ヒドロキシ−2,2−イミノジコハク酸(HIDS)、ヒドロキシエタンジホスホン酸や、上記組成物もしくは酸の一部ないし全てが、アルカリ金属、アンモニウム等で中和された物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
なお、洗車機用の水性ワックスには、乳化の目的で陽イオン性の界面活性剤が用いられており、かかる水性ワックスに本発明で使用する糖類等を添加することによって、上記陽イオン性の界面活性剤のすすぎ性を向上させることも可能である。
【0024】
本発明において、これら洗浄成分の添加量としては、車両用洗浄剤全量に対する洗浄成分の合計量として0.05〜35.0質量%の範囲とすることが好ましく、1.0〜15.0質量%の範囲とすることがより好ましい。洗浄成分があまりに多量に含まれると塗装表面に影響を与えることがあり、かつ、液の粘性が上昇して取り扱いが困難になる虞がある。
【0025】
<糖アルコール
本発明の車両用洗浄剤には、糖アルコールが、必須成分として含まれる
【0026】
本発明に用いられる糖アルコールは天然由来の成分が多く、一般的に生分解性が高く、環境にやさしいため、排水処理が為される環境であっても勿論好適であるが、屋外環境で使用され、排水がそのまま自然環境に還るような状況となりやすい車両用洗浄剤においては、特に好ましい。
【0027】
具体的に使用可能な糖アルコールとしては、エリスリトール(トレイトール、トレイット)、アラビニトール(アラビット、アラビトール)、キシリトール(キシリット)、アドニトール(リビトール、リビット)、ソルビトール(ソルビット、グルシット、グルシトール)、マンニトール(マンニット)、イジトール(イジット)、タリトール(タリット)、アリトール(アリット)、ズルシトール(ズルシット、ガラクチトール)等、その他イノシトール(イノシット)等の単糖アルコールや、マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール、マルトトリイトール、イソマルトトリイトール、パニトール等のオリゴ糖(複数糖)アルコールが挙げられる。
【0028】
これらのなかでも、オリゴ糖(複数糖)アルコールが好ましく、特に二糖類あるいは三糖類の糖アルコールが好ましい。単糖類でも、十分なすすぎ性を有するが、二糖類あるいは三糖類の方がよりすすぎ性が良好であり、また四糖類以上ではだんだん粘度が高くなり、洗浄作業がし難くなる場合がある。
【0029】
また、これら糖アルコールは、2種類以上混合して用いても何ら差し支えない。また、本発明においては、これら糖アルコールとそれ以外の糖類等の混合物でも構わない
【0030】
本発明において、糖アルコールの添加量としては、洗浄機能のみを有する場合、車両用洗浄剤全量に対して、1.0質量%以上とすることが好ましく、3.0〜50.0質量%の範囲とすることがより好ましい。糖アルコールの添加量が少なくなると、本発明の目的であるすすぎ性がだんだん低下し、逆に添加量が多くなると高コストなものとなってしまう。一方、洗浄機能以外の機能を有する場合、すなわち撥水洗浄剤や水アカ取り洗浄剤の場合には、車両用洗浄剤全量に対して、1.0質量%以上とすることが好ましく、3.0〜50.0質量%の範囲とすることがより好ましい。糖アルコールの添加量が少なくなると、本発明の目的であるすすぎ性向上効果がだんだん低下し、逆に添加量が多くなるとだんだん粘度が高くなり、洗浄作業が悪化する場合がある。
【0031】
<撥水成分>
本発明の車両用洗浄剤を撥水洗浄剤として使用可能なものとするためには、さらに、撥水成分を含ませることができる。撥水成分は、撥水洗浄剤に撥水成分として使用され得る従来公知の材料を問題なく使用することができる。通常、撥水洗浄剤において、撥水成分は、油剤成分がエマルションを構成して、分散状態が維持されて存在する。
撥水成分として添加可能な油剤成分は、天然ワックス、合成ワックス、各種樹脂、シリコーン系材料等が挙げられる。
【0032】
具体的に撥水成分として使用可能な天然ワックスとしては、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス;が挙げられる。
【0033】
具体的に撥水成分として使用可能な合成ワックスとしては、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレン等の合成炭化水素;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体(以上、変性基としてはアルコール変性、カルボキシ変性、アミノ変性、エステル)等の変性ワックス;硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体等の水素化ワックス;12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、その他;等が挙げられる。
【0034】
具体的に撥水成分として使用可能な樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、酢酸セルロース、アクリル系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、アミノ系樹脂、アルキッド系樹脂、オレフィン系樹脂、脂環族系樹脂等や、その他上記各種樹脂の変性物等が挙げられる。
具体的に撥水成分として使用可能なシリコーン系材料としては、シリコーン樹脂、ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、シラノール変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。
【0035】
本発明において、これら撥水成分の添加量としては、車両用洗浄剤全量に対して、0.01〜15.0質量%の範囲とすることが好ましく、0.1〜5.0質量%の範囲とすることがより好ましい。撥水成分の添加量が少なくなると、撥水成分を添加することで得られる撥水効果が発現しなくなり、逆に添加量が多くなると、発泡性が低下したり、過剰に対象物質に撥水成分が付着してムラが生じ美観が損なわれたり等の不具合が生ずる場合があるため、それぞれ好ましくない。
【0036】
<研磨剤>
本発明の車両用洗浄剤を水アカ取り洗浄剤として使用可能なものとするためには、さらに、研磨剤を含ませることができる。この場合、勿論、さらに撥水成分を含ませることで、水アカ取り洗浄剤と撥水洗浄剤との双方の機能を併せ持つ車両用洗浄剤(水アカ取り撥水洗浄剤)とすることもできる。
研磨剤は、水アカ取り洗浄剤に研磨剤として使用され得る従来公知の材料を問題なく使用することができる。
【0037】
具体的に使用可能な研磨剤としては、酸化珪素;珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸ストロンチウム、珪酸アルミニウム、珪酸バリウム、珪酸ジルコニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム等の珪酸金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸コバルト等の炭酸金属塩;タングステン酸カルシウム等のタングステン酸金属塩;酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、α−酸化鉄等の金属酸化物;水和酸化鉄等の金属水酸化物;その他合成ゼオライト、天然ゼオライト、珪藻土等の多孔粉体;チッ化珪素;炭化珪素;等の無機粉体が挙げられる。
【0038】
また、研磨剤としての機能とともに、光触媒としての機能を併せ持つものも好適に使用することができる。具体的には、TiO2、SrTiO3、KTiO3、SnO2、Nb25、WO3、Fe23、Bi23、FeTiO3、ZnO、CdO、MoS2、Si、SiO2、CeO2、ZrO2等の光触媒効果を持つ粉体を挙げることができる。
【0039】
これら研磨剤は、その機能から当然に非水溶性であるため、得られる車両用洗浄剤の液安定性のために、研磨剤を分散させるための分散剤を併用することが好ましい。使用可能な分散剤としては、具体的には例えば、ポリアクリル酸塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩等)、ポリリン酸及びその塩、縮合ナフタレンスルホン酸塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩等)等の水溶性の分散剤や、ビニル系ポリマー、変性ポリエステル、脂肪族アルコールサルフェートおよびその塩等の非水溶性の分散剤が挙げられる。
【0040】
本発明において、研磨剤の添加量としては、車両用洗浄剤全量に対して、0.1〜25.0質量%の範囲とすることが好ましく、1.0〜10.0質量%の範囲とすることがより好ましい。研磨剤の添加量が少なくなると、研磨剤を添加することで得られる水アカ取り効果が発現しなくなり、逆に添加量が多くなると、塗装表面に影響を与えるため、それぞれ好ましくない。
研磨剤の分散剤を添加する場合には、その添加量としては、添加する研磨剤全量に対して、5.0〜100質量%の範囲とすることが好ましく、15.0〜50.0質量%の範囲とすることがより好ましい。
【0041】
<その他の成分>
本発明の車両用洗浄剤には、上記成分以外にも必要に応じ、処方内の安定性を損なわない範囲で、その他の成分を含んでいても構わない。例えば、カーワックスに慣用的に使用されているもの(アルカリ金属水酸化物を除く。)であれば、問題なく使用することができ、具体的には、防腐剤、水溶性溶剤、紫外線遮蔽剤、ビルダー類(アルカリ金属水酸化物を除く。)、増粘剤、着色剤、香料および殺菌剤等の任意成分を、塗装表面に悪影響を及ぼさない範囲内で適宜添加することが可能である。
【0042】
例えば、防腐剤としては、芳香族ヒドロキシ化合物、有機酸の金属塩、安息香酸、サリチル酸、パラヒドロキシ安息香酸エステル、ベンゾイソチアゾニオン、メチルイソチアゾニオン等が挙げられる。
また、紫外線遮蔽剤としては、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線遮蔽剤を挙げることができる。
【0043】
その他、低温時における凍結に対する液安定性の目的で、エチレングリコール等のグリコール類を添加することもできる。
本発明において、これらその他の成分の添加量としては、それぞれの添加成分の添加目的に応じ、洗浄性、発泡性、すすぎ性、保存安定性、塗装表面への影響等を勘案して、適宜設定すればよい。
【0044】
<使用方法>
以上説明した本発明の車両用洗浄剤は、使用に供し得る状態であり、これをそのまま適当な容器に収容して流通経路で取引しても構わないが、液安定性や製造適性、並びに組成割合を考慮した上で濃縮状態にして、適当な容器に収容して流通経路で取引することとしても構わない。後者の場合、実際の使用に際しては、これをユーザーがある程度薄めて、車両の洗浄に供する。前者の場合であっても勿論、その使用状況によっては希釈して使用しても構わない。濃縮する際の濃縮倍率は、推奨希釈倍率を想定して設定すればよく、そのときの各成分割合としては、既述の各成分割合から一定の濃縮倍率で高濃度にして調製すればよい。なお、勿論このように濃縮された状態の車両用洗浄剤についても、本発明の車両用洗浄剤の範疇に含まれる。
【0045】
本発明の車両用洗浄剤は、そのまま、あるいは必要に応じて希釈された後、一般に、スポンジや布等の多孔質体に含ませて使用する。すなわち、これを車両の塗装表面に擦り付けて洗浄し、水で洗い流す。既述の如く、本発明の車両用洗浄剤は、この洗浄作業において、発泡性や洗浄性が十分であり、塗装表面にも影響を与えず、しかもすすぎ性が極めて良好である。
【0046】
そして、必要に応じて水滴を除去し、洗浄作業が終了する。さらに必要に応じて、ワックス掛けを行うことで、耐久性のある光沢表面が得られるが、使用した車両用洗浄剤に既述の撥水成分が含まれる場合には、ワックス掛けを行うことなく、耐久性のある光沢表面が得られる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<実施例1〜6>
下記表1に示す各処方で組成成分を分散ないし混合して、実施例1〜6の各車両用洗浄剤を調製した。
【0048】
【表1】
Figure 0004431303
【0049】
<比較例1〜4>
下記表2に示す糖アルコールを含まない各処方で組成成分を分散ないし混合して、比較例1〜4の各車両用洗浄剤を調製した。
【0050】
【表2】
Figure 0004431303
【0051】
<評価試験>
得られた実施例1〜6および比較例1〜4の各車両用洗浄剤を用いて、以下に示す評価項目の各評価試験を行った。なお、以下の各評価試験においては、各車両用洗浄剤を希釈することなく、原液のままで評価に供した。結果は、下記表3にまとめて示す。
【0052】
(1:洗浄性)
自動車のマフラー部より採取した排気煤を水に分散させて得られた汚水をミスト状にして、自動車の白色塗装面に吹き付け、70℃で2時間焼き付け処理したものと、1ヶ月洗車せず屋外に放置した自動車の白色塗装面とを試験塗装面とした。この試験塗装面に、各車両用洗浄剤を滴下し、30秒後に力を加えずに拭き上げ、汚れの落ち具合および白色度の回復状態を評価して、洗浄性の評価とした。評価指標は以下に示す通りである。
◎:大部分の汚れが落ちた。
○:目立つ汚れが残るが、全体的に白色度が回復した。
×:汚れが落ちない。
【0053】
(2:泡質)
各車両用洗浄剤をスポンジに染み込ませてよく泡立て、その泡の状態を観察して、泡質の官能評価を行った。評価指標は以下に示す通りである。
○:泡が細かく、弾力がある。
△:泡が粗い、または、泡に弾力が無い。
×:泡が粗く、弾力が無い。
【0054】
(3:泡立ち)
上記(2:泡質)と同様各車両用洗浄剤をスポンジにて泡立て、その発泡状態を観察し、別途、250ml有栓メスシリンダーに各車両用洗浄剤50mlを入れて、2回/1秒の速度で30回人力で振とうする振とう試験を行い、双方の結果を総合的に検討し、泡立ちの評価を行った。評価指標は以下に示す通りである。
◎:発泡性が極めて良好である。
○:発泡性が良好である。
×:発泡性が良くない。
【0055】
(4:撥水性)
JIS K2236に規定する試験塗板を用い、各車両用洗浄剤をスポンジにて塗布し、その後水洗いすることで撥水処理を施して試験片を得た。得られた各試験片について、接触角測定装置(協和化学社製CA−1型)を用い、水滴下量0.04mlおよび室温(25℃)の条件で接触角を測定して、撥水性の評価を行った。評価指標は以下に示す通りである。
◎:接触角が95゜以上。
○:接触角が95゜未満、85゜以上。
×:接触角が85゜未満。
【0056】
(5:すすぎ性)
上記(1:洗浄性)に示す処理により得られた2種類の試験塗装面に、各車両用洗浄剤を用いてスポンジにて擦り洗いし、試験塗装面に車両用洗浄剤が残った状態のまま、70℃で15分間焼き付け処理を行った(屋外の暑熱下を想定)。その後室温に戻し、圧力を加えず軽く流し掛けるように水道水で洗い流すことにより、すすぎ状態および汚れの再付着状態を目視にて観察した。評価指標は以下に示す通りである。
○:試験塗装面に洗浄物の残渣が見られず、汚れの再付着も見られない。
×:試験塗装面に洗浄物の残渣が見られる、もしくは、汚れの再付着が見られる。
【0057】
【表3】
Figure 0004431303
【0058】
表3に示す結果からわかるように、本発明の車両用洗浄剤である実施例1〜6では、洗浄性、泡質、泡立ち等洗浄に関する性能(撥水機能を併せ持つ場合には、さらに撥水性)に影響を与えることなく(あるいは、さらに高めつつ)、良好なすすぎ性を示していることがわかる。
また、実施例1〜6の車両用洗浄剤は、高濃度では、塗膜表面に影響を与える可能性のある非イオン界面活性剤の添加量が少なくても、洗浄性とすすぎ性とを両立させていることがわかる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、暑熱条件等で車両の表面の洗浄を行った場合であっても、水道水で簡単にすすぎ落とすことができ、かつ、発泡性や洗浄性が良好で車両表面の塗膜にダメージを与えることの無い車両用洗浄剤を提供することができる。
また、本発明によれば、以上のような車両洗浄に関する優れた特性を備えた、撥水洗浄剤および/または水アカ取り洗浄剤として使用可能な車両用洗浄剤を提供することができる。

Claims (3)

  1. 少なくとも、両性界面活性剤、陰イオン界面活性剤、および、非イオン界面活性剤からなる群より選ばれる1種または2種以上の洗浄成分と、水とからなる車両用洗浄剤であって、さらに糖アルコールが含まれてなること(ただし、水酸化アルカリを含む場合を除く。)を特徴とする車両用洗浄剤。
  2. さらに、撥水成分が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の車両用洗浄剤。
  3. さらに、研磨剤が含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用洗浄剤。
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