JP4430970B2 - 建設機械用バンパー構造 - Google Patents
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Description
そのため、バンパーを取り外すには、一部のコンポーネントまでも外さなければならず、現場で容易にバンパーを外すことはできなかった。
また、スイングフレームの内側にボルト部が突き出すために、スカートチャンネルの内部スペースの確保およびボルトの締付け作集を行うためのスペースを予め設計時に考慮しなければならなかった。
上記理由により、バンパーは機体製作後に後付けすることは困難であり、生産時に予めバンパー搭載磯と非搭載機とのフレームの作り分けが必要となっていた。
更に、スカートチャンネルへの開口が必要なため、チャンネル自体の強度が低下するという問題点もあった。
一方で、本出願人は特許第2686921号を提案している。
即ち、上記構成によれば、建設機械の機枠側縁にバンパーを取付けるにあたり、該バンパーは、中空状型材からなるバンパー本体と、該バンパー本体の中空部に内嵌される長尺物の第一プレートと、バンパー本体の機枠取付け面に当てがわれる長尺物の第二プレートと、第二プレート側からバンパー本体の機枠取付け面部を貫通して第一プレート側に螺入緊締する緊締具と、第二プレート側から機枠側に穿設した取付け孔に挿入するボルトと、該挿入したボルトに機枠内面側から螺合するナットとを用いて構成される。
このように構成することで、バンパー部材のスイングフレームのスカートチャンネルへの取付けが、溶着ではなく、バンパーの取付け面側から突出するボルトにスカートチャンネル内面側でナットを螺合することで行えるので、面倒かつ煩雑な作業を行う必要がなくなるうえ、着脱も可能となり、しかも、機枠取付け用のボルトが外部に露出することがなくなるという相当の成果を挙げている。
油圧ショベルなどの建設機械のスカートチャンネルの外壁面に固定される芯材と、該芯材に外嵌しうる形状に設定された溝状の受部を有する弾性ブロック体からなるバンパー部材と、該バンパー部材を芯材に固定する固定手段とからなる建設機械用バンパー構造において、
芯材が、スカートチャンネルの外面から略水平に外方に突出する突片を有し、該突片に取付用の孔部を設けており、
バンパー部材が、バンパー部材の底面側で開口し前記芯材を前記受部に嵌合した際に受部と交差し前記芯材の取付用の孔部と連通可能に整合する取付孔を有しており、
バンパー部材の受部を芯材に押し込んで嵌着し、ボルト等の固定具をバンパー部材の取付孔から挿入し芯材の孔部に通してバンパー部材を芯材に固定してなることを特徴とする。
請求項2の発明では、
前記芯材が、被取付面から外方へ水平に延びるレール状の基部と、該基部と交差する抜け止め用の抑え片とからなっており、
バンパー部材の受部を芯材の長手方向の一方端から挿入し、前記芯材に沿ってバンパー部材を摺動して芯材に嵌着してなることを特徴とする。
また、請求項3の発明では、
前記バンパー部材が、バンパー本体と、該バンパー本体の長手方向の両端側でバンパー本体を挟む一対のキャップ部とからなっており、
芯材が、バンパー本体より長く外側へ突出し、該突出した個所に取付用の孔部を有しており、前記キャップ部に取付孔が設けられていることを特徴とする。
また、請求項4の発明では、
前記芯材が、一連の突片、または所定間隔に配置された複数の突片からなっていることを特徴とする。
前記芯材が、油圧ショベルのスイングフレームのスカートチャンネルの外壁面に溶着されてなることを特徴とする。
また、請求項6の発明では、
前記バンパー部材に形成された取付孔が、取付孔の先端にボルトを螺合するナット部を埋設し、または芯材の孔部にボルトを螺合するネジを刻設してなることを特徴とする。
また、現場でのバンパー交換や分解がコンポーネントの取り外しなしに容易に行える。
機体の製作後でも任意の位置にバンパーを容易に追加することができる。
そして、バンパーのモジュール化により多機種間の共用が可能となる。
更に、前記芯材を用いて、受部や取付孔を同様の構造とした他のガードや、補器などを取り付けることもできる。
また、従来のようにボルトがスカートチャンネルの内側に突き出さないため、スカートチャンネル内部、及びフレーム内側の設計自由度が向上し、スカート部材にボルト締付け作業用の穴を開口する必要がないので、スイングフレームの強度を維持することも可能である。
図10は油圧ショベル1の全体を示す図であって、該油圧ショベル1は、クローラ式足回り装置からなる下部走行体2と、該下部走行体2に旋回自在に設けられる上部旋回体3とを備えており、上部旋回体3には運転席を構成するキャビン4と、ブーム5a、アーム5b、バケット5cからなる作業用アタッチメント5と、油圧駆動装置およびカウンターウエイトが装備された公知構成からなっている。
前記上部旋回体3を支持するスイングフレーム8は、左右に設けられた一対のスカートチャンネル10と、中央で前後方向に長く形成された左右一対のブームタワー9と、該ブームタワー9間およびブームタワー9とスカートチャンネル10間に掛け渡されたクロスメンバー11とを一体に有する枠体からなっている(図2参照)。
上記左右のスカートチャンネル10の外壁面には、バンパー構造が形成される。
図1から図5に示す実施例1のバンパー構造は、略直線状に延びる芯材20と、該芯材に嵌合し固定されるバンパー部材23とからなっている。
芯材20は、上記スカートチャンネル10の外壁面に溶接して固着される。
即ち、芯材20は、図3および図4に明瞭なように、断面略T字状でレール状の延びる金属製の棒材からなっており、前記スカートチャンネル10の外面に基端が溶着されて水平に突出する基部20aと、該基部20aの先端で交差(図示例では先端で直交)する抜け止め用の抑え片20bとからなっており、該抑え片20bは、その中央で前記基部20aの先端と一体に結合されている。
また、抑え片20bは、基部20aの上下に延出するものに限らず、いずれか一方だけに延出するものでもよい。
本実施例では、後述の一対のキャップ部材25がボルト締めされるので、長手方向の両端寄りにそれぞれ孔部21が穿設されている。
一方、バンパー部材23は、図示例の場合、略断面梯形状の合成樹脂やゴム材などの弾性を有するブロック体からなっており、前記芯材20の長さに対応し、僅かに長く設定されている。
本実施例でバンパー部材23は、芯材20aより短い長さに設定された中央の長尺状のバンパー本体24と、バンパー本体24の長手方向の両端部にキャップ状に取付けられて、切断端面を閉塞する一対のキャップ部材25とからなっている(図5参照)。
バンパー本体24には、スカートチャンネル10に接する接触面23aで開口し、前記芯材20に対応して形成され、該芯材20が挿入可能な断面T字状の溝からなる受部26が長手方向に貫通して穿設されている(図3参照)。
一対のキャップ部材25は、バンパー本体24の両端を塞ぐもので、バンパー本体24と同一構造の受部26と、ボルト締め用の取付孔27とが形成されている。
キャップ部材25は、長さが短く設定されており、長手方向の一方または他方の端部が閉塞され、外形が面取りされた湾曲面からなる負傷防止形状となっており、受部26の一方端または他方端が塞がれている点が前記キャップ部材25と異なっている。
即ち、取付孔27は、受部26と交差する先端側がボルト30の径に対応する小径部27aに形成され、基端側は拡開してボルト頭部30aを掛止める大径部27bとなっている。
前記取付孔27は、先端にナット31を埋め込んでおき、ボルト挿入時に螺合しうるようになっているが、上記構成に代えて、前記孔部21にボルト螺合用のネジを刻設しナットの機能を持たせてもよい。
この際に、芯材20はバンパー本体24より長いので、長手方向の両端はバンパー本体24から外側に突出している。
そして、ボルト30をキャップ部材25の取付孔27の大径部27bから小径部27aに通し、芯材20の孔部21に通してボルト締めする。
これにより、バンパー本体24と共にキャップ部材25を固定してバンパー部材23が、スカートチャンネル10に取り付けられる。
これにより、バンパー本体の一端側はキャップ部材で塞いでキャップ部材を芯材に固定し、他端側ではバンパー本体にボルト締めすることで固定しうる。
図6から図8に示す実施例2のバンパー構造は、プレート状の芯材20と、該芯材に嵌合し固定される1本のバンパー部材23とからなっている。
芯材20は、ボルトを通す孔部21が所定間隔で複数開いた金属製の突片からなっている。
この芯材20は、一連の突片でもよいが、本実施例では、所定間隔に配置された複数の突片からなっている。
そして、芯材20の基端がスカートチャンネル10の外壁面に溶接され、略水平姿勢となるように固着される。
一方、バンパー部材23は、断面が略梯形状であり、長手方向の両端が閉塞して負傷防止形状となった弾性を有する長尺のブロック体からなっている。
図示例では、バンパー部材23は3つの分割体(図6、図8参照)の組合せ構造からなっているが、一体のもの、あるいは複数分割されたものでもよい。
そして、バンパー部材23は、取付時に前記芯材20に対応する位置に受部26が設けられている。
この受部26は、スカートチャンネル10に接する接触面23aで開口し、前記芯材20を略隙間無く挿入可能な凹部からなっている。
上記取付孔27の小径部27aの先端には、前記実施例と同様にナット31を埋め込んでおき、後述のボルト30を緊締しうるようにしてもよいし、芯材20の孔部21に、ボルト螺合用のネジを刻設して芯材20にナットの機能を持たせ、ボルト30を締め付けるようにしてもよい。
そして、ボルト30を取付孔27の大径部27bから小径部27aに通し、孔部21を貫通させてボルト締めする。
これにより、バンパー部材23は、芯材20に固定されてスカートチャンネル10に取り付けられる。
また、上記実施例では、取付孔を下向きに設けたのでボルトを下から取り付けており、ボルトの頭部が土砂などで埋まることが無く、雨水も溜まらないため、分解作業時の清掃が不要であり、側面に設置した場合のようにボルトが露出することもなく外観が損なわれることもない。
更に、バンパー構造の取付位置を自由に設定することができ、またバンパー部材の長さも自由に設定することもできる。
また、両端にキャップ部材を設ける場合を例示したが、一方だけにキャップ部材を設け、バンパー本体の他方の端部は他方のキャップ部を一体にしたような形状(受部の長手方向の一端を開放し、他端は閉塞とした構造)であってもよい。
また、取付孔は、下向きに開口したが、上向きに開口する構成、あるいは上下に貫通する形状でもよい。
芯材は被取付面から略水平に突出する例を示したが、一方に傾斜するものでもよい。また、芯材基部は平坦に限らず凹凸形状が設けられていてもよい。
その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。
3 上部旋回体
10 スカートチャンネル
11 クロスメンバー
15 補強部材
20 芯材
20a 基部
20b 抜止部
21 孔部
23 バンパー部材
23a 接触面
26 受部
27 取付孔
30 ボルト
31 ナット
Claims (6)
- 油圧ショベルなどの建設機械のスカートチャンネルの外壁面に固定される芯材と、該芯材に外嵌しうる形状に設定された溝状の受部を有する弾性ブロック体からなるバンパー部材と、該バンパー部材を芯材に固定する固定手段とからなる建設機械用バンパー構造において、
芯材が、スカートチャンネルの外面から略水平に外方に突出する突片を有し、該突片に取付用の孔部を設けており、
バンパー部材が、バンパー部材の底面側で開口し前記芯材を前記受部に嵌合した際に受部と交差し前記芯材の取付用の孔部と連通可能に整合する取付孔を有しており、
バンパー部材の受部を芯材に押し込んで嵌着し、ボルト等の固定具をバンパー部材の取付孔から挿入し芯材の孔部に通してバンパー部材を芯材に固定してなることを特徴とする建設機械用バンパー構造。 - 芯材が、被取付面から外方へ水平に延びるレール状の基部と、該基部と交差する抜け止め用の抑え片とからなっており、
バンパー部材の受部を芯材の長d手方向の一方端から挿入し、前記芯材に沿ってバンパー部材を摺動して芯材に嵌着してなることを特徴とする請求項1に記載の建設機械用バンパー構造。 - バンパー部材が、バンパー本体と、該バンパー本体の長手方向の両端側でバンパー本体を挟む一対のキャップ部とからなっており、
芯材が、バンパー本体より長く外側へ突出し、該突出した個所に取付用の孔部を有しており、
前記キャップ部に取付孔が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の建設機械用バンパー構造。 - 芯材が、一連の突片、または所定間隔に配置された複数の突片からなっていることを特徴とする請求項3に記載の建設機械用バンパー構造。
- 芯材が、油圧ショベルのスイングフレームのスカートチャンネルの外壁面に溶着されてなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の建設機械用バンパー構造。
- バンパー部材に形成された取付孔が、取付孔の先端にボルトを螺合するナット部を埋設し、または芯材の孔部にボルトを螺合するネジを刻設してなることを特徴とする請求項1に記載の建設機械用バンパー構造。
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