JP4430612B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
また、凝縮器として機能する室外熱交換器に結露水を滴下して冷却する場合に、室外の雰囲気の湿度が非常に高い場合には、結露水の蒸発が進まずに、そのまま室外熱交換器の下部に滴下することがあり、十分な冷却効果が得られなかった。
さらに、結露水を室内機から室外機上部に導いて、室外熱交換器に直接滴下する構成になっているので、熱交換部分の下部まで流れた結露水を再利用することはできなかった。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で空気調和装置を効率良く運転させることを主な目的とする。
この空気調和装置では、冷房運転時に室外機から流れ出る冷媒が室内機内の蒸発式補助熱交換器で過冷却される。過冷却された冷媒は室内機熱交換器で熱交換することで室内等を冷却する。蒸発式補助熱交換器で冷媒を過冷却するために使用する空気は、室内等を冷却する低湿空気の一部を取り込んで使用する。
図1に第1の実施の形態に係る空気調和装置の全体構成の概略を示す。空気調和装置1は、室外機3と室内機3とを配管接続した構成を有する。
室外機3は、圧縮機4を有し、圧縮機4の吐出口に接続された吐出配管5は、室外熱交換器(以下、凝縮器6という)の流入口に接続されている。凝縮器6の流出口からは液管7が延び、液管7は室内機3内に引き込まれている。
室内機3は、蒸発式補助熱交換器10(以下、補助熱交換器10という)と、膨張弁11と、室内熱交換器(以下、蒸発器12という)とが直列に配管接続されている。蒸発器12の流出口には、ガス管13が接続されている。ガス管13は、吸引配管となって室外機3の圧縮機4の吸引口に接続されている。なお、空気調和装置1全体としてもみると、凝縮器6と補助熱交換器10とが直列に接続されている。
図1に示す空気調和装置1を運転させるときには、圧縮機4でガス冷媒を圧縮して吐出する。高圧のガス冷媒は、凝縮器6において熱交換して液冷媒あるいは一部ガス冷媒が残る二相冷媒となる。液冷媒あるいは二相冷媒は、室内機3の補助熱交換器10に流入する。補助熱交換器10には、散水装置32から結露水が散水されているので、補助熱交換器10の外表面に付着した結露水が補助熱交換器10内を流れる。液冷媒あるいは二相冷媒と熱交換して暖められて蒸発する。このときに結露水が吸収する気化熱によって補助熱交換器10及び冷媒が冷却される。液冷媒あるいは二相冷媒は、熱交換によって過冷却された液冷媒になり、膨張弁11で減圧された後、蒸発器12に流入する。
また、室内吹き出し用空気の一部を補助ファン26を使用してダクト25に引き込んで補助熱交換に使用するようにした。室内吹き出し用空気は、一定の温度や湿度の空気なので、外気条件に影響を受けずに結露水を補助熱交換器10で蒸発させることが可能になり、安定した運転が実現できる。なお、室内吹き出し用空気の一部が室内の空調には用いずに、結露水の蒸発や、加湿された空気の排気に用いることになるが、補助熱交換器10の冷却に用いることでエネルギが回収されるとことになるので、動力が無駄に消費されることにはならない。
ダクト25に水滴分離部25Cを設けたので、ダクト25から排気される空気が過剰に加湿された状態になることが防止される。このため、ドレンタンク29の結露水を有効に活用することが可能になり、補助熱交換器10に結露水を安定して散布することが可能になる。また、適度に加湿した状態で空気を排気することで、結露水をそのまま排出するために外部に露出するドレンホースなどが不要になる。
図4に示すように、室内機3は、ケース20内にダクト51を有する。ダクト51は、室内吹き出し用空気の一部を吸い込む吸気口51Aを有し、本体部51Bには空気の流れ方向に沿って順番に補助ファン26と、ベンチュリ部52と、補助熱交換器10とが配置されている。補助熱交換器10が配置されている部分から先は、開口28でドレンタンク29が接続された後に、ケース20の背面20Cから屋外に排気されるようになっている。
補助ファン26を運転させると、吸気口51Aからダクト51内に室内吹き出し用空気の一部が吸い込まれる。室内吹き出し用空気は、ベンチュリ部52で流れが絞られて流速が増加する。これによって、ベンチュリ部52の圧力が他の部分に比べて相対的に低圧になる。このため、ドレンタンク29内の結露水がノズル53を通して吸引される。結露水はノズル53からダクト51内に噴き出されてミスト状になって室内吹き出し用空気に混合される。結露水のミストを含む空気が補助熱交換器10に導かれると、補助熱交換器10の外表面にミスト状の結露水が付着する。ミスト状の結露水が蒸発することで補助熱交換器10において蒸発潜熱を利用した熱交換が行われる。補助熱交換器10内を流れる冷媒は、結露水の蒸発によって過冷却されてから凝縮器6に導かれる。一方、補助熱交換器10の外表面を流れる空気は、結露水の蒸気を含む加湿された空気として屋外に排出される。この際に、余分な水分は、ドレンタンク29に回収される。
ここで、図5に示すように、ダクト51は、補助熱交換器10の設置位置よりも下流側に水滴分離部51Cを設けても良い。水滴分離部51Cの構成は、第1の実施の形態の水滴分離部25Cと同様であえる。水滴分離部51Cを設けることで、第1の実施の形態と同様に結露水の有効利用が可能になる。
図6に示すように、室内機63には、一部のみが図示されているダクト25と、ダクトの下流側に接続されたドレンタンク29を有し、ダクト25内には補助熱交換器10が配置されている。なお、図示は省略してあるが、図2と同様にダクト25の上流側には補助ファン26と吸い込み口25Aが設けられ、ダクト25の下流側には水滴分離部25Cを経てケース20の背面20Cから排気されるようになっている。
室外機3の凝縮器6で形成された液冷媒あるいは一部ガス冷媒が残る二相冷媒は、室内機63に導かれ、ドレンタンク29内に挿入された部分を通って補助熱交換器10に流入する。このとき、ドレンタンク29内の結露水は、例えば、15℃程度で、冷媒との温度差は約30℃程度なので、液管7を流れる冷媒は、ドレンタンク29内で結露水と熱交換し、結露水の温度を上昇させる。熱交換によって温度上昇した結露水は、散水装置32を介して補助熱交換器10の外表面に散布されて蒸発潜熱によって冷媒を過冷却する。
例えば、空気調和装置1は、四方弁などを設けて冷媒の向きを逆転させて、暖房運転が可能に構成しても良い。
第1の実施の形態において、補助ファン26として正転、逆転可能なものを使用すると、正転時に排気し、逆転時に吸気することが可能になる。吸気が可能になることで、空気調和装置1は、換気機能が付加されることになる。つまり、外気を取り込んで散水装置32から散布した結露水の蒸気を含む加湿した空気をダクト25の吸い込み口25Aから送気して、送気口21から室内に供給し、外気による換気が可能になる。
2 室外機
3 室内機
6 凝縮器(室外熱交換器)
7 液管
10 補助熱交換器(蒸発式補助熱交換器)
12 蒸発器(室内熱交換器)
25,51 ダクト
25C,51C 水滴分離部(屈曲する部分)
29 ドレンタンク
32 散水装置
43 中間冷却器
52 ベンチュリ部
53 ノズル
Claims (7)
- 室内機と室外機とを配管接続し、前記室内機と前記室外機の間で冷媒を循環させる空気調和装置において、前記室内機で生じた結露水を蒸発させることで室内熱交換器に流入する高温の冷媒を過冷却する蒸発式補助熱交換器と、室内熱交換器における熱交換で形成される低湿空気の一部を取り込んで前記蒸発式補助熱交換器に送気するためのダクトとを前記室内機に設けたことを特徴とする空気調和装置。
- 前記蒸発式補助熱交換器は、室外熱交換器と直列に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
- 前記蒸発式補助熱交換器を2段圧縮2段膨張冷凍サイクルの中間冷却器から膨張弁に至るまでの間に設けたことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
- 低湿空気の一部が引き込まれる前記ダクト内に前記蒸発式補助熱交換器が配設されており、前記室内機で生じた結露水を前記蒸発式補助熱交換器に散布する散水装置を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空気調和装置。
- 低湿空気の一部が引き込まれる前記ダクト内に前記蒸発式補助熱交換器が配設されており、前記ダクトには、前記蒸発式補助熱交換器の配設位置よりも上流側にベンチュリ部が設けられ、前記ベンチュリ部には前記室内機で生じた結露水が貯溜されるドレンタンクにつながるノズルが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空気調和装置。
- 前記ダクトは、前記蒸発式補助熱交換器の下流側で断面積を増大させると共に屈曲する部分を有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の空気調和装置。
- 前記室外機から延びて前記蒸発式補助熱交換器に接続される液管の一部を前記室内機で生じた結露水が貯溜されるドレンタンク内に引き込み、結露水と冷媒とによる熱交換が可能に配置したことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
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