JP4430428B2 - 外観検査装置 - Google Patents
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ところが、上記のような従来装置では、外観検査の所要時間(サイクルタイム)を短縮するために、回転ドラムの回転速度や搬送装置の供給(搬送)速度を増加させたときに、検査対象物の重量や形状等によっては当該対象物の正確な検査を行えないことがあった。具体的には、ニードル軸受用ころなどの軽量な対象物を検査するときにドラム回転速度を上げた場合、回転ドラム側から検査対象物に作用する回転力やその対象物の前後で搬送される他の検査対象物との衝突等により、上記カメラで撮像される検査対象物がドラムから浮き上がったり、同ドラムに対して斜めになったり、外部に飛び出したりすることがあった。このため、カメラの検査対象物とのピントが合わなくなって検査精度の低下を招いたり、検査自体を行えなかったりするという問題を生じることがあった。
複数の前記検査対象物を所定の搬送方向に搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送されている前記検査対象物を回転させる回転手段と、回転している前記検査対象物の表面を外観検査のために撮像する撮像手段と、前記回転手段に連続するように設けられて前記検査対象物を搬送するコンベア、及び前記コンベアによって搬送されている前記検査対象物の寸法を測定するためのカメラを有する測定手段と、を備えており、前記測定手段が、一つの搬送されている前記検査対象物に対して、その搬送方向での先端部側及び後端部側を同時にそれぞれ撮影するための第1及び第2カメラを有し、前記第1及び第2カメラが、前記搬送方向に各々移動可能に設けられ、前記第1及び第2カメラを前記搬送方向に互いに最接近させたときに両カメラの撮像範囲を一部重複させるように、前記第1カメラには、その撮像範囲を前記搬送方向で前記第2カメラ側に移動させるプリズムレンズが取り付けられ、かつ前記第2カメラには、その撮像範囲を前記搬送方向で前記第1カメラ側に移動させるプリズムレンズが取り付けられていることを特徴とするものである。
この場合、検査対象物の外観検査と寸法測定とを連続的に行うことができる。また、第1及び第2カメラを搬送方向で最接近に配置したときでも、各カメラのプリズムレンズによって死角(撮影漏れ)を生じることなく検査対象物を撮影することができ、寸法測定精度が低下するのを防ぐことができる。
上記のように構成された外観検査装置では、上記搬送手段及び回転手段により、回転されつつ、搬送されてくる一つの検査対象物に対して、吸引手段が回転手段と密接するよう吸引する。これにより、軽量な検査対象物の外観検査を行うときに回転手段の回転速度や搬送手段の搬送速度を増加させた場合でも、当該検査対象物が回転手段上で飛び跳ねるのを防ぐことができ、回転手段上での検査対象物の挙動を安定させることができる。
この場合、押さえ手段によって上記検査対象物の回転手段上での挙動をより確実に安定させることができる。
この場合、上記回転手段上において、上記撮像手段によって撮像される検査対象物の前後で搬送されている検査対象物をも回転手段により確実に密接させることが可能となり、撮像される検査対象物の回転手段上での挙動をさらに安定させることができる。
この場合、1台のカメラではその撮像範囲を超える長尺の検査対象物の寸法測定を行う場合でも、その長尺対象物の寸法に応じてカメラの設置台数を増やすことなく、その対象物の寸法測定を行うことができる。
また、軽量な検査対象物の外観検査を行うときに回転手段の回転速度や搬送手段の搬送速度を増加させた場合でも、当該検査対象物が回転手段上で飛び跳ねるのを防いで回転手段上での検査対象物の挙動を安定させることができるので、当該検査対象物の正確な撮像画像を確実に得ることができる。したがって、軽量な検査対象物に対しても、その外観検査のサイクルタイムの短縮化を図りつつ、正確な検査を行うことができる(請求項2)。
図1は、本発明の一実施形態に係る外観検査装置の要部構成例を示す正面図である。図において、本実施形態の外観検査装置1は、検査台2上でニードル軸受用ころ等の円柱状の検査対象物(以下、“ワーク”という)を図の右側から左側への所定の搬送方向に搬送する搬送手段としての圧送ローラユニット3と、このユニット3に連続的に設けられて、ワークを回転させる回転ドラムユニット4と、このユニット4の上方に設置されたカメラ5aを有する外観検査ユニット5とを備えている。また、外観検査装置1には、検査台2上で上記回転ドラムユニット4に連続するように設けられたコンベア6のベルト6a上のワークを撮影する2台のカメラ7a、7bを有し、当該ワークの全長を測定する全長測定ユニット7が設けられており、外観検査ユニット5によるワークの全周検査に引き続いて、当該測定ユニット7によるワーク全長寸法の測定検査が行われるようになっている。さらに、外観検査装置1には、電源のオン/オフボタン等の操作ボタンやタッチパネル機能を有するディスプレイを具備し、オペレータからの当該装置の各ユニットへの操作指示が入力される操作盤8と、上記カメラ5a、7a、7bの各撮像画像を表示可能なモニタ9と、操作盤8からの指示信号に従って各ユニットの動作を制御するとともに、カメラ5a、7a、7bからの各画像データを用いて所定の検査処理を行うパソコン10とが設けられている。このパソコン10と後述の吸引ユニットに含まれた真空ポンプ11とは、検査台2の収納部内に配置されている。
尚、この説明以外に、一対の圧送ローラ3bの代わりに、ワークWの搬送方向と同一方向に回転する1つの圧送ローラを上記搬送路上に設けて、ワークWを回転ドラムユニット4側に供給する構成でもよい。
上記の各回転ドラム4aは、その両端部が支持体4b内に組込まれた軸受により回転自在に支持されるとともに、図2の右端部側にはプーリ4dが接続されている。また、各プーリ4dには駆動ベルト4eが巻回されており、図3に示すように、当該ベルト4eは支持体4bの下方で当該支持体4bに固定された電動モータ4fの出力軸4f1に連結されている。詳細には、駆動ベルト4eは、一方のプーリ4d、支持体4bに回転自在に設けられた中間プーリ4g、及び他方のプーリ4dの順番で出力軸4f1からのモータ動力を伝達するように、これらのプーリ4d、4g及び出力軸4f1に取り付けられており、各プーリ4d及び対応する回転ドラム4aを同一方向に回転するようになっている。また、このように回転ドラム4aが回転することにより、当該ドラム4a上に送られてきたワークWは、軸心回りに回転しながら上記搬送方向に移動し、かつドラム4a上に設定された上記カメラ5aの撮像範囲を通過した後、2枚の板材4hによって略V字状に構成されたワーク搬送路を介して回転ドラム4a上から上記コンベア6側に送り出される。
上記吸引ユニット12は、上記真空ポンプ11(図1)と、この真空ポンプ11にホース13を介して連結された吸引ノズル部12aとを備えている。この吸引ノズル部12aは、図5も参照して、箱体状に構成されたものであり、当該ノズル部12aの上端部には、回転ドラム4aとほぼ同一長さを有する吸引口12a1が形成されている。また、この吸引ノズル部12aには、一端部が上記真空ポンプ11に接続されたホース13の他端部が繋がれる連結孔12a2が設けられている。さらに、吸引ノズル部12aは、吸引口12a1が上記一対の回転ドラム4a上で回転するワークWと対向するように上記支持体4bに組付けられており、真空ポンプ11の吸引力によってドラム4a上の全てのワークWを吸引して当該ドラム4aに密接させるようになっている。
また、支持体4bは、高さ調整機能を有する取付部16を介して上記固定部材4cに取り付けられており、取付部16のアジャストボルト16aを回転することにより、当該支持体4bとこれに取り付けられた一対の回転ドラム4a及び吸引ノズル部12aとが上下方向に移動できるよう構成されている。
また、パソコン10は、その欠陥検出処理にて欠陥がワークWに生じていると判断したときには、上記回転ドラムユニット4及びコンベア6との間に設けられた不良品回収機構(図示せず)に指示信号を出力してこの機構を動作させて、欠陥を有する不良品のワークWをベルト6a上から当該回収機構の回収ボックス内に移送させる。一方、良品判定されて外観検査に合格したワークWについては、パソコン10は上記指示信号を出力することなく、ベルト6aにより上記全長測定ユニット7側に搬送されるのを許容する。尚、全長測定ユニット7の下流側にも図示を省略した不良品回収機構が設けられており、この機構が、パソコン10からの指示信号に従って不良品判定されたワークWのみを回収するようになっている。
また、各カメラ7a、7bは、ベルト6a上を搬送されているワークWを撮影して、その撮像画像のデータを上記パソコン10に出力している。このパソコン10には、上記外観検査処理の機能に加えて、各カメラ7a、7bからのワーク画像データを用いた全長測定処理の機能がソフトウェアにより付与されており、パソコン10は、上記画像データの画素数をカウントし、マスタワークの画素数と比較することにより、測定対象のワークWの全長を求めている。
具体的にいえば、図8(a)に示すように、カメラ7a、7bの各カメラ視野よりも若干大きい長さを有するワークW1を撮影する場合には、カメラ7a、7bの撮影範囲が一部重複するようにワークW1を撮影しており、当該ワークW1の撮影漏れが生じないようになっている。また、同図の二点鎖線にて示すように、上記プリズムレンズ7cに含まれたプリズム7c1、7c2がカメラ7aの撮影範囲をカメラ7b側に移動させ、プリズムレンズ7dに含まれたプリズム7d1、7d2がカメラ7bの撮影範囲をカメラ7a側に移動させている。このようにプリズムレンズ7c、7dを用いて対応するカメラ撮影範囲を移動させることにより、これらのカメラ7a、7bを搬送方向で互いに最接近に配置したときでも、上記のように一部重複してワークW1を確実に撮影することができ、当該ワークW1に付いての測定精度低下を防止することができる。
また、このワークW1よりも短い、つまり各カメラ7a、7bのカメラ視野よりも小さい長さのワークを撮影する場合には、いずれか一方のカメラのみがそのワークを撮影するようになっている。
また、本実施形態では、吸引ユニット12の吸引口12a1が回転ドラム4aとほぼ同一長さを有するよう構成されているので、カメラ5aによって撮像されるワークWだけでなく、このワークWの前後で回転ドラム4a上で搬送されている別のワークWをもドラム4aにより確実に密接させることができ、当該ドラム4a上で隣り合う2つのワークWが衝突するのを防ぐことが可能となって撮像対象のワーク挙動をさらに安定化することができる。
また、本実施形態では、全長測定ユニット7のコンベア6が、回転ドラムユニット4に連続するよう設けられているので、測定装置を別途設けることなく、ワークWの外観検査に引き続いて当該ワークWの全長寸法の測定を行うことができる。
また、上記の説明では、圧送ローラユニットと回転ドラムユニットとを別個に構成した場合について説明したが、検査対象物の搬送機能と回転機能とを一体化した単一の機構によって構成してもよい。また、共に回転する一対の回転ローラを備えた回転ドラムユニットについて説明したが、このドラムユニットは検査対象物を強制的に回転させるものであればよく、一方のローラのみが回転することにより検査対象物を回転させるものでよい。
また、上記の説明では、搬送方向で移動可能に設けられ、検査対象物の搬送方向での先端部側及び後端部側を同時に撮影する2台のカメラを測定手段に設けた場合について説明したが、本発明の測定手段はこれに限定されるものではなく、例えば固定された1台のカメラによって上記先端部側及び後端部側を間欠的に撮影した画像データを用いて全長寸法を求めることもできる。但し、上記2台のカメラを使用する場合の方が、コンベアベルトで搬送される検査対象物の送り速度を所定速度に完全に一致させる必要がなく、しかも、後端部側が撮影されるまで処理部でのデータ処理を待機させる必要がないことから、処理結果を早期に得ることができる簡略化された構造の測定手段を容易に構成できる点で好ましい。
3 圧送ローラユニット(搬送手段)
4 回転ドラムユニット(回転手段)
5 外観検査ユニット
5a カメラ(撮像手段)
7 全長測定ユニット(測定手段)
7a、7b カメラ(第1,第2カメラ)
7c、7d プリズムレンズ
11 真空ポンプ(吸引手段)
12 吸引ユニット(吸引手段)
12a1 吸引口
14 ワーク押さえユニット(押さえ手段)
W ワーク(検査対象物)
Claims (5)
- 検査対象物の外観を検査するための外観検査装置であって、
複数の前記検査対象物を所定の搬送方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送されている前記検査対象物を回転させる回転手段と、
回転している前記検査対象物の表面を外観検査のために撮像する撮像手段と、
前記回転手段に連続するように設けられて前記検査対象物を搬送するコンベア、及びこのコンベアによって搬送されている前記検査対象物の寸法を測定するためのカメラを有する測定手段と、を備えており、
前記測定手段が、一つの搬送されている前記検査対象物に対して、その搬送方向での先端部側及び後端部側を同時にそれぞれ撮影するための第1及び第2カメラを有し、
前記第1及び第2カメラが、前記搬送方向に各々移動可能に設けられ、
前記第1及び第2カメラを前記搬送方向に互いに最接近させたときに両カメラの撮像範囲を一部重複させるように、前記第1カメラには、その撮像範囲を前記搬送方向で前記第2カメラ側に移動させるプリズムレンズが取り付けられ、かつ前記第2カメラには、その撮像範囲を前記搬送方向で前記第1カメラ側に移動させるプリズムレンズが取り付けられていることを特徴とする外観検査装置。 - 前記回転している検査対象物が前記回転手段に密接するように、当該検査対象物を吸引する吸引手段を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の外観検査装置。
- 前記吸引手段には、前記回転手段上の全ての前記検査対象物を吸引可能な吸引口が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の外観検査装置。
- 前記回転している検査対象物が、前記回転手段から浮き上がるのを押さえる押さえ手段を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の外観検査装置。
- 前記測定手段は、前記第1カメラからの第1撮像画像内における前記搬送方向での前記検査対象物の先端位置を取得し、かつ前記第2カメラからの第2撮像画像内における前記搬送方向での前記検査対象物の後端位置を取得して、前記第1撮像画像と前記第2撮像画像とを前記搬送方向に直交する方向に並べたときの、各撮像画像における前記検査対象物の前記先端位置と前記後端位置との間の前記搬送方向における当該検査対象物の画素数を用いて前記検査対象物の寸法を求めることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の外観検査装置。
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