JP4429385B2 - バキュロウイルスにより発現される活性カルパイン - Google Patents
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Description
本発明は、酵素活性を有する組み換えヒトカルパイン、および、バキュロウイルス−昆虫細胞系における組み換え技術を用いたその調製方法に関する。
発明の背景
A.カルパイン
カルパインはカルシウムで活性化される中性のプロテアーゼであり、CANPまたはEC 3.4.22.17としても知られる。哺乳動物組織内で偏在的に発現される細胞内システインプロテアーゼである(アオキ(Aoki)ら、FEBS Letters 205:313-317,1986)。カルパインは神経変性(アルツハイマー病、ハンチントン病、およびパーキンソン病)、筋萎縮、卒中、運動神経の損傷、急性の中枢神経系(CNS)の傷害、筋ジストロフィー、骨吸収、血小板凝集、および炎症を含み、しかしこれに限られない多くの変性疾患に関係してきた。
ヒトカルパインを含む哺乳動物のカルパインは多量体である。2個の異なるサブユニットから成り、それは1個の30kDaサブユニットと1個の80kDaサブユニットである。そして従って1個のヘテロダイマー(異種二量体)である。カルパインI(μ−カルパイン、μCANP)とカルパインII(m−カルパイン、mCANP)という2種の形態のカルパインが存在する。それらは活性化に必要なカルシウム濃度に対するその感受性において異なる。カルパインIは、活性化のために低マイクロモル濃度のカルシウムのみを必要とするが、一方、カルパインIIは高マイクロモルもしくはミリモル濃度を必要とする(アオキ(Aoki)ら、上記、およびデルカ(DeLuca)ら、Biochem.Biophys.Acta 1216:81-83,、1993)。同一の30kDaサブユニットがいずれの形態でも共通である。2種のヒトカルパインはその80kDaサブユニットをコードするDNA配列において異なり、62%の相同性を共有する。80kDaサブユニットは不活性であるが、しかし、カルシウム存在下で76kDaの活性型に自己分解されるという証拠がある(ツィンマーマン(Zimmerman)ら、Biochem.Biophys.Acta 1078:192-198,1991)。
サイマン(R.Siman)は、ニューロトキシティー オブ エクサイテイトリー アミノ アシッヅ(Neurotoxicity of Excitatory Amino Acids)、グイドッティ(A.Guidotti)編、レイヴァン プレス リミテッド(Raven Press,Ltd.)、ニューヨーク(1990)で、徐々にニューロン細胞死に導く、刺激性アミノ酸(EAA)で誘発される神経毒性におけるカルパインIの役割について報告した。サイマンは、カルパインIの活性化は神経変性の過程における初期のひとつの出来事であり、また、ニューロンの死に対する単なる二次的応答ではないという主張を前進させた。サイマンはさらに、その当時は唯一の、選択性の高いカルパイン阻害剤−カルパスタチン−が利用できると報告した。しかしながら、カルパスタチンはおよそ280kDaの大きな球形タンパク質であるため、容易には細胞によって取り込まれない。サイマンはまた、ロイペプチンを含むより幅広い特異性のプロテアーゼインヒビター(タンパク質分解酵素阻害剤)が、インビボでのEAA誘発性のタンパク質分解の低減に不成功に終わったと報告した。ロイペプチンはおそらく細胞に入ることができなかったため無効であった。
イワモト(Iwamoto)ら、ブレイン リサーチ(Brain Research)、561:177-180(1991)は、アルツハイマー型の痴呆に罹患した人由来の脳組織における班および神経細胞内の線維濃縮体の蓄積の基礎をなす異常なタンパク質分解において、カルパインの活性化が重要な因子であるかもしれないことを記述した。
サイトウ(Saito)ら、プロシーディングス オブ ナショナル アカデミー オブ サイエンス USA(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、90:2628-2632(1993)は、シナプスの損失およびニューロン細胞死がアルツハイマー病におけるうっ血性障害の程度と強く相関することを報告した。彼らはまた、アルツハイマー病の患者の死後ヒト脳においてカルパインIが有意に活性化されていたこと、およびその活性化の程度が最も大きな変性の量を示す脳のそれらの領域と相関していたことも報告した。カルパインの活性化の影響は、最も脆弱なニューロンの集団において、シナプスの損失もしくは細胞死を引き起こす前の神経原線維性の病状およびアミロイド前駆体タンパク質の異常なプロセシングに寄与しているかもしれないことが示唆された。カルパインと神経変性疾患との間の関連のため、阻害剤によるカルパインの薬理学的調整は、例えばアルツハイマー病などのこうした疾患における潜在的な治療戦略として考慮に値する。
ラミ(Rami)ら、ブレイン リサーチ(Brain Research)、690:67-70(1991)は、カルパイン阻害剤Iおよびロイペプチンの双方が、ラットの双方の頚動脈をクランプで締め付けそして動脈圧を低下させることにより誘発した虚血の結果起きた虚血性および低酸素性の損傷に対し、神経を保護したと報告した。
リー(Lee)ら、プロシーディングス オブ ナショナル アカデミー オブ サイエンス USA(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、88:7233-7237(1991)は、カルシウムにより活性化されるタンパク質分解は虚血後の細胞死の過程において重要な出来事であるとの証拠を提出し、また、彼らは、タンパク質分解阻害剤ロイペプチンによるカルシウムにより活性化されるタンパク質分解の阻害は、脆弱な海馬の神経の虚血後の変性から保護したと報告した。ロイペプチンは外傷が引き起こすカルパインの応答をインビボで阻害することがすでに示されていた唯一のプロテアーゼインヒビターであった(ソイベルト(Seubert)ら、ブレイン リサーチ(Brain Research)、459:226-232,1988)ため選択された。しかしながら、著者らは、カルシウムにより活性化されるタンパク質分解を調整することの治療上の有用性は、おそらく、より浸透できる、強力でかつ特異的なプロテアーゼインヒビターの開発に依存するであろうと言及した。
前述からの証拠のように、カルパインの特異的阻害剤は、カルパインが関係するそれらの神経変性疾患の治療の手段を提供する可能性がある。カルパスタチンはその細胞非浸透性のため限られた有用性を提供する。より幅広い特異性のプロテアーゼインヒビターはインビボで機能しないかもしれず、および/もしくは望ましくない副作用を有するかもしれない。従って、他のカルパイン阻害剤が同定されなければならず、また、得やすく、都合のよい、安全なカルパインの供給源が、こうした阻害剤の探索を促進するであろう。
B.カルパインcDNA
阻害剤について試験するための酵素活性を有する組み換えヒトカルパインは、1)かなりより都合のよい、直ちに利用できる大量の酵素の供給源となる、2)より容易に精製される、および3)その供給源がヒト組織、とりわけヒト血球すなわち潜在的に危険なウイルス類である場合に扱われなければならない安全性に関する討論(issues)を免れる、という利点を提供する。天然のヒトカルパインは現在、ヒト赤血球から単離され、そして、著者らが明らかに同質であると特徴づけているものにまで精製されることができる(ハタナカ(Hatanaka)ら、バイオメディカル リサーチ(Biomed.Res.)、4:381-388,1983)。しかしながら、供給源に関する明らかな問題はさておき、出発原料の量に比較してカルパインが低濃度のため、精製手続きは極めて退屈となる可能性がある。さらに、天然のカルパインは、精製の間に分離されなければならない内因性の阻害剤(カルパスタチン)の存在下で単離される。酵素活性を有する大量のカルパインの良好な供給源は、1)カルパイン阻害剤の再現性のあるアッセイにおける使用に対するカルパインの有用性を増加させる、そして2)当該酵素の結晶化を促進し、それによって合理的な阻害剤のデザインを可能とする、ことにより、カルパイン阻害剤の探索を大きく促進すると思われる。産生のための組み換え系は、構造に関する研究において援助するための目指す(directed)変異体類の産生をさらに促進する。従って、活性のカルパインを産生するための組み換え系が必要とされる。
組み換え的手段による酵素活性を有するカルパインの産生における問題は、2種の異なる遺伝子産物(80kDaサブユニットおよび30kDaサブユニット)の発現、適切なプロセシングおよび個々の産物のフォールディングを得ること、そして酵素活性を有する分子を産生するための2種の産物の適切な組み合わせの獲得、に関する問題である。先の論考で述べたように、活性化されたカルパインはニューロン細胞を殺すことに関係している。不幸なことに、その後、ある組み換え系で産生された酵素活性を有するいかなるカルパインも、その発現系にとって有害もしくは致死的であろうと予測された。利用された発現系に対するいかなる有害な作用も、活性化された産生物がより多量に発現されるほど増加するであろうと予測された。とりわけ、多くの哺乳動物細胞は内因性のカルパイン阻害剤を産生し、それは他の点では致死的なプロテアーゼの活性全体の重要な調節をもたらすこともできる。
アオキら、上記、は、彼らがヒトカルパインのcDNAクローンの配列から類推したヒトカルパインI(μCANP)の80kDaサブユニットの完全なアミノ酸配列を記述した。ヒトカルパインのcDNAクローンは、ウサギμCANPの大きいサブユニットのcDNAをプローブとして用い、ヒト骨格筋からのcDNAライブラリーから単離された。cDNAの発現は報告されていない。
イマジョウ(Imajoh)ら、バイオケミストリー(Biochemistry)、27:8122-8128(1988)は、ニワトリCANPおよびウサギmCANPをプローブとした、ヒト骨格筋ライブラリーからヒトカルパインの大きいサブユニットのcDNAクローンの単離を記述した。推定されるタンパク質はμCANPおよびニワトリCANPについて記述されたものと本質的に同じ構造的特徴を有していたと報告された。ヒトμCANPおよびニワトリCANPに対するヒトmCANPのアミノ酸配列の類似性は、それぞれ62%および66%と報告された。cDNAの発現は記述もしくは示唆されていない。
オオノ(Ohno)ら、ヌクレイック アシッヅ リサーチ(Nucleic Acids Research)、14:5559(1986)は、ヒト脾臓cDNAライブラリーから単離されたカルシウムで活性化されるヒトのプロテアーゼの小さいサブユニット(30kDa)をコードするcDNA配列を記述した。報告されたウサギのアミノ酸配列およびブタの配列との比較は、差異が3%のみであることを明らかにした。
デルカら、上記は、ラットのカルパインII(mCANP)の80kDaサブユニットのcDNAの分子クローニングおよび細菌での発現を報告した。当該cDNAは、報告によれば、ヒトカルパインIIと93%の配列同一性を、また、ヒトカルパインIとは61%の同一性を示すタンパク質をコードする。当該cDNAの発現は、大腸菌中、ファーゲミド(Phagemid)発現ベクターによった。発現された産生物は細胞の超音波破砕後に不溶性かつ不活性であったため、カルパイン阻害剤のスクリーニングには用いられることはできなかった。
C.バキュロウイルス発現系
ルーコウ(V.Luckow)、カレント オピニオン イン バイオテクノロジー(Current Opinion in Biotechnology)、4:546-572(1993)およびキッド(Kidd)ら、アプライド バイオケミストリー アンド バイオテクノロジー(Applied Biochem.and Biotech.)、42:137-159(1993)は、最近、それぞれ、ヒト遺伝子産物の発現のためのバキュロウイルス系、および、発現ベクターとしてのバキュロウイルス類の使用を総説した。ルーコウは酵素を含む多数の異なる種類のタンパク質の産生を論考した。しかしながら、ただひとつのタンパク質分解酵素、すなわちメタロプロテアーゼ・ストロメリシンの産生が言及される。カルパインとは異なり、このタンパク質は多量体ではない。
キッドらは、X線構造解析および機能を有する多サブユニット分子を形成するようなサブユニットの会合への、バキュロウイルスで産生されたタンパク質の使用を論考した。多数の例が機能を有する分子を産生するような適切なサブユニットの会合を表わした。実際上すべての場合において、バキュロウイルスでの発現が、フォールディングした分子の構造的完全性および完全な生物学的機能に帰着することを著者らが幅広く述べているにもかかわらず、機能をもつ酵素への、二量体または多量体の酵素サブユニットの会合は報告されなかった。さらに、多サブユニット分子すなわちNa,K,ATP−aseを含む他の例において、サブユニットの会合は時には不十分であった(デトマソ(DeTomaso)ら、下記)。
他の研究者もバキュロウイルス系における酵素の発現を報告している。バーネット(Vernet)ら、ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(J.Biol.Chem.)、27:16661-16666(1990)は、昆虫細胞からのパパイン前駆体の分泌を記述した。パパインはシステインプロテアーゼである。プレプロパパイン遺伝子はトランスファーベクターIpDC125中のポリヘドロンプロモーターの下流にクローニングされた。当該組み換え構築物は、相同的組み換えにより多角体病ウイルスアウトグラファ カリフォルニカ(Autographa californica)のゲノム内に組み込まれた。酵素活性を有しないパパイン前駆体が、組み換えバキュロウイルスを感染させたスポドプテラ フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)Sf9細胞から回収された。活性の酵素を産生するためのパパイン前駆体の適切なプロセシングは感染細胞中では起こらなかった。
フェルティッヒ(Fertig)ら、サイトテクノロジー(Cytotechnology)、11:67-75(1993)は、プロカリクレインの産生を記述した。これはセリンプロテアーゼ カリクレインの前駆体である。プロカリクレインは、組み換え核多角病体ウイルス アウトグラファ カリフォルニカ(Autographa californica)(AcNPV)のE2株を感染させた、スポドプテラ フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(Sf9)およびマメストラ ブラッシケ(Mamestra brassicae)(IZD−Mb503)由来の昆虫細胞内で産生された。活性のある酵素を得るために、産生されたプロカリクレインはトリプシンを用いインビトロで活性化された。
バトン(Button)ら、ジーン(Gene)、133:75-81(1993)は、バキュロウイルス−昆虫細胞発現系におけるレイシュマニア マジョール(Leishmania major)のメタロプロテイナーゼGP63の産生を記述した。当該酵素は、組み換え核多角病体ウイルス アウトグラファ カリフォルニカ(Autographa californica)(AcNPV)を感染させたスポドプテラ フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(Sf9)細胞から、その後塩化第二水銀処理により完全なタンパク質分解酵素活性を有するよう活性化される潜在的プロテアーゼとして、分泌された。
ヒロワタリ(Hirowatari)ら、Arch.Virol.、133:349-356(1993)は、C型肝炎ウイルス(HCV)のウイルス前駆体タンパク質のプロセシングに必要とされる2種のウイルス性タンパク質分解酵素活性を示すと考えられているポリペプチドの発現を記述した。当該ポリペプチドは組み換えバキュロウイルスを感染させた昆虫細胞株Sf21中で発現された。バキュロウイルストランスファーベクターpVL941が利用された。プロセシングを受けた70kDaのタンパク質の存在からタンパク質分解酵素活性が推論された。
発明者の知るところではバキュロウイルス系における酵素活性を有する多量体プロテアーゼ類の産生は報告されていないにもかかわらず、バキュロウイルス系はプロテアーゼ以外の機能をもつ多量体の酵素を発現するために用いられてきた。デトマソ(DeTomaso)ら、ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(J.Biol.Chem.)、268(2):1470-1478(1993)は、バキュロウイルス発現系を用いての機能をもつラットNa,K−ATPaseの発現を記述している。昆虫細胞を用いた発現系は、いくつかの昆虫細胞はほとんどもしくはまったくNa,K−ATPaseを有しないため選択された。スポドプテラ フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)由来のSf−9細胞が利用された。バキュロウイルスはアウトグラファ カリフォルニカ(Autographa californica)であった。しかしながら、昆虫細胞から得られた酵素の活性は、イヌ腎の外側髄質由来の酵素活性の20−25%程度のみであったため、著者らは発現された酵素のある部分が不活性であったと結論した。
ウェンジ(Wen-Ji)ら、ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(J.Biol.Chem.)、268(13):9675-9680(1993)は、Sf9細胞を用いたバキュロウイルス系における機能をもつ哺乳動物タンパク質 ファルネシルトランスフェラーゼの発現について記述している。発現されたタンパク質の特異的活性は510nM/mg/hrであった。これはラット脳の酵素について報告された値と本質的に同一であることが述べられている。しかしながら、天然の組織から得られたタンパク質の量では事前に直接のタンパク質濃度のアッセイができなかったことが言及されており、従って、これは、標準的なタンパク質のアッセイ法を用いてタンパク質の特異的活性が決定された最初である。
カルパインのような、酵素活性を有し、多量体の、潜在的に致死的なプロテアーゼの発現に関する明細もしくは示唆はいかなる発現系においても存在しない。カルパインIの発現はとりわけ困難であり、また、ある阻害剤の存在を必要とするであろうと予測された。なぜなら、カルパインIは、感染サイクルの間に達成され得る非常に低濃度のカルシウムイオンにより活性化されるためである。驚くべきことに、本発明者らは、酵素活性を有するカルパインが、バキュロウイルス系で、また、阻害剤の非存在下に発現することができることを予期せずして見出した。
発明の要約
本発明は、組み換え的手段による酵素活性を有する哺乳動物のカルパインの産生に向けられる。酵素活性を有する組み換えヒトカルパインIのバキュロウイルス−昆虫細胞系における産生がとりわけ記述される。こうして産生されたカルパインは、潜在的なカルパイン阻害剤をスクリーニングするためのアッセイにおいて有益に用いられることができ、従って、カルパインが関係してきたそれらの疾患を治療するために用いられることができるカルパイン阻害剤の迅速かつ効率的な選択、およびカルパイン阻害剤の理論的なデザインのために結晶化されるのに十分なカルパインを供給することを考慮に入れることにより、当該技術を進歩させる。こうして産生されたカルパインはまた、食肉軟化剤および血液凝固溶解剤としてを含む他の応用においても用いられることができる。
ひとつの局面においては、本発明は組み換え技術により産生される酵素活性を有する哺乳動物カルパインに向けられる。
他の局面では、本発明は酵素活性を有する組み換え哺乳動物カルパイン産生のための、哺乳動物カルパインをコードするcDNAを含むプラスミドベクターに関する。
さらにもうひとつの局面では、本発明は酵素活性を有する組み換え哺乳動物カルパイン産生のための哺乳動物カルパインをコードするcDNAを含む組み換えバキュロウイルス類に関する。
さらなる局面では、本発明はバキュロウイルス−昆虫細胞系を用いた組み換え的手段による酵素活性を有する哺乳動物カルパイン産生のためのある方法に関する。
【図面の簡単な説明】
第1図はカルパインの30kDaサブユニットのためのクローニング戦略を図示する。
第2図はカルパインIの80kDaサブユニットのためのクローニング戦略を図示する。
第3図は二重構築物(double construct)のためのクローニング戦略を図示する。
第4図はイムノブロット法により決定されたSf21細胞中でのサブユニット類の発現を図示する。
第5a−d図はカルシウム依存性のタンパク質分解酵素活性の測定を図示する。
第6a−b図は不活性の80kDaサブユニットの76kDaの活性形へのカルシウム依存性のプロセシングを図示する。
第7図は血清を含まない培地での改善された発現を図示する。
第8図は単独で発現された80kDaサブユニットのカルシウム依存性のタンパク質分解酵素活性の測定を図示する。
第9図は組み換えおよび天然のヒトカルパインIのカルシウムによる活性化プロフィルを図示する。
発明の詳細な記述
本発明は組み換え的手段による哺乳動物カルパイン、とりわけ、酵素活性を有するカルパインの産生に向けられる。ここで用いられる「カルパイン」はカルパインIおよびカルパインIIの双方を含み、2個のサブユニットから成るヘテロダイマーを指す。これらのサブユニットは、およそ30kDaの分子量を有するより小さいサブユニット、およびその活性化状態に依存しておよそ80kDaの分子量を有するより大きなサブユニットである。80kDaサブユニットへの言及は、80kDaサブユニットの自己分解から生じた少なくとも77kDaおよび76kDaの形態を含む。当業者には明らかであろうように、異なる哺乳動物種由来の当該サブユニット類、それどころか同一の哺乳動物種の異なる組織由来の当該サブユニット類(ハタナカ、上記)も、分子量が異なることができる。これらの変動は含まれる。
本明細書で用いられる「酵素活性」とは、カルパインそれ自身す、なわち自己分解の結果としてを含む、少なくとも一種の既知のカルパインの基質を測定可能な程度加水分解する能力を指す。酵素活性は、蛍光および比色分析を含むがこれらに限定されない、こうした決定を行うための当業者が受容できるいかなる手段によっても測定することができる。上述の酵素活性を維持するのに十分な各サブユニットのその部分が含まれる。本発明による方法は、酵素活性に必要なコード配列(cDNA)のそれらの領域の迅速な決定、および、コード配列の内部での変異に帰着する活性の変化を促進する。本明細書で用いられる「発現による酵素活性」という句は、カルシウムの存在以外のいかなる操作をも必要とせずに発現と同時に測定可能な程度の酵素活性を有するカルパインもしくはそれのサブユニットを指す。
本明細書で用いられる「発現」は、本発明によるベクター類およびウイルス類中に包含されるcDNAの昆虫および他の細胞におけるインビトロでの翻訳を含むが、これに限定はされない。発現の間には通常、とりわけ血清を含む培地の例においては、ある程度のカルシウムイオンが存在するため、こうして産生されたカルパインは発現と同時に酵素活性を有する。
本明細書で用いられる「組み換え」という用語は、DNA配列の新規な組み合わせを包含する分子、微生物、プラスミド、ファージ、もしくは他のベクターを含むが、これに限定はされない。「微生物」という用語はウイルスおよび細菌を含む。「プラスミド」、「ファージ」、および「ベクター」という用語は、例えば「ア ディクショナリー オブ ジェネティック エンジニアリング(A Dictionary of Genetic Engineering)」、スティーヴン・G・オリバー(Stephen G.Oliver)とジョン・M・ワード(John M.Ward)編、ケンブリッジ ユニバーシティ プレス(Cambridge University Press)、ケンブリッジ(Cambridge)、1988(ここに引用文献として編入されている)に定義されているように当業者に知られているその意味に従って使用される。
「哺乳動物」という用語は系統発生の分類が「哺乳類」であるすべての動物を含む。好ましくは、当該カルパインは酵素活性を有する組み換えヒトカルパインである。さらに好ましくは、当該カルパインは酵素活性を有する組み換えヒトカルパインIである。
以下の開示に用いられているバキュロウイルス アウトグラファ カリフォルニカ(Autographa californica)核多角病体ウイルス(AcNPV)は具体例である。しかしながら、ボンビクス モリ(Bombyx mori)核多角病体ウイルス(BmNPV)、ヘリオティス ゼア(Heliothis zea)核多角病体ウイルス、リマントリア ディスパー(Lymantria dispar)核多角病体ウイルスなどの他のバキュロウイルス類、ならびにオルシテス(Orcytes)属のバキュロウイルス類、ポックスウイルス(Poxviridae)属およびパルボウイルス(Parvoviradae)属のウイルス類、コリストネウラ(Choristoneura)属、およびアムサクタ(Amsacta)属もAcNPVの代わりに考慮することができる。「プリンシパルズ アンド プラクティス オブ プロテイン エンジニアリング(Principals and Practice of Protein Engineering)」、ジェフリー・L・クリーランド(Jefferey L.Cleland)とチャールズ・S・クレイク(Charles S.Craik)編、ジョン ウィレイ アンド サンズ(John Wiley & Sons)、605サード アベニュー(Third Avenue)、ニューヨーク(New York)、NY 10158-0012中の「インセクト セル エクスプレッション テクノロジー(Insect Cell Expression Technology)」、1−40ページを参照。
本発明を具体的に示すために昆虫スポドプテラ フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)由来の細胞が用いられたが、400を越える昆虫細胞株が確立され、そしてとりわけトリコプルシア ニ(Trichoplusia ni)由来のものが使用されうる。クリーランドとクレイク、上記を参照。当業者は発現に適したある昆虫細胞を容易に決定することができる。酵母や哺乳動物細胞のような他の細胞も適切なベクターとともに利用することができることもまた意図している。適切なベクターの選択は当該技術分野の技能の範囲内である。
バキュロウイルス類によって発現すべく異種遺伝子は通常、AcNPVのポリヘドリンもしくはP10プロモーターの調節下にある。なぜなら、ポリヘドリンおよびP10遺伝子はウイルスの複製もしくは成熟に不可欠でなく、また、高度に転写されるからである。これはこの発明の実施のための他のプロモーター類の使用を決して制限するものではない。クリーランドとクレイク、上記を参照。
酵素活性を有する組み換えカルパインの発現および回収が具体的に開示される。これはとりわけカルパインIについては予期されないことであった。カルパインIはマイクロモル量のカルシウムの存在下で活性化される。なぜなら、産生のために用いられる細胞が培養される組織培養培地中にはカルシウムイオンが存在しているためである。感染した細胞は一般に「漏れやすく」なるため、産生されたいかなるカルパインIも活性化するのに十分な量のカルシウムイオンが周囲の培地から細胞に入り、次いで、活性化されたカルパインIが細胞に致死的となり、自己分解によりカルパインIにそれ自身の分解をもたらすと予測された。
組み換え的に産生されたカルパインは、酵素学的に完全に活性であり、また、天然のカルパインと同様の酵素活性プロフィルを有することが決定されている。このことは、治療に用いる潜在的なカルパイン阻害剤のスクリーニングへのこうした組み換え的に得られたカルパインの使用にとって重要である。組み換え的に産生されたカルパインは既知のカルパイン阻害剤に対して同様の感受性、およびセリンプロテアーゼもしくはアスパラギン酸プロテアーゼの阻害剤に対する感受性の欠如を示した。1/2Vmaxを達成するのに必要なカルシウムの量は、天然および組み換えカルパイン双方に対し本質的に同様である。同様に、基質の加水分解速度も比活性でそうであるように同様である(データは示されない)。繰り返すが、これらの特徴は本発明によるカルパインの十分な活用には重要である。
驚くべきことに、80kDaサブユニット単独での比活性は、ヘテロダイマーの活性のおよそ20−25%であると決定された。天然のヘテロダイマーから解離した80kDaサブユニットの比活性は、すでに、ヘテロダイマーの3%にすぎないと決定された。(キクチ(Kikuchi)ら、Arch.Biochem.Biophys.、234:639-645,1984)。従って、組み換え的に産生された80kDaサブユニットの構造は、天然のカルパインから解離したサブユニットのものと異なっていると考えられ、また、活性のサブユニットの構造をより厳密に表示することができる。従って、カルパインサブユニット類の組み換えによる産生は、個々のサブユニットの構造の研究を促進する。
本発明においては、カルパインの発現は、カルパインのそれぞれのサブユニットのcDNAを含む2種の別個のウイルスを細胞に共感染させるか、あるいは双方のサブユニットのcDNAを含む単一のウイルスを昆虫細胞に感染させるかのいずれかを用いての、同じ昆虫細胞内での80kDaおよび30kDaサブユニットの双方の発現により達成された。増加した量の80kDaサブユニットは、30kDaサブユニットが共発現された場合に発現されたこともまた発見され、従って、30kDaサブユニットは80kDaのサブユニットに対し安定化作用を有する可能性もある。
双方のカルパインサブユニットを包含するウイルス類を細胞に感染させた場合には、すべての感染した細胞が双方のサブユニットを発現するはずである。添加された感染多重度(MOI)に関係なく、一方もしくは他方のサブユニットのみを包含するウイルスを細胞に感染させる場合には、より高いMOIが双方のサブユニットの発現を達成させるのに必要とされる。例えば、細胞の99%が双方のウイルスの粒子をひとつもしくはそれ以上包含し、そして従って双方のサブユニットを発現するためには、それぞれのウイルスに対するMOIが5であることが必要とされる。好ましいある態様においては、発現は、単一の細胞内での双方のサブユニットの共発現により果たされる。
組み換えカルパインバキュロウイルスを構築するために、30kDaおよび80kDaサブユニットの双方のコード領域の一部に対するプローブがポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によりcDNAライブラリーから調製され、そしてヒトcDNAファージライブラリーのスクリーニングに用いられた。それぞれのサブユニットのコード領域の大部分を包含するファージ類が単離され、そして、挿入DNAがサブクローニングされた。単離されたクローンに存在しないいかなる領域も、ライブラリーからPCRにより増幅され、配列を確認され、そして完全なカルパインコード領域を産出するように部分的なクローンに付加された。選ばれたヒトcDNAライブラリーはクロンテック(Clontech)社(パロ アルト(Palo Alto)、カリフォルニア州(CA))から入手できる脾臓ライブラリー(#HL1134a)であった。脾臓ライブラリーは、報告されたラット脾臓でのカルパインIおよびIIの豊富な発現に基づいて選ばれた(ムラチ(Murachi)、Trends Biochem.Sci.8:167-169,1983)。
第1表はヒトカルパインの80kDaおよび30kDaサブユニット部分の増幅のために用いられた合成オリゴヌクレオチドプライマー類を列挙する。プライマー類は、カルパインの80kDaサブユニット(アオキ(Aoki)ら、FEBS Letters 205:313-317,1986;引用することにより本明細書の内容となる)および30kDaサブユニット(オオノ(Ohno)ら、ヌクレイック アシッヅ リサーチ(Nucl.Acids Res.14:5559,1986;引用することにより本明細書の内容となる)の発表されたcDNA配列に基づいて選択された。カルパインIの80kDaサブユニットのためのプライマー類はさらに、関連するヒトカルパインIIに対するその不同性に基づいて選ばれ、また、カルパインIIの80kDaサブユニットのためのプライマー類はヒトカルパインIに対するその不同性に基づいて選ばれた。配列内部のプライマーは既知の制限エンドヌクレアーゼ切断部位のすぐ外側となるように選択され、プラスミドベクターへのPCR断片のサブクローニングのためにそれらの部位でのその後の切断を可能にした。第1表中のすべての配列は5’側から3’側へと報告されている。配列の後の「S」はセンス配列を指す。「AS」はアンチセンス配列を指す。30kDaサブユニットのためのプライマー類は「30」により、また、カルパインIおよびIIの80kDaサブユニットのためのプライマー類はそれぞれ「80I」もしくは「80II」と命名されている。配列番号の下のカッコは研究所内部の名称を表し、そしてこれらは以下の実施例中で用いられる。
すべてのポリメラーゼ連鎖反応は、供給された緩衝液、0.2mMdNTPs(TaqおよびTli DNAポリメラーゼ)もしくは40μMdNTPs(UlTma DNA ポリメラーゼ)、0.75−2mMの添加した塩化マグネシウム、および0.25μMの各プライマーの存在下、2.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(プロメガ(Promega)社、マジソン(Madison)、ウィスコンシン州(WI))、3単位のUlTma DNAポリメラーゼ(パーキン・エルマー(Parkin Elmer)社、ノーウォーク(Norwalk)、コネチカット州(CT))もしくは2単位のTli DNAポリメラーゼ(プロメガ社、マジソン、ウィスコンシン州)のいずれかを用い、サーマルサイクラー(パーキン・エルマー社、ノーウォーク、コネチカット)中で行った。94℃で5分間の最初の変性インキュベーションの後、30−35サイクルの増幅を下に示したように行い、その後最終的な伸長を72℃で7分間行った。テンプレートは1−10μlのラムダファージライブラリーもしくは部分的に精製したファージであり、最高30μlの滅菌水に添加した。DNAはドライアイス−エタノール中で3度連続して凍結させ、その後37℃で解凍して増幅に供した。
実施例1
ヒトカルパインの30kDaサブユニットのクローニング
第1図はヒトカルパインの30kDaサブユニットのクローニング戦略を図示している。プライマーDL−13
5’>GGTGGAACGGCCATGCGCATC>3’およびSM−36
5’>CGGGATCCTTAGGAATACATAGTCAGCTGCAGCC>3’が、HL1134aヒト脾臓λgt10ライブラリー(クロンテック ラボラトリーズ社(Clontech Laboratories,Inc.,)、パロアルト、カリフォルニア州)からヒト30kDaのcDNAの第163−805塩基対を増幅するためのプローブとしての使用のために用いられた。全体の塩基対(bp)の番号づけは、開始コドン「ATG」を第1−3塩基対とする指定に従う。PCRの条件は、94℃で1分、55℃で1分、そして72℃で1分の増幅サイクルを30サイクル用いた上記のようであった。643bpの断片を、電気泳動(シープラーク(SeaPlaque)-GTG、FMCバイオプロダクツ(BioProducts)社、ロックランド(Rockland)、メーン州(ME))の後、低融点アガロースから単離し、そしてフェノール−クロロホルムでの抽出により精製した。当該断片はその後、供給された方法(プロメガ社(Promega Corp.)、マジソン、ウィスコンシン州)に従い、クレノウDNAポリメラーゼを用いたランダムプライマーラベル法により[32]P-dCTP(アマーシャム(Amersham)社、アーリントンハイツ(Arlington Heights)、イリノイ州(IL))でラベルし、そして以下のようにライブラリーをスクリーニングするために用いた。
当該ライブラリーを、クロンテック社により供給されたC600hf1宿主上でのスクリーニングのためにプレートに植菌した。およそ350,000プラーク形成単位を14枚の直径150mmのペトリプレート上に植菌した。サンブルック(Sambrook)ら、モレキュラー クローニング:ア ラボラトリー マニュアル(Molecular Cloning:A Laboralory Manual)、(第2版)、1−1626ページ、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)、コールド スプリング ハーバー(Cold Spring Harbor)、ニューヨーク州により記述された処理の後、これらのプレートからニトロセルロースの複製プレートを調製した。変性されたラベル化プローブでのハイブリッド形成反応は、6×SSC、50mMリン酸ナトリウム、pH6.8、10mg/mlポリA(シグマケミカル社(Sigma Chemical Co.)、セントルイス(St.Louis)、ミズーリ州(MO))、0.2mg/mlヘパリン(シグマケミカル社、セントルイス、ミズーリ州)、および0.5%SDS中、68℃で一夜行い、その後、3×SSC、0.1%SDSで室温で2度洗浄し、さらに1×SSC、0.1%SDSで55℃で30分、2度洗浄した。ラベルされたプラークはオートラジオグラフィーにより検出した。
2個のファージが30kDaサブユニットのcDNA部分を包含する挿入部分を有することが明らかにされた。第488塩基対の内部EcoRI切断部位で終わる当該cDNAの完全な5’末端が、14.2.4と命名されたラムダファージ中に存在した。4.1.1と名づけられたファージはタンパク質コード領域の大部分を包含した。プラーク精製された4.1.1ファージはその後、cDNAの3’末端をPCRで増幅するために用いられた。プライマーSM−37
5’>CACCCTGATCTGAAGAC>3’およびSM−36
5’>CGGGATCCTTAGGAATACATAGTCAGCTGCAGCC>3’が用いられた。プライマーSM−36は終止コドンのすぐ3’側にBamHI制限酵素部位を附加し、そして終止コドンを「TAA」に変える。増幅は、40μMdNTPsおよび添加した0.75mM塩化マグネシウム(ファージテンプレート10μlに対して。マグネシウムイオンの最終濃度が1.55mM)を添加した供給された緩衝液を用い、UlTma DNAポリメラーゼ(パーキン・エルマー社、ノーウォーク、コネチカット州)で実施された。増幅のためのサイクルは以下の通りである。すなわち、ポリメラーゼ添加前に97℃で2分間の変性段階、その後、95℃で1分、55℃で45秒、そして72℃で1分の増幅サイクルを30サイクル。得られた断片はその後EcoRIおよびBamHIで切断し、上述のように低融点アガロースから単離し、そしてEcoRIおよびBamHIで切断したpGEM−4Z(プロメガ社、マジソン、ウィスコンシン州)中にサブクローニングした。
当該遺伝子の5’部分は2段階で得た。まず、プラーク精製されたラムダファージ14.2.4から単離されたDNAをHindIII(ラムダDNAを挿入部分の5’側領域において切断する)およびBglII(ラムダDNAを挿入部分の3’側領域において切断する)で切断した。得られた2.5kbの断片をBamHIおよびHindIIIで切断したpGEM−4Z中にサブクローニングした。その後、一対の合成オリゴヌクレオチドを、トランスファーベクター中へのクローニングを促進するためのBamHIサイトの附加、および、至適なバキュロウイルスの翻訳を達成させようとしての開始コドンの直前へのポリヘドリン遺伝子の5’非翻訳領域由来のCCTATAAAT配列の挿入、の双方により開始コドンの5’側領域を修飾するために用いた。ラムダ挿入部分を包含するプラスミドを、HpaI切断部位の5’側のカルパインcDNA配列を除去するために、XmaI(pGEM−4ZベクターのBamHI切断部位の5’側のマルチクローニングサイトで切断する)およびHpaI(BamHI切断部位の3’側である30kDaのcDNAの第13塩基対で切断する)により切断した。切断されたプラスミドを上述のように低融点アガロースから単離した。2個のオリゴヌクレオチド、SM−65
5’>CCGGGATCCTATAAATATGTTCCTGGTT>3’およびSM−66
5’>AACCAGGAACATATTTATAGGATC>3’を、第1図に示されるように、10mMトリス−塩酸、pH7.0、50mM塩化ナトリウム中、以下の温度で各10分間共にインキュベートし、互いにアニーリングした。すなわち90℃、65℃、42℃、37℃、および室温。その後、アニーリングされたオリゴヌクレオチドを、直鎖状にした切断されたプラスミドに連結し、そして得られたコロニー群をこれらのオリゴヌクレオチド類により附加されたBamHI切断部位の存在につきスクリーニングした(第1図)。
コード領域全体のcDNAをその後、上述の2個のプラスミドから集めた。当該cDNAの5’部分を包含するプラスミドをEcoRIで切断した。当該ベクターのマルチクローニング領域中XmaI切断部位の5’側領域にEcoRI切断部位が存在し、また、30kDaのcDNA中の第488塩基対にもまた存在する。30kDaのcDNAの5’末端へのすべての附加部分を包含するこのおよそ500塩基対のEcoRI断片をその後、上述のように低融点アガロースから単離し、そして当該cDNAの3’側部分を包含するEcoRIで切断したプラスミドに連結した。EcoRI断片を正しい方向でもつひとつのプラスミドが得られた。30kDaコード領域全体のジデオキシヌクレオチド法によるDNA配列決定(サンガー(Sanger)ら、プロシーディングス オブ ナショナル アカデミー オブ サイエンスUSA(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、74:5463-5467,1977)が、修飾されたcDNAがヒトカルパインタンパク質の正しいアミノ酸配列(オオノ(Ohno)ら、ヌクレイック アシッヅ リサーチ(Nucleic Acids Reserach)、14:5559,1986)をコードすることを証明した。
このプラスミドはその後、BamHIで切断され、そして、単一サブユニットの発現のため、1)転写を潜在的に改善するための開始コドンのすぐ5’側へのCCTATAAATの附加、および2)バキュロウイルスの好む終止コドンTAAへの終止コドンの変更、というバキュロウイルスの発現のための修飾をもつヒト30kDaカルパインcDNA全体を包含する820塩基対断片を、ポリヘドリンプロモーターを包含するBamHIで切断されたトランスファーベクターpVL941中にサブクローニングした。結果として生じたプラスミドはpVL941−hCANP30−6と命名された。2個のサブユニットの発現のために、820塩基対の断片を、BamHIもしくはBglIIのいずれかで切断した、p10およびポリヘドリンプロモーターの双方を包含するトランスファーベクターpAcUW51(ファーミンゲン(PharMingen)社、サンジエゴ(San Diego)、カリフォルニア州(CA);それぞれp51−Bam−CANP30およびp51−Bgl−CANP30と命名された)中にサブクローニングした(第3図参照)。ベクターpAcUAW−51は、バキュロウイルスのポリヘドリンの遺伝子座中に2種のタンパク質双方を挿入し、同一ウイルスから同時に2種のタンパク質を発現することを計画されている。このベクターは、感染の非常に遅い時期(すなわち18−24時間後)に転写を開始する強力なプロモーターである2個のプロモーターすなわちポリヘドリンおよびp10を包含する。当該プロモーター類は、遺伝子物質の複製が原因の相同的組み換えによるcDNAの欠失を最小限にするために、ベクター中に逆向きに挿入されている(ウェイヤー(Weyer)ら、ジャーナル オブ ジェネティック ヴァイロロジー(J.Gen.Virol.)、70:203-208(1991))。得られたプラスミドは、制限酵素分析により、発現のための正しい方向にただ1個の挿入部分を有すると証明された(データは示されない)。
実施例2
ヒトカルパインの80kDaサブユニットのクローニング
第2図はヒトの80kDaのカルパイン サブユニットのクローニング戦略を図示する。プライマーSM−40
5’>GTACACTTGAAGCGTGACTTC>3’およびSM−41
5’>CAGGCAGCAAACGAAATTGTC>3’が調製され、そしてHL1134aヒト脾臓λgt10ライブラリー(クロンテック ラボラトリーズ社、パロアルト、カリフォルニア州)からヒト80kDaのcDNAの第1372−2037塩基対を増幅するためのプローブとしての使用のために用いられた。PCRの条件は、硫酸マグネシウムに関して2mMとなるように調製された溶液および5μlのラムダライブラリーの添加下、94℃で1分、60℃で1分、そして72℃で2分の増幅サイクルを30サイクルを用いた、上述のTaq DNAポリメラーゼの条件のようであった。PCRで増幅した断片は、ウィザード PCR プレップ キット(Wizard PCR Prep Kit)(プロメガ社、マジソン、ウィスコンシン州)を用い、供給された説明書に従ってプライマーから分離した。この断片をXmaIおよびSalIで切断した。得られた538塩基対の断片は、ジェンクリーン II キット(GeneClean II Kit)(B101、ラホヤ(La Jolla)、
カリフォルニア州(CA))のための供給されたプロトコールを用い、1%シーケム(Seakem)−GTG/2%ニューシーブ(NuSieve)(FMCバイオプロダクツ社、ロックランド、メーン州)アガロースゲル電気泳動で単離し、そしてその後、XmaIおよびSalIで切断したベクターpGEM−4Z(プロメガ社、マジソン、ウィスコンシン州)に連結した。
80kDaサブユニットの上述の部分的cDNAクローンから得たDNAをEcoRIおよびHindIIIで切断して挿入部分を遊離させ、その後、1%シーケム−GTG/2%ニューシーブアガロースゲルでの電気泳動後、ジェンクリーン II キットを用いて当該断片を単離した。それをその後[32]P−dCTPでラベルし、そして上述のようにヒト脾臓ライブラリーのスクリーニングに用いた。およそ500,000プラーク形成単位を10枚の直径150mmのペトリプレート上に植菌した。ニトロセルロースの複製プレートを調製し、そして、上述の30kDaのスクリーニングのハイブリダイゼーション溶液と同じ溶液中で、変性させたラベル化プローブと68℃で一夜ハイブリッド形成を行い、その後、2×SSC、0.1%SDSで室温で15分間ずつ2度洗浄し、さらに1×SSC、0.1%SDSで68℃で1時間ずつ2度洗浄し、ラベルされたプラークをオートラジオグラフィーにより検出した。
1個のファージ(ラムダcal80−8a)が、80kDaサブユニットのcDNAコード領域の3’側の67%を包含する挿入部分を有することが明らかにされた。サンブルックら、上記に記述された方法に従い、プラーク精製されたファージの液体培養からDNAを単離し、XbaIおよびSalIで切断し、そして独特の1238塩基対の80kDaのcDNA断片を、ジェンクリーン II キット(B101、ラホヤ、カリフォルニア州)のために供給されたプロトコールを用いて1%シーケム−GTGアガロースゲルで単離した。この断片を、XbaIおよびSalIで切断したベクターブルースクリプト(pBluescriptR)SK+(ストラタジェン(Stratagene)社、ラホヤ、カリフォルニア州)に連結し、そして挿入の一部分のジデオキシヌクレオチド法によるDNA配列決定(サンガーら、上記)により、挿入部分の同一性を証明した。
当該cDNAのコード領域の他の部分はヒト脾臓ライブラリー(5’末端)もしくはプラーク精製されたラムダファージcal80−8a(3’末端)のいずれかからのPCRでの増幅により創製された。3’末端の増幅は、3’末端の非翻訳配列を除去し、そして終止コドンをバキュロウイルスの好むTAAに変化させるためになされた。前者のためには、プライマーSM−53
5’>CGCGGATCCTATAAATATGTCGGAGGAGATCATCACGCCG>3’およびSM−49
5’>ATTTGCGGATGGTCCGGCTCTTGA>3’が、10mlのHL1134aヒト脾臓ライブラリーからヒト80kDacDNAの第1−1096塩基対を増幅するために用いられた。プライマーSM−53は、その後のクローニングを促進するためにBamHI切断部位を附加し、また、至適なバキュロウイルスの翻訳を達成させようとして開始コドンの直前にCCTATAAAT配列を挿入する。後者のためには、プライマーSM−40
5’>GTACACTTGAAGCGTGACTTC>3’およびSM−47
5’>CGGGATCCTTATGCAAACATGGTCAGCTGCAACC>3’が、1μlのラムダファージcal80−8aからヒト80kDacDNAの第1372−2143塩基対を増幅するために用いられた。増幅は、40μMdNTPsおよび添加した1.5mM塩化マグネシウムを添加した供給された緩衝液を用い、UlTma DNAポリメラーゼ(パーキン・エルマー社、ノーウォーク、コネチカット州)で実施した。増幅のためのサイクルは以下の通りである。すなわち、ポリメラーゼ添加前に95℃で5分間の変性段階をおき、その後、94℃で1分、60℃で1分、そして72℃で2分の増幅サイクルを30サイクル。
5’末端部分を含む1096塩基対は、1%シーケム−GTG/2%ニューシーブアガロースゲルでの電気泳動後、ジェンクリーン II キットを用いて単離した。この断片をその後、BamHIおよびXbaIで切断し、切断後、ジェンクリーン II キットを用いて再精製し、そしてBamHIおよびXbaIで切断したベクターブルースクリプトSK+(ストラタジェン社、ラホヤ、カリフォルニア州)中にサブクローニングした。PCRで増幅された3’末端の断片は、供給された説明書に従ってウイザードPCR プレップ キット(プロメガ社、マジソン、ウィスコンシン州)を用いてプライマーから分離した。その後、この断片をSalIおよびBamHIで切断し、結果として生じた137塩基対の断片を、マーメイド キット(Mermaid Kit)(B101、ラホヤ、カリフォルニア州)のための供給されたプロトコールを用い、1%シーケム−GTG/2%ニューシーブ(FMCバイオプロダクツ社、ロックランド、メーン州)アガロースゲルから単離し、そしてその後、SalIおよびBamHIで切断したベクターブルースクリプトSK+(ストラタジェン社、ラホヤ、カリフォルニア州)に連結した。これらの双方の挿入部分のジデオキシヌクレオチド法によるDNA配列決定(サンガーら、上記)は、それらが当該タンパク質のその部分の正しいアミノ酸配列(アオキら、FEBS Letters 205:313-317,1986)をコードすることを証明し、また、ポリメラーゼ連結反応による増幅からの変異をもつクローンを分離するために用いられた。
コード領域の5’末端が修飾されたBamHI、XbaI断片、コード領域の中間部分のXbaI、SalI断片、およびコード領域の3’末端のSalI、BamHI断片を、適切な酵素でそれらのベクター類から切断し、そして、当該断片類を、ジェンクリーン II キット(B101、ラホヤ、カリフォルニア州)のための供給されたプロトコールを用い、1%シーケム−GTG/2%ニューシーブ(FMCバイオプロダクツ社、ロックランド、メーン州)アガロースゲルから単離した。これらの断片類はその後、BamHIで切断されかつ製造元のプロトコールに従ってエビアルカリフォスファターゼ(USバイオケミカルコーポレーション(U.S.Biochemical Corp.)、クリーヴランド(Cleveland)、オハイオ州(OH))で処理されたベクターVL941(ルーコウ(Luckow)とサマーズ(Summers)、ヴァイロロジー(Virology)170:31-39,1989)と等モル量で混合し、そして共に連結した。制限酵素分析により決定されたように正しい大きさのBamHI断片を適切な方向にに包含するひとつのクローン(プラスミドの名称はpVL941−hCANPI80−4)を、80kDaサブユニットのみを発現する組み換えバキュロウイルスの産生に用いた(下記参照)。
プラスミドpVL941−hCANP 80−4はまた、BamHIでも切断し、そして、ヒト80kDaカルパインIのcDNA全体を包含する2153塩基対の断片を、双方のサブユニットのcDNAを包含する単一のベクターすなわち二重構築物の産生のため、BamHIで切断したp51−Bgl−CANP30もしくはBglIIで切断したp51−Bam−CANP30のいずれかにサブクローニングした(第3図を参照)。得られたプラスミド類(それぞれp51−hCANPI−1およびp51−hCANPI−2と命名された)は、制限酵素分析により、発現のため1個の新しい挿入部分のみを正しい方向で有していることが証明された。
上記はヒトカルパインIのcDNA類をクローニングするために用いられた方法を代表する。組み換え発現に適したこれらの遺伝子のcDNA配列を得ることができる、当業者に知られた匹敵する方法は多数ある。同様の方法はまた、組み換え発現のためのカルパインIIのcDNAを得るためにも用いられることができる。
同じ戦略がヒトカルパインIIの80kDaのcDNAを得るためのライブラリースクリーニングのプローブを創製するために用いられた。カルパインの80kDaサブユニットのコード領域のcDNAはイマジョウら、上記(ここに引用文献として組み込まれている)に報告されている。
プライマーSM−69
5’>CATTGATGATGGAGTCAGGAG>3’およびSM−70 5’>CTGAGAAACAGAGCCAAGAGA>3’は、同じヒト脾臓ライブラリーから第1587−2075塩基対を増幅するために用いられた。PCRの条件は、添加した0.75mM塩化マグネシウムとともに、94℃で1分、55℃で1分、そして72℃で1分の増幅サイクルを30サイクル用いる10μlのラムダライブラリーを含む、2単位のTli DNAポリメラーゼ(プロメガ社、マジソン、ウィスコンシン州)を用いる上述されたものである。489塩基対の断片は、ジェンクリーン II キット(B101、ラホヤ、カリフォルニア州)のための供給されたプロトコールを用い、1%シーケム−GTG/2%ニューシーブ(FMCバイオプロダクツ、ロックランド、メーン州)アガロースゲルから単離し、PstIおよびBamHIで切断し、そして、アガロースゲル電気泳動後にPstIおよびBamHIで切断した377塩基対の断片を単離するためにまさしく記載された処理を用いた。精製した断片をPstIおよびBamHIで切断したベクターpGEM−4Z(プロメガ社、マジソン、ウィスコンシン州)に連結した。
実施例3
組み換えバキュロウイルスの産生
スポドプテラ フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)の細胞(Sf21;ヴォーン(Vaughn)ら、イン ビトロ(In Vitro)、13:213-217,1977)は、ニューヨーク州イタカ(Ithaca)のコーネル大学(Cornell University)ボイス トンプソン植物研究所(the Boyce Thompson Institute for Plant Research)のコルサロ(B.G.Corsaro)博士より供与された。これらの細胞を、10%の限定された(defined)ウシ胎児血清(ハイクローン ラボラトリーズ インコーポレーテッド(Hyclone Laboratories,Inc.)、ローガン(Logan)、ユタ州(UT))を添加したグレース(Grace’s)補充培地中、27℃で懸濁培養した。いくつかの発現実験およびプラークアッセイのための単層培養は、細胞培養フラスコ中で懸濁培養した細胞を出願のために指示された密度で植え付けることにより得られた。
組み換えバキュロウイルスは、単層培養中のSf21細胞(25cm2フラスコ中に細胞およそ2×106個)を、インビトロジェン(InVitrogen)社(サンジエゴ(San Diego)、カリフォルニア州)から供給されたプロトコールに従い、インセクチン(InsectinR)リポソームを用いて、0.5mgの直鎖状にしたAcNPVDNA(バキュロゴールド(BaculogoldR)、ファーミンゲン(PharMingen)社、サンジエゴ(San Diego)、カリフォルニア州)および上記の4種のベクターのうち1種(下の第2表に列挙した)の2mgでコトランスフェクションすることにより産生された。主にバキュロウイルスを包含する得られた培養上清を2−5日後に採収し、そして、細胞外ウイルスのプラークプレートを設定するために用いた。
Sf21細胞を60mmの培養皿(1枚当たり細胞2×106個)に植え付け、コトランスフェクション培養上清の10倍ずつの連続希釈液(10-2から10-5)1mlで1時間感染させ、そしてその後、2×グレース補充培地(ギブコ(Gibco)BRL社、ゲイタースバーグ(Gaithersburg)、メリーランド州(MD))と2%シーケムアガロース(FMCバイオプロダクツ社、ロックランド、メーン州)との1:1の混合物4mlで表面を覆った。推定される組み換えプラーク群は、5−7日後、ダルベッコのPBSに溶解した0.05%ニュートラルレッドで7分間染色した後、解剖型顕微鏡および逆相顕微鏡の双方を用いての閉塞体のないプラークの目視により同定した。プラーク群は、感染させた細胞ライセートのブロットに対しての[32]Pでラベルした30kDaもしくは80kDaのヒトカルパインI配列のハイブリッド形成により、組み換え体であることが証明された(サマーズ(Summers)とスミス(Smith)、ア マニュアル オブ メソッヅ フォー バキュロウイルス ベクターズ アンド インセクト セル カルチャー プロセデューズ(A Manual of Methods for Baculovirus Vectors and Insect Cell Culture Procedures)、テキサス アグリカルチュラル エクスペリメント ステイション ブレティン(Texas Agricultural Experiment Station Bulletin)1555:1-57,1987)。組み換えウイルスはその後、最初の2回の継代の間単層培養のSf21上に広げられ、その後の継代(最低3回から最高5回まで)は懸濁培養のSf21を用いた。ウイルスの拡散は、すべて、感染多重度(MOI)0.5未満でSf21細胞を感染させ、かつ、感染の3−4日後に細胞外性ウイルス粒子を包含する培地を集めることにより実施された。
7種の独立したプラーク純粋な組み換えウイルス(それぞれAcNPV−hCANP30−1から7と命名された組み換えウイルス類)が、pVL−hCANP30−6での細胞のトランスフェクションから単離された。AcNPV−hCANP30−5は1994年6月2日にアメリカン タイプ カルチャー コレクション(the American Type Culture Collection)、12301 パークローン ドライヴ、ロックヴィル、メリーランド(Parklawn Drive,Rockville,Maryland)20852-1776(以下「ATCC」)に寄託され、そしてATCCの名称ATCC VR 2459をもつ。6種の独立したプラーク純粋な組み換えウイルス(それぞれAcNPV−hCANPI80−1から6と命名された組み換えウイルス類)がpVL−hCANPI80−4での細胞のトランスフェクションから単離され、これらすべては80kDaサブユニットのみのDNAを包含した。AcNPV−hCANPI80−5は1994年6月2日にATCCに寄託され、そしてATCCの名称ATCC VR 2457をもつ。12種の独立したプラーク純粋な組み換えウイルス(それぞれAcNPV−hCANPI−1−2、1−5、1−7および1−8ならびにAcNPV−hCANPI−2−1から2−8と命名された)が、p51−hCANPI−1およびp51−hCANPI−2での細胞のトランスフェクションから単離された。単離された12種の組み換えウイルスのうち、5種のみが30kDaおよび80kDaサブユニットの双方のDNAを包含した。これらの5種の組み換えウイルス類は、AcNPV−hCANPI−1−5、AcNPV−hCANPI−1−7、AcNPV−hCANPI−1−8、AcNPV−hCANPI−2−3、およびAcNPV−hCANPI−2−5であった。AcNPV−hCANPI−2−5は1994年6月2日にATCCに寄託され、そしてATCCの名称ATCC VR 2458をもつ。得られた18種の選択された組み換えウイルスはその後、以下に記述されるようにカルパインタンパク質を発現するその能力について調べられた。すべての寄託は特許手続きの目的のための微生物寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の規定に従ってなされ、そのすべての局面は引用文献としてここに編入されている。すべての寄託はATCCにより試験され、そして、寄託の時点で生存能力のあることが決定された。
実施例4
バキュロウイルス組み換えカルパインの発現および回収
Sf21細胞を、10%ウシ胎児血清を含むグレース補充培地中、24穴プレートに1cm2当たり細胞1.5×105個ずつ植え付けた。細胞接着後、ウイルス(特定のウイルスの呼称については下記参照)を1から5の間のMOIで添加した。細胞は24時間以後のいずれかの時期に採収した。本発現系では感染後36から48時間の間の採収で至適な収量が達成された。採収には、50mMトリス−塩酸、10mMEDTA、0.1mMフェニルメチルスルフォニルフロリド(PMSF)、1μg/mlロイペプチン、および0.1%のNP−40のpH7.4のリシス(分解)緩衝液を用い、その後、ホモジネェートをエッペンドルフ管中4℃で14,000×g、10分間遠心分離し、そしてカルパインおよび他の細胞性タンパク質を回収した。タンパク質類は、0.2%SDSを添加しかつ試料を95℃で5分間加熱することにより変性させた。試料はその後、分析前に−70℃で保存された。
発現されかつ回収されたカルパインは以下のようなイムノブロット分析により検査された。総タンパク質10から20μgを、10%もしくは12.5%のアクリルアミドゲルを用いたSDS−PAGE(レムリ(Laemmli)、1970)で分離し、そしてトウビン(Towbin)ら、プロシーディングス オブ ナショナル アカデミー オブ サイエンス USA(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)76:4350-4354(1979)の方法により、0.45mmのニトロセルロース(バイオラド(Bio-Rad)社、メルビル(Melville)、ニューヨーク州(NY))に転写した。カルパインタンパク質は、双方のサブユニットを検出するポリクローナル抗カルパイン血清の1,000倍希釈液を用いて特異的に検出した(サイマン(Siman)ら、J.Neurosci.10:2400-2411,1990)。当該抗血清を、150mM塩化ナトリウムおよび5%カーネーション脱脂粉乳を含む20mMトリス−塩酸、pH7.4(ブロッキング緩衝液)で希釈した。非特異的な抗体結合は、150mM塩化ナトリウムおよび0.05%トゥイーン(Tween)−20を含む20mMトリス−塩酸、pH7.4で洗浄することにより除去した。その後、ブロッキング緩衝液で2,000倍に希釈した、アルカリフォスファターゼに結合させたヤギ抗ウサギIgG(バイオラド社、メルビル、ニューヨーク州)を加えた。二次抗体はアルカリフォスファターゼ結合基質キット(バイオラド社、メルビル、ニューヨーク州)を用いて検出した。組み換えウイルスAcNPV−hCANP30−5、AcNPV−hCANPI80−5、およびAcNPV−hCANPI−2−5の結果は第4図に示されている。
AcNPV−hCANP30−5ウイルスおよびAcNPV−hCANPI80−5ウイルスを単独で感染させた細胞に起因する適切な個々のカルパインサブユニットの発現は、それぞれレーン2−3および4−5に図示される。細胞に2種のウイルス類、すなわち30kDaのカルパインサブユニットのDNA構築物を包含する一方(AcNPV−hCANP30−5)および80kDaのカルパインサブユニットのDNA構築物を包含する他方(AcNPV−hCANPI80−5)を共感染させた場合は、双方の適切なカルパインサブユニットが発現された。これはレーン6−8に図示される。同様に、細胞をAcNPV−hCANPI−2−5、これは30kDaおよび80kDaのカルパインサブユニットの双方のDNA構築物を包含するが、それで感染させた場合は、双方のサブユニットが発現された(レーン9−10)。抗カルパイン血清の組み換えタンパク質を検出する能力が、真正のカルパインタンパク質が産生されたことを証明した。レーン1は野生型ウイルスの感染を表示する。カルパインの発現は検出されなかった。
驚くべきことに、80kDa(「触媒の」)サブユニットの蓄積された量は、AcNPV−hCANP30−5およびAcNPV−hCANPI80−5による細胞の共感染(レーン6−8)か、もしくは二重構築物AcNPV−hCANPI−2−5の発現(レーン9−10)かのいずれかによって30kDa(「調節」)サブユニットを共発現させることにより、30kDaサブユニット非存在下での発現(レーン4−5)に比較して予想外に増加した(目視により決定された結果)。30kDaサブユニットの役割に関する従来の研究では、他方のサブユニットに対するこの安定化効果を予測することはできなかった。
AcNPV−hCANP30およびAcNPV−hCANP80の組み換えウイルス類すべての上述と同じ様式での分析は、それぞれのサブユニットの発現の比較しうるレベルを示した(データは示されていない)。
双方のカルパインサブユニットを包含するAcNPV−hCANPIの5種のウイルス単離物すべてが完全な80kDaカルパインサブユニットを発現したが、単離されたウイルス類のうち4種(すなわちAcNPV−hCANPI−1−5、AcNPV−hCANPI−1−7、AcNPV−hCANP −1−8、AcNPV−hCANP −2−3)は、検出され得る量の30kDaカルパインサブユニットもまた発現することに失敗した(データは示されていない)。30kDaサブユニットが存在しないことは、80kDaサブユニットの発現の低下したレベルによりさらに明らかであった。80kDaサブユニットの発現は、AvNPV−hCANP30およびAcNPV−hCANP80の共感染、ならびにAcNPV−hCANPI−2−5の感染で認められた増加したレベルと反対に、AcNPV−hCANPI80ウイルス類でみられたものに匹敵した。12種の二重サブユニットウイルス類のうち5種のみが組み換えおよび組み換えウイルス類の選択後もなお双方のサブユニットのDNA配列を包含していたこと、および、それら5種のうちただ1種のみで双方のタンパク質サブユニットの共発現が見出されたこと、は、2つのサブユニットをもつ完全なカルパインプロテアーゼの昆虫細胞での発現に対する選択圧力の存在を示唆している。これはカルパインの致死性の結果であると思われる。
第4図で80kDaサブユニットのバンドの周辺に見える付加的なバンドは自己分解的な酵素活性の結果である。レーン6−8で見える2個のバンドは、それぞれ、80kDaおよび自己分解の結果として生じた76kDaの形態を表示する。2個のバンドはまた、レーン9および10のブロット上でも認められるが、しかしこの図面では見られないかもしれない。実際上3個のバンドがレーン4および5で見られる。80kDaおよび自己分解の結果として生じた76kDaの形態に加え、77kDaの安定な中間体が低い酵素濃度において生じ、かつ、これは、希釈された条件下でカルシウムとともにインキュベートされたカルパインIのヘテロダイマーの大きいサブユニットの自己分解に際して生ずるとすでに報告された(イノマタ(Inomata)ら、ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(J.Biol.Chem.)、263:19783-19787,1988)。しかしながら、第4図より明らかなように、回収された組み換えヒトカルパインの大部分は80kDaの形態にあり、これはカルパインの例においてはその系に対する潜在的な致死性を考慮すると望まれる。カルパインがカルシウムの存在下で活性型へと自己分解するため、カルシウムの添加以外の別途の活性化処理は必要とされない。
実施例5
バキュロウイルス組み換えカルパインの酵素活性
Sf21細胞を再度、24穴プレートに1cm2当たり細胞1.5×105個を植え付け、そして野生型ウイルス、AcNPV−hCANP30−5およびAcNPV−hCANPI80−5の共感染(各ウイルスに対しMOは5)、もしくはAcNPV−hCANPI−2−5(MOI=5.7)の感染、のいずれかを感染させた。細胞内タンパク質は、感染40時間後に、1穴当たり100μlの以下のリシス緩衝液すなわち50mMトリス−塩酸、pH7.5、50mM塩化ナトリウム、1mMEDTA、1mMEGTA、5mMβ−メルカプトエタノール、0.1%トリトン(Triton)−100を用いて採収し、その後、核および若干の膜類を沈殿させるため4℃、14,000×gで10分間遠心分離した。各抽出液20μl(総タンパク質12.5から20μg)のインビトロでの酵素活性を、引用することにより本明細書の内容となるササキ(Sasaki)ら、ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(J.Biol.Chem.)、259:12489-12494(1984)の処置に従い、合成ペプチド基質サクシニル−ロイシル−チロシル−アミノエチルクマリン(Succ-Leu-Tyr-AMC)を1mM濃度で用い、5mM塩化カルシウム添加の存在下および非存在下で測定した。得られた活性はシマン(Siman)ら、上記の方法に従って産生された2μgの部分的に精製した天然のヒトカルパインIの酵素活性と比較した。
カルシウム存在下での活性はまた、ササキら、上記に発表された処置に従い12.5μMのカルパインインヒビターIの添加下にも測定した。その結果は第5a−d図に図示される。第5a−d図においては、白丸はカルシウム非存在下での活性を表す。黒い菱形はカルシウム存在下での活性を表す。十字をつけた四角はカルシウムおよびカルパインインヒビターIの存在下での活性を表す。第5a−d図のデータは、1)カルパインインヒビターIで阻害される天然のヒトカルパインIによる基質の加水分解のカルシウム依存性の増加(5a)、2)野生型ウイルスを感染させた細胞での内因性のカルシウム依存性の基質加水分解のないこと(5b)、および3)AcNPV−hCANP30およびAcNPV−hCANP80を共感染させた(5c)もしくはAcNPV−hCANPI−2−5を単独で感染させた(5d)かのいずれかの細胞においては、まさに天然の酵素で見られるような、これもまたカルパインインヒビターIによって阻害される基質加水分解においてカルシウム依存性の増加があることを示す。これらの結果に基づき、組み換え的に産生されたカルパインは天然のカルパインと同様の酵素活性プロフィルを有する。繰り返すが、このことは潜在的なカルパイン阻害剤の治療薬をスクリーニングするための、酵素活性を有する組み換えカルパインの効果的な利用には重要である。
実施例6
バキュロウイルス組み換えカルパインの自己分解的酵素活性
組み換えカルパインの自己分解的酵素活性は、組み換えカルパインが80kDaサブユニットを「活性化された」76kDaの形態に正しく自己プロセスしたことを示すことにより立証された。この76kDaの形態はカルシウム存在下に自己分解的切断により産生され、かつ、活性の酵素を暗示する。野生型AcNPVを感染させたか、AcNPV−hCANP30−5およびAcNPV−hCANPI80−5の双方を共感染させたか、もしくは実施例5において調製されたAcNPV−hCANPI−2−5を感染させたかのいずれかの細胞のライセートを、6.7mM塩化カルシウム添加の存在または非存在下に室温で5分間インキュベートし、6.7mMEDTAを添加することにより反応を停止させ、そしてSDS−PAGEゲル負荷緩衝液中で沸騰させてから−70℃で保存した。その調製物のPAGEの結果は第6aおよびb図に図示されている。第6aおよびb図において、カルシウムの存在および非存在はそれぞれ「+」および「−」で示される。第6a図はインビトロでのカルシウムとのインキュベーションの存在および非存在下での抗カルパインIのイムノブロットを図示する。用いられたAB#4抗血清調製品は精製された天然のカルパインに対して産生された。それは76kDaの自己分解的切断生成物にもまた結合するにもかかわらず、主として80kDaサブユニットを検出する。レーン1および2は部分的に精製された天然のヒトカルパインIの80kDaサブユニット(すでに記述されたようにヒト赤血球から生成された。キタハラら、上記を参照)を包含する。レーン3は野生型ウイルスを感染させた細胞由来のタンパク質画分を包含する。レーン4および5はAcNPV−hCANP30−5およびAcNPV−hCANPI80−5でコトランスフェクションした細胞由来のタンパク質画分を表す。レーン6−7はAcNPV−hCANPI−2−5でトランスフェクションした細胞由来のタンパク質画分を表す。添加されたカルシウムの非存在下において、レーン4および6は抗体と反応する2個のバンドを有する。レーン1(ヒト赤血球細胞から精製された天然のヒトカルパインI)は1個のバンドのみを有する。レーン4および6の上方のバンドは、部分的に精製された天然のヒト赤血球カルパインIの80kDaサブユニットと共に移動し(comigrate)、かつ、下方のバンドはカルシウムとともにインキュベートされた76kDaの天然のヒトカルパインIと共に移動する(comigrate)(レーン2)。カルシウム非存在下でも存在する下方のバンドは、おそらくいくつかの細胞が感染の間に漏れやすくなったための培地からの細胞内部へのカルシウムの流入により、内因性に活性化されたカルパインであると思われる。単一のバンドが、カルシウムとともにインキュベートしたすべての試料で検出され(レーン2、5、および7)、また、それはこれもまたカルシウムとともにインキュベートされた76kDaの天然のヒトカルパインIと共に移動する(comigrate)。
第6b図のデータは、76kDaのバンドとして移動するタンパク質が7適切に切断された真正の76kDaの自己触媒性断片であることを示す。第6b図は、用いられたAB#34抗体が76kDaの断片のN末端の最初の5アミノ酸に対して創製された(抗−LGRHEC)(サイド(Saido)ら、ジャーナル オブ バイオケミストリー(J.Biochem.)111:81-96(1992))ことを除いて、第6a図と同じ試料のイムノブロット分析の結果を包含する。この抗体は適正に切断された天然のヒトの酵素(すなわち76kDa;レーン2)のみを特異的に認識し、かつ、無傷の80kDaカルパインI(レーン1)は認識しない。内因性に切断された少量の組み換えカルパインIの大きなサブユニットおよびカルシウム添加後の豊富な76kDaの単一のバンドの双方が、この抗血清で検出される。前述の結果は、80kDaサブユニットの組み換えタンパク質の全量がカルシウムの添加により自己触媒性に活性化されることが可能であること、および、その活性化されたサブユニットが適正に切断されることを立証する。
実施例7
血清を含まない培地における改善された発現
昆虫細胞のスピンナー培養系は、多数の細胞の扱いにおいて単層培養に比較してより容易であるため、組み換えタンパク質のバキュロウイルスでの発現に日常的に用いられる。10%の限定された(defined)ウシ胎児血清を含むグレース補充培地中で生育させたSf21細胞と、エクセル(ExCell)−401(JRHバイオサイエンシーズ(Biosciences)社、レネクサ(Lenexa)、カンサス州(KS))中で生育するよう連続的な2倍希釈により血清を含まない培地に適合させたSf21細胞との間でのカルパインの産生の比較がなされた。いずれかの培地中で生育させた対数期のSf21細胞を150×gで10分間遠心分離して細胞を沈殿させ、そしてAcNPV−hCANPI−2−5をMOI=2で包含するその生育培地中に1ml当たり細胞107個を再懸濁した。細胞とウイルスは時々手で緩やかに再懸濁させながら、室温で1時間インキュベートした。混合物全体を、1ml当たりの細胞濃度が1.5×106個で最終的に100mlとなるよう、250mlのスピンナーフラスコ(テクネ社(Techne Inc.)、プリンストン(Prinston)、ニュージャージー州(NJ))中の適当な培地に加えた。それぞれの培地での二重感染は、血清を包含する培養系では80rpm、血清を含まない培養系では100rpmで攪拌しながら27℃でインキュベートした。24時間および48時間後に培養系から試料を採取した。
試料は、150×gで10分間遠心分離による細胞の沈殿化の後、ダルベッコのリン酸緩衝液を加えた生理食塩水(メディアテック社(Mediatech,Inc.)、ハーンドン(Herndon)、ヴァージニア州(VA))に再懸濁し、そしてその後再度150×gで10分間遠心分離し、実施例5に記述されたように酵素活性の測定が行なえるよう採収した。総タンパク質濃度は、供給されたプロトコールに従い、対照タンパク質標準品としてウシ血清アルブミンを用いてバイオラッド プロテイン アッセイ(Bio-Rad Protein Assay)(バイオラッド ラボラトリーズ社(Bio-Rad Laboratories,Inc.)、メルヴィル、ニューヨーク州)を用いて測定した。血清を含まない培養に適合させた細胞は、24時間後では予想外に低い組み換えカルパインタンパク質濃度および活性を有したが、48時間後では血清培地よりも予想外により高いレベルであった(第7図)。さらに重要なことに、血清を含まない培地中では、血清を包含する培地に比較して、48時間後の活性化された76kDaタンパク質が比較的により少なかった(データは示されていない)。血清を包含する培地中で48時間後の活性化されたカルパインの量がより多かったことは、完全な不活性化されたカルパインをその時点で精製することを不可能にした(データは示されていない)。したがって、発現への血清を含まない培地の使用は、血清を含む培地での24時間後の濃度に比較して、精製のための組み換えカルパインの開始濃度の3−4倍の増加を可能にした。
実施例8
独立した80kDaサブユニットの酵素活性
組み換え的に産生された80kDaサブユニットの相対的活性を決定するため、当該サブユニットの酵素活性をAcNPV−hCANPI80−5を感染させたSf21細胞由来の未分画抽出液において検査した。1.5×108個のSf21細胞を150×gで遠心分離して沈殿させ、上清を除去し、その後、3×108pfuのAcNPV−hCANPI80−5と共にウシ胎児血清を含む10mlのグレース補充培地に再懸濁し、そして27℃で1時間インキュベートした。インキュベーション後、細胞と培地とウイルスを90mlの同じ培地に加え、250mlのスピンナーフラスコ中、27℃で24時間インキュベートした。細胞は実施例5のように採収し、そして抽出液もまた実施例5に記述されたように酵素活性を検査した。33μgの未分画抽出液からの結果は第8図に図示される。第8図において、白い四角はカルシウム非存在下の活性を表す。白い菱形はカルシウム存在下の活性を表す。白丸はカルシウムおよびカルパインインヒビターI存在下の活性を表す。同じ酵素活性の量の組み換え80kDaサブユニットおよび組み換えカルパインの双方を、その後、SDS−PAGEを行い、そして、それぞれの量を上記実施例4に記載されたようにイムノブロット分析により質的に決定した。それから決定されたように、およそ4−5倍以上の単離された80kDaサブユニットがヘテロダイマータンパク質と同等の活性をもたらすのに必要とされる。従って、80kDaの組み換えカルパインIの特異的活性は、ヘテロダイマーのカルパインIの活性のおよそ20−25%であると実験的に決定された。これは、天然のカルパインIから解離した80kDaサブユニットの活性よりおよそ7倍も大きい(キクチら、上記)。当該活性はまた、ヘテロダイマー酵素と同様、12.5μMのカルパインインヒビターIで完全に阻害されることも示された。
実施例9
酵素活性を有する組み換えカルパインの精製
以下に明らかにされるように、カルパインは、3個のクロマトグラフィー段階を含む4個の段階で、逆相HPLC分析で決定された94%純度まで精製された。細胞培養条件は実施例7に記述された通りであった。細胞を10mMHEPES、2mMEDTA、2mMEGTA、5mMβ−メルカプトエタノール、5mMペプスタチン、0.1mMPMSF、および10mg/mlアプロチニンを包含するpH7.5の溶液で溶菌し、そして40mlダウンス(Dounce)ホモジェナイザー(ウィートン(Wheaton)社、ミルヴィル(Millville)、ニュージャージー州(NJ))を用いてホモジナイズした。材料はその後2,100×gで10分間遠心分離して核を沈殿させ、その後、38,700×gで1時間遠心分離して膜を沈殿させた。当該上清を硫酸アンモニウムで沈殿化し、そして、30から45%の硫酸アンモニウムで沈殿したタンパク質を、10mMHEPES、2mMEDTA、2mMEGTA、10mM塩化ナトリウム、および5mMβ−メルカプトエタノールを包含するpH7.5の緩衝溶液中に再懸濁し、同緩衝液に対し一夜透析し、そしてその後標準的技術を用いて以下の樹脂上で分離した。すなわちQ−セファロース ファスト フロー(Q-Sepharose Fast Flow)、その後フェニル セファロース CL−4B(Phenyl Sepharose CL-4B)(いずれもファルマシア(Pharmacia)社、ピスカタウェイ(Piscataway)、ニュージャージー州(NJ))、その後ミメティック レッド(Mimetic Red)2(アメリカン インターナショナル ケミカル(American International Chemical)社、ネイティック(Natick)、マサチューセッツ州(MA))。この技術により5−6mgの高度に精製されたタンパク質が細胞1lより単離された。15.5倍の精製が高純度をもつタンパク質を得るための3段階のクロマトグラフィーによる分離で遂げられた。ヒト赤血球からのカルパインの精製は4段階のクロマトグラフィーによる22,000倍を越える精製を必要とした(ハタナカら、上記)。これは、天然の供給源から容易になされるよりもより大量のカルパインを容易に精製できることにおけるこの組み換え発現の主要な利点を表す。それぞれの分析のために、酵素の活性を、Succ−Leu−Tyr−AMCの加水分解の測定においてササキら、上記により用いられた方法と同様、カルシウムイオンの存在下での合成蛍光発生基質サクシニル−ロイシル−チロシル−メトキシ−β−ナフチルアミン(Succ−Leu−Tyr−MNA)の加水分解速度をモニターすることにより決定した。実験は96穴プレート(ダイナテック(Dynatech)社 カタログ番号011-010=7905、14340 サリーフィールド サークル(Sullyfield Circle)、チャンティリー(Chantilly)、ヴァージニア(Virginia)22021)中で行い、また、蛍光は96穴プレート測定用蛍光計(励起波長=340nM、測定波長=430nM;タイターテック フルオロスカン(Titertec Fluoroskan)II フィンランド)を用いて検出した。
実施例10
天然および組み換えの酵素活性を有するカルパインの阻害剤に対する比較感受性
天然および組み換えの酵素活性を有するカルパインIを、多数の既知のカルパインI阻害剤に対するその感受性について比較した。阻害剤への感受性を評価するために、試験される各阻害剤のストック液(40倍濃度)を100%無水DMSOで調製し、そして、各阻害剤調製液5μlを96穴プレートの各3穴に分注した。それぞれの酵素調製液の希釈をアッセイ用緩衝液(すなわち0.2mMのSucc−Leu−Tyr−MNAを含む50mMトリス、50mM塩化ナトリウム、1mMEDTA、1mMEGTA、および5mMβ−メルカプトエタノール、pH7.5)で行い、そして、各希釈液175μlを、個々の阻害剤のストック液を包含する同じ穴、および、ポジティブコントロールとして5μlのDMSOを包含するが阻害剤を包含しない穴中に分注した。反応を開始するため、アッセイ用緩衝液に溶解した50mM塩化カルシウム20μlを3穴を除くプレートのすべての穴に加えた。除いた3穴はバックグラウンドシグナルのベースラインコントロールとして用いた。基質加水分解は5分ごとに全体で30分間モニターした。阻害剤の非存在下での基質加水分解は15分まで直線状であった。加水分解速度は5分から15分までの10分間当たりの蛍光単位における変化として決定した。試験したそれぞれの阻害剤濃度において、阻害パーセントは、阻害剤の非存在下での基質加水分解速度に対する阻害剤の存在下での基質加水分解速度の低下パーセントとして決定した。構造的に異なる3種の既知のカルパイン阻害剤(Z−Leu−Phe−CONHEt、Z−Leu−Leu−Phe−CH2S(+)Me2Br(−)およびZ−Leu−Nle−H)の50%阻害濃度(IC50)の決定は以下の第3表に示される。それぞれのカルパイン阻害剤について得られた組み換えヒトカルパインに対するIC50は、天然の酵素で見出されたものに近いことに注目せよ。阻害剤の効力の順位も同様であった。セリンプロテアーゼおよびアスパルギン酸プロテアーゼの阻害剤の原型(それぞれPMSFおよびペプスタチンA)もまたこの決定に含まれた。組み換えおよび天然の酵素の双方とも、既知のカルパイン阻害剤に関して得られたIC50値における5−6桁大きな差異により例示されたように、これらの分類の特異的阻害剤によるその活性の些少な阻害を示した。
実施例11
天然および組み換えカルパインのカルシウムによる活性化の比較
酵素活性に要求されるカルシウム濃度を決定するために、本質的にキタハラ(Kitahara)ら、ジャーナル オブ バイオケミストリー(J.Biochem.)、95:1759-1766(1984)により記載されたように試験を実施した。まず、酵素調製液を5mMのβ−メルカプトエタノールを包含するpH7.3の110mMイミダゾール−塩酸/1mMEGTA緩衝液に対し一夜透析した。10倍濃度のカルシウム/EGTA緩衝液を、イミダゾール/EGTA緩衝液に様々な量の塩化カルシウムを加えることにより調製した。各緩衝液20μlを96穴プレートの3穴に注入した。透析した酵素の希釈を1mMのSucc−Leu−Tyr−MNAを包含するイミダゾール/EGTA緩衝液で行い、そして、各調製液180μlを多様なカルシウム/EGTA緩衝液を包含する穴に添加した。基質加水分解は5分ごとに30分間測定した。1/2Vmaxは、様々な量のカルシウムの存在下で達成される最高速度の50%である基質加水分解速度として決定した。その結果は第9図に示される。列挙された1/2Vmaxは、特定のイオン強度、pH、および温度でのこの緩衝液中でのカルシウムに対するEGTAのKdに基づいた[Ca2+](カルシウムイオン濃度)の近似値である(Kd=5.5×10-6M)。1/2Vmaxを与える(give)のに必要とされるカルシウム濃度は、天然のカルパインおよび本発明の組み換えカルパインの双方に対して本質的に同じ、すなわちそれぞれ15μMおよび14μMであった。天然および組み換え酵素の双方の[Ca2+]活性化プロフィルは実際上同一である。第9図において、中に白丸のある白四角は組み換えヒトカルパインI(rhCANPI)を表す。中に白丸のある黒四角は天然のヒトカルパインI(nhCANPI)を表す。
実施例12
カルパイン阻害剤のアッセイ
酵素活性を有する組み換えカルパインは、例えば上記実施例9に記述されたように精製される。精製されたカルパインはその後、潜在的カルパイン阻害剤のスクリーニングのためのアッセイにおいて利用されることができる。アッセイ条件は上記実施例9および10に記述されたものと同様であることができる。例えば、Succ−Leu−Tyr−MNAが基質として用いられることができる。カルパインインヒビターIはカルパインの阻害をアッセイするためのコントロールとして用いられることができる。しかしながら、他の基質類および既知の阻害剤類が利用されることができる。(ササキ、上記を参照)カルパインインヒビターの存在しない試料が酵素活性のコントロールとして用いられることができる。カルパイン阻害剤として試験されるべきそれぞれの化合物が、例えば既知の阻害剤がアッセイされた実施例10に記述された方法によりアッセイされる。しかしながら、他の方法も利用されることができる。
本明細書で論考されもしくは記述されたすべての特許および発表の記載内容は、それらの全体が、引用することにより本明細書に編入される。
前述の実施例は本発明を詳細に記述することを意味するものであり、かつ、いかなる方法においても限定することを意味するものではない。当業者は添加された請求の範囲に述べられたように本発明の精神および範囲の内で変更がなされることができることを認識するであろう。
本発明の主な態様は、次のとおりである。
1.組み換え哺乳動物カルパイン。
2.前記のカルパインがヒトカルパインである上記1のカルパイン。
3.前記カルパインがカルパインIである上記2のカルパイン。
4.酵素活性を有する組み換え哺乳動物カルパイン。
5.前記カルパインがヒトカルパインである上記4のカルパイン。
6.前記カルパインがカルパインIである上記5のカルパイン。
7.カルパインをコードする組み換えウイルスで昆虫細胞を感染させることにより産生された、酵素活性を有する組み換え哺乳動物カルパイン。
8.前記カルパインがヒトカルパインである上記7のカルパイン。
9.前記カルパインがカルパインIである上記8のカルパイン。
10.前記ウイルスがあるバキュロウイルスである上記7のカルパイン。
11.前記バキュロウイルスがアウトグラファ カリフォルニカ(Autographa Californica)である上記10のカルパイン。
12.前記昆虫細胞がスポドプテラ フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)種のものである上記7のカルパイン。
13.カルパインの約80kDaのサブユニットをコードするcDNAを含む組み換えウイルスで昆虫細胞を感染させることにより産生された哺乳動物カルパインの酵素活性を有する前述のサブユニット。
14.前記カルパインがヒトカルパインである上記13の当該サブユニット。
15.前記カルパインがカルパインIである上記14の当該サブユニット。
16.前記サブユニットがカルパインの特異的活性の約5%より大きな活性を示す上記15の当該サブユニット。
17.前記ウイルスがあるバキュロウイルスである上記13のサブユニット。
18.前記バキュロウイルスがアウトグラファ カリフォルニカ(Autographa Californica)である上記17のサブユニット。
19.前記昆虫細胞がスポドプテラ フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)種のものである上記13のサブユニット。
20.哺乳動物カルパインをコードするcDNAを含む組み換えプラスミドベクター。
21.前記ベクターがあるバキュロウイルストランスファーベクターである上記20のベクター。
22.前記カルパインが発現と同時に酵素活性を有する上記20のベクター。
23.前記カルパインがヒトカルパインである上記22のベクター。
24.前記カルパインがカルパインIである上記23のベクター。
25.前記ベクターが約80kDaのカルパインサブユニットをコードするcDNAおよび約30kDaのカルパインサブユニットをコードするcDNAを含む上記20のベクター。
26.発現と同時に活性を有する約80kDaのカルパインサブユニットをコードする組み換えプラスミドベクター。
27.前記カルパインがヒトカルパインである上記26のベクター。
28.前記カルパインがカルパインIである上記27のベクター。
29.哺乳動物カルパインをコードするcDNAを含む組み換えバキュロウイルス。
30.前記カルパインが発現と同時に活性を有する上記29の組み換えバキュロウイルス。
31.前記カルパインがヒトカルパインである上記29の組み換えバキュロウイルス。
32.前記カルパインがカルパインIである上記31の組み換えバキュロウイルス。
33.約80kDaの哺乳動物カルパインのサブユニットをコードするcDNAを含む組み換えバキュロウイルス。
34.前記サブユニットが発現と同時に酵素活性を有する上記33の組み換えバキュロウイルス。
35.前記カルパインがヒトカルパインである上記33の組み換えバキュロウイルス。
36.前記カルパインがカルパインIである上記35の組み換えバキュロウイルス。
37.約30kDaの哺乳動物カルパインのサブユニットをコードするcDNAを含む組み換えバキュロウイルス。
38.前記カルパインがヒトカルパインである上記37の組み換えバキュロウイルス。
39.前記カルパインがカルパインIである上記38の組み換えバキュロウイルス。
40.ATCCの名称ATCC VR 2457を有する組み換えバキュロウイルス。
41.ATCCの名称ATCC VR 2458を有する組み換えバキュロウイルス。
42.ATCCの名称ATCC VR 2459を有する組み換えバキュロウイルス。
43.哺乳動物カルパインをコードするcDNAを含む組み換えウイルスで昆虫細胞を感染させることを含む、組み換え哺乳動物カルパインを調製するための方法。
44.前記カルパインが発現と同時に活性を有する上記43の方法。
45.前記カルパインがヒトカルパインである上記44の方法。
46.前記カルパインがカルパインIである上記45の方法。
47.前記ウイルスがあるバキュロウイルスである上記44の方法。
48.前記バキュロウイルスがアウトグラファ カリフォルニカ(Autographa Californica)である上記47の方法。
49.前記昆虫細胞がスポドプテラ フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)種のものである上記44の方法。
50.前記昆虫細胞が、約80kDaのカルパインサブユニットおよび約30kDaのカルパインサブユニットをコードするcDNAを含む最低1個の組み換えバキュロウイルスに感染した上記44の方法。
51.前記昆虫細胞が、約80kDaのカルパインサブユニットをコードするcDNAを含む第一の組み換えバキュロウイルスおよび約30kDaのカルパインサブユニットをコードするcDNAを含む第二の組み換えバキュロウイルスに感染した上記50の方法。
52.a)哺乳動物カルパインをコードするcDNAを含む組み換えバキュロウイルスを最低1個調製すること
b)前記の組み換えウイルスで昆虫細胞を感染させること
c)前記の細胞よりカルパインを回収すること
を含む、組み換え哺乳動物カルパインを調製するための方法。
53.前記カルパインが発現と同時に活性を有する上記52の方法。
54.前記カルパインがヒトカルパインである上記53の方法。
55.前記カルパインがカルパインIである上記54の方法。
56.約80kDaのカルパインサブユニットをコードするcDNAを含む第一のバキュロウイルスおよび約30kDaのカルパインサブユニットをコードするcDNAを含む第二のバキュロウイルスを調製することを含む上記53の方法。
57.a)約80kDaのカルパインサブユニットをコードするcDNAおよび約30kDaのカルパインサブユニットをコードするcDNAを含む組み換えバキュロウイルスを最低1個調製すること
b)前記組み換えバキュロウイルスで昆虫細胞を感染させること
c)前記細胞をインキュベーションの最低約24時間後に採収すること、
そして
d)前記採収された細胞からカルパインを回収すること
を含む、組み換え哺乳動物カルパインを調製するための方法。
58.前記カルパインが発現と同時に活性を有する上記57の方法。
59.前記カルパインがヒトカルパインである上記58の方法。
60.前記カルパインがカルパインIである上記59の方法。
61.約80kDaのカルパインサブユニットをコードするcDNAを含む第一のバキュロウイルスおよび約30kDaのカルパインサブユニットをコードするcDNAを含む第二のバキュロウイルスを調製することを含む上記58の方法。
62.血清を含まない培地が利用される上記58の方法。
配列の一覧
(1)一般的な情報
(i)出願人:メイヤー、シェリル L
スコット、リチャード
サイマン、ロバート
(ii)発明の名称:バキュロウイルス系で発現された酵素活性を有する組み換えカルパイン
(iii)配列の数:12
(iv)連絡先
(A)住所:ウッドコック、ウォシュバーン、カーツ、マッキーヴィッツ
アンド ノリス
(B)通り:ワン リバティ プレイス、46階
(C)都市:フィラデルフィア
(D)州:フィラデルフィア
(E)国名:アメリカ
(F)郵便番号:19103
(v)コンピュータで解読しうる形式
(A)媒体の形:フロッピーディスク
(B)コンピュータ:I BM PC互換機
(C)オペレーティング システム:PC−DOS/MS−DOS
(D)ソフトウェア:パテントイン リリース #1.0、バージョン
#1.25
(vi)現在の出願のデータ
(A)出願番号:US N/A
(B)提出日:
(C)分類:
(viii)代理人の情報
(A)氏名:トルージョ、ドリーン Y
(B)登録番号:35,719
(C)参照/登録書番号:CEPH−0013
(ix)遠距離通信の情報
(A)電話番号:(215)568-3100
(B)ファクス番号:(215)568-3439
(2)配列番号1の情報
(i)配列の特徴:
(A)長さ:34
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(iii)ハイポセティカル:仮想的でない
(iv)アンチセンス:アンチセンスである
(xi)配列:番号1
(2)配列番号2の情報
(i)配列の特徴:
(A)長さ:17
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(iii)ハイポセティカル:仮想的でない
(iv)アンチセンス:アンチセンスでない
(xi)配列:番号2
(2)配列番号3の情報
(i)配列の特徴:
(A)長さ:21
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(iii)ハイポセティカル:仮想的でない
(iv)アンチセンス:アンチセンスでない
(xi)配列:番号3
(2)配列番号4の情報
(i)配列の特徴:
(A)長さ:21
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(iii)ハイポセティカル:仮想的でない
(iv)アンチセンス:アンチセンスである
(xi)配列:番号4
(2)配列番号5の情報
(i)配列の特徴:
(A)長さ:34
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(iii)ハイポセティカル:仮想的でない
(iv)アンチセンス:アンチセンスである
(xi)配列:番号5
(2)配列番号6の情報
(i)配列の特徴:
(A)長さ:24
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(iii)ハイポセティカル:仮想的でない
(iv)アンチセンス:アンチセンスである
(xi)配列:番号6
(2)配列番号7の情報
(i)配列の特徴:
(A)長さ:40
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(iii)ハイポセティカル:仮想的でない
(iv)アンチセンス:アンチセンスでない
(xi)配列:番号7
(2)配列番号8の情報
(i)配列の特徴:
(A)長さ:28
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(iii)ハイポセティカル:仮想的でない
(iv)アンチセンス:アンチセンスでない
(xi)配列:番号8
(2)配列番号9の情報
(i)配列の特徴:
(A)長さ:24
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(iii)ハイポセティカル:仮想的でない
(iv)アンチセンス:アンチセンスである
(xi)配列:番号9
(2)配列番号10の情報
(i)配列の特徴:
(A)長さ:21
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(iii)ハイポセティカル:仮想的でない
(iv)アンチセンス:アンチセンスでない
(xi)配列:番号10
(2)配列番号11の情報
(i)配列の特徴:
(A)長さ:21
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(iii)ハイポセティカル:仮想的でない
(iv)アンチセンス:アンチセンスでない
(xi)配列:番号11
(2)配列番号12の情報
(i)配列の特徴:
(A)長さ:21
(B)型:核酸
(C)鎖の数:1本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(iii)ハイポセティカル:仮想的でない
(iv)アンチセンス:アンチセンスである
(xi)配列:番号12
Claims (13)
- 約80kDaのサブユニットをコードするcDNAと約30kDaのサブユニットをコードするcDNAとの両方を含む哺乳動物のカルパインIをコードするcDNAを含んでなる組み換えバキュロウイルスが感染した昆虫細胞。
- 該バキュロウイルスがアウトグラファ カリフォルニカ(Autographa californica)の核多核体病ウイルスであることを特徴とする請求項1記載の昆虫細胞。
- 該昆虫細胞がスポドプテラ フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)種のものであることを特徴とする請求項1記載の昆虫細胞。
- 該カルパインがヒトカルパインIであることを特徴とする請求項1記載の昆虫細胞。
- (a)約80kDaのサブユニットをコードするcDNAと約30kDaのサブユニットをコードするcDNAとの両方を含む哺乳動物カルパインIをコードするcDNAを含んでなる組み換えバキュロウイルスを含有する昆虫細胞を培養し、そして
(b)酵素的に活性なカルパインIを回収する、
ことを特徴とする組み換え哺乳動物カルパインの製造方法。 - (a)約80kDaのカルパインIのサブユニットをコードするcDNAを含有する第一のバキュロウイルスおよび約30kDaのカルパインIのサブユニットをコードするcDNAを含有する第二のバキュロウイルスを含んでなる昆虫細胞を培養し、そして
(b)酵素的に活性なカルパインIを回収する、
ことを特徴とする組み換え哺乳動物カルパインの製造方法。 - 該バキュロウイルスがアウトグラファ カリフォルニカ(Autographa californica)の核多核体病ウイルスであることを特徴とする請求項5または6記載の方法。
- 該昆虫細胞がスポドプテラ フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)種のものであることを特徴とする請求項5または6記載の方法。
- 該カルパインがヒトカルパインIであることを特徴とする請求項5または6記載の方法。
- (a)約80kDaのカルパインIのサブユニットをコードするcDNAと約30kDaのカルパインIのサブユニットをコードするcDNAを含有するバキュロウイルスを含んでなる昆虫細胞を培養し、そして
(b)酵素的に活性なカルパインIを回収する、ことを特徴とする組み換え哺乳動物カルパインIの製造方法。 - 該バキュロウイルスがアウトグラファ カリフォルニカ(Autographa californica)の核多核体病ウイルスであることを特徴とする請求項10記載の方法。
- 該昆虫細胞がスポドプテラ フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)種のものであることを特徴とする請求項10記載の方法。
- 該カルパインがヒトカルパインIであることを特徴とする請求項10記載の方法。
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