JP2005500060A - 新規ヒトコラーゲンタンパクおよびそれをコードするポリヌクレオチド - Google Patents

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ヒュー,イー
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レキシコン・ジェネティクス・インコーポレーテッド
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/78Connective tissue peptides, e.g. collagen, elastin, laminin, fibronectin, vitronectin, cold insoluble globulin [CIG]

Abstract

療法、診断および薬理遺伝学的用途に使用できる新規ヒトポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列を開示する。

Description

【0001】
本出願は、米国仮出願60/312,300(2001年8月14日出願)の優先権を主張する。その仮出願の全体を本明細書に援用する。
1.発明の分野
本発明は、動物コラーゲンタンパクとの配列類似性をもつタンパク質をコードする新規ヒトポリヌクレオチドの知見、同定および解明に関する。本発明は、本明細書に記載するポリヌクレオチド、宿主細胞発現系、コードされるタンパク質、融合タンパク質、ポリペプチドおよびペプチド、コードされるタンパク質およびペプチドに対する抗体、ならびに遺伝子工学的に処理された、開示遺伝子を欠如または過剰発現する動物、それらのタンパク質のアンタゴニストおよびアゴニスト、ならびに開示遺伝子によりコードされるタンパク質の発現または活性を調節する他の化合物であって、診断、薬物スクリーニング、臨床試験モニタリング、疾患および障害の処置、および化粧品用途あるいは自然食品用途に使用できる化合物を包含する。
【0002】
2.発明の背景
コラーゲンは、体内で最も豊富に存在するタンパクに含まれるタンパクのファミリーである。生合成されたコラーゲンは、人口装具としての医学的用途および化粧品用途に使用される。
【0003】
3.発明の概要
本発明は、新規ヒトタンパク質をコードするヌクレオチド、および対応するこのタンパク質のアミノ酸配列の知見、同定および解明に関する。本明細書に初めて記載した新規ヒトタンパク質(novel human proteins;NHPs)は、制限的でない例として、ヒトコラーゲンアルファ2(VIII)鎖を含む動物コラーゲンと構造類似性をもつ。このように前記新規NHPは、広範な門および種にわたる相同体およびオーソログ(ortholog)をもつ新規コラーゲンタンパクをコードする。
【0004】
本明細書に記載する新規ヒトポリヌクレオチドは、長さ717および703アミノ酸長のタンパクをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)をコード化している(配列番号:2および4参照)。
【0005】
本発明は下記のものをも包含する:前記NHPのアゴニストおよびアンタゴニスト(天然NHPと競合する、小型分子、大型分子、変異NHP、またはその一部が含まれる)、ペプチド、および抗体、ならびに前記NHPポリヌクレオチドの発現を阻害するために使用できるヌクレオチド配列(たとえばアンチセンス分子およびリボザイム分子、ならびにオープンリーディングフレームまたは調節配列の置換構築体)、または前記NHPの発現を高めるために使用できるヌクレオチド配列(たとえば、前記ポリヌクレオチドを強力なプロモーター系の制御下におく発現構築体)、NHPトランスジーンを発現するトランスジェニック動物、または機能性NHPを発現しないNHP”ノックアウト体”(条件付きであってもよい)。ノックアウトマウスはいくつかの方法で調製することができ、その内のひとつには、少なくとも1つの記載したNHPのマウス相同体中に遺伝子トラップ変異を含むマウス胚幹細胞(「ES細胞」)株の使用が含まれる。配列番号1〜4に記載の新規なNHP配列が“ノックアウト”であるときは、それらはその特別な遺伝子の形質発現を同定する方法並びにそれまで未知の遺伝子の機能を調べる方法を提供する。さらに配列番号1〜4に記載したユニークなNHP配列が“ノックアウト”された動物は、以前は免疫系により自己とみなされており顕著な抗体反応が顕在化しなかった相同および直系タンパクに対し、抗体を産生するユニークな供給源を提供する。
【0006】
さらに、配列番号1−4に記載したユニークなNHP配列は、タンパクをコードしている配列の決定およびユニークな遺伝子を特定の染色体へマッピングするのに有用である。それらの配列は、遺伝子配列のみからバイオインフォマチックスに基づいて推定されうるエキソンスプライシング接続部分とは対照的に、実際生物的証明され、そしてそれゆえ適切なエキソンスプライシング接続部分が同定される。本発明の配列は、とりわけ個体群生物学および法生物学において利用されるように、制限酵素断片長多型(restriction fragment length polymorphisms(RFLP))解析における追加のDNAマーカーとして有用である。
【0007】
更に本発明は、NHP発現および/またはNHP活性を調節する化合物、すなわちそのアゴニストまたはアンタゴニストとして作用する化合物の同定方法であって、前記NHPおよび/またはNHP生成物の精製物、あるいはそれを発現する細胞を使用する方法にも関する。それらの化合物は、生物学的障害または平衡異常を伴う多様な症状の処置のための療法薬として使用できる。
【0008】
4.配列表および図面の説明
配列表に、前記新規ヒトコラーゲンタンパクをコードする新規ヒトORFの核酸およびアミノ酸配列を示す。配列番号1は、配列番号2のアミノ酸配列コードする核酸配列である。核酸配列である配列番号3は、配列番号1の43位に位置する内部ATGで始まるトランスクリプトである。配列番号3は、それゆえ配列番号1内に完全に含まれる。配列番号4は、配列番号3によってコードされるアミノ酸配列である。
【0009】
5.発明の詳細な記述
本明細書に初めて記載するNHPは、とりわけヒト細胞系、およびヒト脳下垂体、ヒトリンパ節、胎児の腎臓、および骨癌細胞にて発現している新規タンパク質である。記載した配列は、ヒトゲノム配列、およびヒトの胎児肺およびリンパ節mRNAから得たcDNA(Edge Biosystems、ガイザースバーグ、MD)からコンパイルされた。
本発明は下記のものを包含する:配列表に示すヌクレオチド配列、それらのヌクレオチドを発現する宿主細胞、それらのヌクレオチドの発現生成物、ならびに(a)前記遺伝子の哺乳動物相同体をコードするヌクレオチド(具体的に記載したNHPおよび関連するNHP生成物を含む);(b)機能性ドメイン(活性ドメインの新規領域が含まれるが、これらに限定されない)に対応する1以上のNHP部分をコードするヌクレオチド、およびそれらのヌクレオチド配列により特定されるポリペプチド生成物;(c)前記NHPの少なくとも1つのドメインの全部または一部が欠失または変化した遺伝子工学的に形成した変異体または天然変異体をコードする単離ヌクレオチド、およびそれらのヌクレオチド配列により特定されるポリペプチド生成物;シグナル配列の全部または一部が欠失した可溶性タンパク質およびペプチドが含まれるが、これらに限定されない;(d)NHPまたはそのドメインの1つ(たとえば受容体またはリガンドの結合ドメイン、アクセサリータンパク質/自己会合ドメインなど)が他のペプチドまたはポリペプチドに融合したキメラ融合タンパク質をコードする、NHPコード領域の全部または一部を含有するヌクレオチド;あるいは(e)前記ポリヌクレオチドの療法用または診断用誘導体、たとえば本明細書の配列表に初めて開示した配列を含むオリゴヌクレオチド、アンチセンスポリヌクレオチド、リボザイム、dsRNAまたは遺伝子療法構築体。前記のように、本発明には下記のものが含まれる:(a)配列表に示したヒトDNA配列(およびそれらを含むベクター);さらに、配列表に示したDNA配列の相補配列に高ストリンジェントな条件下で[たとえば0.5M NaHPO4、7%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、1mM EDTA中、65℃でフィルター結合DNAにハイブリダイゼーション、そして0.1×SSC/0.1% SDS中、68℃で洗浄(Ausubel,F.M. et al.編,1989,Current Protocols in Molecular Biology,Vol.I,Green Publishing Associates社,およびJohn Wily & Sons社,ニューヨーク,p.2.10.3)]ハイブリダイズする、連続NHPオープンリーディングフレーム(ORF)をコードし、機能的に均等な発現生成物をコードする、いかなるヌクレオチド配列も考慮される。さらに、配列表に示したアミノ酸配列をコードおよび発現するDNA配列の相補配列に中等度ストリンジェントな条件下で[たとえば0.2×SSC/0.1% SDS中、42℃で洗浄(Ausubel,et al.,1989,前掲)]ハイブリダイズし、なおかつ機能的に均等なNHP生成物をコードする、いかなるヌクレオチド配列も考慮される。NHPの機能均等物には、他の種に存在する天然NHP、および天然の、または工学的に作成した(部位特異的変異誘発、遺伝子シャッフリング、指向性進化:たとえばUSP5,837,458に記載。それをここに参照として援用する。)変異NHPが含まれる。本発明には、開示したNHPポリヌクレオチド配列の縮重核酸バリアントも含まれる。
【0010】
さらに、NHP ORFをコードするポリヌクレオチド、または配列表のヌクレオチド配列の対応する領域に約99%、95%、90%もしくは約85%類似する、あるいは同一の(たとえば標準デフォルトセッティングを採用したGCG配列分析パッケージを用いるBLAST配列比較分析により測定して)ポリヌクレオチド配列によってコードされるそれらの機能均等物が考慮される。
【0011】
本発明には、前記NHP遺伝子ヌクレオチド配列にハイブリダイズする、したがってその相補配列である核酸分子、好ましくはDNA分子も含まれる。そのようなハイブリダイゼーション条件は、前記のように高ストリンジェントであってもよく、またはストリンジェント度がより低くてもよい。核酸分子がデオキシオリゴヌクレオチド(”DNAオリゴ体”)である場合、それらの分子は本明細書の配列表に初めて開示した配列の連続領域を含む、一般に約16〜約100塩基、約20〜約80塩基、または約34〜約45塩基の長さのもの、またはそこに示すサイズの任意の変更または組合わせである。それらのオリゴヌクレオチドをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)と組み合わせて用いて、ライブラリーのスクリーニング、クローンの単離、ならびにクローニング鋳型および配列決定用鋳型の調製などを行うことができる。
【0012】
あるいは、そのようなNHPオリゴヌクレオチドを、ライブラリーのスクリーニングおよび遺伝子発現パターンの評価のためのハイブリダイゼーションプローブとして用いることができる(特にマイクロアレイまたはハイスループット”チップ”方式を用いて)。さらに、一連の前記NHPオリゴヌクレオチド配列またはその相補配列を用いて、前記NHP配列の全部または一部を提示することができる。配列番号:1および3の配列のうち1以上の少なくとも一部に初めて開示したオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド配列を、固体支持体マトリックス/基体(樹脂、ビーズ、膜、プラスチック、ポリマー、金属または金属化基体、結晶質または多結晶質の基体など)と組み合わせて、ハイブリダイゼーションプローブとして使用できる。特に注目すべきものは、空間的にアドレス指定可能な、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドのアレイ、または対応するオリゴペプチドおよびポリペプチドのアレイ(すなわち遺伝子チップ、マイクロタイタープレートなど)である。その際、空間的にアドレス指定可能なアレイ上に存在する少なくとも1つの生体ポリマーには、配列番号:1および3の配列のうち少なくとも1つに初めて開示したオリゴヌクレオチドもしくはポリヌクレオチド配列、またはそれらがコードするアミノ酸配列が含まれる。生体ポリマーを固体支持体マトリックスに付着させる方法またはその上で合成する方法、およびその上で結合試験を実施する方法は、特にUSP5,700,637、5,556,752、5,744,305、4,631,211、5,445,934、5,252,743、4,713,326、5,424,186および4,689,405に開示されており、それらの開示内容全体を本明細書に援用する。
【0013】
配列番号:1〜4に初めて開示した配列を含むアドレス指定可能なアレイは、一時的および組織特異的な遺伝子発現を同定および解明するのに使用できる。これらのアドレス指定可能なアレイは、必要な特異性をもつのに十分であってなおかつ生産技術の限度内にある長さのオリゴヌクレオチド配列を含む。これらのプローブの長さは、約8〜約2000ヌクレオチドの範囲内である。プローブは、好ましくは配列番号:1および3に初めて開示した配列に由来する60ヌクレオチド、より好ましくは25ヌクレオチドを含む。
【0014】
たとえば一連の前記オリゴヌクレオチド配列またはその相補配列を、前記配列の全部または一部を提示するためにチップ方式で使用できる。一般に約16〜約40(またはこの範囲のうちの任意の整数)ヌクレオチド長さのオリゴヌクレオチドが互いに部分的にオーバーラップしてもよく、および/またはオーバーラップしないオリゴヌクレオチドを用いて配列を提示することもできる。したがって、前記ポリヌクレオチド配列は一般に、それぞれ前記配列表に初めて開示した少なくとも約8ヌクレオチドの長さの別個のオリゴヌクレオチド配列を少なくとも約2つまたは3つ含むはずである。そのようなオリゴヌクレオチド配列は、配列表中の配列内に存在するいずれかのヌクレオチドから始まり、前記配列に対してセンス(5’−から−3’へ)配向またはアンチセンス配向のいずれで進行してもよい。
【0015】
マイクロアレイに基づく分析によって広範な遺伝子活性パターンを見出すことができ、遺伝子機能について新たな理解が得られ、転写プロセスおよび生物学的機序について新規な予想外の洞察が得られる。配列番号:1〜4に初めて開示した配列を含むアドレス指定可能なアレイの使用により、特定の経路に関与する転写の変化について詳細な情報が得られ、これによって新規な表現型として現われる新規な成分または遺伝子機能を同定できる。
【0016】
配列番号:1〜4に初めて開示した配列を含むプローブは、薬物を見出すための新規分子ターゲットの同定、選択および立証にも使用できる。これらのユニーク配列を用いて薬物ターゲットを直接に確認し、その薬物の目的ターゲットとは異なる経路により調節される、薬物による遺伝子発現の変化を識別することができる。したがってこれらのユニーク配列は、薬物の作用および毒性の両方を判定およびモニターするのにも有用である。
【0017】
有用性の例として、配列番号:1〜4に初めて開示した配列をマイクロアレイまたは他のアッセイ方式に利用して、特定の医学的状態にある患者から採集した遺伝子材料をスクリーニングできる。これらの検査は、配列番号:1〜4に初めて開示した配列をin silicoで用い、当業者に既知のコンピューターソフトウェアを利用して、以前に収集した遺伝子データベースおよび開示配列を比較することによっても実施できる。
【0018】
たとえば、配列番号:1〜4に初めて開示した配列を、特定の疾患に関連する変異の同定のために、また診断アッセイまたは予後アッセイとしても利用できる。
現在記載されている配列はヌクレオチド配列を用いて具体的に記載されているが、各配列は多様な他の構造特性またはその組合わせのいずれかを用いて独自に記載できることを理解すべきである。たとえば、ある配列は、その配列の特定の領域内に存在するヌクレオチドの正味組成を、配列番号:1および3に初めて開示した1以上の特異的オリゴヌクレオチド配列の存在と組み合わせることにより記載できる。あるいは、制限エンドヌクレアーゼ消化部位の相対位置または種々のパリンドロームその他の特異的オリゴヌクレオチド配列を特定する制限地図を用いて、ある配列の構造を記載することができる。このような制限地図は、広く利用できるコンピュータープログラム(たとえばウィスコンシン大学GCG配列分析パッケージ、SEQUENCHER 3.0、Gene Codes社、ミシガン州アン・アーバーなど)により一般に作製される。これらの制限地図は所望により、配列中にある1以上の別個のヌクレオチド配列を、1以上の追加配列または開示配列中にある1以上の制限部位に対するその配列の相対位置により表したものと組み合わせて使用できる。
【0019】
オリゴヌクレオチドプローブに関して、高ストリンジェントな条件とは、たとえば6×SSC/0.05%ピロリン酸ナトリウム中、37℃(14塩基オリゴ体について)、48℃(17塩基オリゴ体について)、55℃(20塩基オリゴ体について)、および60℃(23塩基オリゴ体について)での洗浄を表す。これらの核酸分子は、たとえばNHP遺伝子調節に有用なNHP遺伝子アンチセンス分子をコードし、またはNHP遺伝子アンチセンス分子として作用し、および/またはNHP遺伝子核酸配列の増幅反応におけるアンチセンスプライマーとして作用することができる。NHP遺伝子調節に関しては、それらの方法を用いて生物学的機能を調節することができる。さらに、そのような配列を、同様にNHP遺伝子調節に有用なリボザイムおよび/または三重らせん配列の一部として使用できる。
【0020】
さらに、阻害性のアンチセンスまたは二本鎖オリゴヌクレオチドは、下記を含めた群(これらに限定されない)から選択される少なくとも1個の修飾塩基部分を含むことができる:5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、ベータ−D−ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、ベータ−D−マンノシルキューオシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、キューオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6−ジアミノプリン。
【0021】
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、アラビノース、2−フルオロアラビノース、キシルロースおよびヘキソースを含めた(これらに限定されない)群から選択される少なくとも1個の修飾糖部分を含むこともできる。
【0022】
さらに他の態様において、制限的でない例としてアンチセンスオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホルアミドチオエート、ホスホルアミデート、ホスホルジアミデート、メチルホスホネート、アルキルホスホトリエステルおよびホルムアセタール、またはその類似体を含む群から選択される少なくとも1個の修飾リン酸主鎖を含む。
【0023】
さらに他の態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドはα−アノマーオリゴヌクレオチドである。α−アノマーオリゴヌクレオチドは、通常のβ−単位と異なり、鎖が互いに平行に走行する特異的な二本鎖ハイブリッドを相補的RNAと形成する(Gautier et al.,1987,Nucl.Acids Res.,15:6625−6641)。このオリゴヌクレオチドは2’−O−メチルリボヌクレオチド(Inoue et al.,1987,Nucl.Acids Res.,15:6131−6148)、またはキメラRNA−DNA類似体(Inoue et al.,1987,FEBS Lett.215:327−330)である。あるいは二本鎖RNAを用いてターゲットNHPの発現および機能を撹乱することができる。
【0024】
本発明のオリゴヌクレオチドは、当技術分野で既知の標準法により、たとえば自動DNA合成装置(たとえばBiosearch,Applied Biosystemsなどから市販されているもの)を用いて合成できる。一例として、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドはSteinらの方法(1988,Nucl.Acids Res.,16:3209)により合成でき、メチルホスホネートオリゴヌクレオチドは制御ポアガラスポリマー支持体を用いて製造できる(Sarin et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,85:7448−7451)など。
【0025】
低ストリンジェントな条件は当業者に周知であり、ライブラリーおよび標識配列が由来する個々の生物に応じて異なるが、推定可能であろう。そのような条件に関する手引きについては、たとえば下記を参照されたい:Sambrook et al.,1989,Molecular Cloning,A Laboratory Manual(およびその定期的改訂版),Cold Spring Harbor Press,ニューヨーク;およびAusubel et al.,1989,Current Protocols in Molecular Biology,Green Publishing AssociatesおよびWily Interscience,ニューヨーク。
【0026】
あるいは、適切なストリンジェントな条件を採用し、またはPCRにより、適切に標識したNHPヌクレオチドプローブを用いてヒトゲノムライブラリーをスクリーニングすることができる。ヒトゲノムクローンの同定および解明は、多型性(ヌクレオチド反復配列、マイクロサテライト対立遺伝子、一ヌクレオチド多型、またはコーディング一ヌクレオチド多型が含まれるが、これらに限定されない)の確認、特定の遺伝子座/対立遺伝子のゲノム構造の決定、および診断試験の設計に有用である。たとえばヒト遺伝子のイントロン/エキソン境界に隣接する領域に由来する配列を用いて、エキソン、イントロン、スプライス部位(たとえばスプライスアクセプターおよび/またはドナー部位)内などの変異を検出するための増幅アッセイに用いるプライマーを設計し、これらを診断および薬理遺伝学に使用できる。
【0027】
他の例として、本発明の配列は、制限酵素断片長多型(restriction fragment length polymorphisms(RFLP))解析において特定のものを同定するために使用することができる。この技術では、個々のゲノムDNAが一つもしくはそれ以上の制限酵素で切断され、同定のために単一のバンドが得られるようにサザンプロットで精査される(米国特許番号5,272,057に一般的に記載されており、ここに参照として援用する)。さらに、本発明の配列は、ポリヌクレオチド試薬、たとえばヒトゲノムの特定位置にターゲットされたPCRプライマーで、たとえば他の“同定マーカー”(すなわち、特定の個人およびそれらの子孫に対してユニークな他のDNA配列)を提供することによってDNAに基づいた法的同定の信頼性を高めることができるPCRプライマー、を提供するために使用することができる。実際の塩基配列情報は、制限酵素によって生じた断片により形成された正確なパターンとして、同定のために使用することができる。
【0028】
さらに、本明細書に開示するNHP生成物内のアミノ酸配列に基づいて設計した2つの縮重または”ゆらぎ(wobble)”オリゴヌクレオチドプライマープールを用いてPCRを行うことにより、目的生物の核酸からNHP遺伝子相同体を単離できる。反応の鋳型は、NHP遺伝子の対立遺伝子を発現することが分かっているかまたは推測される、ヒトまたは非ヒト細胞系または組織から調製したmRNAの逆転写により得られる全RNA、mRNAおよび/またはcDNAであってよい。
【0029】
増幅配列が目的NHP遺伝子の配列であることを確認するために、PCR生成物をサブクローニングして配列決定することができる。次いでそのPCRフラグメントを用いて多様な方法で全長cDNAクローンを単離できる。たとえば増幅フラグメントを標識し、cDNAライブラリー、たとえばバクテリオファージcDNAライブラリーのスクリーニングに使用できる。あるいは、標識フラグメントを用いて、ゲノムライブラリーのスクリーニングによりゲノムクローンを単離することができる。
【0030】
PCR法を利用して、全長cDNA配列を単離することもできる。たとえば標準法により、適切な細胞源または組織源(すなわち、例えば精巣組織のようにNHP遺伝子を発現することが分かっているかまたは推測される源)からRNAを単離できる。最も5’末端の増幅フラグメントに特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを第1鎖合成のプライミングに用いて、RNAについて逆転写(RT)反応を行うことができる。次いで得られたRNA/DNAハイブリッドを標準的なターミナルトランスフェラーゼ反応により”テイル形成”し、このハイブリッドをRNase Hで消化し、次いで相補プライマーにより第2鎖合成をプライミングすることができる。こうして、増幅フラグメントの上流のcDNA配列を単離できる。使用できるクローニング方式の概説については、たとえばSambrook et al.,1989(前掲)を参照されたい。
【0031】
変異NHP配列をコードするcDNAは、たとえばPCRを用いて単離できる。この場合、第1cDNA鎖は、変異NHP対立遺伝子を保有すると推定される個体において発現することが分かっているかまたは推測される組織から単離したmRNAに、オリゴ−dTオリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせ、この新たな鎖を逆転写酵素で延長することにより合成できる。次いで正常配列の5’末端に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを用いて、このcDNAの第2鎖を合成する。次いでこれら2プライマーを用いて、生成物をPCRにより増幅させ、所望により適切なベクター中へクローニングし、当業者に周知の方法でDNA配列分析を行う。変異NHP対立遺伝子のDNA配列を対応する正常なNHP対立遺伝子のものと比較することにより、変異NHP遺伝子生成物の機能の喪失または変化に関与する変異(1以上)を確認できる。
【0032】
あるいは、変異NHP対立遺伝子を保有することが推測されるかもしくは分かっている個体(すなわちNHP関連表現型、たとえば完全麻痺または不全麻痺、神経損傷または神経変性、炎症性疾患、視力障害などを発現している者)から得たDNAを用いてゲノムライブラリーを構築することができ、または変異NHP対立遺伝子を発現することが分かっているかもしくは推測される組織からのRNAを用いてcDNAライブラリーを構築することができる。次いで、正常なNHP遺伝子、またはそのいずれか適切なフラグメントを標識してプローブとして用い、そのようなライブラリー中の対応する変異NHP対立遺伝子を同定することができる。次いで、当業者に周知の方法で変異NHP配列を含むクローンを精製し、配列分析することができる。
【0033】
さらに、たとえば変異NHP対立遺伝子を保有することが推測されるかまたは分かっている個体の、そのような変異対立遺伝子を発現することが分かっているかまたは推測される組織より単離したRNAから合成したcDNAを利用して、発現ライブラリーを構築できる。この方法で、後記のように、推定変異組織が形成した遺伝子生成物を発現させ、正常NHP生成物に対して産生された抗体と組み合わせた標準抗体スクリーニング法を用いてスクリーニングすることができる。スクリーニング法については、たとえばHarlow,E.and Lane編,1988,”Antibodies:A Laboratory Manual”,Cold Spring Harbor Press,コールド・スプリング・ハーバー、NY.参照。
【0034】
さらに、標識NHP融合タンパク質、たとえばアルカリ性ホスファターゼ−NHPまたはNHP−アルカリ性ホスファターゼ融合タンパク質を用いてスクリーニングすることによりスクリーニングを行うことができる。NHP変異により機能の変化した発現産物が生じる場合(たとえばミスセンス変異またはフレームシフト変異の結果)、NHPに対するポリクローナル抗体が対応する変異NHP発現生成物と交差反応する可能性がある。それらとそのような標識抗体との反応により検出されるライブラリークローンを当技術分野で周知の方法で精製し、配列分析することができる。
【0035】
本発明は下記のものをも包含する:(a)前記NHPコード配列および/またはそれらの相補配列(すなわちアンチセンス)のいずれかを含むDNAベクター;(b)コード配列の発現を指令する調節要素と機能可能な状態で結合した前記NHPコード配列のいずれかを含むDNA発現ベクター(たとえばUSP5,869,336に記載のバキュロウイルス;本明細書に援用する);(c)宿主細胞におけるコード配列の発現を指令する調節要素と機能可能な状態で結合した前記NHPコード配列のいずれかを含む、遺伝子工学的に処理した宿主細胞;ならびに(d)外から導入された調節要素の制御下に内因性NHP配列を発現する(すなわち遺伝子の活性化)、遺伝子工学的に処理した宿主細胞。本明細書中で用いる調節要素には、誘導性および非誘導性のプロモーター、エンハンサー、オペレーター、ならびに発現を誘発および調節することが当業者に知られている他の要素が含まれるが、これらに限定されない。それらの調節要素には、下記のものが含まれるが、これらに限定されない:サイトメガロウイルス(hCMV)極初期遺伝子、調節可能なウイルス要素(特にレトロウイルスLTRプロモーター)、SV40アデノウイルスの初期または後期プロモーター、lac系、trp系、TAC系、TRC系、ファージラムダの主オペレーターおよびプロモーター領域、fdコートタンパク質の制御領域、3−ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)のプロモーター、酸性ホスファターゼのプロモーター、ならびに酵母α−接合因子のプロモーター。
【0036】
本発明は下記のものをも包含する:抗体および抗イディオタイプ抗体(Fabフラグメントが含まれる)、NHPのアンタゴニストおよびアゴラスト、ならびにNHP配列の発現を阻害する化合物もしくはヌクレオチド構築体(転写因子阻害薬、アンチセンス分子およびリボザイム分子、またはオープンリーディングフレーム配列もしくは調節配列置換構築体)、またはNHPの発現を促進する化合物もしくはヌクレオチド構築体(たとえばNHPコード配列が機能可能な状態でプロモーター、プロモーター/エンハンサーなどの発現制御要素と結合した発現構築体)。
【0037】
前記NHPまたはNHPペプチド、NHP融合タンパク質、NHPヌクレオチド配列、抗体、アンタゴニストおよびアゴニストは、疾病の診断のために変異NHPまたは不適正発現したNHPを検出するのに使用できる。NHPまたはNHPペプチド、NHP融合タンパク質、NHPヌクレオチド配列、宿主細胞発現系、抗体、アンタゴニスト、アゴニスト、ならびに遺伝子工学的に処理した細胞および動物は、身体における正常なNHP機能の撹乱の症候性発現または表現型発現を処置するのに有効な薬物のスクリーニング(またはコンビナトリアルライブラリーのハイスループットスクリーニング)にも使用できる。遺伝子工学的に処理した宿主細胞および/または動物の使用は、それらの系によりNHPの内因性受容体に結合する化合物を同定できるだけでなく、NHP仲介による活性または経路を誘発する化合物をも同定できるという点で、有利である。
【0038】
最終的に、NHP生成物を療法薬として使用できる。たとえば成熟NHPのような可溶性誘導体、NHPに対応するNHPペプチド/ドメイン、NHP融合タンパク質生成物(特にNHP−Ig融合タンパク質、すなわちIgFcへのNHPまたはNHPドメインの融合体)、NHP抗体および抗イディオタイプ抗体(Fabフラグメントが含まれる)、アンタゴニストまたはアゴニスト(NHP仲介経路における下流ターゲットを調節し、またはそれに作用する化合物が含まれる)を用いて、そのような疾病または障害を直接に処置することができる。たとえば、有効量の可溶性NHP、またはNHPを模倣するNHP−IgFc融合タンパク質もしくは抗イディオタイプ抗体(またはそのFab)の投与により、内因性NHP受容体を活性化するか、またはそれと効果的に拮抗させることができる。可溶性NHPは、タンパク分解による切断によって活性なペプチド産物とすることもできる(例えば、配列表に存在するいずれのアミノ酸から始まり、そして下流のいずれのアミノ酸で終わるいずれの新規ペプチド配列)。そのような産物またはペプチドは、さらにNHP融合タンパクの構築のような修飾をすることができ、および/または製剤的に許容される薬剤、制限的でない例として例えばポリエチレングリコール(PEG)と組み合わせることにより派生物を得ることができる。
そのようなNHP生成物をコードするヌクレオチド構築体を用いて、そのような生成物をインビボで発現するように宿主細胞を遺伝子工学的に処理することができる;遺伝子工学的に処理したこれらの細胞は体内で”バイオリアクター”として作用し、NHP、NHPペプチドまたはNHP融合タンパク質を身体に連続的に供給する。機能性NHP、変異NHP、ならびにアンチセンス分子およびリボザイム分子をコードするヌクレオチド構築体は、NHP発現を調節する”遺伝子療法”方式にも使用できる。したがって本発明は、生物学的障害を処置するための医薬配合物および方法をも包含する。
【0039】
本発明の多様な態様について、以下の各サブセクションにさらに詳細に記載する。
5.1 NHP配列
前記NHPのcDNA配列および対応する推定アミノ酸配列を配列表に示す。NHPヌクレオチド配列は、ヒトゲノム配列から調製したプローブおよび/またはプライマーを使用して得たcDNAから得られた。
発現解析により、前記NHPは限定された組織において発現することが示され、NHPはヒトコラーゲンと顕著な類似性を有する。コラーゲンタンパクの生理的重要性から、それらはUSP5,925,736およびUSP5,807,581に例示され論議されているように精査の対象である。前記NHPが使用される更なる種々の用途および適用が記載されているそれらの特許の全体を参照としてここに援用する。
【0040】
前記NHPをコードする遺伝子は、明らかにヒト染色体1上に点在するいくつかのエキソンによってコード化されている(GENBANKアクセッション番号AL138787参照)。従って、前記NHP配列は、ヒトゲノム上の遺伝子座のコード領域をマッピング(すなわちクロモゾームマッピィング)およびエキソンスプライス位置の決定に使用することができる。
たとえば配列番号1のヌクレオチド位として274位でのG/A多型(それは例えば配列番号2の相当するアミノ酸92位でグルタミン酸またはリジンとなる結果となる)、ヌクレオチド位として424位でのC/A多型(それは相当するアミノ酸142位でプロリンまたはトレオニンとなる結果となる)、ヌクレオチド位として732位でのC/T多型(それは相当するアミノ酸244位でともにロイシンとなる、すなわちサイレントミューテーションである)、例えば配列番号1のヌクレオチド位として787位でのG/A多型(それは例えば配列番号2の相当するアミノ酸263位でグリシンまたはアルギニンとなる結果となる)、およびヌクレオチド位として1090位でのG/A多型(それは相当するアミノ酸364位でグルタミン酸またはリジンとなる結果となる)を含むいくつかの多型が、開示配列中に確認された。それらの多型は、一つはサイレントであるがそれでも法医学および個体群生物学の領域で、特定の個人およびそれらの子孫を特定するマーカーとして特に有益である。
【0041】
記載した新規ヒトポリヌクレオチド配列は、例えばポリヌクレオチドシャフリングまたは関連した方法論を用いて、少なくとも部分的に記載した新規配列によりコードされるタンパク質の分子突然変異生成/進化においても使用することができる。そのようなアプローチは、米国特許第5,830,721および5,837,458に記載されており、それらの全体を参照として本明細書に援用する。
【0042】
NHP遺伝子生成物をトランスジェニック動物において発現させることもできる。蟯虫、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ブタ、ミニブタ、鳥類、ヤギおよび非ヒト霊長類、たとえばヒヒ、サルおよびチンパンジーなどを含めた(これらに限定されない)任意の種の動物を用いて、NHPトランスジェニック動物を作成することができる。
【0043】
NHPトランスジーンを動物に導入してトランスジェニック動物の創始系を作成するための、当技術分野で既知の任意の方法を使用できる。そのような方法には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:前核マイクロインジェクション(Hoppe,P.C.およびWagner,T.E.,1989,USP4,873,191);レトロウイルス仲介による生殖系細胞への遺伝子伝達(Van der Putten et al.,1985,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82:6148−6152);胚性幹細胞における遺伝子ターゲティング(Thompson et al.,1989,Cell,56:313−321);胚のエレクトロポレーション(Lo,1983,Mol.Cell.Biol.,3:1803−1814);および精子仲介遺伝子伝達(Lavitrano et al.,1989,Cell,57:717−723)など。そのような方法の概説については、Gordon,1989,Transgenic Animals,Intl.Rev.Cytol.,115:171−229参照;この全体を参考として本明細書に援用する。
【0044】
本発明は、それらのすべての細胞にNHPトランスジーンを保有するトランスジェニック動物、およびそれらのすべての細胞ではなく一部の細胞にこのトランスジーンを保有する動物、すなわちモザイク動物または体細胞トランスジェニック動物を提供する。トランスジーンは単一トランスジーンとして、またはコンカテマー中に、たとえば頭−頭縦列または頭−尾縦列で組み込まれてもよい。トランスジーンは、たとえばLakso et al.,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:6232−6236の教示に従って、特定の細胞タイプに選択的に導入され、活性化されてもよい。そのような細胞タイプ特異的活性化に必要な調節配列は、目的とするその細胞タイプに依存し、当業者に自明であろう。
【0045】
NHPトランスジーンを染色体の内因性NHP遺伝子部位に組み込みたい場合、遺伝子ターゲティングが好ましい。要約すると、そのような方法を用いたい場合、内因性NHP遺伝子のヌクレオチド配列に染色体配列との相同組換えにより組み込ませ、その機能を撹乱するために(すなわちノックアウト動物)、内因性NHP遺伝子に相同な若干のヌクレオチド配列を含むベクターを設計する。
【0046】
トランスジーンを特定の細胞タイプに選択的に導入し、これによりその細胞タイプにおいてのみ内因性NHP遺伝子を不活性化することもできる:たとえばGu et al.,1994,Science,265:103−106の教示による。そのような細胞タイプ特異的不活性化に必要な調節配列は、目的とするその細胞タイプに依存し、当業者に自明であろう。
【0047】
トランスジェニック動物が作成されると、標準法により組換えNHP遺伝子の発現を評価することができる。サザンブロット分析またはPCR法により初期スクリーニングを行って動物組織を分析し、トランスジーンの組込みが行われたかどうかをアッセイすることができる。トランスジェニック動物の組織におけるトランスジーンのmRNA発現レベルも、その動物から得た組織試料のノーザンブロット分析、in situハイブリダイゼーション分析、およびRT−PCRを含めた方法(これらに限定されない)を用いて評価することができる。NHP遺伝子発現組織の試料を、そのNHPトランスジーン生成物に特異的な抗体を用いて免疫細胞化学的に評価することもできる。
本発明は、“ノックイン”動物をも提供する。ノックイン動物とは、その動物がその染色体に本来有しないポリヌクレオチド配列(すなわち遺伝子またはcDNA)が発現するように挿入されている動物をいう。制限的でない例としては、マウスにおいてそのマウスオーソログ(ortholog)を置換するために使用されるヒト遺伝子またはcDNA、マウスにおいてそのマウス遺伝子を置換するために使用されるマウスcDNA、およびマウスにおいてそのマウスオーソログまたは遺伝子を置換するために使用されるレポーター構築体でタグ付けされたヒト遺伝子またはcDNAあるいはマウスcDNAが含まれる。そのような置換は、マウスオーソログまたは遺伝子部位で、あるいは他の特定の位置で起こる。そのようなノックイン動物は、とりわけヒト薬剤ターゲットならびにそれを意図した化合物および治療タンパクのインビボの研究、試験および評価に有用である。
【0048】
5.2 NHPおよびNHPポリペプチド
NHP、NHPポリペプチド、NHPペプチドフラグメント、変異形、トランケート形もしくは欠失形のNHP、および/またはNHP融合タンパク質を、多様な用途のために調製することができる。これらの用途には、診断アッセイにおける試薬として、NHPに関連した他の細胞遺伝子生成物の同定のため、および精神的、生物学的または医学的な障害および疾病の療法処置に有用な医薬として使用できる化合物のスクリーニングのためのアッセイにおける試薬としての抗体の産生が含まれるが、これらに限定されない。
【0049】
配列表に、前記NHPコード化ポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列を開示する。それらNHPは、DNA配列コンテクストに真核性での翻訳開始部位に当たるイニシエーターメチオニン、およびNHPが分泌タンパクであるか、あるいは膜結合でありうることを示すシグナル様配列を有する。
【0050】
本発明のNHPアミノ酸配列には、配列表に示したアミノ酸配列、ならびにその類似体および誘導体が含まれる。さらに、他の種に由来する対応するNHP相同配列も本発明に包含される。事実、配列表に示したアミノ酸配列の全部またはいずれかの新規部分をコードする新規ポリヌクレオチド配列のほか、前記NHPヌクレオチド配列がコードするいかなるNHP産物も本発明の範囲に含まれる。遺伝子コードの縮重性は周知であり、したがって配列表に示した各アミノ酸はそのアミノ酸をコードしうる周知の核酸”トリプレット”コドン(または多くの場合、コドン類)の一般的代表例である。したがって、本明細書で意図するように、配列表に示したアミノ酸配列は、遺伝子コード(たとえば”Molecular Cell Biology”,1986,J.Darnellら編,p.109,表4−1参照,Scientific American Books,ニューヨーク州ニューヨーク;本明細書に参考として援用)を合わせて考慮すると、そのようなアミノ酸配列をコードしうる核酸配列の種々の変形および組合わせによるすべてのうちの一般的代表例である。
【0051】
本発明は、多数の基準のいずれかにより判定して本明細書に記載したヌクレオチド配列がコードするNHPに機能的に均等なタンパク質をも包含する。これらの基準には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:NHPの基質と結合しそして切断する能力;同一または補足的な下流経路に影響を及ぼす能力;細胞代謝(たとえばタンパク質分解活性、イオンフラックス、チロシンリン酸化など)を変化させる能力。そのような機能的に均等なNHPタンパク質には、前記NHPヌクレオチド配列がコードするアミノ酸配列内のアミノ酸残基の付加体または置換体であって、ただしサイレント変化を生じ、したがって機能的に均等な発現生成物を産生するものが含まれるが、これらに限定されない。アミノ酸置換は、関与する残基の極性、電荷、溶解度、疎水度、親水度および/または両親媒性の類似性に基づいて行うことができる。たとえば非極性(疎水性)アミノ酸残基にはアラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびメチオニンが含まれ;極性中性アミノ酸にはグリシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギンおよびグルタミンが含まれ;正に荷電した(塩基性)アミノ酸にはアルギニン、リシンおよびヒスチジンが含まれ;負に荷電した(酸性)アミノ酸にはアスパラギン酸およびグルタミン酸が含まれる。
【0052】
多様な宿主発現ベクター系を利用して、本発明のNHPヌクレオチド配列を発現させることができる。本例のように、NHPペプチドまたはポリペプチドが可溶性あるいは分泌される分子と考えられる場合は、そのペプチドまたはポリペプチドを培地から回収できる。そのような発現系には、NHPまたはその機能均等物をin situで発現する工学的に処理した宿主細胞も包含される。そのような発現系からのNHPの精製または富化は、適切な界面活性剤および脂質ミセル、ならびに当業者に周知の方法を用いて行うことができる。しかし、NHPの構造特性および機能特性を維持するだけでなく、たとえばある薬物スクリーニングアッセイにおいて生物学的活性を評価することが重要である場合、そのような工学的に処理した宿主細胞自体を使用できる。
【0053】
本発明の目的に使用できる発現系には下記のものが含まれるが、それらに限定されない:NHPヌクレオチド配列を含む組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNAもしくはコスミドDNA発現ベクターで形質転換した微生物、たとえば細菌(たとえば大腸菌(E.coli)、枯草菌(B.subtilis));NHPヌクレオチド配列を含む組換え酵母発現ベクターで形質転換した酵母(たとえばサッカロミセス(Saccharomyces)、ピチア(Pichia));NHPヌクレオチド配列を含む組換えウイルス発現ベクター(たとえばバキュロウイルス)を感染させた昆虫細胞系;NHPヌクレオチド配列を含む組換えウイルス発現ベクター(たとえばカリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)を感染させた、もしくは組換えプラスミド発現ベクター(たとえばTiプラスミド)で形質転換した植物細胞系;またはNHPヌクレオチド配列および哺乳動物細胞のゲノムに由来するプロモーター(たとえばメタロチオネインプロモーター)もしくは哺乳動物ウイルスに由来するプロモーター(たとえばアデノウイルス後期プロモーター;ワクシニアウイルス7.5Kプロモーターなど)を含む組換え発現構築体を宿した哺乳動物細胞系(たとえばCOS、CHO、BHK、239、3T3など)。
【0054】
細菌系では、発現するNHP生成物について意図する用途に応じて、多数の発現ベクターを有利に選択できる。たとえばNHPの医薬組成物またはNHP含有医薬組成物を調製するために、あるいはNHPに対する抗体を産生させるために、そのようなタンパク質を大量に製造したい場合、容易に精製される融合タンパク質生成物の高レベル発現を指令するベクターが望ましいことがある。そのようなベクターには下記のものが含まれるが、これらに限定されない:大腸菌発現ベクターpUR278(Ruther et al.,1983,EMBO J.,2:1791)、この場合、NHPコード配列を個々に、融合タンパク質が産生されるようにlacZコード領域と読み枠を一致させて、ベクター中にライゲートさせる;pINベクター(Inouye、Inouye,1985,Nucleic Acids Res.,13:3101−3109;Van Heeke、Schuster,1989,J.Biol.Chem.,264:5503−5509)など。pGEXベクター(ファルマシアまたはアメリカンタイプカルチャーコレクション)を用いて、外来ポリペプチドをグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として発現させることもできる。一般にそのような融合タンパク質は可溶性であり、溶解細胞からグルタチオン−アガロースビーズへの吸着、次いで遊離グルタチオンの存在下での溶離によって、容易に精製できる。pGEXベクターがトロンビンまたはXa因子プロテアーゼ開裂部位を含むように設計し、これにより、クローン化したターゲット発現生成物をGST部分から放出させることができる。
【0055】
昆虫系では、Autographa californica核ポリヒドローシスウイルス(nuclear polyhedrosis virus)(AcNPV)を外来ポリヌクレオチド配列発現のためのベクターとして用いる。このウイルスをSpodoptera frugiperda細胞内で増殖させる。NHPコード配列を個々にウイルスの非必須領域(たとえばポリヘドリン遺伝子)内へクローン化し、AcNPVプロモーター(たとえばポリヘドリンプロモーター)の制御下におく。NHP遺伝子コード配列の挿入に成功すると、ポリヘドリン遺伝子が不活性化され、ノンオクルーデッド(non−occluded)組換えウイルス(すなわち、ポリヘドリン遺伝子がコードするタンパク質性コートをもたないウイルス)が産生されるであろう。次いでこれらの組換えウイルスをSpodoptera frugiperda細胞の感染に用い、ここで挿入配列を発現させる(たとえばSmith et al.,1983,J.Virol.46:584;Smith,USP4,215,051参照)。
【0056】
哺乳動物宿主細胞の場合、多数のウイルス性発現系を利用できる。アデノウイルスを発現ベクターとして用いる場合、目的とするNHPヌクレオチド配列をアデノウイルス転写/翻訳制御複合体、たとえば後期プロモーターおよび三部分(tripartite)リーダー配列にライゲートさせることができる。次いでこのキメラ遺伝子をインビトロまたはインビボ組換えによりアデノウイルスゲノムに挿入する。ウイルスゲノムの非必須領域(たとえば領域E1またはE3)に挿入すると、感染宿主においてNHP遺伝子生成物を発現しうる生存可能な組換えウイルスが得られる(たとえばLogan、Shenk,1984,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:3655−3659参照)。挿入したNHPヌクレオチド配列の効率的翻訳には、特異的開始シグナルが必要なこともある。これらのシグナルには、ATG開始コドンおよび隣接配列が含まれる。それ自身の開始コドンおよび隣接配列を含む全NHP遺伝子またはcDNAを適切な発現ベクターに挿入する場合、追加の翻訳制御シグナルは必要ないかもしれない。しかしNHPコード配列の一部のみを挿入する場合、外因性翻訳制御シグナル(おそらく、ATG開始コドンを含む)を供給しなければならない。さらに、挿入配列全体を確実に翻訳するためには、開始コドンが目的コード配列の読み枠と一致しなければならない。これらの外因性翻訳制御シグナルおよび開始コドンは、天然および合成のいずれでも、多様な由来のものであってよい。適切な転写エンハンサー要素、転写ターミネーターなどを取り込ませることにより、発現効率を高めることができる(Bitter et al.,1987,Methods in Enzymol.,153:516−544参照)。
【0057】
さらに、挿入配列の発現を調節し、または発現生成物を目的とする特定の様式で修飾およびプロセシングする、宿主細胞系統を選ぶことができる。タンパク質生成物のそのような修飾(たとえばグリコシル化)およびプロセシング(たとえば開裂)は、タンパク質の機能にとって重要である。異なる宿主細胞は、タンパク質および発現生成物の翻訳後プロセシングおよび修飾について特徴的かつ特異的な機序をもつ。発現した外来タンパク質の適正な修飾およびプロセシングを確実にするために、適切な細胞系または宿主系を選ぶことができる。このために、一次転写体の適正なプロセシング、発現生成物のグリコシル化およびリン酸化のための細胞機構をもつ真核宿主細胞を使用できる。そのような哺乳動物宿主細胞にはCHO、VERO、BHK、HeLa、COS、MDCK、293、3T3、WI38、特にヒト細胞系が含まれるが、これらに限定されない。
【0058】
組換えタンパク質の長期高収率産生のためには、安定な発現が好ましい。たとえば前記NHP配列を安定に発現する細胞系を工学的に作成することができる。ウイルス複製起点を含む発現ベクターを用いるのではなく、適切な発現制御要素(たとえばプロモーター、エンハンサー配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位など)により制御されるDNA、および選択性マーカーで、宿主細胞を形質転換することができる。この外来DNAの導入後、工学的に処理した細胞を富化培地で1〜2日間増殖させ、次いで選択培地に切り替える。組換えプラスミド内の選択性マーカーが選択に対する耐性を与え、細胞はそのプラスミドを細胞の染色体に安定に組み込むことができ、増殖してフォーカスを形成する。次いでこれをクローン化し、細胞系に拡張することができる。この方法は、NHP生成物を発現する細胞系を工学的に作成するのに有利に使用できる。このような工学的に作成した細胞系は、NHP生成物の内因活性に影響を与える化合物のスクリーニングおよび評価に特に有用である。
【0059】
多数の選択系を使用でき、これには下記のものが含まれるが、これらに限定されない:単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wigler,et al.,1977,Cell,11:223)、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska、Szybalski,1962,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,48:2026)、およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowy,et al.,1980,Cell,22:817)遺伝子を、それぞれtk-、hgprt-またはaprt-細胞に使用できる。代謝拮抗物質耐性を下記の遺伝子の選択の基礎として用いることもできる:dhfr、これはメトトレキセートに対する耐性を与える(Wigler,et al.,1980,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:3567;O’Hare,et al.,1981,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,78:1527);gpt、これはミコフェノール酸に対する耐性を与える(Mulligan、Berg,1981,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,78:2072);neo、これはアミノグリコシドG−418に対する耐性を与える(Colbere−Garapin,et al.,1981,J.Mol.Biol.,150:1);およびhygro、これはハイグロマイシンに対する耐性を与える(Santerre,et al.,1984,Gene,30:147)。
【0060】
あるいは、発現する融合タンパク質に特異的な抗体を利用することにより、いかなる融合タンパク質も容易に精製できる。たとえばJanknechtらが記載した系は、ヒト細胞系において発現した非変性融合タンパク質を容易に精製できる(Janknecht,et al.,1991,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:8972−8976)。この系では、目的配列をその配列のオープンリーディングフレームが6ヒスチジン残基からなるアミノ末端タグに翻訳時融合するように、ワクシニア組換えプラスミド内へサブクローニングする。組換えワクシニアウイルスを感染させた細胞からの抽出物をNi2+・ニトリロ酢酸−アガロースカラムに装填し、ヒスチジンタグ付きタンパク質をイミダゾール含有緩衝液で選択的に溶離する。
【0061】
本発明には、NHPをターゲット臓器へ向かわせ、および/または膜を透過して細胞質ゾル内への輸送を促進する融合タンパク質が含まれる。抗体分子またはそのFabフラグメントへのNHPの結合は、特定のエピトープを保有する細胞をターゲティングするのに利用できる。適切なシグナル配列をNHPに結合させると、NHPを細胞内の目的位置へ輸送することもできる。あるいは、NHPまたはその核酸配列のターゲティングは、リポソームまたは脂質複合体をベースとする送達系を用いて達成することもできる。そのような技術は、Liposomes:A Practical Approach,New R.R.C.編、オックスフォード大学出版社、ニューヨーク、およびUSP4,594,595、5,459,127、5,948,767および6,110,490に記載されており、それらの各開示内容全体を本明細書に援用する。更に本発明には、新規なタンパク質構築体であって、NHPがそれらの機能活性を発揮することができる細胞膜および/または核を通過して、ターゲット部位あるいは目的臓器へのNHPの輸送を容易にするように作成したものも包含される。この目標は、NHPのターゲティング特異性を与えるサイトカインあるいは他のリガンドとのカップリングによって、および/または必要であれば細胞膜透過容易にするためにタンパク形質導入ドメイン(そのような形質導入配列の例として米国仮特許出願60/111,701および60/056,713を参照。これらを参照として本明細書に援用する。)とNHPをカップリングすることにより達成され、核局所化シグナルを含むように作成することができる。
【0062】
さらに本発明に含まれるのは、配列表に最初に開示されたアミノ酸配列にて調製されるオリゴペプチドである。そのようなNHPオリゴペプチドは、一般的に約10〜約100アミノ酸長、または約16〜約80アミノ酸長、あるいは約20〜約35アミノ酸長であり、またはそれらのサイズの変形または組み合せであって、配列表に最初に開示された連続領域を含むものである。そのようなNHPオリゴペプチドは、上述の範囲の長さのいずれであってもよく、配列表に示されるどのアミノ酸からも始まることができる。
【0063】
本発明には、“実質的に単離された”または“実質的に純粋な”タンパクまたはポリペプチドを含む。“実質的に単離された”または“実質的に純粋な” タンパクまたはポリペプチドによって意味されるタンパクまたはポリペプチドは、それが自然に伴っている成分の少なくともいくつかから分離されているものである。典型的には、インビボで自然に伴っているタンパクおよび他の天然有機分子が除去され、重量で少なくとも60%であれば、そのタンパクまたはポリペプチドは実質的に単離され、または実質的に純粋である。好ましくは、調製物の純度が少なくとも重量にて75%、またより好ましくは少なくとも90%、および最も好ましくは少なくとも99%である。実質的に単離された、または実質的に純粋なタンパクまたはポリペプチドは、たとえば天然物からに抽出、そのタンパクまたはポリペプチドをコードする組換え核酸の発現によって、あるいはそのタンパクまたはポリペプチドの化学合成によって得ることができる。
【0064】
純度は、例えばそのタンパクまたはポリペプチドに特異的な抗体を使用したイムノアフィニティークロマトグラフィーのようなカラムクロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、またはHPLC分析などの適当な方法によって測定することができる。それが自然の状態において伴っている不純物の少なくともいくつかから分離されている場合は、そのタンパクまたはポリペプチドは自然に伴っている成分を実質的に含まない。このように、化学合成され、またはそれが自然に生成する細胞とは異なった細胞系により生産されるポリペプチドも、定義上自然に伴った成分を実質的に含まないものである。従って、実質的に単離された、または実質的に純粋なタンパクまたはポリペプチドは、大腸菌、他の原核生物、または他の生物であって本来的にはそれらを合成しないもので合成された真核性タンパクも含む。
【0065】
5.3 NHP生成物に対する抗体
NHPの1以上のエピトープ、またはNHPの保存バリアントのエピトープ、またはNHPのペプチドフラグメントを特異的に認識する抗体も、本発明に包含される。そのような抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAb)、ヒト化またはキメラ抗体、一本鎖抗体、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fab発現ライブラリーにより産生されるフラグメント、抗イディオタイプ(抗−Id)抗体、および前記のいずれかのエピトープ結合性フラグメントが含まれるが、それらに限定されない。
【0066】
本発明の抗体は、たとえば生物試料中のNHPの検出に使用でき、したがって患者を異常な量のNHPについて調べる診断法または予後判定法の一部として使用できる。そのような抗体を、たとえば化合物スクリーニング法と組み合わせて、後記のようにNHP発現生成物の発現および/または活性に対する被験化合物の作用を評価するのにも利用できる。さらに、そのような抗体を遺伝子療法と組み合わせて用い、たとえば正常および/または工学的に処理したNHP発現細胞を患者に導入する前に評価することができる。そのような抗体をさらに、異常なNHP活性の阻害手段として使用できる。したがって、そのような抗体を処置方法の一部として利用できる。
【0067】
抗体産生のためには、NHP、NHPペプチド(たとえばNHPの機能性ドメインに対応するもの)、トランケート形NHPポリペプチド(1以上のドメインを欠失したNHP)、NHPの機能均等物、またはNHPの変異バリアントを注射することにより、種々の宿主動物を免疫化することができる。数例を挙げると、そのような宿主動物にはブタ、ウサギ、マウス、ヤギおよびラットが含まれるが、これらに限定されない。宿主の種に応じて、免疫応答を高めるために種々のアジュバントを使用でき、これにはフロイントアジュバント(完全および不完全)、無機塩、たとえば水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウム、キトサン、界面活性物質、たとえばリゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油エマルション、ならびに潜在的に有用なヒトアジュバント、たとえばBCG(Bacille Calmette−Guerin)およびCorynebacterium parvumが含まれるが、これらに限定されない。あるいは、キーホールリンペット(keyhole limpet)ヘモシアニン、破傷風毒素、ジフテリア毒素、卵アルブミン、コレラ毒素、またはそのフラグメントなどの分子との組合わせおよび/または結合により、免疫応答を高めることができる。ポリクローナル抗体は免疫化動物の血清から得られる不均一な抗体分子集団である。
【0068】
特定の抗原に対する均一な抗体集団であるモノクローナル抗体は、連続した培養細胞系により抗体分子を産生するいかなる方法によっても得ることができる。これらには下記の方法が含まれるが、これらに限定されない:KohlerおよびMilsteinのハイブリドーマ法(1975,Nature,256:495−497;およびUSP4,376,110)、ヒトB細胞ハイブリドーマ法(Kosbor et al.,1983,Immunology Today,4:72;Cote et al.,1983,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80:2026−2030)、およびEBV−ハイブリドーマ法(Cole et al.,1985,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss社,pp.77−96)。そのような抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、IgDおよびそのいずれかのサブクラスを含めた、いかなる免疫グロブリンクラスであってもよい。本発明のmAbを産生するハイブリドーマをインビトロまたはインビボで培養することができる。インビボで高力価のmAbを産生できるので、これは現在好ましい産生方法である。
【0069】
さらに、”キメラ抗体”(Morrison et al.,1984,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851−6855;Neuberger et al.,1984,Nature,312:604−608;Takeda et al.,1985,Nature,314:452−454)の産生のために開発された、適切な抗原特異性をもつマウス抗体分子からの遺伝子を適切な生物学的活性をもつヒト抗体分子からの遺伝子とスプライシングすることによる方法を使用できる(USP6,075,181および5,877,397参照。それらの各開示内容全体を本明細書に援用する。)。キメラ抗体は、異なる部分が異なる動物種に由来する分子、たとえばネズミmAb由来の可変部とヒト免疫グロブリン定常部をもつものである。そのような技術はUSP5,877,397;6,075,181および6,150,584に記載されており、それらの各開示内容全体を本明細書に援用する。
【0070】
あるいは、一本鎖抗体の産生のために記載された方法(USP4,946,778;Bird,1988,Science,242:423−426;Huston et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85:5879−5883;およびWard et al.,1989,Nature,341:544−546)を、NHP発現生成物に対する一本鎖抗体の産生に適合させることができる。一本鎖抗体は、Fv部のH鎖およびL鎖フラグメントをアミノ酸橋により結合させて一本鎖ポリペプチドにすることにより形成される。
【0071】
特異的エピトープを認識する抗体フラグメントは、既知の方法で形成できる。たとえばそのようなフラグメントには、抗体分子のペプシン消化により調製できるF(ab’)2
フラグメント、およびF(ab’)2フラグメントのジスルフィド橋を還元することにより調製できるFabフラグメントが含まれるが、これらに限定されない。あるいは、Fab発現ライブラリーを構築して(Huse et al.,1989,Science,246:1275−1281)、目的とする特異性をもつモノクローナルFabフラグメントを迅速かつ容易に同定することができる。
【0072】
次いでNHPに対する抗体を使用し、当業者に周知の方法を用いて、そのNHPを”模倣”する抗イディオタイプ抗体を産生させることができる(たとえばGreenspan、Bona,1993,FASEB J.7(5):437−444;およびNisonoff,1991,J.Immunol.,147(8):2429−2438参照)。たとえば、NHPドメインに結合してNHPがそのコグネイト受容体に結合するのを競合阻害する抗体を用いて、NHPを”模倣”する、したがって受容体に結合および活性化または中和する、抗イディオタイプ抗体を産生させることができる。そのような抗イディオタイプ抗体またはそのような抗イディオタイプ抗体のFabフラグメントは、NHPシグナリング経路(NHP signaling pathway)が関与する療法に使用できる。
【0073】
さらに、哺乳動物NHPの高い類似性ゆえに、本願で述べているノックアウトマウス(NHPを有しておらず、従ってNHPに寛容ではない)は、前記哺乳動物NHPに対しての抗体の産生に適用することができる(すなわち、NHPはNHPノックアウト動物において免疫原性である)というユニークな有用性を有する。
【0074】
本発明の範囲は本明細書に記載した具体的態様により限定されない。これらの態様は本発明の個々の態様を説明するために示したにすぎず、機能的に均等な方法および成分は本発明の範囲に含まれる。実際に、本明細書に例示および記載したもののほか本発明の種々の変更が、以上の記載および添付の図面から当業者に明らかになるであろう。そのような変更も本発明の範囲に含まれる。引用した刊行物、特許および特許出願の全体を本明細書に援用する。

Claims (7)

  1. 配列番号:2および配列番号:4からなる群から得られるアミノ酸配列をコードする単離ポリヌクレオチド。
  2. (a)配列番号:2に示すアミノ酸配列をコードし;かつ
    (b)ストリンジェントな条件下で配列番号:1のヌクレオチド配列またはその相補配列にハイブリダイズする
    ヌクレオチド配列を含む、単離cDNA分子。
  3. 配列番号:2に示すアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む、単離組換え発現ベクター。
  4. 配列番号:2に示すアミノ酸配列を含む、実質的に単離されたタンパク。
  5. 配列番号:4に示すアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む、単離組換え発現ベクター。
  6. 請求項3の発現ベクターを含む細胞。
  7. 請求項5の発現ベクターを含む細胞。
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