JP4428846B2 - 六角形セグメントの組立方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は小口径のシールド掘削機によって掘削されたトンネル掘削壁面に六角形セグメントをトンネル周方向に順次千鳥状に組み立てながらトンネル覆工を築造していく六角形セグメントの組立方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、シールド掘削機によって掘削された掘削壁面に複数個の六角形セグメントをトンネル周方向に組み立てゝトンネル覆工を構築する場合、トンネル周方向に対向する六角形セグメントの前後傾斜端面部同士を交互に千鳥状に接合、連結することによって前半部がトンネル長さ方向に突出させたセグメント間にセグメントの後半部が嵌合可能な台形状の空間部を形成しながらトンネル覆工を構築し、周方向に千鳥状に連結したセグメントの前端面によって形成している該トンネル覆工の凹凸前端面にシールド掘削機の推進ジャッキを当接させて伸長させることによりトンネルを掘進している。
【0003】
このようなトンネル覆工の構築において、シールド掘削機が大口径であって大径のトンネルを掘削する場合には、6個以上の偶数個の六角形セグメントをトンネル周方向に組み合わせることにより1リング分のトンネル覆工部を形成しているが、小口径のシールド掘削機によって直径が3000mm以下の小径トンネルを掘削し、その掘削壁面にトンネル周方向に湾曲した平面六角形状のセグメントをトンネル周方向に順次千鳥状に組み合わせて接合、連結させながらトンネル覆工を築造していく場合、1リング分のトンネル覆工部を2個の六角形セグメントで形成することは不可能であるので、4個の六角形セグメントを周方向に千鳥状に組み合わせることにより形成されることになる。
【0004】
このように、トンネル周方向に4分割してなる六角形セグメントを、例えば、トンネル掘削壁面に対して上下左右となる位置にトンネル周方向に千鳥状に組み合わせた場合、上下2個のセグメントの前半部が前方に突出した状態では、トンネル掘削壁面の左右両側においてこれらのセグメントのトンネル周方向に対向した前半部側の傾斜端面とこれらのセグメント間に配設している左右のセグメントの前端面とで新設すべき六角形セグメントの後半部が嵌合可能な台形状の空間部が形成され、これらの台形状空間部に新設の六角形セグメントの後半部を嵌合させると、該六角形セグメントの前半部が上下側の上記既設セグメントの前端面から突出した状態となって、上下側に上記同様に新設すべき六角形セグメントの後半部が嵌合可能な台形状の空間部が形成される。
【0005】
そして、シールド掘削機が六角形セグメントのトンネル長さ方向に幅の半幅、即ち、前半部の幅に等しい距離だけ掘進する毎に、トンネル掘削壁面の上下或いは左右側に形成される上記台形状の空間部に新設セグメントを組立てていくものである。
【0006】
一方、シールド掘削機においては、1個の六角形セグメントに対して少なくとも2本の推進ジャッキが配設されているが、これらの推進ジャッキを周方向に不均等な配置状態にすると推進時に六角形セグメントにかかる荷重に偏りが生じてシールド掘削機の掘進方向が不安定となるので、シールド掘削機のスキンプレート内に周方向に等間隔毎に配設されている。そして、1つの台形状空間部に新設セグメントの後半部を嵌合させて組み立てる際には、この台形状空間部に露出している既設六角形セグメントの前端面以外の他の既設六角形セグメントの前端面に推進ジャッキを当接させておき、上記台形状空間部に対向する推進ジャッキを収縮させてその空間部を利用してセグメントの組立作業を行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、6個以上の六角形セグメントによって1リング分のトンネル覆工部を形成する大径のトンネルの場合にはシールド掘削機が大口径であるので、台形状空間部を挟むように隣接する推進ジャッキ間の間隔を六角形セグメントのトンネル長さ方向の円弧長、即ち、両側のV字状傾斜端面の先端間の長さよりも大きく設定できるが、4個の六角形セグメントによって1リング分のトンネル覆工部を形成するための小径トンネルを掘削する上記小口径シールド掘削機においては、台形状空間部を挟むように隣接する推進ジャッキ間の間隔が六角形セグメントの両側V字状傾斜端面の先端間の長さよりも小さく設定されているので、六角形セグメントの両側V字状傾斜端面をトンネル周方向に向けた状態でエレクターにより把持して上記台形状空間部内に組み込もうとしても、上記推進ジャッキが六角形セグメントの台形状空間部への送り込みの障害物となって組立作業が行えないという問題点が生じる。
【0008】
また、六角形セグメントをシールド掘削機の後方側においてエレクタで把持して組立位置まで搬入する際においても、トンネル掘削機の機内が狭いので、搬入するためのクリアランスが極めて小さくなり、その搬入作業も困難となる等の問題点がある。
【0009】
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、小口径のシールド掘削機によって掘削された小径トンネルに4個の六角形セグメントによって1リング分のトンネル覆工部を形成する際に、推進ジャッキに邪魔されることなく六角形セグメントの組み込みを円滑且つ能率よく行えるようにした六角形セグメントの組立方法を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の六角形セグメントの組立方法は、請求項1に記載したように、前後端面が互いに平行に形成され且つこれらの前後端面のトンネル長さ方向に対向した両側端間をV字状の傾斜端面に形成してなる平面六角形状のセグメントを4個、トンネル周方向に隣接する六角形セグメントの前側傾斜端面部と後側傾斜端面部とを互いに接合させながら千鳥状に組み合わせることによって1リング分のトンネル覆工部を組立てると共にこのトンネル覆工部における前端面の所定部位にシールド掘削機の推進ジャッキの推進反力を支持させてシールド掘削機を推進させ、且つ上記トンネル覆工部における前半部がトンネル長さ方向に突出した六角形セグメント間によって形成された台形状空間部に新たな六角形セグメントの後半部を順次、嵌合させることによってトンネル覆工を築造していく六角形セグメントの組立方法において、六角形セグメントを、その両側のV字状傾斜端面における一方の前側傾斜端面部と他方の後側傾斜端面部とがトンネル長さ方向に略平行となるように該六角形セグメントの中心回りに捻回させた状態で上記台形状空間部に向かって供給し、この台形状空間部内に後半部が達したのちに該六角形セグメントを上記と逆方向に捩回させてその前後端面をトンネル周方向に指向させ、この状態で後半部を台形状空間部に嵌合させて既設の六角形セグメントに連結することを特徴とするものである。
【0011】
上記六角形セグメントの組立方法において、請求項2に係る発明は、新設すべき六角形セグメントを台形状空間部内に嵌合させる際に、この台形状空間部を介してトンネル周方向に隣接する既設の六角形セグメント前端面に推進ジャッキを当接させて推進反力を支持させていることを特徴とする。
【0012】
【作用】
小口径のシールド掘削機によって掘削したトンネル掘削壁面に4個の六角形セグメントを周方向に千鳥状に連結しながら組み立てることによって1リング分のトンネル覆工部を形成すると共に、新規な六角形セグメントを組み立てるべき台形状の空間部を除く他の既設六角形セグメントの前端面に推進ジャッキを当接させた状態でエレクタにより上記台形状空間部にまで六角形セグメントを送り込み、該台形状空間部にその後端部を嵌合、連結させることによって組み込む。次いで、次の台形状空間部に上記同様にして六角形セグメントを送り込んで組み立てると共にこの作業を推進ジャッキの伸長によって一定長のトンネルを掘進する毎に繰り返し行ってトンネル覆工を築造していく。
【0013】
このトンネル覆工の築造時において、台形状空間部に六角形セグメントを送り込む時に、該台形状空間部を挟むようにして隣接した既設六角形セグメントの前端面に当接している推進ジャッキ間の間隔が六角形セグメントの両側のV字状傾斜端面における先端間の長さよりも狭いために、V字状傾斜端面をトンネル周方向に向けた状態では推進ジャッキが障害物となって該六角形セグメントを上記台形状空間部に送り込むことができない。
【0014】
そのため、六角形セグメントを台形状空間部に送り込む前に、この六角形セグメントをその中心回りに平面方向に捻回させてその両側のV字状傾斜端面における一方のV字状傾斜端面の前側傾斜端面部と他方のV字状傾斜端面の後側傾斜端面部とがトンネル長さ方向に略平行となるように送り込み姿勢を変化させる。そうすると、これらの傾斜端面部間の長さが上記台形状空間部を挟んで配設されている推進ジャッキ間の間隔よりも短くなり、この状態でこれらの推進ジャッキ間を通過させたのち、今度は上記とは逆方向に捻回させてその両側のV字状傾斜端面をトンネル長さ方向に指向させたのち、台形状空間部内にその六角形セグメントの後半部を組み込むものである。
【0015】
台形状空間部に組み込むべき六角形セグメントを上記のように、その両側のV字状傾斜端面における一方のV字状傾斜端面の前側傾斜端面部と他方のV字状傾斜端面の後側傾斜端面部とがトンネル長さ方向に略平行となるように捻回させた姿勢とするには、エレクタにおけるエレクタヘッドの中心部に装着している掴持具により六角形セグメントの中央部を把持させたのちその掴持具を軸心回りに所定角度だけ回動させることによって行ってもよく、或いはトンネル後方からエレクタに向かって搬入する際に、予め、上記姿勢に変えておき、この姿勢のままエレクタヘッドの掴持具により掴持させてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1において、スキンプレートの外径が2480mmの小口径のシールド掘削機1によって小径のトンネルTを掘進すると共に一定長のトンネルを掘削する毎にそのトンネル掘削壁面tに沿って六角形セグメント2を、4個の六角形セグメント2によってトンネル掘削壁面tを一周する1リング分のトンネル覆工部3Aを形成するように、順次、周方向に接合、連結することによってトンネル覆工3を形成していく。
【0017】
上記六角形セグメント2は鉄筋コンクリート製又は鋼製であって、周知のように、トンネル周方向に湾曲した平面六角形状に形成されてあり、図2に示すようにその前後端面21、22をトンネル周方向に互いに平行で且つ同一長さに形成していると共にこれらの前後端面21、22のトンネル長さ方向に対向した両側端間をトンネル周方向に突設したV字状の傾斜端面2A、2Bに形成してなるものであり、V字状傾斜端面2A、2Bはそれぞれ前後傾斜端面部23、24及び25、26とから形成されている。
【0018】
小口径の上記シールド掘削機1は本体である円筒形状のスキンプレートを前胴11と後胴12とに分割してあり、前胴11の前端開口部にカッタ板13を配してこのカッタ板13の回転中心軸14を該前胴11の前端部に一体に設けている隔壁17に回転自在に支持させていると共に隔壁17の背面に配設した駆動モータ15によって該カッタ板13を回転駆動するように構成している。さらに、上記前胴11と後胴12との対向端部の内周面複数個所間、例えば、上下左右の4個所間を中折れジャッキ16によって連結していると共に後胴12の前部内周面に周方向に設けたリブ18に、トンネル周方向に組立てた各六角形セグメント2の前端面両側部にそれぞれ対応させた2本を一組とする8本の推進ジャッキ4をトンネル周方向に所定間隔毎に装着している。なお、推進ジャッキ4は3本を1組として各六角形セグメント2に対応させておいてもよい。
【0019】
上記カッタ板13によって掘削された土砂を後方に排出する排出手段は、前端開校部をカッタ板13と隔壁17間で形成された土砂取込室19内に臨ませているスクリューコンベアからなる傾斜コンベア5Aと、この傾斜コンベア5Aの後端に前端開口部を連結、連通させている同じくスクリューコンベアからなる水平コンベア5Bとからなり、この水平コンべア5Bの後端から排出される土砂をトンネル内に配設したベルトコンベア5Cによって後方に搬出するように構成している。
【0020】
外周部に上記推進ジャッキ4を装着させているリブ18の中心部には、後方に向かって上記後胴12の後端部まで水平に突出した固定筒体6の前端部を固着させてあり、この固定筒体6に回転筒7を回転自在に被嵌していると共に該回転筒7にエレクタ8を前後移動自在に装着している。このエレクタ8は回転筒7に対して回転不能状態で前後方向にのみ摺動自在に被嵌したの摺動筒8bの両側部に図3に示すように、伸縮ジャッキ9a、9aを装着してこれらの伸縮ジャッキ9a、9aによってエレクタヘッド8Aを上下動自在に吊支していると共に中心部に六角形セグメント2の凹円弧状面の中心に突設している突片27を掴持する掴持具9bをその掴持部中心線回りに回転自在に装着し、この掴持具9bの周囲の数個所に上記六角形セグメント2の突片27の周囲の湾曲面上に圧接させる振れ止めジャッキ9cを装着してなるものである。
【0021】
さらに、エレクタヘッド8Aと上記掴持具9b間に該掴持具9bを回転させる角度修正ジャッキ9dを連結していると共に上記回転筒7の前端両側部と摺動筒8Bの両側部間をスライドジャッキ9e、9eによって連結して該スライドジャッキ9e、9eを伸縮させることによって摺動筒8Bを固定筒体6に沿って前後に移動させるように構成している。また、図1に示すように、エレクタヘッド8Aと摺動筒8Bとの間にエレクタヘッド8Aを掴持具9bを支点として上下、前後に揺動調整するための微調整ジャッキ9f、9gを介在させている。
【0022】
また、上記回転筒7の前端外周面に歯車7aを固着してこの歯車7aに上記リブ18に装着している駆動モータ10の回転軸に固着したピニオン10a を噛合させ、駆動モータ10により回転筒7を回転させてエレクタヘッド8Aをトンネル軸心回りに旋回させるように構成している。
【0023】
一方、トンネルT内には、図4に示すように、六角形セグメント2を後方から前方部にまで搬入するセグメント台車30がトンネルT内を往復走行可能に配設されていると共にそのセグメント台車30による搬入終端からシールド掘削機1の後胴12の後端に至る間のトンネル内底面にはセグメントキャリア31が敷設されてあり、このセグメントキャリア31上にセグメント搬入台32を往復走行自在に配設していると共にセグメントキャリア31の後部とセグメント台車30による搬入終端部間とにおけるトンネルTの天壁面には、セグメント台車30からセグメント搬入台32上に六角形セグメントを移載させるための走行クレーンよりなる吊込装置33が配設されている。また、上記セグメントキャリア31の前端には、図1に示すように、ジャッキ34を伸縮させることによって前後方向に移動するセグメント送り込み台35が設けられている。
【0024】
このように構成したセグメント供給手段によってトンネル掘削機1の後胴12内の上記エレクタ8の下方にまで送り込まれた六角形セグメント2は、エレクタ2によって掴持されてトンネル周方向に順次、組み立てられるものであるが、その際、図2に示すように、4個の六角形セグメント2をトンネル長さ方向の幅の半分だけ前後方向に交互にずらしながらトンネル周方向に千鳥状に組み合わせて1リング分のトンネル覆工部を形成するように順次組み立てていくものである。
【0025】
従って、トンネル周方向に組立てられた1リング分のトンネル覆工部3Aは、トンネル周方向に1つおきの六角形セグメント2の台形状の前半部が前方(トンネル長さ方向)に突出していると共に、これらの六角形セグメント2、2の対向する前側の傾斜端面部23、25とこれらの六角形セグメント2、2の後側傾斜端面部24、26に前側傾斜端面部23、25を接合させている六角形セグメント2の前端面21とによって新たな六角形セグメント2の台形状後半部が嵌合可能な台形状の空間部Cが形成された構造となり、さらに、台形状前半部が前方に突出させている六角形セグメント2、2が例えば、トンネルの上下方向に位置する場合に、台形状空間部C、Cはトンネルの両側に設けられた構造となる。
【0026】
そして、上記台形状空間部Cに次の六角形セグメント2の後半部を組み込んで接合、連結するのであるが、この新設六角形セグメント2をエレクタ8によって台形状空間部C側に送り込む際に、六角形セグメント2を、大径のトンネル覆工施工時のように、その両側V字状傾斜端面2A、2Bの先端をトンネル周方向に向けた姿勢にすると、図6、図7に示すように、両側V字状傾斜端面2A、2Bの先端間の長さが、上記台形状空間部Cを挟むようにしてこの台形状空間部Cの両側に設けている六角形セグメント2、2の前端面側部に当接した推進ジャッキ4、4間の間隔よりも大きくなり、従って、推進ジャッキ4、4が台形状空間部Cに対する六角形セグメント2の送り込みを妨害して該台形状空間部Cの上記姿勢では台形状空間部Cに組み込むことができない。
【0027】
このため、台形状空間部Cに送り込む前に、該六角形セグメント2の姿勢を、図8、図9に示すように該六角形セグメント2の中心回り、即ち、前後端面21、22の中央間を結ぶ線とV字状傾斜端面2A、2Bの先端間を結ぶ線とが交差する点を中心として一方のV字状傾斜端面側が前方に、他方のV字状傾斜端面側が後方に小角度だけ捻回させて一方のV字状傾斜端面2Aの前側傾斜端面部23と他方のV字状傾斜端面2Bの後側傾斜端面部26とがトンネル長さ方向に略平行となる姿勢に変化させる。そうすると、これらの傾斜端面部23、26間の長さが上記推進ジャッキ4、4間の間隔よりも小さくなるので、エレクタ8により掴持された該六角形セグメント2をこれらの推進ジャッキ4、4間の間隔を通過させて台形状空間部C側に送り込むことができる。なお、六角形セグメント2は、上記と逆方向に同一角度だけ捻回させてもよい。
【0028】
六角形セグメント2に対する上記のような捻回は、該六角形セグメント2をトンネル後方からシールド掘削機1に搬入する途上において行ってもよく、搬入後、エレクタ8によって行ってもよい。
【0029】
六角形セグメント2の上記姿勢の変更を搬入途上において行う場合には図4、図5に示すようにトンネル後方からセグメント台車30によって六角形セグメント2をセグメントキャリア31まで搬送したのち、該セグメント台車30上の六角形セグメント2を走行クレールよりなる吊込装置33によって吊り上げてセグメントキャリア31上に配設したセグメント搬入台32上に移載させる時に、作業員が吊込装置33のワイヤロープ33a によって吊支されている六角形セグメント2をそのワイヤーロープ回りに小角度だけ捻回させて上記姿勢にし、その状態でセグメント搬入台32上に吊り下ろす。
【0030】
しかるのち、このセグメント搬入台32をシールド掘削機1の後端部まで走行させてセグメントキャリア31の前端側に配置しているセグメント送り込み台35上に乗り上げ、該送り込み台35をジャッキ34により前方に移動させて上載している上記六角形セグメント2をエレクタ8の下方にまで送り込み、上記捻回した姿勢を保持したまま、エレクタ8のヘッド8aに掴持させるものである。
【0031】
一方、エレクタ8によって六角形セグメント2を上記姿勢、即ち、一方のV字状傾斜端面2Aの前側傾斜端面部23と他方のV字状傾斜端面2Bの後側傾斜端面部26とがトンネル長さ方向に略平行となる姿勢にするには、両側V字状傾斜端面2A、2Bの先端をトンネル周方向に向けた姿勢のままエレクタ8の下方にまで六角形セグメント2を搬入したのち、エレクタ8の両側伸縮ジャッキ9a、9aを伸張させることにより該エレクタ8のヘッド8Aの掴持具9bによって六角形セグメント2の凹円弧状面の中心に突設している突片27を掴持させ、しかるのち、伸縮ジャッキ9a、9aを収縮させることによりエレクタヘッド8Aを持ち上げると共に該掴持具9bを角度修正ジャッキ9dを伸縮させて六角形セグメント2を掴持具9bを中心として平面方向に小角度、回動させることによって行うものである。なお、掴持具9bによる六角形セグメント2の突片27の掴持は、この突片27に設けている孔と掴持具9bに設けている孔とを合致させてこれらの孔間にピンを挿通することにより行われる。
【0032】
こうして、一方のV字状傾斜端面2Aの前側傾斜端面部23と他方のV字状傾斜端面2Bの後側傾斜端面部26とがトンネル長さ方向に略平行となる姿勢でもって、エレクタヘッド8Aの掴持具9bによって掴持された六角形セグメント2を、伸縮ジャッキ9a、9aを収縮させることによってトンネル内径方向に持ち上げた状態で駆動モータ10を駆動することにより回転筒7を回転させて該六角形セグメント2を組み立てるべき上記台形状空間部Cの前方側にまで旋回動させる。
【0033】
次いで、エレクタヘッド8Aを前進させて六角形セグメント2の後半部を台形状空間部Cの位置まで送り込み、伸縮ジャッキ9a、9aを伸長させることによって該六角形セグメント2を台形状空間部Cの両側の既設六角形セグメント2、2の前端面における対向する側端部に当接している推進ジャッキ4、4間を通じて台形状空間部Cに向かって進入させる。この際、六角形セグメント2が推進ジャッキ4、4間を通過したのち、角度修正ジャッキ9dを作動させて六角形セグメント2を掴持具9b回りにその両側のV字状傾斜端面2A、2Bがトンネル周方向に向いた姿勢となるまで小角度、回動させながら、該六角形セグメント2の後半部を台形状空間部C内に嵌め込むと共にスライドジャッキ9e、9eを伸長させることによって六角形セグメント2の後端面22と後側傾斜端面部24、26とを台形状空間部Cを形成している既設六角形セグメント2の前端面21とこの既設六角形セグメント2の両側の既設六角形セグメント2、2の前側傾斜端面部23、25とに接合させる。
【0034】
この際、微調整ジャッキ9f、9gを作動させて六角形セグメント2の上記後端面22と後側傾斜端面部24、26とを既設の六角形セグメントの前端面21と前側傾斜端面部23、25とに全面的に正確に接合させる。しかるのち、該六角形セグメント2を既設の六角形セグメント2にボルト(図示せず)によって連結する。
【0035】
上記のように六角形セグメント2の後半部を台形状空間部Cに組み込む作業時においては、この台形状空間部Cの底面を形成する既設六角形セグメント2の前端面21に対応した2本の推進ジャッキ4、4は収縮して前方に待機しており、その他の推進ジャッキ4はそれぞれ対応する既設六角形セグメント2の前端面21に当接させている。そして、六角形セグメント2の組み込み作業中においては、シールド掘削機1によるトンネルTの掘進を停止させておいてもよいが、シールド掘削機1を停止させることなく、六角形セグメント2を順次、組立てることによってトンネル覆工3を構築していくこともできる。その組立方法を次に述べる。
【0036】
図10は4個の六角形セグメント2によって1リング分のトンネル覆工部3Aを組み立てたトンネル覆工3の一部の展開図であって、このトンネル覆工部3Aにおける1個所の台形状空間部Cに次に組み立てるべき六角形セグメント2'(斜線で示す)の後半部を組み込んでいる状態を示す。この状態においては、台形状空間部Cの底面を形成している既設の六角形セグメント2を除いて、他の3個の六角形セグメント、即ち、前半部を前方に突出させている2個の六角形セグメント2、2と、これらの六角形セグメントと共にもう一つの台形状空間部Cを形成している1個の六角形セグメント2との前端面21の両側部には推進ジャッキ4、4が当接した状態となっており、少なくとも前半部を前方に突出させた六角形セグメント2、2に当接している推進ジャッキ4を伸長させることによってトンネルを掘進している。
【0037】
新設の六角形セグメント2'を組み込むべき台形状空間部Cにおいては、推進ジャッキ4、4は前方に収縮していて台形状空間部Cにセグメントが組立可能な空間部を形成してあり、この空間部に上述したようにエレクタ8によって六角形セグメント2'を、その一方のV字状傾斜端面2Aの前側傾斜端面部23と他方のV字状傾斜端面2Bの後側傾斜端面部26とがトンネル長さ方向に略平行となる姿勢でもって送り込み、該新設の六角形セグメント2'の後半部が両側の既設六角形セグメント2、2の前端面に当接している推進ジャッキ4、4間を通過して台形状空間部Cの内方位置に達した時に、角度修正ジャッキ9dを作動させて六角形セグメント2'を掴持具9b回りにその両側のV字状傾斜端面2A、2Bがトンネル周方向に向いた姿勢となるまで小角度、回動させると共に伸縮ジャッキ9a、9aを伸長させることによって該六角形セグメント2'の後半部を台形状空間部C内に嵌め込み、スライドジャッキ9e、9eを伸長させることによって六角形セグメント2'の後端面22と後側傾斜端面部24、26とを図11に示すように、台形状空間部Cを形成している既設六角形セグメント2の前端面21とこの既設六角形セグメント2の両側の既設六角形セグメント2、2の前側傾斜端面部23、25とに接合させると共にボルトにより連結するものである。このように六角形セグメント2'を空間部Cに組み立てると該六角形セグメント2'の台形状前半部が前方に突出した状態となる。
【0038】
次いで、この六角形セグメント2'の前端面に推進ジャッキ4、4を伸長、当接させてシールド掘削機1に推進力を付与する一方、図12に示すように次の台形状空間部Cに対向している推進ジャッキ4、4を収縮させて該台形状空間部C内に上記同様にして新設すべき六角形セグメント2'の後半部を嵌合させ、その後端面22と後側傾斜端面部24、26を該空間部Cを形成している既設の六角形セグメントの前端面21と前側対向傾斜端面部23、25に接合して連結する。以下、同様にシールド掘削機1を停止させることなく掘進させながら新設の六角形セグメント2を台形状空間部Cに組み込むことによって掘削壁面tにトンネル覆工3を構築していくものである。
【0039】
【発明の効果】
以上のように本発明の六角形セグメントの組立方法によれば、4個の六角形セグメントをトンネル周方向に千鳥状に組立てることによって前半部を前方に突出させた六角形セグメント間に台形状の空間部を形成しながら1リング分のトンネル覆工部を築造すると共に、前半部を前方に突出させた六角形セグメント間で形成される台形状空間部に順次六角形セグメントを組み込んでいくことによってトンネル覆工を築造している六角形セグメントの組立方法において、新設すべき六角形セグメントを、その両側のV字状傾斜端面における一方の前側傾斜端面部と他方の後側傾斜端面部とがトンネル長さ方向に略平行となるように該六角形セグメントの中心回りに捻回させた状態で上記台形状空間部に向かって供給し、この台形状空間部内に後半部が達したのちに該六角形セグメントを上記と逆方向に捩回させてその前後端面をトンネル周方向に指向させ、この状態で後半部を台形状空間部に嵌合させて既設の六角形セグメントに連結することを特徴とするものであるから、トンネル掘削機の推進ジャッキに邪魔されることなく六角形セグメントをトンネル周方向に隣接する推進ジャッキ間を通過させて組み込むべき台形状空間部にまで円滑に送り込むことができ、六角形セグメントによる小径のトンネル覆工を確実且つ能率よく築造することができるものである。
【0040】
さらに、請求項2に係る発明によれば、新設すべき六角形セグメントを台形状空間部内に嵌合させる際に、この台形状空間部を介してトンネル周方向に隣接する既設の六角形セグメント前端面に推進ジャッキを当接させて推進反力を支持させるので、トンネル掘削機による掘進を連続的に行いながら、六角形セグメントの組立作業が行えてトンネル覆工の作業効率を著しく向上させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トンネル覆工を構築中のシールド掘削機の簡略縦断側面図。
【図2】 六角形セグメントによるトンネル覆工の構築状態を示す一部の簡略斜視図。
【図3】 エレクタ部分の背面図。
【図4】 六角形セグメントの搬入手段を配設しているトンネル部分の簡略縦断側面図。
【図5】 六角形セグメントの搬入途上でその姿勢を変更する状態を示す縦断正面図。
【図6】 姿勢を変えずに組立位置に送り込んだ状態の簡略正面図。
【図7】 その簡略展開平面図。
【図8】 姿勢を変えて組立位置に送り込んだ状態の簡略正面図。
【図9】 その簡略展開平面図。
【図10】 六角形セグメントの組み込み状態を示すトンネル覆工部の展開図。
【図11】 組み立てた状態を示すトンネル覆工部の展開図。
【図12】 次の六角形セグメントの組み込み状態を示すトンネル覆工部の展開図。
【図13】 組み立てた状態を示すトンネル覆工部の展開図。
【符号の説明】
1 シールド掘削機
2 六角形セグメント
2A、2B V字状傾斜端面
3 トンネル覆工
4 推進ジャッキ
6 固定筒体
7 回転筒
8 エレクタ
8A エレクタヘッド
8B 摺動筒
9a 伸縮ジャッキ
9b 掴持具
T トンネル
Claims (2)
- 前後端面が互いに平行に形成され且つこれらの前後端面のトンネル長さ方向に対向した両側端間をV字状の傾斜端面に形成してなる平面六角形状のセグメントを4個、トンネル周方向に隣接する六角形セグメントの前側傾斜端面部と後側傾斜端面部とを互いに接合させながら千鳥状に組み合わせることによって1リング分のトンネル覆工部を組立てると共にこのトンネル覆工部における前端面の所定部位にシールド掘削機の推進ジャッキの推進反力を支持させてシールド掘削機を推進させ、且つ上記トンネル覆工部における前半部がトンネル長さ方向に突出した六角形セグメント間によって形成された台形状空間部に新たな六角形セグメントの後半部を順次、嵌合させることによってトンネル覆工を築造していく六角形セグメントの組立方法において、六角形セグメントを、その両側のV字状傾斜端面における一方の前側傾斜端面部と他方の後側傾斜端面部とがトンネル長さ方向に略平行となるように該六角形セグメントの中心回りに捻回させた状態で上記台形状空間部に向かって供給し、この台形状空間部内に後半部が達したのちに該六角形セグメントを上記と逆方向に捩回させてその前後端面をトンネル周方向に指向させ、この状態で後半部を台形状空間部に嵌合させて既設の六角形セグメントに連結することを特徴とする六角形セグメントの組立方法。
- 新設すべき六角形セグメントを台形状空間部内に嵌合させる際に、この台形状空間部を介してトンネル周方向に隣接する既設の六角形セグメント前端面に推進ジャッキを当接させて推進反力を支持させていることを特徴とする請求項1に記載の六角形セグメントの組立方法。
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