JP4428685B2 - 半導体膜の形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体膜の形成方法に関し、特に、非単結晶絶縁膜上または非単結晶絶縁基板上に形成された非晶質または多結晶等の半導体膜にエネルギーを加えて、結晶方位が制御された結晶性の半導体膜を得る結晶性半導体膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、基板に形成された非単結晶絶縁膜上または非単結晶絶縁基板上に非晶質または多結晶等の半導体膜を形成し、この半導体膜にエネルギーを加えることにより結晶化させる方法が知られている。この方法を用いて、結晶方位が制御された結晶性の半導体膜を得るためには、非晶質等の半導体膜中に不規則な核発生が生じることを抑制し、結晶方位が制御された結晶核を種結晶として結晶成長させることが重要である。
【0003】
特開2000−150377号公報(以下、従来例1と称する)には、図12に示すように、絶縁基板上に形成された非晶質半導体膜1を、一部にくびれ部1aを有する島状にパターニングした後、パルスレーザービーム2を島状の非晶質半導体膜1のくびれ部1a側から順次照射しながら走査して、くびれ部1aにて発生した結晶核を種結晶として、島状の非晶質半導体膜1の全体を多結晶あるいは単結晶の結晶性半導体膜に結晶化する方法が開示されている。
【0004】
米国特許第4,576,676号(以下、従来例2と称する)には、図13に示すように、基板10上に形成された多結晶シリコン膜11の薄膜化された領域に、ゾーンメルティング法の加熱部を走査する方向に対して直交する方向の長さが小さく形成されたくびれ部11aを形成し、薄膜化されたシリコン膜11を一定方向に加熱して溶融することにより結晶化する方法が開示されている。この従来例2では、溶融による結晶化方向に対して、結晶方位を選択する結晶方位フィルター12の後に溶融方向に対して直交する方向の長さ寸法が小さく形成されたくびれ部11aを通過させることにより、単一の結晶粒のみが選択される。
【0005】
また、特開平10−41234号公報(以下、従来例3と称する)には、シリコン層上に紫外線パルスレーザービームを照射しながら走査し、レーザービームの照射位置を順次ずらしていくことにより、シリコン層をレーザービームの照射位置から順次結晶化する方法が開示されている。図14(a)〜(c)には、従来例3の結晶性シリコン薄膜の形成方法を工程毎に説明する断面図を示している。この従来例3の方法では、まず、図14(a)に示すように、石英からなる基板20上にSiN膜21を成膜した後、SiN膜21上にSiOからなる基体22を成膜し、次いで、基体22上に非晶質のシリコン層23を成膜する。次に、図14(b)に示すように、基体22上に形成された非晶質のシリコン層23に紫外線ビームをパルス状にて照射する。この紫外線ビームの照射完了後に、矢印Aに示す方向に基板を移動させる。1回の紫外線ビームの照射では、図中Sで示される領域が照射され、次の照射時には、基板が所定距離移動することにより、図中Tで表される距離だけずれて紫外線が照射される。そして、この基板の移動により次回の紫外線照射で照射されない領域ですでに結晶化が進められた領域の結晶シリコンを種結晶として非晶質シリコンの結晶化が進む。そして、このような紫外線ビームの照射を基板の全面に対して行うことにより、図14(c)に示すように非晶質シリコン膜の全体が結晶化されて結晶性シリコン層24となる。この操作により結晶化された結晶性シリコン層24には、複数の結晶粒25が含まれ、各結晶粒25の間には、それぞれ結晶粒界26が存在する。基板上の結晶性シリコン層24は、各結晶粒25の中央部分で低く、各結晶粒界26の部分で高くなっている。この従来例3の結晶化方法を用いると、結晶化されるシリコン層の結晶方位が選択的に略〈100〉になる結晶性シリコン薄膜24が得られる。
【0006】
また、Appl.Phys.Lett.Vol.41,No.8,pp.747〜749(以下、従来例4と称する)には、図15に示すように、基板上に形成されたSi膜に対して、一端において幅方向の寸法が狭小になる狭小形状が形成された複数の島状パターン31(図面では、簡単のため一つのみを表記している)を形成し、レーザービームを矢印Bに示すように島状パターンのSi膜の幅方向に直交する方向に走査する方法が開示されている。この従来例4の方法を用いると、Si膜中の狭小形状にて形成された結晶シリコンを種結晶として、島状パターンの全体が単一の結晶性を有する結晶性シリコン膜とされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来例1の結晶化方法では、くびれ部1aで発生した結晶核を種結晶として島状の半導体膜1の全体が単結晶化されるが、基板上には、必要な半導体装置の数に応じて、複数の島状の半導体膜のパターンを形成するのが通常であり、従来例1の方法では、各島状の半導体膜1のそれぞれのくびれ部1aで発生する結晶核の結晶方位を制御することはできず、発生する結晶核の結晶方位が各島状の半導体膜のくびれ部1a毎にランダムになるため、この結晶核を種結晶として形成される各島状の半導体膜1の結晶方位も、各島毎にそれぞれ異なるものとなる。
【0008】
上記の従来例2では、ゾーンメルティング法を用いており、基板温度が過度に上昇する。このため、ガラス基板等の軟化点が低い安価な基板を用いることができない。
【0009】
上記の従来例3では、結晶化されたシリコン層24における結晶粒25の基体22の表面に対する結晶方位は、選択的に略〈100〉方位になる。しかしながら、シリコン薄膜の面内の結晶方位は制御されないため、面内方位が異なる1μm以下の多数の微小な結晶粒が基板面の全体にわたって敷き詰められた状態になる。
【0010】
上記の従来例4では、パターニングした島状のSi膜31の中央部に、レーザービームの移動方向に沿った細長い単結晶の領域が得られるが、他の領域は、多結晶の状態で残ったままになる。
【0011】
上記に説明したように、従来例1〜4の結晶化方法では、いずれの場合においても、膜面に平行な結晶面が揃っており、且つ、各結晶粒の結晶方位が揃った結晶性の半導体膜を得ることはできない。
【0012】
このような膜面に平行な結晶面、及び結晶方位の双方が揃っていない結晶性の半導体膜を用いて液晶ドライバー、半導体メモリー、半導体論理回路等の半導体装置(例えば、トランジスタ)を作製した場合、キャリアの移動度が小さい、閾値電圧が大きい等の問題が生じ、さらに、液晶ドライバー等に多数形成された各半導体装置のキャリアの移動度、閾値電圧のバラツキが各半導体装置間で大きくなるという問題もある。
【0013】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、膜面に平行な結晶面が揃っており、且つ、各結晶粒の膜面に平行な結晶方位も揃っている結晶性半導体膜の形成方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の半導体膜の形成方法は、基板上に形成された半導体膜に、該半導体膜を溶融するエネルギーを付与し、溶融後の結晶化により結晶成長させて結晶性半導体膜とする結晶化工程を包含する半導体膜の形成方法であって、該結晶化工程は、該結晶化工程を行う前の半導体膜の所定の領域に、特定のエネルギー密度のエネルギービームを照射して、結晶面が膜面に平行に優先配向した結晶半導体を形成する結晶半導体形成工程と、該結晶半導体を種結晶として、該半導体膜を溶融するエネルギービームを所定の方向に走査しながら照射して、特定の結晶方位が該エネルギービームの走査方向に沿うように結晶成長させる結晶成長工程とを包含し、該結晶半導体形成工程におけるエネルギービームの照射により、膜面に平行な結晶面が{100}面の結晶半導体が発生し、該結晶成長工程におけるエネルギービームを走査しながら照射することにより、膜面に平行な結晶面が{100}面であり、且つ、該エネルギービームの走査方向に沿って〈001〉方位である結晶粒が形成されることを特徴とするものである。
【0021】
上記本発明の半導体膜の形成方法において、前記結晶半導体形成工程に用いられるエネルギービームのエネルギー密度は、350〜390mJ/cm あることが好ましい。
【0023】
上記本発明の半導体膜の形成方法において、前記結晶化工程を行う前に、前記基板上に形成された半導体膜を、前記結晶成長工程におけるエネルギービームを走査しながら照射することにより成長される複数の結晶粒から一つの結晶粒を選択するための選択領域を有するようにパターニングする選択領域形成工程をさらに包含することが好ましい。
【0024】
上記本発明の半導体膜の形成方法において、前記選択領域形成工程により形成される選択領域は、前記結晶半導体形成工程での結晶半導体を形成する種結晶形成領域を含む第一領域と、前記結晶成長工程の後に半導体装置として用いられる第二領域とを連結するように配置され、前記エネルギービームの走査方向に直交する方向が狭小になった連結領域であることが好ましい。
【0025】
上記本発明の半導体膜の形成方法において、前記選択領域形成工程により形成される選択領域は、前記結晶半導体形成工程での結晶半導体を形成する種結晶形成領域を含む第一領域と、前記結晶成長工程の後に半導体装置として用いられる第二領域とを連結するように配置され、前記エネルギービームの走査方向に直交する方向が狭小になった連結領域であり、前記結晶成長工程は、該第一領域から該連結領域を経て該第二領域に至る方向とは異なる方向にエネルギービームを走査して、前記種結晶形成領域の複数の結晶半導体を成長させる第一のエネルギービーム照射工程と、該第一領域から該連結領域を経て該第二領域に至る方向にエネルギービームを走査して、第一領域の第一のエネルギービーム照射工程により形成された複数の結晶粒から一つを選択して、該連結領域を経て該第二領域に結晶成長させる第二のエネルギービーム照射工程とからなることが好ましい。
【0026】
上記本発明の半導体膜の形成方法において、前記第一のエネルギービーム照射工程によるエネルギービームの走査方向は、前記第二のエネルギービーム照射工程によるエネルギービームの走査方向に概略直交していることが好ましい。
【0027】
上記本発明の半導体膜の形成方法において、前記選択領域形成工程により形成される選択領域は、前記結晶半導体形成工程での結晶半導体を形成する種結晶形成領域を含む第一領域と、前記結晶成長工程の後に半導体装置として用いられる第二領域とが、前記結晶成長工程でのエネルギービームの走査方向に沿って一部において接している連結領域であることが好ましい。
【0028】
上記本発明の半導体膜の形成方法において、前記連結領域は、前記第一領域から前記連結領域を経て前記第二方向に走査されるエネルギービームの走査方向に直交する幅方向が0.05μm以上、5μm以下であることが好ましい。
【0029】
上記本発明の半導体膜の形成方法において、前記連結領域は、前記第一領域から前記連結領域を経て前記第二方向に走査されるエネルギービームの走査方向に直交する幅方向が0.05μm以上、20μm以下であることが好ましい。
【0030】
上記本発明の半導体膜の形成方法において、前記連結領域は、前記第一領域から前記連結領域を経て前記第二方向に走査されるエネルギービームの走査方向に沿う長さが、20μm以下であることが好ましい。
【0031】
上記本発明の半導体膜の形成方法において、前記半導体膜は、シリコン材料であることが好ましい。
【0032】
上記本発明の半導体膜の形成方法において、前記結晶形成工程に用いられるエネルギービームのエネルギー密度は、前記半導体膜の膜厚の全体が溶融するエネルギー密度に達しない範囲に設定されることが好ましい。
【0033】
上記本発明の半導体膜の形成方法において、前記結晶成長工程に用いられるエネルギービームのエネルギー密度は、前記半導体膜の膜厚の全体が溶融するエネルギー密度以上に設定されることが好ましい。
【0034】
上記本発明の半導体膜の形成方法において、前記結晶成長工程に用いられるエネルギービームのエネルギー密度は、前記結晶形成工程に用いられるエネルギー密度より大きいことが好ましい。
【0035】
上記本発明の半導体膜の形成方法において、前記結晶形成工程に用いられるエネルギービームはパルス状エネルギービームであることが好ましい。
【0036】
上記本発明の半導体膜の形成方法において、前記結晶成長工程に用いられるエネルギービームはパルス状エネルギービームであることが好ましい。
【0037】
上記本発明の半導体膜の形成方法において、前記結晶形成工程に用いられるパルス状のエネルギービームのエネルギー密度分布は、そのピーク位置が、前回のパルス状のエネルギービームの照射領域の内部に位置するように設定されることが好ましい。
【0038】
上記本発明の半導体膜の形成方法において、前記結晶形成工程に用いられるパルス状のエネルギービームの1回の照射毎の移動量は、10μmより小さくなるように設定されることが好ましい。
【0039】
また、本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体膜の形成方法により形成された半導体膜を用いたものである。
【0040】
また、本発明のディスプレイ装置は、上記本発明の半導体装置を備えたものである。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0042】
ここで、本明細書の記載において、{hkl}または(hkl)は、結晶の結晶面を表わしているが、{hkl}と表記した場合には、h、k、lを互いに入れ替え、または正負の符号を変更しても等価である場合を示しており、個々の結晶面を区別して表記する場合は、(hkl)として表している。また、〈hkl〉または[hkl]は、結晶方位を表しているが、〈hkl〉と表記した場合には、h、k、lを互いに入れ替えた場合、正負の符号を変更したも等価である場合を示しており、個々の結晶面を区別して表記する場合は、[hkl]として表している。
【0043】
本発明は、非晶質半導体膜に対して、特定のエネルギー密度範囲のエネルギービームを照射すると、その膜面に平行に特定の結晶面が優先的に配向した結晶が形成されることに着目してなされたものである。
【0044】
図10は、ガラス基板上に形成された50nmの厚さを有する非晶質シリコン膜に対して、種々のエネルギー密度のエキシマレーザー光を照射して、結晶化された結晶性シリコン膜の面内の結晶方位をX線対称反復回折を用いて評価したグラフである。
【0045】
図10に示すグラフにおいて、縦軸の規格化強度は、結晶性シリコン膜に対してX線を照射したときの回折強度を無配向のSiパウダーに対してX線を照射したときの回折強度で除算することによって求めており、規格化強度が大きい程、その面の配向が強いことを意味している。また、立方晶のSi結晶のX線回折では、{100}面及び{200}面の回折は消滅則のため観測されないため、{100}面の配向は、{400}の回折ピークとして観察される。
【0046】
図10に示すグラフを参照すると、380mJ/cm近傍のエネルギー密度のレーザー光を非晶質シリコン膜に照射すると、膜面に平行に{100}面に配向した結晶性シリコン膜が優先的に得られることが明らかになっている。非晶質シリコン膜に照射されるレーザー光のエネルギー密度が低過ぎる場合には、半導体膜の溶融が不足し、逆にエネルギー密度が高過ぎる場合には、半導体膜が下層に達する界面まで溶融し、いずれの場合にも、膜面に平行に{100}面が優先的に配向した膜が得られないということが考えられる。
【0047】
一方、半導体膜に対して、特定のエネルギー密度範囲及び移動速度の範囲でレーザーを照射しながら移動させると、レーザー光の移動方向に沿って、結晶方位が優先的に配向するという現象が発生する。半導体膜としてシリコンを用いた場合には、この結晶方位は略〈001〉方位になる。
【0048】
したがって、基板上に形成された非晶質等の所定の領域に対して、上記の380mJ/cm付近のエネルギー密度のレーザー光を照射すれば、この領域には、膜面に平行に{100}面が優先配向した結晶シリコンが発生される。そして、この領域で発生された結晶シリコンを種結晶として、特定のエネルギー密度範囲及び移動速度範囲で、レーザー光を照射しながら所定の方向に走査して、非晶質シリコン膜の全面にわたって結晶化を進める。このような結晶化により得られる結晶性のシリコン膜は、膜面に平行な結晶面が略{100}になり、且つ、レーザー光の走査方向に沿って結晶方位が略〈001〉方位になる。
【0049】
特定のエネルギー密度のレーザー光を照射して種結晶を形成した領域では、膜面に平行に{100}面が優先して配向するが、他の膜面に平行に他の結晶面が配向した結晶粒も一部に形成される。しかし、これらの結晶粒は安定ではなく、レーザー光を照射しながら走査することにより横方向に結晶成長させる際に安定して結晶成長することがなく、結果的に、膜面に平行な結晶面が略{100}である結晶粒が成長した結晶性シリコン膜でシリコン膜の全体が占められることになる。
【0050】
このようにして形成された、膜面に平行な結晶面が略{100}面であり、且つ、結晶方位がエネルギービームの移動方向に沿って略〈001〉である結晶性シリコン膜は、エネルギービームの走査方向に沿って長い細長い結晶粒で敷き詰められた状態となるが、各結晶粒の結晶方位の相違が微小であるため、この半導体膜を用いて半導体装置を製造した場合に、結晶粒界がその半導体装置のデバイス特性に及ぼす影響は小さい。
【0051】
また、このような半導体膜の形成方法において、膜面に平行に{100}面が優先的に配向した種結晶を形成するための半導体膜の領域と、トランジスタ等の半導体装置を形成するための領域との間に、レーザー光を走査して種結晶を成長させるときに種結晶から成長する複数の結晶粒のうちの一つだけを選択するための領域を設け、この領域にて選択された一つの結晶粒に基づいて半導体装置となる領域が結晶化するようにすれば、膜面に平行な結晶面が略{100}面であり、且つ、エネルギービームの移動方向に沿って略〈001〉方位であることに加えて、さらに、結晶粒界のない単結晶からなる結晶性の半導体膜を得ることができる。
【0052】
具体的には、種結晶を形成するための領域で成長した複数の結晶粒のうちの一つを選択するための領域として、レーザー光の走査方向に直交する方向の寸法が狭小になったくびれ領域がパターニングにより設けられる。このようなくびれ領域を設ければ、種結晶から成長した複数の結晶粒は、結晶の成長方向に直交する方向に狭小になったくびれ領域を通過する際に、一つの結晶粒が選択される。
【0053】
また、上記の複数の結晶粒のうちの一つを選択するための領域としては、半導体膜を、レーザー光の走査方向が屈曲される屈曲領域を設けてもよい。このような屈曲領域が設けられていれば、種結晶から成長する複数の結晶粒のうち一つだけが屈曲領域を通過して、一つの結晶粒が選択される。
【0054】
また、上記の複数の結晶粒のうちの一つを選択するための領域としては、種結晶を形成するための領域と、半導体装置を形成するための領域とが、一部分において互いに接するように配置して、この接する部分を両領域を連結する連結部とするようにしてもよい。このような連結部が設けられていれば、種結晶から成長する複数の結晶粒のうち一つだけが連結部を通過して、一つの結晶粒が選択される。
【0055】
以上に説明したようにして得られる膜面に平行な結晶面が略{100}面に制御され、且つ、エネルギービームの移動方向に沿って略〈001〉方位になっており、さらに、結晶粒界のない単結晶により形成された結晶性半導体膜を用いて半導体装置を製造すれば、その装置特性の向上を図ることができる。例えば、半導体装置としてトランジスタを製造すると、キャリア移動度を大きくすることができ、また、閾値電圧を小さくすることが可能である。さらに、同一基板上に複数のトランジスタを製造した場合に、各トランジスタ間の特性のバラツキを小さくすることが可能である。
【0056】
以下、本発明の結晶性半導体膜の形成方法の具体的な形態について、図面に基づいて説明する。
【0057】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1の結晶性半導体膜の形成方法を説明する斜視図である。以下の説明では、シリコン膜を半導体膜の例として説明する。
【0058】
本実施の形態1の結晶性半導体膜の形成方法では、まず、TEOS(テトラエトキシシラン)ガス及びOガスを用いたプラズマCVD(化学気相成長)法によって、ガラス基板等の絶縁基板41上の全面にわたってSiO膜42を200nmの膜厚に均一に形成し、続いて、Siガス及びHガスを用いたプラズマCVD法によって、SiO膜42上の全面にわったって非晶質シリコン膜43を50nmの膜厚に形成する。
【0059】
次に、非晶質シリコン膜43における一部の領域を種結晶形成領域44として、380mJ/cmのパルス状エキシマレーザー光を繰り返して照射する。このパルス状エキシマレーザー光の照射により、種結晶形成領域44に、{100}面が膜面に平行に優先配向した結晶シリコンが発生する。
【0060】
次に、種結晶形成領域44に発生した結晶シリコンを種結晶として非晶質シリコン膜の全面を結晶化するためのレーザー光Cを、非晶質シリコン膜の表面に対して、図1に矢印Dに示すように、一定方向に走査させながら照射する。本実施の形態1では、このレーザー光Cとして、エネルギー密度が450mJ/cmのパルス状エキシマレーザー光を用い、レーザー光の移動方向に沿う長さが2μm(非晶質シリコンを溶融できる長さが2μmである)とする矩形状のレーザースポットとした。このレーザー光Cを、種結晶形成領域44上を走査の開始位置として、1回のパルス状エキシマレーザー光の照射毎に0.5μmずつ移動しながら照射する。このように、パルスレーザー光を照射しながら一定方向に走査することにより、種結晶形成領域44に発生した結晶シリコンを種結晶として、レーザー光の走査方向に沿った横方向に結晶粒が成長する。このようにして成長した結晶粒は、種結晶が有する結晶面の性質を引き継いで成長するので、{100}面が膜面に平行に優先的に配向する。また、結晶方位は、パルスレーザー光の移動方向に沿って略〈001〉となる。したがって、本実施の形態1の結晶性半導体膜の形成方法により形成された結晶性シリコン膜は、膜面に平行な結晶面及び結晶方位が共に全面にわたって揃った結晶性のシリコン膜となり、このように形成された結晶性シリコン膜を用いれば、特性に優れた半導体装置を形成することができる。
【0061】
(実施の形態2)
図2は、本実施の形態2の結晶性半導体膜の形成方法を説明する斜視図である。以下の説明では、シリコン膜を半導体膜の例として説明する。
【0062】
本実施の形態2の結晶性半導体膜の形成方法では、まず、実施の形態1の結晶性半導体膜の形成方法と同様にして、ガラス基板等の絶縁基板51上に200nmの膜厚のSiO膜52及び50nmの膜厚の非晶質シリコン膜53を順次堆積する。本実施の形態2の結晶性半導体膜の形成方法では、続いて、CFガス及びOガスを用いたRIE法を用いて、非晶質シリコン膜53をエッチングし、図2に示すように、第一領域54及び第二領域55と、この第一及び第二領域54及び55の間に、幅方向寸法が狭小になっている連結領域56を有するようにパターニングする。本実施の形態2では、連結部56の寸法として、長手方向の寸法Lが10μm、幅方向の寸法Wが1μmの長さとした。
【0063】
次に、前述の実施の形態1の結晶性半導体膜の形成方法と同様にして、非晶質シリコン膜53の第一領域54の一部の領域を種結晶形成領域57として、この種結晶形成領域57に対して、380mJ/cmのパルス状エキシマレーザー光を繰り返して照射する。このパルス状エキシマレーザー光の照射により、種結晶形成領域57には、{100}面が膜面に平行に優先的に配向した結晶シリコンが発生する。
【0064】
次に、種結晶形成領域57に発生した結晶シリコンを種結晶として非晶質シリコン膜53の全面を結晶化するためのレーザー光Cを、非晶質シリコン膜53の第一領域54から連結領域56を介して第二領域55に順に照射されるように走査させながら照射する。本実施の形態2では、このレーザー光Cとして、エネルギー密度が450mJ/cmのパルス状エキシマレーザー光を用い、レーザ光の移動方向に沿う長さが2μmとする矩形状のレーザースポットとした。このレーザー光Cを、種結晶形成領域57上を走査の開始位置として、1回のパルス状エキシマレーザー光の照射毎に0.5μmずつ移動させながら照射する。このように、パルスレーザー光Cを照射しながら一定方向に走査することにより、種結晶形成領域57に発生した結晶シリコンを種結晶として、レーザー光の走査方向に沿った横方向の結晶粒が成長する。このようにして成長した結晶粒は、種結晶が有する結晶面の性質を引き継いで成長するので、{100}面が膜面に平行に優先的に配向する。また、結晶方位は、パルスレーザー光の移動方向に沿って、略〈001〉となる。したがって、本実施の形態2の結晶性半導体膜の形成方法により形成された結晶性半導体膜は、膜面に平行な結晶面及び結晶方位が共に揃った結晶性のシリコン膜となる。さらに、本実施の形態2では、パルスレーザー光Cの走査により進められる結晶化が、第一領域54から連結領域56を通過する際に、図3に示すように、種結晶形成領域57にて発生した結晶シリコンに基づいて成長する複数の結晶粒のうちから一つが選択されて、第二領域55では、選択された一つの結晶粒に基づいて結晶化が進む。この結果、第二領域55は、単結晶により形成された単結晶領域となる。以上のように形成された本実施の形態2の結晶性シリコン膜は、連結領域56を経た第二領域55において、膜面に平行な結晶面及び結晶方位が揃っており、さらに、結晶粒界のない単結晶により形成されるので、この領域の結晶性シリコン膜を用いれば、特性に優れた半導体装置を形成することができる。
【0065】
(実施の形態3)
図4(a)〜(c)は、それぞれ、本実施の形態3の結晶性半導体膜の形成方法を説明する斜視図である。なお、以下の説明では、シリコン膜を半導体膜の例として説明する。
【0066】
本実施の形態3の結晶性半導体膜の形成方法では、まず、実施の形態1の結晶性半導体膜の形成方法と同様にして、ガラス基板等の絶縁基板61上に200nmの膜厚のSiO膜62及び50nmの膜厚の非晶質シリコン膜63を順次形成する。本実施の形態3の結晶性半導体膜の形成方法では、続いて、実施の形態2の結晶性半導体膜の形成方法と同様に、CFガス及びOガスを用いたRIE法によって、非晶質シリコン膜63をエッチングする。本実施の形態3では、{100}面が膜面に平行に優先配向した種結晶となる結晶シリコンを形成するための第一領域64と、結晶化の後に半導体装置として使用される第二領域65とが形成され、第一領域64及び第二領域65との間に形成される連結領域66によって第一領域64及び第二領域65が連結されるようにパターニングされる。第一領域64及び第二領域65は、絶縁基板61の長手方向及び長手方向に直交する幅方向にそれぞれ所定の寸法を有するように形成され、第一領域64及び第二領域65を連結する連結領域66は、長手方向に直交する幅方向の寸法が狭小になるように形成される。本実施の形態3では、連結領域66を、絶縁基板の長手方向に直交する幅方向の寸法Wが2μm、長手方向の長さ寸法Lが10μmの大きさになるように形成した。
【0067】
連結領域66に対する第一領域64及び第二領域65のそれぞれの位置関係は任意でよく、図4(a)〜(b)では、連結領域66に対する第一領域64及び第二領域65の位置関係の例をそれぞれ示しており、図4(a)では、第一領域64及び第二領域65は、絶縁基板61の幅方向において同一側の各端部側で連結領域66に連結しており、図4(b)では、第一領域64及び第二領域65は、絶縁基板61の幅方向の異なる側の各端部で連結領域66に連結している。図4(c)では、第一領域64は、一端部において連結領域66に連結しており、第二領域65は、幅方向中間部で連結領域66に連結している。
【0068】
次に、前述の実施の形態1の結晶性半導体膜の形成方法と同様にして、非晶質シリコン膜63の第一領域64の一部を種結晶形成領域67として、この種結晶形成領域67に対して、380mJ/cmのパルス状エキシマレーザー光を繰り返して照射する。このパルス状エキシマレーザー光の照射により、種結晶形成領域67には、{100}面が膜面に平行に優先的に配向した結晶シリコンが発生する。本実施の形態3では、このパルス状エキシマレーザーは、絶縁基板61の長手方向に沿って長い矩形状のビームスポットとされ、これにより、パルス状エキシマレーザーを照射することにより形成される種結晶形成領域67もパルス状エキシマレーザ光の矩形状のビームスポットに対応して、絶縁基板61の長手方向に沿って長い矩形状となる。
【0069】
次に、種結晶形成領域67に発生した結晶シリコンを種結晶として非晶質シリコン膜63の全面を結晶化するためのレーザー光を照射する。本実施の形態3では、種結晶形成領域67を有する第一領域64内において絶縁基板61の幅方向に沿って(矢印Fの方向)走査する1回目のレーザー光Eの照射を行い、続いて、第一領域64で成長した結晶粒を、連結領域66を介して第二領域65に成長させるための2回目のレーザー光Gの照射を絶縁基板61の長手方向に沿って行う(矢印Hの方向)。したがって、1回目のレーザー光Eの照射の走査方向と2回目のレーザー光Gの走査方向とは互いに概略垂直になっている。種結晶形成領域67にて発生された種結晶である結晶シリコンは、1回目のレーザー光Eの照射により絶縁基板61の幅方向に沿って結晶成長され、2回目のレーザー光Gの照射により絶縁基板61の長手方向に沿って結晶成長されるので、連結領域67は、結晶の成長方向が屈曲した領域となる。したがって、この連結領域67は、結晶の成長方向が屈曲する屈曲領域となっている。本実施の形態3では、1回目及び2回目のレーザー光として、エネルギー密度が450mJ/cmのパルス状エキシマレーザーを用い、レーザー光の移動方向に沿う長さが2μmとなる矩形状のビームスポットとした。
【0070】
1回目のレーザー光Eの照射は、第一領域64内の種結晶形成領域67上を走査の開始位置として、1回のパルス状エキシマレーザー光の照射毎に0.5μmずつ移動させながら第一領域64の端部まで照射する。このように、パルスレーザー光を照射しながら、絶縁基板61の幅方向に沿って走査することにより、種結晶形成領域67に発生した結晶シリコンを種結晶として、レーザー光の走査方向である絶縁基板61の幅方向に沿った横方向の結晶粒が成長する。このようにして成長した結晶粒は、種結晶が有する結晶面の性質を引き継いで成長するので、{100}面が膜面に平行に優先的に配向する。また、結晶方位は、パルスレーザー光Eの走査方向である幅方向に沿って、略〈001〉となる。1回目のパルスレーザー光を照射した後に行われる2回目のレーザー光Gの照射では、第一領域64から連結領域66を経て第二領域65に向けてパルスレーザー光を走査する。これにより、1回目のレーザービームEの照射により種結晶形成領域67の種結晶から成長された結晶粒に基づいて、2回目のレーザー光Gの走査方向に沿った横方向の結晶粒が成長する。このようにして成長した結晶粒は第一領域64に成長された結晶粒の結晶面の性質を引き継いで成長するので、{100}面が膜面に平行に優先的に配向する。
【0071】
絶縁基板61の幅方向に沿って走査する1回目のレーザー光Eの照射により成長した結晶粒は、膜面に平行な結晶面が略{100}面であり、レーザー光の走査方向である幅方向に略〈001〉の結晶方位になっている。2回目のパルスレーザー光Gは絶縁基板61の長手方向に沿って走査され、1回目のパルスレーザー光Eの走査方向とは略垂直になっている。このため、2回目のパルスレーザー光Gの走査方向は、結晶粒の他の〈001〉方位に対応する。すなわち、面内に平行な結晶面を{100}面、1回目のパルスレーザー光の走査方向である絶縁基板61の幅方向を[001]方位とすると、2回目のパルス状エキシマレーザー光の走査方向は、[010]方位となる。
【0072】
2回目のパルスレーザー光を照射しながら絶縁基板61の長手方向に走査すると、図5(a)〜(c)にそれぞれ示すように、第一領域64にて結晶成長された複数の結晶粒のうち、最も連結領域66に近い結晶粒が選択され、この結晶粒を種結晶としてパルスレーザー光の走査方向に沿って結晶成長が進み、連結領域66を経た第二領域65では、連結領域66にて選択された結晶粒がパルスレーザー光の走査方向に沿って成長し、第二領域65の全体が、選択された結晶粒に基づいた単結晶領域となる。ここで、シリコン結晶の[010]方位もパルス状エネルギービームの走査方向に揃いやすくなっているので、第二領域65に成長された結晶粒の結晶方位は、略[010]方位となる。以上のように形成された本実施の形態3の結晶性シリコン膜は、連結領域66を経た第二領域65において、膜面に平行な結晶面及び結晶方位が揃っており、さらに、結晶粒界のない単結晶により形成される。本実施の形態3では、1回目及び2回目のレーザー光の走査方向が互いに概略垂直になっており、これにより、結晶の成長方向が連結領域66で屈曲される。そして、連結領域66を通過し得る結晶粒として、1回目のレーザー光照射で成長された結晶粒のうち、連結部に最も近傍する結晶粒が選択される。このため、本実施の形態3では、レーザ光の走査方向に直交する方向の寸法が狭小になったくびれ部で結晶粒を選択する実施の形態2よりも、単一の結晶粒を選択することを確実に行うことができる。したがって、本実施の形態3の結晶性半導体膜の形成方法により形成された結晶性半導体膜を用いれば、より一層特性に優れた半導体措置を形成することができる。
【0073】
(実施の形態4)
図6は、本実施の形態4の結晶性半導体膜の形成方法を説明するための斜視図である。なお、以下の説明では、シリコン膜を半導体膜の例として説明する。
【0074】
本実施の形態4の結晶性半導体膜の形成方法では、まず、実施の形態1の結晶性半導体膜の形成方法と同様にして、ガラス基板等の絶縁基板71上に200nmの膜厚のSiO膜72及び50nmの膜厚の非晶質シリコン膜73を順次形成する。本実施の形態4の結晶性半導体膜の形成方法では、続いて、実施の形態2の結晶性半導体膜の形成方法と同様にして、CFガス及びOガスを用いたRIE法を用いて、非晶質シリコン膜73をエッチングする。本実施の形態4では、{100}面が膜面に平行に優先配向した種結晶となる結晶シリコンを形成するための第一領域74と、結晶化の後に半導体装置として使用される第二領域75とが形成され、この第一領域74及び第二領域75が、一部分において互いに接している連結領域76が形成されるようにパターニングされる。第一領域74及び第二領域75は、絶縁基板71の長手方向及び長手方向に直交する幅方向にそれぞれ所定の寸法を有するように形成され、第一領域74及び第二領域75が接することにより形成される連結領域76は、絶縁基板71の長手方向に沿って所定の長さにわたって接するように形成される。本実施の形態4では、接触する長さDを2μmとした。
【0075】
次に、前述の実施の形態1の結晶性半導体膜の形成方法と同様にして、非晶質シリコン膜73の第一領域74を種結晶形成領域77として、この種結晶形成領域77に対して、380mJ/cmのパルス状エキシマレーザー光を繰り返して照射する。このパルス状エキシマレーザー光の照射により、種結晶形成領域77には、{100}面が膜面に平行に優先的に配向した結晶シリコンが発生する。
【0076】
次に、種結晶形成領域77に発生した結晶シリコンを種結晶として非晶質シリコン膜73の全面を結晶化するためのレーザー光Iを、非晶質シリコン膜73の第一領域74から第二領域75に向けて順に照射しながら走査する。本実施の形態4では、このレーザー光Iとして、エネルギー密度が450mJ/cmのパルス状エキシマレーザー光を用い、レーザー光Iの移動方向に沿う長さが2μmとする矩形状にレーザースポットを形成した。このレーザー光Iを種結晶形成領域77上を走査の開始位置として、1回のパルス状エキシマレーザー光の照射毎に矢印Jの方向に、0.5μmずつ移動させながら照射する。このように、パルスレーザー光Iを照射しながら一定方向に走査することにより、種結晶形成領域77に発生した結晶シリコンを種結晶として、レーザー光の走査方向に沿った横方向の結晶粒が成長する。このようにして成長した結晶粒は、種結晶が有する結晶面の性質を引き継いで成長するので、{100}面が膜面に平行に優先的に配向する。また、結晶方位は、パルスレーザー光の走査方向に沿って、略〈001〉となる。したがって、本実施の形態4の結晶性半導体膜の形成方法により形成された結晶性シリコン膜は、膜面に平行な結晶面及び結晶方位が共に揃った結晶性のシリコン膜となる。さらに、本実施の形態4では、パルスレーザー光の走査により進められる結晶化が、第一領域74及び第二領域75を連結する連結領域76を通過する際に、図7に示すように、種結晶形成領域77にて発生した結晶シリコンに基づいて成長する複数の結晶粒のうち、連結領域76に最も近い結晶粒が選択されて、第二領域75では、選択された一つの結晶粒に基づいて結晶化が進む。この結果、第二領域75は、単結晶により形成された単結晶領域となる。本実施の形態4では、第一領域74にて成長する複数の結晶粒のうち、連結領域76に最も近傍する結晶粒が選択されるので、実施の形態3と同様に、レーザー光の走査方向に直交する方向の寸法が狭小になったくびれ部で結晶粒を選択する実施の形態2よりも、単一の結晶粒を選択することを確実に行うことができる。さらに、本実施の形態4の方法は、走査方向が異なる2回のパルスレーザー光の走査が必要な実施の形態3の方法とは異なり、一方向にパルスレーザー光を走査するだけでよいので、結晶化に要する操作が実施の形態3に比較して簡便である。以上に説明したように、本実施の形態4の結晶性半導体膜の形成方法により形成された結晶性半導体膜を用いれば、より一層、特性に優れた半導体装置を形成することができる。
【0077】
(実施の形態5)
図8は、本実施の形態5の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0078】
本実施の形態5では、上述した実施の形態1〜4のいずれかにおいて説明した結晶性半導体膜によって薄膜トランジスタ等の半導体装置を製造する方法について説明する。本実施の形態5の製造方法により製造された半導体装置は、液晶ドライバ、半導体メモリー、半導体論理回路等に用いることが可能である。
【0079】
以下、具体的に図8を参照しながら説明する。
【0080】
まず、SiO膜82を200nmの膜厚に形成したガラス基板等の絶縁基板81上に、上述した実施の形態1〜4のいずれかに記載の結晶性半導体装置の形成方法により、結晶性のシリコン膜83を50nmの膜厚に形成し、続いて、この結晶性シリコン膜83をCFガス及びOガスを用いたRIE法によって、所定形状を有する島状にパターニングする。その後、この結晶性シリコン膜83が形成された基板面の全体にわたって、通常の薄膜トランジスタの形成工程と同様に、TEOSガスとOガスとを用いたプラズマCVD法によって、ゲートSiO膜84を形成する。
【0081】
次に、スパッタリング法によって、ゲートSiO膜84が形成された基板面の全体にわたって、WSi層を成膜した後、CFガスとOガスとを用いたRIE法によって、結晶性シリコン膜83上の一部にWSi層が残るようにパターニングして、WSi多結晶Siゲート電極85を形成する。
【0082】
次に、薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域を形成するために結晶性シリコン膜83上に不純物を導入する。本実施の形態5の場合、上記のWSi多結晶Siゲート電極85が不純物を導入する際のマスクとなっており、WSi多結晶Siゲート電極85が設けられた以外の結晶性シリコン膜83に不純物が導入される。導入される不純物は、n型のトランジスタを形成する場合には、リン(P)であり、p型のトランジスタを形成する場合には、ホウ素(B)である。
【0083】
次に、TEOSガスとOガスとを用いたプラズマCVD法によって、基板面の全面にわたって、SiO膜86を形成した後、CFガスとCHFガスとを用いたRIE法によって、結晶性シリコン膜のソース・ドレイン領域とされる部分にコンタクトホールを形成する。
【0084】
次に、スパッタリング法を用いて基板面の全面にAlを積層した後、BClガスとClガスとを用いたRIE法によって、SiO膜に形成されたコンタクトホールを介して結晶性のシリコン膜83に電気的に接続されるAl配線87とする。
【0085】
次に、SiHガスとNHガス及びNガスとを用いたプラズマCVD法によって、基板面の全体にわたって、SiN保護膜88を形成し、最後にSiN保護膜の一部をCFガスとCHFガスとを用いたエッチングによって、Al配線87の一部に導通可能なようにスルーホールを形成して窓開けし、半導体トランジスタ、抵抗、キャパシタ等の半導体素子からなる液晶ドライバー、半導体メモリ、半導体論理回路等の半導体装置が完成される。
【0086】
(実施の形態6)
図9は、実施の形態5の半導体装置を用いたディスプレイ装置の製造方法を示す断面図である。
【0087】
本実施の形態6では、上記の実施の形態5と同様の方法で作製した半導体装置を用いて液晶ディスプレイ装置等のディスプレイ装置を製造する方法を説明する。
【0088】
以下、本実施の形態6について、図9(a)及び(b)を参照して説明する。
【0089】
まず、上記の実施の形態5の製造方法によりガラス基板等の絶縁基板81上に半導体装置を製造する。なお、この絶縁基板81上に形成される半導体装置のAl配線87までの各構成については、実施の形態5と同一の構成であり、同一の参照符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0090】
実施の形態5の形成方法と同様にして、Al配線87まで作製した半導体装置上に、TEOSガスとOガスとを用いたプラズマCVD法によって、SiO膜91を形成する。SiO膜91の一部をCFガス及びCHFガスを用いたRIE法により、Al配線87の一部に導通可能なようにスルーホールを形成する。
【0091】
次に、SiO膜91が形成された基板面の全体にわたってITO膜を形成し、続いて、HCLとFeClガスとを用いたエッチングによりパターニングして、SiO膜91に形成されたスルーホールを介して半導体装置のAl配線87に導通する画素電極92を形成する。
【0092】
次に、SiHガスと、NHガス及びNガスとを用いたプラズマCVD法によって、基板面の全体にわたってSiN保護膜93を形成する。さらに、このSiN保護膜93上に、配向膜となるポリイミド膜94をオフセット印刷法を用いて形成し、ラビング処理を行う。
【0093】
一方、図9(b)に示すように、別のガラス基板等の絶縁基板101上にR(赤)、G(緑)、B(青)の各感光性樹脂膜を付したフィルムを熱圧着により転写を行った後、フォトリソグラフィ工程によるパターニングを行い、さらに、R、G、Bの各感光性樹脂が転写された部分間に、遮光性を有するブラックマトリクス部を形成して、カラーフィルター102を作製する。
【0094】
このカラーフィルター102上には、スパッタリング法によってITO膜を基板の全面にわたって形成し、対向電極103とする。さらに、この対向電極103上に、配向膜であるポリイミド膜104をオフセット印刷法によって形成し、ラビング処理を行う。
【0095】
以上のように形成された図9(b)に示すカラーフィルター102等が形成された絶縁基板101と、図9(a)に示す薄膜トランジスタ等の半導体装置が形成された絶縁基板81とを、ラビング処理を施した面同士が互いに対向するように配置して、シール樹脂によって貼り合わせる。この際、2枚の絶縁基板間のスペースが一定になるように、絶縁基板間に真球上のシリカを散布する。そして、両基板間に表示媒体となる液晶を封入した後、両絶縁基板の両外側に偏光板等を貼り付け、さらに、その周辺にドライバーIC等を実装して液晶ディスプレイが完成される。
【0096】
上記実施の形態1〜6では、半導体膜としてシリコン膜を例として用いたが、SiGe膜、GaAs膜、GaP膜、InP膜等にも適用することが可能である。
【0097】
また、非晶質シリコン膜を横方向に成長されるために照射されるレーザー光としては、上記実施の形態1〜6においては、パルス状エキシマレーザー光を用いたが、他のレーザー光や荷電粒子等の他の方法を用いてもよい。
【0098】
実施の形態2において形成されているくびれ部の幅、及び実施の形態3において形成された屈曲部の幅が、0.05μmより狭い場合、くびれ部、屈曲部に対して、種結晶形成領域にて形成された種結晶から成長した結晶粒がくびれ部または屈曲部を通過することができず、第二領域まで種結晶の結晶方位を引き継いが結晶粒が成長できなくなる。したがって、くびれ部の幅及び屈曲部の幅は、0.05μm以上である必要がある。
【0099】
一方、くびれ部の幅が5μmより長く、あるいは屈曲部、実施の形態4にて形成された連結部の幅が20μmより長いと、くびれ部、屈曲部、連結部での結晶粒の選択効果が低下し、種結晶形成領域にて形成された種結晶から成長した複数の結晶粒がくびれ部や屈曲部を通過して第二領域まで成長し、第二領域を単一の結晶粒に基づいた単結晶領域とすることができなくなるおそれがある。
【0100】
上記の実施の形態1〜4の結晶性半導体薄膜の形成方法に用いられているパルス状エネルギービームは、図11(a)に示すように、1回の照射時に与えられるエネルギー密度分布200のピーク位置201が前回の照射領域202内になるような走査速度に設定される。パルス状エネルギービームの走査速度が高速化されて、図11(b)に示すように、パルス状エネルギーのエネルギー密度分布200のピーク位置201が前回の照射領域202の内部にないと、前回のパルス状エネルギービームの照射により成長された結晶粒に基づいた横方向の成長が進まない場合があり、その結果、不規則な結晶核が形成されて、結晶方位が制御されなくなるおそれがある。
【0101】
また、横方向の成長に用いられるパルス状エネルギービームが走査方向に沿って広くなっている場合、図11(a)に示すように、1回の照射時に与えられるエネルギー密度分布200のピーク位置201が前回の照射領域内になっていても、エネルギービームの1回の照射毎の移動量が10μm以上になると、固化速度との関係で移動距離分の横方向の結晶成長ができなくなるため、結晶方位が制御されない結晶が発生するおそれがあるため、エネルギービームの1回の照射毎の移動量は10μmより小さくなるように設定される。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の半導体膜の形成方法は、基板上に形成された半導体膜に、該半導体を溶融するエネルギーを付与し、溶融後の結晶化により結晶成長させて結晶性半導体膜とする結晶化工程を包含する半導体膜の形成方法であって、該結晶化工程は、該結晶化工程を行う前の半導体膜の所定の領域に、特定のエネルギー密度のエネルギービームを照射して、結晶面が膜面に平行に優先配向した結晶半導体を形成する結晶半導体形成工程と、該結晶半導体を種結晶として、該半導体膜を溶融するエネルギービームを所定の方向に走査しながら照射して、特定の結晶方位が該エネルギービームの走査方向に沿うように結晶成長させる結晶成長工程とを包含することを特徴としている。
【0103】
このように、本発明の半導体膜の形成方法では、特定のエネルギー密度のエネルギービームを照射することにより、膜面に平行に{100}面が優先配向した結晶半導体が発生し、この結晶半導体を種結晶として、続いて、該半導体膜を溶融するエネルギービームを所定の方向に走査しながら照射して、特定の結晶方位が該エネルギービームの走査方向に沿うように結晶成長させることにより、エネルギーの走査方向に略〈001〉方位を有する結晶成長される。したがって、本発明の半導体膜の形成方法では、膜面に平行な結晶面が略{100}面であり、且つ、結晶方位が略〈001〉方位で揃った結晶粒を形成することができる。
【0104】
さらに、本発明の半導体膜の形成方法は、基板上に形成された半導体膜を、結晶成長工程におけるエネルギービームを走査しながら照射することにより成長される複数の結晶粒から一つの結晶粒を選択するための選択領域を有するようにパターニングすれば、エネルギービームが走査される際に、選択領域を通過するときに複数の結晶粒のうち一つのみが選択され、後の工程で半導体装置となる第二領域が単一の結晶粒に基づいた単結晶の領域となる。
【0105】
以上のように、膜面に平行な結晶面及び結晶方位が揃った結晶性の半導体膜を用いた半導体を形成すると、キャリアの移動度を大きくし、閾値電圧を小さくする等半導体装置の特性を向上することができ、同一基板内に同時に形成される半導体膜の特性を均一にすることができるので、同一基板内の複数の半導体装置間のキャリアの移動度、閾値電圧のバラツキを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の半導体膜の形成方法を説明する斜視図である。
【図2】実施の形態2の半導体膜の形成方法を説明する斜視図である。
【図3】実施の形態2の半導体膜の形成方法を用いた場合に、結晶粒が成長する様子を概略的に示す模式図である。
【図4】(a)〜(c)は、それぞれ、実施の形態3の半導体膜の形成方法を説明する斜視図である。
【図5】(a)〜(c)は、それぞれ、実施の形態3の半導体膜の形成方法を用いた場合に、結晶粒が成長する様子を概略的に示す模式図である。
【図6】実施の形態4の半導体膜の形成方法を説明する斜視図である。
【図7】実施の形態4の半導体膜の形成方法を用いた場合に、結晶粒が成長する様子を概略的に示す模式図である。
【図8】実施の形態5の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図9】(a)及び(b)は、それぞれ、実施の形態6のディスプレイ装置の製造方法を示す断面図である。
【図10】非晶質シリコン膜に照射されるエキシマレーザー光のエネルギー密度と、結晶化される結晶性シリコン膜の結晶方位との関係を示すグラフである。
【図11】(a)及び(b)は、それぞれ、パルス状エネルギービームのエネルギー密度分布と、前回の照射時の照射領域との関係を示しており、(a)は、エネルギー密度分布のピーク位置が前回の照射領域内にある場合、(b)は、エネルギー密度分布のピーク位置が前回の照射領域外にある場合を示している。
【図12】従来例1の半導体膜の形成方法を説明する概略図である。
【図13】従来例2の半導体膜の形成方法を説明する斜視図である。
【図14】(a)〜(c)は、それぞれ、従来例3の半導体膜の形成方法を説明する断面図である。
【図15】従来例4の半導体膜の形成方法を説明する概略平面図である。
【符号の説明】
41 絶縁基板
42 SiO
43 非晶質シリコン膜
44 種結晶形成領域
51 絶縁基板
52 SiO
53 非晶質シリコン膜
54 第一領域
55 第二領域
56 連結領域
57 種結晶形成領域
61 絶縁基板
62 SiO
63 非晶質シリコン膜
64 第一領域
65 第二領域
66 連結領域
67 種結晶形成領域
71 絶縁基板
72 SiO
73 非晶質シリコン膜
74 第一領域
75 第二領域
76 連結領域
77 種結晶形成領域

Claims (18)

  1. 基板上に形成された半導体膜に、該半導体膜を溶融するエネルギーを付与し、溶融後の結晶化により結晶成長させて結晶性半導体膜とする結晶化工程を包含する半導体膜の形成方法であって、
    該結晶化工程は、該結晶化工程を行う前の半導体膜の所定の領域に、特定のエネルギー密度のエネルギービームを照射して、結晶面が膜面に平行に優先配向した結晶半導体を形成する結晶半導体形成工程と、
    該結晶半導体を種結晶として、該半導体膜を溶融するエネルギービームを所定の方向に走査しながら照射して、特定の結晶方位が該エネルギービームの走査方向に沿うように結晶成長させる結晶成長工程と
    を包含し、
    該結晶半導体形成工程におけるエネルギービームの照射により、膜面に平行な結晶面が{100}面の結晶半導体が発生し、該結晶成長工程におけるエネルギービームを走査しながら照射することにより、膜面に平行な結晶面が{100}面であり、且つ、該エネルギービームの走査方向に沿って〈001〉方位である結晶粒が形成されることを特徴とする半導体膜の形成方法。
  2. 前記結晶半導体形成工程に用いられるエネルギービームのエネルギー密度は、350〜390mJ/cm ある、請求項1に記載の半導体膜の形成方法。
  3. 前記結晶化工程を行う前に、前記基板上に形成された半導体膜を、前記結晶成長工程におけるエネルギービームを走査しながら照射することにより成長される複数の結晶粒から一つの結晶粒を選択するための選択領域を有するようにパターニングする選択領域形成工程をさらに包含する、請求項1または2に記載の半導体膜の形成方法。
  4. 前記選択領域形成工程により形成される選択領域は、前記結晶半導体形成工程での結晶半導体を形成する種結晶形成領域を含む第一領域と、前記結晶成長工程の後に半導体装置として用いられる第二領域とを連結するように配置され、前記エネルギービームの走査方向に直交する方向が狭小になった連結領域である、請求項3に記載の半導体膜の形成方法。
  5. 前記選択領域形成工程により形成される選択領域は、前記結晶半導体形成工程での結晶半導体を形成する種結晶形成領域を含む第一領域と、前記結晶成長工程の後に半導体装置として用いられる第二領域とを連結するように配置され、前記エネルギービームの走査方向に直交する方向が狭小になった連結領域であり、
    前記結晶成長工程は、該第一領域から該連結領域を経て該第二領域に至る方向とは異なる方向にエネルギービームを走査して、前記種結晶形成領域の複数の結晶半導体を成長させる第一のエネルギービーム照射工程と、該第一領域から該連結領域を経て該第二領域に至る方向にエネルギービームを走査して、第一領域の第一のエネルギービーム照射工程により形成された複数の結晶粒から一つを選択して、該連結領域を経て該第二領域に結晶成長させる第二のエネルギービーム照射工程とからなる、請求項3に記載の半導体膜の形成方法。
  6. 前記第一のエネルギービーム照射工程によるエネルギービームの走査方向は、前記第二のエネルギービーム照射工程によるエネルギービームの走査方向に概略直交している、請求項5に記載の半導体膜の形成方法。
  7. 前記選択領域形成工程により形成される選択領域は、前記結晶半導体形成工程での結晶半導体を形成する種結晶形成領域を含む第一領域と、前記結晶成長工程の後に半導体装置として用いられる第二領域とが、前記結晶成長工程でのエネルギービームの走査方向に沿って一部において接している連結領域である、請求項3に記載の半導体膜の形成方法。
  8. 前記連結領域は、前記第一領域から前記連結領域を経て前記第二方向に走査されるエネルギービームの走査方向に直交する幅方向が0.05μm以上、5μm以下である、請求項4に記載の半導体膜の形成方法。
  9. 前記連結領域は、前記第一領域から前記連結領域を経て前記第二方向に走査されるエネルギービームの走査方向に直交する幅方向が0.05μm以上、20μm以下である、請求項5または6に記載の半導体膜の形成方法。
  10. 前記連結領域は、前記第一領域から前記連結領域を経て前記第二方向に走査されるエネルギービームの走査方向に沿う長さが、20μm以下である、請求項7に記載の半導体膜の形成方法。
  11. 前記半導体膜は、シリコンである、請求項1〜10のいずれかに記載の半導体膜の形成方法。
  12. 前記結晶形成工程に用いられるエネルギービームのエネルギー密度は、前記半導体膜の膜厚の全体が溶融するエネルギー密度に達しない範囲に設定される、請求項1〜11のいずれかに記載の半導体膜の形成方法。
  13. 前記結晶成長工程に用いられるエネルギービームのエネルギー密度は、前記半導体膜の膜厚の全体が溶融するエネルギー密度以上に設定される、請求項1〜11のいずれかに記載の半導体膜の形成方法。
  14. 前記結晶成長工程に用いられるエネルギービームのエネルギー密度は、前記結晶形成工程に用いられるエネルギー密度より大きい、請求項1〜13のいずれかに記載の半導体膜の形成方法。
  15. 前記結晶形成工程に用いられるエネルギービームはパルス状エネルギービームである、請求項1〜14のいずれかに記載の半導体膜の形成方法。
  16. 前記結晶成長工程に用いられるエネルギービームはパルス状エネルギービームである、請求項1〜15のいずれかに記載の半導体膜の形成方法。
  17. 前記結晶成長工程に用いられるパルス状のエネルギービームのエネルギー密度分布は、そのピーク位置が、前回のパルス状のエネルギービームの照射領域の内部に位置するように設定される、請求項15または16に記載の半導体膜の形成方法。
  18. 前記結晶成長工程に用いられるパルス状のエネルギービームの1回の照射毎の移動量は、10μmより小さくなるように設定される、請求項16または17に記載の半導体膜の形成方法。
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