JP4428597B2 - 合成樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐候性に優れた合成樹脂組成物及び該組成物を使用した用途に関する。
より詳細には、特定のヒンダードアミン系化合物を合成樹脂に添加することにより、ビニルハウスによる栽培における病害虫駆除のための硫黄燻蒸、酸性雨等の酸性環境下に曝されることによる合成樹脂の耐候性の低下が抑制された合成樹脂組成物及び該組成物を使用した農業用フィルム等の用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂はその優れた化学的、物理的特性から種々の用途に用いられている。例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリエチレン系熱可塑性樹脂やポリエステルが使用されたフィルムは、その優れた透明性、保温性、高い機械的強度が利用され、いわゆるビニルハウスやトンネル等の農業用フィルムとして好適に用いられている。
又、ポリプロピレンやウレタン樹脂等は、その高い耐衝撃強度が自動車のバンパー等に生かされ、その軽量化に貢献し、普及している。
更にポリウレタン等の特定の合成樹脂は、その特性からゴム様の高弾性伸長性を備えた合成繊維製スパンデックスを製造することができ、これを織製した衣料品として好ましく使用されている。
一方、シリコン変性樹脂やウレタン樹脂等は、耐水性、撥水性、密着性に優れ、シーラント、塗料等に広く用いられている。
しかし、これらの合成樹脂自体は、屋外では紫外線により劣化し易く、透明性の低下や破損により長期の使用に耐えない欠点を有している。
【0003】
このようなフィルムや型物等の合成樹脂成形品が屋外で使用された場合の該合成樹脂の特性、特に機械的特性の劣化は、成形用合成樹脂原料に酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン化合物、ハイドロタルサイト類等を添加することによりかなり抑制できることが知られている。
例えば、特開昭63−175072号公報には、合成樹脂原料にヒンダードアミン化合物とハイドロタルサイトを組み合わせて添加することによる、該合成樹脂の特性の維持、安定化方法が提案されている。又、米国特許第5,096,950号明細書には、ニトロキシアルキル構造を有するヒンダードアミン化合物を農業用フィルム原料のポリオレフィンに添加、使用することが提案されている。
【0004】
しかし、これら添加剤使用による合成樹脂の特性の維持、安定化効果は、いずれの添加剤についても未だ満足のいくものではない。特に、該合成樹脂成形品の用途により上記効果の差は大きく、例えば病害虫の駆除のために農薬散布や硫黄燻蒸を行い、これら化学薬品に長く接触する用途の場合や、酸性雨に曝されるなど酸性環境下で使用される用途の場合には、使用合成樹脂の劣化が短期間で進行し易いため、使用合成樹脂の特性の更なる長期維持、安定化手段の出現が望まれていた。
【0005】
このような酸性環境条件下での合成樹脂の耐候性の低下等、諸特性の劣化を抑制する方法としては、特開平1−132562号公報や特開平8−302063号公報に、ヒンダードアミン化合物のカルバモイル化合物が低塩基性であり、合成樹脂に添加することにより、該樹脂使用の塗料や農業用フィルムに対して優れた耐候性持続効果を発揮することが開示されている。しかし、開示されているカルバモイル化合物は多価のヒンダードアミン化合物と1価のイソシアネート化合物の反応物、又は多価のイソシアネート化合物と1価のヒンダードアミン化合物の反応物であり、揮散性や分散性の点において難があり、耐候性等の充分な安定化効果が得られていない。
また、省資源の観点からも合成樹脂製品には従来以上の耐候性が要求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の課題は、合成樹脂の耐候性の飛躍的向上方法を提案することであり、具体的には該合成樹脂の外観維持性、光沢保持性、耐酸性雨特性等の向上を図る方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、2価のヒドロキシヒンダードアミン化合物と2価のイソシアネート化合物の付加反応により得られるリニアな化学構造を含む化合物を、合成樹脂に添加した合成樹脂組成物は、農薬散布、硫黄燻蒸、酸性雨等の環境下に暴露されても該合成樹脂本来の特性を損なうことがほとんどなく、又該合成樹脂組成物を用いた、主として屋外使用の各種成形品、例えば農業用フィルム、自動車内外装材等の他、屋外使用の各種塗料やシーラントについても同様に耐候性の低下の度合いが小さく、優れた長期の耐候性を示すことを見出し、本発明に到達した。
【0008】
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
第1の発明は、合成樹脂(A)100重量部に構造式が下記一般式(I)及び/又は(II)で表されるN−カルバモイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン構造を有する化合物(B)を0.001〜20重量部添加してなる合成樹脂組成物に関する。
【0009】
【化4】
Figure 0004428597
(式(I)中、Xは−OCO−、−NHCO−又は−OCONH−を表し、R1及びR2は二価の基であり、各々独立に炭素原子数1〜20の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、エーテル結合を有する脂肪族炭化水素基、芳香族基又は置換基を有する芳香族基を表し、nは2以上の整数を表す。)
【0010】
【化5】
Figure 0004428597
(式(II)中、R2及びnは式(I)と同じ。)
【0011】
第2の発明は、更に一般式(III)で表されるベンゾエート化合物を更に添加してなる上記第1の発明の合成樹脂組成物に関する。
【0012】
【化6】
Figure 0004428597
(式中、R3は炭素原子数8〜30の直鎖状又は分岐を有するアルキル基を表す。)
【0013】
第3の発明は、合成樹脂(A)がポリウレタンである上記第1又は第2の発明の合成樹脂組成物からなるスパンデックスに関する。
第4の発明は、合成樹脂(A)が直鎖低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン又はエチレン−酢酸ビニル共重合体のいずれかである上記第1又は第2の発明の合成樹脂組成物からなる農業用フィルムに関する。
第5の発明は、上記第1又は第2の発明の合成樹脂組成物からなる塗料に関する。
第6の発明は、上記第1〜第3のいずれかの発明の合成樹脂組成物からなるシーラント材料に関する。
第7の発明は、上記第1〜第3のいずれかの発明の合成樹脂組成物からなる自動車内外装材に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる、合成樹脂(A)としてはポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリブテン−1、ポリ3−メチルペンテン等のα−オレフィン重合体、又はエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−シクロヘキシルマレイミド共重合体等の含ハロゲン樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、スチレン及び/又はα−メチルスチレンと他の単量体(例えば、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、メタクリル酸メチル、ブタジエン、アクリロニトリル等)との共重合体(例えば、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、耐熱ABS樹脂等)、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリエチレンテレフタレート及びポリテトラメチレンテレフタレート等の直鎖ポリエステル、ポリフェニレンオキサイド、ポリカプロラクタム、ポリヘキサメチレンアジパミド等のポリアミド、ポリカーボネート、分岐ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタン、繊維素系樹脂等の熱可塑性樹脂及びこれらのブレンド物、或いはフェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。更に、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム等のエラストマーであってもよい。
【0015】
本発明に用いられる化合物(B)に含まれ、一般式(I)で表される構造のR1とR2、及び一般式(II)で表される基のR2は共に二価の基であり、各々独立に炭素数1〜20の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、エーテル結合を有する脂肪族炭化水素基、芳香族基又は置換基を有する芳香族基を表し、一般式(I)で表される構造のR1とR2及び一般式(II)で表される基のR2は互いに同一であっても、又異なっていてもよい。
【0016】
上記炭素数1〜20の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、デカメチレン等のアルキレン基;ビニレン、プロペニレン、2−ブテニレン等のアルケニレン基;シクロプロピレン、1,3−シクロへキシレン、1,4−シクロへキシレン、5,5−ジメチルシクロヘキシル−3−メチレン等のシクロアルキレン基;m−フェニレンジメチレン等の芳香族炭化水素で中断されたアルキレン基などが挙げられる。
【0017】
上記エーテル結合を有する脂肪族炭化水素基としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等の両端の水素を除いた基が挙げられる。
芳香族基又は置換基を有する芳香族基としては1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、メチルフェニレン、ジメチルフェニレン等のアリーレン基が挙げられる。
【0018】
一般式(I)で表される構造を有する化合物としては、より具体的には、下記の構造No.1〜5を有する化合物が例示できる。各式中のnは、いずれも2以上の整数を示す。但し、本発明は、下記例示の構造により何ら制限を受けるものではない。
【0019】
【化7】
構造No.1
Figure 0004428597
【0020】
【化8】
構造No.2
Figure 0004428597
【0021】
【化9】
構造No.3
Figure 0004428597
【0022】
【化10】
構造No.4
Figure 0004428597
【0023】
【化11】
構造No.5
Figure 0004428597
【0024】
一般式(II)で表される構造を有する化合物としては、より具体的には、下記の構造No.6〜10を有する化合物が例示できる。各式中のnは、いずれも2以上の整数を示す。但し、本発明は、下記例示の構造により何ら制限を受けるものではない。
【0025】
【化12】
構造No.6
Figure 0004428597
【0026】
【化13】
構造No.7
Figure 0004428597
【0027】
【化14】
構造No.8
Figure 0004428597
【0028】
【化15】
構造No.9
Figure 0004428597
【0029】
【化16】
構造No.10
Figure 0004428597
【0030】
上記No.1〜10の各種構造を含有する化合物としては、構造の両末端に水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アセチル基等のアシル基、アミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、芳香族基(核置換基を有するものを含む)等を有するものが例示できるが、本発明に係る化合物(B)としては特にこれらに限定されるものではない。
【0031】
本発明に係る化合物(B)の分子量は、一般式(I)及び(II)で表される構造中のR1、R2、X及びnにより決まるが、分子量を最も大きく左右する因子はnである。nは2以上の整数であり、好ましくは3〜1000ある。nが2未満の場合は、安定化効果が持続しない現象があり、好ましくない。又、分子量は特に限定されるものではないが、1000〜50000が好ましい。分子量が1000未満では揮散し易く安定化効果が持続しない。また、50000を超えると分散性が低下して初期の安定化効果が不足する傾向にある。なお、ここで分子量とは、液体クロマトグラフにより測定される標準ポリスチレン換算の数平均分子量である。
【0032】
一般式(I)で表される構造を有する化合物の合成方法は、該化合物の両末端を構成する基が何であっても特に限定されるものではない。以下公知の合成方法を使用した場合について概説する。
一般式(I)で表される構造を有する化合物の場合、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等の2価のヒンダードアミン化合物を用い、公知の方法でビス(N−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等の2価のヒドロキシ化合物を得、該2価のヒドロキシ化合物とヘキサメチレンジイソシアネート等の2価のイソシアネート化合物と反応させることにより得られる。
又、一般式(II)で表される構造を有する化合物の場合は、例えば、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールと2価のイソシアネート化合物を反応させることにより得ることができる。
【0033】
本発明に係る合成樹脂組成物は、合成樹脂(A)に一般式(I)及び(II)で表される2種類の構造をそれぞれ有する化合物(B)のうちの少なくとも1を添加、混合することにより得られるが、更に前記一般式(III)で表されるベンゾエート化合物を添加することができる。
該ベンゾエート化合物は後記例示の紫外線吸収剤の1種であり、これを添加することにより、更に本発明の優れた効果を発揮する。なお、一般式(III)におけるR3は炭素原子数8〜30の直鎖又は分岐を有するアルキル基である。
【0034】
なお、本発明に係る合成樹脂組成物には、必要に応じて更に他の添加剤を加えることができ、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、前記ベンゾエート化合物を除く他の紫外線吸収剤、前記化合物(B)を除く他のヒンダードアミン化合物、造核剤、ハイドロタルサイト、防曇剤、防霧剤、防滴剤、金属石鹸、エポキシ化合物、過塩素酸塩、滑剤、改質剤、赤外線吸収剤、充填剤、顔料、帯電防止剤、可塑剤、架橋剤、レベリング剤、分散剤、粘度調整剤、ゲル化防止剤、触媒、補強剤等を用いることができる。
【0035】
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等がげられる。
【0036】
上記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
【0037】
上記リン系酸化防止剤としては、例えばトリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフィト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ第三ブチルフェノールの亜リン酸エステル等が挙げられる。
【0038】
上記紫外線吸収剤としては、本発明に係る一般式(III)で表されるベンゾエート化合物、例えば、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のアルキルベンゾエート化合物からなる紫外線吸収剤以外のものであって、フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン等のトリアリールトリアジン類が挙げられる。
【0039】
本発明に係る前記化合物(B)を除く他のヒンダードアミン化合物としては、1−オキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジール、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。
【0040】
上記造核剤としては、ソルビトール類、ビス(4−第三ブチルフェニル)ホスフェートアルカリ金属塩、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェート金属塩、アルミニウムビス(4−第三ブチルベンゾエート)、アミノ酸金属塩などが挙げられる。
【0041】
上記ハイドロタルサイトとしては、天然物でも合成品でもよく、リチウムなどのアルカリ金属で変性されたものでもよい。特に下記一般式(IV)で表される化学式により示される組成のものが好ましく、結晶水の有無や表面処理の有無によらず用いることが出来る。また、粒径はとくに限定されるものではないが、ハイドロタルサイトとしての特性を失わない範囲で小さいことが望ましい。粒径が大きいと分散性が低下して安定化効果が小さくなり、さらに、得られる樹脂組成物の機械的強度や透明性等の物性を低下させることになる。
【0042】
ZnxMgyAl2(OH)2(x+y+2)CO3・nH2O (IV)
(式中、xは0〜3を示し、yは1〜6を示し、また、x+yは4〜6を示す。nは0〜10を示す。)
【0043】
本発明に係る、合成樹脂組成物を構成する各成分比は、該組成物の各種用途の効果、特に耐候性を左右するので重要である。
本発明においては合成樹脂(A)100重量部に対し、一般式(I)及び/又は(II)で示される構造をそれぞれ含有する化合物(B)が単独使用又は併用されて、0.001〜20重量部であることが必要である。(B)が0.001重量部未満では実質的に本発明の効果が有効に発揮できない。又、逆に20重量部を超える量を使用した場合は、添加に見合う効果が認められず、不経済である。
【0044】
本発明に係る上記合成樹脂組成物に、一般式(III)で表されるベンゾエート化合物を添加する場合の比率については特に限定されるものではないが、前記合成樹脂(A)100重量部に対して、上記ベンゾエート化合物を0.01〜20重量部用いることが好ましく、0.05〜10重量部がより好ましい。0.01重量部未満では添加による紫外線に対する安定化効果が大とは言えず、又、20重量部を超えると該安定化効果の向上が見られなくなる傾向がある。
【0045】
本発明に係る合成樹脂組成物にフェノール系酸化防止剤を添加する場合、前者の100重量部に対して、後者は0.001〜10重量部が好ましく、より好ましくは、0.05〜5重量部である。0.001重量部未満では酸化防止性の安定化効果が必ずしも発揮されず、10重量部を超えると、該安定化効果の向上が見られなくなる傾向がある。
更に、前記必要に応じて添加される各種添加剤の量は特に限定されるものではなくて、用途特性に応じて適宜の量が使用される。
【0046】
本発明に係る合成樹脂組成物の製造の場合、特定の合成樹脂(A)への特定の構造を有する化合物(B)の添加方法、更に特定のベンゾエート化合物が使用される場合の添加方法は特に限定されるものではなく、又添加する際の添加剤の形態は粉末でもエマルジョンやサスペンジョン等の水分散体でもよく、有機溶剤により溶液としての添加でもよい。
なお、該添加剤の形態に応じて添加方法も種々の態様が可能であり、例えば添加剤が粉体の場合は、前記合成樹脂(A)の成形加工時に順次、又は同時に添加してもよく、又水分散体又は溶液の場合は所定の成形加工後に必要な添加剤の溶液中に浸漬し、吸着又は含浸させる方法も採り得る。
又、成形加工時の添加方法においては、高濃度に配合したマスターバッチを調製したり、顆粒化して粉塵を抑制した後に最終的に目的とする配合において混練されてもよい。
【0047】
又、前記合成樹脂(A)に対する前記化合物(B)、ベンゾエート化合物その他の各種添加剤の添加、混合に必要なブレンダーの種類については特に限定されるものではないが、各成分が粉末の場合、リボンミキサー、ヘンシェルミキサー等によるドライブレンドとか、単軸若しくは二軸押出機による混練が好都合であり、水分散体とか溶液の場合は、通常の縦型ミキサーの使用で充分である。
【0048】
本発明に係る合成樹脂組成物は、耐候(光)性がよく、酸性環境下においてもその性能低下が少なく、しかも各種添加剤の揮発性も小さいので、ポリエチレン、ポリエステル、エチレンビニルアセテート等からなる農業用フィルム(ビニルハウス用フィルム、苗床の水分保持用フィルム、土壌の保温用フィルム等)用組成物;溶剤系や水系の各種塗料(外壁塗装等)用組成物;ウレタン、シリコン変性樹脂、ポリサルファイドからなるシーラント(建築物外壁面等の耐光性、耐水性、撥水性、気密性シーラント等)用組成物、スパンデックス等の合成繊維(強い紫外線に曝される高強度、高弾性の水着やスキーウェア等)用組成物、自動車内外装材成形体(天井、ドアー、座席、トランク室内外装材成形体等)用組成物等に好適に適用される。
【0049】
本発明に係る合成樹脂組成物を用いて農業用フィルム、塗料、シーラント、繊維、自動車内外装材を製造する方法としては、特に限定されるものではなく、これら各種用途に応じて公知技術が適宜利用できる。
例えば、農業用フィルムには合成樹脂組成物のTダイによる押出成形方法やインフレーション成形方法等が利用でき、塗料には溶剤、水、分散剤等を使用し、攪拌機による溶液、水又は有機溶媒分散体の製造が可能であり、シーラント材料には押出機等による混練、押出成形法が適用できる。又、繊維には溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法などの各種紡糸法がそのまま利用でき、自動車内外装材には、上記繊維の利用に加え、押出成形によるシート、フィルム等の成形、ラミネート成形、射出成形、圧縮成形、真空成形による単品の成形方法が好ましく利用できる。
【0050】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例によって制限を受けるものではない。
(合成例1)
ビス(1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)テレフタレート(Mw=477)47.7g(0.1モル)のテトラヒドロフラン溶液100gにジブチル錫ジラウレート0.03gを加え、イソホロンジイソシアネート(Mw=222)22.2g(0.1モル)のテトラヒドロフラン溶液30gを50℃で滴下して3時間反応させた。エタノール(Mw=46)2.3g(0.05モル)を加えて1時間反応させ、生成した沈殿をろ過してヘキサンで洗浄して、ポリマー75gを得た。
得られたポリマーは赤外吸収スペクトルにより3340cm-1にN−Hの、1712cm-1にC=O(エステル)と、C=O(カルバモイルオキシ)の吸収を確認し、1H−NMRにより0.8−2.2ppm(m、43H)、2.9ppm(m、2H)、3.8ppm(m、1H)、5.2ppm(m、2H)、7.0ppm(br、2H)、8.0(s、4H)のスペクトルを得て同定し、前記構造No.3を含み、末端にエトキシカルボニルアミノ基及びヒドロキシル基を有する化合物(B)であることを確認した。なお、平均分子量は液体クロマトグラフにより、ポリスチレン換算で5300であった。
【0051】
(合成例2)
1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノール35.0g(0.2モル)をテトラヒドロフラン100gに溶解し、ヘキサメチレンジイソシアネート33.6g(0.2モル)のテトラヒドロフラン溶液70gを室温で滴下した。滴下後、1時間反応させ、ジブチル錫ジラウレート0.025g(0.04ミリモル)を加え、50℃で2時間撹拌する。更にエタノール10mlを加え、30分間撹拌する。反応溶液を500mlのヘキサンに滴下することにより、再沈精製して、融点110℃のポリマー68.0gを得た。得られたポリマーは赤外吸収スペクトルにより3330cm-1にN−Hの、1705cm-1にC=O(カルバモイルオキシ)の吸収を確認した。また、1H−NMRにより1.0−2.3ppm(m、22H)、3.2ppm(br、4H)、4.8ppm(br、2H)、6.6ppm(br、1H)のスペクトルを得て同定し、前記構造No.6を含み、末端にエトキシカルボニルアミノ基及びヒドロキシル基を有する化合物(B)であることを確認した。なお、平均分子量は、液体クロマトグラフによりポリスチレン換算で4100であった。
【0052】
(合成例3)
1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノール(Mw=175)35.0g(0.2モル)をテトラヒドロフラン100gに溶解し、ジフェニルメタンジイソシアネート(Mw=250)55g(0.22モル)のテトラヒドロフラン溶液100gを室温で滴下した。滴下後、1時間反応させ、ジブチル錫ジラウレート0.025g(0.04ミリモル)を加え、50℃で2時間撹拌する。更にデカノール(Mw=158)12.6g(0.08モル)を加え、30分間撹拌する。反応溶液を500mlのヘキサンに滴下することにより、再沈精製して、ポリマー92.0gを得た。得られたポリマーは赤外吸収スペクトル3300cm-1にN−H、1724cm-1にC=O(カルバモイルオキシ)の各吸収を確認し、1H−NMRにより1.2−2.2(m、16H)、3.9(s、2H)、4.9−5.2(br、1H)、7.0−7.4(m、8H)、7.8、8.7(2s、2H)のスペクトルを得て同定し、前記構造No.10を含み、末端にデカノキシカルボニルアミノ基及びヒドロキシル基を有する化合物(B)であることを確認した。なお、平均分子量は、液体クロマトグラフによりポリスチレン換算で5300であった。
【0053】
(実施例1)
低密度ポリエチレン(三菱化学(株)製:YK−30)100重量部に対して、フェノール系酸化防止剤テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン0.05重量部、リン系酸化防止剤ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.1重量部、ハイドロタルサイト(ZnMg3.5Al2(OH)13・3.5H2O,協和化学(株)製,商品名アルカマイザー4)0.1重量部、グリセリンモノステアレート0.8重量部、紫外線吸収剤で一般式(III)に該当する化合物ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート0.1重量部及びヒンダードアミン化合物(実施例1−1〜1−3ではそれぞれ、前記合成例1〜3で得た、構造No.3、6及び10をそれぞれ含む化合物No.3、6及び10を使用し、比較例1−1〜1−3ではそれぞれ比較化合物No.1、2及び3を使用した。)を表−1記載の重量部使用し、これらをらいかい機で混合し、220℃でのTダイ押出し加工で50μm厚のフィルムを得た。得られたフィルムを100リットルの容器中に入れ、硫黄3gをホットプレートにより燻蒸して1時間処理した。得られたフィルムのサンシャインウェザオメーター中120時間後、480時間後及び960時間後のカルボニルインデックスを測定し、耐候性を評価し、その結果を表−1に示す。なお表では、「比較化合物」を「比較」と表す。
ここにカルボニルインデックスは、フィルムの赤外線吸収スペクトル分析データを用いて〔log(Io/I)〕/dで定義される。ここでIoは1710cm-1での劣化前の透過率(%)であり、Iは劣化後の透過率(%)であり、dはフィルムの厚み(cm)であり、数値が高いほど劣化が進行していることを示す。
【0054】
【表1】
Figure 0004428597
【0055】
(実施例2)
本実施例においては、金属顔料を含有するベースコートおよび透明なトップコートからなる二層金属光沢塗料組成物(熱硬化性合成樹脂組成物)について、本発明に係るヒンダードアミン化合物の効果を観察した。
(a)ベースコート塗料
メタクリル酸メチル100g、アクリル酸n−ブチル66g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル30g、メタクリル酸4g、キシレン80gおよびn−ブタノール20gをとり、110℃に加熱撹拌しながらアゾビスイソブチロニトリル2g、ドデシルメルカプタン0.5g、キシレン80gおよびn−ブタノール20gからなる溶液を3時間で滴下した。その後、同温度で2時間撹拌し、樹脂固形分50重量%のアクリル樹脂溶液を調製した。
上記アクリル樹脂溶液12重量部、ブトキシ化メチロールメラミン(三井化学(株)製;ユーバンSE60;樹脂固形分60重量%)2.5重量部、セルロースアセテートブチレート樹脂(20重量%酢酸ブチル溶液)50重量部、アルミニウム顔料(東洋アルミニウム(株)製;アルペースト1123N)5.5重量部、キシレン10重量部、酢酸ブチル20重量部および銅フタロシアニンブルー0.2重量部をとり、ベースコート塗料とした。
(b)トップコート塗料
メタクリル酸メチル100g、アクリル酸n−ブチル66g、メタクリル酸4g、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール1g、試験化合物(ヒンダードアミン化合物であり、使用化合物は表−2に記載したが、具体的化学名は表−1の場合に同じ。)0.5g、キシレン80gおよびn−ブタノール20gをとり、110℃に加熱撹拌しながらアゾビスイソブチロニトリル2g、ドデシルメルカプタン0.5g、キシレン80gおよびn−ブタノール20gからなる溶液を3時間で滴下した。その後、同温度で2時間撹拌し、樹脂固形分50重量%のアクリル樹脂溶液を調製した。
上記アクリル樹脂溶液48重量部、ブトキシ化メチロールメラミン10重量部、キシレン10重量部及びブチルグリコールアセテート4重量部をとり、トップコート塗料とした。
【0056】
ポリエステル/エポキシ樹脂をベースとするプライマーを塗布した鋼板に上記ベースコート塗料を乾燥膜厚が20μmになるようにスプレーし、10分放置後、上記トップコート塗料を乾燥膜厚が30μmになるようにスプレーした。15分放置後、140℃で30分間焼付けし、試験片を作成した。
この試験片をサンシャインウェザオメーターに入れ、pH=5の塩酸水溶液を酸性雨として100時間毎に10分間噴霧を10回行い、その後は雨あり、ブラックパネル温度63℃の条件下、塗膜のワレの発生するまでの時間を測定した。その結果を表−3に示す。
【0057】
【表2】
Figure 0004428597
【0058】
(実施例3)
〔水系塗料〕
ポリエステルポリオールを基本骨格に持ち、カルボキシル基を含有する末端イソシアネートプレポリマー水分散液(旭電化工業(株)製アデカボンタイターHUX−232:樹脂分100g当たりカルボキシル基0.07当量:固形分含量30重量%:粘度20cps:pH7.5)100重量部に、チオエーテル系酸化防止剤(旭電化工業(株)製アデカスタブAO−23)水分散液(固形分含量30重量%)0.125重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(旭電化工業(株)製アデカスタブLA−36)水分散液(固形分含量30重量%)1.25重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂水分散液(旭電化工業(株)製:アデカボンタイターHUX−XW:固形分含量55重量%)7重量部、メラミン系架橋剤水分散液(昭和高分子(株)製:ミルベンレジンSM−850:固形分含量70重量%)3重量部、ヒンダードアミン化合物(使用化合物は表−3に記載したが、具体的化学名は表−1の場合と同じ。)を同表記載の添加量だけ混合し、水系ウレタン組成物を得た。
【0059】
この水系ウレタン組成物をガラス板上に塗布し、室温にて18時間乾燥させた後、120℃で30分間乾燥させて膜厚80ミクロンのポリウレタン塗膜を作製した。
耐候性試験ウェザーメーター(サンシャインカーボンアーク型)にて試験し、960時間後、1440時間後、1920時間後の外観を目視により、平面性に変化のないものを◎、やや変形しているものの実用上問題の無いものを○、クラックや膨れは無いが変形しており、実用上支障のあるものを△、クラックや膨れがあるものを×として評価した。また、同様に処理後の光沢保持率(%)をグロスメーターで測定した。数値が高いほど光沢率がよいことを示す。得られた結果を表−3に示した。
【0060】
【表3】
Figure 0004428597
【0061】
(実施例4)
〔ポリウレタン繊維の製造〕
1,4−ブタンジオールとアジピン酸から得られた平均分子量2000のポリエステルポリオールと1,4−ブタンジオールを80℃に加熱した混合物並びに50℃に加熱溶融したジフェニルメタンジイソシアネートを定量ポンプにより2軸押出機に連続的に供給して連続溶融重合を行い、生成したポリウレタンをストランド状に水中に押出し、カットしてポリウレタンペレットを製造した。上記ペレットを80℃で20時間乾燥し、2軸押出機により溶融押出しする際に、シリンダーの途中から表−4記載のヒンダードアミン化合物(表−1に記載の化学名と同じ)を同表に示した割合で加えて混合し、ペレット状の安定化ポリウレタン組成物を得た。このペレットを単軸押出し機付紡糸機により、紡糸温度225℃、紡糸速度500m/分、見かけドラフト率847、紡糸テンション0.1g/d、給糸速度差25m/分で紡糸し、40デニール/1フィラメントのポリウレタン繊維を得た。
得られた繊維の屋外暴露30日間後の強度保持率をJIS L1013により測定した強伸度から求めて耐候性として評価した。また、二酸化窒素ガス濃度を650ppmに調整した空気中で1時間処理し、JIS L1013に従って測定した強伸度の保持率から耐NOx性を評価した。いずれも高い数値ほど好ましいことを示す。結果を表−4に示す。
【0062】
【表4】
Figure 0004428597
【0063】
(実施例5)
平均分子量3000のポリプロピレングリコール850gにトリレンジイソシアネート148gを加えて、80℃で12時間、撹拌反応させて、イソシアネート基を3.6重量%含有するウレタンプレポリマーを合成した。
得られたウレタンプレポリマー100重量部に、ポリプロピレングリコール15重量部、MOCA{4,4´−メチレンビス(2−クロロアニリン)のこと}10重量部、炭酸カルシウム58.4重量部、ジオクチルフタレート15重量部、オクチル酸鉛0.8重量部、ヒンダードアミン化合物(実施例1の場合と同じ化合物。表−5に示した。)を加え、混練して20mm(w)×100mm(l)×10mm(d)の容器に表面が平滑になるように充填して3日間室温で硬化させ、得られた硬化物を試験片としてサンシャインウェザオメーター(ブラックパネル温度63℃、雨あり18分/120分サイクル)で評価した。試験開始から100時間目の着色を目視観察して、殆ど変色しない状態を○、黄色く着色した状態を×として耐候性を評価した。また、クラックが発生するまでの時間を耐NOX性として評価した。結果を表−5に示す。
【0064】
【表5】
Figure 0004428597
【0065】
【発明の効果】
本発明に係る特定のカルバモイルオキシ構造を有するヒンダードアミン化合物を合成樹脂に添加使用することにより、酸性条件下でも長期の耐候性に優れる合成樹脂組成物を提供できることがわった。結果として、該組成物を使用して耐農薬性、耐硫黄薫醸性に優れ、酸性雨に暴露されても長期に耐候性を保持できる農業用フィルム、同様に長期に耐候性を保持できる塗料、シーラント、自動車内外装材を提供できることが判明した。

Claims (7)

  1. 合成樹脂(A)100重量部に構造式が下記一般式(I)及び/又は(II)で表されるN−カルバモイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン構造を有する化合物(B)を0.001〜20重量部添加してなる合成樹脂組成物。
    Figure 0004428597
    (式(I)中、Xは−OCO−、−NHCO−又は−OCONH−を表し、R1及びR2は二価の基であり、各々独立に炭素原子数1〜20の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、エーテル結合を有する脂肪族炭化水素基、芳香族基又は置換基を有する芳香族基を表し、nは2以上の整数を表す。)
    Figure 0004428597
    (式(II)中、R2及びnは式(I)と同じ。)
  2. 更に一般式(III)で表されるベンゾエート化合物を添加してなる請求項1記載の合成樹脂組成物。
    Figure 0004428597
    (式中、R3は炭素原子数8〜30の直鎖状又は分岐を有するアルキル基を表す。)
  3. 合成樹脂(A)がポリウレタンである請求項1又は2記載の合成樹脂組成物からなるスパンデックス。
  4. 合成樹脂(A)が直鎖低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン又はエチレン−酢酸ビニル共重合体のいずれかである請求項1又は2記載の合成樹脂組成物からなる農業用フィルム。
  5. 請求項1又は2記載の合成樹脂組成物からなる塗料。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の合成樹脂組成物からなるシーラント材料。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の合成樹脂組成物からなる自動車内外装材。
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