JP4427848B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波磁界による誘導加熱を利用して調理を行う誘導加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の誘導加熱調理器について図13に基づいて説明する。図13は従来使用されている誘導加熱調理器の構成を示す接続図である。
【0003】
商用電源1は、この両端に接続しているダイオードブリッジ13によって整流した整流電圧を、高周波電流の供給源として働く平滑コンデンサ2に供給している。第一のチョークコイル3は、商用電源1の一端に接続しており、第一のスイッチング素子4が零電流でターンオフするように作用しているものである。第一のスイッチング素子4には、第一のダイオード5が並列に接続されている。第一のダイオード5は、第一のスイチング素子4を流れる電流が逆方向となる場合に、この逆方向の電流を環流するために用いている。第一のスイッチング素子4は、オン状態の時に、加熱コイル6と共振コンデンサ7と負荷である鍋8で決まる共振周波数の共振電流を供給する。加熱コイル6は、前記共振周波数の高周波磁界を鍋8に供給する。制御手段9は、マイクロコンピュータなどを用いて、平滑コンデンサ2から供給される入力電力に応じて、前記第一のスイッチング素子4のオンオフを制御している。このとき、制御手段9は第一のスイッチング素子4のスイッチング損失を考慮して、通常20〜30kHzで第一のスイッチング素子4をオンオフ制御している。
【0004】
このため、加熱コイル6は、20〜30kHzの高周波磁界を発生する。この高周波磁界は、鍋8と鎖交して、鍋8の表面に渦電流が流れて鍋8は発熱する。つまり、鍋8は誘導加熱されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の誘導加熱調理器は、スイッチング素子の共振電圧が大きくなって、使用するスイッチング素子の定格が大きくなるという課題を有している。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電源に並列に接続したダイオードブリッジと、前記ダイオードブリッジに並列に接続した平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサの一端に一端を接続した第一のチョークコイルと、前記第一のチョークコイルの他端と前記平滑コンデンサの他端に接続した第一のスイッチング素子と、前記第一のスイッチング素子に逆並列に接続した第一のダイオードと、前記第一のスイッチング素子に並列に接続した加熱コイルと共振コンデンサの直列回路と、前記スイッチング素子を駆動する制御手段と、前記第一のチョークコイルの両端に接続した電圧クランプ回路とを備え、前記電圧クランプ回路は、前記第一のチョークコイルの両端に接続したクランプコンデンサと第二のスイッチング素子の直列回路と、前記第二のスイッチング素子に逆並列に接続した第二のダイオードとによって構成した誘導加熱調理器であって、スイッチング素子や加熱コイルに流れる電流のピークを抑え、スイッチング素子の共振電圧を低くして、スイッチング素子に耐圧定格の低いものを使用できる誘導加熱調理器としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載した発明は、電源に並列に接続したダイオードブリッジと、前記ダイオードブリッジに並列に接続した平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサの一端に一端を接続した第一のチョークコイルと、前記第一のチョークコイルの他端と前記平滑コンデンサの他端に接続した第一のスイッチング素子と、前記第一のスイッチング素子に逆並列に接続した第一のダイオードと、前記第一のスイッチング素子に並列に接続した加熱コイルと共振コンデンサの直列回路と、前記スイッチング素子を駆動する制御手段と、前記第一のチョークコイルの両端に接続した電圧クランプ回路とを備え、前記電圧クランプ回路は、前記第一のチョークコイルの両端に接続したクランプコンデンサと第二のスイッチング素子の直列回路と、前記第二のスイッチング素子に逆並列に接続した第二のダイオードとによって構成した誘導加熱調理器であって、第一のスイッチング素子の共振電圧を低くして、第一のスイッチング素子に耐圧定格の低いものを使用できる誘導加熱調理器としている。
【0008】
請求項2に記載した発明は、制御手段は、入力電力に応じて第一のスイッチング素子の導通状態を制御するとともにクランプ回路のクランプ電圧に応じて第二のスイッチング素子の導通状態を制御して前記第一のスイッチング素子のコレクタ電圧Vce が一定値を維持した状態で前記一のスイッチング素子のオフ区間を終了するようにする誘導加熱調理器である。
【0009】
請求項3に記載した発明は、制御手段は、第一のスイッチング素子に流れる電流が零になったタイミングで第二のスイッチング素子の駆動を開始するようにして、クランプ回路に蓄積された電流をスムーズに抜くことができ、制御性に優れた誘導加熱調理器としている。
【0010】
請求項4に記載した発明は、制御手段は、第二のスイッチング素子を第二のダイオードに電流が流れている間に駆動を終了するようにして、非導通状態で発生する第一のスイッチング素子に発生するスパイク電圧を抑え、第一のスイッチング素子の損失の少ないまた信頼性の高い誘導加熱調理器としている。
【0011】
請求項5に記載した発明は、クランプコンデンサは、第一のスイッチング素子のコレクタ−エミッタ間の電圧が動作時に定格電圧を超えない容量に設定して、クランプ電圧の上昇を抑えることができ、制御性に優れた誘導加熱調理器としている。
【0012】
請求項6に記載した発明は、電源に並列に接続したダイオードブリッジと、前記ダイオードブリッジに並列に接続した平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサの一端に一端を接続した第一のチョークコイルと、前記第一のチョークコイルの他端と前記平滑コンデンサの他端に接続した第一のスイッチング素子と、前記第一のスイッチング素子に逆並列に接続した第一のダイオードと、前記第一のスイッチング素子に並列に接続した加熱コイルと共振コンデンサの直列回路と、前記スイッチング素子を駆動する制御手段と、前記第一のチョークコイルの両端に接続したクランプコンデンサと第二のスイッチング素子の直列回路と、前記第二のスイッチング素子に逆並列に接続した第二のダイオードとによって構成した電圧クランプ回路と、前記第一のチョークコイルの両端に接続した直列に接続した第二のチョークコイルと第三のダイオードからなるピーク電流低減回路を備えるようにして、第一のスイッチング素子として耐圧定格の低いものを使用でき、また第一のスイッチング素子と加熱コイルの損失を低くでき、高効率の誘導加熱調理器としている。
【0013】
【実施例】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例について説明する。図1は、本実施例の構成を示す接続図である。本実施例では、従来例の項で説明した図13の構成に、電圧クランプ回路を加えているものである。電圧クランプ回路は、第一のチョークコイル3の両端に接続したクランプコンデンサ10と第二のスイッチング素子11の直列回路と、第二のスイッチング素子11に並列に接続した第二のダイオード12とによって構成している。前記第二のスイッチング素子11は、制御手段9によって制御されている。
【0014】
商用電源1は、この両端に接続しているダイオードブリッジ13によって整流した整流電圧を、高周波電流の供給源として働く平滑コンデンサ2に供給している。第一のチョークコイル3は、商用電源1の一端に接続しており、第一のスイッチング素子4が零電流でターンオフするように作用しているものである。第一のスイッチング素子4には、第一のダイオード5が並列に接続されている。第一のダイオード5は、第一のスイッチング素子4を流れる電流が逆方向となる場合に、加熱コイル6、共振コンデンサ7、第一のダイオード5を通過するすなわち環流させるために用いている。第一のスイッチング素子4は、オン状態の時に、加熱コイル6と共振コンデンサ7と負荷である鍋8で決まる共振周波数の共振電流を供給する。加熱コイル6は、前記共振周波数の高周波磁界を鍋8に供給する。制御手段9は、マイクロコンピュータなどを用いて、平滑コンデンサ2から供給される入力電力に応じて、前記第一のスイッチング素子4のオンオフを制御している。このとき、制御手段9は第一のスイッチング素子4のスイッチング損失を考慮して、通常20〜30kHzで第一のスイッチング素子4をオンオフ制御している。
【0015】
このため、加熱コイル6は、20〜30kHzの高周波磁界を発生する。この高周波磁界は、鍋8と鎖交して、鍋8の表面に渦電流が流れて鍋8は発熱する。つまり、鍋8は誘導加熱されるものである。
【0016】
第二のダイオード12は、第一のスイッチング素子4のコレクタ電圧が上昇して、クランプコンデンサ10の電位より高くなると、導通する。この導通によって、第一のスイッチング素子5のコレクタ電位を上昇させる電荷をクランプコンデンサ10に供給している。このため第一のスイッチング素子4のコレクタ電圧は一定値以上には上昇しないものである。また第二のスイッチング素子11は、第一のスイッチング素子4のコレクタ電圧がクランプコンデンサ10の電圧より低くなると、クランプコンデンサ10が蓄えた電荷を加熱コイル6及び共振コンデンサ7に放出する様に動作する。
【0017】
制御手段9は、マイクロコンピュータなどを用いて、平滑コンデンサ2から供給される入力電力に応じて、第一のスイッチング素子4のオンオフを制御し、また前記クランプ回路のクランプ動作に応じて、第二のスイッチング素子11のオンオフを制御している。
【0018】
以下、本実施例の動作について説明する。図2は本実施例の誘導加熱調理器が駆動しているときの各部の電流または電圧を示す波形図である。(a)は第一のスイッチング素子4または第一のダイオード5に流れる電流波形Icを、(b)は第一のスイッチング素子4のコレクタ−エミッタ間に生じる電圧Vceを、(c)は加熱コイル6に流れる電流ILを、(d)は制御手段9が第一のスイッチング素子4に与える駆動信号VGEを、(e)は制御手段9が第二のスイッチング素子11に与える駆動信号VsGEを示している。
【0019】
制御手段9は第一のスイッチング素子4にゲート信号(d)を与え、(a)に示すように第一のスイッチング素子4が導通状態になり、加熱コイル6と共振コンデンサ7によって生じる共振電流Icが第一のスイッチング素子4に流れる。この時、本実施例では鍋8にアルミ鍋を使用したいため、加熱コイル6から発生する高周波磁界の周波数をできるだけ高く設定しているものである。すなわち、第一のスイッチング素子4の駆動周波数の整数倍、本実施例では3倍に設定している。このため、第一のスイッチング素子4のスイッチング終了のタイミングがかならず零となって第一のスイッチング素子4のスイッチング損失を低くできまた発生するノイズを低くすることができる。制御手段9は必要な電力を第一のスイッチング素子4により供給した後、第一のダイオード5に電流が流れているタイミングすなわち(a)に示す電流Icが負の区間で第一のスイッチング素子4をオフする。この状態は図2(d)に示すVGEが零になるタイミングが前記Icが負の区間となっているものである。この時、第一のスイッチング素子4のコレクタ電圧Vceは(b)に示すように共振波形となる。この時、本実施例ではクランプ回路を構成するクランプコンデンサ10の作用により実線で示すように、コレクタ電圧Vceが一定値を維持した状態で第一のスイッチング素子4のオフ区間を終了する。すなわち、第一のスイッチング素子4のコレクタ電圧を点線で示しているクランプ回路がない場合の特性よりも非常に低く抑えることができるものである。換言すれば、第一のスイッチング素子4の素子耐圧を低く抑えることができる。
【0020】
(実施例2)
続いて、本発明の第二の実施例について説明する。図3は本実施例の動作を示す波形図である。本実施例では制御手段9は図3に示しているように各部を制御している。
【0021】
波形(a)は第一のスイッチング素子4または第一のダイオード5に流れる電流Icを示し、波形(b)は第一のスイッチング素子4のコレクタ−エミッタ間に生じる電圧Vceを示し、波形(c)はクランプコンデンサ10に流れる電流を示し、波形(d)は第二のスイッチング素子11のコレクタ−エミッタ間電圧を示し、(e)は制御手段9が第一のスイッチング素子4に与える駆動波形VGEを、(f)は制御手段9が第二のスイッチング素子11に与える駆動信号VsGEを示している。制御手段9は(a)に示すIcが零になったタイミングで(f)に示している様に第二のスイッチング素子11を駆動する信号VsGEを供給している。このため第二のスイッチング素子に流れる電流Iscが(c)に示している様にVsGEに同期して流れる。この電流Iscは、クランプコンデンサ10に蓄えられている電荷に等しく、この電荷が加熱コイル6及び共振コンデンサ7に放出される。つまり、第一のスイッチング素子4のコレクタ電圧Vceが上昇するまでのタイミングでクランプコンデンサ10の電荷を抜くことが可能となり、クランプコンデンサ10の電位の上昇によるクランプ電圧の増加を防ぐことができる。また、クランプコンデンサ10に蓄えられた電荷が一気に放出されることを防止することができ、回路を保護することができる。換言すれば、制御性に優れた誘導加熱調理器を実現するものである。
【0022】
(実施例3)
続いて本発明の第3の実施例について説明する。図4は本実施例の動作を示す波形図である。本実施例では制御手段9は図4に示しているように各部を制御している。
【0023】
波形(a)は第一のスイッチング素子4または第一のダイオード5に流れる電流を、波形(b)は第一のスイッチング素子4のコレクタ−エミッタ間に生じる電圧Vceを、波形(c)はクランプコンデンサ10に流れる電流を、波形(d)は第二のスイッチング素子11のコレクタ−エミッタ間電圧を、波形(e)は制御手段9が第一のスイッチング素子4に供給する駆動波形VGEを、波形(f)は制御手段9が第二のスイッチング素子11に与える駆動信号VsGEを示している。
【0024】
制御手段9は(a)に示しているように、第一のスイッチング素子4に流れる電流Icが零になる直前で第一のスイッチング素子4の駆動信号VGEをオフとする。これにより、(b)に示す様に第一のスイッチング素子4のコレクタ電圧Vceは上昇する。コレクタ電圧Vceの上昇に伴って、クランプコンデンサ10には(c)に示しているような電流Iscが流れる。この電流Iscは正のピークの後、反転して負側にも流れ、やがて零となる。本実施例では、このIscが零になる前のタイミングの(f)に示しているように第二のスイッチング素子11に供給している駆動信号VsGEを零にしている。このため、第二のスイッチング素子11に流れる電流が零の時に再び第一のスイッチング素子4をオン状態にすることが可能となり、第二のスイッチング素子11のターンオフ損失及び第一のスイッチング素子4のターンオン損失が少ない状態で第一のスイッチング素子4及び第二のスイッチング素子11のスイッチング制御を行うことができる。
【0025】
以上の様に本実施例によれば、第二のスイッチング素子11または第二のダイオード12を流れるコレクタ電流Iscが零になる前のタイミングで第二のスイッチング素子11に供給している駆動信号VsGEを零に制御することにより、スイッチング損失の少ない誘導加熱調理器を実現するものである。
【0026】
(実施例4)
続いて本発明の第4の実施例について説明する。図5は本実施例の誘導加熱調理器の高周波領域での動作を示す波形図である。また図6は低周波領域での動作を示す波形図である。
【0027】
以下本実施例の動作について説明する。本実施例では、クランプコンデンサ10として、500μF以上の十分大きな容量のコンデンサを用いている。換言すれば、クランプコンデンサ10の容量は、第一のスイッチング素子4のコレクタ−エミッタ間の電圧が動作時に定格電圧を超えない程度の容量であることが重要である。このような設定とすることによって、商用電源1から供給される電力は、非平滑のまま高周波インバータに供給されることになる。この際、ことにより、低周波領域での前半部は第二のダイオード12を通してクランプコンデンサに電位を蓄える動作を行い、後半部では第二のスイッチング素子11を通してクランプコンデンサ10の電荷を放出するように働くことになる。つまり商用周波数の1/2の周期で、クランプコンデンサ10への充放電を繰り返し、クランプ動作を持続するように動作することになる。
【0028】
以上の様に本実施例によれば、クランプコンデンサ10に蓄積された電流をスムーズに抜くことができ、クランプ電圧の上昇を抑えることができ、制御性に優れかつアルミ鍋や多層鍋の加熱可能な誘導加熱調理器を実現できるものである。
【0029】
(実施例5)
続いて本発明の第5の実施例について説明する。図7は本実施例の誘導加熱調理器の構成を示す接続図である。第一のチョークコイル3の両端に、第二のチョークコイル14と第三のダイオード15の直列体で構成したピーク電流低減回路を接続している。
【0030】
以下、本実施例の動作について説明する。図8は本実施例の動作を示す波形図である。本実施例では制御手段9は図3に示しているように各部を制御している。
【0031】
波形(a)は第一のスイッチング素子4または第一のダイオード5に流れる電流Icを示し、波形(b)は第一のスイッチング素子4のコレクタ−エミッタ間に生じる電圧Vceを示し、波形(c)はクランプコンデンサ10に流れる電流ILを示し、波形(d)は第二のスイッチング素子11のコレクタ−エミッタ間電圧VGEを、(e)は第二のチョークコイル14に流れる電流ILsを示している。時刻t1からt2は第一のスイッチング素子5及び第一のダイオード5に電流が流れている区間をである。時刻t2からt3は第一のスイッチング素子4がオフしている区間であり、第一のスイッチング素子4のコレクタ電圧が上昇する区間である。時刻t3区間以降は前記区間の繰り返しである。前記時刻t2からt3の区間では図8(b)のVceがピークに達した後、スムーズに低下しているものである。この理由は図8(e)に示している電流ILsの増加によるものである。すなわち第二のチョークコイル14に流れる電流ILsは、加熱コイル6を流れる電流ILの一部を第二のチョークコイル14によって第一のチョークコイル3及び平滑コンデンサ2に環流させるものである。このため第一のスイッチング素子4に流れる初期電流Icの初期電流が小さくなるものである。このため、図8(a)に示している様に、第一のスイッチング素子4で生じる導通損失が減少すると共に、ターンオン時での第一のスイッチング素子4の共振電圧を低く抑えることができるため、ターンオン時のノイズの発生を低く抑えることが可能になる。また、加熱コイル6に発生する損失を低減できるものである。
【0032】
以上のように、本実施例によれば、電源に並列に接続したダイオードブリッジと、前記ダイオードブリッジに並列に接続した平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサの一端に一端を接続した第一のチョークコイルと前記第一のチョークコイルの他端と前記平滑コンデンサの他端に接続した第一のスイッチング素子と、前記第一のスイッチング素子に並列に接続した第一のダイオードと、前記第一のスイッチング素子に並列に接続した加熱コイルと共振コンデンサの直列回路と、前記スイッチング素子を駆動する制御手段と、前記第一のチョークコイルの両端に接続した直列に接続した第二のチョークコイルと第三のダイオードからなるピーク電流低減回路を備えた構成として、共振電流のピークを抑えることが可能になり、スイッチング素子と加熱コイルの損失を低くでき、またスイッチング素子から発生するノイズを低減できる誘導加熱調理器を実現するものである。
【0033】
(実施例6)
本発明の第6の実施例について図面を参照しながら説明する。本実施例では、図7に示している構成の、第二のチョークコイル14を可飽和リアクトルによって構成しているものである。
【0034】
図9は本実施例で用いている第二のチョークコイル14のリアクタンスの変化を示す特性図である。また図10は本実施例の動作を示す波形図である。本実施例では、第二のチョークコイル14として図9に示しているような飽和特性を有している過飽和リアクトルを使用している。すなわち、第二のチョークコイル14に流れる電流が、ある値に達するまではリアクタンスは一定値を示しており、前記値を超えた時点から急激にリアクタンスが低下するものである。
【0035】
このような飽和特性を有しているチョークコイルを用いることによって、時刻t2から時刻t3の第一のスイッチング素子4が非導通状態にある時には、図10(e)に示しているように、第二のチョークコイル14に流れる電流が大きくなるものである。また、第二のチョークコイル14は図9に示す飽和特性を有しているためリアクタンスがこの時点では小さくなるものである。このため、共振電圧の周波数高くなって、図10(b)に示しているように、第一のスイッチング素子4は、一旦零電圧まで下がった状態で導通するものである。このため、第一のスイッチング素子4が発生するスイッチングノイズは非常に小さくなるものである。また第一のスイッチング素子4が導通状態の時には、第二のチョークコイル14から第一のチョークコイル3への環流電流は小さくなって、第二のチョークコイル14のリアクタンスは大きな値となるものである。すなわち、このときには、第二のチョークコイル14は第一のチョークコイル3に影響を与えないように働くことになる。
【0036】
以上のように本実施例は、第二のチョークコイル14を可飽和リアクトルとしているため、共振電圧を零電圧付近まで低下でき、スイッチングノイズが少なく、制御性に優れた誘導加熱調理器を実現するものである。
【0037】
(実施例7)
続いて本発明の第7の実施例について説明する。図11は本実施例の誘導加熱調理器の回路構成を示す接続図である。本実施例では、前記実施例4で説明した電圧クランプ回路と、実施例5で説明しているピーク電流低減回路の両方を接続しているものである。
【0038】
以下、本実施例の動作について説明する。図12は本実施例の各部の動作を示す波形図である。波形(a)は第一のスイッチング素子4または第一のダイオード5に流れる電流Icを、波形(b)は第一のスイッチング素子4のコレクタ−エミッタ間に生じる電圧Vceを、波形(c)はクランプコンデンサ10に流れる電流Iscを、波形(d)は制御手段9が第一のスイッチング素子4に与える駆動波形VGEを、波形(e)は制御手段9が第二のスイッチング素子11に与える駆動信号VsGEを示している。時刻t2から時刻t3の区間で、第一のスイチング素子4が非導通状態になると、加熱コイル6と共振コンデンサ7との共振電圧がクランプコンデンサ10の電圧より高くなった時点で、第二のダイオード12が導通する。この第二のダイオード12が導通している間に第二のスイッチング素子11を導通状態としているものである。このため、第二のスイッチング素子11に電流が流れる動作がスムーズに行われるものである。また、図12(d)に示しているように、第一のスイッチング素子4の共振電圧は一旦零まで低下するものである。このため、第二のスイッチング素子12を非導通状態に移行する動作がスムーズに行われるものである。
【0039】
以上のように本実施例によれば、第一のスイッチング素子4の共振電圧をクランプでき、共振電圧を低くすることができると共に、第一のスイッチング素子4のピーク電圧を低くでき耐圧定格の低い素子を使用できるものである。また、第一のスイッチング素子4に流れる電流のピーク値を低く抑えることができ、損失の低い高効率の誘導加熱調理器を実現できるものである。
【0040】
【発明の効果】
請求項1、2に記載した発明は、第一のスイッチング素子の共振電圧を低くして、第一のスイッチング素子に耐圧定格の低いものを使用できる誘導加熱調理器を実現するものである。
【0041】
請求項3に記載した発明は、制御手段は、第一のスイッチング素子に流れる電流が零になったタイミングで第二のスイッチング素子の駆動を開始する構成として、クランプ回路に蓄積された電流をスムーズに抜くことができ、制御性に優れた誘導加熱調理器を実現するものである。
【0042】
請求項4に記載した発明は、制御手段は、第二のスイッチング素子を第二のダイオードに電流が流れている間に駆動終了する構成として、非導通状態で発生する第一のスイッチング素子に発生するスパイク電圧を抑え、第一のスイッチング素子の損失の少ないまた信頼性の高い誘導加熱調理器を実現するものである。
【0043】
請求項5に記載した発明は、クランプコンデンサは、第一のスイッチング素子のコレクタ−エミッタ間の電圧が動作時に定格電圧を超えない容量に設定した構成として、クランプ電圧の上昇を抑えることができ、制御性に優れた誘導加熱調理器を実現するものである。
【0044】
請求項6に記載した発明は、電源に並列に接続したダイオードブリッジと、前記ダイオードブリッジに並列に接続した平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサの一端に一端を接続した第一のチョークコイルと、前記第一のチョークコイルの他端と前記平滑コンデンサの他端に接続した第一のスイッチング素子と、前記第一のスイッチング素子に逆並列に接続した第一のダイオードと、前記第一のスイッチング素子に並列に接続した加熱コイルと共振コンデンサの直列回路と、前記スイッチング素子を駆動する制御手段と、前記第一のチョークコイルの両端に接続したクランプコンデンサと第二のスイッチング素子の直列回路と、前記第二のスイッチング素子に逆並列に接続した第二のダイオードとによって構成した電圧クランプ回路と、前記第一のチョークコイルの両端に接続した直列に接続した第二のチョークコイルと第三のダイオードからなるピーク電流低減回路を備えた構成として、第一のスイッチング素子として耐圧定格の低いものを使用でき、また第一のスイッチング素子と加熱コイルの損失を低くでき、高効率の誘導加熱調理器を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例である誘導加熱調理器の回路構成を示す接続図
【図2】 同、各部の動作を示す波形図
【図3】 本発明の第2の実施例である誘導加熱調理器の各部の動作を示す波形図
【図4】 本発明の第3の実施例である誘導加熱調理器の各部の動作を示す波形図
【図5】 本発明の第4の実施例である誘導加熱調理器の高周波領域での動作を示す波形図
(a)誘導加熱調理器の共振電圧がクランプ電圧よりも大きい領域での各部の動作を示す波形図
(b)誘導加熱調理器の共振電圧がクランプ電圧よりも小さい領域での各部の動作を示す波形図
【図6】 本発明の第4の実施例の誘導加熱調理器の低周波領域での動作を示す波形図
【図7】 本発明の第5の実施例である誘導加熱調理器の回路構成を示す接続図
【図8】 同、各部の動作を示す波形図
【図9】 本発明の第6の実施例である誘導加熱調理器に使用しているチョークコイルの特性を示す特性図
【図10】 本発明の第6の実施例である誘導加熱調理器の各部の動作を示す波形図
【図11】 本発明の第7の実施例である誘導加熱調理器の回路構成を示す接続図
【図12】 同、各部の動作を示す波形図
【図13】 従来の誘導加熱調理器の回路構成を示す接続図
【図14】 同、各部の動作波形を示す波形図
【符号の説明】
1 商用電源
2 平滑コンデンサ
3 第一のチョークコイル
4 第一のスイッチング素子
5 第一のダイオード
6 加熱コイル
7 共振コンデンサ
8 鍋
9 制御手段
10 クランプコンデンサ
11 第二のスイッチング素子
12 第二のダイオード
13 ダイオードブリッジ
14 第二のチョークコイル
15 第三のダイオード
Claims (6)
- 電源に並列に接続したダイオードブリッジと、前記ダイオードブリッジに並列に接続した平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサの一端に一端を接続した第一のチョークコイルと、前記第一のチョークコイルの他端と前記平滑コンデンサの他端に接続した第一のスイッチング素子と、前記第一のスイッチング素子に逆並列に接続した第一のダイオードと、前記第一のスイッチング素子に並列に接続した加熱コイルと共振コンデンサの直列回路と、前記スイッチング素子を駆動する制御手段と、前記第一のチョークコイルの両端に接続した電圧クランプ回路とを備え、前記電圧クランプ回路は、前記第一のチョークコイルの両端に接続したクランプコンデンサと第二のスイッチング素子の直列回路と、前記第二のスイッチング素子に逆並列に接続した第二のダイオードとによって構成した誘導加熱調理器。
- 制御手段は、入力電力に応じて第一のスイッチング素子の導通状態を制御するとともにクランプ回路のクランプ電圧に応じて第二のスイッチング素子の導通状態を制御して前記第一のスイッチング素子のコレクタ電圧Vce が一定値を維持した状態で前記一のスイッチング素子のオフ区間を終了するようにする請求項1記載の誘導加熱調理器。
- 制御手段は、第一のスイッチング素子に流れる電流が零になったタイミングで第二のスイッチング素子の駆動を開始する請求項1または2に記載した誘導加熱調理器。
- 制御手段は、第二のスイッチング素子を第二のダイオードに電流が流れている間に駆動終了する請求項1または3に記載の誘導加熱調理器。
- クランプコンデンサは、第一のスイッチング素子のコレクタ−エミッタ間の電圧が動作時に定格電圧を超えない容量に設定した請求項1から4のいずれか1項に記載した誘導加熱調理器。
- 電源に並列に接続したダイオードブリッジと、前記ダイオードブリッジに並列に接続した平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサの一端に一端を接続した第一のチョークコイルと、前記第一のチョークコイルの他端と前記平滑コンデンサの他端に接続した第一のスイッチング素子と、前記第一のスイッチング素子に逆並列に接続した第一のダイオードと、前記第一のスイッチング素子に並列に接続した加熱コイルと共振コンデンサの直列回路と、前記スイッチング素子を駆動する制御手段と、前記第一のチョークコイルの両端に接続したクランプコンデンサと第二のスイッチング素子の直列回路と、前記第二のスイッチング素子に逆並列に接続した第二のダイオードとによって構成した電圧クランプ回路と、前記第一のチョークコイルの両端に接続した直列に接続した第二のチョークコイルと第三のダイオードからなるピーク電流低減回路を備えた誘導加熱調理器。
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