JP4427796B2 - モアレパターンにより文書および物品の認証をするためのセキュリティ図案表出構造および当該構造による認証方法 - Google Patents

モアレパターンにより文書および物品の認証をするためのセキュリティ図案表出構造および当該構造による認証方法 Download PDF

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Description

本発明は、一般的には偽造防止と認証の方法および図案の分野に関し、特に、モアレパターンによる文書と貴重品とを認証するためのセキュリティ図案表出構造および当該構造による認証方法に関する。
紙幣といった文書の偽造は、高品質で低価格のカラー写真複写機およびデスクトップパブリッシングシステムの利用可能性のために、現在はかつてより重大な問題になりつつある。同じことは、しばしば簡単にパッケージを偽造して市販されるCD、DVD、ソフトウエアパッケージ、医薬品などといった他の高額商品についても真実である。
本発明は、紙幣、小切手、クレジットカード、身分証明書(IDカード)、旅行書類、工業的パッケージ、その他如何なる貴重品に関しても改善されたセキュリティ(安全性)を提供する新規なセキュリティ要素と認証手段とを提供し、それによってこれらを遥かに偽造し難くすることに関する。
文書や貴重品の偽造防止と認証のために、従来技術では種々の精巧な手段が導入されてきた。これらの手段の一部は、肉眼ではっきり目に見え、一般公衆のために意図されているが、他の手段は隠されていて管轄当局によるか自動装置によってのみ検出可能である。既に使用されている偽造防止および認証の手段の一部は、特殊紙、特殊インク、透かし、微細文字、セキュリティ糸、ホログラムなどの使用を含む。それにもかかわらずなお、製造された文書または商品のコストを大きくは増加させない更なるセキュリティ要素を導入する切迫した必要性が存在している。
モアレ効果は、文書の認証のために従来技術で既に使用されてきた。例えば英国特許第1,138,011号(カナダ紙幣会社)は、中間調再生を用いて偽造されたときに高いコントラストのモアレパターンを示す特殊な要素を元の文書上に印刷することに関する方法を開示している。類似の方法はまた、文書のディジタル写真複写またはディジタル走査の防止に適用される(例えば米国特許第5,018,767号、発明者Wicker)。これらすべての場合にモアレパターンの存在は、問題の文書が偽造品であることを示す。これに対して他の従来技術の方法は、その存在およびその精確な形状が文書を認証する手段として使用されるモアレパターンの意図的な生成を利用している。モアレ効果が文書上に符号化された画像を目に見えるようにするために使用される一つの既知の方法(例えば米国特許第5,396,559号(McGrew)の「背景」セクションに記載されているような)は、「位相変調」として知られている手法を使用し、潜像としての文書上の画像の物理的存在に基づいている。この手法では、均一な線格子(ライングレーティング)またはドットの均一なランダムスクリーンが文書上に印刷されるが、文書上の潜像の予め定義された境界内に同じ線格子(またはそれぞれ同じランダムドットスクリーン)が異なる位相で、あるいはおそらく異なる方位で印刷される。素人に関してはこのように文書上に印刷された潜像は、その背景から弁別するのが困難であるが、同じではあるが変調されていない線格子(それぞれランダムドットスクリーン)を含む現出透明図案が文書に重ね合わされ、それによってモアレ効果を生成するとき、文書上に予めデザインされた潜像は、その予め定義された境界内にモアレ効果が背景とは異なる位相で現れるので、はっきり目に見えるようになる。しかしながらこの従来から知られた方法は、潜像の形が文書上に物理的に存在し、異なるテクスチャによって満たされているだけなので、模倣が簡単であるという主要な欠点を持っている。この手法の第二の限界は、拡大効果が存在しないことに在る:すなわちベース層と現出透明図案との重ね合わせによって現出されるパターン画像は、潜像と同じサイズを持っている。
米国特許第5,712,731号(Drinkwater等)には、マイクロレンズの周期的2D(二次元)アレイに依存するモアレに基づく方法が開示されている。しかしながらこの最後の開示は、重ね合わされた現出構造がマイクロレンズアレイであって、文書上の周期構造が水平方向・垂直方向に複製された同じドット形状を有する一定の2Dドットスクリーンである場合のみに限定されるという欠点を有する。こうして本発明と対比してその発明は、両者とも透明な支持体(例えばフィルム)上に描かれた現出層として、または円筒形マイクロレンズの格子としての線の格子の使用を除外している。更にその発明は、本発明のように変化する形状と濃度とカラーとで作られるパターンを含むベース層を有する文書を生成することを可能にしない。
米国特許第6,249,588号とその一部係属中の米国特許第5,995,638号においてAmidrorとHerschとによって開示された他のモアレに基づく方法は、文書の真正性を示すモアレ濃度プロファイルを生成するスクリーンドットのアレイの重ね合わせに依存している。これらの発明は、そのサイズと位置と方位とが、重ね合わされた層が互いの上で回転またはシフトされるにつれて徐々に変化する選択されたカラーと形状(活版印刷文字、数字、国章など)のモアレ濃度プロファイルをそれらの重ね合わせの際に生成するドットスクリーン(実のグレイレベルのまたはカラーの中間調画像に使用されるものといった可変濃度ドットスクリーンを含む)、ピンホールスクリーン、またはマイクロレンズアレイといった特別にデザインされた2D周期構造に基づいている。
第三の発明、米国特許出願通番第09/902,445号においてAmidrorとHerschは、上述の前に開示された彼らの方法を改良した新しい方法を開示している。これらの新しい改良は、Journal of Optical Society of America A,Vol.15,1998(米国光学学会雑誌A第15巻1998年の)pp.1100〜1113のI.Amidror and R.D.Hersch(以後、「[Amidror98]」)による論文「Fourier−based analysis and synthesis of moires in the superposition of geometrically transformed periodic structures(幾何学的に変換された周期構造の重ね合わせにおけるモアレのフーリエベースの分析と合成)」と、I.Amidror、Kluwer,2000年による書籍「The Theory of Moire Phenomenon(モアレ現象論)」(以後「[Amidror00]」)と、において展開された理論を利用している。この理論によれば前記発明は、前の米国特許第6,249,588号とその一部係属中の米国特許第5,995,638号においてAmidrorとHerschとによって開示された周期的の場合とちょうど同じように、ドットスクリーンそれ自身は非周期的であるにもかかわらずなお、これらのドットスクリーンが互いに重ね合わされるときにひずみのない要素を有する周期的モアレ濃度プロファイルを発生する非周期的な幾何学変換されたドットスクリーンを合成することが如何にして可能であるかを開示している。米国特許出願通番第09/902,445号は更に、周期的モアレを生成しないケースがなお如何にして文書と貴重品の偽造防止と認証とのために有利に使用できるかを開示した。
米国特許出願第10/183,550号「Authentication with built−in encryption by using moire intensity profiles between random layers(ランダム層間のモアレ濃度プロファイルを使用することによる内蔵暗号化による認証)」において、発明者Amidrorは、二つの特別にデザインされたランダムまたは擬似ランダムドットスクリーンの重ね合わせによってモアレ濃度プロファイルがどのように生成されるかを開示している。この発明の利点は、特別にデザインされたランダムドットスクリーンを合成するために使用される乱数発生器によって提供されるその固有の暗号化システムに依存している。
しかしながら発明者HerschとAmidrorとによってなされた上記の開示(米国特許第6,249,588号、米国特許第5,995,638号、米国特許出願通番第09/902,445号)または文書を認証するためにモアレ濃度プロファイルを利用するAmidror(米国特許出願通番第10/183,550号)は二つの欠点を持っている。第一の欠点は、現出層がドットスクリーン、すなわち2D表面上に置かれた小さなドットの集合(2Dアレイ)から作られることに起因する。ドットスクリーンが小さい透明なドットまたは孔を有する不透明層(例えば小さい透明なドットを有するフィルム)によって実現されるとき、ほんの僅かの量の光しかドットスクリーンを透過できず、この結果得られるモアレ濃度プロファイルは容易には目に見えない。これらの発明ではモアレ濃度プロファイルをはっきり目に見えるようにするためには、人は透過モードで作業する必要がある。すなわち現出層とベース層の両者は、ライトテーブルの前におかれる必要があり、ベース層は好ましくは、半透明の支持体上に印刷されるべきである。反射モードでは現出層が小さい透明なドットまたは孔を有する不透明層によって実現されるとき、モアレ濃度プロファイルはほとんど見ることができない。反射モードでは、マイクロレンズアレイをマスタースクリーンとして使用することが必要である。この場合、マイクロレンズの光焦点合わせ能力のお蔭で、モアレ濃度プロファイルは、はっきりと目に見えるようになる。第二の欠点は、活版印刷文字、数字またはロゴといった1個またはごく少数の小さな形状が配置されなくてはならない極めて限定された空間を各ドットが持っている同様なドットの二次元アレイ(ドットスクリーン)でベース層が作られるということに起因する。この空間は、ドットスクリーンの2D周波数によって、すなわちその二つの周期ベクトルによって限定される。2D周波数が高ければ高いほど、現出層としての2D円形ドットスクリーンと重ね合わされるときに2Dモアレとして小さな形状の拡大を生成するこれらの小さな形状を配置するための空間は小さくなる。それにもかかわらず偽造の意図に対する良好な保護策を保証するために、十分高い周波数が必要とされる。
本開示は、現出線格子と重ね合わされる元の形状を組み込んだバンド格子がこのバンド格子に組み込まれた元の形状の線形変換またはおそらくは非線形変換であるモアレ形状を含むバンドモアレを生成するという発見に基づいている。バンドモアレはドットスクリーンに依存するモアレ濃度プロファイルよりはるかに良好な光効率を持っているので、本発明は、前述の開示が十分な強度のモアレパターンを示すことができないすべての場合に有利に使用できる。特に元のパターン形状を組み込んだベースバンド格子は、反射性支持体上に印刷可能であり、現出ラインスクリーンは単に、細い透明な線を有するフィルムであり得る。現出ラインスクリーンの高い光効率のお蔭で、変換された元のバンドパターンを表す強いバンドモアレパターンは、はっきりと現出される。本発明の更なる利点は、生成されたモアレが多数のパターン、例えばテキスト文(数ワード)またはテキストの1段落を含むことができるということに在る。
本発明には文書上に潜像が存在しないので、また結果として得られるバンドモアレがベースバンド格子内に埋め込まれた元のパターン形状の変換であるので、本発明が上述の位相変調の手法(米国特許第5,396,559号、McGrew)とはまったく異なることは強調されるべきである。この変換は常に、拡大縮小変換(拡大)と、おそらくは鏡像変換、せん断変換および/または屈曲変換を含む。
二つの線格子の重ね合わせによって生成されるモアレの性質がよく知られていることにも留意しよう(例えばK.Patorski、The moire Fringe Technique(モアレ縞の手法),Elsevier 1993, pp.14〜16を参照のこと)。二つの線格子(すなわち線の集合)の重ね合わせによって生成されるモアレ縞(モアレ線)は、例えば米国特許第6,273,473号、Self−verifying security documents(セキュリティ文書の自動検証)、発明者Taylor等に開示されたように紙幣の認証のために活用される。
本発明ではベース層として線格子を使用する代わりに、変化する形状とサイズと濃度とおそらくはカラーの元のパターンを組み込んだバンド格子をベース層として使用する。ベース層と現出線格子とを重ね合わせるときに単純なモアレ縞(モアレ線)を取得する代わりに、我々は元のバンドパターンの、拡大されて変換された事例であるバンドモアレパターンを取得する。
本発明が基づいている手法は、必ずしもフーリエ空間のモアレを分析することを必要とせずに、ベースバンド画像と現出層のパラメータとから生成されたモアレパターン画像を計算し得る、したがって予測し得ることによって、モアレ濃度プロファイルに依存する従来の方法とは更に異なっていることに留意すべきである。
英国特許第1,138,011号 米国特許第5,018,767号 米国特許第5,396,559号 米国特許第5,712,731号 米国特許第6,249,588号 米国特許第5,995,638号 米国特許出願通番第09/902,445号 米国特許出願第10/183,550号 米国特許第6,273,473号 米国特許出願第09/902,227号 ヨーロッパ特許出願99,114,740.6 米国特許出願第09/477,544号 米国特許第5,032,003号 米国特許第4,984,824号 米国特許第4,761,253号 PCT出願PCT/IB02/02686号
本発明は、偽造の意図を防止するために高度の認証手段を必要とするセキュリティ文書(紙幣、小切手、信用証書、有価証券、身分証明書(IDカード)、パスポート、旅行書類、切符など)と貴重品(光ディスク、CD、DVD、ソフトウエアパッケージ、医薬品など)に用いるセキュリティ図案表出構造に関する。本発明はまた、このような文書または貴重品を認証するための新しい方法に関する。

本発明は、ベースバンドパターンで作られたベース層と現出線格子(現出層)とを重ね合わせるときに生成されるモアレパターンに依存している。生成されるモアレパターンは、ベースバンド内に組み込まれた個別のパターンの変換であり、この変換は拡大を含む。ベース層の上で現出層を平行移動または回転させるときに、生成されるモアレパターンは滑らかに発展する、すなわちこれらは滑らかにシフトされ、せん断され、またおそらくは更なる変換を受ける。ベースバンドパターンは、文字、数字、テキスト、記号、飾り、ロゴ、国章、などなどといった形状と濃度とカラーの如何なる組合せも組み込むことができる。したがってこれらは、潜在的な偽造者に利用可能な再生システムの可能性と比較して、元の画像形成・印刷システムのより高い画像形成能力を利用してセキュリティ文書と貴重品とを作成するための大きな可能性を提供する。
本発明は、ベースバンドパターンを作成するための種々の方法を教え、また所定のベースバンド周期と、所定の現出線格子周期と、ベースバンド層・現出線格子間の所定の角度とに関して予測されるべきモアレパターンを説明する。また本発明は、曲線的またはおそらくは真っ直ぐのモアレパターンを作成するために、ベースバンド層に、またおそらくは現出層に幾何学変換が適用され得ることも示す。幾何学的変換を説明するために必要とされる追加のパラメータによってこれらは、可能性のある偽造の意図に対して強化された強靭さを提供し、同時にベース層と現出層との個別化されたペアを生成することを可能にする。
相続くベースバンド内に組み込まれたパターンは、同じであり得るか一つのベースバンドから次のベースバンドへ僅かに発展し得る。もしベースバンドが僅かに発展するならば、結果として得られるモアレパターンも一つの事例から次の事例へ発展するであろう。
本発明の可能な更なる変形版は、所望のベースバンドパターン(マイクロ構造)を組み込んだディザマトリックスでディザ処理されたディザ画像(グレイまたはカラー)の合成である。ディザ処理は、ベースバンド内にディザ処理すべき画像の局所的濃度(またはカラー)にしたがって徐々に変化するサイズと形状のパターンを生成することができる。
代替としてディザ処理は、ディザ化すべき画像の局所的濃度にしたがってパターンまたはパターンの背景の濃度を修正できる。このようなディザマトリックスでディザ処理された画像は、現出層なしで元の画像として現れる。モアレパターンは、ディザ処理された画像の上に重ね合わされる現出層によって現出され、文書の真正性を検証することを可能にする。
文書のセキュリティを更に向上させるために多色ディザ処理は、例えば標準のカラー複写機またはプリンタでは利用可能でない玉虫色インクまたは金属インクといった非標準インクで作成された種々のカラーのオーバーラップしない形状を有するベースバンド層を合成することを可能にする。
本発明の一つの更なる変形版は、一つまたは数個の線格子によって現出されるときに異なるモアレパターンを生成する異なる方位とおそらくは周期との同じベース層上でのベースバンドの数個のセットの組合せである。
本発明の更なる変形版は、マルチパターンモアレの合成である。これは、ベースバンド層内への異なる位相の数個のベースバンドパターンの組込みに依存している。これは、多数のインタレースパターンを有するベースバンドを生成する。生成されたモアレパターンは、多数のインタレースパターンの、変換され混合された事例を含む。もしこれらのパターンが二つの基本的形状間の混合(またはモーフィング)の中間段階を表すならば、マルチパターンモアレは、これら二つの基本形状間で発展するモアレ画像を生成するであろう。マルチパターンモアレはまた、マルチパターンベースバンドを組み込んだディザマトリックスでディザ化された画像によっても生成できる。
本発明はまた、種々の支持体、不透明または透明な材料の上に印刷可能である文書を認証するための新しい方法に関する。用語「文書」は本開示を通じて、紙幣、パスポート、IDカード、クレジットカード、ラベル、光ディスク、CD、DVD、医薬品その他任意の商品のパッケージなどを含む(しかし、これらに限定されない)可能なすべての印刷された物品を指す。本発明の範囲をこれら特定の実施形態に限定することなしに、例としてここに与えられた特定の関心の幾つかの実施形態を説明しよう。
本発明の一実施形態ではモアレパターン形状は、両者が同じ文書の二つの異なる領域に配置されたベース層と現出層とを重ね合わせることによって可視化できるが、この場合ベース層は不透明または透明いずれかであり、また現出層は半透明の線格子で作られる。本発明の第二の実施形態では、文書それ自身の上にはベース層(不透明または透明)だけが現れ、その上に人間のオペレータによって、または文書の真正性を視覚的、光学的または電子的に実証する装置によって重ね合わされる。本発明の第三の実施形態では、現出層は円筒形マイクロレンズの一枚のシートである。このようなマイクロレンズは、より高い光効率を示し、そのベースバンドパターンがベースバンド層上により高い周波数で描かれるモアレパターンを現出することを可能にする。本発明の第四の実施形態では、ベース層は光学的に可変の図案上に再生され、半透明の支持体によって、または円筒形マイクロレンズによって、または円筒形マイクロレンズを模倣する回折図案によって実現された線格子によって現出され得る。
生成されたモアレパターンがベース層、現出層における如何なる顕微鏡的変化にも極めて敏感であるということは、本発明にしたがって保護される如何なる文書も極めて偽造し難くし、真正の文書と偽造された文書とを弁別する手段として役立つ。
本発明にしたがって文書上に現れるベース層は標準的な、あるいは僅かに改善された印刷プロセスを使用して任意の中間調画像と同様に印刷され得るので、文書製造において追加コスト招くことは、殆どあるいは全くない。
本開示では本発明の種々の変形版が説明され、その一部は一般公衆の使用のために開示できるが(以後、「公開の」特徴)、一方他の変形版は秘匿することができ(例えば、ベースバンドの多数のセットを組み合わせたベース層内のベースバンドのセットの一つ)、また管轄当局によって、または自動装置によってのみ検出できる(以後、「秘密の」特徴)。
米国特許第6,249,588号とその一部係属中の米国特許第5,995,638号と米国特許出願第09/902,445号とにおいてAmidrorおよびHerschは、また米国特許出願通番第10/183,550号においてAmidrorは、モアレ濃度プロファイルを使用することによって文書を認証するための方法を開示している。これらの方法は、重ね合わされた層が互いの上で回転またはシフトされるにつれてそのサイズと位置と方位が徐々に変化する任意の好適なカラーと形状(文字、数字、国章などといった)の二次元モアレ濃度プロファイルを、それらの重ね合わせに際して生成する特別にデザインされた二次元構造(ドットスクリーン、ピンホールスクリーン、マイクロレンズ構造)に基づいている。反射モードにおいて、また小さい透明なドットまたは孔を有する不透明な層(例えば小さい透明な孔を有するフィルム)によって実現された現出層(前述の諸発明ではマスタースクリーンと呼ばれる)では、反射光の量が低すぎ、したがってモアレ形状は殆ど目に見えない。更にこれらの発明においてベース層は、1個または極めて僅かな数の文字、数字またはロゴといった小さな形状が配置されなくてはならない極めて限定された空間を各ドットが持っている類似ドットのセット(2Dアレイ)(ドットスクリーン)で作られている。この空間は、ドットスクリーンの2D周波数によって、すなわちその二つの周期ベクトルによって制限される。2D周波数が高ければ高いほど、現出層として2D円形ドットスクリーンと重ね合わされるときに2Dモアレとしてこれらの小さな形状の拡大を生成するこれら小さな形状を配置するための空間は小さくなる。
Figure 0004427796
二つの線格子の重ね合わせがモアレ縞すなわち図2に示すモアレ線を生成することは従来技術からよく知られている(例えばK.Patorski、The moire Fringe Technique(モアレ縞の手法),Elsevier 1993, pp.14〜16を参照のこと)。本発明において我々は、線格子の考えをバンド格子へ拡張する。幅T1のバンドは、線格子(周期T1の)の一つの線事例に対応し、白黒パターン(例えば活版印刷文字)、可変濃度パターン、カラーパターンといったバンドに沿って変化し得る如何なる種類のパターンも元の形状として組み込むことができる。例えば図3には、線格子31と、垂直に圧縮され鏡像変換された文字EPFLを各バンドに組み込んだその対応するバンド格子32とが示されている。現出線格子33によって現出されたときに、左側によく知られたモアレ縞35を、右側にバンドモアレパターン34(EPFL)を観察することができ、これらはベースバンドに配置された文字の拡大と変換である。これらのバンドモアレパターン34はモアレ縞35と同じ方位と反復周期とを持っている。図4は図3のベース層を与え、図5はその現出層を与えている。現出層(線格子)は、透明な支持体上に写真複写でき、ベース層の上に配置される。リーダー(読取り者)は、現出線格子を垂直方向にシフトするときにバンドモアレパターンも垂直シフトを受けることを検証できる。現出線格子を回転させると、バンドモアレパターンはせん断を受けて、したがってそれらの全体的な方位が修正される。
図3はまた、ベースバンド層(またはより正確には単一セットのベースバンド)が周期T1によって与えられる唯一つの空間周波数成分を有することを示している。したがって各バンド間の間隔は周期T1によって限定されるが、バンドの長辺に沿った空間的制限は存在しない。したがって多数のパターン、例えばテキスト文は各バンドに添っておくことができる。これは、二次元構造に依存する従来技術のモアレプロファイルに基づく認証方法(AmidrorとHerschの米国特許第6,249,588号、その一部係属中の米国特許第5,995,638号、米国特許出願通番第09/902,445号、およびAmidrorの米国特許出願通番第10/183,550号)より優れた重要な利点である。
セクション「直線的バンド格子モアレの幾何学形状」において我々は直線格子(透明な線の集合)で作られた現出層がバンドモアレパターンとして個別のバンド内に配置された元のパターンの線形変換を生成することを示す。この変換は、元のパターンの拡大と、おそらくは鏡像変換と、おそらくはせん断とを含む。
図6A、6B、6Cは斜めの方位を持つ現出層を有する更なる例を示す。図6Aは現出線格子を与える。これは透明なものの上に写真複写でき、図6Bに示すベースバンド格子の上に置かれる現出層として使用できる。図6Cは、ベースバンド格子と現出線格子とが互いに重ね合わされるときに生成されるモアレパターン(「123」)を示す。単一の水平ベースバンドが図6Bの上に示されている。
現出層を回転させることによってモアレパターンがどのようにしてその形状を変化させるかを見ることができる。現出層を回転させることは、角度を変化させ、したがって元の形状とモアレ形状との間の変換を変化させ、モアレバンドの方位の変化とモアレパターンのせん断とを含む変換を生成する。
我々は最初に、直線的ベースバンドで作られたベース層と直線格子で作られた現出層との重ね合わせによって得られるモアレの幾何学形状を説明する。それから我々は、幾何学変換をベース層と、おそらくは現出層とに適用することによって曲線的モアレを得る方法を説明する。
ベースバンドパターンと現出線格子とを示すすべての図面が図面を写真複写してモアレパターンの外観を検証することを可能にするために大きく拡大されていることにご留意のこと。しかしながら実際のセキュリティ文書では、ベースバンド周期(T1)と現出線格子周期(T2)は遥かに小さくて、標準的な写真複写機またはデスクトップシステムでベースバンドパターンの写真複写を取ることを極めて困難にするであろう。
(用語法)
用語セキュリティ文書は、紙幣、小切手、信用証書、有価証券、身分証明書(IDカード)、パスポート、旅行書類、切符などを指す。これはまた、セキュリティ図案によって保護されることを必要とする貴重品(光ディスク、CD、DVD、ソフトウエアパッケージ、医薬品などといった)を指す。セキュリティ図案は、貴重品の真正性を検証することを可能にする手段である。一般にセキュリティ図案は、文書内、貴重品のパッケージ内または貴重品自体の中に組み込まれる。
用語「画像」は、紙、表示装置、またはホログラム、キネグラム等々といった光学的媒体といった種々の媒体上に再生されるイラスト、図形、装飾パターンといった種々の目的のために使用される画像を表す。画像は、単一チャネル(例えばグレイまたは単色)または多数チャネル(例えばRGBカラー画像)を持つことができる。各チャネルは、所定数の濃度レベル(例えば256レベル)を含む。グレイレベル画像といったマルチ濃度画像は、しばしばバイトマップと呼ばれる。今後、二レベル画像(例えば黒に関して濃度「0」、白に関して濃度「1」)は、ビットマップと呼ばれる。
印刷画像は、標準カラー(一般にインクまたはトナーによって実現されるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)によって、または非標準カラー(すなわち標準カラーとは異なるカラー)、例えば蛍光カラー(インク)、紫外線カラー(インク)、ならびに金属カラーまたは玉虫色カラー(インク)といったその他任意の特殊カラーによって印刷できる。
用語モアレパターン画像または単にモアレ画像は、ベースバンドで作られたベース層(ベースバンド層とも呼ばれる)と現出層としての線格子との重ね合わせによって生成されるモアレパターンを表す。用語バンドモアレまたはバンドモアレパターンは、考慮されたモアレパターンがベースバンドで作られたベース層と線の格子で作られた現出層との重ね合わせによって生成されることを示す。
ベース層は、ベースバンドの数個の異なるセットを含むことができる。ベースバンドの異なるセットは、異なる幾何学的レイアウトを持つことによって特徴付けられ、例えば1セットの曲線的ベースバンドのレイアウトを特徴付けるそれらの方位、周期、または幾何学変換は変化できる。用語「ベースバンドのセット」または「ベースバンド格子」は、同等である。
本発明において我々は、用語、線格子を一般的な仕方で使用する:線格子は、不透明または半透明の支持体(例えば図1Aの10)上の透明な線(例えば図1Aの11)のセットによって、または円筒形マイクロレンズによって、または円筒形マイクロレンズとして機能する回折図案によって実現可能である。我々は、用語「線格子」の代わりに用語「線の格子」を使用することもある。本発明においてこれら二つの用語は同等であると考えられるべきである。
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本発明において我々は、ベースバンドと線格子が直線構成であり得る、すなわちそれぞれ直線的バンドと直線とによって形成され得るか、あるいは曲線的であり得る、すなわちそれぞれ湾曲したバンドと曲線とによって形成され得る。更に線の格子実線(連続線)で作られる必要はない。現出線格子は、破線で作ることができ、またバンドモアレパターンを生成することもできる。
用語「印刷」は、基板へのインクの堆積といった従来の印刷プロセスに限定されない。今後この用語は、より広い意味を持ち、基板上にパターンを生成すること、または潜像を転写することを可能にする如何なるプロセスも、例えば彫刻製版印刷、フォトリソグラフィー(写真製版印刷)、感光性媒体の露光、エッチング、鑽孔、浮出し、熱可塑性記録、フォイル転写、インクジェット、染料昇華などを包含する。
(直線的バンド格子モアレの幾何学形状)
図7に与えられた例は、ベースバンド周期T1を有するベースバンド層71と線周期T2を有する現出層線格子72との重ね合わせがベースバンドに配置されたパターン(三角形)の拡大を含む変換によって変換された事例であるバンドモアレパターン73を生成することを詳細に示す。現出線格子はベースバンド周期T1より大きな周期T2を持っているので、これはベースバンド74内で継続的に異なる相対位置でベースバンド三角形の異なる事例をサンプリングする。
図8は、モアレパターンがベースバンド層のベースバンド82、83、・・・の各繰り返しの中で本実施形態に配置された元のベースバンドパターン81の変換であることを示している。個別のバンド内に並べられたパターンは、反復的である必要はない。単一のベースバンド例81は、非反復的パターンを組み込んでいる。一般的場合では継続的ベースバンドに組み込まれたパターンは、ベースバンドパターンの変換(拡大を含む)であるモアレパターンを生成するために相似であるべきである。
純粋に幾何学的考察によって、元のパターンを組み込んだ個別のバンドB、B、B、・・・(元のベースバンド空間)と、モアレが現れるx−y空間(モアレ空間)との間の変換を導き出すことができる。この目的のために図9で説明される幾何学形状を考える。
バンド格子B、B、B、・・・の各個別バンドBは、周期T1の一つのバンドによって与えられる。一般性を失うことなく我々は、説明のために、ベースバンドが水平である、すなわちこれらの境界がx軸に平行であると仮定する。
この幾何学的説明のために我々は、継続する水平バンドB、B、B、・・・がベースバンドBの単純に平行移動した複製であると仮定する。この場合(図9)、平行移動はバンドの方位に垂直であり、対応する平行移動ベクトルは(0,T1)である。
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図10は、現出線格子の相続く線L、L、L・・・がベース層の異なるバンドB、B、B、・・・の平行四辺形P’内でサンプリング(サンプル抽出)されることを示す。垂直のバンドはバンドB0の複製であるから、現出線格子は同じベースバンドパターンの異なる(複製された)事例をサンプリングする。
線L、L(図10)とベース格子バンドBとの交差によって定義される平行四辺形Pを考えてみる。
バンドBと交差する線Lの線分l01は、バンドB内のその平行移動したバージョンl01’と同じ空間をサンプリングする。バンドBと交差する線Lの線分l02は、バンドB内のその平行移動したバージョンl02’と同じ空間をサンプリングする、以下同様。
したがってバンドBと交差する線Lの相続く線分l0jは、それらの平行移動したバージョンl0j’と同じ空間をサンプリングする。これは、平行四辺形P’とバンドB内に位置する平行四辺形Pとの間の線形写像を確立する。
同様に図11に示すように、線形写像は、平行四辺形P−1と平行四辺形P−1’との間、平行四辺形Pと平行四辺形P’との間、平行四辺形Pと平行四辺形P’との間、等々に存在する。バンドBを構成するこれらの平行四辺形はバンドB’を構成する平行四辺形に写像される。同様にバンドBを構成する平行四辺形QはバンドB’を構成する平行四辺形Q’に写像され、以下すべてのバンドに関して同様である。
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また一つのバンドBの内容をその前のバンドBi−1に関して値sだけ僅かに平行移動させることもできる。これは、水平方向にl01’の位置をsだけ移動させる、l01’の位置を2だけ移動させる、等々の効果を有する。これは、そのパラメータが前述の手法と類似の手法にしたがって計算できる異なる線形写像を生成する。
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図13は、垂直方向の拡大縮小の例を示す。図13の130は、周期T1を有し、垂直方向に縮小された文字「P」を組み込んだ一連のベースバンドを示す。この例では現出層の周期T2は、修正されている。三つのケースが考えられる。比率T2/T1が1より小さいとき、モアレパターンは鏡像変換され拡大縮小されたベースバンドパターンである。図13の131では比率T2a/T1は0.95である。したがって拡大率d=1/(1−T1/T2)は1/(1−1/0.95)=−19に等しい。モアレパターン(132)はベースバンドパターンの鏡像変換された画像(d<0)である。T1=T2のとき(133)、現出層は各ベースバンドの同じ部分を正確に現出し、拡大率は無限大である。比率T2/T1が1より大きいとき、モアレパターンは拡大縮小されたベースバンドパターンである。図13の134では比率T2c/T1は1.05である。したがって拡大率dは20に等しい。モアレパターン(135)は拡大率20によって拡大されたベースバンドパターンである。
1より小さい比率T2/T1、すなわちT2<T1によると(図13の136)、ベースバンドパターンは現出層のより多くの現出線によってサンプリングされ、したがってそれらの対応する現出されたモアレパターンはより精確である。この場合我々は、鏡像変換されたベースバンドパターンを生成できる。鏡像変換されたベースバンドパターンは、認識がより困難であり、したがってより容易に秘匿できる(セクション「組み合わされた多数方位バンドモアレ」を参照のこと)。
(バンドパターンの生成)
図9は、バンド格子B、B、B、・・・を有するベース層と現出線格子L、L、L、・・・を有する現出層とを組み込んでいる。ベースバンドB、・・・、Bの上に複製された平行四辺形Pはモアレ平行四辺形P’を生成する。平行四辺形PをベースバンドB−1、・・・、B−6の上に複製することはモアレ平行四辺形P”を生成する。同様に平行四辺形PをベースバンドB、・・・、Bの上に複製することはモアレ平行四辺形P’を生成し、ベースバンドB−1、・・・、B−6の上に複製することはモアレ平行四辺形P”を生成する。ベーバンドBの相続く平行四辺形は、相続くモアレ平行四辺形をカバーする。
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二レベルベースバンドパターンは、Adobe IllustratorまたはAdobe Photoshopといった標準のソフトウエアによって容易に生成できる。ベースバンドパターンはまた、所望の反復性または非反復性パターンを組み込んだ走査され、おそらくは編集済みのビットマップを組み込むこともできる。
可変濃度ベースバンドパターンは、各ベースバンド内に白黒またはカラーいずれかのディザ画像を挿入することによって生成できる。この結果得られるモアレパターンもまた白黒またはカラーいずれかの可変濃度画像でありうる。
図12A、12B、12Cは、いったん所望の非トリビアル・モアレパターン画像が定義されて、現出線格子の好適な方位が選択されたときのベースバンドパターンのレイアウトを示す。図9によれば、モアレ平行四辺形P’(図12Aの121)はベースバンド平行四辺形P(図12Bの122)に写像される。方程式2で与えられる順方向変換は、ベースバンド平行四辺形(図12B)のモアレ画像空間におけるモアレバンド平行四辺形(図12A)への写像を指定する。図12Cは、図12Bに示すベースバンドの繰り返しで作られたベース層の一部を示す。
所望のバンドモアレパターン画像(図12A)を生成することのできるベースバンドを構築するために、ベースバンド画像(バイトマップまたはビットマップ)は1画素ごと、1走査線ごとにトラバースされる。各画素において現在のベースバンド平行四辺形P(例えば122)とモアレバンド平行四辺形P’(例えば121)とが識別され得る。順方向変換によれば、近隣画素間の内挿によって、対応するモアレ平行四辺形P’内の対応する画素が配置され、その濃度が得られる。その濃度は、現在のベースバンド画素濃度に割り当てられる。このアルゴリズムは1個の単一ベースバンドを生成する(図12B)。ベースバンドを垂直方向に複製することによってベースバンド格子が生成される(図12C)。
(方程式2)にしたがって計算されたモアレバンド画像内の変位ベクトルをベースバンド内の単位水平画素変位に関連付けることによってこのアルゴリズムを最適化できる。ベースバンドを水平に走査することは、モアレバンド画像(図12A)において、計算された変位ベクトルにしたがう斜め走査に対応する。その高さhによって与えられるモアレバンド画像の垂直方向の境界の一つに到達した後に、次の位置はバンドモアレ平行四辺形の高さhを法とする現在位置である(hの計算に関しては、方程式6を参照のこと)。
図12Aは、生成されたモアレパターンの単に一例を示している。多くの垂直方向に複製されたベースバンドによれば図12Aに示すモアレパターンの数例が垂直方向に得られる。モアレパターンの横方向の複製を得るためには図12Bに示すベースバンドパターンは、ベースバンドに沿って水平方向に複製される必要がある。しかしながら図12Aに示すモアレパターンの左右のサイドに異なるモアレパターンを持つように選択することもできる。これは、対応する異なるベースバンドパターンが図12Bに示すパターンの左側と右側に挿入される必要があることを意味するであろう。
偽造の意図に対する強力なセキュリティ(安全保護)を提供し、同時に美しいセキュリティ文書を提供するために、ベース層の各バンド内に嵌め込まれる特定の微細構造のパターンを有する文書上に並べられる全体的画像(グレイスケールまたはカラー)を中間調化することができる。この目的のために、発明者R.D.Hersch、E.Forler、B.Wittwer、P.Emmelによる米国特許出願第09/902,227号の「Images and security documents protected by microstructures(微細構造によって保護される画像とセキュリティ文書)」に記載された方法が使用できる。この発明は、全体的画像がそれから合成される微細構造を合成する方法を教えている。所望の微細構造パターンのビットマップ表現が与えられればこの方法は、その微細構造パターンを組み込んだ複雑なディザマトリックスを生成する。それからこのディザマトリックスは、全体的画像をディザ処理してベース層を生成するために使用される。この結果得られたディザ画像においてこのようなディザマトリックスは、全体的画像内の対応する局部的濃度にしたがって個別の微細構造パターンの濃度を修正するという効果を有する。
しかしながら微細構造パターンを組み込んだディザマトリックスは、他の手段によって合成することもできる。Oleg VeryovkaとJohn Buchananは、彼らの論文「Texture−based Dither Matrices(テクスチャに基づくディザマトリックス)」Computer Graphics Forum Vol.19,No.1,pp51−64において、任意のグレイスケール・テクスチャまたはグレイスケール画像からディザマトリックスを構築する方法を示している。彼らはディザ閾値レベルの均一な分布を保証するためにヒストグラム並行を適用する。単にビットマップパターンに低域フィルタを適用することによってビットマップパターンからグレイスケール画像を得ることができる。その結果は、米国特許出願第09/902,227号に提案された方法よりも低品質であるが、単純なパターンには有効である。
所望のベースバンドパターンを組み込んだディザマトリックスを生成する更なる方法は、再生すべき画像の局部的濃度にしたがってパターン(前景)またはパターン背景のそれぞれの濃度を修正するディザマトリックスを生成することに在る。このようなディザマトリックスを生成するために、マスクとしてのベースバンドパターンを考え、また標準的ディザマトリックス、例えば小さなクラスタ化されたドットを生成するディザマトリックスの値を修正してみよう(H.R.Kang,「Digital Color Halftoning(ディジタルカラーの中間調生成)」,SPIE Press,1999,pp.214−225を参照のこと)。ディザ値の全範囲の1区分の第一の部分(例えば半分)内に収まるようにベースバンドパターンマスク内で初期のディザ値を拡大縮小し、おそらくはシフトするように、またディザ値の全範囲の区画の第二の部分(例えば半分)内に収まるようにこのマスク外側でディザ値を拡大縮小し、おそらくはシフトするように、選ぶことができる。ベースバンドパターンを組み込んだこのような修正されたディザマトリックスは、図14の144に示されている。全体的画像の対応するディザ化ベースバンド部分は、図14の146に示されている。暗い調子では、パターンは黒であり、パターン背景は暗い。中間調では、パターンは黒に近く、パターン背景は白に近い。ディザ値の全範囲の区画は、パターン(前景)とその対応するパターン背景との相対的表面に比例し得る。
その結果の説明として、図14の141は全体画像を示し、142は微細構造パターンを組み込んだビットマップを表す。144は単一のベースバンド内に収められ、ベースバンドパターン(微細構造)を組み込んだ修正済みディザマトリックスの拡大図を示す。145は結果として得られたディザ化ベースバンド層を示す。ベース層はディザ処理された全体画像であり、そのベースバンドは微細構造パターンを組み込んでいる。ディザ化プロセスは、各個別ベースバンド内に微細構造パターンを生成する。この場合、ベースバンドはパターンの濃度だけ、またはそのパターンの背景の濃度だけ互いに異なる。濃度修正(米国特許出願第09/902,227号による、上記を参照のこと)と、パターンの前景と背景それぞれの濃度値の修正とを組み合わせてディザマトリックスを生成することもできる。
またヨーロッパ特許出願99,114,740.6(発明者R.D.Hersch,N.Rudaz、1999年7月28日出願、譲受人:Orell−FussliおよびEPFL)と、N.Rudaz,R.D.Herschによる出版物「Protecting identity documents with a just noticeable mocrostructure(正に注目すべき微細構造を有する身分証明書の保護)」、Conf.Optical Security and Counterfeit Deterrance Techniques(光学的セキュリティ(安全保護)と偽造抑止の手法に関する会議) IV,2002,SPIE Vol. 4677,pp.101−109と、に開示された色差方法によって全体画像内のベースバンドにカラーパターンを生成することもできる。
(曲線的バンドモアレ)
周期的バンドモアレパターンに加えて、興味深い曲線的バンドモアレパターンを生成することもできる。二つの幾何学的に変換された周期的層の重ね合わせにおけるモアレが元の周期層間に形成されたモアレの幾何学変換であることは、幾何学的に変換された周期構造のフーリエ解析[Amidror98]から知られている。
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方程式11は、曲線モアレ(k,k)の幾何学形状を定義する。変化する形状のパターンを組み込んだ曲線モアレバンドを生成するために我々は、曲線格子をその対応する曲線ベースバンド層で置き換える。これは、元の反復する周期線格子をその対応する周期ベースバンド層に交換して、そのバンド内にモアレパターンとして現出されるべきパターンを生成することによって行われる。変換g(x、y)は曲線ベースバンド層を(例えば再サンプリングによって)生成することを可能にする。同様に変換g2(x、y)は曲線現出線格子を生成することを可能にする。もし現出層として直線格子を持ちたければ、変換g(x、y)は省略できる。
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曲線ベースバンド層r(x,y)を生成するために、曲線ベースバンド層空間は、1画素ずつ、また1走査線ずつトラバースされる。1画素ごとに元の空間内の対応する位置(x’,y’)=g(x,y)が見出され、その濃度(おそらくは近隣画素の内挿によって得られる)は、現在の曲線ベースバンド層画素r(x,y)に割り当てられる。図16は、対応するベースバンド層を与え、図17は透明な支持体上に写真複写できる現出線格子を与える。図15による曲線ベースバンド層の上に現出線格子を置いてその曲線ベースバンド層の上で現出線格子を回転させると、モアレバンドの回転と屈曲ならびにモアレ形状の変形が観測できる。
魅力的な曲線バンドモアレを生成するベース層と現出層とを生成するために実施されるステップは、下記の通りである:
1.G.Oster,The Science of moire Ptterns,Edmund Scientific,1969に記載されたもの、または[Amidror00,pp353−360]に記載されたものといった、二つの曲線格子間の、または一つの曲線格子と一つの直線格子との間の曲線モアレの例を吟味する。
2.これらの例からベースバンド層として曲線格子またはその一部を、そして現出層として曲線格子または直線格子のいずれかを選択する。曲線ベース層を製造させる数学的公式を決定する。
3.ベース層の単一曲線バンドを考慮してこれらの曲線バンドと直線バンド格子のベースバンドとの間の変換を考案する。
4.元の印刷装置または画像転写装置の能力にしたがって、変化する形状、濃度および/またはカラーを有する直線バンド格子内にパターンを作成する。これらのパターンは、二レベル画像、グレイスケール画像、カラー画像またはディザマトリックスであり得る。
5.前記パターンを曲線ベースバンドに写像するために曲線ベースバンドと直線ベースバンド格子のベースバンドとの間の変換を使用する。ディザマトリックスの場合、曲線ベースバンド格子空間内の位置に関してディザマトリックス内の対応する位置に関連するディザ閾値レベルを取得するためにこの変換を使用する。
6.現出線格子(曲線または直線の)によって、結果得られるモアレ画像の形状を検証する。モアレパターンはベースバンドパターンの、拡大され変換された事例である。しかしながらベースバンドパターンとモアレパターンとの間のある幾つかの変換は、視覚的に満足な結果を生成し、他の変換は視覚的に不満足な結果を生成する可能性がある。ベース層を支配するパラメータと、現出層を支配するパラメータと、ベース層・現出層の相対的位置および方位と、を修正することによって、変換を修正したがって結果的に得られるモアレパターン画像を修正できる。目標は、良好な視覚的インパクトと高い審美的品質とを有する、おそらくは異なる周波数および方位を組み込んだベースバンド層を有するモアレパターン画像を創生することである。
曲線バンドと直線バンド格子のバンドとの間の変換は、曲線バンド格子を定義する前述の関数g(x,y)によって与えられるか、もし曲線ベースバンド層が別の構造、例えば同心円の創生によって生成されるならば、曲線ベースバンドと直線バンド格子との間の徐々に行われる変換写像を見出すことができる。図18Aは、v’、v’、v’、・・・によって境界を画定された1セットの直線ベースバンドとv、v、v、・・・によって境界を画定された対応する円形ベースバンド(ここではリング)との間の変換の例を示す。それらの境界v’,vi+1’,u’,uj+1’によって画定された矩形要素(図18Aの181)は、境界v,vi+1,u’,uj+1によって画定された円形ベースバンド部分(図18Bの182)に写像される。
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曲線ベースバンド層と曲線現出線格子とを生成するための極めて多数の可能な幾何学変換は、特定のペアとしてだけ、もしベース層と現出層とが特定の幾何学的条件(相対位置、相対方位)にしたがって重ね合わされるならば所望のモアレパターンを生成できる個別化されたベース層と現出層とを合成することを可能にする。更に、ベース層とその対応する現出層との幾何学的レイアウトを定義するパラメータをしばしば修正することによって卒業証書、入場券または旅行書類といった広く普及した文書のセキュリティを強化することが可能である。
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(多色ベースバンドパターン)
本発明は、単色の場合だけに限定されない。これはベース層のバンドに配置されるパターンを生成するために種々のカラーを使用することから大いに利益をもたらし得る。
中間調化によってフルカラーの画像を生成するために種々のカラー(通常は:シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の数個(通常は3個または4個)の中間調化された層が重ね合わされる標準的な多色印刷手法と同じ仕方で色づけバンドを生成することができる。例として、もしこれらの中間調化された層の一つが本発明によるベース層として使用されれば、白黒の現出線格子で生成されるバンドモアレパターンは、このベース層のカラーに極めて近いであろう。もし異なる色づけ層のうちの数層が本発明によるベースバンドパターンのために使用されるならば、それらの層の各々は、無色の現出線格子によって問題のベースバンドパターンのカラーに近いバンドモアレパターンを生成するであろう。
本発明において色つきバンドを使用するもう一つの可能な方法は、その個別バンドが異なるカラーのサブエレメントを含むパターンからなるベース層を使用することによるものである。並べて印刷された種々のカラーのサブエレメントを有するカラー画像は、2000年1月4日に出願された米国特許出願第09/477,544号(Ostromoukhov,Hersch)と、SIGGRAPHの年次会議1999年のpp.425−432のV.OstromoukhovとR.D.Herschによる論文「Multi−color and artistic dithering(多色の審美的ディザ処理)」とに記載された多色ディザ処理方法にしたがって生成できる。偽造防止手段としてのこの方法の重要な利点は、マルチパス・カラー印刷における異なるカラー間でこの方法が要求する高い精度のお蔭で、パターンの完全に並置されたサブエレメントを印刷する際の極端な困難さから得られる。紙幣といったセキュリティ文書を印刷するために使用される最も高性能のセキュリティ印刷装置だけが、異なるカラーの位置合せ(以後「見当(レジスタ)」)において必要な精度を与えることができる。より低い性能の装置で文書を偽造する際に避けられない見当誤差(レジスタ・エラー)は、ベース層エレメントの異なる色つきサブエレメント間で小さなずれを引き起こすであろう:このような見当誤差は、バンドモアレによって大きく拡大され、また現出線格子によって得られるモアレパターンの形状とカラーとを著しく劣化させるであろう。
微細構造パターンによる文書の保護は、白黒インクまたは標準的カラーインク(シアン、マゼンタ、イエロー、そしておそらくはブラック)で印刷された文書に限定されない。係属中の米国特許出願第09/477,544号(2000年1月4日に出願された発明者V.OstromoukhovとR.D.Herschとによる「Method and apparatus for generating digital halftone images by multi−color dithering(多色ディザ処理によってディジタル中間調画像を生成するための方法および装置)」)によれば、多色ディザ処理によって、ベース層のバンド内にパターンを生成するために非標準カラーインク、金属インク、蛍光インク、または玉虫色インク(可変カラーインク)といった特殊インクを使用することが可能である。例えば金属インクの場合、ある一定の観察角で見るとモアレパターンは通常インクで印刷されたように見え、別の観察角(鏡面観察角)で見ると鏡面反射のせいでモアレパターンは遥かに強く現れる。モアレパターンの見え方の同様な変化は、玉虫色インクによって達成できる。モアレパターンの見え方のこのような変化は、元の文書が走査されて再生または写真複写されると、完全に消える。
多色の場合のもう一つの利点は、ベース層のバンド内にパターンを生成するために非標準インクが使用されるときに得られる。非標準インクはしばしば、そのカラーが標準的なシアン、マゼンタ、イエローのインクの全範囲の外に位置づけされるインクである。ベース層のバンド内に配置され、非標準インクで印刷された色つきパターンの高い周波数のお蔭で、標準のシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの再生システムは、元のカラーを中間調化することを必要とし、それによって元のカラーパターンを破壊するであろう。ベース層のバンド内のパターンの破壊のお蔭で、現出層は元のバンドモアレパターンを生成できないであろう。これは、偽造を防止する更なる保護を与える。
標準または非標準カラーインク(標準または非標準の色分解)を使用してカラー画像を印刷するための一つの可能な方法は、2000年1月4日に出願された米国特許出願第09/477,544号(Ostromoukhov,Hersch)と、SIGGRAPH年次会議1999年pp.425−432のV.OstromoukhovとR.D.Herschとによる論文「Multi−color and artistic dithering(多色の審美的ディザ処理)」とに記載されている。「多色ディザ処理」と呼ばれるこの方法は、前述の標準的ディザ処理と類似のディザマトリックスを使用し、ベース層(中間調化された画像)の各画素のためにそのカラー、すなわちその画素のために割り当てられるインク、インクの組合せまたは背景カラーを選択する手段を備えている。曲線ベース層の場合、対応する直線ベースバンド層内のパターンは、微細構造パターンを組み込んだディザマトリックスによって与えることができる。曲線ベースバンド格子空間内の位置(x,y)に関して、ディザマトリックス内の対応する位置(x’,y’)に関連するディザ閾値レベルを得るために幾何学変換(x’=g(x,y),y’=g(x,y))が使用される。前述の参考資料で説明したように、多色ディザ処理方法は、寄与するカラーが並べて印刷されることを構成によって保証している。したがってこの方法は、高い見当精度から利益をもたらす、また非標準インクで印刷でき、それによって印刷された文書を極めて偽造し難くし、前述のように認証し易くできるハイエンドの印刷装置のために理想的である。
(マスクに基づく多数のバンドモアレパターン)
一つの更なる興味深い変形版は、一つのベースバンド方位にしたがって表現されるベース層の領域(図21の210)と、もう一つのベースバンド方位にしたがう周囲領域(図21の211)とを指定するマスクを持つことに在る。その方位にしたがって現出線格子はそれから、このマスクの内側(212、拡大図は214)または外側(213、拡大図は215)のいずれかにバンドモアレパターンを現出することができる。多くのマスクを持つことによって、種々の方位および/または周期を有するベースバンドパターンの多くの異なる集合を生成することができる。並べて、または互いに上下に重ねて置かれる数個の現出線格子を有する現出層が生成でき、それによって単一の現出層で多数のバンドモアレパターンを現出することが可能になる。
ベースバンドのこのような多様性は、写真複写装置、特にカラー写真複写機が小さなパターンまたは構造(例えば非標準カラーで印刷されたパターン)をそれらの方位にしたがって異なるように再生する傾向があるので、偽造防止に対する高い保護を提供する。したがって現出されたモアレパターンは、一部の方位では現出され得るが、他の方位では消失する可能性がある。
(組合せ多方位バンドモアレパターン)
バンドモアレパターンは多数の異なるベースバンドパターンをサンプリングすることによって形成されるので、これらのベースバンドパターンは他のパターンによって乱され、部分的に破壊され、あるいは重ねられ得る。例えばベースバンドパターンを、種々のカラーまたは濃度を有する他のかぶせられたパターンの中に埋め込むことができ、また更に所望のバンドモアレパターンを生成することもできる。文書のセキュリティを向上させる一つの方法は、同じまたはおそらくは異なる方位および/または周期の多数のバンドパターンを重ね合わせることである。図22は、一例として各々が異なる方位と異なるベースバンドパターンとを有する3個の重ね合わせベースバンド格子を含むベース層を示す。バンドモアレパターンは、異なる方位(221、222、223)において一つの線格子によって現出される。より多くのベースバンド格子がベース層に組み込まれているのでベースバンド格子内に組み込まれたベースバンドパターンの形状を復元することは、より困難になることが観察できる。
この方法は、個別の重ね合わせベースバンド層がカラー、濃度、形状、周期、方位において異なり得るので大きなデザインの自由を提供する。現出層もまた、方位と周期において異なり得る。更に1個または数個のベースバンド層と、おそらくはそれらの現出層は、曲線的であり得る。それから例えば、一部のモアレパターンを公開し、他のモアレパターン(秘匿パターン)を非公開にすることによって種々のレベルの認証を創生することができる。
(位相に基づくマルチパターンモアレ)
組み合わされた多数バンドモアレパターンを生成する更なる極めて魅力的な可能性は、ベースバンド層の異なる位相で描かれる多数のインタレースパターンを有するベースバンドの構成に依存している。異なるパターンは、例えば第一の基本形状と第二の基本形状との間で混合される滑らかに発展する形状を表現することができる。例えば図23は、4個のベースパターン231、233、235、237を示しており、231は一つの基本形状を表現し、237は第二の基本形状を表現し、形状233と235は中間的な混合された形状を表現している。これら4個のベースパターンは、水平方向に圧縮されて水平方向に鏡像変換され、それらそれぞれのベース層232、234、236、238内に描写され、複写される。対応するバンドモアレパターンは、これらのベース層に線格子230をかさね合わせることによって現出できる。
ベース層(以後、マルチパターンベース層と呼ばれる)内にマルチパターンを組み込む方法を説明しよう。図24は、現出層2400とマルチパターンベース層2405との水平方向に拡大した図を示す。現出層2400を水平方向にシフトすると、生成されたマルチパターンモアレはベース層2405内でインタレース(交錯組合せ)された相続くベースパターン2406、2407、2408、2409の、拡大され変換されたバージョンである。
ベース層を構築するために、幅T1を有するk個のベースバンドパターン2406、2407、2408、2409を生成しよう。現出層の周期T2は、例えばパターンの選択された数kにしたがって細分され得る。それからベース層は、現出層の幅の第k番目の1/k細片が第k番目のベースバンドパターンからベース層に複写されるまで、第一のベースバンドパターンからベース層(2401)内に現出層の幅の第一の細片1/kを複写し、それから第二のベースバンドパターンからベース層(2402)内に現出層の幅の第二の細片1/kを複写し、以下同様にすることによって生成される。これは、幅T2の第一のベース層セグメント2410の部分1、2、3、4を生成する。次のベース層セグメント2411は、ベースバンドパターンの相続く細片のベース層内への複写を続行することによって構築される。ベースバンドパターンから抽出されたスライス(薄片)は、ラップラウンド(一巡形態)であり、すなわちこれらのパターンは、あたかもこれらのパターンが一つのパターン平面内で水平方向に繰り返されるかのように振舞う。他のすべてのベース層セグメント2412、2413等々は、所望のベース層幅が満たされるまで構築される。ベース層はベース層の上で、おそらくは垂直方向に繰り返される2405で示されるセグメントで作られる。これは、多数のインタレースパターンを有するベースバンドを生成する。
図25は、これらの結果の一例を与える:我々は、同じマルチパターンベース層を現出線格子250と重ね合わせ、現出線格子の相対位置(位相)に依存して、図24のベースバンドパターン2406、2407、2408、2409における、またはこれらのパターンの間の中間パターンを表すモアレパターン251、252、253または254を生成する。したがって生成されたパターンは、ベース層に組み込まれる多数のインタレースパターンの、変換され混合された事例を含む。
図26は、上述の発明された位相に基づくマルチパターンモアレ方法が線格子の重ね合わせによって現出されるインタリーブされた画像(潜像)を生成する従来技術の方法(例えば米国特許第5,396,559号、McGrewに記載された方法)とはまったく異なることを示す。我々の発明では、マルチパターンベース層261の上に置かれた現出層(図26の260)をシフトすることは、ベース層内に埋め込まれたパターンの、拡大され変換されたモアレパターンを生成する。しかしながら従来技術では、現出されたパターンは、ベース層を形成するパターンと同じサイズを有する。従来技術のベース層262は、潜像パターン263、264、265、266を重ね合わせることによって形成される。262で表される潜像が現出されたパターンにおいて拡大されないことは、従来技術のベース層262の上に現出線格子260を重ね合わせることによって容易に検証できる。更にベース層の上方で水平方向に現出層を変位させると、我々の発明は、滑らかに動き滑らかに発展するモアレパターンを生成する。これは、例示した従来技術の方法によるケースではない。最後に現出層を僅かに回転させると、我々の方法によって生成されたパターンは、せん断されるが十分に認識可能な状態に留まる一方、従来技術の現出パターンは迅速に破壊される。
マルチパターンモアレはまた、マルチパターン微細構造、すなわち異なる位相の数個のベースバンドパターンを有する微細構造を組み込んだディザマトリックスでディザ処理された全体画像の上に現出線格子を重ね合わせることによっても生成できる。このようなマルチパターン・ディザマトリックスは、米国特許出願第09/902,227号「Images and security documents protected by microstructures(微細構造によって保護された画像とセキュリティ文書)」、発明者R.D.Hersch,E.Forlder,B.Wittwer,P.Emmelに記載された方法によるか、あるいはベースバンドパターンをディザ画像に埋め込むときと同じ仕方でマルチパターンベース層から生成できる(前述のセクション「バンドパターンの生成」を参照のこと)。
図27は、このようなディザ化された全体画像の一例を示す。現出層の重ね合わせなしでは、全体画像だけが見える。ディザ画像272の上に現出線格子271を重ね合わせて水平方向に動かすと、パターン273から274、274から275、275から276、276から277、277から278、278から279、そして279から273に戻り、逆も同様に連続して発展するマルチフェーズ(多位相)モアレパターンが見える。
(発展するモアレパターン)
ベースバンドは、正確に繰り返される必要はない。発展するパターンを相続くベースバンド内に組み込むことによって発展するモアレパターンが生成できる。一例として図28は、現出線格子層(281)と、発展するベースバンドパターンを有するベースバンド層と、ベース層に関して異なる水平位置に現出線格子を位置決めするときの対応するモアレパターン(283、284)と、を与える。スイス十字(285)から活版のような「O」形(286)に発展するモアレパターンを見ることができる。ベース層の上で現出層を水平方向右にシフトすると、モアレパターンは左から右に滑らかに移動し、同時にそれらの形状を連続的に変化させる。図28の282は、明らかに左側にベースバンド内に圧縮された十字を示し、右側に圧縮された「O」形を示している。中間の位置ではベースバンドパターン形状はこれら二つの極値パターン形状の間の混合である。
中間のベースバンドは、極値パターン形状間で混合(またはモーフィング)されたパターンを組み込む。左右の極値ベースバンドパターン形状の相対的重みは、現在のベースバンドのそれぞれの距離d、dに逆比例し得る、すなわち混合(またはモーフィング)プロセスにおいて、左のベースバンドパターン形状は重みd/(d+d)を有し、右のベースバンドパターン形状は重みd/(d+d)を持つ。形状混合は、論文:Thomas Sederberg,「A Physically Based Approach to 2D Shape Blending(二次元形状混合への物理的アプローチ)」Proc.Siggraph’92,Computer Graphics,Vol.26,No.2,July 1992, 25−34に記載された手法の一つといった最新技術で実施可能である。
(直線および曲線バンドモアレの保護特徴)
文書偽造防止に対する強力な保護は、ベース格子の個別バンド内に白黒またはカラーの任意の小さなパターンが生成できることによって与えられる。このようなパターンは、写真複写機またはプリンタといった標準的手段によって再生可能ではあり得ない。現出線格子のお蔭で元の文書によって生成されるパターンは、肉眼または適当な装置のいずれかによって容易に目に見えるようになる。元のパターン印刷装置よりも低い解像度で動作する違法な再生手段では、元のパターンを再生することはできないであろう。このような偽造された文書は元のパターンを組み込まないので、現出層は元のモアレ形状を現出できないであろうし、また目視手段または適当な装置による検査は、その文書が偽造されたものであることを現出するであろう。
(ベースバンドに検証情報を組み込むことによるセキュリティ文書の保護)
本発明の更なる保護特徴は、現出されるモアレパターンが文書の真正性を検証することを可能にするコード(ある数、幾つかの数、あるいは一列の文字)を組み込めることに在る。例えばパスポート番号、またはパスポート番号に対応する暗号化された番号は、パスポート保持者の写真のベースバンド内に挿入できる。またパスポート保持者の名前に対応する文字列(直接的に名前、または名前の暗号化された事例のいずれか)をベースバンドに組み込むこともできる。この番号、それぞれこの文字列を現出線格子によって現出することにより、モアレパターンとして現れる番号、またはそれぞれ文字列がパスポート番号、またはそれぞれパスポート保持者の名前に対応するかどうかを(目視検査によって直接、または検証システムとして機能する装置によって)検査できる。ベース層内に異なる方位と周期の多数のベースバンドを持つ可能性のお蔭で、幾つかの検証レベルを考えることもできる。ある幾つかの検証はモアレパターンを見ることによって直接的な仕方で実施でき、またある検証は、文書の真正性を検証するために、現れるモアレパターンを復号することを必要とするであろう。これは、例えば身分証明書ならびにその保持者の写真を保護するために特に有用である。現出層なしで写真は目に見える。現出層によって検証コードを組み込んだモアレパターンが現れてくる。
(ベース層と現出層の実施形態)
モアレパターンとして現れるパターンを組み込んだバンドを有するベース層と現出層は、種々の技術で具体化できる。ベース層のための重要な実施形態は、オフセット印刷、インクジェット印刷、染料昇華印刷、および箔押しである。
これらの層(ベース層または現出層または両者)はインクを塗布する代わりに穿孔によって得ることもできることに留意すべきである。典型的な場合では、予め決められた画素位置において基板に穿孔するために、顕微鏡的ドットサイズ(例えば50ミクロン以下)を有する強力なレーザービームがオンオフ変調されながら、文書を1画素ずつ走査する。現出線格子は、例えば線の全長に亘って穿孔・非穿孔部分(l,m)のペアを有する、長さlの穿孔セグメントと長さmの非穿孔セグメントとで作られた部分穿孔された線として線を具体化することによって生成できる。例えばl=8/10mm、m=2/10mmを選択することもできる。相続く線は、同じ位相または異なる位相の穿孔セグメントを持つことができる。引き裂こうとする意図に対する高い抵抗を保証するために異なる相続く線のために、値l、mに関する異なるパラメータが選択できる。セキュリティ文書のための種々のレーザー微細穿孔システムは、例えばSPIE Vol.3314,1998年、pp.254−259のW.Hspelによる「Application of laser technology to introduce security features on security documents in order to reduce counterfeting(偽造を減らすためにセキュリティ文書にセキュリティ特徴を導入するためのレーザー技術の応用)に記載されている。
更に他のカテゴリーの方法では、層(ベース層または現出層または両者)は、例えばレーザーまたは化学エッチングによる物質の完全な除去または部分的除去によって得ることができる。
モアレパターンのカラーを変化させるために、透明な線の代わりに色つき線のセットで作られた現出線格子を持つように選択することもできる(I.Amidror,R.D.Herschによる論文「Quantitative analysis of multichromatic moire effects in the superposition of colored periodic layers(色つき周期層の重ね合わせにおける多色モアレ効果の定量的分析)」、Journal of Modern Optics,Vol.44,No.5,1997,883−899を参照のこと)。
現出層(線格子)は一般に、不透明な背景に1セットの透明な線を組み込んだフィルムまたはプラスチック支持体によって実現されるであろうが、円筒形マイクロレンズで作られた線格子によっても実現できる。円筒形マイクロレンズは、対応する半透明の線格子と比較してより高い光強度を与える。ベースバンド層の周期が小さい(例えば1/3mm未満)とき、現出層としての円筒形マイクロレンズは、より高い精度を与えることもできる。曲線バンドモアレパターンを生成するために現出層として曲線的円筒形マイクロレンズを使用することもできる。また円筒形マイクロレンズの代わりに、フレネルゾーンプレートで作られた回折図案でマイクロレンズアレイを模倣することができると同じ仕方で円筒形マイクロレンズの動作を模倣する回折図案を使用することもできる(B.Saleh,M.C.Teich,Fundamentals of Photonics(フォトニクスの基礎)、John Wiley,1991,p.116を参照のこと)。
ベース層が回折図案といった光学的に可変の表面パターンに組み込まれる場合には、ベース層を形成する画像は、例えば所望の入射光または回折光の角度にしたがう、また所望の回折光の強度にしたがう、またおそらくは近隣領域の回折されたカラーに関する所望の回折光のカラーの所望の変化にしたがう、方位と周期と浮出しおよび表面比率と有する周期関数プロファイル(線格子)で作られた浮出し構造を、そのパターン画像の画素の各々に関して、あるいは少なくともその活性画素(例えば黒の画素)に関して生成するために更に処理される必要がある(発明者Anteの米国特許第5,032,003号と、発明者AnteおよびSaxerの米国特許第4,984,824号と、を参照のこと)。この浮出し構造は、浮出しダイを作製するために使用されるマスター構造上に再生される。それから浮出しダイは、光学的装置基板上にベース層を組み込んだ浮出し構造を浮き出させるために使用される(更なる情報は、発明者Antesの米国特許第4,761,253号と、J.F.Moserによる論文「Document Protection by Optically Variable Graphics(Kinemagram)(光学的に可変の図形(キネマグラム)による文書保護)」と、「Optical Document Security(光学的文書セキュリティ)」、Ed.R.L.Van Renesse,Artech House,London,1998,pp.247−266と、に見出すことができる)。
一般にベース層と現出層は完全である必要はないことに:すなわちこれらは更なる層またはランダムな形状によってマスクされ得ることに留意すべきである。
(バンドモアレパターンによる文書の認証)
本発明は、バンドモアレパターンに基づく文書と貴重品とを認証するための方法に関する。本発明は幾つかの実施形態と変形版とを有するが、特定の関心の幾つかの実施形態が本発明の範囲をこれら特定の実施形態に限定することなく、例としてここに与えられる。
本発明の一実施形態ではバンドモアレパターンは、両者が同じ文書または物品(紙幣、小切手など)の異なる領域に現れるベース層と現出層とを重ね合わせることによって視覚化できる。更に文書は、比較目的のために文書の第三の領域に、好適な方位にしたがって、またおそらくは好適な相対位置にしたがってベース層と現出層とが互いに重ねて置かれたときに予想されるバンドモアレパターンを示す画像を組み込むことができる。
本発明の第二の実施形態では、文書それ自身の上にはベース層だけが現れ、現出層は、文書の真正性を視覚的または光学的に検証する人間のオペレータまたは装置によってベース層に重ね合わされる。比較目的のために文書上に、または別の図案例えば現出図案上に画像として、予想されるバンドモアレパターンが表現され得る。現出層は、フィルム上に、またはプラスチックの透明シート上に描かれた線格子であり得る。これはまた円筒形マイクロレンズによって実現することもできる。
文書を認証するための方法は、
a)パターンを組み込んだベースバンドを含むベース層を有する文書と線の格子を含む現出層とを重ね合わせ、それによってモアレパターンを生成するステップと、
b)前記モアレパターンを基準モアレパターンと比較し、この比較の結果によって文書を受け入れる、または拒絶するステップと、を含んでおり、
現出線格子の相続く線はベースバンドパターンの異なる事例をベース層内でサンプリングし、また生成されたモアレパターンは拡大を含むベース層パターンの変換と、おそらくは鏡像変換、せん断といった他の変換である。
本発明ではベースバンド層、線格子現出層のいずれか、またはその両者が幾何学的に変換可能であり、したがって非周期的であることは言及されるべきである。
上記のステップb)における比較は、人間のバイオシステム(目と頭脳とを有する人間)によるか、本開示で後述する装置によるか、いずれかによって行い得る。
基準モアレパターンは、サンプルのベースバンド層と線格子現出層との重ね合わせの撮像(例えばカメラによる)によって取得できるか、あるいは上記に与えられた数学的公式を使用する計算によって取得できる。認証が人間によって行われるときには、基準モアレパターンは、前に見られた基準バンドモアレパターンに基づく記憶された基準モアレパターンであり得る。
ベースバンド層が文書に印刷された中間調画像の一部として形成される場合には、ベースバンド層パターンは、肉眼では文書上の他の領域から区別可能ではないであろう。しかしながら本発明にしたがって文書を認証するとき、モアレパターンは直ちに目に見えるようになるであろう。
本発明にしたがって生成された文書を、ディジタルであれアナログであれ、写真複写によって、デスクトップパブリッシングシステムによって、あるいは他の如何なる偽造方法によってでも偽造しようとする試みは、文書に組み込まれたサイズまたは形状のベースバンド層パターンに(たとえ僅かでも)必然的に影響を及ぼすであろう(例えば従来技術で知られているようなドットゲインまたはインク伝播のせいで)。しかし重ね合わされた線層間のモアレパターンはベース層または現出層の如何なる顕微鏡的変化にも極めて敏感であるので、本発明にしたがって保護された如何なる文書も、偽造が極めて困難になっており、真正文書と偽造文書とを弁別する手段として役立つ。
もしベースバンド層が標準的印刷プロセスで文書に印刷されるならば、文書製造における追加コストを必要とせずに高いセキュリティが提供される。しかしながらベースバンド層は、他の手段によって、例えば光学的に可変の図案(例えばキネグラム)上にベース層を生成することによって、またこの光学的に可変の図案を保護すべき文書または物品に埋め込むことによって文書内に描くことができる。
本発明の種々の実施形態は、光ディスク媒体上で提供される音楽、ビデオ、ソフトウエア製品などを含むマルチメディア製品の保護と認証のためのセキュリティ図案として使用可能である。例えばベース層は、CDまたはDVDといった光ディスクに印刷できるが、現出層はそのプラスチックの箱または封筒に組み込まれる。
(バンドモアレパターンによる貴重品の認証)
本発明の種々の実施形態はまた、薬品、化粧品などの箱といった工業的パッケージの保護と認証のためのセキュリティ図案としても使用できる。例えば箱の蓋はベース層を組み込めるが現出層は箱の上に配置される。透明部分または透明な窓を含むパッケージは、パッケージの透明部分が顧客にパッケージ内の製品を見られるようにする、例えばオーディオケーブル、ビデオケーブル、カセット、香水などを含む多様な製品を販売するために極めて頻繁に使用される。しかしながらパッケージの透明部分はまた、透明な窓の一部を現出層として使用することによって(ベース層が製品自体に配置されている場合)、製品の認証と偽造防止とのために有利に使用することもできる。ベース層と現出層はまた製品それ自体に、またはパッケージに貼付される、またそうでなければ接着される別個のセキュリティ・ラベルまたはステッカーに印刷することもできる。本発明によって保護され得るパッケージの幾つかの可能な実施形態は、以下に例示され、図17〜22の米国特許出願第09/902,445号(AmidrorおよびHersch)に記載の例に類似している。しかしながら本発明では、モアレパターンは反射モードではっきり見えるので、ベース層のベースバンドパターンの組込みと現出層としての線格子の使用は、貴重品の保護を米国特許出願第09/902,445号(AmidrorおよびHersch)に記載の方法によるよりも遥かに効果的にする。
図29Aは、少なくとも一つのベース層292を保持する光ディスク291と少なくとも一つの現出層(現出線格子)294を保持するそのカバー(または箱)293とを模式的に示す。光ディスクがそのカバー内に配置されると(図29B)、一つの現出層と一つのベース層との間にモアレパターン295が生成される。ディスクがゆっくりとカバー293に挿入されるか、カバーから取り出されると、これらのモアレパターンは動的(ダイナミック)に変化する。したがってこれらのモアレパターンは、信頼できる認証手段として役立ち、ディスクとそのパッケージの両者が真正であることを保証する。典型的な場合、モアレパターンは、白黒またはカラーいずれかの会社のロゴまたはその他任意の所望のテキストまたは記号を含むことができる。
図30は、滑動部301と外側カバー302とを含む箱に入れられる製品の保護のための、本発明の可能な実施形態を模式的に示しており、可動部分例えば製品の少なくとも一つの要素は少なくとも一つのベース層303を保持しており、外側カバー302は少なくとも一つの現出層(現出線格子)304を保持している。カバー内に製品を滑り込ませることによって、発展するモアレパターンといった動的なモアレパターンまたはマルチパターンモアレが生成され得る。
図31は、医薬品といった薬物製品のための可能な保護を示す。ベース層311は、医薬製品のおそらくは不透明の支持体の全表面をカバーできる。現出層312は、現出線格子を組み込んだプラスチックのシートで作られた可動縞によって実現され得る。現出層を引き入れ、引き出すことによって、またはそれを横方向に動かすことによって、現出されるモアレパターンは動的になる。
図32は、滑動する透明なプラスチックの前面板321と、印刷できて製品の説明を保持できる後部板322とを含むパッケージで市販される製品の保護のための、本発明の可能なもう一つの実施形態を模式的に示す。このようなパッケージはしばしば、プラスチックの前面板321の殻体(または容器)323内に保持されるビデオケーブル、オーディオケーブルまたはその他任意の製品を販売するために使用される。この種のパッケージはしばしば、販売場所にパッケージを吊下げ易くするために後部板の最上部に小さな孔324を、またプラスチックの前面板321にその整合する孔325を持っている。パッケージが閉じられたときに少なくとも一つの現出層と少なくとも一つのベース層との間にモアレパターンが生成されるように、後部板322は少なくとも一つのベース層326を有し、プラスチックの前面板は少なくとも一つの現出層327を持っている。ここで再び滑動プラスチック前面板321が後部板322に沿って滑動させられる間、モアレパターンは動的(ダイナミック)に変化する。
図33は、ピボット(旋回)蓋331を有する箱330に入れられる製品の保護のための更に別の可能な実施形態を模式的に示す。ピボット蓋331は少なくとも一つのベース層332を保持し、箱自体は少なくとも一つの現出層333を保持する。箱が閉じられるとき、モアレパターンが生成されるように、ベース層332は現出層333の直ぐ後ろに配置される。そしてピボット蓋331が開けられ、または閉じられると、モアレパターンが動的に変化する。
図34は、壜で市販される製品(ワイン、ウィスキー、香水などといった)の保護のための更に別の可能な実施形態を模式的に示す。例えば壜に貼付された製品ラベル341はベース層343を保持し得るが、飾り糸345によって壜に取りつけられ得るもう一つのラベル344は現出層346を保持する。製品の認証は、はっきりと目に見えるモアレパターンが例えば製品の名前と共に生成されるように、ラベル344の現出層346をラベル341のベース層343に重ね合わせることによって行うことができる。
図29A、29B、30、31、32に示した実施形態のように、現出層とベース層とが主として一方向に沿って互いに滑り合える場合には、マルチパターンモアレまたは発展可能なモアレパターンが考えられ、この場合、現出層の平行移動は連続的に異なるモアレパターンを目に見えるようにし、したがってアニメーションを生成する。
図33のように現出層とベース層とが互いの上で回転できる場合には、この目的のために特に魅力的なモアレパターンを生成するようにベース層と現出層とを考えることが好ましい。
時には現出層とベース層とをそれらの位置または役割において交換することが可能である。
(動的に個人情報が印刷される文書の認証)
例えば2001年12月3日に出願された、発明者R.D.Hersch,E.Forler,B.Wittwer,P.Emmelによる米国特許出願第09/902,227号「Images and security documents protected by microstructures(微細構造によって保護される画像とセキュリティ文書)」、または2002年7月5日に出願されたR.D.Hersch,B.Wittwer,E.Forler,P.Emmel,D.Biemann,D.Gorostidiによる承継人PCT出願PCT/IB02/02686号に説明されている微細構造画像を自動的に生成する能力のお蔭で、旅行書類、入場券といった個人情報付き文書を動作中に生成または印刷することが可能である。これらの文書は、文書保持者に関する情報ならびに文書の目的に関する情報、例えば出発地、到着地、有効期日を指定する旅行書類、またはイベントと場所番号と有効日時とを指定するスポーツイベントの入場券の目的に関する情報を与えるテキストを組み込んだ微細構造で作られた画像を含む。偽造を極めて困難にするためにこれらの発明は、一つは低い周波数の、すなわち簡単な目視検査で容易に目に見える、また一つは慎重な目視検査または拡大鏡による検査を必要とする高い周波数の二つの層の微細構造を生成するための方法を提案している。
本発明で我々は、ベースバンド層としてこの第二の微細構造層を合成し、現出線格子によってそれを現出することを提案している。これは、第一の微細構造パターン層の簡単な直接検査と、フィルム、またはプラスチック片、または円筒形マイクロレンズ、または円筒形マイクロレンズを模倣する回折図案として実現される現出線格子による第二の微細構造パターン層の検査とを可能にしている。
第一のレベルの直接目に見える微細構造パターンと、現出線格子によって現出可能な小さい第二のレベルの微細構造パターンとを組み込んだ画像を生成するための簡単な方法は、小さな第二のレベルのベースバンドパターンを組み込んだディザマトリックスを生成して、このディザマトリックスを、発明者R.D.Hersch,E.Forler,B.Wittwer,P.Emmelによる米国特許出願第09/902,227号「Images and security documents protected by microstructures(微細構造によって保護される画像とセキュリティ文書)」に詳述されている後処理によって、目標画像平衡のための高周波ディザアレイとして使用することにある。
第一のレベルの直接目に見える微細構造パターンと、現出線格子によって現出可能な小さい第二のレベルの微細構造パターンとを組み込んだ画像を生成するための代替の方法は、下記のステップ、すなわち:
a)全体的画像、例えば風景写真または文書保持者の写真を選択するステップと、
b)文書に関連する情報にしたがって、第一のレベルの微細構造を、おそらくはビットマップとして、またはマルチ濃度画像として生成するステップと、
c)おそらく米国特許出願第09/902,227号(R.D.Hersch等)にしたがって、またはOleg VeryovkaとJohn Buchananによる論文「Texture−based Dither Matrices(テクスチャに基づくディザマトリックス)」Computer Graphics Forum Vol.19,No.1,pp51−64にしたがって第一のレベルの微細構造を組み込んだディザ処理された全体画像を生成するステップと、
d)ビットマップまたはマルチ濃度画像として第二のレベルの微細構造パターン(ナノストラクチャ・パターンとも呼ばれる)を生成するステップと、
e)第二のレベルの微細構造パターン(ナノストラクチャ・パターン)を組み込んだディザ化された全体画像を(c)と同様な仕方で生成するステップと、
f)これら二つのディザ画像を組み合わせる演算によって、すなわち1画素ごとに組合せを生成することによって、例えば第一のレベルの微細構造を組み込んだディザ化された全体画像と第二のレベルの微細構造パターンを組み込んだディザ化された全体画像との間の加重平均または論理演算によって、最終的ディザ化全体画像を生成するステップと、を適用することにある。演算のタイプ、おそらくは相対的重みは、第一のレベルの微細構造パターンまたは第二のレベルの微細構造パターンのいずれかをより明らかにするように調整できる。加重平均演算は、最終的グレイスケール画像を生成する画素濃度値に適用され得るか、または例えば最終的な組合せ二値画像のサイズをディザ画像のサイズより4×4倍大きくなるように選択することによって空間的に適用され得る。空間的加重平均を実施するために4×4(または8×8)ピクセルマトリックスを複製し、組み合わせるべき二つのディザ画像の相対的重みに依存して4×4マトリックス内の所定数の画素を二つのディザ画像のうちの一方に関連付け、残りの画素を他方のディザ画像に関連付けることができる。良好な結果を与えるために、4×4マトリックス内の画素の割当ての順序は、Bayerディザ閾値レベル(H.R.Kang,Digital Color Halftoning(ディジタルカラーの中間調化),SPIE Press,1999,pp.279−282,T)の分布にしたがうことができる。
滑らかな全体画像を与えるために、全体画像をカバーするベースバンドの小部分(例えば1/4)だけを第二のレベルの微細構造パターンを組み込んだディザマトリックスでディザ化し、残りの小部分(例えば3/4)を標準的ディザ処理方法にしたがって、例えば小さなクラスタ化ドットを含むディザマトリックスでディザ化するように選択することもできる。これは、ベースバンドパターンの一方の集合が第二のレベルの微細構造であってベースバンドパターンの他方の集合が標準のクラスタ化ドットであるマルチパターンディザ処理に、ともかく似ている。
結果として得られた最終の組合せ二値ディザ全体画像は、容易に読み取れる微細構造パターンと現出線格子によって現出可能な微細構造との両者を組み込んでいる。このような文書の更に複雑な変形版は、異なる方位と周期の数個の第一のレベルの微細構造と、おそらくは同様に異なる方位と周期の数個の第二のレベルの微細構造パターンとを組み込むことができる。
(モアレパターン画像を使用して文書を認証するための装置)
ベース層を含む文書を目視で認証するための装置は、文書のベース層の上に置かれることになっている、本開示にしたがって用意された線格子で作られた現出層を含むことができる。文書は、上から(反射モード)またおそらくは下から(透過モード)照明され得る。
もし認証が視覚化によって、すなわち人間のオペレータによって行われるならば、ベース層と現出層の重ね合わせによって生成されるモアレパターンを取得するための手段として、また取得されたモアレパターンを基準(記憶された)モアレパターンと比較するための手段として、人間のバイオシステム(人間の目と脳)が使用される。この場合の光源は、自然光(日光といった)または人工光のいずれでもよい。
そのブロック図が図35に示されている文書の自動認証のための装置は、線の格子で作られた現出層351と、カメラといった撮像手段352と、光源(図示せず)と、取得されたモアレパターンを基準モアレパターンと比較するための比較システム353と、を含む。照合不成功の場合、文書は認証されず、装置の文書処理装置354はこの文書を拒絶するであろう。比較システム353は、プロセッサとメモリと入出力ポートとによって実現できる。この目的のために、集積されたワンチップ・マイクロコンピュータが使用できる。自動認証のためには、撮像手段352は、比較プロセッサ353を組み込んだマイクロコンピュータに接続されることが必要であって、比較プロセッサはマイクロコンピュータによって操作される比較にしたがって認証すべき文書を受け入れ、または拒絶するための文書処理装置354を制御する。
基準モアレパターン画像は、サンプルのベース層と現出層との重ね合わせの撮像(例えばカメラによる)によって取得できるか、バイトマップにおいてベース層と現出層とを所望の位置と角度で重ね合わせることによって前処理ステップとして計算できる。多数の位置および/または角度が種々のモアレパターンに対応でき、より徹底した認証を可能にする。
比較プロセッサは、取得されたモアレパターン画像を基準画像と照合することによって画像比較を行う。すなわち、この比較を実施する方法の例は、米国特許第5,995,638号のAmidrorとHerschによって詳細に提示されている。この比較は、取得されたモアレパターンと基準モアレパターンとの間の近似度を与える少なくとも一つの近似値を生成する。それからこれらの近似値は、文書処理装置に文書を受け入れ、または拒絶させるための基準として使用される。
(モアレパターン画像を使用して文書を認証するためのコンピューティングシステム)
提示された装置は、現出線格子(現出層、図36の361を参照のこと)が取得されたベース層画像(図36の360)に電子的に重ね合わされることを可能にするために、コンピューティングシステムで置き換えることもできる。重ね合わせは単に、現出線格子ビットマップとカメラによって取得された、正しく位置決めされたベース層画像との間の整数乗算(図36の362)である。現出線格子が透明(「1」)である場所には、対応するベース層画素が現れ、現出線格子が不透明(「0」)である場所には、対応するベース層画素の代わりに黒い画素が生成されるであろう。それからベース層と現出層との重ね合わせ(図36の363)のディジタル画像を表す結果的マルチ濃度画像は、高い周波数、すなわち通常の観察距離から人間の目によって、またはカメラによって見えない周波数を除去するために低域フィルタで濾波される(図36の364)(このようなフィルタはV.OstromoukhovとR.D.Herschによる論文「Multi−color and artistic dithering(多色の審美的ディザ処理)」、SIGGRAPH Annual Conference,1999,pp.425−432に記載されている)。結果得られた濾波済みマルチ濃度画像は、モアレパターン画像(図36の366)であって、文書が受け入れられるべきか拒絶されるべきかを決定するために基準モアレパターン画像(図36の365)と比較され得る。
したがってモアレパターンによる文書の認証のためのコンピューティングシステムは、パターンを含むベースバンドを含むベース層を有する文書の認証のための撮像手段(図35の352に類似の)、例えばカメラを含むであろう。これは更に、取得されたベース層画像をメモリ内で線格子を含む、対応する現出層画像に乗算して、ベース層と現出層との重ね合わせのディジタル画像を生成するプログラムモジュールを含む。これは更に、モアレパターンを得るためにこのディジタル画像に低域濾波(ローパスフィルタリング)演算を行うプログラムモジュールを含む。これはまた、計算されたモアレパターンを基準モアレパターンと比較し、この比較結果にしたがって文書を受け入れる、または拒絶するプログラムモジュールも含む。
このようなコンピューティングシステムは、おそらくは一つの文書から次の文書に変化し、したがって偽造の意図に対して遥かに強力な保護を提供するベース層幾何学レイアウトを有する文書を自動的に認証することを可能にする。電子的に重ね合わされたときに(すなわち掛け合わされたときに)予想された(基準)モアレパターンを生成する現出層の所定の幾何学的レイアウトは、各文書のベース層幾何学レイアウトに対応する。文書は、適用される現出層を識別するバーコードまたはコンピュータ可読番号といった情報を含む。このコンピューティングシステムは、その情報を読み取り、モアレパターン画像を計算するために正しい現出層を適用し、これを文書が受け入れられるべきか拒絶されるべきかを決定するために対応する基準モアレパターンと比較することができる。
(本発明の利点)
本発明において開示された新しい認証および偽造防止の方法の利点は、非常にたくさんある。
1.本発明は、現出線格子が現出2Dドットスクリーン(マスタースクリーン)より遥かに多い光の透過を可能にするという、I.AmidrorとR.D.Hersch(米国特許第6,249,588号とその一部係属中の米国特許第5,995,638号、米国特許出願通番第09/902,445号)とI.Amidror(米国特許出願通番第10/183,550号)とによってなされた前の発明と比較して、重要な利点を有する。これは、マイクロレンズアレイも文書の下に特殊な光源も必要とせずに、反射モードで文書を認証することを可能にする。更なる利点は、本発明ではベースバンド空間の長さが制限されないことと、したがって生成されたモアレは多数のパターン、例えばテキスト文(数個の単語)またはテキストのパラグラフを形成する多くの活版印刷文字を含むことができるということとに在る。
2.本発明は、パターンをベース層に組み込む際に大きな自由度を提供する。パターンは、ベースバンドに沿って強く変化することができ、異なるベースバンドに亘って僅かに変化することもできる。
3.モアレパターンは反射モードで現出できるので、ベースバンドに組み込まれるパターンは金属インクといった不透明インクを組み込むことができる。金属インクは、鏡面光反射角で特に強いモアレパターンを生成するという更なる利点を有する。更にベースバンドは、金属箔または金属箱といった完全に不透明な材料に印刷できる。
4.曲線バンド格子と曲線バンドモアレパターンは、ベース層とおそらくは現出層とに幾何学変換を適用することによって生成できる。このような曲線バンド格子は、走査装置(カラー写真複写機、デスクトップスキャナー)によって走査されたときに望ましくない第二のモアレを生成する可能性がある多くの異なる方位と周波数とを組み込むことができる。もし曲線バンド格子が広い範囲の徐々に変化する周波数を含むならば、偽造者の走査周波数または再生周波数はバンド格子周波数の一部またはそれらの高調波とぶつかって、偽造文書内によく目に見える望ましくないモアレ効果(「発明の背景」セクションで前述した英国特許第1,138,011号に記載された効果に類似の)を生成するであろう。更に曲線モアレは、曲線ベース層の特定の部分を大きく拡大し、他の部分では小さな拡大を持つ傾向がある。大きな拡大は、複雑な微細構造パターン(例えばカラーの微細構造を含む)を可視化するために有用であり得る。
5.非標準インクがベース層のバンドにパターンを生成するために使用されると、標準のシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの再生システムは、それら自身の中間調化アルゴリズムにしたがって元のカラーを中間調化する必要があり、それによって元のカラーパターンを破壊するであろう。ベース層のバンド内のパターンの破壊によって、現出層は元のモアレパターンを生成できないであろう。
6.ベースバンドは、高い見当精度で並べて印刷された不透明なカラーパターンで、例えば米国特許出願第09/477,544号(Ostromoukhov,Hersch)に記載された方法で占められ得る。ベース格子と現出線格子との重ね合わせによって間に生成されたモアレパターンはベース層のベースバンドに存在するパターンの如何なる顕微鏡的変化にも極めて敏感であるので、本発明によって保護される如何なる文書も、極めて偽造が困難である。現出されたモアレパターンは、真正の文書と偽造文書とを容易に弁別する手段として役立つ。
7.本発明の更なる重要な利点は、本発明が不透明または透明であり得る紙、プラスチック材料などを含む如何なる種類の支持体に印刷された文書を認証するためにも使用できることである。更に本発明の方法は、中間調の白黒またはカラーの画像(単純な一定の画像、トーンまたはカラーのグラデーション、または複雑な写真)に組み込まれ得る。これは標準的なオリジナル文書印刷プロセスを使用して生成できるので、本方法は追加コストなしで高いセキュリティを提供する。
8.更に本発明にしたがって文書に印刷されたベース層は、一定の濃度レベルである必要はない。反対にこれは、そのベースバンド内に、おそらくは徐々に変化するサイズと形状のパターン、または可変濃度のパターン前景と背景とを有するパターンを含むことができる。これらのパターンは、文書上の如何なる可変濃度の中間調画像(写真、ポートレート(人物写真)、風景、または重ね合わせの際にモアレパターンによって生成されるモチーフとは異なり得る任意の装飾的モチーフといった)内にも組み込まれ(または偽装され)得る。ベースバンドに沿ってパターンを変化させると、対応するモアレパターンもそれらのモアレバンド内で変化するであろう。同様にベースバンド内のカラーも、その位置にしたがって徐々に変化し得る。それから対応するカラーモアレパターンもそれらのモアレバンド内で変化するであろう。これらの変形版の各々は、偽造をなお一層困難にし、このようにして本発明によって提供されるセキュリティを更に向上させるという利点を有する。
9.更に固有のマスクにしたがって文書の異なる領域に配置される異なるベースバンドを有する、または互いに重ねて配置された異なるベースバンドを有するベース層を生成できる。これは、異なる方位と形状と濃度と、おそらくはカラーとを持ち得るモアレパターン、また単一の現出線格子または多数の現出線格子を組み込んだ現出層によって現出され得るモアレパターンの生成を可能にする。異なるベースバンドパターンの重ね合わせは、ベースパターンの幾つかを隠すことを可能にし、それによって管轄当局または専門の認証装置によってのみ検出可能な隠れた保護手段のための支持体を提供することができる。
10.本発明の一つの更なる利点は、ベース層と現出層とが互いに関してシフトされ、または回転させられるときに変化する動的なモアレパターンを生成するその能力に在る。ベースバンド内に位置するパターンを滑らかに変化させることによって、滑らかに変化するモアレパターンを生成することができる。代替手段として、異なる位相のベースバンド内に異なる変形版のベースバンドパターンを組み込むことによって、その形状、濃度またはカラーがベース層の上で現出層をシフトするときに滑らかにまたは強く変化し得るマルチパターンモアレを生成することができる。生成されたモアレパターンの形状、濃度および/またはカラーのこのような変化は基準となることができ、また文書または貴重品を認証する簡易な手段な手段を提供することができる。
11.更なる利点は、可変濃度(またはカラー)画像から現出されたモアレパターンが文書の真正性を検査するために使用できるコードを表すことができることに在る。これは、例えば身分証明書およびその保持者の写真を保護するために特に有用である。現出層なしで写真は、はっきり目に見える。現出層によって、検証コードを組み込んだモアレパターンが現れてくる。
12.可変濃度(またはカラー)画像へのベースバンドパターンの組込みは、現出線格子によって現出されるときに、その画像を組み込んだ文書の正当性に関する情報を与えるモアレパターン、例えば出発、到着、正当性の情報を有する旅行書類、またはイベント名とチケットの有効性のデータとを有する入場券の正当性に関する情報を与えるモアレパターンを生成する第二のレベルの小さな微細構造パターンを与えることができる。
13.幾何学的変換は、対応する変換済み現出線格子によって現出される多数のベースバンドデザインを異なる基準にしたがって作成することを可能にする(例えばベースバンド格子の幾何学的レイアウトは毎月、変わる可能性がある)。この非常に多様なデザイン能力は、潜在的な偽造者が新しい幾何学変換に偽造デザインを絶えず適応させることを極めて困難にする。
引用参考文献
米国特許文献
・米国特許第5,995,638号(Amidror,Hersch)、1999年11月。Methods and apparatus for authentication of documents by using the intensity profile of moire patterns(モアレパターンの濃度プロファイルの使用による文書の認証のための方法および装置)、正当な譲受人EPFL。
・米国特許第6,249,588号(Amidror,Hersch)、2001年6月。Methods and apparatus for authentication of documents by using the intensity profile of moire pattern(モアレパターンの濃度プロファイルの使用による文書の認証のための方法および装置)、正当な譲受人EPFL。
・米国特許第5,018,767号(Wicker)、1999年5月。Counterfeit protected document(偽造防止文書)。
・米国特許第5,396,559号(McGrew)、1995年3月。Anticouterfeiting method and device utilizing holograms and pseudorandom dot patterns(ホログラムと擬似ランダムドットパターンとを利用した偽造防止方法および装置)。
・米国特許第5,712,731号(Drinkwater等)、1998年1月。Security device for security documents such as bank notes and credit cards(紙幣、クレジットカードといったセキュリティ文書のためのセキュリティ図案(装置))。
・米国特許第5,032,003号(Antes)、1991年7月。Optically variable surface pattern(光学的に可変の表面パターン)。
・米国特許第4,984,824号(AntesとSaxer)、1991年1月。Document with an optical diffraction safety element(光学的回折安全要素を有する文書)。
・米国特許第4,761,253号(Antes)、1998年7月。Method and apparatus for producing a relief pattern with a microscopic structure, in paticular having an optical diffraction effect(顕微鏡的微細構造を有する、特に光学的回折効果を有する浮出しパターンを生成するための方法および装置)。
・米国特許第6,273,473号(Tayler,Hardwick;Bruce,jackson,Wayne,Zientek,Hibbert,Cameron)、2001年8月。Self−verifying security documents(自己検証セキュリティ文書)。
・米国特許出願第09/477,544号(Ostromoukhov,Hersch)、Method and apparatus for generating digital halftone images by multi color dithering(多色ディザ処理によってディジタル中間調画像を生成するための方法および装置)、2000年1月4日出願。正当な譲受人EPFL。
・米国特許出願第09/902,445号(AmidrorとHersch)、Authentication of documents and valuable articles by using the moire intensity profile(モアレ濃度プロファイルの使用による文書と貴重品の認証)、2001年6月11日出願。正当な譲受人EPFL。
・米国特許出願第09/902,227号(R.D.HerschとB.Wittwer)、Method and computing system for creating and displaying images with animated microstructures(動画的微細構造を有する画像を生成し表示するための方法およびコンピューティングシステム)、2001年7月11日出願。正当な譲受人EPFL。
・米国特許出願第09/998,229号Images and security documents protected by microstructures(微細構造によって保護される画像とセキュリティ文書)、発明者R.D.Hersch,E.Forler,B.Wittwer,P.Emmel、2001年12月3日出願、正当な譲受人EPFL、およびその承継人出願PCT出願PCT/IB02/02686,R.D.Hersch,B.Wittwer,E.Forler,P.Emmel,D.Biemann,D.Gorostidi、2002年7月5日出願。
・米国特許出願第10/183,550号,2002年6月、Amidror,「Authentication with built−in encryption by using moire intensity profiles between random layers(ランダム層間のモアレ濃度プロファイルを使用する内蔵暗号化による認証)、2002年6月28日出願、正当な譲受人EPFL。
・ヨーロッパ特許出願99,114,740.6、EP1073257A1として発行、Method for generating a security document、発明者R.D.Hersch,N.Rudaz、1999年7月28日出願、正当な譲受人Orell−FussliおよびEPFL。
外国特許文献
・英国特許第1,138,011号(カナダ紙幣会社)、1968年12月。Improvements in printed matter for the purpose of rendering counterfeiting more difficult(偽造をより困難にするための印刷物の改良)。
その他の出版物
・I.Amidror and R.D.Hersch、「Fourier−based analysis and synthesis of moires in the superposition of geometrically transformed periodic structures(幾何学的に変換された周期構造の重ね合わせにおけるモアレのフーリエに基づく分析と合成)」、Journal of Optical Society of Ameria A,Vol.15,1998;pp.1100−1113。
・I.Amidror、「The Theory of the Moire Phenomenon(モアレ現象論)」Kluwer Academic Publishers,2000,p.21,pp353−360。
・I.Amidror,R.D.Hersch、「Quantitative analysis of multichromatic moire effects in the superposition of colored periodic layers(色つき周期層の重ね合わせにおける多色モアレ効果の定量的分析)」、Journal of Modern Optics,Vol.44,No.5,1997;883−899。
・R.N.Bracewell、「Two Dimensional Imaging(二次元画像形成)」,Prentice Hall,1995,pp.120−225,125−127
・W.Hospel,「Application of laser technology to introduce security features on security documents in order to reduce counterfeiting(偽造を減らすためにセキュリティ文書にセキュリティ特徴を導入するためのレーザー技術の応用)」、SPIE Vol.3314,1998,pp.254−259
・H.R.Kang,「Digital Color Halftoning(ディジタルカラーの中間調化)」、SPIE Press,1999,pp.214−225,279−282。
・O.Mikami,「New imaging functions of Moire by fly’s eye lenses(蝿の目レンズによるモアレの新しい画像形成機能)」、Japan Journal of Applied Physics,Vol.14,No.3,1975;pp.417−418
・O.Mikami,「New image−rotation using Moire lenses(モアレレンズを使用した新しい画像回転)」、Japan Journal of Applied Physics,Vol.14,No.7,1975;pp.1065−1066
・J.F.Moser,「Document Protection by Optically Variable Graphics(Kinemagram), in Optical Document Security(光学的文書保護における光学的に可変の図形(キネマグラム)による文書保護)」、Ed.R.L.Van Renesse,Artech House,London,1998,pp.247−266
・K.Patorski、「The moire Fringe Technique(モアレ縞の手法)」、Elsevier 1993,pp.14−21
・G.Oster,「The Science of moire Patterns(モアレパターンの科学)」、Edmund Science,1969
・V.Ostromoukhov and R.D.Hersch,「Artistic screening(美的網点処理)」SIGGRAPH Annual Conference,1995,pp.219−228
・V.Ostromoukhov and R.D.Hersch,「Multi−color and artistic dithering(多色の審美的ディザ処理)」SIGGRAPH Annual Conference,1999,pp.425−432
・N.Rudaz,R.D.Hersch,「Protecting identity documents with a just noticeable microstructure(まさしく顕著な微細構造による身分証明書の保護)」、Conf.Optical Security and Counterfeit Deterrence Techniques IV,2002,SPIE Vol.4677,pp.101−109
・B.Saleh,M.C.Teich,「Fundamentals of Photonics(フォトにクスの基礎)」、John Wiley,1991,p.116
・Thomas Sederberg,「A Physically Based Approach to 2D Shape Blending(二次元形状混合への物理的アプローチ)」、Proc.Siggraph’92,Computer Graphics,Vol.26,No.2,July 1992,25−34
・Oleg Veryovka and John Buchanan,「Texture−based Dither Matrices(テクスチャに基づくディザマトリックス)」Computer Graphics Forum Vol.19,No.1,pp.51−64
本発明のよりよい理解のために例として下記の添付図面が参照できる:
それぞれ透明な線の格子と2D円形ドットスクリーンを示す図である。 それぞれ透明な線の格子と2D円形ドットスクリーンを示す図である。 二つの線格子が重ね合わされたときのモアレ縞の生成を示す図である(従来技術)。 現出線格子と、左側の線格子と右側のパターン「EPFL」を有するベースバンドとを組み込んだベース層と、の重ね合わせによって生成されたモアレ縞とモアレパターンとを示す図である。 図3のベース層を別に示す図である。 図3の現出層を別に示す図である。 斜めの方位を有する現出線格子と複製されたベースバンドパターンを有する水平なベース層との重ね合わせがどのように水平なモアレパターンを生成するかを示す図である。 斜めの方位を有する現出線格子と複製されたベースバンドパターンを有する水平なベース層との重ね合わせがどのように水平なモアレパターンを生成するかを示す図である。 斜めの方位を有する現出線格子と複製されたベースバンドパターンを有する水平なベース層との重ね合わせがどのように水平なモアレパターンを生成するかを示す図である。 複製されたベースバンドを有するベース層と、その線がベースバンドパターンの異なる事例をサンプリングする現出線格子との重ね合わせの詳細図である。 生成されたモアレパターンが元のベースバンドパターンの変換であることを示す図である。 ベースバンド層と現出線格子との重ね合わせの幾何学形状を示す図である。 ベースバンド層と現出線格子との重ね合わせの幾何学形状の拡大図である。 生成されたバンドモアレパターン画像がベースバンド画像の線形変換であることを可能にする、ベースバンド層と現出線格子層との重ね合わせの幾何学形状の僅かに異なる図である。 モアレパターン(12A)と単一のベースバンドパターン(図12B)とベース層内に位置する数個のベースバンド(図12C)との間の関係を示す図である。 ベースバンド周期と現出線格子周期との間の比率にしたがうベースバンドパターンとモアレパターンとの間の関係を示す図である。 ベースバンドパターンを組み込んだディザマトリックスによる画像のディザ処理(中間調化)を示す図である。 ベースバンド層と現出層の両者への幾何学変換の適用と、これら二つの層の重ね合わせから結果する曲線モアレパターンとを示す図である。 図15のベースバンド層を示す図である。 図15の現出層を示す図である。 元の直線ベースバンド層(図18A)と曲線目標ベースバンド層(図18B)との間の可能な幾何学変換を示す図である。 元の直線ベースバンド層(図18A)と曲線目標ベースバンド層(図18B)との間の可能な幾何学変換を示す図である。 従来技術による現出層と曲線格子との重ね合わせ(図19A)と、同じ現出層と同じ幾何学的レイアウトではあるがパターン「EPFL」を組み込んだ曲線ベースバンド層との重ね合わせ(図19B)と、の間の類似を示す図である。 従来技術による現出層と曲線格子との重ね合わせ(図19A)と、同じ現出層と同じ幾何学的レイアウトではあるがパターン「EPFL」を組み込んだ曲線ベースバンド層との重ね合わせ(図19B)と、の間の類似を示す図である。 図19A、19Bと同じであるがベース層と現出層との間の相対的方位が異なる層の間の重ね合わせを示す図である。 図19A、19Bと同じであるがベース層と現出層との間の相対的方位が異なる層の間の重ね合わせを示す図である。 一方の方位の第一のセットのベースバンドの配置を指定するマスクと他方の方位の第二のセットのベースバンドの配置を指定するマスクの背景とを有することによって現出線格子の異なる方位に現出される異なるモアレパターンを有する可能性を示す図である。 現出線格子の幾つかの方位で現出され得る数セットのベースバンドをベース層内で重ね合わせる可能性を示す図である。 4個のベースバンドパターンと、対応するベースバンドと、現出層とを示す図である。 マルチパターンベース層のベースバンド内に各ベースバンドの小部分をインタリーブする(交互に挟み込む)ことによってマルチパターンベース層を考える方法を示す図である。 図24にしたがって生成されたマルチパターンベース層と、相続くベースバンドパターン画像間の滑らかな混合を表すモアレパターンを生成する、図23の現出層との異なる位相でのその重ね合わせと、を示す図である。 新しい本発明のマルチパターンモアレ手法と潜像を使用する従来技術の方法との比較を実施するためのベース層と現出層とを与える図である。 ディザ画像に重ね合わされたときに図の左側に示すパターンにしたがって発展するモアレパターンを生成するマルチパターンベースバンドと現出層とを組み込んだディザマトリックスでディザ化された画像によって実現されるベース層を与える図である。 現出層(トップ)と、水平にシフトされた現出層と重ね合わされたときに滑らかに発展するモアレパターンを生成する、ひとつのベースバンドから次のベースバンドへ滑らかに発展するベースバンドパターンを組み込んだベース層とを示す図である。 CD、CD−ROM、DVDといった光ディスクの保護のための本発明の可能な実施形態を模式的に示す図である。 CD、CD−ROM、DVDといった光ディスクの保護のための本発明の可能な実施形態を模式的に示す図である。 滑動部を含む箱に入れられた製品の保護のための本発明の可能な実施形態を模式的に示す図である。 薬剤製品の保護のための本発明の可能な実施形態を模式的に示す図である。 滑動する透明なプラスチック前面板を含むパッケージで市販される製品の保護のための本発明の可能な実施形態を模式的に示す図である。 ピボット蓋を有する箱に入れられた製品の保護のための本発明の可能な実施形態を模式的に示す図である。 壜で市販される製品(ウィスキー、香水などといった)の保護のための本発明の可能な実施形態を模式的に示す図である。 モアレパターンを使用することによる文書の認証のための装置のブロック図である。 文書を認証するために動作可能なコンピューティングシステムで動作するプログラムモジュールによって実行される動作の流れ図である。

Claims (28)

  1. (a)ベースバンドを含むベース層であり、当該ベースバンドの方向に沿って非反復性の固有の形状を有するベースバンドパターンを有するベース層と
    (b)現出線格子を含む現出層と、
    を含む、文書と物品とのグループから選択された品目を認証するためのセキュリティ図案表出構造であって、
    前記ベースバンドと現出層との重ね合わせにより前記ベースバンドパターンの、前記固有の形状の拡大を含む変換によって変換された表出であるモアレパターン生成されることを特徴とするセキュリティ図案表出構造
  2. 前記拡大は一つの方位に沿っており、前記拡大はベースバンド周期T1と、線格子周期T2と、前記ベースバンドおよび線格子の方位間の相対角度θと、に依存する拡大率dによって指定されることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ図案表出構造
  3. 前記拡大率dはd=(x−λ)/xによって与えられ、ここでλ=T1/tanθおよびx=(T1/tanθ)−(T2/tanθ)であり、拡大率は代数的簡約の後にd=T2/(T2−T1cosθ)となることを特徴とする、請求項2に記載のセキュリティ図案表出構造
  4. ベースバンドの少なくとも一つのセットは曲線的であることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ図案表出構造
  5. 前記現出線格子は曲線的であることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ図案表出構造
  6. 前記ベース層と現出層は1セットの変換パラメータにしたがって非線形的に幾何学的に変換され、この1セットの変換パラメータはセキュリティ図案表出構造の個別化を可能にすることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ図案表出構造
  7. 前記ベース層は方位パラメータと周期パラメータと幾何学変換パラメータとのグループから選択された種々のパラメータによって特徴付けられるベースバンドの多数のセットを含むことを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ図案表出構造
  8. 前記現出線格子は実線と点線と破線と部分破線とのグループから選択された線を含むことを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ図案表出構造
  9. 前記ベース層は多数のインタレース(飛び越し走査)パターンを含み、また前記ベース層の上で前記現出層をシフトすることは前記多数のインタレースパターンの、変換され混合された事例を含むモアレパターンを生成することを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ図案表出構造
  10. 前記ベース層は不透明な支持体上に描かれ、現出層は透明な支持体上に描かれることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ図案表出構造
  11. 前記ベース層と現出層は前記品目の二つの異なる部分に配置され、それによって前記モアレパターンの視覚化が前記ベース層と現出層との重ね合わせによって行われることを可能にすることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ図案表出構造
  12. 前記ベース層は、リソグラフィー、フォトリソグラフィー、写真、電子写真、彫刻製版、エッチング、鑽孔、浮出し、インクジェット、染料昇華の各プロセスを含むセットから選択される、支持体上に画像を転写するためのプロセスによって生成されることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ図案表出構造
  13. 前記ベース層は、透明な図案と不透明な図案と光学的に可変の図案と回折図案とのセットから選択された要素によって実現されることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ図案表出構造
  14. 前記現出層は、透明な線を有する不透明なプラスチックと円筒形マイクロレンズと円筒形マイクロレンズの動作を模倣する回折図案とを含むグループから選択された要素であることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ図案表出構造
  15. 前記ベース層は、紙幣と小切手と信用証書と身分証明書(IDカード)とパスポートと旅行書類と切符と光ディスクと製品と製品に貼付されるラベルと製品のパッケージとを含むグループから選択される品目上に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ図案表出構造
  16. 前記ベース層と現出層とを含むセットから選択される少なくとも一つの層は、製品の上に配置され、同じセットから選択される少なくとも一つの他の層はその製品のパッケージの上に配置されることを特徴とする、請求項15に記載のセキュリティ図案表出構造
  17. 前記ベース層はパターンのカラーがその位置にしたがって徐々に変化するパターンを含み、それによって層の重ね合わせの際にその位置にしたがってそのカラーが変化するモアレパターンを生成することを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ図案表出構造
  18. 前記ベース層はパターンの形状がその位置にしたがって徐々に変化するパターンを含み、それによって層の重ね合わせの際にその位置にしたがってその形状が変化するモアレパターンを生成することを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ図案表出構造
  19. 前記ベース層はパターンの形状が局部的な濃度にしたがって変化して可変濃度画像を形成するパターンを含むことを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ図案表出構造
  20. 前記ベース層はパターンの形状が局部的なカラーにしたがって変化して可変カラー画像を形成するパターンを含むことを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ図案表出構造
  21. 前記ベース層はベースバンドパターンを組み込んだディザマトリックスでディザ処理された画像を含み、また現出層なしでこの画像が現れ、現出層によって、品目の真正性を検証することを可能にするモアレパターンが現れることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ図案表出構造
  22. 前記画像は文書保持者の写真であり、また現出されたモアレパターンは文書に印刷された情報に関するものであることを特徴とする、請求項21に記載のセキュリティ図案表出構造
  23. 前記ベース層パターンは少なくとも一つの非標準インクを使用して印刷され、それによって通常の写真複写機およびデスクトップシステムで利用可能な標準的シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクを使用するその忠実な再生を困難にすることと、前記非標準インクは全域カラーインクと不透明インクと蛍光インクと玉虫色インクと金属インクとUV光の下で見えるインクとからなるセットから選択されることと、を特徴とする、請求項1に記載のセキュリティ図案表出構造
  24. 文書と物品とのグループから選択された品目を認証するための方法であって、
    a)請求項1から請求項23のいずれか1項に記載のセキュリティ図案表出構造を用意するステップと、
    b)前記ベース層と現出層とを重ね合わせ、それによってモアレパターンを生成するステップと、
    c)前記モアレパターンを基準モアレパターンと比較し、その比較結果によって前記品目を受け入れる、または拒絶するステップと、を含むことを特徴とする方法。
  25. 前記ベース層の上で前記現出層を平行移動する追加のステップはその方位と速度とが前記ベースバンドと線格子との方位パラメータと周期パラメータとに依存するモアレパターン・アニメーションを生成することを特徴とする、請求項24に記載の方法。
  26. 前記ベースバンドは中間調画像の一部であり、現出層なしでこの中間調画像が目に見え、また前記ベース層の上に現出層を重ね合わせることがモアレパターンを目に見えるようにすることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
  27. 前記モアレパターンは英数字で作られたコードを生成し、また前記モアレパターンを基準モアレパターンと比較することは前記コードを前記品目上に配置された基準コードと比較することに在ることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
  28. 前記モアレパターンは英数字で作られた暗号化コードを生成し、また前記モアレパターンを基準モアレパターンと比較することは前記コードを復号する追加ステップを必要とすることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
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