JP4427245B2 - 鉄道車両設計方法及び鉄道車両 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両設計方法及び鉄道車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、鉄道車両の高速化に伴う周囲環境への影響を低減させるための対策が、種々、検討されてきている。この周囲環境への影響は、鉄道車両の形状とその周囲の空気流れとが密接に関しており、これらの関係は、大きく二つに分けられる。
【0003】
第1は、鉄道車両がトンネルに突入する場合のように、狭い空間を鉄道車両が走行する場合である。すなわち、先頭車両がトンネルに対してピストンの役目をなすことで、先頭車両前方の空気がトンネル内で次第に圧縮されて微気圧波と呼ばれる弱い圧縮波となり、鉄道車両よりも速い音速でトンネル内を伝搬する。この微気圧波は、一部がトンネル出口で反射し、大部分がトンネル外に音となって放出される。この音は、比較的大きな騒音となって周囲環境に発せられるため、これを低減すべく、例えば下記特許文献1などに、微気圧波を低減する先頭車両形状を備えた高速車両が開示されている。
第2は、鉄道車両がトンネルのない平坦な「明かり区間」を走行する場合である。しかし、このような広い空間を走行するときには、微気圧波が形成されないため、騒音を発する問題が上記トンネル内走行時に比較して少ない。このため、例えば下記特許文献2などに開示されているように、明かり区間では、鉄道車両を高速で走行させるために、空気抵抗の少ない先頭車両形状の選定が課題として優先されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−198105号公報
【特許文献2】
特開平5−124511号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記明かり区間では、高速車両が通過する際に形成される圧力変動により、わずかながらも、低周波振動が周囲環境に及ぶことが判明しつつある。このような低周波振動の発生は、現状では問題ないレベルであるものの、今後の高速鉄道車両の更なる高速化の弊害となりうる恐れがあるため、この低周波振動を低減できる鉄道車両及びその設計方法が求められている。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、明かり区間を走行する際に発せられる低周波振動を低減させることができる、鉄道車両及び鉄道車両設計方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、明かり区間を走行する鉄道車両の周囲における空間圧力分布を求める空間圧力計算工程と、該空間圧力計算工程で得られた前記空間圧力分布から、前記明かり区間の予め定められた所定位置における圧力変動を求める圧力変動解析工程と、該圧力変動解析工程で得られた前記圧力変動から、リニアスペクトルを求める周波数特性解析工程と、該周波数特性解析工程で得られた前記リニアスペクトルから、特定周波数成分のバンドパス圧力変動を求めるバンドパス処理工程と、該バンドパス処理工程で得られた前記バンドパス圧力変動の最大振幅を求めるバンドパス最大振幅解析工程と、上記各工程を複数種の車両形状に対して行い、これら複数の車両形状のいずれかから、該バンドパス最大振幅解析工程で得られた前記最大振幅を低減させる先頭部形状を求める車両形状選定工程とを有することを特徴とする。
上記の鉄道車両設計方法によれば、この設計方法により得られる鉄道車両の先頭部形状が、低周波振動の主因となる、特定周波数成分のバンドパス圧力変動の最大振幅を、従来よりも低くすることができる。
【0008】
また本願の鉄道車両設計方法は、さらに、鉄道車両設計方法において、前記特定周波数成分が、5Hz〜25Hz帯域の低周波数成分であることを特徴とする。
上記の鉄道車両設計方法によれば、特に、低周波振動の生成に影響を及ぼす特定周波数成分が主に5Hz以上かつ25Hz以下の帯域であるため、この低周波数成分の帯域から得られる最大振幅を低減させることにより、結果として得られる低周波振動を確実かつ効果的に低減させることができる。
【0009】
また本願の鉄道車両設計方法は、さらに、鉄道車両設計方法において、前記車両形状選定工程における前記バンドパス圧力変動の最大振幅を、80Pa以下とすることを特徴とする。
上記の鉄道車両設計方法によれば、低周波振動を起こすバンドパス圧力変動を大幅に低減させることができる。
【0010】
また本願の鉄道車両設計方法は、明かり区間中の予め定められた所定位置で求めた5Hz〜25Hz帯域の低周波数成分におけるバンドパス圧力変動の最大振幅が、80Pa以下となり、鉄道車両の走行方向後方側に向かって、該鉄道車両の軸線から徐々に離れる傾きをなす昇圧面を有し、平面視において、走行方向最先端位置から後方側へ向かって鈍頭形状に膨らんだ後、さらに後方の所定位置に向かって前記軸線と平行な部分を形成した後、さらに後方で前記昇圧面に連なる先頭車両形状を有することを特徴とする。
上記の鉄道車両によれば、低周波振動の主因となる、5Hz〜25Hz帯域の低周波数成分のバンドパス圧力変動の最大振幅を、従来よりも低くすることができる。
【0011】
本発明の鉄道車両は、走行方向後方側に向かって、該鉄道車両の先頭部(1)の軸線から徐々に離れる傾きをなす昇圧面(3)を有し、平面視において、走行方向最先端位置から後方側へ向かって鈍頭形状に膨らんだ後、さらに後方の所定位置に向かって前記軸線と平行な部分を形成した後、さらに後方で前記昇圧面(3)に連なる先頭車両形状を有し、前記昇圧面(3)は、前記平面視における鈍頭形状後方の凹部(3A)において、平面視で先頭部の軸線から徐々に離れる傾きをなす面であって、前記先頭部(1)の全長をLとし、前記先頭部(1)の先端から前記昇圧面(3)の先端位置までの距離寸法をxとした場合に、0.40≦x/L≦0.63に設定されたことを特徴とする。
上記の鉄道車両によれば、5Hz〜25Hzの低周波成分におけるバンドパス圧力変動の最大振幅を80Pa以下に低減させることができる。
【0012】
また本願の鉄道車両は、さらに、前記特定周波数成分が、5Hz〜25Hz帯域の低周波数成分であることを特徴とする。
上記の鉄道車両によれば、特に、低周波振動の生成に影響を及ぼす特定周波数成分が5Hz以上かつ25Hz以下の帯域であるため、この低周波数成分の帯域から得られる最大振幅を低減させることにより、結果として得られる低周波振動を確実かつ効果的に低減させることができる。
【0016】
本願の鉄道車両は、さらに、前記昇圧面の、前記軸線からの壁面までの寸法の最小寸法を最大寸法で割った比率が、90%以上〜100%未満であることを特徴とする。
上記の鉄道車両によれば、バンドパス圧力変動がピーク値を迎えた直後に形成する減圧の最低値を、従来よりも確実に上昇させることができる。
【0017】
本願の鉄道車両は、さらに、前記比率が、圧力変動検討位置の高さがレールレベルから1.5m以下の場合には、90%以上〜100%未満であることを特徴とする。
上記の鉄道車両によれば、明かり区間における所望の高さ位置での低周波振動を低減させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の鉄道車両及び鉄道車両設計方法の一実施形態を、図面を参照しながら以下に説明するが、本発明がこれに限定解釈されるものでないことはもちろんである。
【0019】
本実施形態の鉄道車両設計方法は、明かり区間を高速走行する鉄道車両が、周囲環境に与える低周波振動を低減させることを主な目的としており、以下の各工程を経て設計される。
(1)空間圧力計算工程
この工程では、走行する鉄道車両の形状と、その走行速度と、明かり区間の形状(平場、盛土、高架のいずれか。本実施形態では、図1に示す盛土を選択している。)とを初期条件とし、定常CFD計算(定常数値流体力学計算)により、明かり区間を走行する鉄道車両の周囲における空間圧力分布を求める。
【0020】
(2)圧力変動解析工程
空間圧力計算工程に続くこの工程では、まず、建物など、低周波振動の影響を受ける恐れがあるために検討すべき位置を、図1に示す各検討位置P1〜P9として設定する。なお、以下の説明においては、L=9.2mの車両において、走行速度時速270kmで、これら検討位置のうち、検討位置P2をピックアップして説明を行うものとする。
すなわち、前工程で得られた前記空間圧力分布から、明かり区間の定位置である検討位置P2における圧力変動を求める。その計算結果の例を、図2(a)に示す。同図において、横軸は時間軸を示し、縦軸は検討位置P2における圧力を示している。また、同図における破線が、本発明の鉄道車両設計方法に基づいて最適化された鉄道車両形状での計算結果を示し、実線が、従来形状の鉄道車両形状での計算結果を示している。この図に示すように、検討位置P2における圧力Pは、急上昇して正圧のピークを迎えた後、急速に減圧して負圧のピークを迎えている。
【0021】
(3)周波数特性解析工程
圧力変動解析工程に続くこの工程では、前工程で得られた図2(a)の圧力変動(圧力時間変化)をFFT解析にかけることで、図2(c)に示すリニアスペクトル(圧力変動の周波数特性)を得る。同図において、横軸は周波数を示し、縦軸はリニアスペクトルPlを示している。この図に示す周波数帯域のうち、低周波振動の主要因となっているのが、5Hz〜25Hz帯域の低周波数成分である。
【0022】
(4)バンドパス処理工程
周波数特性解析工程に続くこの工程では、前工程で得られた図2(c)のリニアスペクトルPlから、特定周波数成分のバンドパス圧力変動を抽出して求める。この特定周波数成分としては、上述の理由により、5Hz〜25Hz帯域の低周波数成分を抽出するのが効果的である。この低周波数成分のみを抽出するバンドパスフィルタ処理を行った結果が、図2(b)である。したがって、図2(a)に示した圧力変動の波から、5Hz〜25Hz帯域の波の成分を抽出したものが、図2(b)となる。
【0023】
(5)バンドパス最大振幅解析工程
バンドパス処理工程に続くこの工程では、前工程で得られた前記バンドパス圧力変動(バンドパス圧力時間変化Pb)の最大振幅△Pbを求める。すなわち、図2(b)に示すバンドパス圧力Pbは、図2(a)に示す圧力変動Pが最大振幅を迎える時と同時期に、最大振幅を迎えるので、この最大振幅△Pbを求める。同図の場合では、従来の車両形状で△Pb=94Pa、本発明の鉄道車両形状で△Pb=68Paと求められた。本発明の鉄道車両で最大振幅△Pbが低減した理由については、後述で説明する。
【0024】
(6)車両形状選定工程
バンドパス最大振幅解析工程に続くこの工程では、前工程で得られた前記最大振幅を低減させる先頭部形状を求める。すなわち、異なる先頭部形状を有する鉄道車両を複数設定し、それぞれの形状について上記(1)〜(5)の工程を行うことで、各車両形状毎のバンドパス圧力変動Pbの最大振幅△Pbを求め、これらの中から、他の設計条件(トンネル微気圧波)を満足した上で、最も低い最大振幅△Pbを有する鉄道車両形状を選定する。
この際、許容する最大振幅△Pbを80Pa以下に限定すると、従来に比較して、低周波振動を起こすバンドパス圧力変動Pbを大幅に低減させることができる。
【0025】
以上説明の鉄道車両設計方法を用いて設計した、本発明の鉄道車両の第1実施形態を、図3(a),(b)に示す。
図3(a)に示すように、本実施形態の鉄道車両は、平面視した場合に、その先頭部1の両側壁面2に、明かり区間の定位置で求めた特定波数成分(5Hz〜25Hz帯域の低周波数成分)におけるバンドパス圧力変動(図2(b)のバンドパス圧力時間変化Pbを参照。)が正の値に向かってピーク値を迎えた直後に負の値に向かって形成する減圧の最低値を上昇させる昇圧面3が形成されている。
【0026】
これら昇圧面3は、両側壁面2に形成された凹部3Aの一部として含まれる傾斜面であり、この鉄道車両の走行方向の後方側に向かって(図3(a)の紙面右側に向かって)、この先頭部1の軸線CLから徐々に離れるような傾きをなしている。
したがって、先頭部1を平面視した場合の全体形状は、走行方向最先端位置1aから後方側の位置1bに向かって鈍頭形状に膨らんだ後、さらに、位置1cに向かって前記軸線CLに近づく緩やかな傾斜面を形成し、さらに、位置1dまで前記軸線CLと平行な部分を形成した後、位置1eに向かう前記昇圧面3に連続している。
【0027】
一方、図3(b)に示すように、本実施形態の鉄道車両は、側面視した場合に、従来形状よりもノーズ上面1Aをねかせた形状を採用している。これは、トンネル内の走行を考慮したものである。すなわち、前記空間圧力計算工程における、明かり区間での定常CFD解析により求められた速度成分値(いわゆるVwall値)が大きいと、これに比例してトンネル内圧力変動が大きくなるため、このVwall値を低減すべく、ノーズ上面1Aをねかせている。これにより、空気振動を低く抑えてトンネル微気圧波を低減させている。
【0028】
ところで、前記昇圧面3は、その位置及び形状に応じて、バンドパス圧力の最大振幅△Pbが変化するため、その最適な位置及び形状を採用するのが好ましい。
すなわち、図4に示すように、先頭部1の全長をLとし、この先頭部1の走行方向最先端位置1aから昇圧面3の先端位置までの距離寸法をxとした場合には、0.40≦x/L≦0.63の範囲内に収まるように距離寸法xを選定するのが好ましい。これは、図5に示す検討結果によるものであり、x/L比を0〜1の間で変化させた場合の、バンドパス圧力の最大振幅△Pbは、x/L比が0.4以上かつ0.63以下において80Pa以下と大幅に低下する。この理由により、x/L比としては、0.40以上かつ0.63以下が好適に採用される。
【0029】
また、前記昇圧面3の形状としては、その前記軸線CLからの壁面までの寸法の最小寸法w1を最大寸法w2(図4参照)で割った比率rが、90%以上〜100%未満である形状を採用するのが好ましい。より詳しく言うと、前記比率rが、圧力変動検討位置の高さがレールレベルから1.5m以下の場合には、90%以上〜100%未満である傾斜形状を採用するのがより好ましい。
【0030】
これは、図7に示す検討結果によるものであり、図1の検討位置P2点を含む上下方向の各位置におけるバンドパス圧力の最大振幅△Pbの傾向を解析してみると、同図に示すように、検討位置の高さがレールレベルから1.5m以下の位置では、前記比率rが小さい(凹部3Aの深さが深い)ほど最大振幅△Pbを低くすることができ、逆に、1.5mよりも高い位置では、前記比率rが大きい(凹部3Aの深さが浅い)ほど最大振幅△Pbを低くすることができる。以上の理由により、各検討位置の高さ毎に最適な比率rがあるため、低周波振動を低減させたい検討位置の高さに応じた比率rを採用するのが好ましい。
【0031】
続いて、本発明の鉄道車両の第2実施形態を、図7に示す。
同図に示すように、本実施形態の鉄道車両は、平面視した場合に、その先頭部11の両側壁面12に、明かり区間の定位置で求めた特定波数成分(5Hz〜25Hz帯域の低周波数成分)におけるバンドパス圧力変動(図2(b)のバンドパス圧力時間変化Pbを参照。)が正の値に向かってピーク値を迎えた直後に負の値に向かって形成する減圧の最低値を上昇させる昇圧面13が形成されている。
【0032】
これら昇圧面13は、両側壁面12に形成された傾斜面であり、この鉄道車両の走行方向の後方側に向かって(図7の紙面右側に向かって)、この先頭部11の軸線CLから徐々に離れるような傾きをなしている。
したがって、先頭部11を平面視した場合の全体形状は、走行方向最先端位置11aから後方側の位置11bに向かって鈍頭形状に膨らんだ後、さらに、位置11cまで前記軸線CLと平行な部分を形成した後、位置11dに向かう前記昇圧面13に連続している。
【0033】
すなわち、この先頭部11は、実質的に、上記第1実施形態の先頭部1の、前記凹部3Aよりも前方側の側部膨らみを取り除いたものであるが、この場合においても、5Hz〜25Hz帯域の低周波数成分におけるバンドパス圧力変動の最大振幅△Pbを、80Pa以下とすることができる。これは、バンドパス圧力変動の最大振幅低減に効果を果たすのが凹部3A全体ではなく、そのうちの一部をなす昇圧面3であるからであり、この昇圧面3を少なくとも形成しておくことで、低周波振動を低減させることが可能となる。本実施形態の昇圧面13においても、その最適位置及び最適形状については、上記第1実施形態の昇圧面3と同様である。
【0034】
なお、図7(b)に示すように、本実施形態の鉄道車両は、側面視した場合に、従来形状よりもノーズ上面11Aをねかせた形状を採用している。これは、上記第1実施形態と同様に、空気振動を低く抑えてトンネル微気圧波を低減させるためである。
【0035】
以上説明の第1実施形態及び第2実施形態の鉄道車両によれば、明かり区間の定位置で5Hz〜25Hz帯域の低周波数成分におけるバンドパス圧力変動の最大振幅△Pbを求めると、80Pa以下となる。これにより、明かり区間を走行する鉄道車両より発生される、5Hz〜25Hz帯域の低周波数成分のバンドパス圧力変動の最大振幅Pbを、従来よりも低くすることができるので、低周波振動を低減させることが可能となる。
なお、本発明の請求項1に記載の鉄道車両設計方法では,特定周波数成分を別の帯域,例えば,5Hz〜20Hz帯域として設計することも可能である。
【0036】
【発明の効果】
本願の鉄道車両設計方法は、明かり区間を走行する鉄道車両の周囲における空間圧力分布を求める空間圧力計算工程と、該空間圧力計算工程で得られた前記空間圧力分布から、前記明かり区間の予め定められた所定位置における圧力変動を求める圧力変動解析工程と、該圧力変動解析工程で得られた前記圧力変動から、リニアスペクトルを求める周波数特性解析工程と、該周波数特性解析工程で得られた前記リニアスペクトルから、特定周波数成分のバンドパス圧力変動を求めるバンドパス処理工程と、該バンドパス処理工程で得られた前記バンドパス圧力変動の最大振幅を求めるバンドパス最大振幅解析工程と、上記各工程を複数種の車両形状に対して行い、これら複数の車両形状のいずれかから、該バンドパス最大振幅解析工程で得られた前記最大振幅を低減させる先頭部形状を求める車両形状選定工程とを有する方法を採用した。
この方法によれば、明かり区間を走行する鉄道車両より発生される、特定周波数成分のバンドパス圧力変動の最大振幅を、従来よりも低くすることができるので、低周波振動を低減させることが可能となる。
【0037】
また、本願の鉄道車両設計方法は、さらに、前記特定周波数成分を、5Hz〜25Hz帯域の低周波数成分とする方法を採用した。この方法によれば、低周波振動を確実かつ効果的に低減できる鉄道車両形状を得ることが可能となる。
【0038】
また、本願の鉄道車両設計方法は、車両形状選定工程におけるバンドパス圧力変動の最大振幅を80Pa以下とする方法を採用した。この方法によれば、バンドパス圧力変動を大幅に低減させることができるので、より確実かつ効果的に低周波振動を低減させることが可能となる。
【0039】
また、また本願の鉄道車両設計方法は、明かり区間中の予め定められた所定位置で求めた5Hz〜25Hz帯域の低周波数成分におけるバンドパス圧力変動の最大振幅が、80Pa以下となり、鉄道車両の走行方向後方側に向かって、該鉄道車両の先頭部の軸線から徐々に離れる傾きをなす昇圧面を有し、平面視において、走行方向最先端位置から後方側へ向かって鈍頭形状に膨らんだ後、さらに後方の所定位置に向かって前記軸線と平行な部分を形成した後、さらに後方で前記昇圧面に連なる先頭車両形状を有する構成を採用した。この構成によれば、明かり区間を走行する鉄道車両より発生される、5Hz〜25Hz帯域の低周波数成分のバンドパス圧力変動の最大振幅を、従来よりも低くすることができるので、低周波振動を低減させることが可能となる。
【0040】
また、本発明の鉄道車両は、先頭部の側壁面に、明かり区間中の予め定められた所定位置で求めた特定周波数成分におけるバンドパス圧力変動がピーク値を迎えた直後に形成する減圧の最低値を上昇させる昇圧面を有し、平面視において、走行方向最先端位置から後方側へ向かって鈍頭形状に膨らんだ後、さらに後方の所定位置に向かって前記軸線と平行な部分を形成した後、さらに後方で前記昇圧面に連なる先頭車両形状を有する構成をさいようした。また、さらに、走行方向最先端位置から後方側へ向かって鈍頭形状に膨らんだ後、所定位置に向かって前記軸線に近づく緩やかな傾斜面を形成し、さらに後方の所定位置に向かって前記軸線と平行な部分を形成した構成を採用した。
この構成によれば、昇圧面により、バンドパス圧力変動の最大振幅を大幅に低減させることができるので、より確実かつ効果的に低周波振動を低減させることが可能となる。
【0041】
また、本願の鉄道車両は、前記特定周波数成分を、5Hz〜25Hz帯域の低周波数成分とする構成を採用した。この構成によれば、低周波振動を確実かつ効果的に低減させることが可能となる。
【0042】
また、本願の鉄道車両は、先頭部の全長をLとし、その先端から昇圧面の先端位置までの距離寸法をxとした場合に、0.40≦x/L≦0.63とする構成を採用した。この構成によれば、5Hz〜25Hz帯域の低周波数成分におけるバンドパス圧力変動の最大振幅を80Pa以下に低減させることができるので、低周波振動を確実かつ効果的に低減させることが可能となる。
【0045】
また、本願の鉄道車両は、さらに、前記昇圧面の、前記軸線からの壁面までの寸法の最小寸法を最大寸法で割った比率が、90%以上〜100%未満である構成を採用した。この構成によれば、バンドパス圧力変動の最大振幅を確実に低減させることができるので、低周波振動をより確実かつ効果的に低減させることが可能となる。
【0046】
また、本願の鉄道車両は、昇圧面の、前記軸線からの壁面までの寸法の最小寸法を最大寸法で割った比率を、圧力変動検討位置の高さに応じて設定する構成を採用した。この構成によれば、明かり区間における所望の高さ位置での低周波振動を低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 明かり区間(盛土)における各低周波振動検討位置を示す図であって、鉄道車両の進行方向に垂直な断面で見た縦断面図である。
【図2】 図1の検討位置P2における計算結果を示すグラフであって、(a)が圧力時間変化、(b)がバンドパス圧力時間変化、(c)がリニアスペクトルを示している。
【図3】 本発明の鉄道車両設計方法に基づいて設計された鉄道車両の第1実施形態を示す図であって、(a)は、その軸線を境とする半分を平面視した外形図であり、(b)は側面図である。
【図4】 本発明の鉄道車両設計方法に基づいて設計された鉄道車両の傾斜面位置を示す図であって、鉄道車両の軸線を境とする半分を平面視した外形図である。
【図5】 図4に示す各凹部位置毎のバンドパス圧力最大振幅を示すグラフであって、横軸が凹部位置、縦軸がバンドパス圧力最大振幅を示している。
【図6】 明かり区間の高さ方向におけるバンドパス圧力最大振幅を、各鉄道車両形状毎に比較した場合を示すグラフである。
【図7】 本発明の鉄道車両設計方法に基づいて設計された鉄道車両の第2実施形態を示す図であって、(a)は、その軸線を境とする半分を平面視した外形図であり、(b)は側面図である。
【符号の説明】
3,13・・・昇圧面
3A・・・凹部

Claims (7)

  1. 明かり区間を走行する鉄道車両の周囲における空間圧力分布を求める空間圧力計算工程と、
    該空間圧力計算工程で得られた前記空間圧力分布から、前記明かり区間の予め定められた所定位置における圧力変動を求める圧力変動解析工程と、
    該圧力変動解析工程で得られた前記圧力変動から、リニアスペクトルを求める周波数特性解析工程と、
    該周波数特性解析工程で得られた前記リニアスペクトルから、特定周波数成分のバンドパス圧力変動を求めるバンドパス処理工程と、
    該バンドパス処理工程で得られた前記バンドパス圧力変動の最大振幅を求めるバンドパス最大振幅解析工程と、
    上記各工程を複数種の車両形状に対して行い、これら複数の車両形状のいずれかから、
    該バンドパス最大振幅解析工程で得られた前記最大振幅を低減させる先頭部形状を求める車両形状選定工程と
    を有することを特徴とする鉄道車両設計方法。
  2. 請求項1に記載の鉄道車両設計方法において、
    前記特定周波数成分は、5Hz〜25Hz帯域の低周波数成分である
    ことを特徴とする鉄道車両設計方法。
  3. 請求項2に記載の鉄道車両設計方法において、
    前記車両形状選定工程における前記バンドパス圧力変動の最大振幅を、80Pa以下とする
    ことを特徴とする鉄道車両設計方法。
  4. 鉄道車両の走行方向後方側に向かって、該鉄道車両の先頭部(1)の軸線から徐々に離れる傾きをなす昇圧面(3)を有し、
    平面視において、走行方向最先端位置から後方側へ向かって鈍頭形状に膨らんだ後、さらに後方の所定位置に向かって前記軸線と平行な部分を形成した後、さらに後方で前記昇圧面(3)に連なる先頭車両形状を有し、
    前記昇圧面(3)は、前記平面視における鈍頭形状後方の凹部(3A)において、平面視で先頭部の軸線から徐々に離れる傾きをなす面であって
    前記先頭部(1)の全長をLとし、前記先頭部(1)の先端から前記昇圧面(3)の先端位置までの距離寸法をxとした場合に、
    0.40≦x/L≦0.63
    に設定されたことを特徴とする鉄道車両。
  5. 請求項4に記載の鉄道車両において、走行方向最先端位置から後方側へ向かって鈍頭形状に膨らんだ後、所定位置に向かって前記軸線に近づく緩やかな傾斜面を形成し、さらに後方の所定位置に向かって前記軸線と平行な部分を形成した
    ことを特徴とする鉄道車両。
  6. 請求項4または5に記載の鉄道車両において、
    前記昇圧面の、前記軸線からの壁面までの寸法の最小寸法を最大寸法で割った比率が、90%以上〜100%未満である
    ことを特徴とする鉄道車両。
  7. 請求項6に記載の鉄道車両において、
    前記比率が、圧力変動検討位置の高さがレールレベルから1.5m以下の場合には、90%以上〜100%未満である
    ことを特徴とする鉄道車両。
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