JP4427171B2 - 医用画像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気共鳴イメージング装置や、X線コンピュータ断層撮影装置を始めとする各種医用画像診断装置によって取得される医用画像を、補助的な情報とともに表示する医用画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
医用画像診断装置として、X線診断装置、超音波診断装置、X線コンピュータ断層撮影装置(以下、X線CT装置という。)、磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という。)、核医学診断装置、電子内視鏡装置などがよく知られており、これらは医療の現場で数多く活用され、疾病の早期発見、診断精度の向上などに寄与している。これら各種の医用画像診断装置(各装置を「モダリティ」と称している。)で取得された医用画像は、各装置に備えられているモニタに表示されて観察されたり、フィルムに焼き込まれた状態で観察されたりするが、近時、医用画像を表示する専用の医用画像表示装置も開発されて実用に供されている。
ところで、最近の高性能化されたX線CT装置やMRI装置には、一回の撮影操作によって、隣接する複数の断面の画像データが収集され、再構成処理されて断面画像が形成されるものがある。そして、これらの断面画像を医用画像表示装置に表示する場合、表示された画像の断面の位置関係を明確に示すために、撮影操作時に撮影断面の設定のために使用した位置決め用の画像に断面を示すマーカを入れ、これを断面画像を表示する画面内に補助的な情報として一緒に表示するいわゆるインセット表示が一般に採用されている。この医用画像表示装置におけるインセット表示は、診断すべき医用画像とともに、その断面位置が画像の形で表示されるので、読影を行う医師にとって、大変有用な機能である。
【0003】
図6は、従来のインセット表示機能を有する医用画像表示装置の表示画面を概略的に示したものである。すなわち、CRTなどの画像表示部1の略中心部に、例えばX線CT装置によって取得された頭部の横断面画像2(アキシャル像)が表示されている。この断面画像2の断面位置を設定するために、予め位置決め画像3が撮影されてその画像3上に撮影すべき断面を示すマーカ4が設定されるので、画像表示部1の左下に、第1の補助情報表示エリア5を形成して、このエリア5にマーカ4を設定した位置決め画像3を表示する。また、画像表示部1の右下に、第2の補助情報表示エリア6を形成して、このエリア6に被検体の氏名、年齢、性別、撮影日時、撮影条件などの文字情報が表示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のインセット表示される補助的な情報では、シングルオブリークの断面画像を位置決め画像を基にして撮影した場合ならば、充分な情報を提供することになるものの、断面を動的にあるいは三次元的に設定した場合には、設定した断面を容易に把握できないという問題があった。
一方、近年X線CT装置やMRI装置では、高速撮影法が一般化しつつあり、特にMRI装置にあっては、リアルタイム性が増し、元々のMRI装置の特徴である任意断面の設定が容易であることとあいまって、断面の方向を三次元的に変えながら、診断に最も適した方向の撮影を行う機能を有するMRI装置が普及しつつある。このようなMRI装置では、単に最終的に決めた断面方向の画像のみではなく、それに至るプロセスの画像も診断には有用であり、従来のインセット表示される情報のみでは、充分な情報を与えることができなかった。そのため、従来は、これらのプロセスでの断面画像を別々に観察することにより診断への参照情報としていたが両者の関係が分かり難く、診断に要する時間も長くかかり、読影医への負担が大きいという問題があった。
【0005】
さらに、当該画像の読影医による読影結果は、従来紙のカルテに記載されていたため、臨床医は画像とカルテの両方を別々にみる必要があり、煩わしさを伴なうという問題があった。
また、X線CT装置においては、複数の検出器列を備えて同時に多数の断面を撮影することのできるマルチスライス型X線CT装置が普及しつつあり、このようにして取得された画像データを基に三次元画像を再構成して表示することも行われている。しかし、三次元画像とその画像の一部の断面である断層像との位置関係を理解して読影するにはかなりの時間を要していた。さらに、三次元画像を表示した場合には、その画像の特定断面を観察したいという要求が出されることも多く、その場合は一枚一枚の原画像に戻って読影することになっていた。よって、同じ撮影時間で従来の数倍もの画像が得られるので、検査(撮影)の効率は上がるものの、診断(読影)には長時間を要するという矛盾が生ずる問題があった。
さらに画像診断においては、疾患の疑われる被検体の断面画像を、或る一つのモダリティ(例えば、MRI装置)で取得した画像だけでなく、他のモダリティ(例えば、X線CT装置)で取得した同一断面の画像と比較したり、今回撮影した画像を経過観察として過去に撮影した画像と比較して診断上の判断をする場合が頻繁にあるが、従来は、各々のモダリティで取得した画像を手作業で集めて、それぞれシャーカステンなどを使って別々に観察して診断を行っており、診断に要する時間が長引き医師にとって負担を大きくするものであった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題を解決し、効率の良い画像診断を行うことのできる医用画像表示装置を提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明は、被検体の医用画像を表示する医用画像表示手段と、この医用画像表示手段に表示される当該医用画像に対する診断のための補助的な情報を、動的に表示する補助情報表示手段とを具備し、前記医用画像表示手段に表示される医用画像は断面画像であり、前記補助情報表示手段に表示される前記補助的な情報は、断面画像の断面位置を設定するまでに収集した被検体の複数の断面画像を順次表示する画像情報であることを特徴とするものである。この場合、補助情報表示手段に表示される補助的な情報としての断面画像が、医用画像表示手段に表示される医用画像と一致したときに、一致したことを告知する告知手段を設けることにより、画像診断を行う医師の負担軽減に寄与できる。
なお、この告知手段としては、補助情報表示手段に表示される前記医用画像と一致した断面画像を静止させるか、補助情報表示手段の少なくとも一部を着色するものであり、または、医用画像表示手段または補助情報表示手段の少なくとも一方に、文字または記号を、静止させ或いは点滅させて表示するものであり、さらには、音を発するもの等、適宜の手段が採用できる。
【0008】
そして、補助情報表示手段は、医用画像表示手段の少なくとも一部を共用するか、または医用画像表示手段とは独立に設けるものとする。
好適には、医用画像表示手段と共用している前記補助情報表示手段の近傍、または、独立に設けた前記補助情報表示手段にソフトスイッチを表示することにより、このソフトスイッチを操作して、補助情報表示手段に表示されている動的な情報の連続性を制御することができる。
これにより、これら補助的な情報を参照しながら、医用画像の診断作業を詳細にかつ効率よく実施することができ、医師の負担を軽減することができる。例えば、補助的な情報として、断面画像を得るに至った経緯を、連続した位置決め画像として動的に表示することにより、断面を設定するに至ったプロセスを画像の形で認識することができ、適切な診断を行うことができる。さらに、補助情報表示手段に表示される補助的な情報としての断面画像が、医用画像表示手段に表示される医用画像と一致したときに、その旨告知されるので、より的確に断面画像を設定するに至ったプロセスが認識できるので、より適切な診断を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る医用画像表示装置の実施の形態について、図1ないし図5を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る医用画像表示装置の一実施の形態のハードウェアの概略構成を示した系統図である。医用画像表示装置10は、図示しないMRI装置、X線CT装置などの医用画像診断装置や、他の機器例えばPACS(Picture Archiving Communication System)などからの、医用画像に関する画像情報、文字情報、音声情報を受け入れる入力インターフェース部11と、入力インターフェース部11を介して入力された画像情報を含む各種データを記憶する記憶部12と、この記憶部12に記憶された各種データを読み出して処理するデータ処理部13と、データ処理部13で処理された画像を表示する画像表示部14と、データ処理部13によって記憶部12から読み出された音声データや、データ処理部13によって文字データから変換された音声データを再生する音声再生部15と、データ処理部13で処理された後のデータを、PACSや医用画像診断装置、イメージャなどのハードコピー機、或いは外部の記録装置などへ出力する出力インターフェース部16から構成されている。
なお、入力インターフェース部11には、キーボードやマウスなどのヒューマンインターフェースユニット17も接続される。また、データ処理部13には、文字データを音声デ―タに変換する文字/音声変換部や、逆に、音声データを文字デ―タに変換する音声/文字変換部も設けられている。この文字/音声変換部や音声/文字変換部は、ハードウェアまたはソフトウェアとして実現される。
【0014】
次に、このように構成された本発明の医用画像表示装置における、画像表示機能の種々の実施の形態について説明する。
図2(a)は、画像表示機能の第1の実施の形態として、画像表示部14の表示画面を示したものである。すなわち、画像表示部14の略中心部には、メイン画像20として例えばMRI装置によって取得された胃の冠状断面像(コロナル像)が表示されている。このメイン画像20は、連続した位置決め画像によって設定した断面を撮影したものであり、入力インターフェース部11を介して入力され、記憶部12に記憶された画像が、データ処理部13によって読み出され、画像表示部14の略中心部に表示するように制御されたものである。
そして本発明では、画面の左下に補助情報表示エリア30を設け、ここにメイン画像20としての断面像を得るに至った経緯を、連続した位置決め画像40として動的に表示するようにしている。
【0015】
すなわち、MRI装置では、図2(b)に示すように、初めに胃の噴門部近辺の横断断面40−1が撮影され、リアルタイムに冠状断面方向へ断面を順次回転させて行き、断面40−m、40−nを経由して断面40−(n+2)に至り、胃体部のコロナル方向の断面40−nを最適な面と決めてメイン画像20としている。このようなメイン画像20とともに、メイン画像20としての断面像を得るに至った経緯の画像が、医用画像表示装置10の入力インターフェース部11を介して記憶部12に記憶されるので、データ処理部13ではこれらの画像データの中から、メイン画像20を抽出して画像表示部14の略中心部に表示するように制御し、さらに、メイン画像20を得るに至った経緯の断面画像(符号40−1ないし40−(n+2)を付して示してある。)を、補助情報表示エリア30に順次表示させるように制御する。
【0016】
このように、この実施の形態は、メイン画像20としての断面像を得るに至った経緯を、補助情報表示エリア30に連続した位置決め画像40として表示するものである。すなわち、この補助情報表示エリア30には、メイン画像20に対する診断のための補助的な情報が動的に表示されるものである。なおこのとき、補助情報表示エリア30に順次表示される位置決め画像40が、画像表示部14の略中心部に表示されているメイン画像20と一致したきに、一致したことを知らせるようにすれば、画像を観察している医師にとって、メイン画像20を得るに至ったプロセスを認識する上で極めて有用である。
例えば、前述のように、メイン画像20として、断面40−nの画像が設定されて表示されており、このメイン画像20を設定するに至った経緯の画像として、断面40−1ないし断面40−(n+2)の画像が補助情報表示エリア30に順次表示されるものとすれば、この場合、補助情報表示エリア30にメイン画像20と同じ断面40−nの画像が表示されたときに、そのことを画像を観察している医師へ知らせるようにする。その手段としては、補助情報表示エリア30に表示されている断面40−nの画像を静止させたり、断面40−nの画像の一部または全体を着色するなど補助情報表示エリア30の少なくとも一部を着色して表示したり、画像表示部14の適宜の位置または補助情報表示エリア30内に、文字または記号を静止させたり或いは点滅させて表示したり、さらには、チャイム、ブザー、電子音など音を発するようにしたりして知らせるようにすればよい。これらの制御機能は、必要に応じてデータ処理部にもたせることができ、音の発生は、音声再生部15を利用すればよい。
【0017】
さらに、図2(a)に示すように、画像表示部14の補助情報表示エリア30の下の位置に、ソフトスイッチ50を表示しておき、このソフトスイッチ50をヒューマンインターフェースユニット17としてのマウスなどで操作することによって、データ処理部13の有する制御機能に基づき、補助情報表示エリア30のオン、オフおよび補助情報表示エリア30に表示される画像の順方向、逆方向への連続表示、画像の停止、ページング表示などの切替えを行うことができる。例えば、ソフトスイッチ50を操作して、断面40−1から40−nへと、順方向へ順次メイン画像20を得るに至った経緯を表示させることによって、診断医は、メイン画像20とともにこの断面を設定するに至ったプロセスを画像の形で認識することができる。従って、補助情報表示エリア30に表示される画像を補助的な情報として観察することにより、メイン画像20について適切な診断を行うことができる。
この補助情報表示エリア30に表示される画像には、元々被検体の呼吸による体動や胃部自体の運動も表現されており、単なる静止画以上の情報を有している。さらに、医用画像診断装置による撮影時に、例えば胃壁にある腫瘍などの病変が最も見易い方向に断面を設定してメイン画像20を得ているので、単なる冠状断面像のみからでは決定することの困難な最適な断面画像が得られる。すなわち、画像を観察する医師へ、位置決めを行ったときの状況を、補助情報表示エリア30への表示という形で、容易に再現して提供することができ、医師は、この連続した位置決め画像を踏まえたメイン画像20を観察することによって、適切な診断を行うことができる。
【0018】
なお、画面の右下に第2の補助情報表示エリア60を設け、ここにメイン画像20の被検体の氏名、年齢、性別、撮影日時、撮影条件などの文字データ(情報)が静的に表示されるようになっている。また、ソフトスイッチ50は、補助情報表示エリア30の下に限ることはなく、その近傍に表示されればよい。
このようなメイン画像20は勿論のこと、補助情報表示エリア30に表示される動的な画像情報や、第2の補助情報表示エリア60に表示される静的な補助情報は、出力インターフェース部16を介して、PACSや他の医用画像診断装置へ出力することができ、また、イメージャなどへ出力されてハードコピーをとることができ、さらに、外部の記録装置へ出力して記録することもできる。そして、医用画像診断装置としては、MRI装置に限らず、X線CT装置、X線診断装置、超音波診断装置、核医学診断装置などで取得された医用画像を同様に表示することができる。また、本発明の医用画像表示装置は、MRI装置などの医用画像診断装置と組合せてその画像表示部として使用することも、単独の医用画像表示装置として使用することも可能である。
【0019】
次に、本発明の医用画像表示装置10における、画像表示機能の第2の実施の形態について、図3を参照して説明する。
図3は、画像表示部14の表示画面を示しており、この実施の形態では、画像表示部14の補助情報表示エリア30に表示させるメイン画像20に対する診断のための補助的な情報を、画像ではなく文字情報として表示するようにしたものである。すなわち、図示しない医用画像記録装置に、予め読影医によって読影されたメイン画像20(例えば、頭部のアキシャル像)とともに、このメイン画像20に対する読影結果あるいはコメントが文字入力されている場合、これらは、入力インターフェース部11を介して記憶部12に記憶されているので、これらをデータ処理部13の制御の基で記憶部12から読み出し、メイン画像20の表示に合わせてその文字情報を補助情報表示エリア30に表示させるものである。この場合、補助情報表示エリア30の近傍にソフトスイッチ50を表示しておき、このソフトスイッチ50を、ヒューマンインターフェースユニット17としてのマウスなどで操作して、記憶部12に記憶されている読影結果あるいはコメントの文章を、データ処理部13の制御の基でスクロールさせながら順次表示するものである。なお、補助情報表示エリア30の表示サイズを適宜変更できるようにしておくことにより、文章の長さに応じて表示サイズを変更すれば、読影結果やコメントが極めて読みやすくなる。
【0020】
さらに、データ処理部13に設けられている文字データを音声データに変換する文字/音声変換部を利用し、さらに補助情報表示エリア30の近傍に他のソフトスイッチ51、52、53を表示することによって、ソフトスイッチ51をマウスなどで操作して、記憶部12に記憶されている読影結果あるいはコメントとしての文字データを音声に変換させ、ソフトスイッチ52を操作して音声再生部15を動作させることによって、音声による読み上げを開始させ、ソフトスイッチ53を操作して音声による読み上げを停止させることができる。
このように、読影医による読影結果やコメントを音声で聞けるようにすることにより、診断医は、メイン画像20と補助情報表示エリア30との間に視線を移動させる必要がなくなり、画像の観察に意識を集中させることができる。また、患者や第三者がそばにいて、診断結果を聞かせたくないような場合には、ソフトスイッチ51を操作して、音声による読み上げを中止して文字による表示に戻せばよい。よって、不用意に他の患者の診断結果を聞かせることも防止でき、プライバシーを保護することができる。
なお、第2の補助情報表示エリア60には、被検体の氏名、年齢、性別、撮影日時、撮影条件などの文字データが静的に表示されるのは第1の実施の形態と同様である。
【0021】
この第2の実施の形態において、補助情報表示エリア30に直接文字を入力することも可能である。例えば、本医用画像表示装置10を使用して画像診断を行う場合、画像表示部14の略中心部にメイン画像20として、診断すべき画像を表示し、この画像を観察した結果のコメントなどを、ヒューマンインターフェースユニット17としてのキーボードを操作して文字として入力し、入力インターフェース部11を介して記憶部12に記録させる。そして、記憶部12に記録されている文字データを、データ処理部13の制御の基で読み出せば、補助情報表示エリア30に表示させることが可能となる。勿論、データ処理部13に設けられている文字データを音声デ―タに変換する文字/音声変換部により、入力した文字データを音声データに変換することもでき、逆に、音声データを文字デ―タに変換する音声/文字変換部により、音声で入力して文字に変換することも可能である。
そして、これらの画像情報を含み補助情報表示エリア30に入力された全ての情報(データ)は、ネットワークを介して診療科などの医師の元へ電子的に送信され、診療科では、同じ医用画像表示装置10や画像観察端末などを使って、これらの画像などを観察したり診断結果を参酌して、患者への治療方針を決めるために利用することができる。
【0022】
次に、本発明の医用画像表示装置10における、画像表示機能の第3の実施の形態について、図4を参照して説明する。
図4も、画像表示部14の表示画面を示したもので、この実施の形態では、メイン画像20として例えば、MRI装置によって取得した腹部の横断面画像(両腕を含む)を表示し、補助情報表示エリア30に表示させるメイン画像20に対する診断のための補助的な情報を、メイン画像20の断面を含む三次元画像41の位置決め画像として表示するようにしたものである。そのため、三次元画像41には、メイン画像20の断面位置を示すマーカ42を表示させている。これにより、メイン画像20の断面位置が三次元的に容易に把握できるようになる。また、補助情報表示エリア30の近傍に他のソフトスイッチ54、55、56を表示することによって、これらソフトスイッチ54、55、56をマウスなどで操作して、三次元画像41の移動、回転、フライスルー表示などを制御するものである。
逆に、メイン画像20として三次元画像を表示するとともに、その三次元画像に断面位置を示すマーカを表示させ、マーカで示された位置の断面画像を、補助情報表示エリア30に表示するようにしてもよい。この場合、通常のマウスや三次元マウスなどによってマーカを移動させれば、そのマーカの動きに応じて補助情報表示エリア30に表示される断面画像が切替ることになる。すなわち、この補助情報表示エリア30に表示される断面画像は、例えば、横断面で撮影した複数のスライスの画像(アキシャル像)から、断面方向の異なる矢状断面のスライス画像(サジタル像)などを再構成して表示する、所謂MPR(Multiplanar reconstruction:断面変換)表示のような表示とすることができる。
なお、第2の補助情報表示エリア60には、被検体の氏名、年齢、性別、撮影日時、撮影条件などの文字情報が静的に表示されるのは第1、第2の実施の形態と同様である。
【0023】
さらに、本発明の医用画像表示装置10における、画像表示機能の第4の実施の形態について、図5を参照して説明する。
図5は、画像表示部14の表示画面を示しており、この実施の形態は、第3の実施の形態を若干変形したものである。すなわち、補助情報表示エリア30に表示させるメイン画像20に対する診断のための補助的な情報を、位置決め用の三次元画像41に代えて、メイン画像20を含む複数方向の断面像43、44を、互いに交叉するように組合せた位置決め画像45を表示するようにしたものである。これは、通常三次元画像41を収集するには撮影時間、画像再構成/処理時間とも比較的長い時間を要するので、本実施の形態では、複数方向の位置決め画像を短時間で収集して再構成処理することにより、メイン画像20に対する診断のための補助的な情報とするものであり、画像43はコロナル断面に表示し、画像44はそれに交叉するアキシャル断面で表示されている。
この場合、画像43は、例えば秒オーダの長い繰返し時間で信号収集を行うので、間欠的に画像を形成し表示されることになる。これに対して、画像44は、例えば数十から数百ミリ秒オーダの短い繰返し時間で信号収集を行なうことにより、ほぼ実時間で画像を形成し表示される。よって、画像43で被検体の組織構造を確認しながら、画像44の断面位置を変更して診断に必要な断面を得て、メイン画像20を設定することができる。すなわち、この実施の形態でも、メイン画像20を設定するに至った経緯が、補助情報表示エリア30に表示されることになる。
【0024】
なお、メイン画像20は、位置決め画像43、44によって設定された断面画像であり、入力インターフェース部11を介して入力され、記憶部12に記憶された画像が、データ処理部13によって読み出され、画像表示部14の略中心部に表示するように制御されたものである。そして、メイン画像20を得るに至った経緯の位置決め画像43、44が、データ処理部13の制御の基で補助情報表示エリア30に、動的に順次表示されるものである。また、図5には、画像43と画像44が互いに直交する場合を示したが、その2画面を斜交させて表示させてもよい。
この実施の形態でも、補助情報表示エリア30の近傍にソフトスイッチ54、55、56を表示しておき、これらソフトスイッチ54、55、56をマウスなどで操作することによって、補助情報表示エリア30に表示される位置決め画像43、44の移動、停止などを適宜制御することができる。なお、第2の補助情報表示エリア60も、第1ないし第3の実施の形態と同様に表示されている。
この第4の実施の形態は、メイン画像20の位置関係が、三次元画像に比べてそれほど遜色なく認識することができ、画像の収集/処理に要する時間が短縮できる利点がある。
【0025】
本発明は、上述の実施の形態に限定されることなく、種々の形態での画像表示が可能である。例えば、メイン画像20として現在撮影した画像を表示している場合に、補助情報表示エリア30にはメイン画像20に対応する過去に撮影した同一被検体の画像を読み出して表示することにより、当該部位における経時変化を比較検討することができる。また、多くの場合、1種類のモダリティによる画像のみでは、診断に必要な情報が十分得られないことがあり、そのようなときには、複数のモダリティによって同一被検体の同一部分を含む画像を得て、これらを総合的に観察することによって、診断することになる。例えば、メイン画像20にMRI装置で撮影した画像を表示している場合、補助情報表示エリア30に、X線CT装置や超音波診断装置などで撮影した画像を表示して、両画像を観察して診断を行うことによって、より厳密な診断が可能となる。
【0026】
また、メイン画像20に対する診断のための補助的な情報を表示するために、画像表示部14のメイン画像20が表示される同じ画面内に、補助情報表示エリア30を設けて表示するものとして説明したが、これに限ることなく、例えばメイン画像20を表示する画像表示部と、補助的な情報を表示するための画像表示部を各別に設けて、これらを並置すれば、メイン画像20と補助的な情報を一緒に観察することができる。
さらに、本発明の医用画像表示装置10には、出力インターフェース部16に送信手段を設けて、画像表示部14に表示されている画像データを、イメージャなどへ送信してハードコピーを得ることができる。同様に、出力インターフェース部16に設けた送信手段により、画像表示部14に表示されている画像や関連した情報を、他の機器へ電子的に送信することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、被検体の医用画像に対する補助的な情報を、当該医用画像を表示する画面内か、または独立に設けた画面に、動的に表示するようにしたので、これら補助的な情報を参照しながら、医用画像の診断作業を詳細にかつ効率よく実施することができ、医師の負担を軽減することができる。例えば、補助的な情報として、当該断面画像を得るに至った経緯を、連続した位置決め画像として動的に表示することにより、断面を設定するに至ったプロセスを画像の形で認識することができ、より適切な診断を行うことができる。また、医用画像診断装置の高性能化に伴なう検査(撮影)の効率化に対応して、診断(読影)の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る医用画像表示装置の概略構成を示した系統図である。
【図2】本発明の医用画像表示装置における画像表示機能の第1の実施の形態を説明するために示した説明図であり、(a)は、表示画面の全体を示し、(b)は、補助情報表示エリアに表示される画像を示したものである。
【図3】本発明の第2の実施の形態としての表示画面を示したものである。
【図4】本発明の第3の実施の形態としての表示画面を示したものである。
【図5】本発明の第4の実施の形態としての表示画面を示したものである。
【図6】従来のインセット表示機能を有する医用画像表示装置の表示画面を示したものである。
【符号の説明】
10 医用画像表示装置
11 入力インターフェース部
12 記憶部
13 データ処理部
14 画像表示部
15 音声再生部
16 出力インターフェース部
17 ヒューマンインターフェースユニット
20 メイン画像
30 補助情報表示エリア
40 位置決め画像
50 ソフトスイッチ
60 第2の補助情報表示エリア
Claims (8)
- 被検体の医用画像を表示する医用画像表示手段と、この医用画像表示手段に表示される当該医用画像に対する診断のための補助的な情報を、動的に表示する補助情報表示手段とを具備し、前記医用画像表示手段に表示される前記医用画像は断面画像であり、前記補助情報表示手段に表示される前記補助的な情報は、前記断面画像の断面位置を設定するまでに収集した、前記被検体の複数の断面画像を順次表示する画像情報であることを特徴とする医用画像表示装置。
- 前記補助情報表示手段に表示される前記補助的な情報としての断面画像が、前記医用画像表示手段に表示される前記医用画像と一致したときに、一致したことを告知する告知手段を有することを特徴とする請求項1に記載の医用画像表示装置。
- 前記告知手段は、前記補助情報表示手段に表示される前記医用画像と一致した断面画像を静止させるか、前記補助情報表示手段の少なくとも一部を着色するものであることを特徴とする請求項2に記載の医用画像表示装置。
- 前記告知手段は、前記医用画像表示手段または前記補助情報表示手段の少なくとも一方に、文字または記号を、静止させ或いは点滅させて表示するものであることを特徴とする請求項2に記載の医用画像表示装置。
- 前記告知手段は、音を発するものであることを特徴とする請求項2に記載の医用画像表示装置。
- 前記補助情報表示手段は、前記医用画像表示手段の少なくとも一部を共用するか、または前記医用画像表示手段とは独立に設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の医用画像表示装置。
- 前記医用画像表示手段と共用している前記補助情報表示手段の近傍、または、独立に設けた前記補助情報表示手段にソフトスイッチを表示することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の医用画像表示装置。
- 前記ソフトスイッチを操作して、前記補助情報表示手段に表示される動的な情報の連続性を制御することを特徴とする請求項7に記載の医用画像表示装置。
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