以下、図面を参照して、この発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラの一部を切断してその内部構成を概略的に示す斜視図である。
図1に於いて、本実施形態のデジタルカメラ10は、それぞれが別体に構成されるカメラ本体11と、レンズ鏡筒12とから成り、これらカメラ本体11とレンズ鏡筒12とは、互いに着脱自在に構成されてなるものである。
上記レンズ鏡筒12は、複数の撮影レンズやその駆動機構等から成る撮影光学系12aを内部に保持して構成されている。この撮影光学系12aは、被写体からの光束を透過させることで当該被写体光束により形成される被写体の像を、所定の位置(後述する撮像素子40の光電変換面上)に結像せしめるように、例えば、複数の光学レンズ等によって構成されるものである。そして、このレンズ鏡筒12は、カメラ本体11の前面に向けて突出するように配設されている。
尚、このレンズ鏡筒12については、従来のカメラ等に於いて一般的に利用されているものと同様のものが適用される。したがって、その詳細な構成についての説明は省略する。
カメラ本体11は、内部に各種の構成部材等を備えて構成され、且つ、撮影光学系12aを保持するレンズ鏡筒12を着脱自在となるように配設するための連結部材である撮影光学系装着部(撮影レンズ装着部とも称する)をその前面に備えて構成されてなる、いわゆる一眼レフレックス方式のカメラである。
つまり、カメラ本体11の前面側の略中央部には、被写体光束を当該カメラ本体11の内部へと導き得る所定の口径を有する露光用開口が形成されている。この露光用開口の周縁部には、撮影光学系装着部(図示せず)が形成されている。
カメラ本体11の外面側には、その前面に上述の撮影光学系装着部が配設されているほか、上面部や背面部等の所定の位置にカメラ本体11を動作させるための各種の操作部材、例えば撮影動作を開始せしめるための指示信号等を発生させるためのレリーズ釦13と、カメラ本体11のグリップ部とレンズ鏡筒12の間で内部に後述する光源センサ55が配設された拡散板14等が配設されている。上記拡散板14は、カメラ本体11の撮影光学系接続部の側に設けられており、撮影する被写体及びその周辺の光が入射する構成となっている。
尚、上述した操作部材については、この発明とは直接関連しない部分であるので、図面の煩雑化を避けるために、レリーズ釦13以外の操作部材については、その図示及び説明を省略する。
カメラ本体11の内部には、図1に示されるように、各種の構成部材、例えば、ファインダ装置16と、シャッタ部17と、撮像ユニット18と、主回路基板19を始めとした複数の回路基板(図1では主回路基板19のみが図示されている)とが、それぞれ所定の位置に配設されている。
上記ファインダ装置16は、上記撮影光学系12aによって形成される所望の被写体像を撮像素子40(図2参照)の光電変換面上とは異なる所定の位置に形成させるべく設けられたもので、いわゆる観察光学系を構成する。
ファインダ装置16は、クイックリターンミラー16aと、ペンタプリズム16bと、接眼レンズ16cとから構成されている。
上記クイックリターンミラー16aは、撮影光学系12aを透過した被写体光束の光軸を折り曲げて観察光学系の側へと導き得るようにしたものである。ペンタプリズム16bは、上記クイックリターンミラー16aから出射する光束を受けて正立正像を形成する。また、接眼レンズ16cは、上記ペンタプリズム16bにより形成される像を拡大して観察するのに最適な形態の像を結像させるためのものである。
また、クイックリターンミラー16aは、撮影光学系12aの光軸から退避する露光退避位置と当該光軸上の所定の位置との間で移動自在に構成され、通常状態に於いては撮影光学系12aの光軸上に於いて当該光軸に対して所定の角度、例えば、角度45度を有して配置されている。これにより、撮影光学系12aを透過した被写体光束は、当該デジタルカメラ10が通常状態にある場合には、クイックリターンミラー16aによってその光軸が折り曲げられて、当該クイックリターンミラー16aの上方に配置されるペンタプリズム16bの側へと反射されるようになっている。すなわち、これがクイックリターンミラー(可動ミラー)16aのファインダ観察位置である。
一方、本デジタルカメラ10が撮影動作の実行中に於いて、その実際の露光動作中には、当該クイックリターンミラー16aは、撮影光学系12aの光軸から退避する所定の位置に移動するようになっている。これによって、被写体光束は、撮像素子40の側へと導かれ、その光電変換面を照射するようになっている。
上記シャッタ部17は、撮像素子40の光電変換面への被写体光束の照射時間等を制御するもので、シャッタ機構等を備えて構成されている。
撮像ユニット18は、上記シャッタ部17と、このシャッタ部17を含み撮影光学系12aを透過した被写体光束に基づいて形成される被写体像に対応した画像信号を得る撮像素子40を含んだアッセンブリで構成される。
また、上記主回路基板19は、撮像素子40により取得した画像信号に対して各種の信号処理を施す画像信号処理回路(図示せず)答の電気回路を構成する各種の電気部材が実装されている。更に、カメラ本体11の上部には、図示されないストロボ接点が設けられており、外部ストロボを取付け可能であると共に、外部ストロボと通信して所定の光量、タイミングでストロボを発光可能な構成となっている。
上記シャッタ部17は、例えばフォーカルプレーン方式のシャッタ機構や、このシャッタ機構の動作を制御する駆動回路等、従来のカメラ等に於いて一般的に利用されているものと同様のものが適用される。したがって、その詳細な構成についての説明は省略する。
図2は、本デジタルカメラの主に電気的な構成を概略的に示すブロック構成図である。
図2に於いて、このデジタルカメラは、上述したように、カメラ本体11と、交換レンズとしてのレンズ鏡筒12とから主に構成されており、カメラ本体11の前面に対して、所望のレンズ鏡筒12が着脱自在に設定されている。
上記レンズ鏡筒12の制御は、レンズ制御用マイクロコンピュータ(以下、Lμcomと称する)25によって行われる。一方、カメラ本体11の制御は、露出量演算手段であるボディ制御用マイクロコンピュータ(以下、Bμcomと称する)50によって行われる。
尚、これらLμcom25とBμcom50とは、合体時に於いて通信コネクタ63を介して、通信可能に電気的接続がなされる。そしてカメラシステムとして、Lμcom25がBμcom50に従属的に協働しながら稼動するようになっている。
レンズ鏡筒12内には、撮影レンズ21と絞り22が設けられている。撮影レンズ21は、レンズ駆動機構23内に存在する図示されないDCモータによって駆動される。また、絞り22は、絞り駆動機構24内に存在する図示されないステッピングモータによって駆動される。Lμcom25は、Bμcom50の指令に従って、これら各モータを制御する。
一方、カメラ本体11内には、次の構成部材が図示のように配設されている。
例えば、光学系としての一眼レフ方式の構成部材(クイックリターンミラー16a、ペンタプリズム16b、接眼レンズ16c、フォーカシングスクリーン31、サブミラー35)と、光軸上のフォーカルプレーン式のシャッタ部17と、上記サブミラー35からの反射光束を受けて自動測距するためのAFセンサユニット36が設けられている。
また、カメラ本体内には、上記ペンタプリズム16bからの光束に基づき測光センサ(光検出手段)32を介して測光処理する測光回路33と、上記AFセンサユニット36を駆動制御するためのAFセンサ駆動回路37と、上記クイックリターンミラー16aを駆動制御するミラー駆動機構38と、上記シャッタ部17の先幕と後幕を駆動するバネをチャージするシャッタチャージ機構47と、それら先幕と後幕の動きを制御するシャッタ制御回路48とが設けられている。
また、光軸上には、上記光学系を通過した被写体像を光電変換するための撮像手段であるCCDユニット(撮像素子)40が、光電変換素子として設けられている。
このデジタルカメラには、また、CCDユニット40に接続されたCCDインターフェイス回路41と、液晶モニタ43と、記憶領域として設けられたSDRAM44と、FlashROM45及び記録メディア46等を利用して画像処理する画像処理コントローラ(画像形成手段)42とが設けられ、電子撮像機能と共に電子記録表示機能を提供できるように構成されている。
その他の記憶領域としては、カメラ制御に必要な所定の制御パラメータを記憶するもので、補正量記憶手段として、例えば、EEPROMから成る不揮発性メモリ49が、Bμcom50からアクセス可能に設けられている。
また、上記測光センサ32は、接眼レンズ16cの上部の、フォーカシングスクリーン31をやぶにらむ位置に配設されている。この測光センサ32は、撮影光学系21、クイックリターンミラー16a、フォーカシングスクリーン31、ペンタプリズム16bを介して得られる被写体光を、測光用のレンズで該センサに集光して明るさを測定するものである。
この測光センサ32はシリコンフォトダイオードで構成されており、センサと測光レンズ(図示せず)の間には赤外カットフィルタが挿入されている。これらの光学系と合わせた測光センサ32の分光感度は、ほぼ視感度に等しいものとなっている。
更に、シャッタ部17をやぶにらむ位置(光路よりクイックリターンミラー16aが退避した状態でシャッタ幕をカメラ横からやぶにらむ位置)には、白または灰色のシャッタ幕への反射光量を測定するためのストロボ測光センサ51が配設されている。ストロボ発光するような撮影条件の場合には、絞り22が絞り込み動作を終了し、クイックリターンミラー16aが光路より退避した後、撮影に先立ち、外部ストロボ装置64をプリ発光させたときの明るさを、このストロボ測光センサ51で検出し、その出力は、ストロボ光検出回路52を介してBμcom50に供給される。
Bμcom50は、この出力に応じてストロボ発光量を求め、ストロボ通信回路61を介して外部ストロボ装置64に送信し、本撮影時のストロボ発光量とタイミングを制御する。上記ストロボ測光センサ51もシリコンフォトダイオードで構成されており、ストロボ測光センサ51と測光レンズ(図示せず)の間には、赤外カットフィルタ(図示せず)が挿入されている。これらの光学系と合わせたストロボ測光センサ51の分光感度は、ほぼ視感度に等しいものとなっている。
上述した光源センサ55は、本実施形態では外光式のセンサで構成される光源検出手段であり、レンズ鏡筒12を通過していない被写体光を拡散板14を介して検出する。この光源センサ55は、可視光センサ69及び赤外光センサ68から構成されており、拡散板14を介して被写体光が入射される構成のため、センサの視野は同一であり、広い画角を有している。
可視光センサ69は、正しくは可視及び近赤外の分光感度を有しているが、可視光線差69と拡散板14との間には、赤外カットフィルタ(図示せず)が挿入されており、最終的に可視光のみを受光するような構成となっている。光源センサ55は、各分光感度のセンサに応じた光電流を圧縮、電流電圧変換して出力する。光源検出センサの出力は光源検出回路54でA/D変換され、各センサの分光感度に応じた被写体全域の明るさが検出可能な構成となっている。
また、Bμcom50には、当該カメラの動作状態を表示出力によってユーザへ告知するための動作表示用LCD57と、カメラ操作スイッチ(SW)58と、ストロボ通信回路61が設けられている。上記カメラ操作スイッチ58は、例えばレリーズスイッチ、モード変更スイッチ、測光モード変更スイッチ及びパワースイッチ等、当該カメラを操作するために必要な操作釦を含むスイッチ群で構成される。
上記ストロボ通信回路61は、上述したストロボ測光センサ51で得られBμcom50で算出したストロボの発光量に基づいた信号を受ける。そして、通信コネクタ62を経てストロボ装置64に信号を出力して、ストロボ装置64が所定光量で発光する。
更に、カメラ本体11内には、電源としての電池60と、この電源の電圧を当該デジタルカメラを構成する各回路ユニットが必要とする電圧に変換して供給するための電源回路59とが設けられている。
上述したように構成されたデジタルカメラでは、各部が次のように稼動する。
画像処理コントローラ42により、Bμcom50の指令に従って、CCDインターフェイス回路41が制御され、CCDユニット40から画像データが取り込まれる。この画像データは、画像処理コントローラ42でビデオ信号に変換され、液晶モニタ43にて出力表示される。ユーザは、この液晶モニタ43の表示画像から、撮影された画像イメージが確認可能である。
SDRAM44は画像データの一時的保管用メモリであり、画像データが変換される際のワークエリア等に使用される。また、この画像データは、JPEGデータに変換された後に、記録メディア50に保管されるように設定されている。
ミラー駆動機構38は、クイックリターンミラー16aのUP(アップ)位置とDOWN(ダウン)位置へと駆動するための機構である。上記クイックリターンミラー16aがDOWN位置にある時、撮影レンズ21からの光束は、AFセンサユニット36側とペンタプリズム16b側へと分割されて導かれる。
AFセンサユニット36内のAFセンサからの出力は、AFセンサ駆動回路37を介してBμcom50へ送信されて周知の測距処理が行われる。
また、ペンタプリズム16bに隣接する接眼レンズ16cからは、ユーザが被写体を目視できる。一方、このペンタプリズム16bを通過した光束の一部は、測光センサ32へ導かれ、ここで検知された光量に基づいて周知の測光処理が行われる。
図3は、測光センサ32の測光パターンとスポット測光領域の例を示した図である。
測光センサ32のパターンは、図3に示されるように、5分割されており、分割測光パターン(1)321 〜(5)325 のような被写体部分を測光する。本実施形態では、カメラは平均測光モード、評価測光モード、スポット(SPOT)測光モードの3つの測光モードを有する。これら3つの測光モードによって、被写体輝度の測光の方法や測光する部分が相違する。
上記平均測光モードは、上記5分割の測光センサで測光されるもので、分割測光パターン(1)321 〜(5)325 の出力が平均された値が測光値とされる。評価測光モードは、上記5分割の測光センサで測光されるもので、分割測光パターン(1)321 〜(5)325 の出力を独自のアルゴリズムで重み付けした値が測光値とされる。更に、スポット測光モードは、本実施形態ではAFセンサの輝度出力を利用して測光するもので、撮影領域(画面)32Aに対するスポット測光領域32Bの視野は、図示十字形状のスポット(SPOT)測光パターン部に相当し、これは、AFセンサユニット36内のAFセンサの視野に相当する。
上述した測光モードの何れを使用するかは、撮影者がカメラ操作部材の操作を行うことにより決定する。測光センサ32は、各測光パターンに応じた光電流を圧縮電流電圧変換し、出力する。測光センサ32の出力は、測光回路33でA/D変換され、各パターンに応じた被写体輝度が検出可能になる。AFセンサユニット36内のAFセンサは、スポット測光パターンに応じた光電流を積分し、所定電圧に達する時間を測定することにより、スポット測光パターンに応じた被写体輝度が検出可能になる。
上述したスポット測光、或いはファインダ測光による測光結果に基づいて、露出値(シヤッタ速度、絞り、ISO感度)が決定される。
このデジタルカメラは、複数の撮影モード(P;プログラムモード、A;絞り優先モード、S;シャッタ速度優先モード、M;マニュアルモード)を有しており、撮影者により選択された撮影モードに応じて、露出値が演算されて決定される。そして、決定された露出値に基いて、シャッタ速度制御、絞り制御、感度制御が行われる。
また、ここで、被写体輝度が暗く、外部ストロボ装置64が接続されている状態で発光可能な場合には、Bμcom50がストロボ発光必要と判断し、ストロボ発光制御が行われる。
上記シャッタ速度は、シャッタ部17のフォーカルプレーンシャッタにより生成される。ストロボ装置64の閃光発光の同調秒時は、1/180秒である。
絞り22はレンズ鏡筒12内にあり、Bμcom50とLμcom25間の通信によって、絞り駆動がレンズに指示されることにより実現される。
感度制御は、CCDユニット40の出力データにアナログゲインをかけることにより実現されるもので、インターフェイス回路41により行われる。
また、ストロボ装置64の発光量はストロボ測光センサ51により行われる。
上述したように、ストロボ測光センサ51はシャッタ部17をやぶにらむ位置に、白または灰色のシャッタ幕の反射光を測定するように配設されている。このストロボ測光センサ51は、クイックリターンミラー16aがアップされた後に、ストロボ装置64のプリ発光により得られるシャッタ幕で反射された光について測定する。Bμcom50は、測定光量から発光量を算出し、ストロボ通信回路61を介してストロボ装置62に通信する。これにより、撮影時のストロボ装置64の本発光の光量に反映される。
次に、図4乃至図6を参照して、光源とCCDユニット(撮像素子)及び測光センサ32、スポット測光センサ(AFセンサ)の分光特性について説明する。
図4は、光源による分光特性を示した図、図5は撮像素子と測光素子の分光感度の相違を示した特性図、図6は撮像素子の分光感度の特性図である。
図4に於いて、図中aは太陽光の分光特性曲線であり、同bは蛍光灯の分光特性曲線、同cはブルーフラッドランプの分光特性曲線、同dはタングステンの分光特性曲線を、それぞれ示している。
図5に於いては、図中eは撮像素子の緑色(G)成分の感度の特性曲線であり、同fは測光センサの感度の特性曲線であり、同gはAFセンサ(スポット)の感度の特性曲線である。
図6に於いては、図中hは撮像素子の赤色(R)成分の感度の特性曲線であり、同iは撮像素子の青色(B)成分の感度の特性曲線であり、同jは撮像素子の緑色(G)成分の感度の特性曲線である。
例えば、可視域の特性が類似で色温度が近い太陽光とブルーフラッドランプは、近赤外域で特性が大きく異なっているのが解る(図4参照)。
また、図5に示されるように、測光センサは視感度に近い特性であるのに対し、AFセンサは赤外感度が高く、撮像素子は赤及び赤外、青及び紫外感度が低い。図6に示されるように、撮像素子はRGBを合わせると視感度に近い特性になる。しかしながら、実際には緑色成分を基準にして、赤色及び青色の成分のバランスを変えている。したがって、撮像素子で撮像されるのは緑色成分が基準になるため、図5に示されるように、露出の基準となる分光感度は、赤〜赤外、青〜紫外の感度が低いグリーン感度となる。
このように、撮像素子の分光感度は視感度に近いが、露出を決めるような感度は緑色成分の感度になる。すると、緑色成分の感度で適正露出レベルが決定されるので、測光センサやAFセンサ等に対して赤外に近い側で特性が異ってしまう。すなわち、赤外に近い側が光源によって強度が異なる(図4参照)。光源の場合は、特にその影響を受けて露出がずれやすい。例えば、タングステンやブルーフラッドランプのように赤外側で強度の大きい光源の場合は、測光素子で決定される露出値では露出不足になる。逆に、蛍光灯等の赤外側で強度の小さい光源の場合は、同様の露出決定では露出オーバになる。
このように、光源の種類や撮像素子、測光素子の別により、それぞれ有している分光特性が異なることにより、各測光センサ(測光センサ32、AFセンサユニット36)で決定された露出と撮像素子の適正露出が異なることがわかる。
図7は、上述した光源による赤外測光と可視測光の差(ΔBV)を、タングステンランプを基準として規格化して表した図であり、本実施形態に於ける光源判定の方法を示した図である。る。
図7に於いては、基準光源がタングステンランプとされているので、輝度差ΔBVは、タングステンランプで0.0、太陽光で−1.1、白色蛍光灯で−7.1、3波昼白蛍光灯で−7.5、昼白蛍光灯で−6.2、3波昼光蛍光灯で−7.5、そしてブルーフラッドランプで+1.3である。ここで、“タングステンランプで規格化”とは、各光源光をカメラに照射した場合の輝度差からタングステンランプをカメラに照射した場合の輝度差を引いた値である。
ここで、例えば、輝度差−3及び+0.5の位置に閾値を設けた場合、上記輝度差ΔBVの値が−3を越えると蛍光灯であると判定し、+0.5を越えるとブルーフラッドランプと判定することができる。
図8は光源センサ55の配置について示した図であり、図9はこの光源センサ55の構成を示した平面図である。
光源センサ55は、カメラ本体11のカメラ外装65より内側で、拡散板14の後方に配置されている。そして、この光源センサ55は、クリアモールド66上に、赤外センサ68及び可視赤外センサ(SPD)69と、これらのセンサを制御する制御IC72が搭載された構成となっている。更に、可視赤外光センサ68の前面部、すなわち拡散板14と対向する側には、赤外カットフィルタ70が配置されている。この赤外カットフィルタ70により、赤外光がカットされるので、可視赤外光センサ69は可視光に近い分光感度を有した可視光センサとなる。
本実施形態では、可視測光を行うために、赤外可視域に分光感度を有するセンサと赤外カットフィルタとを組み合わせている。このような構成の場合、赤外カットフィルタの位置により、微少ではあるが赤外カットされずにセンサに入射する光が発生する。そして、カメラの組み立て誤差等により、この量が異なるため、各光源の光をカメラに照射した場合の可視光と赤外光の輝度差の絶対量は相違する。
しかし、基準の光源(本実施形態ではタングステン光)を基に輝度差を規格化した値は、カメラ個体差によらず一定となる。よって、図7に示される原理に基づいて、安定して光源を判定することができる。本実施の形態では、赤外センサはほぼ650nmから120nm程度の近赤外を検出する構成となっている。
次に、図10乃至図12のフローチャートを参照して、この発明の第1の実施形態に従ったデジタルカメラの動作について説明する。
図10は、露出演算の動作を説明するフローチャートである。
この露出演算のシーケンスに入ると、先ず、ステップS1にて測光モードが読み出される。ここで、測光モードは、上述したように、平均測光モード、評価測光モード、スポット(SPOT)測光モードの3つの測光モードを有しているので、撮影者により何れか選択された測光モードが読み出される。
次いで、ステップS2にて、上記ステップS1にて読出された測光モードに従ってサブルーチン「測光」が実行される。このサブルーチン「測光」の詳細については後述する。ステップS3では、設定感度が読み出される。
そして、ステップS4にて露出量が算出され、更にステップS5にて露出モードが読み出される。そして、ステップS6にて、上記ステップS5で読出された露出モードに従って、制御絞り値、シャッタ秒時が算出される。
次に、図11のフローチャートを参照して、図10のフローチャートに於けるステップS2のサブルーチン「測光」の詳細な動作について説明する。
このサブルーチン「測光」に入ると、先ずステップS11にてサブルーチン「光源検出」が実行される。このサブルーチン「光源検出」の詳細な動作については後述する。
次に、ステップS12に於いて、測光モードがスポット測光モードであるか否かが判定される。ここで、スポット測光モードである場合は後述するステップS24へ移行し、それ以外の測光モードである場合はステップS13へ移行する。
ステップS13では、測光センサ32を用いたファインダ測光が行われてセンサデータが読み出される。そして、ステップS14では、ファインダ測光センサデータより被写体の輝度値(BV値)が算出される。尚、ここで算出されたBV値は、Bμcom50内に格納される。
以下、補正値の算出が行われるが、先ずステップS15にて、補正量が太陽光の値に設定される。次いで、上記ステップS11のサブルーチン「光源検出」により得られた結果から、光源の種類が判定される。
すなわち、ステップS16では、検出された光源が蛍光灯であるか否かが判定される。ここで、光源が蛍光灯である場合はステップS19へ移行し、そうでない場合はステップS17へ移行して、光源がタングステン光であるか否かが判定される。ここで、光源がタングステン光である場合はステップS20へ移行し、そうでない場合はステップS18へ移行する。
そして、ステップS18では、光源がブルーフラッドランプであるか否かが判定される。ここで、光源がブルーフラッドランプである場合はステップS21へ移行し、そうでない場合はステップS22へ移行する。
上記ステップS19では、補正値が蛍光灯用の値に設定された後、ステップS22へ移行する。同様に、ステップS20では補正値がタングステン光用の値に設定された後、ステップS22へ移行し、ステップS21では補正値がブルーフラッドランプ用の値に設定された後、ステップS22へ移行する。
ステップS22では、ファインダ測光輝度値が上記ステップS15、S19〜S21で得られた補正値により補正され、補正後の輝度値がBμcom50内に格納される。
一方、ステップS24では、スポット測光が行われてセンサデータが読み出される。そして、ステップS25では、スポット測光センサデータより被写体の輝度値(BV値)が算出される。尚、ここで算出されたBV値は、Bμcom50内に格納される。
次に、ステップS26にて、補正量が太陽光の値に設定される。次いで、上記ステップS11のサブルーチン「光源検出」により得られた結果から、光源の種類が判定される。
すなわち、ステップS27では、検出された光源が蛍光灯であるか否かが判定される。ここで、光源が蛍光灯である場合はステップS30へ移行し、そうでない場合はステップS28へ移行して、光源がタングステン光であるか否かが判定される。ここで、光源がタングステン光である場合はステップS31へ移行し、そうでない場合はステップS29へ移行する。
そして、ステップS29では、光源がブルーフラッドランプであるか否かが判定される。ここで、光源がブルーフラッドランプである場合はステップS32へ移行し、そうでない場合はステップS33へ移行する。
上記ステップS30では、補正値が蛍光灯用の値に設定された後、ステップS33へ移行する。同様に、ステップS31では補正値がタングステン光用の値に設定された後、ステップS33へ移行し、ステップS32では補正値がブルーフラッドランプ用の値に設定された後、ステップS33へ移行する。
ステップS33では、ファインダ測光輝度値が上記ステップS26、S30〜S32で得られた補正値により補正され、補正後の輝度値がBμcom50内に格納される。
こうして、ステップS22またはステップS33で輝度値が補正されると、本ルーチンを抜けて、図10のフローチャートに於けるステップS3へ移行する。図10のフローチャートのステップS5では、測光出力値を光源判定に基づいて補正した輝度値(BV)を用いて露出量を算出しているため、結果として光源判定に応じて露出量が変化することになる。
尚、上記ステップS15、S19〜S21で補正されるファインダ測光用の補正値と、上記ステップS26、S30〜S32で補正されるスポット測光用の補正値は、各光源用で且つファインダ測光、スポット測光用に、それぞれ異なる値が用いられる。
次に、図12のフローチャートを参照して、図11のフローチャートに於けるステップS11のサブルーチン「光源検出」の詳細な動作について説明する。
本ルーチンに入ると、先ず、ステップS41にて、光源センサ55の出力が読み出される。次いで、ステップS42にて上記光源センサ55の出力から、光源の輝度が算出される。更に、ステップS43にて、可視光及び赤外光の輝度値が、それぞれ算出される。
ステップS44では、可視光(BV_eye)と赤外光(BV_ir)の差が、下記式に従って算出される。
D_BV←BV_ir−BV_eye
D_BV←D_BV−DBV_REF
ここで、DBV_REFは、基準のタングステン光照射時の可視光と赤外光の輝度差であり、カメラ個体に応じて異なる値としてBμcom50内に調整値として記憶されている。
このように、タングステン光を基準にして上記算出された差が規格化される。
次に、ステップS45に於いて、上述した可視光の輝度値が使用可能な値であるか否かが判定される。これは、輝度が明るすぎる場合や暗すぎる場合は、その光源センサの光源検出精度が悪化するため、光源検出の出力があまり信用できないからである。この場合、ステップS45では、可視光の輝度値が−2より小さいか、または8より大きいかが判定される。
ここで、上記可視光の輝度値が−2より小または8より大であれば、ステップS54へ移行して光源が不明であるとされる。一方、上記輝度値が−2以上で且つ8以下であれば、ステップS46へ移行する。
ステップS46では、上記ステップS44で算出された輝度差D_BVが、蛍光灯の閾値BV_TH_keiと比較される。ここで、上記輝度差D_BVの方が蛍光灯の閾値BV_TH_keiよりも小さければステップS50へ移行し、大きければステップS47へ移行する。
ステップS47では、上記ステップS44で算出された輝度差D_BVが、蛍光灯の閾値BV_TH_keiと太陽光の閾値BV_TH_sunの間にあるか否かが判定される。ここで、輝度差D_BVが両者の閾値の範囲内にあればステップS51へ移行し、両者の閾値の範囲外であればステップS48へ移行する。
また、ステップS48では、上記ステップS44で算出された輝度差D_BVが、太陽光の閾値BV_TH_sunとタングステン光の閾値BV_TH_flの間にあるか否かが判定される。ここで、輝度差D_BVが両者の閾値の範囲内にあればステップS52へ移行し、両者の閾値の範囲外であればステップS49へ移行する。
ステップS49では、上記ステップS44で算出された輝度差D_BVと、タングステン光の閾値BV_TH_flとが比較される。ここで、上記輝度差D_BVの方がタングステン光の閾値BV_TH_flよりも大きければステップS53へ移行し、小さければステップS54へ移行する。
上述した各光源の閾値は、図13に示されるように、例えば、蛍光灯の閾値BV_TH_keiが−3、太陽光の閾値BV_TH_sunが−0.5、タングステン光の閾値BV_TH_flが+0.5と設定される。
そして、ステップS50では、光源は蛍光灯であるとみなされる。同様に、ステップS51では光源が太陽光であるとみなされ、ステップS52では光源がタングステン光であるとみなされる。更に、ステップS53では、光源がブルーフラッドランプであるとみなされる。また、ステップS54では、上述したように、光源が不明であるとされる。
こうして光源が検出されると、本ルーチンを抜けて図11のフローチャートに於けるステップS12へ移行する。
このようにして、光源に応じて適切な露光にて撮影を行うことができる。
(第2の実施形態)
次に、この発明の第2の実施形態を説明する。
上述した第1の実施形態では、光源の種類を何れか1つに選択する場合を例にしていたが、実際には蛍光灯室内の窓際での撮影等の用に、光源が複数存在するような撮影状況も少なくない。以下に述べる第2の実施形態は、光源が複数種類の混合である場合でも適正な露光量となるような構成となっている。
尚、この第2の実施形態は、上述した第1の実施の形態とは制御動作が異なるだけであり、カメラの構成及び基本的な動作等については、基本的に図1乃至図9に示されたものと同様であるので、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明は省略する。
図14は、第2の実施形態に於ける、図10のフローチャートのステップS2のサブルーチン「測光」の詳細な動作について説明するフローチャートである。
このサブルーチン「測光」に入ると、先ずステップS61にてサブルーチン「光源検出」が実行される。このサブルーチン「光源検出」の詳細な動作については後述する。
次に、ステップS62に於いて、測光モードがスポット測光モードであるか否かが判定される。ここで、スポット測光モードである場合は後述するステップS76へ移行し、それ以外の測光モードである場合はステップS63へ移行する。
ステップS63では、ファインダ測光が行われてセンサデータが読み出される。そして、ステップS64では、ファインダ測光センサデータより被写体の輝度値(BV値)が算出される。尚、ここで算出されたBV値は、Bμcom50内に格納される。
以下、補正値の算出が行われるが、先ずステップS65にて、補正量が太陽光の値に設定される。次いで、上記ステップS61のサブルーチン「光源検出」により得られた結果から、光源の種類が判定される。
すなわち、ステップS66では、検出された光源が蛍光灯であるか否かが判定される。ここで、光源が蛍光灯である場合はステップS70へ移行し、そうでない場合はステップS67へ移行して、光源がタングステン光であるか否かが判定される。ここで、光源がタングステン光である場合はステップS71へ移行し、そうでない場合はステップS68へ移行する。
そして、ステップS68では、光源がブルーフラッドランプであるか否かが判定される。ここで、光源がブルーフラッドランプである場合はステップS72へ移行し、そうでない場合はステップS69へ移行する。更に、このステップS69では、光源が太陽光であるか否かが判定される。ここで、光源が太陽光である場合はステップS73へ移行し、そうでない場合はステップS74へ移行する。
上記ステップS70では、蛍光灯用の補正量が算出された後、ステップS74へ移行する。同様に、ステップS71ではタングステン光用の補正量が算出された後ステップS74へ移行し、ステップS72ではブルーフラッドランプ用の補正量が算出された後、ステップS74へ移行する。更に、ステップS73では太陽光用の補正量が算出された後、ステップS74へ移行する。
ステップS74では、ファインダ測光輝度値が上記ステップS65、S70〜S73で得られた補正値により補正され、補正後の輝度値がBμcom50内に格納される。次いで、ステップS75にて、補正値に基づいて露出が行われる。
一方、ステップS76では、スポット測光が行われてセンサデータが読み出される。そして、ステップS77では、スポット測光センサデータより被写体の輝度値(BV値)が算出される。尚、ここで算出されたBV値は、Bμcom50内に格納される。
次に、ステップS78にて、補正量が太陽光の値に設定される。次いで、上記ステップS11のサブルーチン「光源検出」により得られた結果から、光源の種類が判定される。
すなわち、ステップS79では、検出された光源が蛍光灯であるか否かが判定される。ここで、光源が蛍光灯である場合はステップS83へ移行し、そうでない場合はステップS80へ移行して、光源がタングステン光であるか否かが判定される。ここで、光源がタングステン光である場合はステップS84へ移行し、そうでない場合はステップS81へ移行する。
そして、ステップS81では、光源がブルーフラッドランプであるか否かが判定される。ここで、光源がブルーフラッドランプである場合はステップS85へ移行し、そうでない場合はステップS82へ移行する。更に、このステップS82では、光源が太陽光であるか否かが判定される。ここで、光源が太陽光である場合はステップS86へ移行し、そうでない場合はステップS87へ移行する。
上記ステップS83では、蛍光灯用の補正量が算出された後、ステップS87へ移行する。同様に、ステップS84ではタングステン光用の補正量が算出された後ステップS87へ移行し、ステップS85ではブルーフラッドランプ用の補正量が算出された後、ステップS87へ移行する。更に、ステップS86では太陽光用の補正量が算出された後、ステップS87へ移行する。
ステップS87では、スポット測光輝度値が上記ステップS78、S83〜S86で得られた補正値により補正され、補正後の輝度値がBμcom50内に格納される。次いで、ステップS88にて、補正値に基づいて露出が行われる。
こうして、ステップS75またはステップS88で露出が行われると、本ルーチンを抜けて、図10のフローチャートに於けるステップS3へ移行する。
尚、上記ステップS70〜S73で補正されるファインダ測光用の補正量算出と、上記ステップS83〜S86で補正されるスポット測光用の補正量算出には、各光源用で且つファインダ測光、スポット測光用に、それぞれ異なる値が用いられる。
ここで、本第2の実施形態の特徴である補正量の算出について、図15を参照して説明する。
本第2の実施形態では、補正量を算出する際に、図11のフローチャートに於けるステップS11のサブルーチン「光源検出」に於いて求めた光源の混合割合に相当する量(以下、ミックスレベルと記す)を基に、光源の混合割合に応じた補正を行うことが特徴である。
ある光源、例えば太陽光の場合、同じ太陽光が光源であっても、蛍光灯に近い側とタングステン光に近い側が考えられる。そのため、本実施形態では、その光源が他の何れの光源に近いかを光源のミックスレベルとして表すものとする。
図15に於いて、横軸は後述する赤外光と可視光の輝度差を基準光で規格化した値であるD_BVであり、縦軸は補正量を示している。また、0,100,200等の数値は、各光源に於けるミックスレベル量の値を示している。
例えば、太陽光の場合のミックスレベル算出式は、
ミックスレベル=((D_BV−BV_kei)
/(BV_TH_sun−BV_TH_kei))
×200
である。
このミックスレベルは、他の光源との判定閾値の1/2の輝度を100としている。そして、例えば、太陽光が主光源であってタングステン光に近いと100より大きく、蛍光灯に近いと100より小さい値となる。
つまり、太陽光の基準値であるBV_sun_REFを100とすると、タングステンと太陽光の閾値であるBV_TH_sunの場合はミックスレベルが200、太陽光と蛍光灯の閾値であるBV_TH_keiのミックスレベルは0となる。そして、これらの間は、リニアに変化する値となる。つまり、ミックスレベルが50であれば、主光源は太陽光であるが蛍光灯の光が少し混合されたことを表している。
こうして得られたミックスレベルに基づいて、各光源の補正量が求められる。
例えば、太陽光のミックスレベルが100の場合は、BV_HOS_FINDER_sunの値が補正量である。また、蛍光灯のミックスレベルが100の場合は、BV_HOS_FINDER_keiの値が補正量である。
そして、太陽光のミックスレベルが0の場合、すなわち、BV_TH_keiの場合は、(BV_HOS_FINDER_KEI + BV_HOS_FINDER_SUN)/2の値が補正量となる。更に、上述したように、太陽光のミックスレベルが50の場合は、BV_TH_keiの補正値と太陽光のミックスレベルが100の場合の補正値を直線補間した値が補正量となる。
このように、ステップS65、S70〜73、S77、S83〜S86では、光源毎の補正量を算出するにあたり、直線補間を利用して光源のミックスレベルから補正量を算出するようにしている。但し、ステップS65、S77では、それぞれの測光に於ける太陽光の基準補正値BV_sun_REFを補正値として採用している。これは、光源が不明な場合に、基準の補正量で補正するためである。
次に、図16のフローチャートを参照して、図14のフローチャートに於けるステップS61のサブルーチン「光源検出」の詳細な動作について説明する。
本ルーチンに入ると、先ず、ステップS91にて、光源センサ55の出力が読み出される。次いで、ステップS92にて上記光源センサ55の出力から、光源の輝度が算出される。更に、ステップS93にて、可視光及び赤外光の輝度値が、それぞれ算出される。
ステップS94では、可視光(BV_eye)と赤外光(BV_ir)の差が算出され、タングステン光を基準にして上記算出された差が規格化される。
次に、ステップS95に於いて、上述した可視光の輝度値が使用可能な値であるか否かが判定される。これは、輝度が明るすぎる場合や暗すぎる場合は、その光源センサの精度が悪化し、出力値があまり信用できないからである。この場合、ステップS95では、可視光の輝度値が−2より小さいか、または8より大きいかが判定される。
ここで、上記可視光の輝度値が−2より小または8より大であれば、ステップS104へ移行して光源が不明であるとされる。一方、上記ステップS95にて、上記輝度値が−2以上で且つ8以下であれば、ステップS96へ移行する。
ステップS96では、上記ステップS94で算出された輝度差D_BVが、蛍光灯の閾値BV_TH_keiと比較される。ここで、上記輝度差D_BVの方が蛍光灯の閾値BV_TH_keiよりも小さければステップS100へ移行し、大きければステップS97へ移行する。
ステップS97では、上記ステップS94で算出された輝度差D_BVが、蛍光灯の閾値BV_TH_keiと太陽光の閾値BV_TH_sunの間にあるか否かが判定される。ここで、輝度差D_BVが両者の閾値の範囲内にあればステップS101へ移行し、両者の閾値の範囲外であればステップS98へ移行する。
また、ステップS98では、上記ステップS44で算出された輝度差D_BVが、太陽光の閾値BV_TH_sunとタングステン光の閾値BV_TH_flの間にあるか否かが判定される。ここで、輝度差D_BVが両者の閾値の範囲内にあればステップS102へ移行し、両者の閾値の範囲外であればステップS99へ移行する。
ステップS99では、上記ステップS44で算出された輝度差D_BVと、タングステン光の閾値BV_TH_flとが比較される。ここで、上記輝度差D_BVの方がタングステン光の閾値BV_TH_flよりも大きければステップS103へ移行し、小さければステップS104へ移行する。
尚、各光源の閾値は、上述した例と同様である。
そして、ステップS100では、光源が蛍光灯を含む場合の光源の混合割合を示す量、すなわちミックスレベルが算出される。ミックスレベルの算出式や考え方は、上述したとおりである。同様に、ステップS101では光源が太陽光を含む場合のミックスレベルが算出され、ステップS102では光源がタングステン光を含む場合のミックスレベルが算出される。更に、ステップS103では、光源がブルーフラッドランプを含む場合のミックスレベルが算出される。
こうして光源が検出されると、本ルーチンを抜けて図14のフローチャートに於けるステップS62へ移行する。
このように、第2の実施形態によれば、光源センサ55の出力輝度差に応じて、同じ光源であっても補正量を変化させているので、例えば、光源が室内の窓際等のように、蛍光灯と太陽光の混合光のように光源判定の閾値に極めて近い場合であっても、光源の混合割合に応じた補正を可能にしている。更に、補正量が光源センサ55の出力に応じて連続的に変化する構成となっているため、連続撮影する場合でも、光源判定結果に応じて急に補正量が変化することなく安定した露出が得られる。
以上のようにして、光源に応じて適切な露光にて撮影を行うことができる。
尚、上述した第1及び第2の実施形態は、一眼レフレックスタイプのデジタルカメラに適用された例について述べたが、これに限られるものではなく、レンズ一体型のカメラであっても良い。
また、上述した実施形態では、太陽光、蛍光灯、タングステン光、ブルーフラッドランプの4種類の光源について検出するようにしているが、これら4種類だけでなく、より細かな光源を検出して精度の良い補正を行うことも可能である。
更に、上述した実施形態では、測光はTTL方式、光源検出は外部測光によるものとしたが、光源検出もTTL方式により行っても良い。その場合、被写体の影響を受けやすくなる反面、測光との視野が等しくなるので、例えば望遠レンズを用いて、撮影場所とは光源の異なる被写体を撮影する場合に有効である。
また、上述した実施形態に於いては、測光センサの出力輝度値を補正することにより、露出量を補正しているが、輝度から露出量を演算後に補正してもかまわない。
上述した実施形態では、シャッタ部にフォーカルプレーンシャッタが用いられた例で説明したが、これに限られるものではない。
10…デジタルカメラ、11…カメラ本体、12…レンズ鏡筒、12a…撮影光学系、13…レリーズ釦、14…拡散板、16…ファインダ装置、16a…クイックリターンミラー、16b…ペンタプリズム、16c…接眼レンズ、17…シャッタ部、18…撮像ユニット、21…撮影レンズ、22…絞り、25…レンズ制御用マイクロコンピュータ(Lμcom)、32…測光センサ、33測光回路、35…サブミラー、36…AFセンサユニット、40…CCDユニット(撮像素子)、41…CCDインターフェイス回路、42…画像処理コントローラ、43…液晶モニタ、49…不揮発性メモリ(EEPROM)、50…ボディ制御用マイクロコンピュータ(Bμcom)、51…ストロボ測光センサ、52…ストロボ光検出回路、53…ストロボ光制御回路、54…光源検出回路、55…光源センサ、61…ストロボ通信回路、62、63…通信コネクタ、64…ストロボ装置。