JP4426077B2 - パルス発生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パルス発生装置に係わり、特に、高繰り返し周波数でかつ高デューティ比を有したパルス列を発生するパルス発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信におけるDEMUX装置や短パルス光源、超高速測定器等の駆動用信号として必要なパルス列は、数GHz〜10GHzの繰り返し周波数でかつ例えば10ps(ピコ・セカンド)〜15ps(周波数で60GHz以上)の狭いパルス幅を有した高デューティ比を有する必要がある。
【0003】
現在の技術水準においては、電気回路で構成される発振器の安定的に発振可能な最高周波数は約40GHzである。したがって、1台のパルス発振器でもって、数GHz〜10GHzの繰り返し周波数でかつ10〜15psの狭いパルス幅を有した高デューティ比を有すパルス列を発生することができなかった。
【0004】
そこで、図10に示すパルス発生装置が提唱さている(特開2000−187190号公報)。
正弦波発生器1は、例えば、図11に示す、数GHz〜10GHzの周波数fA (周期Ta)の正弦波信号aを出力して半波整流器2へ送出する。半波整流器2は入力された正弦波信号aを半波整流して、図11に示す波形を有した半波整流信号bとして次の電圧増幅器3へ送出する。電圧増幅器3は半波整流信号bを増幅して、増幅後の半波整流信号、すなわち、図11に示すパルス列信号cを出力端子4へ出力する。
【0005】
このように構成されたパルス発生装置においては、出力端子4から出力されるパルス列信号cは繰り返し周波数fA (繰り返し周期Ta)を有するとともに、このパルス列信号cを構成する各パルス5のパルス幅Tcを繰り返し周期Taの1/2程度に低下できる。また、各パルス5のジッタ発生量を減少できる。
【0006】
また、同一文献(特開2000―187190号公報)に図12に示す他のパルス発生装置も提唱さている。
このパルス発生装置においては、正弦波発生器1は、例えば、数GHz〜10GHzの周波数fA (周期Ta)の正弦波信号aを出力して動作点移動可能な電圧増幅器3aへ入力される。この動作点移動可能な電圧増幅器3aは、図13(a)、(b)に示すように、入力された正弦波信号aを増幅するに際して、入力正弦波信号aに対する動作点(バイアス点)を外部から入力された動作点制御信号の信号値を変更することにより任意に設定可能である。図13(a)においては、動作点(バイアス点)を入力正弦波信号aの0ボルト位置に設定している。この場合、増幅された正弦波信号は、(−)側成分と(+)側部分とが対称な通常の正弦波波形となる。
【0007】
しかし、このパルス発生装置においては、図13(b)に示すように、正弦波信号bの動作点を負側方向へ移動した状態に設定されている。したがって、この電圧増幅器3aで増幅された正弦波信号は、(−)側成分の一部が切り捨てられた波形形状を有する。その結果、増幅された正弦波信号の信号波形は前述した図10に示したパルス発生装置における図11に示す増幅された半波整流波形信号bの信号波形に近似する。増幅された信号の振幅値(P−P)が一定の場合、前述したように、増幅された正弦波信号、すなわち、電圧増幅器3aから出力端子4へ出力されるパルス列信号c1の各パルス5より鋭いピーク波形を有する。
【0008】
このように、動作点移動可能な電圧増幅器3aを用いることによって、ジッタ発生量を抑制した状態で、数GHz〜10GHzの繰り返し周波数でかつ狭いパルス幅を有した高デューティ比を有すパルス列信号c1を得ることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図10、図12に示すパルス発生装置においても未だ解消すべき次のような課題があった。
【0010】
すなわち、図11、図13に示すように、このパルス発生装置から出力されるパルス列信号c、c1を構成する各パルス5のパルス幅Tcは、正弦波信号aの繰り返周期Taに応じてほぼ決定されるので、各パルス5のパルス幅Tcを任意の値に設定できなかった。
【0011】
さらに、この各パルス5のパルス幅Tcは正弦波信号aの繰り返し周期Taのほぼ1/2に制限されるので、パルス列信号c、c1における高いデューティ比を得ることができなかった。
【0012】
また、パルス列信号c、c1における各パルス5のパルス幅Tcは、増幅器3,3aの周波数特性に制限される。すなわち、正弦波発生器1から出力された正弦波信号aを増幅するためには、この正弦波信号aの周波数fAの周波数成分より高い周波数特性を有している必要がある。
【0013】
しかし、増幅器3、3aの周波数特性も、正弦波発生器1と同様に、最高周波数は約40GHzである。したがって、例えばパルス5のパルス幅が10ps〜15ps等のように過度に高いデューティ比を得ることは困難であった。また、各増幅器3、3aにおける周波数特性の特性差に起因して発生したパルス列信号c、c1にパルス発生装置相互間のバラツキが発生する。
【0014】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、1つの正弦波状の電気信号から互いに極性が異なる一対のパルス列を作成し、これらパルス列相互間の位相差を調整することにより、簡単な構成で高い繰り返し周波数でかつ高デューティ比を有するパルス列を発生できるパルス発生装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解消するために、本発明のパルス発生装置においては、正弦波状の電気信号を発生する信号発生手段と、この信号発生手段から出力された正弦波状の電気信号を構成する正極性要素及び負極性要素のうち正極性要素に対応する正の極性を有する第1のパルス列を発生する第1のパルス列発生手段と、正弦波状の電気信号を構成する正極性要素及び負極性要素のうち負極性要素に対応する負の極性を有する第2のパルス列を発生する第2のパルス列発生手段と、第1のパルス列のパルスと第2のパルス列のパルスとが時間的に一部重複するように第1のパルス列と第2のパルス列との間の位相差を設定する位相差設定手段と、この位相差が設定された第1のパルス列と第2のパルス列とを合波する合波手段と、この合波手段からの出力を半波整流して第1及び第2のパルス列が有するパルスの幅のいずれよりも狭いパルス幅を有するパルス列を発生する半波整流手段とを備えている。
【0016】
このように構成されたパルス発生装置においては、信号発生手段から出力された正弦波状の電気信号の正極性要素と負極性要素とに対応する互いに極性が異なる第1、第2のパルス列が作成される。そして、第1、第2のパルス列の各パルスが時間的に一部重複するるように両者間の位相が調整される。このように、互いに極性が異なるパルスを合波すると、繰り返し周期内において、重複する時間部分は、信号値が相殺されてほぼ「0」となるので、重複しない時間幅の狭い部分に大きいな正極性及び負極性向のパルスが現れる。
【0017】
したがって、この合波したパルス列を半波整流することによって、繰り返し周期中に含まれるパルスのパルス幅を、位相差を変更することによって、任意に調整できる。したがって、パルス幅を短く設定することによって、高いデューティ比のパルス列を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図面を用いた説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係るパルス発生装置の概略構成を示すブロック図である。
【0019】
正弦波信号発生回路11は、例えば、数GHz〜10GHzの周波数fA (周期Ta)を有する正弦波の電気信号としての正弦波信号aを発生する。この正弦波信号発生回路11から出力された図2に示す正弦波信号aは、正半波整流回路12及び負半波整流回路13へ入力する。正半波整流回路12は、図2に示すように、正弦波信号aにおける正極部分のみを半波整流して第1のパルス列としての正側整流信号eとして出力する。正半波整流回路12から出力された正側整流信号eは合波回路15の一方の入力端子へ印加される。
【0020】
一方、負半波整流回路13は、図2に示すように、正弦波信号aにおける負極部分のみを半波整流して第2のパルス列としての負側整流信号gとして出力する。負半波整流回路13から出力された負側整流信号gは遅延回路14で、外部から指定された遅延時間Thだけ遅延されて遅延整流信号hとして合波回路15の他方の入力端子へ印加される。
【0021】
合波回路15は、各入力端子から入力された正側整流信号eと負側遅延整流信号hとを信号合成して合波信号iとして次の半波整流回路16へ送出する。この合波信号iは、図2に示すように、正弦波信号aにおける周期Ta内の遅延時間Thに相当する時間が「0」レベルであり、その他の時間おいて正パルス18aと負パルス18bとを含む波形となる。
【0022】
半波整流回路16は、入力された合波信号iを半波整流して、合波信号iのうち正パルス18a部分を抽出したパルス列信号jを出力端子17へ出力する。したがって、このパルス列信号j内には、図2に示すように、繰り返し周期Ta内にパルス幅Tjを有する正パルス18aのみが残る。
【0023】
このように構成されたた第1実施形態のパルス発生装置においては、図1に示すように、正弦波信号発生回路11から出力された正弦波信号aから、半波整流回路12,13,16と遅延回路14と合波回路15との複数の受動回路の組合せで、高い繰り返し周波数fAでかつ高デューティ比を有するパルス列信号jが得られる。すなわち、この実施形態のパルス発生装置においては、電圧増幅器のように、高い周波数特性を得ることが困難な回路を使用していない。
【0024】
また、この実施形態のパルス発生装置においては、遅延回路14に設定する遅延時間Thを、繰り返し周期Ta内で、増加させていくことによって、合波回路15から出力される合波信号iの波形を、図2に示す、正弦波状の正パルス18a、負パルス18bを有する波形から、図3(a)、(b)に示すように、急峻な波形に変化させることが可能である。
【0025】
したがって、遅延回路14に設定する遅延時間Thを変化させることによって、出力されるパルス列信号jに含まれる正パルス18aのパルス幅Tjを任意に設定可能である。よって、出力されるパルス列信号jのデューティ比を低い値から高い値まで連続的に変更できる。実施形態装置においては、ジッタ発生量を抑制した状態で、数GHz〜10GHzの繰り返し周波数fAでかつ十分に狭いパルス幅Tjを有した高デューティ比を有すパルス列信号jを得ることができた。
【0026】
(第2実施形態)
図4は本発明の第2実施形態に係わるパルス発生装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示す第1実施形態のパルス発生装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0027】
この第2実施形態のパルス発生装置においては、図1に示す第1実施形態のパルス発生装置における、負半波整流回路13と遅延回路14の設置位置を逆にしている。すなわち、正弦波信号発生回路11から出力された図2に示す正弦波信号aは、正半波整流回路12及び遅延回路14へ入力される。遅延回路14へ入力された正弦波信号aは、この遅延回路14で指定された遅延時間Thだけ遅延されたのち負半波整流回路13へ入力する。
【0028】
負半波整流回路13は、遅延時間Thだけ遅延された正弦波信号a1における負極部分のみを半波整流して延整流信号h(遅延された後の第2のパルス列)として出力する。したがって、遅延回路14は、結果的に、正半波整流回路12から出力される第1のパルス列(正側整流信号)と第2のパルス列との位相差を設定する機能を有する。
【0029】
このように構成された第2実施形態のパルス発生装置においては、合波回路15へ入力される遅延整流信号hは、第1実施形態のパルス発生装置の遅延整流信号hと同じであるので、上述した第1実施形態のパルス発生装置とほぼ同一の作用効果を奏することが可能である。
【0030】
さらに、この第2実施形態のパルス発生装置においては、遅延回路14が負半波整流回路13の前段に位置し、半波整流前の正弦波信号aが入力する。正弦波信号aは半波整流信号に比較して周波数成分が低いので、遅延回路14に要求される周波数特性を低下させることができる。
【0031】
(第3実施形態)
図5は本発明の第3実施形態に係わるパルス発生装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示す第1実施形態のパルス発生装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0032】
この第3実施形態のパルス発生装置においては、正半波整流回路12の代わりに正矩形波発生回路19が設けられ、負半波整流回路13の代わりに負矩形波発生回路20が設けられている。正弦波信号発生回路11から出力された図6に示す周波数fA(周期Ta)を有する正弦波信号aは正矩形波発生回路19及び負矩形波発生回路20へ入力される。
【0033】
正矩形波発生回路19は、図6に示すように、正弦波信号aにおける正極部分のみが正の一定値を有する第1のパルス列としての正側矩形波信号kを出力する。正矩形波発生回路19から出力された正側矩形波信号kは合波回路15の一方の入力端子へ印加される。
【0034】
一方、負矩形波発生回路20は、図2に示すように、正弦波信号aにおける負極部分のみが負の一定値を有する第2のパルス列としての負側矩形波信号mを出力する。負矩形波発生回路20から出力された負側矩形波信号mは遅延回路14で、外部から指定された遅延時間Thだけ遅延されて遅延矩形波信号nとして合波回路15の他方の入力端子へ印加される。
【0035】
合波回路15は、各入力端子から入力された正側矩形波信号kと負側の遅延矩形波信号nとを信号合成して合波信号pとして次の半波整流回路16へ送出する。この合波信号pは、図6に示すように、正弦波信号aにおける周期Ta内の遅延時間Thに相当する時間が「0」レベルであり、その他の時間おいて正パルス21aと負パルス21bとを含む波形となる。
【0036】
半波整流回路16は、入力された合波信号pを半波整流して、合波信号pのうち正パルス21a部分を抽出したパルス列信号qを出力端子17へ出力する。したがって、このパルス列信号q内には、図6に示すように、繰り返し周期Ta内にパルス幅Tjを有する正パルス21aのみが残る。
【0037】
このように構成された第3実施形態のパルス発生装置においては、正弦波信号aから正極側の矩形波のみを有する正側矩形波信号kと負極側の矩形波のみを有する負側矩形波信号mとが生成され、両者の位相差が遅延回路14で調整され、合波信号pの正パルス21aのパルス幅Tjを任意の値に設定可能である。したがって、出力端子17から出力されるパルス列信号qにおけるデューティ比を高く設定できる。
【0038】
さらに、パルス列信号qにおける正パルス21aの波形は矩形波であるので、正弦波信号発生回路11から出力される正弦波信号aの周波数fAの値が変更になったとしても、パルス列信号qにおける正パルス21aのパルス幅Tjは変化しない。このことを逆に考えると、出力されるパルス列信号qの繰り返し周期fAとパルス幅Tjとを独立に制御できる。
【0039】
なお、矩形波発生回路19、20は、簡単なアンドゲートの組合せで構成可能であるが、SRD(セルフ・リカバリー・ダイオード)を組合せても作成できる。
【0040】
(第4実施形態)
図7は本発明の第4実施形態に係わるパルス発生装置の概略構成を示すブロック図である。図5に示す第3実施形態のパルス発生装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0041】
この第4実施形態のパルス発生装置においては、図5に示す第3実施形態のパルス発生装置における、負矩形波発生回路20と遅延回路14の設置位置を逆にしている。すなわち、正弦波信号発生回路11から出力された図6に示す正弦波信号aは、正矩形波発生回路19及び遅延回路14へ入力される。遅延回路14へ入力されされた正弦波信号aは、この遅延回路14で指定された遅延時間Thだけ遅延されたのち負矩形波発生回路20へ入力する。負矩形波発生回路20は、遅延時間Thだけ遅延された正弦波信号a1における負極部分のみを負の一定値を有する遅延矩形波信号n(遅延された後の第2のパルス列)として出力する。したがって、遅延回路14は、結果的に、正矩形波発生回路19から出力される第1のパルス列(正側整流信号)と第2のパルス列との位相差を設定する機能を有する。
【0042】
このように構成された第4実施形形態のパルス発生装置においては、合波回路15へ入力される遅延矩形波信号nは、第3実施形形態のパルス発生装置の遅延矩形波信号nと同じであるので、上述した第3実施形形態のパルス発生装置とほぼ同一の作用効果を奏することが可能である。
【0043】
(第5実施形態)
図8は本発明の第5実施形態に係わるパルス発生装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示す第1実施形態のパルス発生装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0044】
この第5実施形態のパルス発生装置においては、正弦波信号発生回路11から出力された正弦波信号aは半波整流回路22で半波整流されて、図2に示す正側整流信号(第1のパルス列)eとして合波回路15へ入力される。さらに、半波整流回路22から出力された正側整流信号eは、遅延回路14で、正弦波信号aの周期Taの1/2と外部から指定された遅延時間Thを加えた遅延時間(Ta/2+Th)だけ遅延され、極性反転回路23で極性反転されて、遅延整流信号h(遅延された第2のパルス列)として、合波回路15へ入力される。
【0045】
合波回路15は、半波整流回路22から出力された正側整流信号eと遅延整流信号hとを波形合成して合波信号iとして半波整流回路16へ送信する。半波整流回路16は合波信号iを半波整流してパルス列信号jとして出力端子17へ出力する。
【0046】
このように構成された第5実施形態のパルス発生装置においては、半波整流回路22で第1のパルス発生手段を構成し、半波整流回路22と遅延貌路14と極性反転回路23とで第2のパルス発生手段を構成する。したがって、第1、第2の実施形態のパルス発生装置とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
【0047】
(第6実施形態)
図9は本発明の第6実施形態に係わるパルス発生装置の概略構成を示すブロック図である。図5に示す第3実施形態のパルス発生装置と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明を省略する。
【0048】
この第6実施形態のパルス発生装置においては、正弦波信号発生回路11から出力された正弦波信号aは半波整流回路24で半波整流されて、図6に示す正側矩形波信号(第1のパルス列)kとして合波回路15へ入力される。さらに、半波整流回路24から出力された正側矩形波信号kは、遅延回路14で、正弦波信号aの周期Taの1/2と外部から指定された遅延時間Thを加えた遅延時間(Ta/2+Th)だけ遅延され、遅延された正側矩形波信号k1は極性反転回路23で極性反転されて、遅延矩形波信号n(遅延された第2のパルス列)として、合波回路15へ入力される。
【0049】
合波回路15は、半波整流回路24から出力された正側矩形波信号kと遅延矩形波信号nとを波形合成して合波信号pとして半波整流回路16へ送信する。半波整流回路16は合波信号pを半波整流してパルス列信号qとして出力端子17へ出力する。
【0050】
このように構成された第6実施形態のパルス発生装置においては、半波整流回路24で第1のパルス発生手段を構成し、半波整流回路24と遅延回路14と極性反転回路23とで第2のパルス発生手段を構成する。したがって、第3、第4の実施形態のパルス発生装置とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のパルス発生装置においては、1つの正弦波状の電気信号がら互いに極性が異なる一対のパルス列を作成し、これらの位相差を調整して、出力されるパルス列における1つの繰り返し周期に含まれるパルスのパルス幅を変更可能にしている。
【0052】
したがって、簡単な構成で高い繰り返し周波数でかつ高デューティ比を有するパルス列を発生できるとともに、このパルス列の繰り返し周波数とデューティ比とを個別に独立して設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係わるパルス発生装置の概略構成を示すブロック図
【図2】同第1実施形態に係わるパルス発生装置の動作を示すタイムチャート
【図3】同第1実施形態に係わるパルス発生装置における合波信号の信号波形を示す図
【図4】本発明の第2実施形態に係わるパルス発生装置の概略構成を示すブロック図
【図5】本発明の第3実施形態に係わるパルス発生装置の概略構成を示すブロック図
【図6】同第3実施形態に係わるパルス発生装置の動作を示すタイムチャート
【図7】本発明の第4実施形態に係わるパルス発生装置の概略構成を示すブロック図
【図8】本発明の第5実施形態に係わるパルス発生装置の概略構成を示すブロック図
【図9】本発明の第6実施形態に係わるパルス発生装置の概略構成を示すブロック図
【図10】従来のパルス発生装置の概略構成を示すブロック図
【図11】同従来のパルス発生装置の動作を示すタイムチャート
【図12】別の従来のパルス発生装置の概略構成を示すブロック図
【図13】同別の従来のパルス発生装置に組込まれた動作点移動可能な電圧増幅器の動作特性を示す図
【符号の説明】
11…正弦波信号発生回路
12…正半波整流回路
13…負半波整流回路
14…遅延回路
15…合波回路
16、22、24…半波整流回路
17…出力端子
18a、21a…正パルス
18b、21b…負パルス
19…正矩形波発生回路
20…負矩形波発生回路
23…極性反転回路

Claims (1)

  1. 正弦波状の電気信号を発生する信号発生手段(11)と、
    この信号発生手段から出力された正弦波状の電気信号を構成する正極性要素及び負極性要素のうち正極性要素に対応する正の極性を有する第1のパルス列を発生する第1のパルス列発生手段(12,19,22,24)と、
    前記正弦波状の電気信号を構成する正極性要素及び負極性要素のうち負極性要素に対応する負の極性を有する第2のパルス列を発生する第2のパルス列発生手段(13,20,22,23,24)と、
    前記第1のパルス列のパルスと第2のパルス列のパルスとが時間的に一部重複するように前記第1のパルス列と第2のパルス列との間の位相差を設定する位相差設定手段(14)と、
    この位相差が設定された前記第1のパルス列と第2のパルス列とを合波する合波手段(15)と、
    この合波手段からの出力を半波整流して前記第1及び第2のパルス列が有するパルスの幅のいずれよりも狭いパルス幅を有するパルス列を発生する半波整流手段(16)と
    を備えたパルス発生装置。
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