JP4424249B2 - Ask受信回路 - Google Patents

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Description

本発明は、ASK(Amplitude Shift Keying)方式で変調された信号を受信するために用いる受信回路に関する。
例えばETCシステム(Electronic Toll Collection system:自動料金収受システム)において使用される車載器は、路上機においてASK変調されて送信された被変調信号を受信するためのASK受信回路を備えている(例えば、特許文献1参照。)。
図4(a)は、このようなASK受信回路を搭載した受信機の一般的な構成及び路上機の送信部分に係る構成を示すブロックである。
図4(a)に示すように、路上機はローバスフィルタ(LPF)51と、ミキサ52と、局部発振器53と、パワーアンプ54、送信アンテナ55とを備えており、送信データは、LPF51によってフィルタリングされ、振幅変調器52と局部発振器53によってASK変調された後、パワーアンプ54によって増幅され、送信アンテナ55から送信される。
この路上機から送信された被変調信号を受信する受信機は、送信電波を捕捉する受信アンテナ5と、受信アンテナ5から供給される受信信号を低雑音増幅するLNA(Low Noise Amplifier)6と、LNA6の出力を局部発振器8が生成するローカル信号と混合して例えば40MHzの中間周波(IF)信号に変換するミキサ7と、ASK受信回路100とを備えている。
このASK受信回路100は、ミキサ7から出力されたIF信号のダイナミックレンジを拡大するための対数アンプ11と、対数アンプ11からの出力される増幅信号を両波整流して包絡線検波する検波回路12と、検波回路12から出力された検波信号を積分して基準電圧信号(長区間平均電圧)を生成する積分回路14と、検波回路12から出力された検波信号と、積分回路14から出力された基準電圧信号とを比較し、比較結果をパルス信号(2値化信号)として出力する比較回路15とを備えている。
図5は、図4(a)に示すASK受信回路100を用いた場合の、ASK被変調信号の送受信における所定部分での出力信号波形を示す説明図である。S1〜S3は路上機の構成中の出力信号波形であり、S1は送信データ、S2はLPF51からの出力、S3はパワーアンプ54からの出力にそれぞれ対応する信号波形を示している。一方、S4〜S6及びS18,S19は受信機の構成中の出力信号波形であり、S4はミキサ7から出力されるIF信号、S5は対数アンプ11から出力される増幅信号、S6は検波回路12から出力される検波信号、S18は積分回路14から出力される基準電圧信号、S19は比較回路15から出力されるパルス信号にそれぞれ対応する信号波形を示している。
対数アンプ11に入力されるIF信号は、図5のS4に示すように振幅変化部分の包絡線がほぼ正弦波状の形をしている。対数アンプ11は入力されたIF信号のレベルに対して対数的な重み付けをするので、検波回路12によって検波された信号(検波信号)は、図5のS6に示すように、S4に示すIF信号の包絡線波形における正の半サイクルは圧縮されたような波形となり、負の半サイクルは伸張されたような波形となり、上下非対称の歪んだ波形となる。
ところで、図4(b)は実際の対数アンプのリニアから対数への変換カーブであるが、図2及び図5に示すIF信号の包絡線波形S4と検波信号S6の関係は、点線で示すカーブ(理想的な対数アンプに対応する特性)で考えた場合である。実際の対数アンプは実線に示すような複雑なものとなるが、ETCシステムの受信電力範囲(使用域)においては、点線で示すカーブのように近似できる。よって、説明の簡略化のために、対数アンプの特性は点線で示すカーブのようなものであるとして以下の説明を進める。
比較回路15の一方の入力端には検波回路12から出力された検波信号S6が入力し、他方の入力端には積分回路14から出力された基準電圧信号S18が入力する。検波信号S6が積分回路14に入力されることによって、積分回路14の出力に長区間平均電圧が出力され基準電圧信号S18とされるために、二つの入力端に入力された信号の間にレベル差が生じ、比較回路15からは図5のS19に示すようなパルス信号が、受信データとして(図示しない)データ処理回路へ送られる。
しかし、上述のように検波信号S6が上下非対称に歪んでいるので、デューティ比が50%からずれ、例えば60〜70%程度となる。図5からも明らかなように、送信データS1と受信データS19のデューティ比が大きく異なり、受信データのビット変化のタイミングに基づいてビット判定を行うデータ処理回路においてビット誤りを生じやすくなる。
この原因は、対数アンプ11において対数的な重み付けをすることによって出力信号の波形が上下非対称になるためである。リニアアンプとAGCを組み合わせたAM受信機と同様の構成をとる、ASK受信回路であれば、このような問題は発生しないが、対数アンプ11を用いれば、コストと消費電力の点でメリットがあるため、対数アンプ11を用いながら、比較回路15から出力されるパルス信号のデューティ比が2値化判定に悪影響を及ぼさないように改善することが希求される。
このような改善を実現するための工夫としては、例えば、特許文献2に示すASK受信回路が存在する。この特許文献2に開示されているASK受信回路は、比較回路からの出力信号のデューティ比に比例した電圧に基づいて基準電圧信号を生成する基準電圧制御回路を有している。具体的には、この基準電圧制御回路に比較回路からの出力信号のデューティ比に比例した電圧が帰還入力しており、その帰還入力するデューティ比に比例した電圧信号が所定の参照電圧より高い期間は基準電圧を一定の変化率で上昇させる。一方、帰還入力するデューティ比に比例した電圧信号が所定の参照電圧より低い期間は基準電圧を一定の変化率で下降させる。
特開2004−72514号公報(図1) 特開2001−211214号公報(図1)
しかしながら、特許文献2に示すASK受信回路の場合には、基準電圧信号を生成するのに比較回路からの出力のデューティ比に比例した電圧信号を帰還入力するというクローズドループ方式を採用しているため、収束までに相対的に長い時間を要してしまう。例えば特許文献2の図5及び段落「0026」には、基準電圧が安定するまでに50μs程度要する旨が開示されている。
一方、ETCシステムにおける路上機からの電波は間欠送信であり、約15μs(プリアンブル時間)で収束させる必要がある。つまり、プリアンブル時間(約15μs)経過後に実データが送信されるため、収束時間がプリアンブル時間よりも長くなると、実データを適切に受信・復号できなくなる。したがって基準電圧が安定するまでに50μs程度要していると間に合わない。もちろん、収束時間を早める工夫はあるが、クローズドループ方式を採用しているため、原理的に収束時間が遅くなる点は否めない。
また、クローズドループ方式の場合は、やはり原理的に不安定になるおそれがあるため、不安定になるおそれが原理的に生じない他方式が採用できるのであれば、それに越したことはない。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、対数アンプを用いたASK受信回路でありながら、比較回路15から出力されるパルス信号のデューティ比を改善でき、さらに、基準電圧信号の収束を高速化できるASK受信回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための発明である請求項1記載のASK受信回路(10:なお、この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための最良の形態」欄において説明した構成要素を括弧内に示すが、この記載によって特許請求の範囲を限定することを意味するものではない。)は、ASK変調された被変調信号を受信するために用いる受信回路であり、対数アンプ(11)と、検波回路(12)と、クリップ回路(13)と、基準電圧信号生成手段(14)と、比較回路(15)とを備えている。
被変調信号(S4)は、対数アンプ(11)によって対数的な重み付けをして増幅される。そして、その増幅信号(S5)は、検波回路(12)によって包絡線検波される。クリップ回路(13)は、検波回路(12)から出力される検波信号(S6)に対して、所定のクリップレベル以下の部分をクリップする(ある一定のレベルで切り捨てる)。このクリップ回路(13)から出力されるクリップ信号(S7)は、基準電圧信号生成手段(14)と比較回路(15)へ入力する。基準電圧信号生成手段(14)は、クリップ信号に基づいて基準電圧信号(S8)を生成し、比較回路(15)へ出力する。比較回路(15)は、クリップ回路(14)から出力されたクリップ信号(S7)または検波回路(12)から出力された検波信号(S6)と、基準電圧信号生成手段(14)によって生成された基準電圧信号(S8)とを比較し、比較結果をパルス信号(S9)として出力する。
そして、クリップ回路(S13)がクリップ動作するためのクリップレベルは、比較回路(15)から出力されるパルス信号(S9)のデューティ比が所定値になるよう予め調整されている。実験等によって最適なクリップレベルを求めておき、そのようなクリップレベルになるように予め調整しておけばよい。
したがって、本発明のASK受信回路(10)であれば、対数アンプ(11)を用いることでコストと消費電力の点でのメリットを享受しながら、比較回路(15)から出力されるパルス信号のデューティ比を改善できる。そして、基準電圧信号を生成する際、特許文献2に示すASK受信回路のような、比較回路からの帰還入力を用いるクローズドループ方式を採用していないため、基準電圧信号の収束を相対的に早くすることができる。そのため、例えばETCシステムなどのように、被変調信号を送信する側からの電波が間欠送信であり、且つプリアンブル時間が短い等の理由で、基準電圧信号を早期に収束させる必要があるシステムにおいては、特に有益である。
また、クローズドループ方式の場合は原理的に不安定になるおそれがあるが、本発明であればそのようなクローズドループ方式を採用していないため不安定になるおそれが原理的に生じず、信頼性の面で有利である。
ところで、基準電圧信号生成手段(14)は、クリップ信号に基づいて基準電圧信号(S8)を生成するのであるが、この基準電圧信号は、種々の生成方法が考えられる。その中でも、請求項2に示すように、クリップ信号を積分することで生成すれば、非常に簡単な回路構成で実現できる。積分以外の実現手法としては、例えばクリップ信号の上側ピーク電圧と下側ピーク電圧を加算し、それを2で除するという手法も考えられる。
また、クリップ回路(13)がクリップ動作するためのクリップレベルは、比較回路(15)から出力されるパルス信号のデューティ比が50%になるよう予め調整されたレベルとしておけば最適である。但し、パルス信号に基づくビット誤りが生じない程度のデューティ比であれば問題ないため、必ずしも50%にしなくては実現できないわけでなく、合目的的な(つまり、パルス信号に基づくビット誤りが生じないという目的に合致する程度の)デューティ比であればよい。
なお、本発明のASK受信回路は、例えばETC車載器に適用することが考えられる。その場合には、路上機からの電波が間欠送信であり且つプリアンブル時間が短いため、より実効性が高いと考えられる。但し、ETCシステムへの適用に限らず、他のシステムにおける受信機に適用できることは当然である。
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[ASK受信回路10の構成説明]
図1(a)は本実施形態のASK受信回路10を含む受信機の構成を示すブロック図である。
このASK受信回路10を搭載した受信機は、例えばETC車載器に適用され、ETCシステムにおける路上機から送信された被変調信号を受信する。路上機の構成・作動については図4(a)を参照して既に説明したので、ここでは省略する。
本実施形態の受信機は、路上機からの送信電波を捕捉する受信アンテナ5と、受信アンテナ5から供給される受信信号を低雑音増幅するLNA(Low Noise Amplifier)6と、LNA6の出力を局部発振器8が生成するローカル信号と混合して例えば40MHzの中間周波(IF)信号に変換するミキサ7と、ASK受信回路10とを備えている。
このASK受信回路10は、ミキサ7から出力されたIF信号のダイナミックレンジを拡大するための対数アンプ11と、対数アンプ11から出力される増幅信号を両波整流して包絡線検波する検波回路12と、検波回路12から出力された検波信号に対して、所定のクリップレベル以下の部分をクリップするクリップ回路13と、クリップ回路13から出力されるクリップ信号を積分して基準電圧信号を生成する積分回路14と、クリップ回路13から出力されるクリップ信号と、積分回路14から出力された基準電圧信号とを比較し、比較結果をパルス信号(2値化信号)として出力する比較回路15とを備えている。つまり、図4(a)に示す従来のASK受信回路100に対し、検波回路12の後段にクリップ回路13を挿入したものとなっており、本実施形態のASK受信回路10においては、積分回路14及び比較回路15への入力信号が、図4(a)に示す従来のASK受信回路100のような検波信号ではなく、クリップ回路13から出力されるクリップ信号となっている。
図1(b)は入力信号に対して所定のクリップレベル以下の部分をクリップする本実施形態のクリップ回路13の回路図、同図(c)はクリップ回路13の特性を示す説明図、同図(d)はクリップ回路13への入力と出力の関係を示す模式図である。
図1(b)に示すバイアス電圧を調整することで入力信号波形の任意のクリップレベル以下の部分をクリップすることができる。図1(d)に示す出力信号波形を見れば分かるように、バイアス電圧が低くなるにつれて、入力信号波形の下部がクリップされる度合いが大きくなる。そして、このクリップレベルは以下のように設定される。つまり、実験等により、比較回路15から出力されるパルス信号S9のデューティ比が所定値(例えば50%)になるようなバイアス電圧を予め求めておく。そして、そのバイアス電圧に調整したクリップ回路13をASK受信回路10に用いるのである。
[ASK受信回路10の作動説明]
図2は、実施形態のASK受信回路10を用いた場合の、ASK被変調信号の送受信における所定部分での出力信号波形を示す説明図である。
S1〜S3は図4(a)に示す路上機の構成中の出力信号波形であり、S1は送信データ、S2はLPF51からの出力、S3はパワーアンプ54からの出力にそれぞれ対応する信号波形を示している。一方、S4〜S9は受信機の構成中の出力信号波形であり、S4はミキサ7から出力されるIF信号、S5は対数アンプ11から出力される増幅信号、S6は検波回路12から出力される検波信号、S7がクリップ回路13から出力されるクリップ信号、S8は積分回路14から出力される基準電圧信号、S9は比較回路15から出力されるパルス信号にそれぞれ対応する信号波形を示している。
対数アンプ11に入力されるIF信号は、図5のS4に示すように振幅変化部分の包絡線がほぼ正弦波状の形をしている。対数アンプ11は入力されたIF信号のレベルに対して対数的な重み付けをするので、検波回路12によって検波された信号(検波信号)は、図5のS6に示すように、S4に示すIF信号の包絡線波形における正の半サイクルは圧縮されたような波形となり、負の半サイクルは伸張されたような波形となり、上下非対称の歪んだ波形となる。
この検波回路12から出力される検波信号S6に対して、クリップ回路13は、所定のクリップレベル以下の部分をクリップする。そのため、検波信号S6のクリップレベル以下の部分が切り捨てられたような波形のクリップ信号S7がクリップ回路13から比較回路15へ出力される。
一方、積分回路14は、クリップ回路13から出力されるクリップ信号S7を積分して基準電圧信号S8を生成し、やはり比較回路15へ出力する。
比較回路15の一方の入力端にはクリップ回路13から出力されたクリップ信号S7が入力し、他方の入力端には積分回路14から出力された基準電圧信号S8が入力する。クリップ信号S8が積分回路14に入力されることによって、積分回路14の出力に長区間平均電圧が出力され基準電圧信号とされるために、二つの入力端に入力された信号の間にレベル差が生じ、比較回路15からは図2のS9に示すようなパルス信号が、受信データとして(図示しない)データ処理回路へ送られる。
検波信号S6は上下非対称の歪んだ波形となっているので、図4(a)に示す従来のASK受信回路100のように、その検波信号S6を用いて基準電圧信号S18を生成すると、比較回路15から出力されるパルス信号S19は、図5に示すように、デューティ比が50%からずれ、例えば60〜70%程度となる。そのため、従来のASK受信回路100を用いると、図5に示す送信データS1とパルス信号(すなわち受信データ)S19のデューティ比が大きく異なり、その受信データのビット変化のタイミングに基づいてビット判定を行うデータ処理回路においてビット誤りを生じやすくなる。
それに対して本実施形態のASK受信回路10においては、クリップ回路13から出力されるクリップ信号S7を用いて基準電圧信号S8を生成し、比較回路15でその基準電圧信号S8とクリップ信号S7との比較を行ってパルス信号S9を出力するようにしている。上述したように、クリップ回路13では、この比較回路15から出力されるパルス信号S9のデューティ比が所定値(例えば50%)になるようなクリップレベルにて、検波信号S6をクリップするように設定されている。したがって、当然であるが、比較回路15から出力されるパルス信号S9のデューティ比は所定値(例えば50%)になる。
[効果説明]
(1)以上説明したように、本実施形態のASK受信回路10であれば、対数アンプ11を用いることで(AM受信機のようなリニアアンプとAGCを組み合わせて使う場合に比べて)コストと消費電力の点でのメリットを享受しながら、比較回路15から出力されるパルス信号のデューティ比を改善できる。そして、基準電圧信号S8を生成する際、背景技術の欄で示した特許文献2に開示されたASK受信回路のような、比較回路からの帰還入力を用いるクローズドループ方式を採用していないため、基準電圧信号の収束を相対的に早くすることができる。そのため、例えばETCシステムなどのように、被変調信号を送信する側からの電波が間欠送信であり、且つプリアンブル時間が短い等の理由で、基準電圧信号を早期に収束させる必要があるシステムにおいては、特に有益である。
(2)また、クローズドループ方式の場合は原理的に不安定になるおそれがあるが、本実施形態のASK受信回路10であれば、そのようなクローズドループ方式を採用していないため不安定になるおそれが原理的に生じず、信頼性の面で有利である。
(3)また、従来の手法は、対数アンプを用いることで検波信号が上下非対称の歪んだ波形となっていることに着目してはいるが、その波形自体を適切なものに加工してから比較回路でのパルス信号の生成に利用するという思想はない。それに対して本実施形態のASK受信回路10においては、図2に示す検波信号S6自体をそのまま利用するのではなく、クリップ回路13において「比較回路15から出力されるパルス信号S9のデューティ比が所定値(例えば50%)になるような」クリップレベルにて検波信号S6をクリップし、そのクリップ信号S7を利用するようにした。このような従来手法にない独自の発想に基づいているため、次のような点でもメリットがある。
それは、変調指数の悪い送信波であっても、ビット誤りを生じにくいというメリットである。ここで「変調指数が悪い」とは、例えば送信波の周波数成分500kHz成分と1MHz成分の振幅差が極端に大きいような場合である。
図3(a)は正常な送信波(変調指数が良好な送信波)の場合であり、500kHz成分と1MHz成分の振幅差がない。この場合は、対数アンプ11及び検波回路12によって受信波形(検波信号S6の波形)が上下非対称になっても、例えば従来手法のように検波信号の積分によってデータ識別線(基準電圧信号)を生成しても、パルス出力のデューティ比が50%からずれる度合いが相対的に少ない。
しかし、図3(b)に示すような変調指数が悪い送信波の場合、500kHz成分と1MHz成分の振幅成分の差が大きく、対数アンプ11を経由し検波回路12から出力される波形は、例えば500kHz成分に対して1MHz成分が半分ほどになることも想定される。その場合、受信波形(検波信号S6の波形)の500kHz成分はデータ識別線の下方に大きく突出するのに対して、1MHz成分はデータ識別線の下方にほとんど突出しないような状態となる。この場合は、パルス出力のデューティ比が送信データとは異なってしまい(50%から大きくずれる)、ビット誤りを生じやすくなる。さらに振幅差が大きくなったり、ノイズが乗るなどして、1MHz成分がデータ識別線の下方に突出しない状態になると、ビット判定がまったくできなくなり、ASK受信機として機能しなくなる。このような状態になると、特許文献1のような方法も意味をなさない。
これに対して、本実施形態のASK受信回路10の場合には、図3(c)に示すように、受信波形(検波信号S6の波形)のうち、例えば(従来手法の場合の)データ識別線の下方に大きく突出する部分をクリップ回路13にてクリップすることとなる。したがって、クリップ信号S7を積分して生成した基準電圧信号S8による新データ識別線は、従来手法のデータ識別線に対して相対的に上昇する。そして、この新データ識別線によって、クリップされた後の波形(クリップ信号S7の波形)に基づくパルス出力を行えば、パルス出力のデューティ比を送信データに近づけることができるのである。また、振幅差が非常に大きくなったり、ノイズが乗るなどの劣悪な条件下においても、ビット判定がまったく出来なくなるようなことは無くなり、信頼性が向上する。
このようなメリットが得られるのは、上述したように、検波信号S6自体をそのまま利用するのではなく、クリップ回路13において「比較回路15から出力されるパルス信号S9のデューティ比が所定値(例えば50%)になるような」クリップレベルにて検波信号S6をクリップし、そのクリップ信号S7を利用して基準電圧信号S8を生成して、比較回路15での比較を実行しているからである。
[別実施形態等]
(1)上記実施形態では、積分回路14を基準電圧信号生成手段として採用したが、基準電圧信号は、積分以外の生成方法が考えられる。例えばクリップ信号の上側ピーク電圧と下側ピーク電圧を加算し、それを2で除するという手法も考えられる。但し、積分回路14の場合には、抵抗及びコンデンサをそれぞれ1つ備えればよく、非常に簡易な回路構成で実現できる。
(2)クリップ回路13がクリップ動作するためのクリップレベルは、比較回路15から出力されるパルス信号のデューティ比が50%になるよう予め調整されたレベルとしておけば最適であるが、パルス信号に基づくビット誤りが生じない程度のデューティ比であれば問題ないため、必ずしも50%にしなくては実現できないわけでない。つまり、パルス信号に基づくビット誤りが生じないという目的に合致する程度のデューティ比であれば50%でなくてもよい。
(3)上記実施形態のASK受信回路10は、ETC車載器に適用したものであった。この場合は、路上機からの電波が間欠送信であり且つプリアンブル時間が短いため、より実効性が高いと考えられるが、本発明のASK受信回路は、このようなETCシステムへの適用に限らず、他のシステムにおける受信機に適用できる。
(4)上記実施形態では、入力信号に対して所定のクリップレベル以下の部分をクリップする回路として、図1(b)にクリップ回路13を採用したが、この図1(b)に示す回路構成はあくまで一例である。
(5)図1(a)に示すASK受信回路10の構成では、クリップ回路13から出力されるクリップ信号S7と、積分回路14から出力された基準電圧信号S8とが比較回路15に入力し、比較回路15からは、それらクリップ信号S7と基準電圧信号S8とを比較した結果をパルス信号として出力するようにした。
しかし、比較回路15において、検波信号S6と基準電圧信号S8とを比較するようにしてもよい。つまり、検波回路12とクリップ回路13との間の出力線から分岐して出力する検波信号S6が比較回路15の一方の入力となるようにすると共に、クリップ回路13から出力されるクリップ信号S7は積分回路14のみに入力するように構成する。そして、その積分回路14から出力される基準電圧信号S8が比較回路15の他方の入力となるようにする。このような構成でも、比較回路14から出力されるパルス信号S9は同じものとなり、図1(a)に示すASK受信回路10の構成の場合と同じ効果が得られる。
また、図1(a)に示す比較回路15では、クリップ回路13からのクリップ信号S7がプラス(+)入力、積分回路14からの基準電圧信号S8がマイナス(−)入力として示したが、これらプラス(+)入力とマイナス(−)入力とが入れ替わっても、ビットの極性が反転するだけで、当然、同じ効果が得られる。
(a)は実施形態のASK受信回路10を含む受信機の構成を示すブロック図、(b)はクリップ回路13の回路図、(c)はクリップ回路13の入出力特性を示す説明図、(d)はクリップ回路13への入力と出力の関係を示す模式図である。 実施形態のASK受信回路10を用いた場合の、ASK被変調信号の送受信における所定部分での出力信号波形を示す説明図である。 変調指数が悪い送信波の場合においても実施形態のASK受信回路10が有利であることの説明図である。 従来のASK受信回路100を搭載した受信機の一般的な構成及び路上機の送信部分に係る構成を示すブロックである。 従来のASK受信回路100を用いた場合の、ASK被変調信号の送受信における所定部分での出力信号波形を示す説明図である。
符号の説明
5…受信アンテナ、6…LNA、7…ミキサ、8…局部発振器、10,100…ASK受信回路、11…対数アンプ、12…検波回路、13…クリップ回路、14…積分回路、15…比較回路、52…ミキサ、53…局部発振器、54…パワーアンプ、55…送信アンテナ。

Claims (3)

  1. ASK変調された被変調信号を受信するために用いるASK受信回路であって、
    前記被変調信号を対数的な重み付けをして増幅する対数アンプと、
    その対数アンプから出力される増幅信号を包絡線検波する検波回路と、
    その検波回路から出力される検波信号に対して、所定のクリップレベル以下の部分をクリップするクリップ回路と、
    そのクリップ回路から出力されたクリップ信号に基づいて基準電圧信号を生成する基準電圧信号生成手段と、
    前記クリップ回路から出力されたクリップ信号または前記検波回路から出力された検波信号と、前記基準電圧信号生成手段によって生成された基準電圧信号とを比較し、比較結果をパルス信号として出力する比較回路と
    を備え、
    前記クリップ回路がクリップ動作するための前記クリップレベルは、前記比較回路から出力されるパルス信号のデューティ比が所定値になるよう予め調整されたレベルであることを特徴とするASK受信回路。
  2. 請求項1に記載のASK受信回路において、
    前記基準電圧信号は、前記クリップ信号を積分することで生成されたものであることを特徴とするASK受信回路。
  3. 請求項1または2に記載のASK受信回路において、
    前記クリップ回路がクリップ動作するための前記クリップレベルは、前記比較回路から出力されるパルス信号のデューティ比が50%になるよう予め調整されたレベルであることを特徴とするASK受信回路。
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