JP4424124B2 - 画像形成方法 - Google Patents
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Description
かかる適切な制御手法の例として、特許文献3には、磁性重合トナーとキャリアとを用いた画像形成方法が開示されており、トナーの粒径、比重、比表面積に関し、好ましい範囲が規定されている。また、特許文献4には、平均円形度が0.94以下で、磁性体量、体積平均粒径、5μm以下のトナー粒子数が特定の範囲にある磁性2成分現像剤が開示されている。さらに、特許文献5には、円形度0.93以上の磁性トナーとキャリアとを用いた現像装置が開示されている。
<1> 内部に磁界発生手段を具備し且つトナーおよび磁性キャリアが含まれる二成分現像剤を搬送担持する現像剤担持体と、該現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤収容部と、該現像剤収容部に連通し且つトナーを収容するトナー収容部と、を有し、前記二成分現像剤中のトナー濃度が低い時に前記現像剤担持体に担持される前記二成分現像剤の量が多くなり、これが規制部材で規制されるまでの間に、前記二成分現像剤の搬送担持により減量した前記現像剤収容部のスペースに、前記トナー収容部からトナーが供給されて前記二成分現像剤のトナー濃度を自律的に制御する機構を具備した現像装置を用いた画像形成方法であって、
前記トナーが、少なくとも結着樹脂、磁性体、および離型剤を含有し、その形状係数SF−1が140以下であり、且つその算術平均高さの平均値(数平均)が0.04μm以上0.25μm以下であることを特徴とする画像形成方法である。
前記現像装置内に収容されたトナーおよび磁性キャリアが含まれる二成分現像剤により、前記形成された潜像を可視像化して、前記静電潜像担持体表面にトナー像を形成する現像工程と、
前記形成されたトナー像を、被転写体の表面に転写する転写工程と、
転写後の前記静電潜像担持体の表面をクリーニングして静電潜像担持体の表面に残存するトナーを回収するクリーニング工程と、
前記回収されたトナーを前記現像装置に搬送するトナー戻し工程を含むことを特徴とする<1>または<2>に記載の画像形成方法である。
前記現像装置内に収容されたトナーおよび磁性キャリアが含まれる二成分現像剤により、前記形成された潜像を可視像化して、前記静電潜像担持体表面にトナー像を形成する現像工程と、
前記形成されたトナー像を、被転写体の表面に転写する転写工程と、
転写後の前記静電潜像担持体の表面をクリーニングして静電潜像担持体の表面に残存するトナーを回収するクリーニング工程と、
前記回収されたトナーを前記現像装置に搬送するトナー戻し工程を含むことを特徴とする<7>〜<9>のいずれかに記載の画像形成方法である。
[現像装置]
本発明の現像装置は、まず、内部に磁界発生手段を具備し且つトナーおよび磁性キャリアが含まれる二成分現像剤を搬送担持する現像剤担持体と、該現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤収容部と、該現像剤収容部に連通し且つトナーを収容するトナー収容部と、を有し、前記現像剤担持体に担持される前記二成分現像剤の量を規制部材で規制し、該現像剤担持体表面における二成分現像剤のトナー濃度変化によって、二成分現像剤のトナーの取り込みを自律的に制御する機構(以下、「自律的トナー濃度制御機構」という場合がある。)を具備したものである(以上の現像剤を除く現像装置の基本構成を「現像装置本体」という場合がある。)。そして、当該現像装置本体に収容する二成分現像剤のうちのトナーが、本発明に特有のものであるが、この点については[トナー]の項で詳述する。
本発明の現像装置において、前記現像剤収容部と前記トナー収容部とは、内部で適宜仕切られていてもよく、その形は限定されない。
図1に示されように、本例の現像装置本体15は、内部に固定された磁界発生手段としての固定磁石1を具備し且つトナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤2を回転搬送担持する現像剤担持体3と、現像剤担持体3に隣接して二成分現像剤2を収容する第一現像剤収容部4aと、第一現像剤収容部4aを介して現像剤担持体3と連通して設けられ且つ現像剤担持体3に担持される現像剤よりも高いトナー濃度の現像剤を供給可能に収容する第二現像剤収容部4bと、第一現像剤収容部4aおよび第二現像剤収容部4bを介して現像剤担持体3と連通して設けられ且つ第二現像剤収容部4bに供給可能にトナーを収容するトナー収容部5と、現像剤担持体3に隣接し且つ第一現像剤収容部4aに対し現像剤担持体3の現像剤搬送方向(矢印A方向)下流側に設けられると共に第一現像剤収容部4aと連通する現像剤退避部7と、第一現像剤収容部4aおよび現像剤退避部7に対して現像剤担持体3の現像剤搬送方向下流側に設けられ、現像剤担持体3により担持搬送される二成分現像剤2の一部を余剰現像剤としてせき止め、トナー濃度に応じて第一現像剤収容部4aまたは現像剤退避部7に前記余剰現像剤を分離するせき止め部(現像剤分離手段)8と、を備える。現像剤退避部7へ分離された二成分現像剤2は、第二現像剤収容部4bへ流出する。
かかる現像工程の前後の工程・構成については、[画像形成装置]ないし[画像形成方法]の項において説明する。
上記のような自律的トナー濃度制御機構を備えた現像装置本体に用いられる、本発明のトナー(磁性トナー)は、トナーの微小な表面の凹凸構造と、トナー形状を適切な範囲で制御したものであり、このように制御することで、上述の如き自律的トナー濃度制御機構に適用された際のトナー濃度の安定性が極めて高い。
以下、(表面凹凸構造および形状)、(製造方法)、(配合成分)の順に説明する。
トナーの表面凹凸構造の制御と形状制御により、トナー濃度が安定する機構は明確ではないが、以下のように推定できる。
自律的トナー濃度制御機構においては、トナー濃度変化による現像剤の体積変化を利用して、供給トナー量を自律的に制御している。しかしながら、トナー表面に微細な凹凸構造を持っている場合には、トナー表面の凹部にトナーの外添剤が陥没しやすくなり、局所的に外添剤が少なく流動性の悪い箇所ができる。このようなトナーが現像剤中に多数あると、トナー消費がされても現像剤の嵩が即時に変化しにくいため、トナー濃度が低下してもトナー供給がされにくい状態が発生し、トナー濃度が不安定となりやすい。表面の微細な凹凸の少ない滑らかな状態のトナーが多数ある場合には、トナー消費に対し現像剤の嵩変化が即時に起こるため、常にトナー濃度を一定の状態にすることができるものと考えられる。
以上のような機構により、トナー濃度が常に安定して保てるものと推定される。
Raは、トナー表面の粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し平均した値であり、値が小さいと表面が滑らかな状態、値が大きいと表面が荒れた状態を表す。本発明における「トナーの算術平均高さ」もこれに準じて規定されるものである。
本発明におけるトナーの算術平均高さは、トナー1000個にわたり繰り返し測定を行い、データの統計処理を行ってトナーの算術平均高さ分布を求めて得たものである。
SF−1 = (π/4)×(ML2/A)×100 ・・・(1)
ML:トナーの投影像における径の最大長
A :トナーの投影像における投影面積
まず、スライドガラス上に、測定対象となるトナーを散布し、その光学顕微鏡像を、ビデオカメラを介して画像解析装置(例えば、ニレコ社製Image Analyzer LUZEX III等)に取り込む。そして、100個以上のトナーについて、その投影像における径の最大長(ML)および投影面積(A)を測定する。測定結果から、上記式(1)を計算してその平均値を求め、得られた値をトナーの形状係数SF−1とした。
なお、上記トナーの表面性状、形状、粒径は、後述する外添剤が添加される場合には、当該外添剤が添加される前の、トナーの母体粒子(一般的に「トナー粒子」「着色粒子」等と称されるもの。)について論じられるものである。
上記、算術平均高さの平均値(数平均)並びに形状係数SF−1の基準を満足する磁性トナーは、湿式製法で作製することが好ましい。従来、電子写真法で用いられているトナーの製法としては、トナー配合成分を溶融混練後、粉砕して所望の粒径のトナーを得る方法である混練粉砕法が一般的であるが、特に表面粗さに関して、混練粉砕法で制御するのは比較的困難である。勿論、混練粉砕法により得られたトナーに対して、熱を加える等の球形化処理を施すことで、上記、算術平均高さの平均値(数平均)並びに形状係数SF−1の基準を満足する磁性トナーを製造することができるのであれば、当該方法を採用しても差し支えない。
乳化凝集法では、イオン性界面活性剤による樹脂分散液と、反対極性のイオン性界面活性剤に分散した磁性体、着色剤、離型剤等を混合し、ヘテロ凝集を生じさせてトナー径の凝集粒子を形成し(凝集工程)、その後、前記樹脂のガラス転移点Tg以上に加熱して前記凝集粒子を融合させ一体化(合一)し(融合工程)、洗浄、乾燥してトナーが製造される。この方法は、トナー粒径の小径化を容易に可能にし、シャープな粒度分布とすることができるだけでなく、形状や、表面粗さも制御することができる。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、磁性体、および離型剤を含有する磁性トナーである。その他、必要に応じて、外添剤、内添剤、着色剤等を適宜含有させることができる。以下、各成分ごとに説明する。
本発明のトナーの製造に用いる結着樹脂には、特に制限はないが、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエン等のポリオレフィン類などの単量体からなる重合体またはそれらを2種以上組み合せて得られる共重合体、さらにはそれらの混合物を使用することができる。また、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物や、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等を使用することができる。
本発明のトナーは、磁性体を含有する磁性トナーである。トナーが磁性を有することにより、地汚れの発生を防止することができる。これは、磁気バイアスにより現像剤担持体にトナーが捉えられているため、十分に帯電したトナーのみが現像され、帯電が不十分なトナーが現像されないことにより、地汚れの発生を抑制することができるためと考えられる。
また、これらの磁性体は、個数平均粒径が0.05〜0.35μm程度のものが結着樹脂中への分散性の観点で好ましく用いられる。
本発明のトナーには、オフセット発生防止のため、離型剤が含有される。
本発明において使用可能な離型剤に特に制限は無く、トナーの離型剤として従来公知のものを問題なく使用することができる。具体例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を示すシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのごとき動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物・石油系ワックス;およびそれらの変性物を使用可能なものそして例示することができる。
本発明のトナーは、耐久性や粉体流動性などを向上させる目的で、トナーに必要に応じて種々の無機系あるいは有機系の微粒子を外添することが好ましい。
外添剤として用いることができる無機微粒子としては、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属酸化物やセラミック粒子などを挙げることができる。
これら無機微粒子は、一次粒径で5nm〜500nm程度のものが好ましく用いられる。
なお、疎水化処理に用いることができる疎水化剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等のカップリング剤、シリコーンオイルやポリマーコーティング処理などが挙げられる。これらの疎水化剤を単独または組み合わせて用いることができる。
外添剤の添加量としては、外添剤の種類や組合せ、トナーの母材粒子(トナー粒子)の各種性状・形状・配合等により変わってくるため、一概には言えないが、おおよそ、トナーの母材粒子(トナー粒子)を100(質量基準)とした場合に、0.1〜5.0程度の範囲から選択される。
本発明のトナーには、帯電制御の目的で、種々の物質を内添剤として添加しても構わない。例えば、フッ素系界面活性剤、サリチル酸系錯体、鉄錯体のような鉄系染料、クロム錯体のようなクロム系染料、マレイン酸を単量体成分として含む共重合体のごとき高分子酸、4級アンモニウム塩、ニグロシンなどのアジン系染料などを0.1〜10.0質量%の範囲で添加してもよい。
本発明のトナーには、着色力調整のために、既述の磁性体以外の着色剤を併用してもよい。使用可能な黒色の着色剤としては、黒色水酸化鉄、黒色酸化チタン、カーボンブラック等を挙げることができる。
本発明に用いられる磁性キャリア(以下、単に「キャリア」という場合がある。)としては、特に制限はなく、それ自体公知のキャリアが挙げられ、例えば、特開昭62−39879号公報、特開昭56−11461号公報等に記載された樹脂被覆キャリア等の公知のキャリア等を使用することができる。
当該キャリアの製造には、加熱型ニーダー、加熱型ヘンシェルミキサー、UMミキサーなどを使用することができ、前記被覆樹脂の量によっては、加熱型流動転動床、加熱型キルンなどを使用することができる。
本発明の画像形成装置は、少なくとも、静電潜像担持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、現像装置内に収容されたトナーおよび磁性キャリアが含まれる二成分現像剤により、前記形成された潜像を可視像化して、前記静電潜像担持体表面にトナー像を形成する現像手段と、前記形成されたトナー像を、被転写体の表面に転写する転写手段と、を有する画像形成装置であって、
前記現像手段における現像装置が、内部に磁界発生手段を具備し且つトナーおよび磁性キャリアが含まれる二成分現像剤を搬送担持する現像剤担持体と、該現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤収容部と、該現像剤収容部に連通し且つトナーを収容するトナー収容部と、を有し、前記現像剤担持体に担持される前記二成分現像剤の量を規制部材で規制し、該現像剤担持体表面における二成分現像剤のトナー濃度変化によって、二成分現像剤のトナーの取り込みを自律的に制御する機構を具備した現像装置であり、かつ、前記トナー収容部に収容される前記トナーが、既述の本発明のトナーであることを特徴とするものである。
図2に示される電子写真装置は、電子写真感光体(静電潜像担持体)109と、電子写真感光体109の表面を帯電する帯電器(帯電手段)111と、電子写真感光体109の表面に静電潜像を形成する画像入力器(静電潜像形成手段)113と、トナーにより電子写真感光体109の表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を得る現像装置(現像手段)115と、形成されたトナー画像を、用紙等の被転写体120表面に転写する転写器(転写手段)114と、クリーニングブレード119により電子写真感光体109表面の残留トナー等を除去するクリーニング器(クリーニング手段)116と、電子写真感光体109表面の残存電位を除去する除電器117と、被転写体120表面に転写されたトナー画像を熱および/または圧力等により定着する定着器(定着手段)118と、を有する。
その他、帯電器111、画像入力器113、転写器114、除電器117、定着器118の構成は、本発明において特に制限されるものではなく、電子写真分野において従来公知のあらゆる構成をそのまま適用することができる。なお、本例のように接触帯電方式の帯電器111を用いる構成の場合、除電器117は、必ずしも設けられていなくてもよい。
本発明は、転写後の静電潜像担持体の表面をクリーニングして静電潜像担持体の表面に残存するトナーを回収し、回収したトナーを現像装置に供給して現像工程に使用する構成を含む画像形成装置に対しても、好適に採用することができる。このようなトナーリサイクル機構(トナー戻し手段)を備えることにより、トナー廃棄による環境負荷を低減することができ、また、廃トナーボックスが不要となるため機械のコンパクト化に有利となる。
本発明の画像形成方法は、内部に磁界発生手段を具備し且つトナーおよび磁性キャリアが含まれる二成分現像剤を搬送担持する現像剤担持体と、該現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤収容部と、該現像剤収容部に連通し且つトナーを収容するトナー収容部と、を有し、前記現像剤担持体に担持される前記二成分現像剤の量を規制部材で規制し、該現像剤担持体表面における二成分現像剤のトナー濃度変化によって、二成分現像剤のトナーの取り込みを自律的に制御する機構を具備した現像装置を用いた画像形成方法であって、前記トナーが、既述の如き本発明のトナーであることを特徴とする。
当該構成の詳細については、[現像装置]および[トナー]の項において詳細に述べた通りである。
(1)静電潜像担持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、
(2)前記現像装置内に収容されたトナーおよび磁性キャリアが含まれる二成分現像剤により、前記形成された潜像を可視像化して、前記静電潜像担持体表面にトナー像を形成する現像工程と、
(3)前記形成されたトナー像を、被転写体の表面に転写する転写工程と、
(4)転写後の前記静電潜像担持体の表面をクリーニングして静電潜像担持体の表面に残存するトナーを回収するクリーニング工程と、
(5)前記回収されたトナーを前記現像装置に搬送するトナー戻し工程を含むこと、
を含む、いわゆるトナーリサイクル機構を有する構成とすることも好適である。
当該構成の詳細については、[画像形成装置]の項において詳細に述べた通りである。
なお、樹脂粒子、着色剤粒子、および離型剤粒子の平均粒径(中心粒径)は、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所社製:LA−700)を用いて測定した。また、樹脂粒子およびトナー粒子における樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー社製:HLC−8120GPC)を用いて測定した。
・スチレン(和光純薬社製) : 330質量部
・nブチルアクリレート(和光純薬社製) : 70質量部
・βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華社製) : 9質量部
・1’,10−デカンジオールジアクリレート(新中村化学社製) : 1.5質量部
・ドデカンチオール(和光純薬社製) : 2.7質量部
得られた樹脂微粒子の中心粒径は220nm、固形分量は45質量%、ガラス転移点は53.0℃、質量平均分子量Mw=31000、Z平均分子量=78000であった。
・スチレン(和光純薬社製) : 330質量部
・nブチルアクリレート(和光純薬社製) : 70質量部
・βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華社製) : 9質量部
・1’,10−デカンジオールジアクリレート(新中村化学社製) : 1.2質量部
得られた樹脂微粒子の中心粒径は200nm、固形分量は45質量%、ガラス転移点は53.5℃、質量平均分子量Mw=780000、Z平均分子量=2200000であった。
・マグネタイト(戸田工業社製、粒径150nm、796kA/mにおける飽和磁化84Am2/g) : 25質量部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬) : 5質量部
・イオン交換水 : 70質量部
得られた磁性体分散液中の磁性体の中心粒径は、270nmであった。
・カーボンブラック(R330 キャボット社製) : 25質量部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬) : 5質量部
・イオン交換水 : 70質量部
得られた着色剤分散液中の着色剤の中心粒径は、150nmであった。
・ポリエチレン系ワックス(PW850、東洋ペトロライト社製) : 200質量部
・イオン界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬社製) : 10質量部
・イオン交換水 : 630質量部
得られた離型剤分散液中の離型剤の中心粒径は200nmであり、固形分濃度は25質量%であった。
・樹脂微粒子分散液(1) : 80質量部
・樹脂微粒子分散液(2) : 20質量部
・磁性体分散液 : 88質量部
・着色剤分散液 : 16質量部
・離型剤分散液 : 44質量部
その後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら50℃まで加熱した。50℃で60分間保持した後、さらに樹脂微粒子分散液(1)40質量部を緩やかに追加した。その後、0.5規定の水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを5.4に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら94℃まで加熱し、5時間保持した。
分離された固体をさらに40℃のイオン交換水3リットルに再分散し、300rpmで15分間攪拌・洗浄した。これをさらに5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5Aのろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続して磁性黒色粒子を得た。
得られた磁性トナー(1)の体積平均粒径D50vは6.5μm、形状係数SF−1は133、算術平均高さの平均値(数平均)が0.13μm、算術平均高さが0.4μm以上のものの割合は2個数%であった(以上、実際には、外添剤付着前の磁性黒色粒子の段階で測定。以下、他のトナーにおいても同様。)。
トナーの体積平均粒径D50vは、コールターカウンターTA−IIを用いて測定した。また、測定に際して、ISOTON‐II(ベックマンーコールター社製)を電解液として使用した。測定した粒子数は、1試料につき50000個である。
トナーの形状係数SF−1は、ルーゼックス画像解析装置(ニレコ社製、LUZEXIII)を用い、既述の方法で求めた。
〔磁性トナー(1)の作製〕において、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら行う94℃での保持時間を、5時間から3.5時間に変更した以外は、磁性トナー(1)と同様にして、実施例2で用いる磁性トナー(2)を得た。
得られた磁性トナー(2)の体積平均粒径D50vは6.5μm、形状係数SF−1は135、算術平均高さの平均値(数平均)が0.15μm、算術平均高さ0.4μm以上のものの割合は3個数%であった。
・樹脂微粒子分散液(1) : 85質量部
・樹脂微粒子分散液(2) : 15質量部
・磁性体分散液 : 50質量部
・着色剤分散液 : 20質量部
・離型剤分散液 : 40質量部
その後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら50℃まで加熱した。50℃で60分間保持した後、さらに樹脂微粒子分散液(1)30質量部を緩やかに追加した。その後、0.5規定の水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを5.5に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら94℃まで加熱し、6時間保持した。
得られた磁性トナー(3)の体積平均粒径D50vは7.5μm、形状係数SF−1は125、算術平均高さの平均値(数平均)が0.08μm、算術平均高さ0.4μm以上のものの割合は0.5個数%であった。
・樹脂微粒子分散液(1) : 80質量部
・樹脂微粒子分散液(2) : 20質量部
・磁性体分散液 : 120質量部
・離型剤分散液 : 52質量部
その後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら50℃まで加熱した。50℃で60分間保持した後、さらに樹脂微粒子分散液(1)60質量部を緩やかに追加した。その後、0.5規定の水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを5.1に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら94℃まで加熱し、5時間保持した。
得られた磁性トナー(4)の体積平均粒径D50vは7.0μm、形状係数SF−1は130、算術平均高さの平均値(数平均)が0.09μm、算術平均高さ0.4μm以上のものの割合は1個数%であった。
〔磁性トナー(4)の作製〕において、50℃で60分間保持後の樹脂微粒子分散液(1)の添加量を、60質量部から40質量部に変更した以外は、磁性トナー(4)と同様にして、実施例5で用いる磁性トナー(5)を得た。
得られた磁性トナー(5)の体積平均粒径D50vは7.0μm、形状係数SF−1は132、算術平均高さの平均値(数平均)が0.16μm、算術平均高さ0.4μm以上のものの割合は12%個数であった。
樹脂微粒子分散液(1)、樹脂微粒子分散液(2)をそれぞれ洗浄し、界面活性剤を除去した後、乾燥させ、樹脂微粒子乾燥物(1)、樹脂微粒子乾燥物(2)を得た。得られた樹脂微粒子乾燥物を用いて、以下のようにして比較例1で用いる磁性トナー(6)を作製した。
・樹脂微粒子乾燥物(1) : 54質量部
・樹脂微粒子乾燥物(2) : 9質量部
・マグネタイト(戸田工業社製、粒径150nm、796kA/mにおける飽和磁化84Am2/kg) : 22質量部
・カーボンブラック(R330 キャボット社製) : 4質量部
・ポリエチレン系ワックス(PW850、東洋ペトロライト社製) : 11質量部
上記黒色粒子100質量部に対し、ジメチルシリコーンオイル処理シリカ(TS720:キャボット社製、一次粒子径:同上)1.5質量部を添加し、サンプルミルを用いて混合して外添し、磁性トナー(6)を得た。
得られた磁性トナー(6)の体積平均粒径D50vは6.5μm、形状係数SF−1は148、算術平均高さの平均値(数平均)が0.5μm、算術平均高さ0.4μm以上のものの割合は65個数%であった。
〔磁性トナー(1)の作製〕において、樹脂微粒子分散液(1)を追加後に調整する系内のpHの値を、5.4から4.7にし、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら行う94℃における保持時間を、5時間から2.5時間に変更した以外は、磁性トナー(1)と同様にして、比較例2で用いる磁性トナー(7)を得た。
得られた磁性トナー(7)の体積平均粒径D50vは6.5μm、形状係数SF−1は134、算術平均高さの平均値(数平均)が0.3μm、算術平均高さ0.4μm以上のものの割合は40個数%であった。
〔磁性トナー(1)の作製〕において、樹脂微粒子分散液(1)を追加後に調整する系内のpHの値を、5.4から5.7にし、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら行う保持温度を、94℃から98℃に変更した以外は、磁性トナー(1)と同様にして、比較例3で用いる磁性トナー(8)を得た
得られた磁性トナー(8)の体積平均粒径D50vは6.5μm、形状係数SF−1は144、算術平均高さの平均値(数平均)が0.18μm、算術平均高さ0.4μm以上のものの割合は8個数%であった。
〔磁性トナー(1)の作製〕において、樹脂微粒子分散液(1)を追加後に調整する系内のpHの値を、5.4から4.9にし、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら行う94℃における保持時間を、5時間から10時間に変更した以外は、磁性トナー(1)と同様に作製し、実施例6で用いる磁性トナー(9)を得た。
得られた磁性トナー(9)の体積平均粒径D50vは6.5μm、形状係数SF−1は109、算術平均高さの平均値(数平均)が0.04μm、算術平均高さ0.4μm以上のものの割合は0.1個数%であった。
・Mn−Mg系フェライト粒子 : 100質量部
・トルエン : 11質量部
・ジエチルアミノエチルメタクリレート−スチレン−メチルメタクリレート共重合体(共重合比2:20:78、質量平均分子量50,000) : 2質量部
・カーボンブラック(キャボット社製、R330R) : 0.2質量部
次に、この被覆樹脂層形成用溶液と上記Mn−Mg系フェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れ、温度60℃を保ったまま10分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去することにより被覆樹脂層を形成してキャリアを得た。
上記キャリア100質量部に対し、磁性トナー(1)〜(9)をそれぞれ20質量部加えてボールミルで5分間攪拌・混合し、磁性二成分現像剤である現像剤(1)〜(9)を得た。
<評価1>
本実施例に用いる(評価1)の現像装置に関しては、図1に示した現像装置を用いた。詳細な諸元は、以下の通りである。
(現像装置の諸元)
・固定磁石1:4極の磁極が配設されており、二成分現像剤2が現像剤担持体3の外周に磁気的に付着するようになっている。
・現像剤担持体3表面を十点平均粗さRz=7μmに設定したφ16mmの金属スリーブを使用し、周速が140mm/sとなるように設定した。
・せき止め部8:現像剤担持体3表面との間隙が400μmとなるように設定した。
・電子写真感光体(静電潜像担持体)9:φ30mmの有機感光体を使用した。
・現像剤攪拌部材10:φ70mmの円柱状磁性体を使用し、周速を60mm/sに設定した。
・トナー攪拌部材11:PETフィルムを使用し、周速を20mm/sに設定した。
・仕切り部12:現像剤担持体3表面との間隙が3mmとなるように設定した。
さらに、富士ゼロックス(株)製レーザープリンターDocuPrint255を、上記現像装置を備えることができるように改造して、これを配備し、評価(1)で用いる画像形成装置(1)を作製した。
この画像形成装置(1)について、以下に示す評価試験を実施した。評価は高温高湿(28℃、90%RH)の環境にて、実施した。結果を下記表1にまとめて示す。
100%黒ベタ画像(用紙全面ベタ画像)をA4サイズにて10枚出力し、その画質について反射濃度計X−Rite404による濃度測定により評価した。1枚目の画像濃度と10枚目の画像濃度の差ΔSADを求め、以下の評価基準で評価した。
○:ΔSAD:0.05未満。
△:ΔSAD:0.05以上0.10未満
×:ΔSAD:0.10以上
右半分が100%黒ベタ画像、左半分が白紙となるA3サイズのチャートを1枚プリントした直後、連続で20%ハーフトーン画像を1枚プリントし、ハーフトーン画像の左右で濃度差が感知できるかを、以下の評価基準で目視により評価した。
○:目視では左右の濃度差が検出できないレベルである。
△:目視では僅かに左右の濃度差が検出できるものの、実用上問題無いレベルである。
×:目視で明らかに左右の濃度差が検出でき、実用上問題となるレベルである。
画像密度5%のチャートをA4サイズにて10000枚プリントし、その後における定着画像の画像上の欠陥を目視で確認し、以下の評価基準で評価した。
○:画像上に欠損が発生しないレベルである。
△:画像上に欠損が僅かに発生しているが、実用上問題無いレベルである。
×:画像上に欠損が認められ、実用上問題となるレベルである。
白紙画像をA4サイズにて1000枚出力後における白紙の地汚れを目視で確認し、以下の評価基準で評価した。
○:プリント前の白紙と比較して、目視では地汚れが検出できないレベルである。
△:プリント前の白紙と比較して、目視では僅かに検出できるものの、実用上問題無いレベルである。
×:プリント前の白紙と比較して、目視で明らかに地汚れの発生が検出でき、実用上問題となるレベルである。
(評価1)で用いた前記画像形成装置(1)にさらに改造を加え、トナーリサイクル機構を備える図3に示す画像形成装置として、これを(評価2)で用いる画像形成装置(2)とした。トナーリサイクル機構に関わる詳細な諸元は、以下の通りである。
回収スクリュー22、搬送スクリュー23は、いずれも直径5mmの金属丸棒の周囲に一枚の金属薄板を巻き付けて固着したスパイラルスクリューであり、ピッチが10mm、外径が12mmとし、毎分10回転するように調整した。
次いで、(評価1)の1)〜4)と同様の評価を実施した。結果を下記表1にまとめて示す。
実施例1において、下記表1に示す組合せとなるように、使用する現像剤を現像剤(1)から現像剤(2)〜(9)に、また、使用するトナーを磁性トナー(1)から磁性トナー(2)〜(9)にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして各実施例および比較例の現像装置を作製し、画像形成装置(1)および(2)を作製し、それぞれ評価を実施した。結果を下記表1にまとめて示す。
上記表1に示されるように、実施例1〜4では、自律的にトナー濃度を制御する現像装置において、本発明の現像剤を用いることにより、画像濃度の低下がなく、濃度の均一性にも優れた高画質な画像を得ることができる。さらにクリーニング回収トナーを再利用した場合でも画像濃度や画質の問題は発生しなかった。
また、実施例6では、クリーニング不良に起因するプリント画像の地汚れが若干見られたが、画像濃度に関して問題ないものであり、全体として良好なレベルであった。
比較例2および3では、トナーの表面粗さまたは形状が本発明の範囲から外れるため、画像濃度の維持性や均一性に問題があり、クリーニング回収トナーの再利用時には、若干の画質欠陥が見られた。
Claims (3)
- 内部に磁界発生手段を具備し且つトナーおよび磁性キャリアが含まれる二成分現像剤を搬送担持する現像剤担持体と、該現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤収容部と、該現像剤収容部に連通し且つトナーを収容するトナー収容部と、を有し、前記二成分現像剤中のトナー濃度が低い時に前記現像剤担持体に担持される前記二成分現像剤の量が多くなり、これが規制部材で規制されるまでの間に、前記二成分現像剤の搬送担持により減量した前記現像剤収容部のスペースに、前記トナー収容部からトナーが供給されて前記二成分現像剤のトナー濃度を自律的に制御する機構を具備した現像装置を用いた画像形成方法であって、
前記トナーとして、少なくとも結着樹脂、磁性体、および離型剤を含有し、その形状係数SF−1が140以下であり、且つその算術平均高さの平均値(数平均)が0.04μm以上0.25μm以下である乳化凝集法によって製造された磁性トナーを用いたことを特徴とする画像形成方法。 - 前記トナーの算術平均高さの平均値(数平均)が0.05μm以上0.16μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 静電潜像担持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、
前記現像装置内に収容されたトナーおよび磁性キャリアが含まれる二成分現像剤により、前記形成された潜像を可視像化して、前記静電潜像担持体表面にトナー像を形成する現像工程と、
前記形成されたトナー像を、被転写体の表面に転写する転写工程と、
転写後の前記静電潜像担持体の表面をクリーニングして静電潜像担持体の表面に残存するトナーを回収するクリーニング工程と、
前記回収されたトナーを前記現像装置に搬送するトナー戻し工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
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