JP4423553B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は燃料電池システムに関する。特に、燃料電池の運転出力を決定するに際し、要求される外部負荷量に加えて燃料電池あるいは燃料電池を搭載する移動体の運転環境や運転状況などの外部負荷量以外の負荷要因をも燃料電池の運転出力の決定に反映させるようにした燃料電池システムに関する。
燃料電池は、環境に優しいクリーンな電源として注目されている。この燃料電池は、水素などの燃料と空気とを用いて電気化学反応により電力を発生する。例えば、燃料電池の出力電力を車両用の駆動電力として用いる場合、アクセルペダル操作(負荷要求)に対する応答性や発電効率を向上させるため、燃料電池と二次電池(あるいはキャパシタ)とから車両駆動モータや燃料ポンプ・エアコンプレッサなどの補機類に対して電力を供給するハイブリッド電源システムが採用されている。
例えば、特開2001−95107号公報は、変動する負荷に対し、その平均値を基にしたベース負荷の部分を燃料電池で負担し、残りの変動負荷部分を二次電池で負担することにより、応答性は相対的に悪いが大電力容量である燃料電池と、応答性は相対的に良いが小電力容量である二次電池とを組み合わせて、負荷全体を燃料電池と二次電池とで分担して安定した車両走行を確保せんとするハイブリッド電源技術を提案している。
特開2001−95107号公報
しかしながら、燃料電池及び二次電池で負荷電力を分担するにしても、元々二次電池は燃料電池によって充電されるものであるから、燃料電池が発電すべき電力量の設定が随時適切に行われなければ、発電量不足によって二次電池の充電電荷は尽きてしまう。また、発電量余剰であれば燃料電池システムの燃費が低下(発電効率が低下)する。そして、燃料電池はアクセル操作などの明示的な負荷要求以外の負荷も負担している。
例えば、燃料電池発電によって車両駆動モータを駆動し車両を走行させている場合、アクセル指示に対応して算出される要求負荷量(車両駆動モータへの供給電力)を所定値上昇させると、燃料や空気を燃料電池に供給する補機類の仕事量が増えてその分の負荷も増加するので燃料電池は要求負荷以上の電力(全負荷電力)を発生しなければならない。また、車載の燃料電池では周囲環境や運転状況などの運転条件(燃料電池の経時変化、天候、車両の運動パターン、走行地形、燃料電池の特性バラツキ等)が変化するので、燃料電池の供給電力と全負荷電力とがバランスするポイントは、燃料電池の運転中に変動する。
このようなバランスポイントが変化する状態で燃料電池の運転を継続した場合、全負荷電力の変化を燃料電池の供給電力が追いかける形となり、燃料電池の発電量が足りず、発電不足分を補う二次電池が蓄積電荷を放電し尽くすと十分な走行を継続できなくなったり、過放電によって二次電池が劣化することも考えられる。逆に、燃料電池の供給電力を要求負荷電力よりも過剰に設定した場合には、発電効率(燃費)が悪化する。
よって、本発明は、燃料電池の運転条件を考慮して全発電要求電力を推定することによって、実際に必要となる負荷電力量と燃料電池の発電電力量とを可及的に一致させて安定した負荷駆動を確保することを可能とした燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記目的を解決するため、本発明の燃料電池システムは、燃料電池と蓄電装置とを備え、負荷要求に基づく発電要求値を算出し、算出した発電要求値に基づいて上記燃料電池の発電を制御する燃料電池システムにおいて、上記燃料電池システムの発電効率を考慮した燃料電池発電要求率に基づいて上記発電要求値を算出する。ここで、燃料電池発電要求率は、全発電量と、電力負荷(駆動トルク)を賄うために燃料電池が発電すべき発電量の割合である。(燃料電池が発電すべき全発電量は、負荷から要求される電力負荷と発電要求率との積で与えられる。)燃料電池発電要求率は燃料電池と二次電池(蓄電装置)を併設する場合、燃料電池の発電割合が高いか否かの指標(バランスポイント)となる。
かかる構成とすることによって、負荷要求電力に対応して燃料電池が出力すべき供給電力がより正確に得られる。
好ましくは、本発明の燃料電池システムは、上記燃料電池発電要求率を上記燃料電池の運転条件に応じて変更可能とする。
好ましくは、本発明の燃料電池システムは、上記負荷要求に基づく駆動電力及び運転条件に応じた上記燃料電池発電要求率に基づいて発電要求値を算出する。
好ましくは、本発明の燃料電池システムは、負荷駆動中における実際の発電要求率を駆動電力及び運転条件とともに記憶し学習する学習機能を備える。
好ましくは、負荷駆動中における実際の発電要求率が所定値以上となった場合に警告を発する機能を備える。
また、本発明の燃料電池システムは、モータ(負荷)に対して並列に接続された燃料電池及び蓄電装置を備え、アクセル指示(負荷要求)に基づくモータ(負荷)駆動電力を発生するための補機駆動電力を含めた全発電要求電力を算出し、これに基づいて前記燃料電池における発電を制御する。そして、前記モータ駆動電力及び運転条件に応じた発電要求率のデータを保持し、これに基づいて前記発電要求電力を算出する。モータ駆動電力及び運転条件に応じた発電要求率のデータを保持することで、変化する状況に応じて発電要求電力を的確に推定し、安定した駆動を確保することができる。
上記燃料電池システムにおいて、駆動中における実際の発電要求率をモータ駆動電力及び運転条件とともに記憶し学習する学習機能を備えることが望ましい。学習機能を備えることにより、状況の変化により的確に対応することができる。
上記燃料電池システムにおいて、駆動中における実際の発電要求率が所定値以上となった場合に警告を発する機能を備えることが望ましい。発電要求率の上昇は、モータ駆動電力に対する補機駆動電力の割合の上昇、効率低下の可能性を意味するため、ドライバーに対して適切なタイミングでメンテナンスを促すことができる。
また、本発明の燃料電池車両は上述した燃料電池システムを搭載したことを特徴とする。
本発明によれば、刻一刻と変化する状況に対応して発電要求値の推定精度を向上させ、安定した負荷駆動を確保することのできる燃料電池システムを提供することができる。
次に、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
<1.システム構成>
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池システムを車両に適用した場合の主要部を概略的に示すブロック図である。このシステムは、燃料電池10、水素供給装置12、空気供給装置13、車両を駆動するモータ2、インバータ22、補機類駆動装置25、電力変換装置30、蓄電装置31、電子制御ユニット4、各種データを保存したデータROM42、各種センサ44等を備えている。
燃料電池10は、例えば、固体高分子電解質膜型の燃料電池であって、そのアノード及びカソードにそれぞれ水素(燃料ガス)及び空気(酸化ガス)の供給を受け、電気化学反応によって電気を発生する。
水素供給装置12は、例えば、水素ガスを貯蔵する高圧水素タンク、開閉弁、圧力調整弁(あるいは流量調整弁)、水素ポンプ、水素ガス配管などを含んで構成され、電子制御ユニット4の指示に応じた水素量を燃料電池10のアノードに供給する。
空気供給装置13は、エアフィルタ、エアコンプレッサ、加湿器、圧力調整弁(あるいは流量調整弁)等を含んで構成され、電子制御ユニット4の指示に応じた空気(酸素)量を燃料電池10のアノードに供給する。
モータ2は、例えば、3相同期モータからなり、インバータ22を介して燃料電池10や電力変換装置30に接続されている。インバータ22は電子制御ユニット4からの指示に応じて少なくとも燃料電池10及び電力変換装置30のうちのいずれかから供給される電力を3相交流電流に変換制御してモータ2に駆動力を発生させ、車両の車輪(移動体の移動手段)を駆動させる。また、インバータ22は回生制動などの車両の減速動作等の際には運動エネルギを電気エネルギに変え、電力変換装置30を介して蓄電装置31に蓄積する。
補機類駆動装置25は、例えば、エアコンプレッサ用モータ、水素ポンプ用モータ、冷却水循環ポンプ用モータ、電磁弁の駆動回路等からなり、燃料電池10や電力変換装置30から供給された電力によって駆動力等を発生する。
電力変換装置30は、例えば、DC−DCコンバータからなる。この電力変換装置30は、蓄電装置31に蓄えられた電力をモータ2に供給したり、逆にモータ2で発生した回生電力や燃料電池10で発生した余剰電力を蓄電装置31に蓄電させたりする機能を有する。また、電力変換装置30の燃料電池側の両出力端子は燃料電池10の両出力端子に各々接続されているので、電力変換装置30の出力電圧によって、燃料電池10全体の出力電圧を設定することができる。
蓄電装置31は、例えば二次電池又はキャパシタ等により構成することができる。
電子制御ユニット4は、演算処理装置(CPU)、メモリ、各種のインタフェースなどを備えたコンピュータシステムからなり、図示しない車両のアクセル開度検出装置、燃料電池の温度センサ、湿度センサ、燃料電池単位セルの各出力電圧を検出する電圧センサ、降雨センサ、気圧センサ、速度センサ、方位センサ、ナビゲーションシステム(GPS)などの車両走行位置センサ等の各種センサ44の出力(運転条件パラメータ)に基づき、燃料電池の水素供給装置12及び空気供給装置13に対して、供給量を指示する信号を後述のように出力する。
また、データROM42には、燃料電池システムの運転制御プログラム、データベースなどが記憶されている。このデータベースには、走行用駆動電力を発生するために必要な補機類の駆動電力を含めた発電要求電力を推測するためのデータが含まれる。モータ駆動電力を発生するために必要な発電要求電力の割合である発電要求率は、このメモリに記憶されている。
図2は、ある運転条件における発電要求率のデータマップの一例をグラフで示している。同図において、横軸はモータ駆動電力を、縦軸はモータ駆動電力に対応する発電要求率を示している。発電要求率は、要求トルクから算出されたモータ駆動電力を満足するために燃料電池が発電すべき全発電量の割合である。一般に、モータ駆動電力を大きくするためには燃料電池への燃料ガス・酸化ガスの供給増加が必要であり、補機類での消費電力が一層増大するため、発電要求率も高くなる。また、発電要求率は、車両の運動パターン(例えば、タイヤの摩擦係数、車両の傾き(道路の傾斜)、加減速の要求(要求電力の微分値)等)、運転環境(例えば、天候、温度、湿度、酸素濃度、気圧等)、経時変化(例えば、燃料電池、車両、補機類等の経時変化)、機器特性のバラツキ(例えば、エアコンプレッサや水素ポンプの供給流量目標値とこれを達成したときの消費電力等)等の運転条件によって異なり、時々刻々と変化するものである。このため、これらの要素(運転条件パラメータ)に対応した複数のデータマップが適宜に選択可能にデータROM42に記憶されている。
モータ駆動電力、複数の運転条件パラメータに基づく発電要求率の決定には、例えば、電子制御ユニット内に形成されるニューラルネットワーク(NN)、遺伝的アルゴリズム(GA)等を用いて行うことも出来る。
図6は、ニューラルネットワークによる発電要求率の決定の例を示す説明図である。同図には、運転条件パラメータの一部のみが示されているが、適宜に選定された複数の運転条件パラメータによって発電要求率ηが求められる。ニューラルネットワークの各入力端には運転条件パラメータが数値化されて入力される。ニューラルネットワークの各出力端には入力された運転条件パラメータに対応する発電要求率ηが選択される。ニューラルネットワークの各ノードにおける係数は予め車両走行実験などによって得られた運転条件パラメータとこれに対応する発電要求率の教師信号(データ)によってチューニングされている。チューニングの手法としては、例えば、バックプロパゲーション(BP)法を用いることができる。また、コンピュータシステムに記憶された利用者の車両走行データからそのときの運転条件パラメータと望ましかった発電要求率(目標発電要求率)とを教師信号(データ)として各ノードにおける係数を更新する学習機能を組み合わせる。それによってニューラルネットワークを構成するノードの係数のチューニングを行い、車両走行データにより妥当な発電要求率ηが得られるようにする。
上述したように、燃料電池10で実際に発電された電力は、モータ駆動電力及び種々の運転条件パラメータと共に記憶され、データベース化されて学習の教師データとして使用されるが、車両の運動パターン項目、運転環境項目、経時変化項目、機器特性のバラツキ等の運転条件項目毎に燃料電池の発電要求率を求め、加え合わせて発電要求率としても良い。
なお、車両に搭載した電子制御ユニット4のコンピュータシステムにニューラルネットワークを構築して随時発電要求率を計算しても良いが、上述のように運転条件パラメータの数値の組み合わせに対する発電要求率を予め計算してデータマップ(テーブルデータ)としてメモリに記憶しても良い。また、車両が外部との通信機能を備えている場合には、サービスセンターなどの外部のコンピュータシステムに運転条件パラメータを送信して、外部のコンピュータシステムによってシミュレーションを行い、この結果をデータマップとして車載コンピュータシステムが受信して、これを利用することとしても良い。また、外部のコンピュータシステムに現在の運転条件パラメータを送信して、外部のコンピュータシステムによって計算して返信される発電要求率を随時使用することとしても良い。
<2.推測処理>
図3は、上記実施形態の燃料電池システムによる発電要求電力の推測処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートによる処理は、燃料電池の運転中に電子制御ユニット4により実行される。
まず、電子制御ユニット4は車両の運転者によって操作されるアクセル開度センサの出力によりアクセル指示を読取る。読取られたアクセル開度に基づき、予め定められた計算式あるいは変換テーブルを使用して要求トルクを算出する。そして、この要求トルクに基づき、駆動モータの特性からモータ駆動電力を算出する(ステップ11)。
次に、当該モータ駆動電力に対する発電要求率を、例えば、予め複数のデータマップから運転条件に対応して設定(あるいは選定)されたデータマップ(図2参照)から抽出する(ステップ12)。上述したように、燃料電池は車両を駆動するモータ2の駆動電力のみならず補機類25で消費する電力も賄う必要があり、その発電要求率はモータ駆動電力、運転条件パラメータによって異なる。これらの条件に応じて個別に設定されたデータマップから、発電要求率のデータを抽出する。
更に、モータ駆動電力を賄うために、補機類25の電力を含む燃料電池10で発電すべき電力(発電要求電力)を計算する(ステップ13)。発電要求電力は、モータ駆動電力と抽出された発電要求率との積で与えられる。
電子制御ユニット4は、こうして推測された発電要求電力に基づいて水素供給装置12及び空気供給装置13を制御して水素ガス及び空気の供給を行い、燃料電池10に所要の要求電力の発電を行わせる。このように、車両や燃料電池の運転条件を考慮して要求負荷に対応する全発電要求電力を推定することによって実際に必要となる負荷量と発電量とのずれを減少(推定精度を向上)させ、安定した負荷駆動を確保することのできる燃料電池システムを提供する。
<3.更新処理>
図4は、上記燃料電池システムにおける発電要求率のデータマップ更新処理の手順を示すフローチャートである。
まず、電子制御ユニット4は、現在使用している駆動電力対発電要求率のデータマップの現用データマップの他に補正用データマップを別途用意する。上述のようにして行われた学習の結果を基に、補正用データマップの駆動電力対発電要求率の特性を随時補正して補正マップを作成(あるいは更新)する(ステップ21)。補正マップの駆動電力対発電要求率の特性曲線と現在使用しているマップの駆動電力対発電要求率の特性曲線とを比較し、2つの特性曲線の差を算出する(ステップ22)。
具体的には、図5に示すように、現在使用しているデータマップ(同図中に現在使用マップとして示されいる)と補正用データマップ(同図中に補正マップとして示されている)の両マップの各モータ駆動電力における要求率を求め、各モータ駆動電力における両マップの要求率の偏差aを求める。更に、各偏差aを積算して積算値Σ|a|を求める。
偏差の積算値Σ|a|が基準値K(閾値)を超えないときは、ステップ21に戻って新たな走行データに基づく補正用データマップの作成を行う。ステップS21及びS22を繰り返すことにより補正用データマップの補正データを充実させる。
積算値Σ|a|が、予め定められた基準値Kを超えるとき(Σ|a|>K)は、発電要求率(推定値)が実際必要な電力量と合致しなくなっていると判断して、使用するデータマップを新たなデータマップに更新(変更)する(ステップ23)。新たなデータマップはデータを更新した補正データマップでも良いし、あるいは実際の運転条件により近似する他のデータマップであっても良い。それにより、より実際のデータに合致するモータ駆動電力に対応する燃料電池発電要求率(推定値)が得られるようになる。
データマップ更新の態様としては、偏差の積算値Σ|a|が基準値Kを超える場合であって、予め定められた偏差の積算値Σ|a|の上限値L(>K)をも超える場合には、直ちにはデータマップを更新しないようにすることも出来る。新旧(更新の前後)の両データマップの特性があまりにもかけ離れている場合にはデータマップAをデータマップCに更新した際に燃料電池の制御状態が急激に変化する場合も考えられる。そこで、データマップA→データマップB→データマップCと段階的にデータマップを変更することにしてもよい。データマップBはデータマップA及びデータマップCの中間的な特性であり、データマップA及びCからデータ補完によって作成することが出来る。データマップBによる暫時の制御状態を経由してデータマップCによる制御状態に移行することによって燃料電池の運転状態が急激に変化することを回避することが可能である。一定の期間以上新マップが続いたら更新するようにしたりすることで、燃料電池制御の不連続を排除することができる。
なお、ステップ22のような条件判断を設けず、補正データ等によって新データマップが作成されたら現在使用しているデータマップを常に新データマップに更新するようにしてもよい。また、新データマップに現在使用しているデータマップのすべてを置き換えるのではなく現在使用しているデータの一部のみ更新し、更新部分と非更新部分の間はデータ補間するようにしてもよい。
また、ステップ21における補正用データマップの作成の結果、発電要求率がある閾値、例えば、実施例では2.5(図2又は図5のメインテナンス要求ゾーンに入った場合参照)を超えた場合には、燃料電池の発電効率が低いことを意味するので、電子制御ユニット4は運転者や車両管理者等に対して警告を発してメンテナンスを促すようにする。当該閾値の数値は設計に応じて適宜に選定される。モータ駆動電力に対応した燃料電池発電量要求率が燃料電池の発電効率の良い範囲内で決定されるということは望ましいことである。
また、上記推測処理及び更新処理ではデータマップを使用しているが、既述したニューラルネットワークを使用して発電要求率を算出するようにしても良い。ニューラルネットワークを使用して算出した発電要求率がメインテナンス要求ゾーンに入った場合には、燃料電池の発電効率が低いことを意味するので、電子制御ユニット4は運転者や車両管理者等に対して警告を発してメンテナンスを促す。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムを概略的に示すブロック図である。 発電要求率のデータマップの一例を示す説明図である。 発電要求電力の推測処理手順を示すフローチャートである。 発電要求率のデータマップ更新処理の手順を示すフローチャートである。 マップの補正・変更を説明する説明図である。 ニューラルネットワークの例を説明する説明図である。
符号の説明
10 燃料電池、11 電圧検出装置、2 モータ、22 インバータ、25 補機類駆動装置、30 電力変換装置、31 蓄電装置、4 電子制御ユニット、42 データROM、44 センサ

Claims (6)

  1. 燃料電池と蓄電装置とを備え、負荷要求に基づく発電要求値を算出し、算出した発電要求値に基づいて前記燃料電池の発電を制御する燃料電池システムにおいて、
    運転制御プログラムを実行する演算処理部と
    所定の運転条件パラメータにおける、負荷が要求する発電値を発生するために必要な補機類の電力を含んで燃料電池が発生すべき全発電量と、該負荷が要求する発電値との比である発電要求率のデータを前記負荷が要求する発電値に対応づけて予め複数記憶した記憶部と、を備え、
    前記演算処理部が、前記負荷要求に基づく発電要求値を前記記憶部に記憶された前記負荷が要求する発電値とこの発電値に対応する前記発電要求率とに基づいて算出する燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記発電要求率のデータが予め複数の運転条件パラメータについてデータマップとして複数記憶されており
    前記燃料電池の発電要求率のデータが前記燃料電池の運転条件パラメータに対応したデータマップから選択される燃料電池システム。
  3. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記記憶部の機能が前記運転条件パラメータと前記負荷が要求する発電値を入力とし、前記発電要求率を出力とするニューラルネットワークによって構成され、該ニューラルネットワークの各ノードにおける係数が負荷の実際の運転における前記運転条件パラメータと前記負荷が要求する発電値と目標とする発電要求率とによってチューニングされる燃料電池システム
  4. 請求項2に記載の燃料電池システムにおいて
    前記記憶部に、現在選択しているデータマップの他に比較基準となる補正用データマップが更に用意され、該補正用データマップに含まれる負荷が要求する発電値対発電要求率の特性曲線が燃料電池システムの運転中に更新されるものであり
    前記演算処理部は、両データマップに含まれる負荷が要求する発電値対発電要求率の特性曲線間の差分の面積が基準値を越えるとき、現在使用しているデータマップを新たなデータマップに変更する燃料電池システム
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、
    負荷駆動中における実際の発電要求率が所定値以上となった場合に警告を発する機能を備えた、燃料電池システム。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の燃料電池システムを搭載した燃料電池車両。
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