JP4422826B2 - テンション装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動する線材に所定の張力を付与するテンション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電源等に用いるトランスコイルを製造する巻線機が知られている。まず、従来技術による巻線機について簡単に説明する。図6は、従来技術による巻線機の一例を示す斜視図である。図6において、図示されていない線材の供給源から矢印方向に、巻線機に向かって線材Wが供給されている。
【0003】
供給された線材Wは、まずテンション装置10を介して巻線機の下方に送られ、駆動部40に支持された細いパイプ状のノズル20を通過した後、その先端を挟み部30において挟まれて保持される。
【0004】
線材の処理装置を構成するノズル20は、駆動部40の駆動により3次元的に移動可能となっており、より具体的には、回転シャフト50の先端に保持されたボビンBの上方において、その位置を自在に変更できるほか、その姿勢をも変更することができる。
【0005】
巻線機の動作について説明すると、まず線材Wの先端を挟み部30に挟んだまま、ノズル20がボビンBの端子部B1の周囲をぐるりと周り、線材Wを端子部B1に巻き付ける動作(からげ動作)がなされる。
【0006】
線材Wが端子部B1にからみついた状態で、挟み部30はボビンBから離れる方向に移動して線材Wの先端を切断する。線材Wが太く移動による切断が困難な場合は、図示されていない駆動部40に支持されたニッパーで切断する。その後、回転シャフト50をボビンBとともに高速回転させる。この際ボビンBの回転に同期させて、ノズル20をボビンBの長さ方向に所定のピッチで移動させ、それにより同一箇所に線材が巻き付くことを防止する。
【0007】
所定回数だけ、線材WがボビンBに巻き付いた段階で、回転シャフト50を停止させる。その後再びノズル20のからげ動作により、線材WをボビンBの端子部B2にからみつかせ、かつ線材Wを切断して、巻線機の動作は終了する。
【0008】
ところで、かかる巻線機の動作において、線材WをボビンBの周囲にきれいに卷くため、あるいはユーザーの要求する仕様に成るよう精密に巻くためには、一定の張力を線材Wに付与して、線材Wの巻付き時にたるみ等が生じないようにする必要がある。そこでテンション装置10を、ノズル20と線材の供給源との間に配置し、ボビンBの回転に伴って線材Wが移動するときに一定の制動力を付与し、それにより線材Wにたるみが生じないようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一方、図6に示すように、テンション装置10は、線材Wに係合可能なバックテンションプーリ11と、かかるバックテンションプーリ11を先端に支持する揺動可能なアーム12とからなるバックテンション調整機構を有している。バックテンション機構によれば、例えばノズル20が急速に移動したような場合でも、線材Wのたわみや張り分をアーム12が揺動することによって吸収し、それによりノズル20の上流側で、プーリ11が線材Wに対して常に所定の張力を付与できるようにしている。
【0010】
ところで、テンション装置10の1タイプにおいては、線材Wに複数段階の制動力を付与できるものがある。かかるテンション装置10によれば、例えば、からげ動作時には制動力を低く維持して端子を曲げたり、線材皮膜に傷を付けないようにし、巻線時には制動力を高く維持して線材Wにたるみが生じないようにすることが考えられる。
【0011】
ところが、移動している線材Wに対して制動力を複数段階で変化させると、バックテンションプーリ11が線材Wより受ける引っ張り力が増減するので、アーム12の揺動位置が変化して、場合によってはアーム12の揺動可能範囲を超えて振り切れることもある。アーム12が振り切れると、線材Wに引っ張り力が作用せず、それにより巻線が不良となる恐れがある。
【0012】
このような問題に対して、従来技術においては、アーム12が振り切れないように、例えばアーム12を付勢するバネの張力を微調整したり、可能な範囲でテンション装置10の制動力を調整したりしており、バネの張力が不適切である場合にはバネの交換なども必要となるため、準備に手間がかかることが多かった。
【0013】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、バックテンションを複数段階もしくは無段階に調整できるテンション装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のテンション装置は、
線材の供給源から線材の処理装置まで移動する線材に係合することにより、前記線材に張力を付与するテンション装置において、
前記線材に係合し、前記線材に引っ張り力を付与する所定の方向に移動自在なバックテンションプーリと、
前記バックテンションプーリを前記所定の方向に、所定の範囲にわたって無段階で付勢する付勢手段とを有し、
前記付勢手段は、前記バックテンションプーリを支持する揺動部材と、前記揺動部材に沿って移動するスライド部材と、前記スライド部材と取り付け部との間に配置され、前記取り付け部から前記揺動部材に対して付勢力を付与するバネと、前記スライド部材に係合する揺動ガイド部材と、前記揺動ガイド部材を任意の位置に回転させるモータとを備えていることを特徴とする。
【0018】
【作用】
本発明のテンション装置によれば、線材の供給源から線材の処理装置まで移動する線材に係合することにより、前記線材に張力を付与するテンション装置であって、前記線材に係合し、前記線材に引っ張り力を付与する所定の方向に移動自在なバックテンションプーリと、前記バックテンションプーリを前記所定の方向に、所定の範囲にわたって無段階で付勢する付勢手段とを有するので、前記バックテンションプーリの負荷が変化したような場合でも、それに応じて付勢力を変更することによって、例えば前記バックテンションプーリを殆ど同じ場所に維持するようなこともできる。
【0019】
更に、前記付勢手段が、前記バックテンションプーリを支持する揺動部材と、前記揺動部材と取り付け部との間に配置され、前記取り付け部から前記揺動部材に対して付勢力を付与するバネと、前記揺動部材と前記取り付け部との距離を変更する変更手段とを備えていれば、前記変更手段が、前記揺動部材と前記取り付け部との距離を変更することにより、前記バネの初期張力を変更できるため、それにより前記バックテンションプーリを前記所定の方向に、所定の範囲にわたって無段階で付勢できる。
【0020】
又、前記付勢手段が、前記バックテンションプーリを支持する揺動部材と、前記揺動部材と取り付け部との間に配置され、前記取り付け部から前記揺動部材に対して付勢力を付与するバネと、前記揺動部材に対する前記バネの取り付け位置を変更する変更手段とを備えていれば、前記変更手段が、前記揺動部材に対する前記バネの取り付け位置を変更することにより、前記バネの付勢力に基づき前記揺動部材に付与されるトルクを変更できるため、それにより前記バックテンションプーリを前記所定の方向に、所定の範囲にわたって無段階で付勢できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明による第1の実施の形態にかかるテンション装置100の正面図である。かかるテンション装置100は、例えば図6に示す巻線機に取り付けられて使用されることができる。
【0022】
図1において、テンション装置100は、垂直方向に延在する板状の本体101を有している。板状の本体101の下部には、不図示の取り付けバーに本体101を取り付けるためのクランプ102が設けられている。本体101上において、引き廻された線材Wに沿って図示しない線材の供給源側から、第1プーリ103、第2プーリ104、第3プーリ105、第4プーリ106、第5プーリ(バックテンションプーリ)107が、不図示の軸受により回転自在に配置されている。
【0023】
第5プーリ107は、揺動部材としてのバー108の先端(左端)近傍に取り付けられ、バー108の他端(右端)近傍は、枢軸109により本体101に取り付けられている。従って、バー108は、枢軸109を中心として揺動自在となっている。枢軸109の右方と本体101との間は、バネ110により連結されており、比較的弱いバネ110の付勢力によりバー108は時計回り方向に付勢されている。バー108の右端には、バックテンション調整機構120が取り付けられている。
【0024】
図2、3は、バックテンション機構120の構成を概略的に示す分解図である。図2,3において、バー108の右端には孔108aが形成されており、一方、バー108の右端を挟持するようにして垂直方向に延在する2本の第1リンク121、122の上端には、孔121a、122aが形成されている。孔121a、108a、122aには、ピン123が挿通されている。
【0025】
第1リンク121、122の下部には、第1リンク121,122の長手方向に延在する長孔121b、122bが形成されている。第1リンク121,122の下端により挟持されるようにして、第2リンク124が略水平方向に延在しており、第2リンク124の左端には孔124aが形成されている。長孔121b、孔124a、長孔122bには、ピン125が挿通されている。
【0026】
第2リンク124の右端近傍は、枢軸126により本体101(図1)に取り付けられている。従って、第2リンク124は、枢軸126を中心として揺動自在となっている。第2リンク124における孔124aと枢軸126との間には、側方に突出するスタブシャフト127が形成されており、スタブシャフト127の下方にはエアシリンダ128が配置されている。
【0027】
第2リンク124の右端には、付勢手段である第1バネ129の下端が取り付けられており、第1バネ129は、第2リンク124を反時計回り方向に付勢している。図1に示すように、第1バネ129の上端は、本体101の上縁から水平方向に延在する天板101aの穴を通してロックナット131で保持されているねじ部材130の下端に取り付けられている。ねじ軸130に対してロックナット131を螺動することにより、ねじ軸130が上下に移動し、それにより第1バネ129の張力を調整できるようになっている。
【0028】
図2,3に戻り、第2リンク124の右端下方には、水平方向に延在する第3リンク132の左端が互いに離隔可能に配置されており、第3リンク132の右端は、ねじ133により、第2リンク124と並行する第4リンク134の右端に固定的に取り付けられている。尚、第1リンク121,122と第2リンク124は、本体101の正面側に配置され、第4リンク134は、本体101の背面側に配置されており、第3リンク132は、本体101に形成された切り欠き部101b(図1)を介して、正面側から背面側へと延在している。
【0029】
第4リンク134の右端近傍は、枢軸137により本体101(図1)に取り付けられている。従って、第4リンク134は、枢軸137を中心として揺動自在となっている。又、第4リンク134の右端には、付勢手段である第2バネ135の下端が取り付けられており、第4リンク134を反時計回り方向に付勢している。第2バネ135の上端は、本体101の上縁から水平方向に延在する天板(不図示)の穴を通してロックナットで保持されているねじ部材136の下端に取り付けられている。尚、第1バネ129と同様に、ねじ軸136に対してロックナットを螺動することにより、第2バネ135の張力を調整できるようになっている。
【0030】
第4リンク134の左端には、側方に突出するスタブシャフト138が形成されており、スタブシャフト138の下方にはエアシリンダ139が配置されている。尚、図2に示す状態では、エアシリンダ128,139の駆動軸は、各々引き込まれており、スタブシャフト128,138から離隔している。
【0031】
図1に戻り、バー108は、上述したバックテンション調整機構120により、所定の力で時計回りに付勢されることができる。尚、本体101の正面に設けられたストッパ111、112により、バー108の揺動は、実線で示す下方位置と一点鎖線で示す上方位置との間に制限されている。
【0032】
次に、本実施の形態の動作について説明する。第3プーリ105及び第4プーリ106は、移動する線材Wに対し磁気力に基づく負荷抵抗を付与したり、あるいは無負荷としたりすることを選択的にオンオフ制御できるようになっているものとする。
【0033】
不図示のノズルがボビンに対して巻線動作を行っているときは、線材Wのたわみなどが生じないように、線材Wの負荷抵抗は高い方が好ましい。そこで、このような場合には、第3プーリ105及び第4プーリ106をオン制御して、その高い負荷抵抗を線材Wに付与するのである。かかる場合、バックテンションプーリ107には、ノズルからの力と第3プーリ105及び第4プーリ106からの負荷抵抗に基づく高い合成力が付与されることとなる。
【0034】
ところが、バネ110の付勢力は比較的弱いため、このバネ110のみでは高い合成力に抗しきれず、バー108は反時計回りに付勢されて、下方側ストッパ112に衝接し、それによりボビンに巻き不良が生じる恐れがある。
【0035】
そこで、本実施の形態においては、バックテンション調整機構120により、バー108に与えるバックテンション(時計回り方向の付勢力)を調整している。具体的には、第3プーリ105及び第4プーリ106をオン制御した場合、図2に示すように、キャンセル手段としてのエアシリンダ128、139の駆動軸を引き込むように動作させる。かかる場合、第2リンク124の孔124aに挿通されたピン125は、第1リンク121,122の長孔121b、122bの下端に当接しているので、第1バネ129の付勢力が、第2リンク124及び第1リンク121,122を介してバー108に伝達されると共に、第2バネ135の付勢力が、第3リンク132,第2リンク124及び第1リンク121,122を介してバー108に伝達される。従って、バー108は大きな付勢力で時計回りに付勢され、それにより、ノズルからの力と第3プーリ105及び第4プーリ106からの負荷抵抗に基づく高い合成力に抗して、バー108をストッパ111,112に衝接させることなく所定の位置に保持できることとなる。
【0036】
一方、不図示のノズルがボビンの端子部に対してからげ動作などを行っているときは、3次元的に移動するノズルの動作を妨げないように、線材Wの負荷抵抗は低い方が好ましい。そこで、このような場合には、第3プーリ105をオフ制御し、第4プーリ106のみをオン制御して、その低い負荷抵抗を線材Wに付与するのである。かかる場合、バックテンションプーリ107には、ノズルからの力と第4プーリ106からの低い負荷抵抗に基づく弱い力が付与されることとなる。
【0037】
ところが、バックテンション機構120のバックテンションが強すぎると、弱い合成力に打ち勝つので、バー108は時計回りに付勢されて、上方側ストッパ111に衝接し、それによりからげ不良が生じる恐れがある。
【0038】
かかる場合にも、本実施の形態によれば、バックテンション調整機構120により、バー108に与えるバックテンションを調整できる。具体的には、第3プーリ105をオフ制御し第4プーリ106をオン制御した場合、図3に示すように、エアシリンダ139の駆動軸を押し出すように動作させる。それにより、スタブシャフト138が上方に押されて、第4リンク134が時計回りに揺動する。第3リンク132は、第4リンク134の右端に接続されているので、第2リンク124から離隔して下方へと移動する。それにより、第2バネ135の付勢力は、第2リンク124に伝達されなくなる。
【0039】
従って、バー108は、第1バネ129のみに基づく弱い付勢力で時計回りに付勢され、それにより、ノズルからの力と第4プーリ106からの負荷抵抗に基づく弱い合成力に抗して、バー108をストッパ111,112に衝接させることなく所定の位置に保持できることとなる。
【0040】
これに対し、ノズルが停止しているときなどは、線材Wに負荷を掛けないようにする必要がある。かかる場合には、エアシリンダ128,139の駆動軸を押し出すように動作すると、スタブシャフト127,138が上方に押されて、第2リンク124及び第4リンク134が時計回りに揺動する。このとき、第2リンク124の孔124aに挿通されたピン125は、第1リンク121,122の長孔121b、122b内を上方に移動するため、第1バネ129の付勢力がバー108に伝達されなくなる。又、明らかであるが、第2バネ135の付勢力も、バー108に伝達されない。従って、バー108は、バネ110のごく弱い付勢力のみによって時計回りに付勢され、ごく弱い張力で線材Wを引っ張るようになる。尚、エアシリンダ128の駆動力が強ければ、第1バネ129及び第2バネ135の付勢力に抗して第2リンク124を揺動させることができるため、エアシリンダ139を動作させる必要がない。
【0041】
このように、本実施の形態によれば、バックテンション調整機構120により、バックテンションプーリ107が線材Wに付与する張力を複数段階で変化させることができるため、より高速且つ円滑な巻線動作を行うことができる。
【0042】
図4は、本発明の第2の実施の形態にかかるテンション装置の正面図である。図4において、テンション装置200は、板状の本体201を有している。本体201上において、引き廻された線材Wに沿って図示しない線材の供給源側から、第1プーリ202、第2プーリ203、第3プーリ(バックテンションプーリ)204が、不図示の軸受により回転自在に配置されている。
【0043】
第3プーリ204は、揺動部材としてのバー205の先端(左端)近傍に取り付けられ、バー205の他端(右端)近傍は、枢軸206により本体201に取り付けられている。従って、バー205は、枢軸206を中心として揺動自在となっている。バー205の右端には、付勢手段であるバックテンション調整機構220が取り付けられている。
【0044】
バックテンション機構220は、バー205の右端に上端を取り付けているバネ221と、本体201上に配置されたパルスモータ222と、パルスモータ222の回転軸222aに一端を取り付けており他端をバネ221の下端に取り付けたアーム223とから構成されている。
【0045】
例えば巻線機において、ボビンに巻き付ける線材Wの線径を変えることがあるが、かかる場合、線材Wの線径に応じて最適なバックテンションに調整する必要が生じる。ところが、線材Wの種類が多いと、その調整に手間どり、巻線機の稼働率が低下する。これに対し、第2の実施の形態によれば、バックテンションを無段階で容易に調整できる。以下、第2の実施の形態の動作について説明する。
【0046】
まず、アーム205は、不図示のノズルからの力と第1プーリ202からの負荷抵抗に基づく合成力が高い場合には、実線で示す下向き位置へと揺動し、一方かかる合成力が低い場合には、一点鎖線で示す上向き位置へと揺動するものとする。
【0047】
例えば、パルスモータ222を駆動して、アーム223を図4の実線で示す位置へと回転させたとする。かかる場合、バー205が下向き位置であるときのバネ221の長さはAであり、またバー205が上向き位置であるときのバネ221の長さはBである。
【0048】
一方、パルスモータ222を駆動して、アーム223を図4の一点鎖線で示す斜め上方位置へと回転させる。かかる場合、バー205が下向き位置であるときのバネ221の長さはC(<A)であり、またバー205が上向き位置であるときのバネ221の長さはD(<B)である。
【0049】
ここで、バー205を時計回りに回転させるトルク、すなわち線材Wにバックテンションを付与する力は、バネ221の付勢力のバー205に対する垂直方向成分に比例するから、かかる力が最大であるのは、アーム223が図4の実線で示す位置へと回転し且つバー205が下向き位置にあるときである。一方、かかる力が最小(略ゼロ)になるのは、アーム223が図4の一点鎖線で示す位置へと回転し且つバー205が上向き位置にあるときである。
【0050】
従って、パルスモータ222を制御して、アーム223の回転位置を適宜調整すれば、例えば線径に応じて最適なバックテンションを付与できることとなる。尚、例えば3つのローラ231,232,233で線材Wを挟持し、線材Wからの反発力を圧電素子234などで測定することにより、線材Wの張力を求めることのできる測定器230を設置して、求められた張力に応じてアーム223の回転位置を調整することにより、アーム205のフレ幅を最小に抑えることも考えられる。
【0051】
図5は、本実施の形態の変形例を示す図である。図5においては、バックテンションプーリ204以外のプーリや線材Wは省略して示されている。図4の実施の形態と同様に、バックテンションプーリ204は、バー205の先端(左端)近傍に取り付けられ、バー205の他端(右端)近傍は、枢軸206により本体201に取り付けられている。従って、バー205は、枢軸206を中心として揺動自在となっている。
【0052】
バー205の右端には、スライド部材242が、バー205に沿って滑動自在に配置されている、バー205は、スライド部材242を介して、本体201に取り付けられたバネ241により、時計回り方向の付勢力を受けている。スライド部材242の枢軸206からの位置は、モータ244によって駆動される揺動ガイド部材243にガイドされながら変更される。
【0053】
かかる変形例の動作について説明すると、例えば線材の線径が小さい場合には、バックテンションは弱くすべきであるので、モータ244の左旋によりスライド部材242を枢軸206側に寄せる(図5の実線位置)。それにより、バー205にはバネ241の付勢力に基づく時計回りの弱いトルクが付与されるので、バックテンションを弱くすることができる。
【0054】
これに対し、線材の線径が大きい場合には、バックテンションを強めるべきであるので、モータ244の右旋によりスライド部材242を枢軸206から遠ざける(図5の点線位置)。それにより、バー205にはバネ241の付勢力に基づく時計回りの強いトルクが付与されるので、バックテンションを強くすることができる。尚、本変形例においては、バネ241とスライド部材242とで付勢手段を構成する。
【0055】
このように本実施の形態によれば、例えばバネを付勢力の異なるものに交換しなくても、任意にかつ無段階でバックテンションを変化させることができるため、線材の径などに関わらず最適なバックテンションを設定できる。
【0056】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、パルスモータ222の代わりにサーボモータなども用いることができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明のテンション装置によれば、線材の供給源から線材の処理装置まで移動する線材に係合することにより、前記線材に張力を付与するテンション装置であって、前記線材に係合し、前記線材に引っ張り力を付与する所定の方向に移動自在なバックテンションプーリと、前記バックテンションプーリを前記所定の方向に、所定の範囲にわたって無段階で付勢する付勢手段とを有するので、前記バックテンションプーリの負荷が変化したような場合でも、それに応じて付勢力を変更することによって、例えば前記バックテンションプーリを殆ど同じ場所に維持するようなこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施の形態にかかるテンション装置100の正面図である。
【図2】バックテンション機構120の構成を概略的に示す分解図であり、エアシリンダ128,139の駆動軸を引っ込めた状態で示す図である。
【図3】バックテンション機構120の構成を概略的に示す分解図であり、エアシリンダ39の駆動軸のみを突き出した状態で示す図である。
【図4】本発明による第2の実施の形態にかかるテンション装置200の正面図である。
【図5】変形例を示す図である。
【図6】従来技術による巻線機の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
100,200 テンション装置
107,204 バックテンションプーリ
108,205 バー
121,122 第1リンク
124 第2リンク
128 エアシリンダ
129 第1バネ
132 第3リンク
134 第4リンク
135 第2バネ
139 エアシリンダ
221,241 バネ
222 パルスモータ
223 アーム
242 スライド部材
W 線
B ボビン
Claims (1)
- 線材の供給源から線材の処理装置まで移動する線材に係合することにより、前記線材に張力を付与するテンション装置において、
前記線材に係合し、前記線材に引っ張り力を付与する所定の方向に移動自在なバックテンションプーリと、
前記バックテンションプーリを前記所定の方向に、所定の範囲にわたって無段階で付勢する付勢手段とを有し、
前記付勢手段は、前記バックテンションプーリを支持する揺動部材と、前記揺動部材に沿って移動するスライド部材と、前記スライド部材と取り付け部との間に配置され、前記取り付け部から前記揺動部材に対して付勢力を付与するバネと、前記スライド部材に係合する揺動ガイド部材と、前記揺動ガイド部材を任意の位置に回転させるモータとを備えていることを特徴とするテンション装置。
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---|---|---|---|
JP23706499A JP4422826B2 (ja) | 1999-08-24 | 1999-08-24 | テンション装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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