JP2002346261A - ミシンの糸案内装置 - Google Patents

ミシンの糸案内装置

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JP2002346261A JP2001161197A JP2001161197A JP2002346261A JP 2002346261 A JP2002346261 A JP 2002346261A JP 2001161197 A JP2001161197 A JP 2001161197A JP 2001161197 A JP2001161197 A JP 2001161197A JP 2002346261 A JP2002346261 A JP 2002346261A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ミシンの製造コストを抑えつつも、作業の手
間を省略できるようにする。 【解決手段】 ミシンの糸案内装置1は、ミシン2に適
用される。ミシン2は糸移送手段を備える。糸移送手段
は、上糸を把持する糸把持部72を有するとともに、上
糸を把持した状態の糸把持部72を針近傍へ移動させる
ことにより上糸を針近傍へ移送する。ミシンの糸案内装
置1は、糸案内溝11を備える。糸案内溝11は、上糸
を供給する糸ゴマ8から引き出された上糸を、糸把持部
72へ案内するものである。ミシンの糸案内装置1に
は、糸把持部72よりも下流側に、糸案内溝11に案内
された上糸を所定長さに切断する切刃17aが設けられ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミシンの糸案内装
置に係り、詳細には、上糸を把持する糸把持部を有する
とともに、この糸把持部により把持した上糸を針近傍へ
移送する糸移送手段を備えるミシンに適用されるミシン
の糸案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、糸ゴマから引き出した上糸を
自動的に縫針へ移送し、縫針の目孔に通すミシンが知ら
れている。
【0003】例えば、特開平11−179084号公報
に記載の刺繍縫いミシンは、糸搬送手段、糸渡し手段、
糸通し手段を備えている。糸搬送手段は、糸ゴマから引
き出された上糸を把持して糸渡し手段の糸把持部まで上
糸を搬送する。糸渡し手段は、糸搬送手段から受け取っ
た上糸を糸把持部により把持した状態で、縫針近傍へ上
糸を搬送する。糸通し手段は、糸渡し手段により搬送さ
れた上糸を縫針の目孔内に挿通する。上記公報に記載の
糸搬送手段、糸渡し手段、糸通し手段は、それぞれステ
ッピングモータにより自動的に駆動される構成となって
いる。これにより、糸ゴマから引き出した上糸を縫針ま
で導いて目孔に通すまでの手作業を省略することができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報の刺
繍縫いミシンでは、上糸を縫針の目孔に通すまでの手作
業を省略できる、という利点がある一方、自動制御によ
り駆動する糸搬送手段、糸渡し手段、糸掛け手段などの
装置を多く備えるために、ミシンの製造コストが増大す
る、という問題が生じていた。本発明の課題は、ミシン
の製造コストを抑えつつも、作業の手間を省略できるよ
うにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、例えば、図1および図5に
示すように、上糸を把持する糸把持部(72)を有する
とともに、上糸を把持した状態の前記糸把持部を針近傍
へ移動させることにより上糸を針近傍へ移送する糸移送
手段(7)を備えるミシン(2)に適用されるミシンの
糸案内装置(1)であって、上糸を供給する糸供給部
(糸ゴマ8)から引き出された上糸を、前記糸把持部へ
案内する糸案内溝(11)を備え前記糸把持部よりも
下流側に、糸案内溝に案内された上糸を所定長さに切断
する切刃(17a)が設けられていることを特徴とす
る。ここで、糸案内溝においては、糸供給部から引き出
された上糸が糸案内溝により糸把持部へ案内された状態
における上糸の先端側を下流側とし、その反対側(糸供
給部側)を上流側とする。
【0006】請求項1記載の発明によれば、ミシンの糸
案内装置は前記糸案内溝を備えるので、作業者が糸供給
部から引き出された上糸を持って、糸案内溝に沿って移
動させると、上糸は糸把持部へ案内され、糸把持部によ
り把持される。したがって、作業者は、上糸を糸案内溝
に沿って移動させるだけで、容易に上糸を糸把持部まで
誘導できる。また、ミシンの糸案内装置が適用されるミ
シンは、前記糸移送手段を備えるので、糸把持部により
把持された上糸は、糸移送手段により針近傍へ移送され
る。したがって、作業者は、上糸を針近傍まで導く作業
を行う必要がない。以上のように、請求項1記載の発明
では、糸供給部から引き出された上糸を糸移送手段の糸
把持部まで搬送するための装置(上述の従来公報に記載
の糸搬送手段)を設けなくても、容易に上糸を糸把持部
まで誘導でき、さらに、上糸を針近傍まで導く手作業を
省略できる。したがって、従来に比べて、ミシンの製造
コストをより低く抑えつつ、作業の手間を省略すること
ができる。
【0007】また、ミシンの糸案内装置には前記切刃が
設けられているので、作業者は、糸案内溝に沿って上糸
を移動させる動作を行うだけで、容易に上糸を所定長さ
に切断できる。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載のミ
シンの糸案内装置において、例えば、図1に示すよう
に、糸案内溝には、糸把持部と切刃との間に、前記糸案
内溝に沿って前記糸把持部から前記切刃へ移動する上糸
に抗する抵抗部(案内テンションばね16)が設けられ
ていることを特徴とする。ここで、抵抗部としては、例
えば、ばねなどの弾性部材や、糸案内溝内に突出する突
出部材などが挙げられるが、特にこれらの例に限定され
るものではない。
【0009】請求項2記載の発明によれば、糸案内溝に
前記抵抗部が設けられているので、作業者が糸案内溝に
沿って上糸を糸把持部から切刃へ移動させる際に、上糸
は、抵抗部が設けられている位置で、抵抗部によって抵
抗力を受ける。したがって、より下流側に設けられた切
刃まで上糸を移動させるには、抵抗部による抵抗力より
も強い力で上糸を引っ張る必要がある。このため、作業
者は上糸をピンと張った状態で糸案内溝に沿って移動さ
せることになるので、上糸が確実に糸把持部へ案内され
る。すなわち、上糸がピンと張られていない状態では、
上糸が糸案内溝内でたるんで、糸把持部内に上糸が入り
込まない可能性があるが、請求項2記載の発明では、上
糸がピンと張った状態で糸案内溝に沿って移動して、確
実に糸把持部へ入り込んでいくので、上糸を糸把持部に
確実に把持させることができる。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項2記載のミ
シンの糸案内装置において、例えば、図2および図3に
示すように、抵抗部は、糸案内溝における上糸の移動経
路上で点接触する弾性部材(案内テンションばね16)
であることを特徴とする。ここで、弾性部材としては、
例えば、薄板ばね、針金などの弾性体のみに限らず、例
えば、そのもの自体が弾性を有しておらず、他の弾性体
(例えば、コイルスプリングなど)によって弾性が付与
された部材なども含まれる。また、弾性部材どうしが互
いに点接触する構成に限らず、固定部材に対して弾性部
材が点接触する構成も含まれる。
【0011】請求項3記載の発明によれば、抵抗部は弾
性部材であって、この弾性部材が糸案内溝における上糸
の移動経路上で点接触しているので、作業者が糸案内溝
に沿って上糸を引っ張って、上糸が弾性部材の点接触位
置を通り過ぎた後には、上糸は自由な状態になる。よっ
て、上糸が弾性部材に挟まれたまま残るようなことがな
い。これにより、上糸を把持した状態の糸把持部が糸移
送手段により針近傍へ移動する際に、弾性部材によって
上糸の一端側が引っ張られてしまうことがないので、糸
把持部の糸把持位置から上糸の端までの長さが必要以上
に長くなるのを防止できる。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれか記載のミシンの糸案内装置において、例えば、図
2および図5に示すように、糸把持部の糸入り口(72
a(先端部74a))には、下方から当接する可撓性部
材(パイル材15)が設けられていることを特徴とす
る。ここで、可撓性部材としては、例えば、毛状のパイ
ル材や、スポンジ、綿(わた)状部材などが挙げられる
が、特にこれらの例に限定されるものではない。
【0013】請求項4記載の発明によれば、ミシンの糸
案内装置は前記可撓性部材を備えているので、作業者が
糸案内溝に沿って上糸を移動させる際に、上糸が糸案内
溝内でたるんでいる場合にも、上糸は可撓性部材によっ
て上方へ持ち上げられ、糸入り口の高さに合わせられ
る。よって、作業者が上糸をたるませた状態で糸案内溝
に沿って移動させた場合にも、上糸を確実に糸入り口へ
誘導して、糸把持部に案内できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図5を参照して本発
明の実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態のミシ
ンの糸案内装置1は、後述する糸案内溝11、リブ12
・13・14、側面部19、パイル材15、案内テンシ
ョンばね16、糸切り刃17、およびU字状溝18など
を備えて構成されている。
【0015】ミシンの糸案内装置1を適用したミシン2
は、図1に示すように、その外側が、フロントパネル
3、面部カバー4、およびリアパネル5により覆われて
いる。面部カバー4は、開閉可能にリアパネル5に対し
て取り付けられている。図1には、面部カバー4を閉じ
た状態を図示している。
【0016】ミシン2の上面21において、フロントパ
ネル3とリアパネル5との間には、隙間11aが開けら
れている。また、面部カバー4を閉じた状態では、面部
カバー4とリアパネル5との間に、隙間11aから連続
して、上面21から後面23へ連続する隙間11bが開
けられている。隙間11a・11bにより、上糸を案内
する糸案内溝11が構成されている。糸案内溝11の入
口側(隙間11a側)のフロントパネル3の下部には、
ベーステンション30が設けられている。ベーステンシ
ョン30は、一対の把持板と、この把持板を接近させる
ように付勢する図示しないバネとから構成されている。
ベーステンション30は、糸を把持することにより、縫
製中に糸に所定の張力を付与するものである。また、糸
案内溝11の出口側(隙間11b側)のリアパネル5下
部には、後述する待機位置の糸把持部72が配置されて
いる。また、糸案内溝11は、入口側の隙間11aが作
業者側(図1において、右下側)に向けて緩やかにカー
ブを描いた形状とされる一方、出口側の隙間11bは急
激なカーブ形状とされている。この糸案内溝11のカー
ブ形状により、糸案内溝11に沿って糸を通すと、ベー
ステンション30と糸把持部72とに糸を容易に案内で
きるようになっている。
【0017】図2および図5に示すように、ミシン2の
内部には、上糸を針(図示省略)近傍まで移送する糸移
送手段7が設けられている。なお、図2〜図5において
は、フロントパネル3および面部カバー4の図示を省略
している。糸移送手段7は糸移送体71を備えている。
糸移送体71の一端側(図2および図5において、上
側)には、上糸を把持する糸把持部72と、上糸をガイ
ドする糸ガイド部76とが設けられている。糸移送体7
1の他端側(図2および図5において、下側)は、図示
しない軸により回転可能に支持されている。
【0018】図5に示すように、糸把持部72は、糸移
送体71と一体とされている固定板73と、圧縮ばね7
5により固定板73に対して下方から押しつけられる押
さえ板74と、を備えて構成されている。固定板73の
先端部73aと、押さえ板74の先端部74aは、互い
に離れる方向へ反った形状とされており、これら先端部
73a・74aにより、上糸を固定板73と押さえ板7
4との間へ誘導する糸入り口72aが構成されている。
【0019】図1および図2に示すように、糸ガイド部
76の先端には、糸把持部72の糸入り口72aの開口
方向と同じ方向に開いた形状のV字状溝76aが形成さ
れている。V字状溝76aは、糸把持部72の固定板7
3の下面とほぼ同じ高さ位置に形成されている。
【0020】図2および図5に示すように、糸移送体7
1には、保持圧切替部材77が、その中間部において軸
77aにより回転可能に取り付けられている。図5に示
すように、保持圧切替部材77の一端部77b(図中に
おいて、上側の端部)は、圧縮ばね75の下端に当接さ
れている。また、保持圧切替部材77の他端部77c
は、リンク部材78に対して回転可能に取り付けられて
いる。
【0021】また、図示しないリンク機構により、リン
ク部材78が鉛直面上で移動するように構成されてい
る。以上の構成により、リンク機構によるリンク部材7
8の移動に伴って、保持圧切替部材77が軸77aを中
心にして回動し、一端部77bと固定板73との間の距
離が変化するようになっている。すなわち、リンク機構
によって、固定板73と一端部77bとの間の圧縮ばね
75のたわみ度合いが調節され、押さえ板74が固定板
73に対して押しつけられる力(糸把持部72の保持
圧)が調整されるようになっている。
【0022】糸移送体71は、図示しないステッピング
モータを駆動源として、一端側(図2および図5におい
て、下側)を中心に回転駆動される。これにより、糸把
持部72へ上糸をセットするときの待機位置と、上糸を
把持した状態の糸把持部72が針近傍へ移動して、針の
目孔に上糸が通されるときの糸通し位置と、に往復動す
るようになっている。ここで、図1、図2および図4、
図5には、糸移送手段7が待機位置に移動した状態を図
示している。
【0023】糸移送手段7が待機位置に移動した状態で
は、糸把持部72および糸ガイド部76がリアパネル5
の下方に入り込むとともに、糸入り口72aおよびV字
状溝76aがミシン2の前面22側(図5において、右
側)へ向けられている。また、待機位置では、上述した
リンク機構により、糸把持部72の保持圧が、固定板7
3と押さえ板74との間に糸を挟んだ場合にこの糸が容
易に糸把持部72から抜けない力に調節されている。
【0024】また、ミシン2には、糸移送手段7により
針近傍へ移送された上糸を針の目孔に挿通する糸通し手
段(図示省略)が設けられている。糸通し手段は、図示
しないステッピングモータを駆動源として、自動的に糸
通しを行えるようになっている。糸通し手段の構成は従
来より周知であるので、その説明を省略する。
【0025】図2に示すように、リアパネル5には、待
機位置に移動した状態の糸把持部72、糸ガイド部76
の両側に、固定板73の下面近傍まで下方へ延出したリ
ブ12・13がそれぞれ設けられている。また、リアパ
ネル5の面部カバー4側(図2において、左側)の端部
には、固定板73の下面近傍まで延出する側面部19が
設けられている。リブ12・13および側面部19に
は、図5に示すように、ミシン2の上面21側から、糸
把持部72の糸入り口72aへ向けて傾斜する傾斜部が
形成されている。図5においては、側面部19の傾斜部
19aのみ図示している。
【0026】図2および図5に示すように、ミシン2内
部に設けられる内カバー6の上面には、待機位置に移動
した状態の糸把持部72と糸ガイド部76との間となる
位置に、押さえ板74の上面近傍まで上方へ延出したリ
ブ14が設けられている。図5に示すように、リブ14
には、内カバー6の上面から糸把持部72の糸入り口7
2aの高さへ向けて傾斜する傾斜部14aが形成されて
いる。また、内カバー6の上面には、糸把持部72の糸
入り口72a前方に、押さえ板74の先端部74aに下
方から当接する毛状のパイル材15が取り付けられてい
る。
【0027】また、図1に示すように、リアパネル5に
は、ミシン2の上面21側において、面部カバー4と向
き合う側の端部に、案内テンションばね16が取り付け
られている。案内テンションばね16は薄板ばねであ
り、図2および図4に示すように、リアパネル5の内側
に固定される固定部16aと、面部カバー4側(図2に
おいて左側、図4において下側)、かつ、ミシン2の後
面23側(図4において、左側)へ向けて延出する延出
部16bと、延出部16bの先端からリアパネル5の側
面部19へ向けてくの字状に曲げられた形状のくの字状
部16cと、を備えて構成されている。
【0028】図4に示すように、案内テンションばね1
6は、くの字状部16cの屈曲部16dが、ミシン2の
後面23側で、リアパネル5の側面部19に対して点接
触して押しつけられるよう、リアパネル5に対する固定
部16aの取付位置が設定されている。また、くの字状
部16cの先端が、面部カバー4を閉じた状態で、面部
カバー4の上面(図1に示す上面4a)によって覆われ
るよう、くの字状部16cの長さや屈曲形状が設定され
ている。また、案内テンションばね16は、屈曲部16
dと側面部19とが当接している位置よりも上方に上糸
が位置している状態では、この上糸の端部を後述する切
刃17a(図3、図5に図示)によって切断できないよ
う、取付位置が設定されている。
【0029】図3および図4に示すように、リアパネル
5の後面23側には、糸案内溝11の終点となるU字状
溝18が形成されている。また、リアパネル5には、U
字状溝18の内面側において、上方に切刃17aが向け
られた糸切り刃17が取り付けられている。糸切り刃1
7の切刃17aは、U字状溝18の幅方向いっぱいにわ
たるように長さが設定されている。また、糸把持部72
から案内テンションばね16の延出部16bを経由して
切刃17aに至るまでの距離が、上述した糸通し手段に
よる糸通しに適切な糸の長さと等しくなるよう、糸切り
刃17の取付位置が設定されている。
【0030】次に、糸移送手段7の糸把持部72へ上糸
をセットする際の動作について説明する。ここで、糸移
送手段7は、あらかじめ、図示しないステッピングモー
タによって待機位置に移動している。まず、作業者は、
面部カバー4を閉じる。その後、糸ゴマ8(糸供給部)
から上糸を引き出し、糸ゴマ8側の隙間11aから隙間
11bへ沿って、上糸を移動させる。
【0031】上糸を、糸案内溝11に沿って、案内テン
ションばね16が取り付けられている位置まで移動させ
ると、上糸は、リアパネル5内面に設けられたリブ12
・13と、リアパネル5の側面部19と、内カバー6上
面に設けられたリブ14と、によって、糸把持部72の
糸入り口72a、および糸ガイド部76のV字状溝76
aに案内される。このとき、作業者が上糸をたるませた
状態で移動させた場合には、上糸は糸把持部72の糸入
り口72aの前方で、パイル材15によって糸入り口7
2aの高さ位置まで押し上げられた状態で、図5におい
て左側へ引き動かされる。これにより、上糸が確実に固
定板73と押さえ板74との間に誘導される。
【0032】引き続き上糸を糸案内溝11に沿って移動
させると、上糸の移動経路上で、案内テンションばね1
6の屈曲部16dとリアパネル5の側面部19とが点接
触しているため、この位置を通過させるために、作業者
は、上糸の先端を引っ張り下げる。このとき、上糸がピ
ンと張られるため、上糸が固定板73に対する押さえ板
74の押しつけ力に逆らって固定板73と押さえ板74
との間に入り込み、固定板73と押さえ板74とに挟み
つけられて把持される。
【0033】上糸の先端を引っ張り下げる力が、屈曲部
16dの側面部19に対する押しつけ力に勝つと、上糸
が案内テンションばね16の延出部16bとくの字状部
16cと側面部19との間に囲まれた部分に入り込むと
ともに、U字状溝18に設けられた切刃17aによって
切断される。以上のようにして、糸把持部72への上糸
のセットが終了する。
【0034】上糸を糸把持部72にセットしたあと、作
業者がミシン2に設けられた図示しない操作ボタンを操
作すると、図示しないステッピングモータが駆動制御さ
れ、糸移送手段7の糸移送体71が、図5における糸移
送体71の下端部を中心として時計回りに回転駆動す
る。これにより、糸把持部72によって上糸が把持され
た状態のまま、糸移送体71の先端が回動し、最終的
に、糸把持部72が針近傍まで移動する。その後、図示
しないステッピングモータにより上述した糸通し手段が
駆動され、上糸が針の目孔に挿通される。
【0035】以上のように、本実施の形態例のミシンの
糸案内装置1によれば、糸ゴマ8から引き出された上糸
を糸把持部72まで自動的に搬送するための装置を設け
なくても、上糸を糸案内溝11に沿って移動させるだけ
で上糸を糸把持部72まで誘導できる。また、ミシン2
には、糸移送手段7、糸通し手段が設けられているの
で、作業者は、上糸を針近傍まで導く作業や、糸通し作
業を行う必要がない。したがって、従来に比べて、ミシ
ンの製造コストをより低く抑えつつ、上糸を針の目孔に
通すまでの作業の手間を省略することができる。
【0036】また、糸案内溝11の終点には、糸切り刃
17が設けられているので、糸案内溝11に沿って上糸
を移動させる動作を行うだけで、容易に上糸を糸通しに
適切な長さに切断することができる。
【0037】また、糸案内溝11の上糸の移動経路上
に、案内テンションばね16が設けられているので、作
業者は、この位置で上糸を引っ張らざるを得ない。よっ
て、確実に上糸がピンと張られた状態とされ、これによ
り、上糸を確実に糸把持部72に把持させることができ
る。
【0038】また、案内テンションばね16は、側面部
19に対して点接触するように取り付けられているの
で、上糸が案内テンションばね16の位置を通り過ぎた
後には、上糸は自由な状態になる。よって、上糸が案内
テンションばね16に挟まれたまま残るようなことがな
い。これにより、糸把持部72への上糸セットを終えた
後に、糸移送手段7を駆動させて糸把持部72を針近傍
へ移動させるときに、上糸の一端が引っ張られてしまう
ことがなく、上糸が糸通しに適切な長さ分だけ残された
ままとなる。よって、糸通し手段による糸通しを適切に
行うことができる。
【0039】また、糸把持部72の糸入り口72aに下
方から当接するパイル材15が設けられているので、作
業者が上糸をたるませた状態で糸案内溝11に沿って上
糸を移動させた場合にも、上糸を確実に糸入り口72a
に誘導させることができる。また、糸入り口72aの前
側に毛状のパイル材15を設置する構成としたので、糸
移送体71を回転駆動させた場合にも、糸把持部72の
移動を妨げることがない。
【0040】なお、本発明は、上述の本実施の形態に限
定されるものではない。例えば、案内テンションばね1
6は、くの字状部16cを備えるものとしたが、例え
ば、側面部19側に突起部を設け、この突起部に対し
て、平板状の案内テンションばねが点接触する構成とし
ても良い。また、案内テンションばね16は、薄板ばね
で構成されるものとしたが、これに限らず、例えば、針
金などの弾性を有する部材で構成しても良いし、コイル
スプリングなどで当接部材を側面部19に押しつける構
成としても良い。また、案内テンションばねに代えて、
例えば、糸案内溝11に沿って切刃17aへ移動する上
糸に抵抗する突出部を設ける構成としても良い。
【0041】また、案内テンションばね16や、糸切り
刃17は、リアパネル5に取り付けられているものとし
たが、これに限らず、例えば、面部カバー4などの他の
部材に取り付けるものとしても良い。また、パイル材1
5に代えて、例えば、スポンジや、綿(わた)状の部材
を、押さえ板74の先端部74aに当接するように取り
付けても良い。また、リブ12〜14、側面部19の形
状や、糸移送手段7の構成は、適宜に変更可能である。
【0042】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、糸供給部
から引き出された上糸を糸移送手段の糸把持部まで搬送
するための装置を設けなくても、容易に上糸を糸把持部
まで誘導でき、上糸を針近傍まで導く手作業を省略でき
る。したがって、従来に比べて、ミシンの製造コストを
より低く抑えつつ、作業の手間を省略できる。また、糸
案内溝に沿って上糸を移動させる動作を行うだけで、容
易に上糸を所定長さに切断できる。
【0043】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、上糸
を糸把持部に入り込ませて、糸把持部に確実に把持させ
ることができる。請求項3記載の発明によれば、請求項
2記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、
糸把持部の糸把持位置から上糸の端までの長さが必要以
上に長くなるのを防止できる。請求項4記載の発明によ
れば、請求項1〜3のいずれかに記載の発明と同様の効
果が得られるのは勿論のこと、作業者が上糸をたるませ
た状態で糸案内溝に沿って移動させた場合にも、上糸を
確実に糸入り口へ誘導して、糸把持部に案内できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態のミシンの糸案
内装置を適用したミシンの外観を示す斜視図である。
【図2】図1中のX円部の内部構造を示す正面図であ
る。
【図3】図1中のX円部を示す背面図である。
【図4】図1中のX円部を示す平面図である。
【図5】図1中のX円部の内部構造を示す側面図であ
る。
【符号の説明】
1 ミシンの糸案内装置 2 ミシン 7 糸移送手段 8 糸ゴマ(糸供給部) 11 糸案内溝 15 パイル材(可撓性部材) 16 案内テンションばね(抵抗部、弾性部材) 17a 切刃 72 糸把持部 72a 糸入り口 74a 先端部(糸入り口)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上糸を把持する糸把持部を有するととも
    に、上糸を把持した状態の前記糸把持部を針近傍へ移動
    させることにより上糸を針近傍へ移送する糸移送手段を
    備えるミシンに適用されるミシンの糸案内装置であっ
    て、 上糸を供給する糸供給部から引き出された上糸を、前記
    糸把持部へ案内する糸案内溝を備え、 前記糸把持部よりも下流側に、糸案内溝に案内された上
    糸を所定長さに切断する切刃が設けられていることを特
    徴とするミシンの糸案内装置。
  2. 【請求項2】 糸案内溝には、糸把持部と切刃との間
    に、前記糸案内溝に沿って前記糸把持部から前記切刃へ
    移動する上糸に抗する抵抗部が設けられていることを特
    徴とする請求項1記載のミシンの糸案内装置。
  3. 【請求項3】 抵抗部は、糸案内溝における上糸の移動
    経路上で点接触する弾性部材であることを特徴とする請
    求項2記載のミシンの糸案内装置。
  4. 【請求項4】 糸把持部の糸入り口には、下方から当接
    する可撓性部材が設けられていることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか記載のミシンの糸案内装置。
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