JP4421327B2 - X線コリメータ及びx線撮像装置 - Google Patents

X線コリメータ及びx線撮像装置 Download PDF

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Description

本発明は、X線コリメータ及びX線撮像装置に関するものである。
X線撮像装置は、検査対象を破壊しないでその内部構造を見ることができることから、医療診断や製品検査等において広く利用されている。特許文献1には、従来のX線撮像装置(発明の名称:X線画像形成システム)が開示されている。このX線撮像装置は、X線管と、X線管から放射されたX線の向きを平行にするコリメータと、検査対象を透過した平行X線を検出(撮像)するフラットパネルディテクタとを備えている。
また、特許文献2には、上記したようなX線撮像装置に用いられるコリメータ(発明の名称:ビーム制御装置)が開示されている。このコリメータは、X線を通過させる複数のチャネルを束ねて構成されており、X線入射端における該チャネルの中心軸方向をX線入射方向に合わせている。そして、X線出射端における該チャネルの中心軸方向を、各チャネルが互いに収束する方向、或いは各チャネルが互いに平行となる方向としている。
特開平11−285488号公報 特許第3090471号公報
しかしながら、上記した特許文献1のX線撮像装置は、次のような問題がある。すなわち、特許文献1にはコリメータとして複数のチャネル(ガラスキャピラリ)が互いに平行に束ねられたものが示されている。X線がX線管から放射状に出射される場合、このように各チャネル同士が平行なコリメータを用いると、コリメータの中心から遠いチャネルにはX線が入射されにくい。このため、コリメータの中心付近に位置するチャネルしかX線が通過できず、X線の照射野が狭くなってしまう。
他方、特許文献2に開示されたコリメータは、各チャネルにX線が効率よく入射するようにX線入射端におけるチャネルの中心軸方向をX線入射方向に合わせているが、X線をX線出射端から収束方向または平行方向に出射している。X線撮像装置においては、検査対象の内部構造を詳細に観察するために画像の解像度を向上させることも重要な課題であるが、特許文献2に開示されたコリメータのようにX線を収束方向または平行方向に出射すると、隣接するチャネルから出射されたX線同士の距離が近いために該X線同士が干渉しやすくなり、撮像部に形成されるX線像の解像度が低くなってしまう。また、X線の照射野の広さがコリメータの出射面の大きさに応じて限定されてしまう。
本発明は、上記した問題点を鑑みてなされたものであり、広い照射野を確保するとともに高い解像度での撮像を可能とするX線コリメータ及びX線撮像装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明によるX線コリメータは、X線源から放射されたX線の進行方向を整えるためのX線コリメータであって、X線を受ける入射面と、X線を出射する出射面と、入射面と出射面との間を貫通するように設けられ、該貫通方向にX線を通過させる複数のチャネルとを備え、チャネルの出射面側の開口径D CH-OUT と、該チャネルの入射面側の開口径D CH-IN との比D CH-OUT /D CH-IN が1.3以下であり、複数のチャネルそれぞれの中心軸線同士の間隔が、入射面から出射面へ近づくに従って拡大しており、複数のチャネルそれぞれを通過したX線同士の間隔が広がる方向にX線を出射することを特徴とする。
上記したX線コリメータでは、入射面から出射面へ近づくに従って各チャネルの中心軸線同士の間隔が拡大しているので、X線源から放射状に出射されたX線が各チャネルに好適に入射されるとともに、各チャネルを通過したX線同士の出射後の間隔が広がる方向へX線が出射される。従って、上記したX線コリメータによれば、平行なX線を出射するコリメータと比較して、広い照射野を確保することができる。また、上記したX線コリメータによれば、撮像装置に入射する時点でのX線同士の間隔を充分に広げることができるので、各チャネルを通過したX線同士の干渉が抑えられ、高い解像度での撮像が可能となる。また、チャネルの出射面側の開口径D CH-OUT と、該チャネルの入射面側の開口径D CH-IN との比D CH-OUT /D CH-IN が1.3以下であることによって、さらに高い解像度での撮像が可能となる。
また、X線コリメータは、入射面と出射面との間隔Lと、チャネルの入射面側の開口径DCH-INとの比L/DCH-INが、100以上であることを特徴としてもよい。これによって、さらに高い解像度での撮像が可能となる。
また、X線コリメータは、入射面と出射面との間隔Lと、チャネルの入射面側の開口径DCH-INとの比L/DCH-INが、400以下であることを特徴としてもよい。これによって、X線コリメータにおけるX線透過率を充分に確保することができる。
また、X線コリメータは、チャネルの入射面側の開口径が50μm以下であることを特徴としてもよい。これによって、さらに高い解像度での撮像が可能となる。
また、本発明によるX線撮像装置は、検査対象にX線を照射するとともに、検査対象を透過したX線を撮像するX線撮像装置であって、X線を発生するX線源と、X線源からのX線を入射面に受けるとともに、出射面から出射したX線が検査対象に照射されるように配置された上記したいずれかのX線コリメータと、検査対象を透過したX線を撮像する撮像部とを備えることを特徴とする。
このX線撮像装置では、X線源から出射されたX線を上記したいずれかのX線コリメータに通過させた後、検査対象を透過したX線を撮像部において撮像する。従って、このX線撮像装置によれば、広い照射野を確保するとともに高い解像度で撮像することができる。
本発明によるX線コリメータ及びX線撮像装置によれば、広い照射野を確保するとともに高い解像度で撮像することが可能になる。
以下、添付図面を参照しながら本発明によるX線コリメータ及びX線撮像装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施の形態)
図1は、本発明によるX線撮像装置及びX線コリメータの実施形態を示す構成図である。本実施形態によるX線撮像装置1は、検査対象である被検体の体内を撮像するための医療用X線撮像装置である。図1を参照すると、本実施形態によるX線撮像装置1は、X線管3と、X線コリメータ5と、照射野限定器7と、寝台9と、撮像部11と、保持装置13とを備えている。
X線管3は、被検体に照射されるX線31を発生するためのX線源である。寝台9は、被検体を載置するための装置である。寝台9は、X線管3のX線31照射方向に配置される。撮像部11は、被検体を透過した透過X線33を撮像するための装置であり、例えば透過X線33を電気的な画像データに変換する固体撮像素子を有している。撮像部11は、X線管3との間に寝台9を挟むようにX線管3と対向して配置される。X線コリメータ5は、X線管3から放射されたX線31の進行方向を整えるための装置である。
X線コリメータ5は、X線管3と寝台9との間(すなわちX線管3と被検体との間)であってX線管3の近傍に配置される。照射野限定器7は、X線31の照射野を限定するための装置である。照射野限定器7は、例えば鉛などのX線を遮蔽する材料を含んでおり、X線31を通過させるための開口を有している。照射野限定器7は、X線管3と寝台9との間であってX線管3の近傍に配置される。保持装置13は、X線管3と撮像部11との相対位置を保持するための装置であり、寝台9に対して相対的に移動可能となっている。
また、X線撮像装置1は、上記構成に加えて、X線管3におけるX線31の発生を制御するX線制御部15と、寝台9の位置を制御する寝台制御部17と、保持装置13を動作させることによりX線管3及び撮像部11の被検体に対する相対位置を制御する保持装置制御部19と、撮像部11の動作を制御する撮像制御部21と、撮像部11からの画像データを処理する画像処理部23とをさらに備えている。
ここで、図2(a)は、本実施形態によるX線コリメータ5の構造を示す斜視図である。また、図2(b)は、図2(a)に示したX線コリメータ5のI−I断面を示す側面断面図である。図2(a)及び図2(b)を参照すると、X線コリメータ5は、X線管3(図1参照)からのX線31を受ける入射面5aと、入射面5aに受けたX線31を出射する出射面5bと、入射面5aと出射面5bとの間を貫通するように設けられ、貫通方向にX線31を通過させる複数のチャネル53とを備えている。また、入射面5aと出射面5bとは互いに平行な面である。
X線コリメータ5は、X線を遮蔽する材料(例えば鉛を含んだガラス)からなる円筒形の部材が複数束ねられ、融着されることにより形成されている。複数のチャネル53は、その中心軸線Cが入射面5aから出射面5bへ向けて直線状になるように設けられている。また、複数のチャネル53は、それぞれの中心軸線C同士の間隔が、入射面5aから出射面5bへ近づくに従って拡大するように設けられている。つまり、出射面5bにおける中心軸線C同士の間隔WOUTと、入射面5aにおける中心軸線C同士の間隔WINとの比(WOUT/WIN)が、1よりも大きくなっている。このようなチャネル53の形状に従い、X線コリメータ5の側面55は角度θのテーパ状となっている。換言すれば、X線コリメータ5においては、出射面5bの径DCP-OUTと入射面5aの径DCP-INとの比(DCP-OUT/DCP-IN)が1よりも大きくなっている。側面55のテーパ角θは、X線管3から放射されたX線31を各チャネル53に好適に入射させるために、7°〜40°であることが好ましい。なお、テーパ角θが広いほど、高い解像度が得られる傾向がある。X線コリメータ5のうちチャネル53以外の部分はX線を遮蔽する材料からなるので、入射面5aから入射したX線31の内、チャネル53を通過し得ない部分は、各チャネル53内において管壁に吸収される。
再び図1を参照しながら、上記したX線撮像装置1の動作について説明する。まず、被検体が寝台9上に載置されると、寝台制御部17によって寝台9が適切な位置に制御される。続いて、保持装置制御部19によって保持装置13の位置及び姿勢が制御されることにより、X線管3及び撮像部11の位置及び向きが被検体の撮像対象部位に応じて調整される。続いて、X線制御部15によってX線管3に所定の電源電圧が印加され、X線31が発生する。X線管3から照射されたX線31は、X線コリメータ5のチャネル53を通過するとともに照射野限定器7によって所定の照射野内に制限され、寝台9上の被検体に照射される。
X線31は、X線コリメータ5の各チャネル53内を通過する際に、その進行方向が各チャネル53の中心軸線Cの方向に整えられる。このとき、各チャネル53の中心軸線Cのそれぞれは入射面5aから出射面5bに近づくに従って互いの間隔が拡大しているので、各チャネル53を通過するX線31も出射方向へ向けて互いの間隔が広がる。そして、各チャネル53を通過したX線31は、該X線31同士の間隔が広がる方向へ出射され、被検体に照射される。こうして被検体に照射されたX線31のうち、一部のX線31は被検体内組織のX線吸収特性に応じて吸収される。被検体内において吸収されなかったX線31は被検体を透過し、透過X線33として撮像部11に入射する。撮像部11では、透過X線33が電気的な画像データに変換され、この画像データが画像処理部23に送られる。
本実施形態によるX線撮像装置1及びX線コリメータ5は、次の効果を有する。すなわち、X線撮像装置1及びX線コリメータ5では、入射面5aから出射面5bへ近づくに従って各チャネル53の中心軸線C同士の間隔が拡大しているので、X線管3から放射状に出射されたX線31が各チャネル53に好適に入射されるとともに、各チャネル53を通過したX線31同士の出射後の間隔が広がる方向へX線31が出射される。従って、本実施形態によるX線撮像装置1及びX線コリメータ5によれば、平行なX線を出射するコリメータと比較して、広い照射野を確保することができる。また、各チャネル53を通過したX線31のそれぞれが撮像部11に入射する時点における各X線31同士の間隔を充分に広げることができるので、各チャネル53を通過したX線31同士の干渉が抑えられ、撮像部11において高い解像度での撮像が可能となる。
また、X線撮像装置1では、X線コリメータ5の入射面5aにおける複数のチャネル53それぞれの中心軸線Cの角度が、X線管3から複数のチャネル53それぞれへのX線31の入射角に応じて定められていることが好ましい。これによって、X線管3から例えば放射状に出射されたX線31を各チャネル53に効率よく入射させることができるので、被検体へのX線放射効率を高めることができる。また、入射面5aにおける各チャネル53の中心軸線Cの角度がこのように定められることにより、各チャネル53がX線31の進行方向をより精度良く制御できるので、出射面5bにおけるX線出射方向の精度を高めることができる。従って、さらに高い解像度で撮像することができる。
なお、一般的に、X線撮像装置においては、X線を平行化(斜入射ミラーや結晶でのブラッグ反射等の手法がある)するのが好適な場合もあるが、そのような場合には、広い照射野の確保と高いX線照射効率とを同時に達成することは困難である。すなわち、斜入射ミラーでは、全反射が得られる臨界角がX線エネルギーに依存し、30keV以上のX線では材質がガラスの場合で概ね1mrad以下の臨界角になる。したがって、各チャネルが平行である場合には、全反射されるのはX線ビームの中心部に限られ、その結果スポット状の照射野しか得られない。また、L/DCH-INが1000以下の条件では、X線は全反射するよりもチャネルを通過する確率のほうが高いため、平行X線には至らない。これに対し、本実施形態によるX線撮像装置1及びX線コリメータ5によれば、広い照射野を確保するとともに高いX線照射効率で被検体にX線を照射することができる。
また、一般的にX線撮像装置では、主に被検体内部で発生する散乱線の影響によりコントラストが低下し、鮮鋭度が下がるといった問題がある。これを防ぐために一般的にはグリッドを用いるが、散乱線以外のX線の一部もグリッドに吸収され、撮像部に入射するX線量が低下してしまう。また、充分な密度のグリッドでないと縞目が映し出されてしまうので、高精細画像を得る用途には扱い難い。他方、グレーデル法(エアー・ギャップ法)として被検体と撮像部とを15cm〜20cm離間することにより散乱線の入射を低減する方法があるが、上述の通り高解像度特性を同時に得るのは難しい。これに対し、本実施形態によるX線撮像装置1及びX線コリメータ5によれば、複数のチャネル53のそれぞれを通過したX線31同士が互いに離れる方向に進むので、散乱線の影響を抑えて良好なコントラストを得ることができる。
続いて、上記したX線撮像装置1及びX線コリメータ5の実施例について説明する。図3は、以下に説明する各実施例におけるX線管3、X線コリメータ5、スリット板27、及び撮像部11の相対位置を示す図である。スリット板27は、実施例において被検体を模擬するために設けられたものであり、複数のスリット27aを有する。そして、実施例では、複数のスリット27aを通過したX線31を透過X線34として撮像部11に入射させる構成としている。
(第1の実施例)
まず、第1実施例について説明する。本実施例では、上記した実施形態によるX線撮像装置1によって得られる画像のコントラストについて説明する。また、比較例として、従来のX線コリメータを用いた場合の画像のコントラストについて説明する。
図4(a)は、本実施例における撮像部11上の透過X線34の入射位置と入射強度との相関を示すグラフである。本実施例では、X線コリメータ5の入射面5aと出射面5bとの間隔Lを5mm、各チャネル53の入射面5a側の開口径DCH-INを50μm、各チャネル53の出射面5b側の開口径DCH-OUTを63.3μm、出射面5b側の開口径DCH-OUTと入射面5a側の開口径DCH-INとの比(DCH-OUT/DCH-IN)を1.266、入射面5aと出射面5bとの間隔Lと入射面5a側の開口径DCH-INとの比(L/DCH-IN)を100、入射面5a及び出射面5bのそれぞれにおける各チャネル53の中心軸線C同士の間隔WIN及びWOUTをそれぞれ85μm及び101.6μmに設定した。
また、図4(b)は、上記した実施形態とは異なり、各チャネルの中心軸線Cが互いに平行である場合の、撮像部へのX線像の入射位置と入射強度との相関を第1の比較例として示すグラフである。本比較例では、間隔Lを5mm、開口径DCH-IN及び開口径DCH-OUTをともに50μm、開口径DCH-OUTと開口径DCH-INとの比(DCH-OUT/DCH-IN)を1.0、間隔Lと開口径DCH-INとの比(L/DCH-IN)を100、間隔WIN及びWOUTをともに85μmに設定した。
また、図4(c)はコントラストが良好となるとされる或るL/DCH-INである場合の、撮像部への透過X線の入射位置と入射強度との相関を第2の比較例として示すグラフである。本比較例では、間隔Lを2mm、開口径DCH-IN及び開口径DCH-OUTをともに10μm、開口径DCH-OUTと開口径DCH-INとの比(DCH-OUT/DCH-IN)を1.0、間隔Lと開口径DCH-INとの比(L/DCH-IN)を200に設定した。
X線像のコントラストは、撮像部に入射した透過X線の最大強度をA、最小強度をBとすると、(A−B)/(A+B)として計算され、値が大きいほど解像度が高い。本実施例におけるコントラストは、図4(a)に示したグラフに基づいて、約0.94であった。これに対し、第1の実施例におけるコントラストは、図4(b)に示したグラフに基づいて、約0.12であった。また、第2の実施例におけるコントラストは、図4(c)に示したグラフに基づいて、約0.18であった。このように、本実施例によるX線コリメータ5によれば、複数のチャネル53それぞれの中心軸線C同士の間隔が入射面5aから出射面5bへ近づくに従って拡大していることにより、従来のコリメータと比べてX線像のコントラストを格段に向上できる。
なお、上記した実施例及び比較例における他の条件は以下のとおりである(図3参照)。
X線管とX線コリメータとの距離L1:10cm
X線管とスリット板との距離L2:90cm
スリット板と撮像部との距離L3:20cm
スリット幅L4:100μm
X線管のX線出射口径:1.0mm
X線管のX線放射角:7.0°
(第2の実施例)
続いて、第2実施例について説明する。図5は、入射面5aと出射面5bとの間隔Lと入射面5a側の開口径DCH-INとの比(L/DCH-IN)を変化させたときの、X線コリメータ5におけるX線31の透過率を示すグラフである。なお、図5においては、X線管3とX線コリメータ5の入射面5aとの距離L1が、5cm(グラフG1)、10cm(グラフG2)、15cm(グラフG3)、20cm(グラフG4)である場合の透過率についてそれぞれ示している。これら以外のX線コリメータ形状及び各距離L1〜L4は、上記した第1実施例と同様である。
図5を参照すると、比(L/DCH-IN)が大きくなるにつれてX線コリメータ5におけるX線透過率が減少していることがわかる。例えば動画取得時など、明るくS/Nが高い画像を得るためには、撮像部11へ入射するX線強度を充分に確保することが好ましい。X線31の一部はX線コリメータ5において吸収されるが、吸収分を補うためにはX線管3の管電圧や管電流を大きくすることにより露出倍数を上げるとよい。しかし、管電圧が過大になるとX線31の被検体に対する透過特性が変化し、コントラストが低下する傾向がある。従って、X線コリメータ5におけるX線吸収分を補うためには管電流を大きくすることが望ましいのだが、管電流は、X線管3のエミッション特性や熱特性を考慮する必要性からその大きさが制限されてしまう。以上のことから、X線コリメータ5のX線透過率は、管電流の増加によるX線量の増加の限界を考慮した上で、必要なX線強度を確保できる程度に高いことが望ましい。
最近のX線撮像装置では、一般的に強度0.02〜0.03[mR/フレーム]のX線が撮像部に入射されているとされ、X線管3の管電圧が70kVであれば最低でも管電流は80mA〜120mA程度(距離1m、X線実効エネルギー34keV、被検体厚20cmの場合。但し、X線管やフィルタにより異なり、パルス照射ではそれ以上必要)必要となる。ところが、得られる管電流は最大でも1250mA程度であることが多いため、得られる露出倍数は10倍程度が最大と考えられる。したがって、X線コリメータ5におけるX線透過率は10%以上であることが好ましい。図5を参照すると、例えばX線管3とX線コリメータ5との距離L1を20cm以上とした場合、透過率が10%以上となるL/DCH-IN=400以下が好ましいことがわかる。同様に、距離L1を15cm以上とした場合には、L/DCH-IN=300以下が好ましい。また、距離L1を10cm以上とした場合には、L/DCH-IN=200以下が好ましい。また、距離L1を5cm以上とした場合には、L/DCH-IN=110以下が好ましい。これらの条件を満たすならば、撮影距離(X線管3と被検体との距離)が制限される環境においても、より高いコントラストを得ることができる。
(第3の実施例)
続いて、第3実施例について説明する。図6は、X線管3とスリット板27との距離L2と撮像部11におけるX線像の半値幅との相関を示すグラフである。なお、図6においては、X線コリメータ5が無い場合(グラフG5)、X線コリメータ5があり、L/DCH-INが167である場合(グラフG6)、X線コリメータ5があり、L/DCH-INが1000である場合(グラフG7)のそれぞれについて示している。また、グラフG8は、X線管3及び撮像部11の距離L3と、X線管3及びスリット板27の距離L2との比(L3/L2)に応じて幾何学的に求められる、撮像部11上でのスリット一つあたりの透過X線34の入射幅(すなわちX線像の理想的な半値幅)を示している。
図6を参照すると、例えばX線コリメータ5がない場合、X線管3から90cm離して配置したスリット板27(スリット幅L4:50μm)を投影すると、スリット板27から10cm後方に配置された撮像部11にて得られるX線像のプロファイルの半値幅は100μm以上となり(図中の点P1)、50μm間隔で配置されたスリット27aの解像は難しい。これに対し、L/DCH-INが167であるX線コリメータ5を使用して投影すれば、その解像が可能になる(図中の点P2)。この場合、X線像のプロファイルの半値幅は59μmに抑えられ、幾何学的に求められる入射幅(グラフG8)に近い値となっている。なお、上記した実施例は、X線管3の焦点寸法が1mmの場合である。
X線コリメータ5による上記したコントラスト改善効果は、グラフG6に示すようにX線管3とスリット板27との距離L2が小さくなるほど弱くなる。しかしながら、距離L2が小さい場合でも、X線コリメータ5のL/DCH-INを大きくすることにより良好なコントラストを得ることができる(グラフG7参照)。
図7(a)及び図7(b)は、L/DCH-INとコントラストとの相関を示すグラフである。図7(a)は、スリット板27と撮像部11との距離L3を10cmとした場合を示しており、図7(b)は、距離L3を20cmとした場合を示している。また、それぞれの図において、スリット幅L4が50μmである場合と、スリット幅L4が100μmである場合とについて示している。図7(a)及び図7(b)を参照すると、スリット板27と撮像部11との距離L3が大きいほどコントラストが抑えられる傾向があるが、距離L3を20cmにまで離した場合(図7(b))であっても、X線コリメータ5のL/DCH-INが100以上であれば、スリット幅L4が100μm以上である場合において極めて高い(例えば0.9以上)コントラストが得られることがわかる。また、距離L3が10cmの場合(図7(a))では、X線コリメータ5のL/DCH-INが100以上であれば、スリット幅L4が50μm以上である場合において比較的高い(例えば0.8以上)コントラストが得られることがわかる。
また、画像のコントラストは、X線管3とスリット板27との距離L2によっても変化する。図8は、X線管3とスリット板27との距離L2とコントラストとの相関を示すグラフである。図8において、グラフG9はチャネル53の開口径DCH-INが50μmである場合を示し、グラフG10はチャネル53の開口径DCH-INが100μmである場合を示している。なお、通常の保持装置(Cアーム)では、X線管3とスリット板27との距離L2は70cm〜130cmであることが一般的である。また、図8においては、X線管3とX線コリメータ5との距離L1を10cm、L/DCH-INを100、スリット幅L4を100μmとした。
図8を参照すると、L/DCH-INが100以上であれば、X線管3とスリット板27との距離L2が70cm以上(開口径DCH-INが50μmの場合)または120cm以上(開口径DCH-INが100μmの場合)のときに良好なコントラスト(0.9以上)を得ることができる。したがって、X線コリメータ5のL/DCH-INが100以上であれば、撮影距離が制限された環境(例えば、保持部材としてCアームを用いる場合など)においてもコントラストを改善できる。また、より良好なコントラストを得るためには、チャネル53の開口径DCH-INが50μm以下であることが好ましい。
(第4の実施例)
続いて、第4実施例について説明する。図9は、X線コリメータ5のチャネル53の開口径DCH-INとコントラストとの相関を示すグラフである。なお、本実施例においては、X線管3とX線コリメータ5の出射面5bとの間隔を5cm(グラフG11)、10cm(グラフG12)、及び15cm(グラフG13)としている。また、本実施例においては、L/DCH-INを150とし、X線管3とスリット板27との距離L2を65cmとし、スリット板27と撮像部11との距離L3を15cmとし、スリット幅L4を100μmとしている。図9を参照すると、X線像のコントラストはチャネル53の開口径DCH-INにも依存しており、同一のL/DCH-INでは、チャネル53の開口径DCH-INが大きくなるにしたがってコントラストが低下することがわかる。そして、X線管3とX線コリメータ5の出射面5bとの間隔が5cm、10cm、15cmのいずれの場合においても、チャネル53の開口径DCH-INは、1.0に近い極めて良好なコントラストが得られる50μm以下であることが望ましい。
(第5の実施例)
続いて、第5実施例について説明する。図10は、X線コリメータ5のチャネル53の出射面5b側の開口径DCH-OUTと入射面5a側の開口径DCH-INとの比(DCH-OUT/DCH-IN)と、コントラストとの相関を示すグラフである。なお、本実施例においては、開口径DCH-INを50μm、比(L/DCH-IN)を100、X線コリメータ5の入射面5aの径DCP-INを11.1mm、X線コリメータ5の出射面5bの径DCP-OUTと入射面5aの径DCP-INとの比(DCP-OUT/DCP-IN)を1.20、テーパ角θを11°としている。また、X線管3とX線コリメータ5の入射面5aとの距離L1を10cm、X線管3とスリット板27との距離L2を90cm、スリット板27と撮像部11との距離L3を20cm、スリット幅L4を100μmとしている。また、X線管3のX線出射口径を1.0mmとしている。
図10を参照すると、X線コリメータ5の比(DCH-OUT/DCH-IN)が大きいほど、コントラストが低下することがわかる。また、図10より、比(DCH-OUT/DCH-IN)が1.30以下であれば充分に良好なコントラスト(0.9以上)が得られることがわかる。
本発明によるX線コリメータ及びX線撮像装置は、上記した実施形態及び実施例に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記した実施形態ではX線コリメータの側面形状をテーパ状とし、複数のチャネルの中心軸線を直線としている。X線コリメータの形状はこれに限らず、例えば複数のチャネルの中心軸線を出射面に向けて広がるように湾曲させてもよい。
また、上記した実施形態ではX線コリメータのチャネル内部は空洞となっているが、チャネル内部がX線を透過する材料(例えば、鉛を含まないガラス材料)で満たされていても良い。
また、上記した実施形態では医療用のX線撮像装置としているが、本発明によるX線撮像装置及びX線コリメータは、医療用のほかにも製品検査など他の様々な用途に適用することができる。
本発明によるX線撮像装置及びX線コリメータの実施形態を示す構成図である。 (a)本実施形態によるX線コリメータの構造を示す斜視図である。(b)(a)に示したX線コリメータのI−I断面を示す側面断面図である。 各実施例におけるX線管、X線コリメータ、スリット板、及び撮像部の相対位置を示す図である。 (a)第1実施例における撮像部へのX線像の入射位置と入射強度との相関を示すグラフである。(b)実施形態とは異なり、各チャネルの中心軸線が互いに平行である場合の、撮像部へのX線像の入射位置と入射強度との相関を第1の比較例として示すグラフである。(c)特許文献3のコリメータに関する記載に基づいて、最もコントラストが良好となる(すなわち、記載条件内で最も大きな)L/DCH-INである場合の、撮像部へのX線像の入射位置と入射強度との相関を第2の比較例として示すグラフである。 入射面と出射面との間隔と入射面側の開口径との比を変化させたときの、X線コリメータにおけるX線の透過率を示すグラフである。 X線源とスリット板との間隔と撮像部におけるX線像の半値幅との相関を示すグラフである。 (a)(b)L/DCH-INとコントラストとの相関を示すグラフである。 X線管とスリットとの間隔とコントラストとの相関を示すグラフである。 X線コリメータのチャネルの開口径とコントラストとの相関を示すグラフである。 X線コリメータのチャネルの出射面側の開口径と入射面側の開口径との比と、コントラストとの相関を示すグラフである。
符号の説明
1…X線撮像装置、3…X線管、5…X線コリメータ、5a…入射面、5b…出射面、7…照射野限定器、9…寝台、11…撮像部、13…保持装置、15…X線制御部、17…寝台制御部、19…保持装置制御部、21…撮像制御部、23…画像処理部、27…スリット板、27a…スリット、31…X線、33、34…透過X線、53…チャネル、55…側面。

Claims (5)

  1. X線源から放射されたX線の進行方向を整えるためのX線コリメータであって、
    前記X線を受ける入射面と、
    前記X線を出射する出射面と、
    前記入射面と前記出射面との間を貫通するように設けられ、該貫通方向に前記X線を通過させる複数のチャネルと
    を備え、
    前記チャネルの前記出射面側の開口径D CH-OUT と、該チャネルの前記入射面側の開口径D CH-IN との比D CH-OUT /D CH-IN が1.3以下であり、
    前記複数のチャネルそれぞれの中心軸線同士の間隔が、前記入射面から前記出射面へ近づくに従って拡大しており、
    前記複数のチャネルそれぞれを通過した前記X線同士の間隔が広がる方向に該X線を出射することを特徴とする、X線コリメータ。
  2. 前記入射面と前記出射面との間隔Lと、前記チャネルの前記入射面側の開口径DCH-INとの比L/DCH-INが、100以上であることを特徴とする、請求項1に記載のX線コリメータ。
  3. 前記入射面と前記出射面との間隔Lと、前記チャネルの前記入射面側の開口径DCH-INとの比L/DCH-INが、400以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のX線コリメータ。
  4. 前記チャネルの前記入射面側の開口径が50μm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のX線コリメータ。
  5. 検査対象にX線を照射するとともに、前記検査対象を透過した前記X線を撮像するX線撮像装置であって、
    前記X線を発生するX線源と、
    前記X線源からの前記X線を入射面に受けるとともに、出射面から出射した前記X線が前記検査対象に照射されるように配置された請求項1〜のいずれか一項に記載のX線コリメータと、
    前記検査対象を透過した前記X線を撮像する撮像部と
    を備えることを特徴とする、X線撮像装置。
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