図1及び図2を参照して本発明の参考例に係るアップライト型の電気掃除機を説明する。
この電気掃除機1は、吸込み口体2が接続された掃除機本体3と、この掃除機本体3に着脱自在に接続される着脱部材として機能する把持部材例えばハンドル4と、第1の保持手段5と、第2の保持手段6とを備えている。
掃除機本体3は、本体前部3aと、この前部3aの後方に突出した本体後部3bと、本体把手3cとを有している。本体前部3aは略円筒形状をなしている。本体後部3bは、本体前部3aより幅が狭く、かつ、本体前部3aより長く形成されている。電気掃除機1の使用時に上向きとなる本体前部3a及び本体後部3bの夫々の一端は面一状態に連続され、電気掃除機1の使用時に下向きとなる本体後部3bの他端は、本体前部3aの他端に対し電気掃除機1の使用姿勢において下方に突出されている。本体把手3cは電気掃除機1の使用時に上向きとなる本体前部3a及び本体後部3bの夫々の一端にわたって形成されており、この本体把手3cを握持して掃除機本体3等を持ち運ぶことができる。
本体前部3a内は仕切り壁11によって2室に分けられている。電気掃除機1の使用時に仕切り壁11の下側に配置される第1の室には電動送風機12が内蔵されている。掃除機本体3には電動送風機12からの排気を外部に放出するための図示しない排気部が設けられている。電気掃除機1の使用時に仕切り壁11の上側に配置される第2の室には、電動送風機12に電力を供給するためのコードリール15が内蔵されているとともに、電動送風機12への電力供給をオン−オフするためのスイッチ装置16が内蔵されている。
電気掃除機1の使用時に下向きとなる本体前部3aの他端面には、集塵部として例えば集塵カップ13が着脱自在に取付けられている。本体前部3aに取付けられた集塵カップ13内は、電動送風機12の吸気口(図示しない)に連通している。集塵カップ13は、その上部側面に入口13aを有し、この入口13aから流入した含塵空気をその勢いで旋回させ遠心分離作用によって塵と空気に分離して、分離された塵を溜めるようになっている。図1中符号14は集塵カップ13内から電動送風機12に吸込まれる空気中に含まれる細塵をろ過するフィルターを示している。なお、集塵カップ13に代えて、電気掃除機1の吸込み側に位置する集塵室を本体前部3aに設け、この集塵室に集塵袋等のフィルターを出し入れ自在に設けてもよい。
吸込み口体2は本体後部3bの先端に図示しない回動機構を介して接続されている。これにより、吸込み口体2を被掃除面に接触させた状態で、この吸込み口体2を支点に掃除機本体3は前後方向に沿って回動できる。吸込み口体2内の図示しない吸塵風路と、本体後部3b内の図示しない吸塵風路とは互いに連通されている。本体後部3b内の吸塵風路の出口には、掃除機本体3に取付けられた集塵カップ13の入口13aが押付けられている。これにより、吸込み口体2から吸込まれる含塵空気が前記吸塵風路を通して集塵カップ13内に導入されるようになっている。
掃除機本体3は、着脱部材接続部、具体的にはハンドル接続部として機能する部材受け部、例えばパイプ受け部17を有している。このパイプ受け部17は両端が開口された円筒状をなしている。パイプ受け部17は、その一端開口を例えば本体把手3cの端面に開放させるとともに、他端開口をスイッチ装置16に対向させて設けられている。パイプ受け部17はその軸方向中間部にロック孔(図示しない)を有している。なお、図1及び図2中符号18はロック解除釦を示している。このロック解除釦18は、掃除機本体3に対する前記ハンドル4の固定を解除する時に押込まれて、前記ロック孔に挿入されたハンドル4のロック凸部(図示しない)を押戻して、ロック孔から外すようになっている。
ハンドル4は、掃除機本体3を移動操作するために用いられる部材であって、棒状体例えば金属製のパイプ21と、このパイプ21の一端部が埋め込まれた合成樹脂製の握り部22とを備えている。パイプ21は断面円形で真直ぐな棒状をなしている。パイプ21の他端部は取付け端部21aとして用いられ、この取付け端部21aをパイプ受け部17に挿脱することによって、ハンドル4が掃除機本体3に着脱される。取付け端部21aにはその半径方向に沿って出没自在に前記図示しないロック凸部が設けられている。なお、図1及び図2中符号23は握り部22に設けたスライドスイッチ摘みを示している。ハンドル4をパイプ受け部17に挿入して掃除機本体3の所定位置にハンドル4が接続された状態で、スライドスイッチ摘み23がスライドされることによって、この摘み23に連動する図示しないロッドを介して前記スイッチ装置16がオン−オフされるようになっている。
パイプ21はその取付け端部21aから外れた中間部外周に係止部24を有している。この係止部24は、例えば合成樹脂によりリング状に成形されてパイプ21の外周に固定されている。
第1、第2の保持手段5、6は、掃除機本体3の側面、好ましくは本体後部3bの外面に、掃除機本体3の長手方向に互いに離間して夫々設けられている。
第1の保持手段5は、本体後部3bの一端部、具体的には吸込み口体2が接続された端部に配設されている。この保持手段5は、電気掃除機1の使用時に上向きに開口する短い有底筒状の嵌合部31を有している。嵌合部31はパイプ21の取付け端部21aが遊嵌されるように取付け端部21aの外径より大径である。取付け端部21aはパイプ21の軸方向移動を伴って嵌合部31に挿脱される。この嵌合部31に嵌合された取付け端部21aは、嵌合部31の底方向及び周方向への動きを拘束されるようになっている。なお、嵌合部31は取付け端部21aの内側に嵌合する凸部であってもよい。
第2の保持手段6は本体後部3bの本体把手3cに寄せて配設されている。この保持手段6は、金属の板ばねを折り曲げて形成されたものであって、図2に示すように一対の出入り端部41と、一対の保持部42と、取付け部43とを有していて、棒状体ストッパとして機能するパイプストッパを兼ねている。パイプストッパは第2の保持手段6に保持されたパイプ21の軸方向の移動を拘束するもので、この兼用により、パイプストッパとして独立に機能する構成を要しないので、掃除機本体3等の構成が簡単で複雑化しない点で優れている。
一対の出入り端部41は、パイプ21の外径よりかなり狭い間隙44を設けて相対向しているとともに互いに逆向きの円弧状をなしている。一対の保持部42は、一対の出入り端部41に個別に連続し、かつ、これら出入り端部41とは逆向きとなる円弧状をなしている。これら保持部42は、相互間にパイプ21の中間部を弾性的に挟持できるように、パイプ21の外径より小さい空隙を設けて相対向している。取付け部43は一対の保持部42を一体に接続している。この取付け部43が本体後部3bに例えばねじ止めされることによって、第2の保持手段6が掃除機本体3の側面に固定されている。
以上の構成を備えた電気掃除機1は、図1中2点鎖線で示すように、吸込み口体2が連結されている掃除機本体3の上方にハンドル4を突出させてこのハンドル4を掃除機本体3に接続した状態で、このハンドル4を介して、掃除機本体3を移動させながら使用される。この使用時には握り部22でのスイッチ操作により電動送風機12を運転できるに伴い、サイクロン式の塵分離と集塵をしながら被掃除面を掃除できる。
使用後に電気掃除機1を格納する場合には、ハンドル4のパイプ21を掃除機本体3のパイプ受け部17から引抜いた後に、このハンドル4を図1中実線で示すように掃除機本体3の側面に沿わせて保持させることにより、コンパクトな状態として、例えばベッドの下方空間等の格納場所に格納できる。このように掃除機本体3の所定接続位置から取外されたハンドル4を、前記所定接続位置とは別に定めた掃除機本体3の側面に保持させて、これら掃除機本体3とハンドル4とを一体的に取扱うことができるので、取扱いが容易であり、1度に電気掃除機1を格納場所に格納できる。
ハンドル4を掃除機本体3の側面に保持する手順は以下の通りである。まず、ハンドル4を掃除機本体3に対して斜めの姿勢にした上で、このハンドル4が有するパイプ21の取付け端部21aを、第1の保持手段5の嵌合部31に押込むように嵌合させる。次に、嵌合部31を支点にハンドル4全体を本体後部3bの側面に沿うように移動させることにより、本体後部3bの側面に接近するパイプ21の中間部、具体的には係止部24のすぐ真上部分を第2の保持手段6に保持させる。この場合、パイプ21の係止部24のすぐ真上部分が、第2の保持手段6の両出入り端部41を押し開きながら間隙44を通過して一対の保持部42間に挿入されると同時に、これら保持部42で弾性的に挟まれる。
こうして保持されたパイプ21の係止部24は、図1に示すように第2の保持手段6のすぐ真下に近接して配置される。このため、係止部24が第2の保持手段6に当たることによって、パイプ21が嵌合部31から抜け出すに足りるパイプ21の軸方向移動が妨げられる。この保持状態での係止部24と第2の保持手段6との間の近接距離Aは、嵌合部31に対する取付け端部21aの嵌合深さBより短い。このため、パイプ21を有したハンドル4は、その軸方向に沿ってパイプストッパを兼ねる第2の保持手段6に向けて前記近接距離Aの範囲で図1中矢印C方向に移動可能である。しかし、最大に移動した場合にも取付け端部21aが嵌合部31より抜け出ることはない。
それにも拘らず、嵌合部31と取付け端部21aとの嵌め合いの遊びと前記近接距離Aとによって、保持状態のパイプ21を本体後部3bの側面から離れる方向に引き動かす場合には、係止部24が、第2の保持手段6に引っ掛からないように、或いは第2の保持手段6への軽微な接触を伴って、第1の保持手段5の嵌合部31を支点にパイプ21を動かすことができる。それにより、第2の保持手段6からパイプ21を外せるため、次に、パイプ21を斜めに引き動かすことによって、第1の保持手段5の嵌合部31から取付け端部21aを引抜くことができる。
ベッドの下方空間に格納された電気掃除機1を、例えばハンドル4の握り部22を掴んで前記下方空間から引出そうとした場合、ハンドル4にはこれを軸方向に沿って図1中矢印C方向に動かす力が作用する。しかし、ハンドル4が矢印C方向に多少動いた段階で、パイプ21の係止部24が第2の保持手段6に当接するので、それ以上、ハンドル4が掃除機本体3に対して矢印C方向に単独に引き動かされ、ハンドル4のパイプ21が第2の保持手段6を通り抜けることがない。このように握り部22を掴んで格納場所から引出し操作を行った場合にも、掃除機本体3とハンドル4とを一体的に取扱うことができるので、掃除機本体3がベッドの下方空間に残されることなく、格納場所から電気掃除機1を引出すことができる。
引出された電気掃除機1の掃除機本体3からハンドル4を分離する手順は以下の通りである。まず、ハンドル4を軸方向に押すようにして第1の保持手段5の嵌合部31に対するパイプ21の取付け端部21aの嵌合深さを最大にする。つぎに、この状態のままで、嵌合部31を支点にパイプ21を本体後部3bから離れる方向に引いて、第2の保持手段6からパイプ21を引き外す。この後に、パイプ21を軸方向に動かして取付け端部21aを嵌合部31から抜く。
図3〜図5を参照して本発明の第1実施形態に係るアップライト型の電気掃除機を説明する。この第1実施形態は基本的には参考例と同じであるので、機能が同一の構成には参考例と同じ符号を付してその説明を省略し、参考例とは異なる構成を以下説明する。
図4及び図5に示すようにパイプ21の係止部24は、パイプ21に固定される環状の取付け部24aと、これからパイプ21の半径方向に一体に突出された平面視コの字状をなす凸部24bとから形成されている。凸部24bの下面(図4において)は開放されている。
掃除機本体3に設けた第2の保持手段6は、棒状体ストッパとして機能するパイプストッパ51と、棒状体支えとして機能するパイプ支え52とを有している。
パイプストッパ51は掃除機本体3の側面に一体に突設されていて、例えば掃除機本体3の本体把手3cが突設された面と面一に設けられている。このパイプストッパ51にはU字状などのパイプ通し溝51aが形成されている。パイプ通し溝51aの溝幅は係止部24より小さい。
パイプ支え52は、図4に示すように押圧操作部52aとフック部52bとを有している。パイプ支え52は、掃除機本体3に設けたホルダー部3dに掃除機本体3の長手方向に沿って移動可能に収められているとともに、そのフック部52bは掃除機本体3に設けた側面開口3eを通っている。ホルダー部3d内に配置した付勢体例えばコイルばね53によって、パイプ支え52は図4において上向きに付勢されている。この付勢によって、押圧操作部52aは、パイプストッパ51の上側から押込み操作ができるように掃除機本体3外に突出されている。以上説明した事項以外は参考例と同じ構成である。
ハンドル4を掃除機本体3の側面に保持する手順は以下の通りである。まず、ハンドル4を掃除機本体3に対して斜めの姿勢にした上で、このハンドル4が有するパイプ21の取付け端部21aを、第1の保持手段5の嵌合部31に押込むように嵌合させる(図3中2点鎖線参照)。次に、嵌合部31を支点にハンドル4全体を本体後部3bの側面に沿うように図3中矢印D方向に移動させる。これにより、本体後部3bの側面に接近するパイプ21の中間部、具体的には係止部24のすぐ真上部分が、第2の保持手段6が有したパイプストッパ51のパイプ通し溝51aに挿入される(図3中実線参照)。
この場合、パイプ支え52の押圧操作部52aを押込んでおいて、パイプ通し溝51aにパイプ21の中間部を嵌め込んでから、パイプ支え52の押圧を解除する。これにより、パイプ支え52がコイルばね53の付勢力で元の位置に戻るに伴い、図4に示すようにパイプ支え52のフック部52bが係止部24の凸部24bの内側に引っ掛かる。この係合によって、ハンドル4のパイプ21が掃除機本体3の本体後部3b側面から離れる方向に動かないように拘束される。
こうして保持されたパイプ21の係止部24は、第2の保持手段6が有したパイプストッパ51のすぐ真下に近接して配置される。このため、係止部24がパイプストッパ51に当たることによって、パイプ21が嵌合部31から抜け出すに足りるパイプ21の軸方向移動が妨げられる。この保持状態での係止部24とパイプストッパ51との間の近接距離Aは、嵌合部31に対する取付け端部21aの嵌合深さより短い。このため、パイプ21を有したハンドル4は、その軸方向に沿ってパイプストッパ51に向けて前記近接距離Aの範囲で移動可能である。しかし、最大に移動した場合にも取付け端部21aが嵌合部31より抜け出ることはない。
それにも拘らず、嵌合部31と取付け端部21aとの嵌め合いの遊びと前記近接距離Aとによって、パイプ支え52の押込み状態において、パイプ21を本体後部3bの側面から離れる方向に引き動かす場合には、係止部24が、パイプストッパ51に引っ掛からないように、或いはパイプストッパ51への軽微な接触を伴って、第1の保持手段5の嵌合部31を支点にパイプ21を動かすことができる。それにより、第2の保持手段6からパイプ21を外せるため、次に、パイプ21を斜めに引き動かすことによって、第1の保持手段5の嵌合部31から取付け端部21aを引抜くことができる。
したがって、第1実施形態においても、参考例と同様に本発明の課題を解決できる。しかも、第1実施形態に係る電気掃除機1では、掃除機本体3の側面に保持されたパイプ21が、第1の保持手段5の嵌合部31との嵌合、及び第2の保持手段6のパイプ支え52と係止部24との係合によって、掃除機本体3の側面から離れる方向の動きを拘束されている。このため、掃除機本体3に保持されたハンドル4のパイプ21を掴んで、ベッドの下方空間などの格納部から電気掃除機1を引出す場合に、パイプ21が第2の保持手段6から外れることがないので、容易に電気掃除機1を引出すことができる点で、取扱い上の利便性に優れる。
図6〜図8を参照して本発明の第2実施形態に係るアップライト型の電気掃除機を説明する。この第2実施形態は基本的には参考例と同じであるので、機能が同一の構成には参考例と同じ符号を付してその説明を省略し、参考例とは異なる構成を以下説明する。
図7及び図8に示すようにパイプ21の係止部24は、パイプ21に固定される環状の取付け部24aと、これからパイプ21の半径方向に一体に突出された凸部24cとから形成されている。凸部24cは、ブロック状であって、その先端面に開放する係止凹部24dを有している。
掃除機本体3に設けた第2の保持手段6は、棒状体ストッパとして機能するパイプストッパ51と、棒状体支えとして機能するパイプ支え52とを有している。
パイプストッパ51は掃除機本体3の側面に一体に突設されていて、例えば掃除機本体3の本体把手3cが突設された面と面一に設けられている。このパイプストッパ51にはU字状などのパイプ通し溝51aが形成されている。パイプ通し溝51aは係止部24より小さい。
パイプ支え52は、図7に示すように押圧操作部52aとフック部52bとを有している。パイプ支え52は、本体前部3aの本体後部3b寄りに配設され、掃除機本体3の長手方向と直交する方向に沿って移動可能である。押圧操作部52aは本体前部3aに設けた第1の側面開口3fを通って外部から操作可能に設けられている。フック部52bは本体前部3aに設けた側面開口3gに出没自在であり、その出没に伴って係止凹部24dに挿脱できる。パイプ支え52は本体前部3a内に配置した付勢体例えばコイルばね53によって、後向きに付勢されている。以上説明した事項以外は参考例と同じ構成である。
ハンドル4を掃除機本体3の側面に保持する手順は以下の通りである。まず、ハンドル4を掃除機本体3に対して斜めの姿勢にした上で、このハンドル4が有するパイプ21の取付け端部21aを、第1の保持手段5の嵌合部31に押込むように嵌合させる(図6中2点鎖線参照)。次に、嵌合部31を支点にハンドル4全体を本体後部3bの側面に沿うように図6中矢印D方向に移動させる。これに伴い、本体後部3bの側面に接近するパイプ21の中間部、具体的には係止部24のすぐ真上部分が、第2の保持手段6が有したパイプストッパ51のパイプ通し溝51aに挿入される(図6中実線参照)。
この場合、パイプ21の係止部24の凸部24cが、パイプ支え52のフック部52bを押す。フック部52bが押される面は、好ましい例として図7に示すように斜状面となっているので、フック部52bが第2の側面開口3gに没入するようにパイプ支え52がコイルばね53に抗して移動される。この移動に伴い係止部24が所定の位置まで変位するので、凸部24cの係止凹部24dが第2の側面開口3gに対向すると同時に、パイプ支え52がコイルばね53で押し戻されて、そのフック部52bが係止凹部24dに挿入して引っ掛かる。この係合によって、ハンドル4のパイプ21が掃除機本体3の本体後部3b側面から離れる方向に動かないように拘束される。フック部52bの斜状面に代えて、凸部24cに斜状面を設けてもよく、或いはフック部52bと凸部24cとの双方に斜状面を設けることもできる。
なお、以上の拘束を得るために、パイプ支え52の押圧操作部52aを操作して、フック部52bが第2の側面開口3gに没入するようにパイプ支え52を移動させておいて、パイプ通し溝51aにパイプ21の中間部を嵌め込んでから、押圧操作部52aの押圧操作を解除させて、パイプ支え52をコイルばね53の付勢力で元の位置に戻し、それによって、フック部52bを係止部24の係止凹部24dに係合させることもできる。
こうして保持されたパイプ21の係止部24は、第2の保持手段6が有したパイプストッパ51のすぐ真下に近接して配置される。このため、係止部24がパイプストッパ51に当たることによって、パイプ21が嵌合部31から抜け出すに足りるパイプ21の軸方向移動が妨げられる。この保持状態での係止部24とパイプストッパ51との間の近接距離は、嵌合部31に対する取付け端部21aの嵌合深さより短い。このため、パイプ21を有したハンドル4は、その軸方向に沿ってパイプストッパ51に向けて前記近接距離の範囲で移動可能である。しかし、最大に移動した場合にも取付け端部21aが嵌合部31より抜け出ることはない。
それにも拘らず、嵌合部31と取付け端部21aとの嵌め合いの遊びと前記近接距離とによって、パイプ支え52の押込み状態において、パイプ21を本体後部3bの側面から離れる方向に引き動かす場合には、係止部24が、パイプストッパ51に引っ掛からないように、或いはパイプストッパ51への軽微な接触を伴って、第1の保持手段5の嵌合部31を支点にパイプ21を動かすことができる。それにより、第2の保持手段6からパイプ21を外せるため、次に、パイプ21を斜めに引き動かすことによって、第1の保持手段5の嵌合部31から取付け端部21aを引抜くことができる。
したがって、第2実施形態においても、参考例と同様に本発明の課題を解決できる。しかも、第2実施形態に係る電気掃除機1では、掃除機本体3の側面に保持されたパイプ21が、第1の保持手段5の嵌合部31との嵌合、及び第2の保持手段6のパイプ支え52と係止部24との係合によって、掃除機本体3の側面から離れる方向の動きを拘束されている。このため、掃除機本体3に保持されたハンドル4のパイプ21を掴んで、ベッドの下方空間などの格納部から電気掃除機1を引出す場合に、パイプ21が第2の保持手段6から外れることがないので、容易に電気掃除機1を引出すことができる点で、取扱い上の利便性に優れる。
図9〜図11を参照して本発明の第3実施形態に係るアップライト型の電気掃除機を説明する。この第3実施形態は基本的には参考例と同じであるので、機能が同一の構成には参考例と同じ符号を付してその説明を省略し、参考例とは異なる構成を以下説明する。
図10に示すように第1の保持手段5は、嵌合部31内に、可動支持部材32と、付勢部材33とを設けて形成されている。可動支持部材32は、嵌合部31の見掛け上の底板をなしてパイプ21の取付け端部21aを受ける蓋状の部材であり、嵌合部31の軸方向に沿って移動可能に収容されている。付勢部材33はコイルばね等のばねやスポンジ等からなる。この付勢部材33は、可動支持部材32の裏側に配置されて、可動支持部材32を嵌合部31の開口端方向に付勢している。
掃除機本体3に設けた第2の保持手段6は、棒状体ストッパとして機能するパイプストッパ51と、棒状体支えとして機能するパイプ支え52とを有している。
パイプストッパ51は掃除機本体3の側面に一体に突設されていて、例えば掃除機本体3の本体把手3cが突設された面と面一に設けられている。このパイプストッパ51にはU字状などのパイプ通し溝51aが形成されている。パイプ通し溝51aはパイプ21の係止部24より小さい。パイプ支え52は、図10に示すようにパイプ通し溝51aの開口端に隣接してパイプストッパ51の裏面に一体に形成されている。このパイプ支え52は本体後部3bの側面に近付くに従い次第にパイプストッパ51の裏面から突出する側面視略三角形状の係止爪からなる。以上説明した事項以外は参考例と同じ構成である。
ハンドル4を掃除機本体3の側面に保持する手順は以下の通りである。まず、ハンドル4を掃除機本体3に対して斜めの姿勢にした上で、このハンドル4が有するパイプ21の取付け端部21aを、第1の保持手段5の嵌合部31に押込んで嵌合させる。これにより、取付け端部21aが可動支持部材32上に支持されるとともに、この可動支持部材32が付勢部材33に抗して嵌合部31の底に向けて押し込まれる(図9中2点鎖線参照)。
次に、嵌合部31を支点にハンドル4全体を本体後部3bの側面に沿うように図9中矢印D方向に移動させる。これに伴い、本体後部3bの側面に接近するパイプ21の中間部、具体的には係止部24のすぐ真上部分が、第2の保持手段6が有したパイプストッパ51のパイプ通し溝51aに挿入される(図9中実線参照)。
そして、パイプ通し溝51aの奥まで充分にパイプ21が挿入された時点で、ハンドル4に加えていた押し込みを止めることにより、付勢部材33の付勢力で可動支持部材32を介してハンドル4全体が軸方向に沿って押し戻される。これにより、パイプストッパ51の裏側に既に近接して配置されている係止部24が、図10に示すようにパイプストッパ51の裏面に当接されるとともに、この係止部24がパイプ支え52にその後方から引っ掛かる。この係止部24とパイプ支え52との係合によって、ハンドル4のパイプ21が掃除機本体3の本体後部3b側面から離れる方向に動かないように拘束される。
こうして保持されたパイプ21の係止部24は、既述のように第2の保持手段6が有したパイプストッパ51の裏面に当たっているので、パイプ21が嵌合部31から抜け出すに足りるパイプ21の軸方向移動が妨げられる。これにより、取付け端部21aが嵌合部31より抜け出ることはない。
それにも拘らず、付勢部材33に抗してハンドル4を嵌合部31に向けて軸方向に移動させて、パイプ支え52の突出高さより大きく係止部24をパイプストッパ51から離すことができる。このため、これら両者間の隙間、並びに嵌合部31と取付け端部21aとの嵌め合いの遊びとによって、パイプ支え52の押込み状態において、パイプ21を本体後部3bの側面から離れる方向に引き動かす場合には、係止部24がパイプストッパ51及びパイプ支え52に引っ掛からないように、パイプ21を第1の保持手段5の嵌合部31を支点に動かすことができる。それにより、第2の保持手段6からパイプ21を外せるため、次に、パイプ21を斜めに引き動かすことによって、第1の保持手段5の嵌合部31から取付け端部21aを引抜くことができる。
したがって、第3実施形態においても、参考例と同様に本発明の課題を解決できる。しかも、第3実施形態に係る電気掃除機1では、掃除機本体3の側面に保持されたパイプ21が、第1の保持手段5の嵌合部31との嵌合、及び第2の保持手段6のパイプ支え52と係止部24との係合によって、掃除機本体3の側面から離れる方向の動きを拘束されている。このため、掃除機本体3に保持されたハンドル4のパイプ21を掴んで、ベッドの下方空間などの格納部から電気掃除機1を引出す場合に、パイプ21が第2の保持手段6から外れることがないので、容易に電気掃除機1を引出すことができる点で、取扱い上の利便性に優れる。更に、掃除機本体3に保持されたハンドル4の係止部24を付勢部材33の付勢力でパイプストッパ51に押付け保持できるので、ハンドル4をがたつかないように保持できる点でも好ましい。
図12及び図13を参照して本発明の他の参考例に係るアップライト型の電気掃除機を説明する。この参考例は基本的には第3実施形態と同じであるので、機能が同一の構成には第3実施形態と同じ符号を付してその説明を省略し、第3実施形態とは異なる構成を以下説明する。
ハンドル4が備えるパイプ21の軸方向中間部に設けられた係止部24は、L字状をなすフックで形成されている。これに対応して掃除機本体3に設けた第2の保持手段6は、掃除機本体3の側面に開口した係止孔で形成されている。以上説明した事項以外は第3実施形態と同じ構成である。
ハンドル4を掃除機本体3の側面に保持する手順は以下の通りである。まず、ハンドル4を掃除機本体3に対して斜めの姿勢にした上で、このハンドル4が有するパイプ21の取付け端部21aを、第1の保持手段5の嵌合部31に押込んで嵌合させる。これにより、取付け端部21aが可動支持部材32上に支持されるとともに、この可動支持部材32が付勢部材(図示しない)に抗して嵌合部31の底に向けて押し込まれる。
次に、嵌合部31を支点にハンドル4全体を本体後部3bの側面に沿うように移動させて、係止部24を係止孔からなる第2の保持手段6に挿入させる。そして、この挿入完了後にハンドル4に加えていた押し込みを止めることにより、第1の保持手段5が有している前記図示しない付勢部材の付勢力で可動支持部材32を介してハンドル4全体が軸方向に沿って押し戻される。これにより、係止部24が、係止孔からなる第2の保持手段6の孔縁に、位置決めされるとともに引っ掛かるように配置される(図13参照)。
この係止部24の上向きに曲った先端部24e、つまり、棒状体支えとして機能するパイプ支えと、第2の保持手段6との係合によって、ハンドル4のパイプ21が掃除機本体3の本体後部3b側面から離れる方向に動かないように拘束される。これとともに、係止部24の根元部24a、つまり、棒状体ストッパとして機能するパイプストッパが、既述のように第2の保持手段6をなす係止孔の縁に当たっているので、パイプ21が嵌合部31から抜け出すに足りるパイプ21の軸方向移動が妨げられる。これにより、先端部24eが嵌合部31より抜け出ることはない。
それにも拘らず、第1の保持手段5の付勢部材に抗してハンドル4を嵌合部31に向けて軸方向に移動させることにより、この押込み状態において、パイプ21を本体後部3bの側面から離れる方向に引き動かす場合には、係止部24が第2の保持手段6をなす係止孔から外れるので、パイプ21を第1の保持手段5の嵌合部31を支点に動かすことができる。それにより、次に、パイプ21を斜めに引き動かすことによって、第1の保持手段5の嵌合部31から取付け端部21aを引抜くことができる。
したがって、他の参考例においても、第3実施形態と同様に本発明の課題を解決できる。しかも、他の参考例に係る電気掃除機1でも、掃除機本体3の側面に保持されたパイプ21が、第1の保持手段5の嵌合部31との嵌合、及び第2の保持手段6をなす係止孔の縁と係止部24との係合によって、掃除機本体3の側面から離れる方向の動きを拘束されている。このため、掃除機本体3に保持されたハンドル4のパイプ21を掴んで、ベッドの下方空間などの格納部から電気掃除機1を引出す場合に、パイプ21が掃除機本体3から外れることがないので、容易に電気掃除機1を引出すことができる。更に、掃除機本体3に保持されたハンドル4の係止部24を付勢部材の付勢力で、第2の保持手段6をなす係止孔の縁に押付け保持できるので、ハンドル4をがたつかないように保持できる。
なお、本発明は前記各実施形態には制約されない。例えば、第3実施形態で説明した第1の保持手段の構成は、第2実施形態の第1の保持手段にも適用できる。又、前記各実施形態では、本体前部3aより幅が狭い本体後部3bの側面にハンドル4のパイプ21を着脱自在に保持するので、本体前部3aの側面と本体後部3bの側面とが作る凹んだ部分にパイプ21が保持される。このため、見掛け上、掃除機本体3の外面から大きく食み出さないようにできるので、パイプ21を保持した状態での形態がよい。しかし、掃除機本体3はその外面が前記凹んだ部分を有さない構成であってもよい。
1…電気掃除機、3…掃除機本体、3a…本体前部、3b…本体後部、4…ハンドル(着脱部材)、5…第1の保持手段、6…第2の保持手段、12…電動送風機、17…パイプ受け部(部材受け部)、21…パイプ(棒状体)、21a…取付け端部、24…係止部、31…嵌合部、32…可動支持部材、33…付勢部材、51…パイプストッパ(棒状体ストッパ)、52…パイプ支え(棒状体支え)