JP4421151B2 - デジタルカメラ撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラ撮像装置に関し、特に、光学系を介して被写体からの光信号を電気信号である画像信号に変換して出力する画像撮像手段を有し、被写体の顔を検出すると自動的にレリーズボタンが押されるデジタルカメラ撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年パーソナルコンピュータの発達に相まって、その画像入力装置としてのデジタルカメラの利用が広まってきた。特に、特殊な技術をもたない撮影者が使用する場合がほとんどであり、撮影の失敗を無くすためにシャッター速度、露出、ピント合わせを被写体に合わせて自動的に設定するようになっているものが多い。また、一般に被写体は人物である場合が多く、人物特有の設定モードを特別に備えたデジタルカメラはない。しかし、デジタルカメラ以外では、特開2000−163600公報に、カメラに捉えられる物体を知能的に撮影できる顔撮影/認識方法について開示されている。それによると、特に、被写体の動きを追跡して顔部分の映像を瞬間的に撮影及び認識し、撮影された顔部分の状態を判断して危険人物に対しては、予め警報するとある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、シャッター速度、露出、ピント合わせを被写体によって自動的に設定するモードを備えたデジタルカメラ撮像装置では、レリーズボタンを押して被写体を撮影するのは、撮影者の意思によった。そのため人物撮影の場合、撮影者が人物を認識してもレリーズのタイミングがずれて撮影機会を逸することがあった。また、特開2000−163600公報は、顔画像の認識が複雑でしかも設備が大きくなり、特に固定型の監視カメラ用としての技術である。
本発明は、かかる課題に鑑み、顔画像を検出することで自動的にレリーズボタンを押し、シャッターチャンスを逃さず、しかもその顔画像から画面のサイズや逆光処理を自動的におこなう操作性の優れたデジタルカメラ撮像装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1の発明は、光学系を介して得られた光信号を画像信号に変換して出力する画像撮像手段と、前記画像信号の中から顔画像を検出する顔画像検出手段とを備えたデジタルカメラ撮像装置において、前記顔画像検出手段が顔画像を検出した場合は、検出した顔画像の明るさに基づき、前記顔画像の明るさが所定の明るさ以下であれば逆光と判断して、逆光モード処理により逆光を補って被写体の撮影を実行し、前記顔画像の明るさが前記所定の明るさ以上であれば通常撮影と判断して、通常撮影モード処理により逆光を補わずに被写体の撮影を実行し、前記顔画像検出手段が顔画像を検出しなかった場合は、画面全体の明るさが所定の明るさ以下であれば前記逆光モード処理により被写体の撮影を実行し、前記画面全体の明るさが前記所定の明るさ以上であれば前記通常撮影モード処理により被写体の撮影を実行することを特徴とする。カメラで最も多い被写体は圧倒的に人物である。従って、人物を撮影する場合、そのシャッターチャンスを逃がさずに撮影することが重要である。そのためには、被写体が人物であることを検出しなければならない。人物を特定する最適な部分は、顔であり、被写体中から顔画像を抽出できればレリーズボタンを押すことができる。特に、デジタルカメラは画像信号をデジタル化して記録するため、コンピュータによる解析が容易である。かかる発明によれば、顔画像検出手段が顔画像を検出した場合は、検出した顔画像の明るさに基づき、顔画像の明るさが所定の明るさ以下であれば逆光と判断して、逆光モード処理により逆光を補って被写体の撮影を実行し、顔画像の明るさが前記所定の明るさ以上であれば通常撮影と判断して、通常撮影モードにより逆光を補わずに被写体の撮影を実行することにより、逆光の場合でも逆光でない場合でも被写体である人物を適切な露光で撮影することができる。更に、顔画像検出手段が顔画像を検出しなかった場合は、画面全体の明るさが所定の明るさ以下であれば逆光モード処理により被写体の撮影を実行し、画面全体の明るさが所定の明るさ以上であれば通常撮影モード処理により被写体の撮影を実行するので、人物撮影以外でも適正な撮影が可能となる。また、請求項2の発明は、前記逆光モード処理は、被写体を照明するストロボを発光する、または前記光学系からの入射光量を調整する絞りを制御して露出補正を行うことであることも本発明の有効な手段である。かかる技術手段によれば、逆光と判断された場合、被写体を照明するストロボを発光するので、被写体を明瞭に撮影することができる。また、逆光と判断された場合、光学系からの入射光量を調節する絞りを制御して露出補正を行うことにより、自然な撮影が可能となる。
【0005】
また、請求項3の発明は、前記顔画像検出手段が顔画像を検出した場合に被写体の撮影を実行することも本発明の有効な手段である。かかる技術手段によれば、顔画像検出手段が顔画像を検出した場合に、被写体の撮影を実行するレリーズボタンが押されるので、操作性が向上し、シャッターチャンスを逃すことが無くなる。また、請求項4の発明は、前記顔画像検出手段が顔画像を検出した場合、該顔画像の輪郭に合焦し、設定されたサイズ若しくは定形サイズに被写体を撮影することも本発明の有効な手段である。顔画像の検出は顔の輪郭や、目、鼻、眉、耳等の形の特徴を捉えて検出する。特に、輪郭は最も大きな特徴であり、顔画像として検出された場合は、その輪郭に焦点を合わせれば全体の全体のピントが合う。そしてその状態でズーミングを行なえば任意のサイズで撮影でき、さらに定形サイズ、例えば証明書用パスポートサイズに予め設定しておくこともできる。かかる技術手段によれば、顔画像の輪郭に合焦し、設定されたサイズ若しくは定形サイズに被写体を撮影するので、現像時の後処理(カットや位置合わせ)が不要となり、コストダウンとなる。また、請求項5の発明は、前記顔画像検出手段が顔画像を検出しなかった場合、前記顔画像検出手段の動作が継続されることも本発明の有効な手段である。かかる技術手段によれば、顔画像を検出しなかった場合、顔画像検出手段の動作が継続されるので、シャッターチャンスを逃すことが無くなる。
【0006】
また、請求項6の発明は、前記顔画像検出手段が顔画像を検出した場合でも、レリーズボタンを押下るか否かを選択する選択手段を更に設け、該選択手段が押下否を選択した場合、前記レリーズボタンは手動により押下されることも本発明の有効な手段である。撮影者は常に人物だけを撮影するとは限らないし、また、撮影したくない人物もいる。そこで、レリーズボタンの押下を自動にするか手動にするかを撮影者が選択できればさらに好ましい。かかる技術手段によれば、選択手段が押下否を選択した場合、レリーズボタンは手動により押下されるので、撮影者の操作性がさらに向上する。また、請求項7の発明は、前記顔画像検出手段による顔画像検出結果の精度を確認するためのモニタ手段を更に備え、撮影中若しくは撮影後に前記モニタ手段により検出精度を確認可能としたことも本発明の有効な手段である。顔画像を検出する精度は必ずしも100%ではない。被写体の中には顔の特徴に酷似したものもある。そのような場合、モニタにより検出精度を確認できれば好ましい。かかる技術手段によれば、モニタ手段により検出精度を確認可能としたので、顔画像検出手段と被写体とのマッチングが事前に判明して、撮影の失敗確率をさらに少なくできる。また、請求項8の発明は、前記モニタ手段は、前記顔画像検出手段が検出した画像位置にマーキングすることも本発明の有効な手段である。顔画像検出手段が検出する部分は顔である。モニタ上にどこを顔として判断したかを明確にわかるようにするのが好ましい。かかる技術手段によれば、顔画像検出手段が検出した画像位置にマーキングするので、顔画像検出手段の精度を判断するのが容易となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明の実施形態のデジタルスチルカメラのブロック図である。この構成は、被写体の光学画像を集光するレンズ1と、レンズ1により集光された光束を集束する絞り部2と、図示しない複数のレンズを移動させて合焦したり、絞り部2を駆動するモータドライバ11と、レンズ1と絞り部2を通過した光学画像を光電変換するCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)3と、CCD3に含まれる雑音を低減するCDS(Correlated Double Sampling)4と、CCD3からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器5と、前記CCD3、CDS4、A/D変換器5のタイミングを発生するタイミング発生器13と、画像処理パラメータに従って画像処理を行うデジタル信号処理回路7と、撮像画素の記録と画像処理された画像を記憶するフレームメモリ6と、液晶(LCD:Liquid Crystal Display)により撮像画像を表示する表示部8と、デジタル信号処理回路7で処理された画像データを圧縮あるいは源画像データに伸張する画像圧縮伸張回路9と、画像圧縮伸張回路9により圧縮された画像データを格納するメモリカード10と、制御プログラムに基づいて所定の制御を実行するマイクロコンピュータ(以下、マイコンと記す)14と、パラメータを格納するEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)16と、操作者がカメラ本体を操作するためのレリーズボタン等を備えたカメラ操作部17と、フイルム枚数やストロボの発光状態を監視するOSD(On-Screen Display)15と、被写体を照明するストロボ12により構成される。尚、レンズ1、絞り2、CCD3が主として画像撮像手段を構成し、表示部8、デジタル信号処理回路7、マイコン14が主としてモニタ手段を構成し、カメラ操作部17が主として選択手段を構成する。
【0009】
次に、図1を参照しながら、本構成のデジタルスチルカメラ100の動作概要について説明する。操作者は図示しないファインダから被写体を覗き、カメラ操作部17のレリーズボタンを押すと、マイコン14はその信号を検出してモータドライバ11に対してレンズ1と絞り2を駆動して、被写体の画像をCCD3に合焦させる。必要であればストロボ12を発光させる。これらの一連の動作は、自動的にマイコン14が図示しないセンサの情報に基づいて行われる。CCD3に合焦された画像は、タイミング発生器13から発生されるクロックにより順次取り出され、CDS4によりデータに含まれる雑音を低減する。ここで、CCDの出力信号に含まれる雑音は、リセット雑音が支配的である。この雑音を低減するために信号期間に含まれる映像信号とリセット雑音及び、フィールドスルー期間のみに含まれるリセット雑音から両者を引き算することによりリセット雑音をキャンセルしている。そして、そのアナログ信号をA/D変換器5により10ビットのデジタル信号に変換して、デジタル信号処理回路7に入力され、フレームメモリ6に一時保管される。そして、EEPROM16に格納されたパラメータにより、マイコン14からの指示によりフレームメモリ6に一時保管されたデータを処理し、その処理された画像をフレームメモリ6に再び格納する。この処理の中にホワイトバランス処理が含まれる。さらに、フレームメモリ6に書き込まれたデータを表示部8の制御部に送り、LCDにその内容を表示する。
フレームメモリ6は、少なくとも撮像画素の1画面以上の画像データを蓄積することができる画像メモリであり、例えば、VRAM(Video Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory) 、あるいはSDRAM(Synchronous DRAM)などの一般に用いられているメモリを用いる。
【0010】
ここで、操作者の意思により、その画像をメモリカード10に記録しておきたい場合、カメラ操作部17から指示をすると、マイコン14はそれに従って、デジタル信号処理回路7に対して画像をメモリカード10に転送する制御を実行する。つまり、画像処理された画像をフレームメモリ6から読み出し、画像圧縮伸張回路9に送る。ここで、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式で画像を圧縮し、メモリカード10に記憶する。この符号化アルゴリズムにはADCT(適応離散コサイン)を用い、最初に解像度の低い画像を符号化し、次第に解像度が高くなるような階層符号化も取り入れられる。このようにメモリカードは、フレームメモリ6に格納されたデータを圧縮し、その圧縮データを格納しておくためのものである。この他に、例えば8MB程度の内部メモリあるいはスマートメディア・コンパクトフラッシュなどに記録する構成であってもよい。
また、逆にメモリカード10の内容を表示部8に表示する場合や、外部端子により他のPCと接続して画像データを転送したい場合は、所望のメモリカードをカメラ本体の図示しないコネクタに挿入して、カメラ操作部17から指示すると、マイコン14はデジタル信号処理回路7に指示してメモリカードの圧縮された画像データを読み出し、画像圧縮伸張回路9に入力して、圧縮のアルゴリズムに従ってデータを伸張して元に戻し、表示部8に画像を表示する。
【0011】
図2は、本発明の実施形態の顔画像検出部の概略ブロック図である。この構成は、被写体の画像を1枚分記憶する画像メモリ20と、そのメモリから所定の単位で他のメモリあるいはレジスタに取り込む画像取り込み部21と、全体の制御を司る制御部22と、複数の顔の特徴を格納する顔特徴記憶部24と、画像取り込み部21からのデータと顔特徴記憶部24からのデータを比較してその結果を制御部22に伝える比較部23と、最終的な判断結果を外部に出力する出力部25から構成されている。ここで、画像メモリ20は図1のフレームメモリ6を使用しても良い。また、その他の部分は図1のマイコン14により実現しても構わないし、あるいは専用のLSIにより実現しても良い。
ここで、顔画像を検出する精度は必ずしも100%ではない。被写体の中には顔の特徴に酷似したものもある。そのような場合、モニタにより検出精度を確認できれば、顔画像検出部と被写体とのマッチングが事前に判明して、撮影の失敗確率をさらに少なくできる。
また、顔画像検出部が検出する部分は顔である。モニタ上にどこを顔として判断したかを明確にわかるようにすれば、顔画像検出部の精度を判断するのが容易となる。また、前記で顔画像検出部の精度を確認したが、その後、それを補正する手段があればさらに好ましい。これにより、検出精度をさらに高めることができる。
【0012】
次に、顔画像の検出の説明に入る前に、公知の顔画像の認識技術について、その概要を説明しておく。尚、本発明での顔認識は従来の個人の顔として確実に認識できるレベルである必要は無く、被写体が顔か、あるいはそれ以外の他の物体かの2者択一の認識レベルで充分である。顔画像認識における対象項目は大きく分けると次の2つとなる。
1)人物の識別:対象人物が誰であるかを識別する。
2)表情識別:人物がどのような表情をしているかを識別する。
すなわち、1)の人物識別は顔の構造認識であり静的識別といえる。また、2)の表情識別は顔の形状変化の認識であり、動的識別ともいえる。本発明の場合は、前記よりさらに単純な識別といえる。また、これらの識別の手法として、1)2次元的手法、2)3次元的手法があり、コンピュータでは主に1)2次元的手法が使用されている。これらの詳しい内容はここでは省略する。また、表情識別の手法として、FACS(Facial ACtion unit System)による考え方があり、これを用いると表情構成要素の特徴点の位置を用いて表現できる。
今後は、これらの技術を用いて入室管理システム、人物像データベースシステム、認識通信システム等に適用が考えられる。
【0013】
図3は、本発明の第1の実施形態の動作フローチャートである。図1、図2と併せて参照しながら説明する。被写体の画像データは前記図1のCCDにより光電変換され画像処理されて画像メモリ20に記憶される。その画像データはある所定の単位(フレーム、バイト)に画像取り込み部21に取り込まれる(S1)。次に、画像データは比較部23に入力され、予め記憶された各種の顔特徴データを格納した顔特徴記憶部24とのデータと比較される。この比較の方法は各種アルゴリズムに基づいて行われる。その結果は逐一制御部22に伝えられ、顔画像が検出される(S2)。その結果顔画像が検出された場合(YESのルート)制御部22は結果信号を出力部25に出力し、カメラ操作部17の図示しないレリーズボタンを押下する(S3)。ステップS2で顔画像が検出されなかった場合(NOのルート)、制御部22は結果信号を出力部25に出力し、ステップS1に戻り、顔画像検出動作を継続する。
以上のように、カメラで最も多い被写体は圧倒的に人物である。従って、人物を撮影する場合、そのシャッターチャンスを逃さず撮影することが重要である。そのためには、被写体が人物であることを検出しなければならない。そして、人物を特定する最適な部分は、顔であり、被写体中から顔画像を抽出できればレリーズボタンを押すことができる。特に、デジタルカメラは画像信号をデジタル化して記録するため、コンピュータによる解析が容易である。これにより、顔画像検出手段が顔画像を検出した場合、被写体の撮影を実行するレリーズボタンが押されるので、操作性が向上し、シャッターチャンスを逃がすことがなくなる。
【0014】
図4は、本発明の第2の実施形態の動作フローチャートである。図1、図2と併せて参照しながら説明する。被写体の画像データは前記図1のCCDにより光電変換され画像処理されて画像メモリ20に記憶される。その画像データはある所定の単位(フレーム、バイト)に画像取り込み部21に取り込まれる(S10)。次に、画像データは比較部23に入力され、予め記憶された各種の顔特徴データを格納した顔特徴記憶部24とのデータと比較される。この比較の方法は各種アルゴリズムに基づいて行われる。その結果は逐一制御部22に伝えられ、顔画像が検出される(S11)。その結果顔画像が検出された場合(YESのルート)制御部22は次に検出された顔画像が顔の輪郭に焦点が合うようにモータドライバ11を駆動する(S12)。そして、設定されたサイズまたは定形サイズにズーミングし(S13)、レリーズボタンを押す(S14)。ステップS11で検出されなければ(NOのルート)結果信号を出力部25に出力し、ステップS10に戻り、検出動作を継続する。
顔画像の検出は顔の輪郭や、目、鼻、眉、耳等の形の特徴を捉えて検出する。特に、輪郭は最も大きな特徴であり、顔画像として検出された場合は、その輪郭に焦点を合わせれば全体のピントが合う。そしてその状態でズーミングを行なえば任意のサイズで撮影でき、さらに定形サイズ、例えば証明書用やパスポートサイズに予め設定しておくこともできる。これにより、顔画像の輪郭に合焦し、設定されたサイズ若しくは定形サイズに被写体を撮影するので、現像時の後処理(カットや位置合わせ)が不要となり、コストダウンとなる。
被写体の顔画像は1つとは限らず、複数の場合、カメラのレンズがもつ焦点深度は有限であり、複数の被写体の場合、カメラからの距離は一定ではない。そこで、最も近い顔画像と最も遠い顔画像の距離をセンサ等で測り、それに基づいて絞りを制御するのが好ましい。これにより、複数の顔画像の前後の距離に基づいて絞りを制御するので、焦点がぼけることを防ぐことができる。
【0015】
図5は、本発明の第3の実施形態の動作フローチャートである。図1、図2と併せて参照しながら説明する。被写体の画像データは前記図1のCCDにより光電変換され画像処理されて画像メモリ20に記憶される。その画像データはある所定の単位(フレーム、バイト)に画像取り込み部21に取り込まれる(S20)。次に、画像データは比較部23に入力され、予め記憶された各種の顔特徴データを格納した顔特徴記憶部24とのデータと比較される。この比較の方法は各種アルゴリズムに基づいて行われる。その結果は逐一制御部22に伝えられ、顔画像が検出される(S21)。その結果顔画像が検出された場合(YESのルート)制御部22は顔画像から明るさ成分を抽出して明るさを所定のレベルと比較する(S22)。その結果所定の明るさ以下であれば(NOのルート)、逆光モード処理(ストロボの発光あるいは露出の補正)を行い(S23)、レリーズボタンを押下する(S24)。ステップS22で所定の明るさ以上であれば(YESのルート)、通常撮影モードで処理し(S28)、レリーズボタンを押下する(S24)。ここで、ステップS21でNOの場合、画面全体の明るさを所定のレベルと比較し(S25)、その結果所定の明るさ以下であれば(NOのルート)、逆光モード処理(ストロボの発光あるいは露出の補正)を行い(S26)、レリーズボタンを押下する(S24)。所定の明るさ以上であれば(YESのルート)、通常撮影モードで処理し(S27)、レリーズボタンを押下する(S24)。
顔画像が所定の明るさ以下である場合、ほとんどが、逆光と判断しても支障は無い。つまり、顔画像が暗い時は全体が暗いか、逆光の場合であり、両者同じように逆光処理をすればよいからである。おれにより、その後の処置を正しく行なうことができる。また、逆光と判断された被写体はそのまま撮影すると暗くなってしまう。それを補う照明としてストロボが有効であり、被写体を明瞭に撮影することができる。
さらに、逆光の被写体を撮影する他の方法は、レンズから入射する光束の量を増加することである。つまり、絞りを制御して露出を補正することである。これにより、自然な撮影が可能となり、さらにストロボによる電池の消耗を少なくすることができる。
また、顔画像が検出されない場合は、顔の明るさを判断することはできない。そのときは画面全体の明るさを検出して判断するしかないので、人物撮影以外でも適正な撮影が可能となる。
【0016】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、請求項1は、顔画像検出手段が顔画像を検出した場合は、検出した顔画像の明るさに基づき、顔画像の明るさが所定の明るさ以下であれば逆光と判断して、逆光モード処理により逆光を補って被写体の撮影を実行し、顔画像の明るさが前記所定の明るさ以上であれば通常撮影と判断して、通常撮影モード処理により逆光を補わずに被写体の撮影を実行することにより、逆光の場合でも逆光でない場合でも被写体である人物を適切な露光で撮影することができる。更に、顔画像検出手段が顔画像を検出しなかった場合は、画面全体の明るさが所定の明るさ以下であれば逆光モード処理により被写体の撮影を実行し、画面全体の明るさが所定の明るさ以上であれば通常撮影モード処理により被写体の撮影を実行するので、人物撮影以外でも適正な撮影が可能となる。請求項2は、逆光と判断された場合、被写体を照明するストロボを発光するので、被写体を明瞭に撮影することができる。また、逆光と判断された場合、光学系からの入射光量を調節する絞りを制御して露出補正を行うことにより、自然な撮影が可能となる。請求項3は、顔画像検出手段が顔画像を検出した場合に、被写体の撮影を実行するレリーズボタンが押されるので、操作性が向上し、シャッターチャンスを逃すことが無くなる。請求項4は、顔画像の輪郭に合焦し、設定されたサイズ若しくは定形サイズに被写体を撮影するので、現像時の後処理(カットや位置合わせ)が不要となり、コストダウンとなる。請求項5は、顔画像を検出しなかった場合、顔画像検出手段の動作が継続されるので、シャッターチャンスを逃すことが無くなる。請求項6は、選択手段が押下否を選択した場合、レリーズボタンは手動により押下されるので、撮影者の操作性がさらに向上する。また、請求項7の発明は、モニタ手段により検出精度を確認可能としたので、顔画像検出手段と被写体とのマッチングが事前に判明して、撮影の失敗確率をさらに少なくできる。請求項8の発明は、顔画像検出手段が検出した画像位置にマーキングするので、顔画像検出手段の精度を判断するのが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のデジタルスチルカメラのブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の顔画像検出部の概略ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の動作フローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態の動作フローチャートである。
【図5】本発明の第3の実施形態の動作フローチャートである。
【符号の説明】
20 画像メモリ、21 画像取り込み部、22 制御部、23 比較部、24 顔特徴記憶部、25 出力部
Claims (8)
- 光学系を介して得られた光信号を画像信号に変換して出力する画像撮像手段と、前記画像信号の中から顔画像を検出する顔画像検出手段とを備えたデジタルカメラ撮像装置において、
前記顔画像検出手段が顔画像を検出した場合は、検出した顔画像の明るさに基づき、前記顔画像の明るさが所定の明るさ以下であれば逆光と判断して、逆光モード処理により逆光を補って被写体の撮影を実行し、
前記顔画像の明るさが前記所定の明るさ以上であれば通常撮影と判断して、通常撮影モード処理により逆光を補わずに被写体の撮影を実行し、
前記顔画像検出手段が顔画像を検出しなかった場合は、画面全体の明るさが所定の明るさ以下であれば前記逆光モード処理により被写体の撮影を実行し、
前記画面全体の明るさが前記所定の明るさ以上であれば前記通常撮影モード処理により被写体の撮影を実行することを特徴とするデジタルカメラ撮像装置。 - 前記逆光モード処理は、被写体を照明するストロボを発光する、または前記光学系からの入射光量を調整する絞りを制御して露出補正を行うことであることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ撮像装置。
- 前記顔画像検出手段が顔画像を検出した場合に被写体の撮影を実行することを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ撮像装置。
- 前記顔画像検出手段が顔画像を検出した場合、該顔画像の輪郭に合焦し、設定されたサイズ若しくは定形サイズに被写体を撮影することを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ撮像装置。
- 前記顔画像検出手段が顔画像を検出しなかった場合、前記顔画像検出手段の動作が継続されることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ撮像装置。
- 前記顔画像検出手段が顔画像を検出した場合でも、レリーズボタンを押下るか否かを選択する選択手段を更に設け、該選択手段が押下否を選択した場合、前記レリーズボタンは手動により押下されることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ撮像装置。
- 前記顔画像検出手段による顔画像検出結果の精度を確認するためのモニタ手段を更に備え、撮影中若しくは撮影後に前記モニタ手段により検出精度を確認可能としたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のデジタルカメラ撮像装置。
- 前記モニタ手段は、前記顔画像検出手段が検出した画像位置にマーキングすることを特徴とする請求項7記載のデジタルカメラ撮像装置。
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