JP4420891B2 - 可動フィン付ポッド推進装置 - Google Patents

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Description

本発明は、船尾の船底部にストラットを介して回動可能に垂設されるポッド推進装置に関する。
従来、この種のポッド推進装置は、船体船尾の船底部に回動可能に装備されかつ前記船底部から垂直方向に配置された舵を兼ねるストラット(支柱)と、前記ストラットの下端に垂設されたプロペラを含む繭形のポッドとを備えたものが知られている。
そして、ポッド内部には電動モーターが収納されており、この電動モーターによってプロペラが回転するようになっている。また、船尾の船底部の内部には、操舵装置が設けられていて、これらの装置によって舵を兼ねるストラットを最大360度回転できるようになっている。
この種の従来のポッド推進装置では、舵を兼ねるストラットが中心線に対して対称の翼断面形状に形成されており、また、ポッド推進装置自体も水からの抵抗を受けないように表面が曲面で形成された繭型状となっている。
ところで、このようなポッド推進装置ではプロペラによって形成される流体の流れ(以下、「プロペラ流」という。)が生じ、プロペラ流は、回転流となってポッド推進装置の表面を螺旋状に流れることとなる。このようなポッド推進装置の表面に螺旋状に流れるプロペラ流は、ポッド推進装置にまとわりつくように流れるため、この水流によってスラストが減少、トルクの増加をもたらし、航行効率の低減を招いていた。
このため、本願出願人はプロペラ流による上述した欠点を解消し、船舶の推進に対する推進効率を向上させるとともに、逆に幾分かの推力も得られるポッド推進装置を提供することを目的とした発明を出願し、当該発明に係る技術は特開2004−249874号公報に開示されている。
この技術の概要について図6基に説明する。図6は、特開2004−249874号公報に開示されたポッド推進装置の概略を示す側面図である。この図6において、ポッド推進装置60は、船体70の船尾の船底部72に回動可能に装備されかつ前記船底部72から垂直方向に配置された舵を兼ねるストラット74と、前記ストラット74の下端に装備されたプロペラ80を含む繭型のポッド推進装置本体62と、ポッド推進装置本体62の左右の舷側に固着されたフィン64と、から構成されている。
先に説明したように、プロペラ80の回転によってポッド推進装置60の表面にプロペラ流Vが形成される。すなわち、プロペラ80は、船体後方から見て時計廻りに回転すると、プロペラ流Vの下流にはポッド推進装置60が位置しているので、プロペラ流Vは、図6に示されるように、回転流となってポッド推進装置60の表面を螺旋状に流れることとなる。したがって、ポッド推進装置60の右舷側では、上から下後方へ斜めに流れる螺旋状の水流が発生し、ポッド推進装置60の左舷側では下から上後方へ斜めに流れる螺旋状の水流が発生することとなる。
上記右舷および左舷に固着された設けられたフィン64、64は所定の翼形状を有し、かつ、そのフィン64が、プロペラ流Vに対し、所定の仰角を有して設けられているので、 船の推進方向に対して、斜めの方向から水流が向けられた場合、そのフィン角度に対して直角方向に揚力が発生するのである。そして、この揚力により、船舶の進行方向に対する推進力を生じさせるようにしたものである。
特開2004−249874号公報
しかしながら、プロペラ流Vの流れの向きは常に一定ではなく、プロペラの回転数、プロペラのピッチ角が変わると、プロペラ流Vのフィン64への入射角が変化する。そのため、特開2004−249874号公報に開示された技術は従来のポッド推進装置に比べて有効にプロペラ流を利用してはいるものの、プロペラの回転エネルギーの回収が十分に行われない場合も生ずる。
そこで、本発明はプロペラ流の流れの向きが変化した場合であっても、最大の推進力が得られるようなポッド推進装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本願請求項1に係る可動フィン付ポッド推進装置は、円錐頭部の先端にプロペラを備えるポッド推進装置において、前記ポッド推進装置は、船尾の船底部からストラットを介して垂設され、前記円錐頭部の中間域には、断面が翼形状の複数の可動フィンが該円錐頭部の外周に略等間隔かつ垂直に立設され、前記可動フィンは、立設中心を軸として、前記円錐頭部に穿設された貫通孔に水密かつ回動自在に嵌合する円盤状の回動盤表面に垂直に固着され、裏面に歯すじが刻設された前記回動盤と、外周面に歯すじが刻設され、前記回動盤の歯すじと当該外周面歯すじとが咬合する傘状環状歯車により、前記可動フィンが前記プロペラの回転数及びあらかじめ数値計算により設定したピッチ角と最適なフィン角度に回動することにより周囲に生ずるプロペラ流に対して所定の迎角で対峙することを特徴とする。
本願請求項1に係る発明によれば、ポッド推進装置を構成する円錐頭部の先端にプロペラが具えられている。すなわち、従来のポッド推進装置では、円錐頭部にプロペラの羽根が固着され、円錐頭部自体が回動するように構成されているが、本願発明では円錐頭部の先端部にプロペラの羽根を固着していて、従来どおり円錐頭部全体を回動させても良いが、円錐頭部を固定部と回動部の2つに分けて先端部のみを回動させることもできる。
そして、可動フィンはポッド推進装置の外周に垂直に立設され、かつ、立設方向に平行な軸を中心として回動するようになっていて、ポッド推進装置周囲に生ずるプロペラ流に対してその幅方向を所定の迎角で対峙させることにしているから、プロペラ流の流れの向きに対する可動フィンの迎角を最適なものとすることが可能である。したがって、プロペラの回転数,ピッチ角と最適なフィン角度の関係は、あらかじめ数値計算等により設定しておくことにより、プロペラ回転流のフィンへの入射角に応じて最適な迎角をつけることでき、プロペラ回転エネルギーの回収率を上げることができる。
また、本願請求項に係る発明によれば、可動フィンは円錐頭部の固定部に立設されている。すなわち、可動フィンはプロペラに近接して設けられている。前述したプロペラ流はプロペラに近いほど強く安定しているので、可動フィンをプロペラに近接して設けることにより、可動フィンの効果はより強く発揮されることになる。
そして、本願請求項に係る発明によれば、複数の可動フィンをプロペラの回転数に応じて回動させることとしている。プロペラの回転数の把握は容易であり、ポッド推進装置の周面に設置したセンサーによりプロペラ流の向きを把握するよりも仕組みを単純化することができ、メンテナンスも容易になる。
さらに、本願請求項に係る発明によれば、可動フィンは、ポッド推進装置に穿設された貫通孔に水密かつ回動自在に嵌合する回動盤の表面に垂直に固着されている。すなわち、回動盤に可動フィンの基端部を固着しているから、回動盤と可動フィンの接合部の剛性も高くなって、可動フィンが受ける水圧に十分耐えることができ、耐用期間の長い可動フィンを提供することができる。
また、本願請求項に係る発明によれば、表面に可動フィンが固着された回動盤は、ポッド推進装置に内蔵された環状歯車に咬合することにより連動して回動することとしている。
複数の可動フィンをプロペラ流の向きに応じて連動して回動させることにより、プロペラ流の向きはポッド推進装置の両側面、底面、上面で略同一であるから、一の可動フィンの向きをプロペラ流に対して最適なものとすれば、すべての可動フィンの向きもプロペラ流に対して最適なものとなる、という効果を得ることができる。
また、可動フィンを回動させる方法として、ポッド推進装置に内蔵された環状歯車と回動盤に刻設された歯車とを咬合させる手段を採用している。この手段は構造が簡単であり、咬合部分の遊びを少なくすることができ狂いも生じないから、経済的であり、メンテナンスも容易であるという効果を有する。
以下、本願発明を実施するための最良の形態に係る実施例について、図1ないし図5に基づいて説明する。なお、図1は、実施例に係るポッド推進装置の側面図、図2は、実施例に係るポッド推進装置の構造概略図であって、図2(a)は同ポッド推進装置の構造概略側面図、図2(b)は図2(a)のA部斜視拡大図、図3は、実施例に係るポッド推進装置のプロペラ流と可動フィンの説明図であって、図3(a)はプロペラ流の向きが角度αにおける右舷側側面図、図3(b)はプロペラ流の向きが角度αにおける左舷側側面図、図3(c)はプロペラ流の向きが角度αにおける右舷側側面図、図4は、実施例に係るポッド推進装置と従来のポッド推進装置の比較説明図であって、図4(a)は実施例に係るポッド推進装置におけるプロペラ流と可動フィンの関係説明図、図4(b)は従来のポッド推進装置におけるプロペラ流と可動フィンの関係説明図、図5は可動フィンの回動フローチャートである。
図1ないし図4において、符号10は実施例に係るポッド推進装置、符号20はポッド推進装置本体、符号22は円錐頭部、符号221は固定部、符号222は回動部、符号24は円筒部、符号26は円錐後部、符号30は推進部、符号32はプロペラ駆動モーター、符号34はプロペラ軸、符号40はプロペラ、符号42はプロペラの羽根、符号50は可動フィン、符号52は可動フィン本体、符号54は可動フィン回動盤、符号56は環状歯車、符号58は支持歯車、符号60は従来のポッド推進装置、符号64は従来のフィン、符号70は船体、符号72は船底部、符号74はストラット、符号80は従来のプロペラ、である。なお、図6を基に特開2004−249874号公報に開示されたポッド推進装置(ここでは「従来のポッド推進装置」としている。)について説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付している。
まず、実施例に係るポッド推進装置10の構成について、図1および図2を基に説明する。
ポッド推進装置10は、主として、ポッド推進装置本体20、プロペラ40、可動フィン50およびポッド推進装置本体20に内蔵される推進部30から構成されていて、船尾の船底部72からストラット74を介して垂設されている。なお、ストラット74が舵を兼ねていることは、前述したとおりである。
ポッド推進装置本体20は、先端部に位置する略円錐状の円錐頭部22、中間部に位置する円筒状の円筒部24および後端部に位置する半球状の円錐後部26とから構成されていて、全体形状が略繭形となっている。さらに、円錐頭部22は、円筒部24側に位置する固定部221と先端部に位置する回動部222とから構成されている。
そして、回動部222には、その外周面に複数のプロペラの羽根42、42、・・・が固着されていて、回動部222と複数のプロペラの羽根42、42、・・・により、プロペラ40が構成されている。また、ポッド推進装置本体20内部には、推進部30が収納されていて、推進部30は、プロペラ駆動モーター32とプロペラ軸34とから構成されている。そして、プロペラ軸34は、プロペラ駆動モーター32の回転体(図示外)と前述したプロペラ40とを連結している。
可動フィン50は、可動フィン本体52と円盤状の可動フィン回動盤54とから構成されていて、可動フィン本体52は可動フィン回動盤54に略垂直に立設固着されている。そして、可動フィン回動盤54は、円錐頭部22の固定部221に穿設された嵌合孔に回動自在かつ水密に嵌合していて、実施例においては4つの可動フィン回動盤54、54、・・・がポッド推進装置本体20の右舷側、左舷側、下面側および上面側に配設されている。本実施例では、可動フィン50も回動盤54も鋼製であるので溶着している。
なお、可動フィン本体52の回動軸を円錐頭部22に貫通孔を穿設し、その貫通孔に回動自在に嵌合させても良いことはもちろんであるが、この場合、可動フィン本体52は回動軸により支持されていることになるから、可動フィン本体52の回動軸には曲げ応力が働き、本実施例のように、可動フィン回動盤54に立設固着される場合よりも、剛性の面で劣ることになる。
可動フィン本体52の断面は一面が緩やかなカーブを呈し、他面が略直線状を呈する凸レンズ状のいわゆる翼の断面状であり、最大厚み部は中心部よりもプロペラ40側に位置するように固定部221に取着されている。そして、この可動フィン40が固定部221に取着された状態において、可動フィン本体42の側面視は基端部を底辺とし先端部を上辺とする台形状を呈していて、その先端部となる台形の上辺は略水平となっている。
ポッド推進装置本体20内には、プロペラ軸34の回転軸を中心として回動するリング状の環状歯車56が、回動自在に複数の支持歯車58に支持されていて、環状歯車56の外周面は、固定部221の傾きに対応した勾配を有し、その表面には歯すじが刻設されることにより、環状歯車56はかさ歯車状となっている。一方、固定部221に穿設された嵌合孔に回動自在かつ水密に嵌合する可動フィン回動盤54は、その裏面(可動フィン本体52が固着された面とは反対側の面)の周縁部に中心に対して放射状に歯すじが刻設された歯車となっている。そして、環状歯車56の歯すじと4つの可動フィン回動盤54の歯すじとが咬合することにより、可動フィン回動盤54が回動すると、可動フィン回動盤54、54、・・・が連動して回動するようになっている。
なお、円錐頭部とは、略円錐状を呈するポッド推進装置10の先端部分をいい、その後に配置される。また、プロペラ流とは、高速回転するプロペラによってポッド推進装置10の周囲に生ずる安定した水の流れをいう。さらに、迎角とは、可動フィン本体52の前端部および後端部を結ぶ幅方向の線とプロペラ流との成す挟角をいい、所定の迎角とは、後述する可動フィン本体52の揚力の水平分力が最大となる迎角をいう。
また、可動フィン本体52の断面は、翼形状に形成されている。ここにいう翼形状とは、一面が緩やかなカーブを呈し他面が略直線状を呈する凸レンズ状であって、飛行機の翼の断面に近似した形状をいう。この形状により可動フィン本体52の緩やかなカーブを呈する面には揚力が発生し、後述するように、この揚力の分力がプロペラ流の上流側に向くことになるから、揚力の分力が船舶の推進方向に一致することになる。
つぎに、実施例に係るポッド推進装置10の作用について、図3および図4を基に説明する。
図3および図4において、符号Vはプロペラ流、符号αは可動フィン50の水平面に対する角度、符号βはプロペラ流Vの水平面に対する角度、符号Lは可動フィン50の揚力、符号Fは揚力Lの水平方向の分力である。
プロペラ40は、船体70の船尾側から見て時計廻りに回転しており、しかも、プロペラ40の船尾側にポッド推進装置本体20が位置しているので、ポッド推進装置本体20の周囲に発生するプロペラ流Vは、図3に示すように、回転流となってポッド推進装置10の表面を螺旋状に流れることになる。すなわち、ポッド推進装置の10の右舷側(図3(a)参照)では、上から下後方へ斜めに流れる螺旋状のプロペラ流Vが発生し、ポッド推進装置10の下面側では右から左後方へ斜めに流れ、同ポッド推進装置101の左舷側(図3(b)参照)では下から上後方へ斜めに流れる螺旋状のプロペラ流Vが発生することとなる。このプロペラ流Vは、プロペラの回転数が変わればその向き(β)も変わり、プロペラの回転数が一定であればその向き(β)も一定になる。
なお、可動フィン50による推進力をより効果的に発揮させるためには、プロペラ流Vの流れの向きを的確に把握する必要がある。このプロペラ流Vの流れの向きを的確に把握する方法として、ポッド推進装置本体20の周面に設置したセンサーによっても把握することは可能である。しかし、プロペラ流Vの流れの向きは、プロペラ40の回転数およびプロペラ40のピッチ角により変化するが、プロペラ40のピッチ角は当該船舶に固有のものであるから、プロペラ流Vの流れの向きは、専らプロペラ40の回転数に応じて変化することになる。そして、プロペラ40の回転数は、ポッド推進装置本体20に内蔵されたプロペラ駆動モーター32の回転数であるから、本実施例においては、プロペラ駆動モーター32に回転体の回転数を把握するセンサー(図示外)を添設している。
ここで可動フィン50の作用、および、水平面に対する角度αとプロペラ流Vの水平面に対する角度βとの関係について説明する。なお、可動フィン50の水平面に対する角度αとは、可動フィン本体52の断面における前端部と後端部とを結んだ線と水平面との成す挟角をいう。
いま、プロペラ40がある一定の回転数で回転しているときのプロペラ流Vの角度βを角度β、そのときの可動フィン50の角度αを角度αとし(図3(a)、(b)および図4(a)の1参照)、プロペラ40が他の一定の回転数で回転しているときのプロペラ流Vの角度βを角度β、そのときの可動フィン50の角度αを角度αとする(図3(c)および図4(a)の2参照)。
前述したように、可動フィン50は翼に近似した断面を有していて、最大厚み部は中心部よりもプロペラ流Vに対して上流側(実施例においてはプロペラ40側)に位置するように形成されている。このため、プロペラ流を初めとする水流に対して略平行に可動フィン50を配置させると、プロペラ流は、可動フィン50の略直線状の面よりも緩やかなカーブ面の方が流れが速くなり、緩やかなカーブ面を流れる水流部分の圧力は略直線状の面を流れる水流部分の圧力より低下し、そこで生じた圧力差から、可動フィン50には緩やかなカーブ面の方へ引き上げる揚力Lが生じる。そして、この揚力Lは水平方向の力(F)と垂直方向の力とに分けることができ、この水平方向の力(F)が当該船舶の推進方向と一致して推進力Fとなる。
ところで、揚力Lは角度βを角度αと同値としたときよりも、角度αに所定の角度(迎角)を加えたときにより大きくなる。そして、この揚力Lの水平方向の力(F)が最大となる迎角を、ここでは所定の迎角というが、所定の迎角をΔαとすれば、β=α+Δα、なる等式が成立する。なお、Δαは可動フィン50の断面形状により定まる固有値であり、プロペラ流の角度βに対する最適な可動フィン50の角度αは、あらかじめ数値計算等により設定しておく。
ここで、可動フィン50と従来のフィン64との作用の相違について、図4を基に説明する。従来のフィン64は従来のポッド推進装置60に角度αで固着されていて(図6参照)、この角度αはプロペラ流Vの角度βにおける可動フィン50の角度αと同一であり、かつ、可動フィン50の断面形状と従来のフィン64の断面形状はともに同一であるとする。
プロペラ流Vの角度がβの場合は、図(a)の1および図(b)の1に示すように、揚力Lの大きさや方向が同一であるため、推進力Fも同一となる。すなわち、推進力Fの大きさは、「図(a)の1の場合=図(b)の1の場合」となる。
プロペラ流Vの角度がβ(ただし、β>β)の場合は、図(a)の2に示すように、可動フィン50の角度αは角度αよりも大きくなり(α=β−Δαでありα=β−Δαであって、かつ、β>βであるから、α>αとなる。)、揚力Lの大きさは略同一であるため揚力Lの水平分力である推進力Fは図(a)の1における推進力Fよりも大きくなる。すなわち、推進力Fの大きさは、「図(a)の2の場合>図(a)の1の場合」となる。
一方、従来のフィン64において、プロペラ流Vの角度がβの場合は、図(b)の2に示すように、従来のフィン64の角度αは固定されていて不変であるため、揚力Lの向きは変わらないが、迎角が大きくなることから、揚力Lの大きさは図(b)の1の場合よりも小さくなり、揚力Lの水平分力である推進力Fは図(b)の1における推進力Fよりも小さくなる。すなわち、推進力Fの大きさは、「図(b)の1の場合>図(b)の2の場合」となる。
したがって、図(a)の2の場合>図(a)の1の場合=図(b)の1の場合>図(b)の2の場合、ということになるから、プロペラ流Vの角度βが変化した場合は、可動フィン50の推進力の方が従来のフィン64の推進力よりも大きくなるのである。
つぎに、可動フィン50の回動の仕組みについて、図2および図5を基に説明する。
図2に示すように、環状歯車56は、プロペラ軸34を取り囲んだように配設されていて、プロペラ軸34およびプロペラ駆動モーター32とは干渉しないように配置されている。そして、環状歯車56は、複数の支持歯車58により支持され、複数の支持歯車58が図示外の支持歯車回動モーターにより回転すると、その回転が環状歯車56を回転させ、さらに可動フィン回動盤54に伝達されて可動フィン本体52が所定の迎角となるようになっている。
そして、可動フィン50は、以下に示す工程により回動する。すなわち、
(1)プロペラ駆動モーター32の回転数が所定の範囲を超えると、その変化をプロペラ駆動モーター32に添設されたセンサー(図示外)が察知する(ステップ1)。
(2)環状歯車46が察知されたプロペラ駆動モーター32の回転数に対応する回動角度となるように、支持歯車回動モーター(図示外)に所定時間電流を送る(ステップ2)。
(3)電流が送られることにより、支持歯車回動モーター(図示外)は所定時間稼動する(ステップ3)。
(4)支持歯車回動モーターの稼動により、支持歯車58が回動し、さらに、環状歯車56が回動する(ステップ4)。
(5)環状歯車56の回動により、環状歯車56と咬合する4つの可動フィン回動盤54、54、・・・が回動して、可動フィン50の水平面に対する角度αが最適のものとなる(ステップ5)。
なお、本実施例では、ポッド推進装置10のプロペラ40がストラット74の船首側に位置するトラクタータイプを示しているが、ポッド推進装置のプロペラがストラット74の船尾側に位置するプッシャータイプであっても良い。
図1は、実施例に係るポッド推進装置の側面図である。 図2は、実施例に係るポッド推進装置の構造概略図であって、図2(a)は同ポッド推進装置の構造概略側面図、図2(b)は図2(a)のA部斜視拡大図である。 図3は、実施例に係るポッド推進装置のプロペラ流と可動フィンの説明図であって、図3(a)はプロペラ流の向きが角度αにおける右舷側側面図、図3(b)はプロペラ流の向きが角度αにおける左舷側側面図、図3(c)はプロペラ流の向きが角度αにおける右舷側側面図である。 図4は、実施例に係るポッド推進装置と従来のポッド推進装置の比較説明図であって、図4(a)は実施例に係るポッド推進装置におけるプロペラ流と可動フィンの関係説明図、図4(b)は従来のポッド推進装置におけるプロペラ流と可動フィンの関係説明図である。 図5は、可動フィンの回動フローチャートである。 図6は、特開2004−249874号公報に開示されたポッド推進装置の概略を示す側面図である。
符号の説明
10 実施例に係るポッド推進装置
20 ポッド推進装置本体
22 円錐頭部
30 推進部
32 プロペラ駆動モーター
34 プロペラ軸
40 プロペラ
50 可動フィン
56 環状歯車
60 従来のポッド推進装置
64 従来のフィン
70 船体
72 船底部
74 ストラット
80 従来のプロペラ

Claims (1)

  1. 円錐頭部の先端にプロペラを備えるポッド推進装置において、前記ポッド推進装置は、船尾の船底部からストラットを介して垂設され、前記円錐頭部の中間域には、断面が翼形状の複数の可動フィンが該円錐頭部の外周に略等間隔かつ垂直に立設され、前記可動フィンは、立設中心を軸として、前記円錐頭部に穿設された貫通孔に水密かつ回動自在に嵌合する円盤状の回動盤表面に垂直に固着され、裏面に歯すじが刻設された前記回動盤と、外周面に歯すじが刻設され、前記回動盤の歯すじと当該外周面歯すじとが咬合する傘状環状歯車により、前記可動フィンが前記プロペラの回転数及びあらかじめ数値計算により設定したピッチ角と最適なフィン角度に回動することにより周囲に生ずるプロペラ流に対して所定の迎角で対峙することを特徴とする可動フィン付ポッド推進装置。
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