JP4420575B2 - 洗びん機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、びんを倒立状態で収容する筒状のびんホルダを備えた洗びん機において、サイズの異なるびんの兼用化を図った洗びん機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、洗びん機はびんを収容する多数のびんホルダを備えており、収容したびんを移動させつつ洗浄液を噴射してびんの内外面を洗浄するようになっている。このようなびんホルダは多少サイズの異なるびんであっても収容できるよう構成されているが、大きくサイズが異なる場合には全てのびんホルダを取り外して交換する必要があり、その交換作業は非常に煩雑なものであった。このような問題に対して以下のように構成したものが従来より存在している。
それは、洗びん機の無端のキャリアバスケット連結体の循環経路下方に、キャリアバスケットの収納台を上下複数段に設けると共に、該収納台の近傍にキャリアバスケットの引込装置を設け、複数区分に分割した保管キャリアバスケット連結体の各連結体区分を前記収納台に収納し、循環経路のキャリアバスケット連結体を収納台の一端近傍で順次切断して前記引込装置により空の収納台に引込むと同時に、収納台に保管されていた連結体区分を収納台の他端側で循環経路のキャリアバスケット連結体の後端に接続し循環経路に搬入する洗びん機キャリアバスケット交換方法(特公昭58−52911号公報参照)。及び、互いに対向して配置される一対の無端索条への取付け部を両端に有して平行に配置された一対の桁部材に、容器を載置する複数個の載置板が所定間隔を有して架設固定されるとともに前記それぞれの載置板の両側に容器の外側面を保持する保持腕が表面に突設された一対の摺動部材がそれぞれ所定の間隔を有して摺動可能に架設され、更に前記それぞれの摺動部材は前記載置板を挟んで同一側に位置するもの同士が位置決め機構を備えた移動杆によりそれぞれ互いに連結されている洗浄機等の容器ホルダ(実開平2−45193号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特公昭58−52911号公報で開示される洗びん機によれば、びんホルダが取り付けられたキャリアバスケット(ブリッジ)を、これを移動させるキャリアバスケット連結体(チェーン)ごと洗びん機から収納台に引き込んで、サイズの異なるびんホルダが取り付けられたキャリアバスケットと交換するようにしているため、大掛かりな交換装置が必要であった。
【0004】
また、実開平2−45193号マイクロフィルムの明細書で開示される洗びん機によれば、びんを保持する保持腕が摺動して間隔を変更する構成となっているため、構造が複雑で洗浄液の当らない部分に雑菌が繁殖しやすくサニタリー性に劣るものであった。また、洗浄液により摺動部分に錆が発生して動作不良を起こす恐れがあった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題に鑑み、びんホルダの交換作業を伴うことなく、簡単な構成によりびんサイズの変更に対応できるようにした洗びん機を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題の解決を図ったもので、次のような技術手段を採用した。請求項1記載の発明においては、びんを倒立状態で収容する筒状のびんホルダと、複数のびんホルダを支持する移動体とを備えた洗びん機において、移動体に取り付けられて着脱自在に移動体の上方に位置される支持部材と、びんホルダよりも小径で、びんホルダの配置に対応して支持部材に支持される複数の筒状部材とを備え、支持部材が移動体に取り付けられた際には、びんホルダ内に位置されるびんが筒状部材により倒立状態に支持されるという技術手段を採用した。
【0007】
請求項2記載の発明においては、請求項1記載の発明に加えて上記筒状部材をびんを収容可能なホルダ形状にするという技術手段を採用した。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る洗びん機の要部断面図であり、一点鎖線より左側は支持部材10を取り付けた状態、右側は取り外した状態を示している。図2はブリッジに設けた保持部を示す拡大図である。
図1において、1は洗びん機であり1aはその側壁である。洗びん機1内には複数のスプロケットが配置されており、これらスプロケットに無端状のチェーン2が掛け回されている。スプロケットの回転に伴ってチェーン2に取り付けられたローラ3が、側壁1aに設けられたレール4に支持されて走行し洗びん機1内を循環する。このようなチェーン2は対向する側壁1aの各々に配置されており、両側のチェーン2に渡って移動体を構成する多数のブリッジ5がチェーン2の移動方向に所定間隔で連結されている。ブリッジ5にはサイズの大きな大径のびん6を倒立状態で収容することのできる筒状のびんホルダ7が1列に整列されて複数個(本実施例では6個)取り付けられている。
【0009】
ブリッジ5は、天板5aとこの天板5aから鉛直方向に垂下される側板5bからなる断面コの字状に形成されており、天板5aにはびんホルダ7を挿入する円形の取付孔5cが形成されている。びんホルダ7は樹脂成形され倒立状態のびん6の胴部6aを支持する円筒状の本体部7aと、この本体部7aから下方に窄まるよう形成され、びん6の肩部6bを支持する下方部7bとを有しており、この下方部7bの下端を取付孔5cに挿入してブリッジ5に取り付けられている。
【0010】
ブリッジ5の天板5a両端部にはブラケット8が立設されており、このブラケット8の上部に設けた保持部9によって、支持部材10がブリッジ5に着脱自在に取り付けられるようになっており、支持部材10はブリッジ5の上方に位置されて移動するブリッジ5と一体に移動されるようになっている。
【0011】
支持部材10にはサイズの小さな小径のびん11を倒立状態で収容する、筒状でびんホルダ7よりも小径の小径ホルダ12が1列に整列されて複数個(本実施例では6個、図1においては一点鎖線より左側に3個のみを図示している。)取り付けられていて、これら各小径ホルダ12は支持部材10がブリッジ5に取り付けられた際には、各々対応するびんホルダ7の内側に位置するようにびんホルダ7の配置に対応させて支持されている。
【0012】
支持部材10は、ブリッジ5と同様に天板10aとこの天板10aより鉛直方向に垂下される側板10bからなる断面コの字状に構成されており、天板10aに小径ホルダ12を挿入する円形の取付孔10cが、ブリッジ5の取付孔5cと同一中心となるように形成されている。小径ホルダ12はびんホルダ7と同様に、樹脂成形され倒立状態の小径のびん11の胴部11aを支持する円筒状の本体部12aと、この本体部12aから下方に窄まるように形成され、びん11の肩部11bを支持する下方部12bとを有するホルダ形状をしており、本体部12aの上端を取付孔10cに挿入して支持部材10に取り付けられている。
【0013】
さらに、支持部材10の両端部には、図2で拡大して示すように先端がテーパ状となった挿入ピン14が支持プレート13を介して垂下して設けられており、この挿入ピン14には側壁1a側に開口させて係合孔14aが形成されている。一方、ブラケット8の上端部はL字状に曲げられて水平部8aが形成されており、この水平部8aには挿入ピン14を挿入可能な円形の挿入口8bが形成されているとともに、この挿入口8bから下方にこれと同径の挿入筒15が取り付けられている。この挿入筒15には挿入ピン14が挿入された状態の時に、挿入ピン14の係合孔14aと位置が合うように貫通孔15aが形成されており、この貫通孔15aに係合部材16の先端に設けた係合ピン16aを抜き差し自在に貫通させている。係合部材16の係合ピン16aを設けた側の他端側はブラケット8を貫通して側壁1a側に摺動自在に突出させており、係合部材16はバネ17により常時挿入筒15に押し付けられている。このような構成により、支持部材10の挿入ピン14を挿入筒15に挿入させることによって支持部材10を位置決めするとともに、係合孔14aに係合ピン16aを挿入させてブラケット8に支持部材10を着脱自在に保持させるようにしている。
【0014】
以上のように、支持部材10はブリッジ5と一体で移動され、ブリッジ5はチェーン2の移動によりびんホルダ7の列方向と直交する方向へ移動するようになっているので、支持部材10がブリッジ5に取り付けられていない場合には、びん6をびんホルダ7に収容することにより倒立状態に支持して洗びん機1内を搬送することができ、また、支持部材10が取り付けられている場合には、びん11を小径ホルダ12に収容することにより、びんホルダ7内で倒立状態に支持して洗びん機1内を搬送することができる。そして、ブリッジ5の移動経路の上方側には洗浄液を拡散させて噴射する洗浄ノズル18aを備えた給液パイプ18を配置するとともに、下方側には洗浄液を集中させて噴射する洗浄ノズル19aを備えた給液パイプ19を配置しているので、洗浄ノズル18aによってこれら搬送されるびん6の外面を洗浄するとともに、洗浄ノズル19aによってびん6の内部に洗浄液を噴射して内面を洗浄することができ、さらにびん11についても小径ホルダ12で倒立状態に支持されてびんホルダ7内に位置されるので、びん6と同様に洗浄することができる。
【0015】
以上のように構成される洗びん機1の異なるびんサイズへの変更に伴う型替え作業について説明する。
まず、サイズの大きな大径のびん6を洗浄する場合には、チェーン2によるブリッジ5の移動動作を停止させ、洗びん機1の一端側の給びん部においてブリッジ5の両側の係合部材16を引っ張り、係合孔14aから係合ピン16aを抜いた状態で、支持部材10を上方に持ち上げ挿入筒15から挿入ピン14を抜き出して支持部材10をブリッジ5から取り外す。この後は、1ピッチ分ずつチェーン2を移動させてブリッジ5を給びん部に位置させ、順次支持部材10をブリッジ5から取り外していく。
【0016】
次に、サイズの小さな小径のびん11を洗浄する場合には、同様にチェーン2によるブリッジ5の移動動作を停止させ、洗びん機1の一端側の給びん部において挿入筒15に挿入ピン14を押し込んで、支持部材10をブリッジ5に取り付ける。挿入ピン14の先端はテーパ状になっているので、挿入ピン14を押し込むだけで係合ピン16aはテーパに倣って自ずと押し戻され、係合孔14aと位置が合った時点で係合孔14aに挿入される。この後は1ピッチ分ずつチェーン2を移動させてブリッジ5を給びん部に位置させ、順次支持部材10をブリッジ5に取り付けていく。本実施例によれば、支持部材10を取り外した場合には、サイズの大きなびん6を洗浄できるとともに、支持部材10を取り付けた場合にはサイズの小さなびん11をびんホルダ7の中央に位置させることができ、サイズの大きなびん6と同様に洗浄することができる。
【0017】
つまり、びんホルダ7の交換を伴うことなく、支持部材10を着脱させるだけでびん6とびん11の洗浄を同一の洗びん機で兼用することが可能となり、従来に比較して簡単な構成により異なるびんサイズの兼用化を図ることができる。また、ホルダ部分には摺動箇所がなくサニタリー性にも優れ、動作不良を起こす恐れもないものである。
【0018】
なお、びんホルダ7、小径ホルダ12の形態については筒状でびん6、びん11を収容できるホルダ形状であれば、完全に周囲を覆うものであっても良いしリブだけで筒状に形成し周囲に開口を有するものであっても良い。
【0019】
次に、図3により本発明に係る第2の実施例について説明する。
前記第1実施例においては、びん6に対して兼用させる小径びん11はブリッジ5に取り付けたびんホルダ7の下部側の開口よりも小径であるため、小径ホルダ12はびんホルダ7と同様に、小径のびん11の胴部11aを支持する円筒状の本体部12aと、この本体部12aから下方に窄まるように形成され、びん11の肩部11bを支持する下方部12bとを有していたが、本第2実施例は、図3で示すような大径のびん6と小径のびん11の中間径のびん20を兼用させる場合に、支持部材10に取り付ける筒状部材として、びん20の胴部20aを支持する円筒状の本体部21aのみからなる支持ホルダ21を用いたものである。このような支持ホルダ21によれば、倒立状態のびん20の胴部20aの支持は円筒状の支持ホルダ21により行うが、びん20の肩部20bについてはびんホルダ7の下方部7bを利用するようになっている。このような第2実施例においても、支持ホルダ21以外の構成は前記第1実施例と変わることがなく、第1実施例と同様の効果を得ることができるものである。
【0020】
なお、第2実施例の場合、支持ホルダ21は第1実施例の小径ホルダ12のように必ずしもびんホルダ7の内側に位置させる必要はなく、びん20の胴部が細長くびんホルダ7から上方へはみ出す場合には、びんホルダ7の上方に位置させてびん20の胴部20aを支持するようにしても良い。また、支持ホルダ21の長さについても適宜設定すれば良く、図3においてびん20の胴部20aが支持部材10の高さを超えて取付孔10cを貫通する場合には、取付孔10cの内周縁を支持ホルダ21として胴部20aを支持するようにし、支持ホルダ21を省略することもできる。
【0021】
また、支持ホルダ21の形態については筒状でびん20を支持できるものであれば、完全に周囲を覆うものであっても良いし、リブだけで筒状に形成し周囲に開口を有するものであっても良い。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、以上の構成を採用した結果、次のような効果を得ることができる。(1)びんを倒立状態で収容する筒状のびんホルダと、複数のびんホルダを支持する移動体とを備えた洗びん機において、移動体に取り付けられて着脱自在に移動体の上方に位置される支持部材と、びんホルダよりも小径で、びんホルダの配置に対応して支持部材に支持される複数の筒状部材とを備え、支持部材が移動体に取り付けられた際には、びんホルダ内に位置されるびんが筒状部材により倒立状態に支持されるように構成されているので、びんホルダの交換作業を伴うことなく、簡単な構成によりびんサイズの変更に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る洗びん機を示す要部断面図である。
【図2】本発明の実施例に係る洗びん機のブリッジに設けた保持部を示す要部拡大図である。
【図3】本発明の他の実施例に係る支持部材を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1‥‥洗びん機 1a‥‥側壁
2‥‥チェーン 3‥‥ローラ
4‥‥レール 5‥‥ブリッジ
5a‥‥天板 5b‥‥側板
5c‥‥取付孔 6‥‥大径のびん
6a‥‥胴部 6b‥‥肩部
7‥‥びんホルダ 7a‥‥本体部
7b‥‥下方部 8‥‥ブラケット
8a‥‥水平部 8b‥‥挿入口
9‥‥保持部 10‥‥支持部材
10a‥‥天板 10b‥‥側板
10c‥‥取付孔 11‥‥小径のびん
11a‥‥胴部 11b‥‥肩部
12‥‥小径ホルダ 12a‥‥本体部
12b‥‥下方部 13‥‥支持プレート
14‥‥挿入ピン 14a‥‥係合孔
15‥‥挿入筒 15a‥‥貫通孔
16‥‥係合部材 16a‥‥係合ピン
17‥‥バネ 18‥‥給液パイプ
18a‥‥洗浄ノズル 19‥‥給液パイプ
19a‥‥洗浄ノズル 20‥‥中間径のびん
20a‥‥胴部 20b‥‥肩部
21‥‥支持ホルダ 21a‥‥本体部

Claims (2)

  1. びんを倒立状態で収容する筒状のびんホルダと、複数のびんホルダを支持する移動体とを備えた洗びん機において、移動体に取り付けられて着脱自在に移動体の上方に位置される支持部材と、びんホルダよりも小径で、びんホルダの配置に対応して支持部材に支持される複数の筒状部材とを備え、支持部材が移動体に取り付けられた際には、びんホルダ内に位置されるびんが筒状部材により倒立状態に支持されることを特徴とする洗びん機。
  2. 上記筒状部材が、びんを収容可能なホルダ形状をしていることを特徴とする請求項1記載の洗びん機。
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