JP4419136B2 - 画像符号化装置、画像符号化方法及びそのプログラム - Google Patents

画像符号化装置、画像符号化方法及びそのプログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像を符号化する画像符号化装置に関する。
画像データの圧縮方式には可逆符号化方式と非可逆符号化方式とがある。可逆符号化方式は、圧縮伸長を繰り返しても画質は劣化しないが、階調変化が多様なスキャン画像などを十分に圧縮することができない。一方、非可逆符号化方式は、このようなスキャン画像を高い圧縮率で圧縮できるが圧縮伸長を繰り返すと画質が劣化する。
例えば、特許文献1は、圧縮コードを監視し、圧縮コードのデータ量がタイル毎に定められた上限を超えた場合に、圧縮コードをDCT係数に変換し、変換されたDCT係数を一部削除して解像度を調整することにより、タイル毎の符号量制御を実現する画像符号化制御装置を開示する。
特開2003−116009号公報
本発明は、上述した背景からなされたものであり、所望の符号量で入力画像を符号化する画像符号化装置を提供することを目的とする。
[画像符号化装置]
上記目的を達成するために、本発明にかかる画像符号化装置は、入力画像を構成する画像要素が光学読取画像であるか又はフォント画像若しくはコンピュータグラフィック画像であるかを判定する属性判定手段と、前記属性判定手段によって光学読取画像であると判定された画像要素に対し、この画像要素からなる部分画像の解像度が低下するように、入力画像の画素値を変換し、前記属性判定手段によってフォント画像又はコンピュータグラフィック画像であると判定された画像要素に対し、この画像要素に対する解像度変換を禁止する解像度変換手段と、予測符号化を適用して、前記解像度変換手段により解像度が変換された入力画像の符号データを生成する符号生成手段とを有する。
好適には、前記属性判定手段は、入力画像に含まれる注目画素の画素値と、この注目画素の近傍に存在する既定数の近傍画素の画素値とを比較して、注目画素の画素値がいずれの近傍画素の画素値とも一致しない場合に、この注目画素を光学読取画像であると判定する
好適には、前記属性判定手段は、入力画像に付加された付加情報に基づいて、この入力画像に含まれる注目画素が光学読取画像であるか又はフォント画像若しくはコンピュータグラフィック画像であるかを判定する。
好適には、前記解像度変換手段は、前記属性判定手段により光学読取画像であると判定された複数の画素が互いに隣接して画素群を構成する場合に、この画素群から既定サイズの画素ブロックを選択し、選択された画素ブロックの画素値に基づいて変換画素値を決定し、決定された変換画素値でこの画素ブロックに属する画素の画素値を置換する。
好適には、前記符号生成手段により生成される符号データのデータ量が既定の上限値以下となるように、前記解像度変換手段を制御する符号量制御手段をさらに有する。
好適には、前記符号量制御手段は、生成される符号データのデータ量が既定の上限値以下となるように、画素ブロックのサイズを指定し、前記解像度変換手段は、前記符号量制御手段により指定された画素ブロック毎に、変換画素値を決定し、決定された変換画素値でそれぞれの画素ブロックに属する画素の画素値を置換する。
好適には、前記符号生成手段は、注目画素の近傍に位置する参照画素の画素値を参照して、この注目画素に対応する符号データを生成する。
好適には、最低圧縮率に対応したサイズの画素ブロックを入力画像から抽出する画素ブロック抽出手段と、前記画素ブロック抽出手段により抽出された画素ブロックの画素値に基づいて、変換画素値を決定する画素値決定手段と、この画素ブロックに属する画素の画素値を、前記画素値決定手段によりこの画素ブロックについて決定された変換画素値で置換する画素値置換手段とを有し、前記符号生成手段は、予測符号化を適用して、前記画素値置換手段により変換画素値で置換された入力画像の符号データを生成する。
[画像符号化方法]
また、本発明にかかる画像符号化方法は、入力画像を構成する画像要素が光学読取画像であるか又はフォント画像若しくはコンピュータグラフィック画像であるかを判定し、光学読取画像であると判定された画像要素に対し、この画像要素からなる部分画像の解像度が低下するように、入力画像の画素値を変換し、フォント画像又はコンピュータグラフィック画像であると判定された画像要素に対し、この画像要素に対する解像度変換を禁止し、予測符号化を適用して、解像度が変換された入力画像の符号データを生成する。
[プログラム]
また、本発明にかかるプログラムは、入力画像を構成する画像要素が光学読取画像であるか又はフォント画像若しくはコンピュータグラフィック画像であるかを判定するステップと、光学読取画像であると判定された画像要素に対し、この画像要素からなる部分画像の解像度が低下するように、入力画像の画素値を変換し、フォント画像又はコンピュータグラフィック画像であると判定された画像要素に対し、この画像要素に対する解像度変換を禁止するステップと、予測符号化を適用して、解像度が変換された入力画像の符号データを生成するステップとをコンピュータに実行させる。
本発明の画像符号化装置によれば、所望の符号量で入力画像を符号化することができる。
[背景]
まず、本発明の理解を助けるために、本発明がなされるに至った背景を説明する。
プリンタなどにおいて、印刷のプロセススピードを維持したままラスタデータを供給するためには、画像データのデータ量を制御する必要がある。データ量を制御する方法としては、各種圧縮処理により画素データを符号化する方法がある。例えば、写真など不均一な光の下で光学的に読み取られた画像(以下、スキャン画像)は、階調変化が多様で画素値のパターン(画素値の変化)が一定でないため、JPEGなどの非可逆な圧縮処理でなければ十分な圧縮率が得られない。また、フォント画像やCG(Computer Graphics)画像などは、コンピュータにより生成された画像(以下、クリエイション画像)であるため画素値パターンに規則性があり、予測符号化などの可逆な圧縮処理を施すことにより符号量を十分に低減させることができる。
また、クリエイション画像は、スキャン画像に比べてエッジ領域が多いため、高周波成分が失われると画質が劣化する。そのため、クリエイション画像については、非可逆圧縮処理を適用するよりも、可逆圧縮処理を適用する方が望ましい。
近年、画像編集などにより、スキャン画像とクリエイション画像とを混在させた画像が多く作成され印刷等されるようになってきた。このような混在画像に関しても、通信網や記録媒体などの帯域に適合させるために画像データ全体のデータ量に着目して圧縮されることはあった。しかしながら、それぞれの部分画像(スキャン画像及びクリエイション画像)の特性に応じた圧縮処理はなされていない状況であった。ここで、部分画像とは、画像としての特性(画素値の繰返しの頻度、又は、エッジ量など)により区別される画像の構成部分であり、例えば、スキャン画像、フォント画像、CG画像又は余白などである。
また、特許文献1に記載の手法では、タイル毎に属性情報を決定し、決定された属性情報に基づいてタイル毎に解像度変換を許可するか否かが決定されるため、タイル内にクリエイション画像とスキャン画像とが混在する場合でも、いずれか一方の属性に応じて解像度変換が許可又は禁止される。そのため、クリエイション画像を一部に含むタイルであっても、スキャン画像が優位であるために解像度変換がなされて、ジャギー等の画質劣化が生ずる場合があり、スキャン画像が混在するタイルであっても、クリエイション画像が優位であるために解像度変換が禁止されて、所望の圧縮率を実現できない場合もある。
また、この手法は、DCT変換を伴うJPEGを適用しているため、モスキートノイズやブロックノイズが生じうる。
さらに、この手法は、AC係数の削除により解像度変換を行うため、1/2、1/4、1/8などの既定の比率でしか解像度変換を行うことができず、解像度変換の自由度が乏しい。
そこで、本発明にかかる画像符号化装置は、画像属性の判定と予測符号化とを組み合わせる。これにより、属性判定の単位を1画素単位から数画素単位まで自由に設定でき、かつ、解像度変換を任意の比率で行うことができる。
より望ましくは、本画像符号化装置は、画素毎に画像の属性を判定し、スキャン画像を構成する画素であると判定された領域についてのみ、所望の圧縮率(符号量)に応じた解像度変換を行う。これにより、入力画像に含まれるクリエイション画像とスキャン画像との分離処理を精緻に実現でき、スキャン画像のみを解像度変換の対象とすることができるため、画質劣化を抑えつつ所望の圧縮率を実現することができる。
ここで、本実施形態における解像度変換とは、実効解像度を変更することであり、必ずしも画素の間引きを伴う必要はない。例えば、画像符号化装置は、近接する複数の画素(4×4画素など)の画素値を単一の画素値で置換することにより、入力画像を構成する画素の数を変更せずに、入力画像の実効解像度を低下させる。
[第1の実施形態]
次に、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本発明にかかるプリンタ装置2(画像符号化装置)のハードウェア構成を、制御装置20を中心に例示する図である。
図1に示すように、プリンタ装置2は、制御装置20及びプリンタ本体26から構成される。制御装置20は、CPU212及びメモリ214などを含む制御装置本体210、通信装置220、LCD表示装置あるいはCRT表示装置及びキーボード・タッチパネルなどを含むユーザインターフェース装置(UI装置)250、並びに、HDD・CD装置などの記録装置240から構成される。
[符号化プログラム]
図2は、第1の画像処理プログラム5の機能構成を説明する図である。
図2に示すように、画像処理プログラム5は、PDLデコンポーザ500、解像度変換部510、画素判定部520、データ選択部530、可逆圧縮部540、画像蓄積部550、伸長部560及び印刷部570を有する。
画像処理プログラム5は、例えば記録媒体242(図1)を介して制御装置20に供給され、メモリ214にロードされて実行される。なお、画像処理プログラム5は、その一部がドライバソフトとしてクライアント端末にインストールされ、互いに協働して本実施形態で説明する機能を実現してもよい。
画像処理プログラム5において、PDLデコンポーザ500は、他のアプリケーションソフト(画像編集ソフトなど)からPDLファイルを取得し、ラスタライズして解像度変換部510、画素判定部520及びデータ選択部530に対して出力する。
解像度変換部510は、PDLデコンポーザ500から入力された画像データ(ラスタデータ)に対して、解像度変換処理を施し、データ選択部530に対して出力する。より具体的には、解像度変換部510は、可逆圧縮部540により生成される符号量を小さくすべく、スキャン画像に相当する部分画像の実効解像度を低下させる。
この場合に、解像度変換部510は、スキャン画像を視認できる程度に、解像度を低下させることが望ましい。
画素判定部520(属性判定手段)は、PDLデコンポーザ500から入力された画像データ(ラスタデータ)に基づいて、それぞれの画像要素が構成する画像の属性を判定する。ここで、画像要素とは、入力画像を構成する部分を意味し、例えば、画像を構成する1画素又は数画素である。例えば、画素判定部520は、1画素毎に、注目画素の画素値とこの注目画素の近傍にある近傍画素の画素値とを比較して、画素値の変化量(差分値)に基づいてそれぞれの画素の属性を判定する。属性判定処理の詳細は後述する。
データ選択部530は、画素判定部520による判定結果に応じて、PDLデコンポーザ500から入力された画像データ(解像度変換処理が施されていない画像データ)、又は、解像度変換部510から入力された画像データ(解像度変換処理が施された画像データ)を選択し、可逆圧縮部530に対して出力する。より具体的には、データ選択部530は、画素判定部520によりスキャン画像を構成する画素(すなわち、変換対象画素)であると判定された画素については、解像度変換部510から入力された画像データ(画素値)を選択し、画素判定部520によりクリエイション画像を構成する画素(すなわち、非変換対象画素)であると判定された画素については、PDLデコンポーザ500から直接入力された画像データ(画素値)を選択する。
可逆圧縮部540は、予測符号化方式を適用して、データ選択部530から入力された画像データに対して、可逆な符号化処理を施し、符号データを生成する。すなわち、可逆圧縮部540は、解像度変換部510により少なくとも一部の解像度が変換された入力画像の画像データを予測符号化により可逆圧縮し、画像蓄積部550に格納する。なお、可逆圧縮部540により適用される予測符号化方式の詳細は後述するが、例えば、ランレングス符号化、JPEG independent、gzip、LZ符号化、JPEG−LSなどが適用されてもよい。
伸長部560は、画像蓄積部550から符号データを読み出し、可逆圧縮部540による符号化方式に対応する伸長処理を施して印刷部570に対して出力する。
印刷部570は、伸長部560から入力された画像データを、プリンタ本体26(図1)のプリントエンジン(不図示)を制御して用紙上に印刷する。
図3は、解像度変換部510の機能構成をより詳細に説明する図である。
図3に示すように、解像度変換部510は、画素ブロック抽出部512、画素値決定部514及び画素値置換部516を有する。
画素ブロック抽出部512は、画素判定部520によりスキャン画像を構成する画素と判定された画素群の中から、既定サイズの画素ブロックを抽出する。画素ブロックとは、互いに近接する複数の画素からなる領域であり、例えば、主走査方向及び副走査方向に1/2の解像度に変換する場合に、主走査方向に2画素、かつ、副走査方向に2画素からなる画素ブロック(2×2画素ブロック)が抽出され、主走査方向及び副走査方向に1/3の解像度に変換する場合に、主走査方向に3画素、かつ、副走査方向に3画素からなる画素ブロック(3×3画素ブロック)が抽出される。なお、画素ブロック抽出部512は、主走査方向のみの解像度変換を行う場合には、主走査方向にn画素(n:2以上の自然数)、かつ、副走査方向に1画素からなる画素ブロック(n×1画素ブロック)を抽出してもよく、副走査方向のみの解像度変換を行う場合には、主走査方向に1画素、かつ、副走査方向にn画素からなる画素ブロック(1×n画素ブロック)を抽出してもよい。
すなわち、画素ブロック抽出部512は、所望の解像度変換比率に応じた大きさの画素ブロックを、スキャン画像と判定された画素群の中から抽出する。また、解像度変換比率は圧縮率(符号量)と相関関係にあるため、画素ブロック抽出部512は、所望の圧縮率に対応したサイズの画素ブロックを抽出しているということもできる。
また、画素ブロック抽出部512は、可逆圧縮部540によりなされる予測符号化処理において、予測の一致頻度が向上するような形状の画素ブロックを抽出してもよい。
画素値決定部514は、画素ブロック抽出部512により抽出された画素ブロックに基づいて、この画素ブロックで適用する変換画素値を決定する。例えば、画素値決定部514は、それぞれの画素ブロックに属する複数の画素の画素値に基づいて、画素ブロック毎に平均値、最頻値又は中央値などの統計値を算出し、算出された統計値をこの画素ブロックの変換画素値とする。
画素値置換部516は、画素ブロックに属する画素の画素値を、画素値決定部514によりこの画素ブロックに対して決定された変換画素値で置換する。例えば、画素値決定部514がそれぞれの画素ブロックに対して1つの変換画素値を決定する場合に、画素値置換部516は、画像ブロックに属する複数の画素の画素値を、この画素ブロックに対して決定された単一の変換画素値で置換する。これにより、画像の実効解像度が変化する。
図4は、可逆圧縮部540の機能構成をより詳細に説明する図である。
図4に示すように、可逆圧縮部540は、第1予測部542a、第2予測部542b、予測誤差算出部544、選択部546、ラン計数部548及び符号化部549を有する。なお、本実施形態では、2つの予測部542(第1予測部542a及び第2予測部542b)が設けられた形態を具体例として説明するが、予測部542は1つ以上あればよく、例えば、5つの予測部542により構成されてもよい。
第1予測部542a及び第2予測部542bは、それぞれ所定の手法で画像データに基づいて注目画素の画素値を予測し、予測値として選択部546に対して出力する。例えば、第1予測部542a及び第2予測部542bは、互いに異なる位置にある画素の画素値を、注目画素の予測値とする。
予測誤差算出部544は、所定の手法で画像データに基づいて注目画素の画素値を予測し、その予測値を注目画素の実際の画素値から減算し、予測誤差値として選択部546に対して出力する。例えば、予測誤差算出部544は、第1予測部542aと同じ位置の画素値を予測値とし、この予測値と注目画素の実際の画素値との差分を、予測誤差値として選択部546に対して出力する。
選択部546は、画像データと予測値から注目画素における予測の一致/不一致を検出する。選択部546は、その結果、予測が的中した予測部542があればその識別番号を、いずれも的中しなかった場合は予測誤差値を、ラン計数部548及び符号化部549に対して出力する。
ラン計数部548は、識別番号が第1予測部542aを指している場合には、内部カウンタを1だけ増やす。また識別番号が第1予測部542a以外を指している場合で、かつ内部カウンタが0でない場合には、内部カウンタの値をランデータとして符号化部549に対して出力する。すなわち、本例のラン計数部548は、第1予測部542aの予測が連続して一致した場合のみ、その連続数をランデータとしてカウントするが、これに限定されるものではなく、例えば、第2予測部542bの予測が連続して一致した場合にも、その連続数をランデータとしてカウントするように構成してもよい。
符号化部549は、ランデータ及び予測誤差値が同時に与えられた場合、まずランデータを符号化してから予測誤差値を符号化する。一方、符号化部549は、識別番号又は予測誤差値のみが与えられた場合には、識別番号又は予測誤差値を符号化する。
なお、上記ラン計数部548及び符号化部549による符号化処理は、第1予測部542aの的中確率が高いことを想定した形態であるが、他の符号化方法を用いてもよい。例えば、高速復号等の目的から固定長符号を与えた場合、符号化部549は、第1予測部542aが的中した旨を2進数「01」、第2予測部542bが的中した旨を2進数「10」、いずれの予測部も外れた旨を2進数「00」でそれぞれ符号化し、予測誤差を符号+8bitの2進数で符号化する。また、圧縮率を向上させたい場合には、符号化部549は、Huffman符号化、算術符号化等の可変長符号化を用いて符号化してもよい。例えば、符号化部549は、発生確率の高そうな第1予測部542aに1bitの符号を与えたHuffman符号の場合、第1予測部542aが的中した旨を2進数「0」、第2予測部542bが的中した旨を2進数「10」、いずれの予測部542も予測が外れた旨を2進数「11」で符号化する。また、符号化部549は、算術符号化を用いて符号化してもよい。このように符号化の手法はいくつも考えられる。
以下、プリンタ装置2の全体的な動作を説明する。
図5は、プリンタ装置2(画像処理プログラム5)の第1の動作(S10)を示すフローチャートである。
図5に示すように、ステップ100(S100)において、利用者が、編集した画像データ(入力画像)の印刷を指示すると、PDLデコンポーザ500は、画像編集のアプリケーションプログラムからPDLファイルを受け取り、受け取ったPDLファイルをラスタデータに変換し、所定の処理単位毎に解像度変換部510、画素判定部520及びデータ選択部530に対して順次出力する。処理単位は、例えば、画素、ライン、バンド又はページなどである。
ステップ110(S110)において、画素判定部520は、PDLデコンポーザ500から順次入力される画像データ(ラスタデータ)に基づいて、それぞれの画素がスキャン画像の構成画素(すなわち、変換対象画素)であるかクリエイション画像の構成画素(すなわち、非変換対象画素)であるかを判定し、判定結果を解像度変換部510及びデータ選択部530に対して出力する。
ステップ120(S120)において、解像度変換部510は、PDLデコンポーザ500から入力されたラスタデータに対して、画素判定部520による判定結果に応じて解像度変換処理を施して、データ選択部530に対して出力する。データ選択部530は、画素判定部520による判定結果に基づいて、スキャン画像の構成画素であると判定された画素については、解像度変換部510から入力された画素値(すなわち、解像度変換処理が施された画像データ)を選択し、クリエイション画像の構成画素であると判定された画素については、PDLデコンポーザ500から直接入力された画素値(すなわち、解像度変換処理が施されていない画像データ)を選択して、選択された画素値を可逆圧縮部540に対して出力する。
ステップ140(S140)において、可逆圧縮部540は、データ選択部530から入力されたラスタデータに対して可逆な符号化処理を施して、符号データを生成し、画像蓄積部550に対して出力する。
ステップ150(S150)において、画像蓄積部550は、可逆圧縮部540から入力された符号データを順次格納する。
ステップ160(S160)において、伸長部560は、プリンタ本体26(図1)の印字速度に応じた量の符号データを画像蓄積部550から順に読み出して、読み出された符号データを伸長してラスタデータに変換し、印刷部570に対して出力する。
ステップ170(S170)において、印刷部570は、プリンタ本体26(図1)のプリントエンジンを制御して、伸長部560から入力されたラスタデータに応じた画像を印刷させる。
このように、プリンタ装置2は、画素毎に属性を判定し、判定結果に応じて解像度変換処理を施し、解像度変換処理が施された画像データを符号化する。これにより、プリンタ装置2は、スキャン画像とクリエイション画像とを画素単位で分類し、それぞれに応じた解像度変換を施すことにより、画質劣化を抑えつつ所望の圧縮率で画像データを符号化できる。
図6は、図5のフローチャートにおける属性判定処理(S110)をより詳細に説明するフローチャートである。
図6に示すように、ステップ112(S112)において、画素判定部520は、PDLデコンポーザ500から入力された画像データ(画素群)を参照し、注目画素の画素値と、この注目画素の近傍にある近傍画素の画素値とを比較する。具体的には、画素判定部520は、注目画素の周囲にある8つ画素を近傍画素とし、この画像要素の画素値と、それぞれの近傍画素の画素値とを比較する。
ステップ114(S114)において、画素判定部520は、注目画素の画素値がいずれかの近傍画素と一致する場合に、S118の処理に移行し、注目画素の画素値がいずれの近傍画素の画素値とも一致しない場合に、S116の処理に移行する。
ステップ116(S116)において、画素判定部520は、この注目画素をスキャン画像の構成画素(すなわち、変換対象画素)として判定し、この判定結果を解像度変換部510及びデータ選択部530に対して出力する。
すなわち、画素判定部520は、注目画素の画素値がいずれの近傍画素とも一致しない場合に、この注目画素を変換対象画素として判定する。
ステップ118(S118)において、画素判定部520は、この注目画素をクリエイション画像の構成画素(すなわち、非変換対象画素)として判定し、この判定結果を解像度変換部510及びデータ選択部530に対して出力する。
すなわち、画素判定部520は、注目画素の画素値がいずれかの近傍画素と一致する場合に、この注目画素を非変換対象画素として判定する。
図7は、図5のフローチャートにおける解像度変換処理(S120)をより詳細に説明するフローチャートである。
図7に示すように、ステップ122(S122)において、解像度変換部510の画素ブロック抽出部512(図3)は、画素判定部520から入力された属性の判定結果に基づいて、スキャン画像の構成画素(変換対象画素)と判定された画素群を特定し、特定された画素群の中から、スキャン順に、既定サイズの画素ブロックを抽出する。抽出される画素ブロックのサイズは、所望の圧縮率(符号量)に応じた大きさであり、画素ブロック抽出部512は、所望の圧縮率が高いほど大きな画素ブロックを抽出する。
ステップ124(S124)において、画素値決定部514は、画素ブロック抽出部512により抽出された画素ブロックに属する画素の画素値の平均値を変換画素値として算出する。
ステップ126(S126)において、画素値置換部516は、画素ブロック抽出部512により抽出される画素ブロックの各画素の画素値を、画素値決定部514によりこの画素ブロックについて算出された平均値(変換画素値)で置換する。
画素値置換部516は、画素ブロック抽出部512により抽出される全ての画素ブロックについて、それぞれ変換画素値による置換処理を行い、解像度変換処理を終了する。
図8は、図5のフローチャートにおける可逆圧縮処理(S140)をより詳細に説明するフローチャートである。
図8に示すように、ステップ142(S142)において、可逆圧縮部540における第1予測部542a及び第2予測部542bは、データ選択部530から入力された画素値を予測する。
また、予測誤差算出部544は、所定の予測部542による予測値と、実際の画素値との差分を算出し、予測誤差値として選択部546に対して出力する。
選択部546は、いずれの予測部542が的中したかを判断する。第1予測部542aが的中した場合(S143:Yes)、選択部546は、第1予測部542aの識別情報をラン計数部548に対して出力する(S145)。また、第2予測部542bが的中した場合(S143:No、かつ、S144:Yes)、選択部546は、第2予測部542bの識別情報をラン計数部548及び符号化部549に対して出力する(S145)。また、いずれの予測部542も的中しなかった場合(S143:No、かつ、S144:No)、選択部546は、予測誤差算出部544が算出した予測誤差値をラン計数部548及び符号化部549に対して出力する(S146)。
ステップ147(S147)において、符号化部549は、第1予測部542aのラン情報、第2予測部542bの識別情報、又は予測誤差値を符号化して画像蓄積部550に対して出力する。
ステップ148(S148)において、可逆圧縮部540は、全ての画素に対して符号化処理が完了したか否かを判断し、全ての画素に対して処理が完了したと判断した場合にS140の処理を完了し、これ以外の場合にS142の処理に移行し、次の画素に対して上記と同様にS142からS147までの処理を行う。
なお、本例では、それぞれの画素毎に可逆符号化処理を行う形態を説明したが、複数の画素から構成される画素群毎に、可逆符号化処理が行われてもよい。また、本例のように、入力画像の全画素について解像度変換処理(S120)が完了した後に可逆符号化処理(S140)に移行する必要はなく、解像度変換処理(S120)が完了した画素について順に可逆符号化処理(S140)を施してもよい。
図9は、可逆圧縮部540によりなされる可逆圧縮処理(S140)を模式的に説明する図であり、図9(A)は、圧縮処理において参照する画素の位置を例示し、図9(B)は、それぞれの参照画素の画素値が注目画素Xと一致する場合に生成される符号を例示し、図9(C)は、可逆圧縮部540により出力される符号データを例示する図である。
図9(A)に例示するように、本例の可逆圧縮部540は、第1予測部542a及び第2予測部542bを有し、これらの予測部542が予測する際に参照する参照位置は、注目画素Xとの相対位置として設定されている。具体的には、第1予測部542aは、注目画素Xの主走査方向上流の参照画素Aを参照し、第2予測部542bは、注目画素Xの上方(副走査方向上流)の参照画素Bを参照する。そして、本例の可逆圧縮部540は、注目画素Xの画素値と、この注目画素Xの近傍にある参照画素A及び参照画素Bの画素値とを比較して、いずれかの参照画素で画素値が一致する場合に、その一致情報を符号化する。
具体的には、可逆圧縮部540は、図9(B)に例示するように、予測部(参照位置)と符号とを互いに対応付けておき、注目画素Xと画素値が一致した参照位置に対応する符号を出力する。また、複数の参照位置で画素値が一致した場合に、可逆圧縮部540は、優先順位に従って符号を出力する。なお、この優先順位は、予測値の的中率(参照画素の画素値と注目画素Xの画素値とが一致する確率)に応じて設定されており、MRU(Most Recently Used)アルゴリズムにより動的に更新されてもよい。
また、それぞれの参照位置と対応付けられている符号は、例えば、各参照位置の的中率に応じて設定されたエントロピー符号であり、優先順位に対応する符号長となる。
また、可逆圧縮部540は、同一の参照位置で連続して画素値が一致する場合には、その連続数をラン計数部548によってカウントし、カウントされた連続数を符号化する。これにより、可逆圧縮部540はさらに符号量を低減させることができる。
このように、可逆圧縮部540は、図9(C)に例示するように、いずれかの参照位置で画素値が一致した場合には、その参照位置に対応する符号と、この参照位置で画素値が一致する連続数とを符号化し、いずれの参照位置でも画素値が一致しなかった場合には、既定の参照位置の画素値と注目画素Xの画素値との差分(予測誤差値)を符号化する。
なお、本例では、参照位置Aで連続的に一致する場合のみ、連続数がラン計数部548によりカウントされているが、参照位置Bで連続的に一致する場合にも連続数がカウントされてもよい。
図10は、解像度変換処理と最低圧縮率との関係を説明する図であり、図10(A)は、解像度変換処理がなされる前のスキャン画像の画素群を例示し、図10(B)は、解像度変換処理がなされた後のスキャン画像の画素群を例示し、図10(C)は、可逆圧縮部540による予測結果を例示する。なお、図10における矩形領域はそれぞれ画素に相当し、それぞれの矩形領域内に示された数値は画素値に相当する。
図10(A)に例示するように、写真などのように光学的に読み取られたスキャン画像では、互いに隣接する画素同士であっても画素値が異なる場合が多い。したがって、このまま可逆圧縮部540により符号化しても、予測部542による予測の的中率が低く十分な圧縮率を実現できない。
そこで、本例の画像処理プログラム5は、図10(A)に例示するような画素群をスキャン画像の構成画素(変換対象画素)として判定し、解像度を低下させる解像度変換処理を施す。
図10(B)に例示するように、解像度変換処理が施されたスキャン画像では、互いに近接する画素群(本例では4×4画素ブロック)の画素値が単一の画素値(平均値)で塗り潰される。これにより、スキャン画像領域における実効解像度は低下するが(本例では主走査方向及び副走査方向に1/2となる)、スキャン画像における高周波成分は人間の目には見えにくいため、スキャン画像領域における実効解像度の低下が画質劣化として顕在化しにくい。
また、図10(C)に例示するように、スキャン画像に解像度変換処理が施されると、可逆圧縮部540による予測の的中率が向上すると共に、予測的中のラン(連続数)が増加する傾向にある。したがって、画像処理プログラム5は、スキャン画像に対して解像度変換処理を施すことにより、高い圧縮率を実現することができる。
具体的に、解像度変換処理が施されないスキャン画像(図10(A))により生成される符号量と、解像度変換処理が施されたスキャン画像(図10(B))により生成される符号量とを比較してみる。
解像度変換処理が施されていない場合(図10(A))には、予測が一度も的中せず、予測誤差がそのまま符号化される。
一方、解像度変換処理が施された場合(図10(B))には、最初に符号化される左上の画素は予測誤差として符号化されるが、右上の画素は第1予測部542aによる予測が的中して固定符号(符号A)となり、右下の画素は直上(左上)の画素と一致するため第2予測部542bにより予測が的中して固定符号(符号B)となり、右下の画素は第1世僕部542aによる予測が的中して固定符号(符号A)となる。
したがって、予測が全く的中しない場合(すなわち、予測誤差の出現頻度が最大となる場合)の最低圧縮率は、解像度変換の比率に基づいて推定できる。解像度変換が1/3、1/4等となる場合や、主走査方向又は副走査方向のみに解像度変換を行う場合(画素ブロックが2×1、3×1、4×1等となる場合)にも、同様に最低圧縮率が推定可能である。符号量制御ではシステム上、最低圧縮率を保証する必要があるため、本方式は特に有効である。
以上説明したように、本実施形態におけるプリンタ装置2は、入力画像を構成する画素の属性を画素毎に判定し、この属性結果に基づいて画像の局所的な特性に応じた解像度変換を適用して符号化処理を施す。これにより、画像全体の画質を保持すると共に所望の圧縮率を実現できる。
なお、本例のプリンタ装置2は、画素判定部520によりスキャン画像の構成画素であると判定された画素についてのみ、解像度変換処理を施したが、これに限定されるものではなく、例えば、入力画像全体に対して一様に解像度変換処理を施してもよい。この場合には、入力画像全体に関する最低圧縮率の推定が可能になるため好適である。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態におけるプリンタ装置2は、PDLファイルに含まれている属性データに基づいて、局所的な画像の属性を判定する。
また、本実施形態のプリンタ装置2は、符号量を監視し、符号量が既定の上限値を超える場合に、解像度変換の比率を動的に切り換えて、符号量の制御を行う。
図11は、第2の画像処理プログラム52の機能構成を説明する図である。
図11に示すように、第2の画像処理プログラム52は、第1の画像処理プログラム5(図2)における画素判定部520をタグ判定部525に置換し、符号量制御部580を追加した構成をとる。なお、図11に示す各構成のうち、図2に示された構成と実質的に同一なものには同一の符号が付されている。
画像処理プログラム52において、タグ判定部525(属性判定手段)は、PDLデコンポーザ500から入力された属性データに基づいて、入力画像を構成する画素の属性を判定し、判定結果をデータ選択部530に対して出力する。ここで、属性データとは、PDLファイルなどの画像データに含まれる部分画像の種類(フォント、CG画像、スキャン画像など)などを示すデータであり、画像データに添付されるデータである。タグ判定部525は、取得された属性データに基づいて、各画素の属性(スキャン画像の構成画素であるか、クリエイション画像の構成画素であるか)を判定し、判定結果を、対応する画素の画素値に対応付けてデータ選択部530に対して出力する。
符号量制御部580は、可逆圧縮部540から入力された符号データの符号量を監視し、符号量が既定の上限値よりも大きい場合に、符号量がこの上限値以下になるような大きさの画素ブロックを解像度変換部510に指定する。具体的には、符号量制御部580は、符号データの符号量が既定の上限値を超える場合に、現在使用されている画素ブロックよりも大きさ画素ブロックを解像度変換部510に指定する。
本例の解像度変換部510は、PDLデコンポーザ500から入力されたラスタデータに対して、一様に解像度変換処理を施す。具体的には、解像度変換部510は、入力画像から、符号量制御部580により指定されたサイズの画素ブロックを抽出し、抽出された画素ブロックの画素値に基づいて変換画素値を決定し、それぞれの画素ブロックに属する画素の画素値を、それぞれの画素ブロックに基づいて決定された変換画素値で置換する。
なお、データ選択部530が、タグ判定部525により属性の判定結果に基づいて、スキャン画像に相当する部分については、解像度変換部510から入力された画素値を選択し、クリエイション画像に相当する部分については、PDLデコンポーザ500から直接入力された画素値を選択するため、解像度変換処理が施されたクリエイション画像が適用されることはない。
図12は、プリンタ装置2(画像処理プログラム52)の第2の動作(S12)を示すフローチャートである。なお、図12に示す各処理のうち、図5に示す処理と実質的に同一なものには同一の符号が付されている。
図12に示すように、S100において、利用者が、編集した画像データ(入力画像)の印刷を指示すると、PDLデコンポーザ500は、画像編集のアプリケーションプログラムからPDLファイルを受け取り、受け取ったPDLファイルをラスタデータに変換し、ラスタデータと属性データとを解像度変換部510、画素判定部520及びデータ選択部530に対して順次出力する。
ステップ200(S200)において、タグ判定部525は、PDLデコンポーザ500から入力された属性データに基づいて、入力画像を構成する画素の属性を判定し、判定結果をデータ選択部530に対して出力する。
ステップ210(S210)において、解像度変換部510は、符号量制御部580による指定に応じて、画素ブロックのサイズを設定する。
なお、符号量制御部580は、予め、所望の圧縮率と、画素ブロックのサイズ(初期値)とを互いに対応付けており、デフォルト値として圧縮率に対応したサイズを解像度変換部510に対して指定する。
S120〜S150において、画像処理プログラム52は、PDLデコンポーザ500から入力されたラスタデータに対して一様に解像度変換処理を施し、タグ判定部525による判定結果に基づいて、解像度変換部510から入力された画素値(すなわち、解像度変換処理が施された画像データ)、又は、PDLデコンポーザ500から直接入力された画素値(すなわち、解像度変換処理が施されていない画像データ)を選択する。
次に、画像処理プログラム5は、選択された画素値(ラスタデータ)に対して可逆な符号化処理を施して、符号データを生成し順次格納する。
ステップ220(S220)において、符号量制御部580は、可逆圧縮部540から符号データを取得して、その符号量が既定の上限値以下であるか否かを判定する。
符号量が上限値よりも大きいと判定された場合に、符号量制御部580は直前に指定した画素ブロックよりも大きな画素ブロックを解像度変換部510に指定し、画像処理プログラム52はS210の処理に戻る。
一方、符号量が基準値以下と判定された場合に、画像処理プログラム52は、S160の処理に移行する。
画像処理プログラム52は、符号データを伸長して印刷する(S160,S170)。
このように、本実施形態における画像処理プログラム52は、PDLデコンポーザ500による描画処理(ラスタライズ)において生成される属性データに基づいて、各画素の属性を判定するため、属性判定処理の処理負荷を低減することができる。
また、画像処理プログラム52は、符号量に応じて、画素ブロックのサイズを変更することにより、圧縮率に応じた解像度変換を行い、符号量を制御することができる。
[変形例]
次に、上記実施形態の変形例を説明する。上記実施形態では、解像度変換部510により解像度変換処理がなされた入力画像に対して、可逆な符号化処理が施されているが、本変形例の画像処理プログラム54は、解像度変換処理がなされた入力画像に対して、非可逆な符号化処理を施す。
図13は、第3の画像処理プログラム54の機能構成を説明する図である。
図13に示すように、第3の画像処理プログラム54は、第2の画像処理プログラム52(図11)に、フィルタ処理部590を追加した構成をとる。なお、図13に示す各構成のうち、図11に示された構成と実質的に同一なものには同一の符号が付されている。
画像処理プログラム54において、フィルタ処理部590は、可逆圧縮部540の前段に設けられ、入力画像に対して非可逆なフィルタ処理を施すことにより、可逆圧縮部540による符号化処理の圧縮率を向上させる。
また、フィルタ処理部590は、符号量制御部580による制御に応じて、フィルタ処理による画素値変更量を変化させる。これにより、符号量制御部580は、符号量制御を行うことができる。
図14は、フィルタ処理部590のより詳細な機能構成を説明する図である。
図14に示すように、フィルタ処理部590は、第1予測部592a、第2予測部592b、画素値変更処理部594、誤差分配処理部596、及び変更許容値設定部598を有する。なお、本実施形態では、2つの予測部592(第1予測部592a及び第2予測部592b)を有する形態を説明するが、予測部592は1つ以上あればよく、例えば、5つの予測部592により構成されてもよい。
第1予測部592a及び第2予測部592bは、可逆圧縮部540に対応した手法で、画像データに基づいて注目画素の画素値を予測し、予測値として画素値変更処理部594に対して出力する。例えば、第1予測部592aは、可逆圧縮部540の第1予測部542a(図4)と同じ位置にある画素の画素値を、注目画素の予測値とし、第2予測部592bは、可逆圧縮部540の第2予測部542b(図4)と同じ位置にある画素の画素値を、注目画素の予測値とする。
画素値変更処理部594は、注目画素の画素値と予測値とを比較し、その差が変更許容値設定部598により設定された変更許容値より小さい場合には予測値を、可逆圧縮部540に対して出力し、さらに、注目画素の画素値と予測値との差分(以下、誤差値)を誤差分配処理部596に対して出力する。一方、画素値変更処理部594は、注目画素の画素値と予測値との差がいずれも変更許容値以上である場合には、注目画素の画素値をそのまま可逆圧縮部540に対して出力し、誤差分配処理部596に対して0を出力する。
すなわち、フィルタ処理部590は、誤差値が変更許容値以上の場合には、注目画素の画素値を変換せず、変更許容値以上の誤差値を誤差分配しない。
誤差分配処理部596は、画素値変更処理部594から入力された誤差値に基づいて、誤差分配値を生成し、画像データに含まれる所定の画素の画素値にこれを加算する。誤差分配値は、例えば、重み行列を用いた誤差拡散法や平均誤差最小法に従って、誤差値に重み行列の値を掛け合わせて算出される。
変更許容値設定部598は、符号量制御部580(図13)からの指示に応じて、フィルタ処理における画素値の変更許容値を画素値変更処理部594に対して設定する。
これに応じて、画素値変更処理部514は、注目画素の画素値と予測値との差分が、設定された変更許容値より小さい場合には、画素値を予測値に変更すると共に、この差分を周辺画素に分配し、これ以外の場合には、画素値を変更しない。したがって、大きい値の変更許容値が設定されるほど、画像の非可逆性は高くなるが、予測の的中率が向上するので符号量を低減させることができる。よって、符号量制御部580は、符号量をさらに低減させる場合には、より大きな値の変更許容値をフィルタ処理部590に出力する。
このように本変形例におけるフィルタ処理部590は、後述する可逆圧縮部540が画像データを圧縮しやすように画像データに含まれる画素値を変換する。その際に、フィルタ処理部590は、画素値の変更により生じた真の画素値との差分を、周辺画素に分配して、画素値の変更を巨視的に目立たなくする。
また、本変形例の符号量制御部580は、解像度変換部510に対する画素ブロックの指定に加えて、フィルタ処理部590に対する変更許容値の指定を行うことができるため、符号量制御の自由度が高くなる。
本発明にかかるプリンタ装置2(画像符号化装置)のハードウェア構成を、制御装置20を中心に例示する図である。 第1の画像処理プログラム5の機能構成を説明する図である。 解像度変換部510の機能構成をより詳細に説明する図である。 可逆圧縮部540の機能構成をより詳細に説明する図である。 プリンタ装置2(画像処理プログラム5)の第1の動作(S10)を示すフローチャートである。 図5のフローチャートにおける属性判定処理(S110)をより詳細に説明するフローチャートである。 図5のフローチャートにおける解像度変換処理(S120)をより詳細に説明するフローチャートである。 図5のフローチャートにおける可逆圧縮処理(S140)をより詳細に説明するフローチャートである。 可逆圧縮部540によりなされる可逆圧縮処理(S140)を模式的に説明する図であり、(A)は、圧縮処理において参照する画素の位置を例示し、(B)は、それぞれの参照画素の画素値が注目画素Xと一致する場合に生成される符号を例示し、(C)は、可逆圧縮部540により出力される符号データを例示する。 解像度変換処理と最低圧縮率との関係を説明する図であり、(A)は、解像度変換処理がなされる前のスキャン画像の画素群を例示し、(B)は、解像度変換処理がなされた後のスキャン画像の画素群を例示し、(C)は、可逆圧縮部540による予測結果を例示する。 第2の画像処理プログラム52の機能構成を説明する図である。 プリンタ装置2(画像処理プログラム52)の第2の動作(S12)を示すフローチャートである。 第3の画像処理プログラム54の機能構成を説明する図である。 フィルタ処理部590のより詳細な機能構成を説明する図である。
符号の説明
2・・・プリンタ装置
5,52,54・・・画像処理プログラム
500・・・PDLデコンポーザ
510・・・解像度変換部
512・・・画素ブロック抽出部
514・・・画素値決定部
516・・・画素値置換部
520・・・画素判定部
530・・・データ選択部
540・・・可逆圧縮部
550・・・画像蓄積部
560・・・伸長部
570・・・印刷部
580・・・符号量制御部
590・・・フィルタ処理部

Claims (10)

  1. 入力画像を構成する画像要素が光学読取画像であるか又はフォント画像若しくはコンピュータグラフィック画像であるかを判定する属性判定手段と、
    前記属性判定手段によって光学読取画像であると判定された画像要素に対し、この画像要素からなる部分画像の解像度が低下するように、入力画像の画素値を変換し、前記属性判定手段によってフォント画像又はコンピュータグラフィック画像であると判定された画像要素に対し、この画像要素に対する解像度変換を禁止する解像度変換手段と、
    予測符号化を適用して、前記解像度変換手段により解像度が変換された入力画像の符号データを生成する符号生成手段と
    を有する画像符号化装置。
  2. 前記属性判定手段は、入力画像に含まれる注目画素の画素値と、この注目画素の近傍に存在する既定数の近傍画素の画素値とを比較して、注目画素の画素値がいずれの近傍画素の画素値とも一致しない場合に、この注目画素を光学読取画像であると判定する
    請求項1に記載の画像符号化装置。
  3. 前記属性判定手段は、入力画像に付加された付加情報に基づいて、この入力画像に含まれる注目画素が光学読取画像であるか又はフォント画像若しくはコンピュータグラフィック画像であるかを判定する
    請求項1に記載の画像符号化装置。
  4. 前記解像度変換手段は、前記属性判定手段により光学読取画像であると判定された複数の画素が互いに隣接して画素群を構成する場合に、この画素群から既定サイズの画素ブロックを選択し、選択された画素ブロックの画素値に基づいて変換画素値を決定し、決定された変換画素値でこの画素ブロックに属する画素の画素値を置換する
    請求項2又は3に記載の画像符号化装置。
  5. 前記符号生成手段により生成される符号データのデータ量が既定の上限値以下となるように、前記解像度変換手段を制御する符号量制御手段
    をさらに有する請求項1に記載の画像符号化装置。
  6. 前記符号量制御手段は、生成される符号データのデータ量が既定の上限値以下となるように、画素ブロックのサイズを指定し、
    前記解像度変換手段は、前記符号量制御手段により指定された画素ブロック毎に、変換画素値を決定し、決定された変換画素値でそれぞれの画素ブロックに属する画素の画素値を置換する
    請求項に記載の画像符号化装置。
  7. 前記符号生成手段は、注目画素の近傍に位置する参照画素の画素値を参照して、この注目画素に対応する符号データを生成する
    請求項1に記載の画像符号化装置。
  8. 最低圧縮率に対応したサイズの画素ブロックを入力画像から抽出する画素ブロック抽出手段と、
    前記画素ブロック抽出手段により抽出された画素ブロックの画素値に基づいて、変換画素値を決定する画素値決定手段と、
    この画素ブロックに属する画素の画素値を、前記画素値決定手段によりこの画素ブロックについて決定された変換画素値で置換する画素値置換手段と
    を有し、
    前記符号生成手段は、予測符号化を適用して、前記画素値置換手段により変換画素値で置換された入力画像の符号データを生成する
    請求項1に記載の画像符号化装置。
  9. 入力画像を構成する画像要素が光学読取画像であるか又はフォント画像若しくはコンピュータグラフィック画像であるかを判定し、
    光学読取画像であると判定された画像要素に対し、この画像要素からなる部分画像の解像度が低下するように、入力画像の画素値を変換し、フォント画像又はコンピュータグラフィック画像であると判定された画像要素に対し、この画像要素に対する解像度変換を禁止し
    予測符号化を適用して、解像度が変換された入力画像の符号データを生成する
    画像符号化方法。
  10. 入力画像を構成する画像要素が光学読取画像であるか又はフォント画像若しくはコンピュータグラフィック画像であるかを判定するステップと、
    光学読取画像であると判定された画像要素に対し、この画像要素からなる部分画像の解像度が低下するように、入力画像の画素値を変換し、フォント画像又はコンピュータグラフィック画像であると判定された画像要素に対し、この画像要素に対する解像度変換を禁止するステップと、
    予測符号化を適用して、解像度が変換された入力画像の符号データを生成するステップと
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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