JP4418786B2 - 特にリップ用化粧品のためのアプリケーター - Google Patents

Description

本発明は塗布具（アプリケーター）、特に色付きのリップクリームのようなリップ（唇）用化粧品のためのアプリケーターであって、へら乃至スパチュラに似たプラスチック射出形成基体（ベース部）を備えて成るアプリケーターに関するものである。

ＧＢ２０９４２３５Ａ ＵＳ２００３／０３４３２２ ＵＳ６，３４，９１２

いわゆるリップスティック（棒状の口紅）と呼ばれるものが周知である。ペンシル状の化粧品は比較的硬く、形崩れしにくいため、保護ケースから取り出した後に直接唇に塗布することが出来るので、リップスティックは別個の独立したアプリケーターを必要としない。

クリーム状あるいは粘性のある化粧品が近年ますます普及しているが、当該化粧品は保存容器からアプリケーターを用いて塗布される。

これに伴い、この種のアプリケーターは多数の機能を満たさなくてはならない。つまり保存容器内で液体を受容し、容器から唇へ液体を移送し、唇上で均質且つ適切に配分し、唇の輪郭に沿ってアウトラインを描き、唇に塗布している時には快適で、思いのままになるという感覚を与えるという機能を満たす必要がある。

流動性の高い化粧品が使用されることにより、アプリケーターに対する要求は著しく高まっている。無色のリップ用化粧品ではなく、色付きの化粧品が塗布される場合、特にこれに該当する。以前、無色透明な化粧品が塗布されていた場合には輪郭線を描くことは余り重要ではなかったが、今ではこの観点は非常に重要な意味を持っている。色付きの化粧品が塗布される場合には唇の輪郭線からの逸脱は非常に人目を引くからである。

ブラシ乃至筆形のアプリケーターはユーザーにとっては快適で、触覚が実感できるという特性を有してはいるが、そのようなアプリケーターを用いて正確な輪郭線を描くのは困難である。

一般的なアプリケーターは、例えば特許文献１乃至３より公知である。しかしながら、このようなアプリケーターにはブラシのようには塗布が行えず、塗布の感触を得ることは出来ないという欠点を有し、また塗布の際縦軸線を横切って中断し、均質な塗布が得られない結果となるという危険がある。

従って本発明の根底をなす課題は、最適な搬送特性を備え、化粧品を均質で美的に塗布出来るようにその種のアプリケーターを形作ることにある。

この課題は、ベース部の厚みが頂部へ向かって減少しており、ベース部が内側端部を起点としてほぼ一様に、凹状の表面を形成しながら外側端部へ向かって徐々に先細りであることにより解決される。

本実施例において、塗布に際しアプリケーターはユーザーから柔らかいと受け止められ、しかしながら同時に、確かな塗布圧力の感覚を呼び起すことも出来る。

本発明の別の実施例ではベース部に凹部が備えられていることが考えられる。

最初の実施例では凹部は長手方向に延在し、横断面で見ると波形をしている。

別の実施例ではこの凹部は貫通孔として形成されている。

この凹部はアプリケーターが保存容器から引き出された際、ある一定量のリップ用化粧品を受容し、塗布される際にはこのリップ用化粧品を唇の上に均質に分配するために設けられている。

本発明の更に別の実施例では、ベース部にこれをステム（軸）と固定するための連結差込部（コネクティング・ソケット）が備えられていること、該連結差込部が特に、ステムとのロック式結合を確立するためのスナップ・イン式溝乃至ロック溝を備えていることが考えられる。

これに代えて、アプリケーターが溝を備えており、ステムのスリーブ状部材がこの溝に重ね合わされていても良い。ステムのスリーブ状部材の溝の領域に外側から、特に熱により変形が加えられ、この変形部分が溝と点状にかみ合い、これにより持続性のある結合が生じる。

この貫通孔は例えば円形でも、縦長または楕円形であっても良い。

アプリケーターの外側自由端はアプリケーターの縦軸線に対して垂直または斜めに延在することが可能であり、左右対称であってもまた非対称に曲がっていても良い。特にこの方法により、アプリケーターにすっきりとした輪郭線を描くための先端部分を形成することが出来る。

本発明の更に別の実施例ではベース部が表面にほぼ１〜１５μｍの凹凸を有していることが考えられる。

少なくともベース部分においてはプラスチックに顔料を混合することが可能である。ベース部が、ショア硬さＡが６５〜８０の熱可塑性のエラストマー製、特に熱可塑性のウレタン製の軟質プラスチックであれば有利である。

特に有利な実施例においては、ベース部が内部が相対的に硬く、外部が相対的に柔らかいプラスチック・コンポーネントから成り、外側の柔らかめコンポーネントの硬度が上述した数値範囲内であって良い。

特にステム側の連結差込部が硬めのコンポーネントで出来ていても良い。

硬めのコンポーネントが、ベース部を形成している柔らかめのコンポーネントの中へ延在していても良い。

本実施例においては、軟質のコンポーネントはステム側またはステム差込部側の硬質のコンポーネントに向かって、円錐形の移行部分を備えている。

有利には、ステム差込部は貫通穴を備える。この穴は軟質コンポーネントで押し出しコーティングされて、混成される。これにより硬質コンポーネントと軟質コンポーネントは軸方向応力がある時でもしっかりと連結される。

そのため、外側の軟質コンポーネントが希望通りのブラシに似た塗布特性を可能ととする一方で、硬質コンポーネントは機械的な堅牢性を備える。

以下に、図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明する。

図１に示された塗布部（アプリケーター）１はベース部２を備えて成る。ベース部は連結差込部（コネクティング・ソケット）３とワンピースに（一続きに）射出成形されている。

連結差込部３は図示されないステム（軸）とスナップ式結合するためのスナップ・イン式溝４を備える。

ベース部２は連結差込部３への移行部分に円形の基板５を有する。この基板から２つの凹状の境界面が延在している。従って、ベース部２は傾斜した外側エッジ６を備えた、へら乃至スパチュラに似た基本形を有する。

ベース部２はステム側の連結差込部３を起点として外側自由端、つまりエッジ６へ向かって次第に厚みが減少するように形作られている。従って、円形もしくは丸みを帯びた横断面形状を起点として、塗布面は前方端部へ向かって増大している。これにより塗布する際にはユーザーへブラシ乃至筆のような感覚が伝えられ、同時に絶妙な輪郭線を描くことが可能となる。

斜めに延在する外側エッジは長手方向に対して垂直に移動することも可能である。外側エッジは丸みを帯びてもいいし、その横断面において様々な楔角（lip angle）を有する三角形状であっても、長方形であっても良い。幾何学的形状に応じて様々な線描の可能性が得られる。

ベース部２は丸い貫通孔（開口部）７を備える。この孔は保存容器から引き出した際には表面張力に基づき化粧品を受容して保持し、これを塗布する際には一定量を分与する。

図２に従う実施例ではベース部２’は長円形の貫通孔７’を備える。それ以外の点では本実施例は図１の実施例と同様である。

図３に従う実施例ではベース部２”には貫通孔ではなく、長手方向に延在する凹部７”が備えられているに過ぎない。この凹部は２つの斜めの境界領域８と９の間に延在している。

上述した実施例とは異なり、ごく少数の、比較的大きな貫通孔が備えられるか、あるいは相当数の、例えば1500までの、貫通孔が備えられていても良い。

図４および図５に従う実施例では、連結差込部３は硬めのプラスチックで射出成形され、ベース部２””はショア硬さ６５〜８０の柔らかめのプラスチックで射出成形される。図５から明らかなように、貫通孔７”’はベース部２””を完全に貫き通している。

連結差込部３は空所１０を備え、該空所は完全に押し出しコーティングされ、混成されている。

連結差込部３は内側に向かって傾斜部１１を備え、ベース部２””は傾斜部１１に向って円錐形の部材１２の形状に先が細くなっている。

実施例の斜視図である。 実施例の斜視図である。 実施例の斜視図である。 別の実施例の断面図である。 別の実施例の９０度回転させた断面図である。

符号の説明

２，２’，２” ベース部
３ 連結差込部
６ 外側エッジ
７，７’，７” 凹部

Claims (10)

1. リップ用化粧品のためのアプリケーターであって、へら乃至スパチュラに似たプラスチック射出成形ベース部（２””）を備えて成るアプリケーターにして、
   ベース部（２””）をステムに固定するための連結差込部（３）が備えられており、ベース部（２””）の厚みが頂部へ向かって減少しており、ベース部（２””）がステム側の連結差込部（３）を起点としてほぼ一様に、凹状の表面を形成しながら外側端部（６）へ向かって徐々に先細りしているアプリケーターにおいて、
   ａ） 連結差込部（３）が硬めのプラスチックで射出成形され、ベース部（２””）が、ショア硬さＡが６５〜８０の柔らかめのプラスチックで射出成形されていることと、
   ｂ） 連結差込部（３）の硬めのプラスチックがへらに似たベース部（２””）を形成している柔らかめのプラスチックに延在していることと、
   ｃ） 連結差込部（３）が貫通孔（１０）を備え、この貫通孔（１０）が完全に押出しコーティングされ、ベース部（２””）の柔らかめのプラスチックで混成されていることと
   を特徴とするアプリケーター。
2. ベース部（２””）に、凹部（７，７’，７”）が備えられていることを特徴とする請求項１に記載のアプリケーター。
3. 凹部（７，７’）が貫通孔として形成されていることを特徴とする請求項２に記載のアプリケーター。
4. 複数の円形の貫通孔（７）が備えられていることを特徴とする請求項３に記載のアプリケーター。
5. 貫通孔（７’）が細長く、特に楕円形であることを特徴とする請求項３に記載のアプリケーター。
6. アプリケーター（１）の外側自由端（６）がアプリケーターの縦軸線に対して垂直または斜めに延在し、左右対称であるか非対称に曲がっていることを特徴とする請求項１に記載のアプリケーター。
7. ベース部（２””）が表面に１〜１５μｍの凹凸を有していることを特徴とする請求項１に記載のアプリケーター。
8. 少なくともベース部（２””）部分に顔料が混合されていることを特徴とする請求項１に記載のアプリケーター。
9. ベース部（２””）が、熱可塑性エラストマー製、特に熱可塑性のウレタン製であることを特徴とする請求項１に記載のアプリケーター。
10. 連結差込部（３）が内側に向かって傾斜部（１１）を備え、ベース部（２””）が傾斜部（１１）に向かって円錐形の部分（１２）の形状に先細りしていることを特徴とする請求項１に記載のアプリケーター。

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