JP4418632B2 - 撮影装置、合成画像生成方法およびプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、手振れによる撮影画像の振れを補正することで撮影精度を向上させる撮影装置およびプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在のカメラは露出決定やピント合わせ等の撮影にとって重要な作業は全て自動化され、カメラ操作に未熟な人でも撮影失敗を起こす可能性は非常に少なくなっている。
【0003】
また、最近では、カメラに加わる手振れを防ぐシステムも研究されており、撮影者の撮影ミスを誘発する要因は殆ど無くなってきている。
【0004】
ここで、手振れを防ぐ防振システムについて簡単に説明する。
【0005】
撮影時のカメラの手振れは、周波数として通常1Hzないし10Hzの振動であるが、露光時点においてこのような手振れを起こしていても像振れの無い写真を撮影可能とするための基本的な考えとして、手振れによるカメラの振動を検出し、この検出結果に応じて補正レンズを光軸直交面内で変位させなければならない(光学防振システム)。
【0006】
すなわち、カメラ振れが生じても像振れが生じない写真を撮影するためには、第1にカメラの振動を正確に検出し、第2に手振れによる光軸変化を補正することが必要となる。
【0007】
像振れの補正は、原理的には、レーザージャイロ等により加速度、角加速度、角速度、角変位等を検出し、この検出結果に対して適宜演算処理する振動検出部をカメラに搭載することによって行うことができる。そして、振動検出部からのカメラ振れの検出情報に基づき撮影光軸を偏心させる振れ補正光学装置(補正レンズを含む)を駆動することにより像振れ補正が行われる。
【0008】
一方、手振れが生じない程度の露光時間で複数回撮影を繰り返し、この撮影により得られた複数の画像に対して画像のズレを修正しながら合成して長い露光時間の撮影画像(合成画像)を得る方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特許第3110797号
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
最近のデジタルカメラは、銀塩コンパクトカメラに比べて小さくなってきており、特にVGAクラスの撮像素子を持つカメラは携帯電子機器(例えば、携帯電話)に内蔵されるほど小型になってきている。
【0011】
このような中で、上述した光学防振システムをカメラに搭載しようとすると、振れ補正光学装置をよりいっそう小型化するか、振動検出部を小型化する必要がある。
【0012】
しかし、振れ補正光学装置では、補正レンズを支持し、これを高精度に駆動してゆく必要があるために小型化には限度がある。また、現在使用されている振動検出部は、ほとんどが慣性力を利用するものなので、振動検出部を小型化すると検出感度が低下し、精度の良い振れ補正ができないという問題がある。
【0013】
さらに、カメラに加わる振れとしては、所定の軸を中心とする角度振れと、カメラを平行に揺らすシフト振れがあり、角度ぶれは光学防振システムで補正可能であるがシフト振れは慣性力を利用する光学防振システムでは対応できない。特に、カメラが小型になるほどこのシフト振れは大きくなる傾向がある。
【0014】
一方、別の防振システムとしては、ビデオカメラでの動画撮影に用いられているように撮像素子で画面の動きベクトルを検出し、その動きベクトルに合わせて画像の読み出し位置を変更することで振れのない動画を得る方法もある。
【0015】
このような方法の場合には、上述した光学防振システムのような専用の振動検出部や補正レンズが不要となるため、製品全体を小型にできるメリットがある。
【0016】
しかし、このビデオカメラの防振システムをデジタルカメラに簡単に適用することはできない。この理由を以下に説明する。
【0017】
ビデオカメラにおける動きベクトルの抽出は画像を読み出すごとに行っており、例えば1秒に15コマの画像を取り出すとすると、この取り出した各画像を比較して動きベクトルを検出している。
【0018】
ところが、デジタルカメラで静止画を撮影する場合には、撮影被写体に対して1回の露光しか行わないため、ビデオカメラのように画像の比較を行って動きベクトルを検出することはできない。
【0019】
このため、ビデオカメラの防振システムを単純にデジタルカメラに適応させることはできない。
【0020】
そこで、本発明は、フォーカスエリア内とフォーカスエリア外から特徴点を抽出し、フォーカスエリア内の特徴点の移動量に応じてフォーカスエリア外の特徴点の移動量を用いて位置あわせすることによって、銀塩カメラの光学防振システムやビデオカメラの防振システムとは異なるデジタルカメラの静止画撮影向けの小型の防振システムを提供することにある。
【0021】
本願第1の発明は、フォーカスエリアにて合焦させて撮影した複数の画像を合成して合成画像を得る撮影装置であって、前記複数の画像のそれぞれに対して、前記フォーカスエリア内に対応する領域と前記フォーカスエリア外に対応する領域にて特徴点をそれぞれ抽出する抽出手段と、前記複数の画像間で前記フォーカスエリア内に対応する領域にて抽出した特徴点に基づいて第1の変位量を検出し、前記複数の画像間で前記フォーカスエリア外に対応する領域にて抽出した特徴点に基づいて第2の変位量を検出する検出手段と、前記第1の変位量が第1の所定値を超えるかどうかを判定し、前記第2の変位量が第2の所定値を超えるかどうかを判定する判定手段とと、前記判定手段にて前記第1の変位量が前記第1の所定値を超えないと判定され、かつ、前記判定手段にて前記第2の変位量が前記第2の所定値を超えないと判定されたときは、前記フォーカスエリア外に対応する領域にて抽出した前記複数の画像の特徴点同士が一致するように、前記複数の画像を合成する合成手段とを有し、前記第1の所定値は前記複数の画像を撮影する際の露光時間によって変化することを特徴とする。
【0022】
本願第2の発明は、フォーカスエリアにて合焦させて撮影した複数の画像を合成して合成画像を得る撮影装置であって、前記複数の画像のそれぞれに対して、前記フォーカスエリア内に対応する領域と前記フォーカスエリア外に対応する領域にて特徴点をそれぞれ抽出する抽出手段と、前記複数の画像間で前記フォーカスエリア内に対応する領域にて抽出した特徴点の変位量である第1の変位量と、前記複数の画像間で前記フォーカスエリア外に対応する領域にて抽出した特徴点の変位量である第2の変位量とを検出する検出手段と、前記第1の変位量が第1の所定値を超えるかどうかを判定し、前記第1の変位量と前記第2の変位量の差分が第2の所定値を超えるかどうかを判定する判定手段と、前記判定手段にて前記第1の変位量が前記第1の所定値を超えないと判定され、かつ、前記判定手段にて前記第1の変位量と前記第2の変位量の差分が前記第2の所定値を超えないと判定されたときは、前記第1の変位量と前記第2の変位量の差分に基づいて座標変換を行うことで前記複数の画像を合成する合成手段とを有し、前記第1の所定値は前記複数の画像を撮影する際の露光時間によって変化することを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態であるカメラ(撮影装置)の構成を示した図である。撮影レンズ11から入射した光束(撮影光)は、シャッタ12を通り、絞り13で光量制限された後に撮像部15に結像する。撮像部15は、MOSやCCDなどの半導体撮像素子からなる。
【0024】
撮影レンズ11は、AF駆動モータ14からの駆動力を受けて光軸10上を移動し、所定の合焦位置に停止することで焦点調節を行う。AF駆動モータ14は焦点駆動部19からの駆動信号を受けることで駆動する。
【0025】
絞り13は複数の絞り羽根を有しており、これらの絞り羽根は、絞り駆動部17からの駆動力を受けることで作動して光通過口となる開口面積(絞り口径)を変化させる。シャッタ12は複数のシャッタ羽根を有しており、これらのシャッタ羽根は、シャッタ駆動部18からの駆動力を受けることで光通過口となる開口部を開閉する。これにより、撮像部15に入射する光束を制御する。
【0026】
そして、焦点駆動部19、絞り駆動部17およびシャッタ駆動部18の駆動は、撮影制御部111により制御されている。
【0027】
撮影制御部111は、後述する信号処理部112に取り込まれた画像信号に基づいて被写体輝度の検出(測光)を行い、この測光結果に基づいて絞り13の絞り口径とシャッタ12の開き時間を定めている。また、撮影制御部111は、焦点駆動部19を駆動させながら、信号処理部112からの出力に基づいて合焦位置を求めている。
【0028】
撮像部15から出力される画像信号は、A/D変換部110によりディジタル信号に変換されて信号処理部112に入力される。信号処理回路112は、入力された信号に対して輝度信号や色信号を形成するなどの信号処理を行ってカラー映像信号を形成する。
【0029】
そして、信号処理回路112で信号処理された画像信号は、表示部116に出力されることにより撮影画像として表示されるとともに、記録部117に出力されて記録される。
【0030】
以上説明した動作は、振れ補正を必要としないような明るさの被写体を撮影する場合である。一方、被写体が暗く、露光秒時が長くなるために手振れの恐れがある場合には、撮影者がカメラに設けられた不図示の操作部(防振スイッチ)を操作することにより、防振システムがオン状態となって以下の動作に切り替わる。
【0031】
まず、撮影者がカメラに設けられたレリースボタンを半押しすると、撮影準備動作(焦点調節動作や測光動作等)が開始される。測光動作により得られた測光値に基づいてシャッタ12の開き時間(露光時間)と絞り13の絞り口径を決定するが、一般的に防振システムを使用するような撮影条件では被写体が暗いので絞りは全開、露光時間は長秒時露光になっている。
【0032】
そこで、この露光時間を複数の短い露光時間に分割し、この分割した数だけ撮影を繰り返す。このように短い露光時間に分割すると、露光により得られる1枚1枚の画像は露出不足になるが、これらの画像は手振れの影響が少ない画像となる。
【0033】
そして、複数の画像を撮影終了後に合成して1枚の画像にすることで露出を改善する。
【0034】
しかし、複数の画像を撮影するとき、複数の撮影により得られた各画像においては手振れの影響が生じていなくても、連続撮影中の手振れにより各画像間における構図(被写体像)は微妙にズレている場合がある。ここで、これらの画像をそのまま合成すると、合成された画像は各画像における構図がズレた分だけぶれた画像になってしまう。
【0035】
本実施形態において、連続撮影に応じて撮像部15から撮影毎に複数出力される画像信号は、上述したようにA/D変換部110でディジタル信号に変換されてから信号処理部112にて信号処理が施される。信号処理部112の出力は、撮影制御部111に入力されるととともに、ズレ検出部113にも入力される。
【0036】
ズレ検出部(検出手段)113は、撮影画像中における特徴点(特定点)を抽出し、この特徴点の撮影画面内における位置座標を割り出す。
【0037】
例えば、図2に示すようにフレーム119aにおいて人物120aが建物121aを背景にして立っている写真を撮影する場合を考える。このとき、複数枚撮影するとフレーム119bのように手振れによりフレーム119aに対して構図のずれた画像が撮影されることがある。
【0038】
ズレ検出部113は、フレーム119aの周辺に位置する建物121aのうち輝度の高い点である窓122aのエッジ123aをエッジ検出により特徴点として取り出し、この特徴点123aと、フレーム119bにおいて取り出した特徴点123bとを比較し、この差分を補正(座標変換)する。
【0039】
図2では、フレーム119bの特徴点123bを矢印124のようにフレーム119aの特徴点123aに重ねるようにして、フレーム119bを座標変換する。
【0040】
ここで、特徴点として撮影画面(フレーム)の周辺を選択する理由を以下に説明する。
【0041】
多くの撮影の場合では、画面中央近傍に主被写体が位置し、且つ主被写体は人物である場合が多い。このようなとき、主被写体を特徴点として選ぶと被写体振れによる不都合が出てくる。
【0042】
すなわち、複数枚の撮影を行っているときに撮影者の手振ればかりでなく、被写体振れも重畳してくるので被写体振れに基づいて画像の座標変換をしてしまう。
【0043】
この場合、主被写体の構図が適正になるように座標変換するので好ましい画像ができるように思われるが、一般的には人物の動きは複雑であり、特徴点を選ぶ場所によってズレ検出精度が大きく左右される。
【0044】
例えば、主被写体(人物)の眼を特徴点として選んだ場合には瞬きの影響が出るし、手の先を特徴点として選択した場合には手は動きやすいので実際の被写体全体の振れとは異なってしまう。
【0045】
このように人物の1点を特徴点として画像の座標変換を行っても、その人物のすべてが適正に座標変換される訳ではないし、複数の画像を座標変換して合成する場合においても、画像ごとに座標の位置がばらつき、好ましい画像は得られない。
【0046】
そこで、本実施形態のように撮影画面内の周辺に位置する可能性の高い背景のような静止被写体を特徴点として選択して、画像の座標変換を行ったほうが好ましい画像(像振れの少ない画像)が得られる。この場合には、上述した被写体振れの影響が出てくるが、被写体全体としての振れはわずかなのでそれほど大きな画像劣化にはならない。
【0047】
図3は、1つのフレームにおいてズレ検出部113によって抽出される特徴点の抽出領域を示した図である。
【0048】
フレーム119aの中で主被写体が位置する可能性の高い領域126を避けた周辺領域125(斜線部、一方の領域)が特徴点の抽出領域である。この抽出領域125は、適宜設定することができる。ズレ検出部113は、抽出領域125の中で輝度が高く、且つコントラストの高い像を選択して特徴点とする(エッジ検出)。
【0049】
そして、2枚目以降に撮影された画像については、ひとつ前に撮影された画像における特徴点の位置座標の周辺近傍(カメラの焦点距離で決まる手振れによる構図振れの範囲)から同じ像を探して特徴点とする。
【0050】
ここでは、説明のために画像ごとの特徴点座標を求めているが、実際には1枚目の画像と2枚目の画像を相関演算し、各々対応する画素の変化を動きベクトルとして特徴点の変化としている。そして、3枚目の画像に対しては2枚目の画像との相関演算で特徴点の変化を求め、以下同様にして各画像の特徴点の変化を求めてゆく。
【0051】
なお、特徴点は抽出領域125の中で1箇所だけ選択するのではなく、複数のポイントを選択しておき、これらのポイントの動きベクトルの平均値、又はスカラーの最小値を特徴点の変化としてもよい。
【0052】
ここで、特徴点の変化として上記最小値を利用するのは、画面周辺で選択された特徴点もそれ自身が移動する可能性があるため、最も移動しない特徴点を選ぶためである。
【0053】
座標変換部(座標変換手段)114は、ズレ検出部113で求めた特徴点の変化にあわせて各画像の画像変換を行う。画像記憶部115は、座標変換後の各画像データを記憶する。
【0054】
画像記憶部115に記憶された各画像データは、画像合成部(合成手段)118に出力されて各画像が1枚の画像に合成される。
【0055】
デジタル画像の場合には、1枚の露出不足の写真でもゲインアップすることで露出の補正が可能であるが、ゲインを高くするとノイズも多くなり見苦しい画像になってしまう。
【0056】
しかし、本実施形態のように多くの画像を合成することで画像全体のゲインをアップさせる場合には、各画像のノイズが平均化されるためにS/N比の大きい画像を得ることができ、結果的にノイズを抑えて露出を適正化することができる。
【0057】
別の考え方をすれば、例えばノイズを許容して撮像部15を高感度にして複数枚撮影し、これらを加算平均することで画像に含まれるランダムノイズを減少させているともいえる。
【0058】
ここで、図2のように構図のズレた2枚の写真を合成する場合、図4に示すように2枚の画像が重ならない領域127が生ずる。そこで、画像合成部118は、領域127をカットして、2枚の画像が重なった領域のみについて拡散補完処理を行い、もとのフレームの大きさにする。
【0059】
合成された画像データは、表示部116に撮影画像(静止画像)として表示されるとともに、記録部117に記録される。
【0060】
図5は、上述した動作をまとめたフローチャートであり、このフローは防振スイッチが操作(オン)されたときにスタートする。
【0061】
ステップS1001では、撮影者がレリースボタンの半押し操作によりsw1がオンになるまで待機し、sw1がオンになるとステップS1002に進む。
【0062】
ステップS1002では、撮像部15において被写体を撮像する。撮影制御部111は、信号処理部112からの出力に基づいて被写体像(撮影画像)のコントラストを検出しながら、AF駆動モータ14を駆動して撮影レンズ11を光軸方向に移動させる。
【0063】
そして、最もコントラストが高くなった時点で撮影レンズ11の駆動を停止させることにより撮影光学系を合焦状態とする(いわゆる、山登り方式によるAF)。なお、位相差検出により焦点調節を行うこともできる。
【0064】
また、撮影制御部111は、撮像部15の出力に基づいて被写体の明るさを求める。
【0065】
ステップS1003では、ステップS1002で求めた被写体の明るさから撮影する枚数を求める。例えば、被写体の明るさを測定(測光)し、この測光結果に基づいて適正に露光するためには、絞り13を全開(例えばf2.8)にし、シャッタ12の開き時間、すなわち露光時間を1/8秒にする必要があるとする。
【0066】
ここで、撮影光学系の焦点距離が35mmフィルム換算で30mmであるとき、露光時間を1/8秒とする撮影では手振れにより像振れが発生する恐れがあるので、像振れが生じないように露光時間を1/32秒に設定して4回撮影を行うように設定する。
【0067】
一方、撮影光学系の焦点距離が300mmであるときには、像振れが生じないように露光時間を1/320秒に設定して40回撮影を行うように設定する。
【0068】
ステップS1004では、カメラのファインダ内に設けられた表示部やカメラの外装に設けられた液晶表示部に、撮影枚数を表示して撮影者に知らせる。
【0069】
ステップS1005では、レリースボタンの全押し操作によりsw2がオンになるまで待機する。なお、この待機ステップ中にレリースボタンの半押し操作が解除、すなわちsw1がオフになるとスタートに戻る。
【0070】
ステップS1006では、1枚目の撮影を開始する。
【0071】
ステップS1007では、1枚目の撮影が完了するまでステップS1006、ステップS1007を循環して待機する。そして、1枚目の撮影が完了するとステップS1008に進む。
【0072】
ステップS1008では、ズレ検出部113によりフレーム内の抽出領域125の中から特徴的な像(特徴点)を抽出し、この像の座標を求める。
【0073】
ステップS1009では、座標変換部114により座標変換を行うが、1枚目の画像のみの場合には、座標変換は行わずそのままステップS1010に進む。
【0074】
ステップS1010では、1枚目の画像データ又は2枚目以降の画像データであれば座標変換された画像データを画像記憶部115に記憶する。
【0075】
ステップS1011では、ステップS1003で求めた撮影枚数の撮影が終了したか否かを判断しており、全撮影枚数の撮影が終了するまではステップS1006に戻り撮影、特徴点抽出、座標変換、画像記憶(ステップ1006からステップS1010)を繰り返す。
【0076】
このフローでは1枚目の撮影を行い(座標変換)、画像記憶が終了した後に2枚目の撮影を実行しているように見えるが、実際には1枚目の画像データに対して特徴点抽出(座標変換)、画像記憶を行っている間にも2枚目の画像の撮影、撮像部15からの読み出しが行われている。
【0077】
ステップS1006からステップS1011のフローを繰り返すことで、2枚目以降に撮影された画像に関してはステップS1008で特徴点の座標を求めた後、1枚目の画像における特徴点の座標に2枚目以降の画像における特徴点の座標が重なるように座標変換が行われ、2枚目以降の画像の構図はすべて1枚目の画像の構図に揃う。
【0078】
ステップS1011ですべての撮影が終了したと判断すると、ステップS1012に進む。
【0079】
ステップS1012では、画像記憶部115に記憶された複数の画像を合成する。ここで、画像の合成は各画像の対応する座標の信号を加算平均することで行い、画像内のランダムノイズは加算平均することで減少させられる。そして、ノイズの減少した画像をゲインアップして露出の適正化を図る。
【0080】
ステップS1013では、合成された画像のうち図4の領域127のように各画像が構図振れにより重ならなかった領域をカットし、元のフレームの大きさになるように画像を拡散補完する。
【0081】
ステップS1014では、ステップS1013で得られた画像データをカメラ背面などに配置された液晶表示部に静止画像として表示する。これにより、撮影者は撮影された画像を観察することができる。
【0082】
ステップS1015では、ステップS1013で得られた画像データを、例えば半導体メモリなどで構成されカメラに対して着脱可能な記録媒体に記録する。ステップS1016では、スタートに戻る。
【0083】
なお、ステップS1016の段階でまだ継続してレリースボタンが半押し操作されており、sw1がオンになっているときには、ステップS1001、♯1002、♯1003、♯1004と再度フローを進めてゆく。また、ステップS1016の段階でレリースボタンが全押し操作されており、sw2がオンになっているときには、スタートに戻らずステップS1016で待機する。
【0084】
ところで上記フローにおいては各撮影に平行して特徴点のズレ検出と画像の座標変換を行っている。その為に高速の画像処理が必要となる。
【0085】
もっと廉価なシステムとしては複数枚の撮影をすべて終了してからゆっくりズレ検出と座標変換、合成を行う方法も考えられる。
【0086】
このような方法では、上述した画像処理の負荷が格段に減り、更にVGAクラスの小さな画像を扱う場合には画像メモリの容量も小さくて済むために手ごろなシステムになる。
【0087】
図6はその場合のフローであり、図5のフローとはステップ#1006から#1012の間が入れ替わっている。
【0088】
ステップ#1006で各撮影を行い、その撮影が終了するたびにステップ#1010で画像を画像記録部115に保存する。すべての画像を撮影、保存しおえるまでステップ#1007からステップ#1006を循環し、すべての画像の保存を終了するとステップ#1008に進む。
【0089】
ステップ#1008では、画像記録部115に保存された画像に対して上述と同様にズレ検出部113によりフレーム内の抽出領域125の中から特徴的な像(特徴点)を抽出し、この像の座標を求める。
【0090】
ステップS1009では、座標変換部114により座標変換を行い変換後の画像を再度、画像記録部115に保存する。なお、1枚目の画像のみ座標変換は行わない。
【0091】
ステップS1012では、画像記録部115に保存され、座標変換された画像(1枚目は座標変換されていない)をすべて合成する。
【0092】
この様にすべての撮影が終了した後、画像を表示するまでの時間(例えば1秒)を利用してゆっくり画像の処理を行えるので高価な画像処理チップを用いなくても防振システムを構築できる。
【0093】
また、携帯電子機器に搭載されるカメラのように画像サイズが小さい(たとえばVGA)場合には、撮影画像データを一時的に保存する画像記録部115の容量は小さくてすむ。
【0094】
この様にすべての画像の撮影が終了した後でズレ検出や或いは座標変換、画像合成を行うことで大掛かりな装置が不要で簡単に防振システムを実現できる。
【0095】
(第2実施形態)
本実施形態のカメラは、上述した第1実施形態におけるカメラの変形例である。ここで、本実施形態のカメラの構成は、第1実施形態(図1)で説明した構成と概ね同様である。
【0096】
第1実施形態において、ズレ検出部113により抽出される特徴点の抽出領域は、フレームの周辺領域125に設定されている。
【0097】
しかし、特徴点の抽出領域は、フレームの周辺領域125に限られず、撮影画面内に設けられたフォーカスエリア以外の領域を特徴点の抽出領域としたり、現在ピントが合っている領域以外を特徴点の抽出領域としたりすることができる。
【0098】
これは撮影するときには主被写体(人物)をフォーカスエリアに重ねるため、特徴点を主被写体以外にするためには、フォーカスエリア以外の領域を特徴点抽出領域に設定すればよいからである。
【0099】
図7は、撮影画面内における特徴点抽出領域を示した図である。撮影画面(フレーム119a)内に設けられたフォーカスエリア(焦点検出領域)128a、128b、128c、128d、128eの中で主被写体を捕らえているフォーカスエリア128cで合焦している場合には、このフォーカスエリア128cを中心とする主被写体領域126を除く画面周辺領域125を特徴点抽出領域に設定する。
【0100】
すなわち、主被写体が、フォーカスエリア128a、128b、128c、128d、128eのうちいずれかのフォーカスエリアに位置しているかに応じて、主被写体領域126および特徴点抽出領域が変更される。
【0101】
そして、この特徴点抽出領域の中で適した像を特徴点として、この特徴点の座標に基づいて各画像のズレを補正して画像合成を行うようにすれば好ましい画像合成が行える。
【0102】
また、図5のフローのようにすべての画像の座標変換が終了して、これらの画像の保存が終わってから画像の合成を行うのではなく、撮影を続行しながら画像の合成を同時進行で行ってもよい。
【0103】
図8は、このような動作を説明するタイミングチャートである。露光f1に対して、撮像部15で光電変換されて電荷蓄積された信号が撮像信号F1として読み出される。そして、撮像信号F2の読み出しと同時進行で前の撮像信号F1と今回の撮像信号F2との相関演算を行う。これにより2つの画像における特徴点の変化を求め、2つの画像信号F1、F2を合成して合成信号C2を得る。
【0104】
次に、撮像信号F3の読み出しと同時進行で前回の合成信号C2と今回の撮像信号F3との相関演算を行うことで特徴点の変化を求め、合成信号C2及び撮像信号F3を合成して合成信号C3を得る。
【0105】
次に、撮像信号F4の読み出しと同時進行で前回の合成信号C3と今回の撮像信号F4との相関演算を行うことで特徴点の変化を求め、合成信号C3及び撮像信号F4を合成して合成信号C4を得る。
【0106】
そして、得られた合成信号C4(合成画像)を、カメラ背面などに設けられた液晶表示部に表示するとともに、記録媒体に記録する。
【0107】
図9は、以上の動作を説明するフローチャートである。図5のフローチャートと比較すると、ステップS1010の画像保存がなくなり、座標変換(ステップS1009)が行われた後、画像合成(ステップS1012)が行われ、全撮影枚数の撮影が完了したか否かを判断(ステップS1011)するようになっている。
【0108】
本実施形態において、ステップS1010の画像保存が廃止されたのは、撮影された画像は撮影と同時進行で前の撮影で得られた画像と合成されるため、最終的には1枚の合成画像しか存在しておらず、複数の撮影画像を保存する必要がないためである。
【0109】
すなわち、撮影ごとに合成画像が更新されるので各撮影画像を保存しておく必要がない。したがって、本実施形態のカメラでは、図1で示した画像記憶部115を備えていない。
【0110】
なお、図9のフローにおいてもステップS1011の全画像処理が完了するまで次の撮影を行わないように見えるが、実際は図8のタイミングチャートのように撮影や撮像信号出力、相関演算や画像合成は同時進行で行われている。
【0111】
以上説明したように本発明の第1実施形態及び第2実施形態においては、手振れの生じないような短い露光時間で撮影を複数回繰り返し、撮影された複数の画像を合成することで露出の不足を補完できることに着目し、更に合成前に各画像ごとに座標変換を行い手振れにより生ずる各画像の構図のズレを補正することで、合成画像に生ずる像振れをなくす構成にしている。
【0112】
これにより、デジタルカメラでありながらビデオカメラと同様に電子的に振れ補正が行えるため、銀塩カメラに比べて格段に小さい防振システムを構築でき、且つ、画像そのもののズレを補正しているために角度振ればかりではなくシフト振れも補正することができる。
【0113】
しかも、上述した第1実施形態および第2実施形態は、撮影される各画像の構図のズレを補正する座標変換のためのズレ検出において、撮影画面内のどの領域で特徴点を抽出すべきかを考えたものである。
【0114】
例えば、撮影画面を図3や図7に示すように2つの領域125、126に分割し、主被写体(人物)が位置する可能性の高い領域126で特徴点を抽出して構図ズレの検出を行うと、人物そのものの振れにより構図のズレが正確に判断することができない。
【0115】
このため、上述した第1実施形態および第2実施形態のように、撮影画面内のうち領域126以外の領域である領域125において、輝点122aなどの特徴点の位置座標を画像ごとに検出し、各画像で検出された特徴点が同じ位置に揃うように各画像を座標変換した後に、画像合成を行うことで像振れのない1枚の画像を得ることができる。
【0116】
(第3実施形態)
図10は、本発明の第3実施形態であるカメラのブロック図である。本実施形態において、第1実施形態(第2実施形態)と異なる点は、画像の合成時に各画像を座標変換するのではなく、まず構図ズレの小さい画像のみを選択して、この選択された画像を合成することで振れのない合成画像を得るようにしている点である。
【0117】
このため、本実施形態におけるカメラの構成では、第1実施形態(図1)で設けられていた座標変換部114が省略され、代わりに画像選択部(画像選択手段)21及び選択制御部(選択制御手段)22が設けられている。なお、他の構成については、第1実施形態と同様である。
【0118】
画像選択部21は、第1実施形態と同様にズレ検出部113で求められた各画像における特徴点座標の中で座標位置が概ねずれていない画像だけを選択し、画像記憶部115に記憶するようになっている。
【0119】
このため、画像合成部118で合成に使われる画像は、特徴点座標のズレが少ない画像となるため、座標変換しなくても画像を合成しただけで像振れのない画像を得ることができる。
【0120】
しかし、第1実施形態と異なりあらかじめ設定された撮影枚数だけでは画像合成に必要な画像が足りなくなる場合がある。すなわち、本実施形態では、構図ズレの大きい画像は画像選択部21により画像合成に必要な画像として選択されないからである。
【0121】
これを防止するためには、あらかじめ撮影する画像の枚数を、実際に必要な画像枚数(測光結果により求められる撮影枚数)よりも多くしておく必要がある。
【0122】
一方、被写体が暗くなってゆくと、それにしたがって撮影に必要な枚数が増加し、すべての撮影を終わらせるのに必要な時間が長くなる。
【0123】
このように撮影時間が長くなると、手振れによる構図ズレも多くなってしまい、画像選択部21で選択できる画像が少なくなり、いつまでたっても適正露出の画像を得ることができなくなってしまう。
【0124】
そこで、本実施形態では、被写体が暗くなるのに伴い画像選択部21の選択基準を低くして、ある程度の構図ズレは許容して画像合成を行うようにしている。
【0125】
図10において、選択制御部22は、画像選択部21における選択基準を決定する役割を担っており、撮影制御部111からの撮影情報として被写体が暗く、適正露出を得るための撮影枚数が多くなる場合には、画像選択部21の選択基準をゆるく、すなわち特徴点座標の許容変化量を大きくしている。
【0126】
図11は、本実施形態のカメラにおける撮影動作を示すフローチャートであり、このフローは、カメラに設けられた防振スイッチをオンさせたときにスタートする。
【0127】
ステップS1001では、撮影者がレリースボタンを半押し操作することによりsw1がオンになるまで待機し、sw1がオンになるとステップS1002に進む。
【0128】
ステップS1002では、撮像部15で露光が行われる。撮影制御部111は、信号処理部112からの出力に基づいて撮影画像のコントラストを検出しながら、AF駆動モータ14を駆動して撮影レンズ11を光軸方向に移動させる。そして、被写体像のコントラストがピークに達した時点で、撮影レンズ11の移動を停止させることにより、撮影光学系を合焦状態とする。また、撮影制御部111は、撮像部15の出力に基づいて被写体の明るさを求める。
【0129】
ステップS1003では、ステップS1002で求めた被写体の明るさから撮影する枚数を求める。
【0130】
例えば、被写体の明るさを測光し、この測光結果に基づいて適正に露光を行うためには、絞り13を全開(例えばf2.8)にするとともにシャッタ12の開き時間、すなわち露光時間を1/8秒にする必要があるとする。
【0131】
ここで、撮影光学系の焦点距離が35mmフィルム換算で30mmであるときには、露光時間を1/8秒とする撮影では手振れによる像振れが発生する恐れがあるので、像振れが生じないように露光時間を1/32秒に設定して8回撮影を行うように設定する。
【0132】
第1実施形態では、同一条件下で連続撮影回数を4回としているが、本実施形態では構図ズレの大きい画像が画像合成に使われないため、破棄する画像を見込んで撮影枚数を倍に設定している。
【0133】
一方、撮影光学系の焦点距離が300mmであるときには、像振れが生じないように露光時間を1/320秒に設定して80回撮影を行うように設定する。これも第1実施形態の場合に比べて倍の撮影回数に設定している。
【0134】
ステップS1004では、カメラのファインダ内に設けられた表示部やカメラの外装に設けられた液晶表示部に、撮影枚数を表示して撮影者に知らせる。
【0135】
ステップS1005では、レリースボタンの全押し操作により、sw2がオンになるまで待機する。なお、この待機ステップ中にレリースボタンの半押し操作が解除され、sw1がオフになったときにはスタートに戻る。
【0136】
ステップS1006では、1枚目の撮影を開始する。
【0137】
ステップS1007では、1枚目の撮影が完了するまでステップS1006、♯1007を循環して待機する。そして、1枚目の撮影が完了するとステップS1008に進む。
【0138】
ステップS1008では、ズレ検出部113によりフレームの領域125(図3又は図7)の中から特徴的な像(特徴点)を抽出し、この像の座標を求める。
【0139】
実際には、ここで相関演算が行われて特徴点の変化量が求められ、2枚目の画像がこのステップに来た時に1枚目の画像と相関演算されて特徴点の変化量が求められる。
【0140】
また、3枚目、4枚目の画像に対してもこのステップで、予め記憶してある1枚目の画像との相関演算が行われて特徴点の変化量が求められる。
【0141】
ステップS2001では、選択制御部22がステップS1002で求めた画像の明るさに対応して画像選択部21の選択基準(画像選択の際に基準となる特徴点の変化量)を変更する。
【0142】
具体的には、適正露出を得るためにトータルの露光時間が1/8秒必要な被写体の明るさの場合には、トータルの露光時間が1/15秒必要な被写体の明るさの場合に比べて構図ズレ(特徴点の変化量)の許容量(選択基準の値)を倍に設定している。
【0143】
例えば、トータルの露光時間が1/15秒の場合には、特徴点における変化量を撮像部15の5画素分(選択基準)まで許容して、画像合成に使用する画像を選択する。一方、トータルの露光時間が1/8秒の場合には、特徴点における変化量を10画素分(選択基準)まで許容して、画像合成に使用する画像を選択する。
【0144】
ステップS2002では、ステップS2001で求めた画像の選択基準に基づいて撮影された画像を判定し、判定対象となる画像のうち特徴点座標の変化量が許容量(選択基準)を超える画像がある場合には、ステップS2003に進んでこの画像を破棄するとともにステップS1006に戻る。
【0145】
なお、最初の1枚目の画像が撮影されたときには、画像の選択は行わずにそのままステップS1010に進む。
【0146】
ステップS1010では、選択された画像データを画像記憶部115に記憶する。
【0147】
ステップS1011では、ステップS1003で求めた撮影枚数の撮影が終了したか否かを判断しており、全撮影枚数の撮影が終了するまではステップS1006に戻り撮影、特徴点抽出、画像選択、画像記憶(ステップ1006〜ステップS1010)を繰り返す。
【0148】
これにより、画像記憶部115に記憶される2枚目以降の画像の構図はすべて1枚目の画像の構図にほぼ揃うことになる。そして、すべての撮影が終了するとステップS1012に進む。
【0149】
ステップS1012では、画像記憶部115に記憶された複数の画像を合成する。
【0150】
ここで、画像の合成は各画像の対応する座標の信号を加算平均することで行い、画像内のランダムノイズは加算平均することで減少させられる。そして、ノイズの減少した画像をゲインアップして露出の適正化を図る。
【0151】
本実施形態と第1実施形態との違いは、第1実施形態において合成される画像は、例えばトータル1/8秒の露光時間の場合には撮影枚数が4枚に決まっていたが、本実施形態の場合には選択される画像が何枚かが分からない点にある。
【0152】
ここで、画像合成に使用される画像(適正画像)が4枚以上得られたときには、得られた画像の中から最も構図ズレ(特徴点の変化量)の少ない画像から順番に選択された4枚の画像を画像合成に使用している。逆に2枚しか適正画像が得られなかった場合には、この2枚の画像だけで画像合成を行い、多少のノイズは許容して画像のゲインアップを行い露出の適正化を図る。
【0153】
なお、第1実施形態においては、ステップS1013で合成された画像のうち、各画像が構図ズレにより重ならなかった領域をカットし、元のフレームの大きさになるように画像を拡散補完している。
【0154】
しかし、本実施形態においては、構図ズレの少ない画像を選んで画像合成に使用しているため画像が重ならない領域は少なく、第1実施形態におけるステップS1013に相当するステップはなくなっている。
【0155】
すなわち、本実施形態においては、撮影画面全体を無駄なく再現した振れ補正を行うことができる。
【0156】
ステップS1014では、ステップS1012で得られた画像データを、カメラ背面などに配置された液晶表示部に撮影画像として表示する。
【0157】
ステップS1015では、ステップS1012で得られた画像データを記録媒体に記録する。
【0158】
ステップS1016では、スタートに戻る。
【0159】
なお、ステップS1016の段階でまだ継続してレリースボタンが半押し操作されており、sw1がオンになっているときはそのままステップS1001、♯1002、♯1003、♯1004と再度フローを進めてゆく。また、ステップS1016の段階でレリースボタンが全押し操作されており、sw2がオンになっているときには、スタートに戻らずステップS1016で待機する。
【0160】
以上説明したように本実施形態においては、第1実施形態のように画像の座標変換を行うのではなく、構図ズレの少ない画像のみを選択して画像合成をしている。
【0161】
このため、デメリットとしては構図ズレの大きな画像の破棄を見込んで撮影枚数が多くなってしまうが、画像の座標変換の大きな負荷がなくなるとともに、座標変換後の合成に伴う画面の欠けがないために画面全体を再現できるメリットがある。
【0162】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態であるカメラは、第3実施形態におけるカメラの変形例であり、本実施形態におけるカメラの構成は、第3実施形態(図10)で説明した構成と同様である。
【0163】
第3実施形態では、図11のフローチャートから分かるようにステップS2003で画像の破棄を行った後、画像を破棄した分だけ撮影を追加する構成となっており、はじめの撮影枚数に余裕を見込まない構成にすれば余分な撮影を避けることができる。しかし、この場合にはあらかじめ何枚撮影するのかが撮影者に分からない点、撮影終了の予測がつかない点などが問題になる。
【0164】
しかしながら、上記方法においても撮影枚数の目安を表示して撮影者に知らせるようにし、表示した枚数を超える撮影が行われるときには強制的に撮影を終了する構成にしておけば無駄の少ない撮影が行えるようになる。
【0165】
図12は、上述した動作を説明するフローチャートであり、このフローはカメラに設けられた防振スイッチをオンさせたときにスタートする。
【0166】
ステップS1001では、撮影者がレリースボタンを半押し操作することにより、sw1がオンになるまで待機し、sw1がオンになるとステップS1002に進む。
【0167】
ステップS1002では、撮像部15での露光が行われる。撮影制御部111は、信号処理部112からの出力に基づいて画像のコントラストを検出しながら、AF駆動モータ14を駆動することにより撮影レンズ11を光軸方向に移動させる。そして、被写体像のコントラストがピーク値になった時点で、撮影レンズ11の移動を停止することにより撮影光学系を合焦状態にする。また、同時に撮像部15の出力に基づいて被写体の明るさを求める。
【0168】
ステップS1003では、ステップS1002で求めた被写体の明るさから撮影する枚数を求める。
【0169】
例えば、被写体の明るさを測光し、この測光結果に基づいて適正に露光を行うためには、絞り13を全開状態(例えばf2.8)にするとともにシャッタ12の開き時間(露光時間)を1/8秒にする必要があるとする。
【0170】
ここで、撮影光学系の焦点距離が35mmフィルム換算で30mmであるとき、露光時間を1/8秒とする撮影では手振れによる像振れが発生する恐れがあるので、像振れの恐れがないように露光時間を1/32秒に設定して8回撮影を行うように設定する。
【0171】
第1実施形態では、同一条件下で撮影回数を4回としているが、本実施形態では構図ズレの大きい画像は合成に使わないようにしているため、破棄する画像を見込んで撮影枚数を倍に設定している。
【0172】
一方、上記条件下で、撮影光学系の焦点距離が300mmであるときには、像振れの恐れのないように露光時間を1/320秒に設定して80回撮影を行うように設定する。これも第1実施形態に比べて倍の設定にしている。
【0173】
ステップS2006では、カメラのファインダ内に設けられた表示部やカメラの外装に設けられた液晶表示部に、推定する撮影枚数を表示して撮影者に知らせる。
【0174】
ここで、推定枚数としたのは、実際に画像合成に使用する画像の枚数は、各撮影画像の構図のズレ量(特徴点の変化量)により変化するためである。例えば、カメラがしっかりと固定されており、1枚も構図ズレがない場合には4枚の撮影枚数で終了する。一方、構図ズレが大きい画像が得られたときには、8枚の撮影でも画像合成に必要な画像は足りなくなる可能性がある。
【0175】
ステップS1005では、レリースボタンの全押し操作により、sw2がオンになるまで待機する。なお、この待機ステップ中にレリースボタンの半押し操作が解除され、sw1がオフになったときにはスタートに戻る。
【0176】
ステップS1006では、1枚目の撮影を開始する。
【0177】
ステップS1007では、1枚目の撮影が完了するまでステップS1006、♯1007を循環して待機する。そして、1枚目の撮影が完了するとステップS1008に進む。
【0178】
ステップS1008では、ズレ検出部113によりフレームの周辺領域125(図3又は図6)の中から特徴的な像(特徴点)を抽出し、その像の座標を求める。
【0179】
実際には、ここで相関演算が行われて特徴点の変化量が求められ、2枚目の画像がこのステップに来た時に1枚目の画像と相関演算されて特徴点の変化量が求められる。
【0180】
また、3枚目、4枚目の画像に対してもこのステップで、予め記憶してある1枚目の画像との相関演算が行われて特徴点の変化量が求められる。
【0181】
ステップS2001では、選択制御部22がステップS1002で求めた像の明るさに対応して画像選択部21の選択基準(画像選択の際に基準となる特徴点の変化量)を変更する。
【0182】
具体的には、適正露出のためにトータルの露光時間が1/8秒必要な被写体の明るさの場合には、トータルの露光時間が1/15秒必要な被写体の明るさの場合に比べて構図ズレの許容量(選択基準)を倍に設定する。
【0183】
例えば、トータルの露光時間が1/15秒の場合に、特徴点における変化量を撮像部15の5画素分(選択基準)まで許容するとしたとき、トータルの露光時間が1/8秒の場合には特徴点の変化量を10画素分(選択基準)まで許容するようにする。
【0184】
ステップS2002では、ステップS2001で求めた画像の選択基準に基づいて撮影された画像を判定し、判定対象となる画像のうち特徴点座標が許容量(選択基準の値)を超える画像がある場合には、ステップS2003に進んでこの画像を破棄するとともにステップS1006に戻る。
【0185】
なお、最初の1枚目の画像を撮影したときには、画像の選択は行わずにそのままステップS1012に進む。
【0186】
ステップS1012では、選択された画像の合成を行う。
【0187】
ここで、画像の合成は各画像の対応する座標の信号を加算平均することで行い、画像内のランダムノイズは加算平均することで減少させられる。そして、ノイズの減少した画像をゲインアップして露出の適正化を図る。
【0188】
ステップS2004では、露出適正化に必要な撮影枚数(推定枚数)だけ画像合成を行えたか否かを判別している。
【0189】
例えば、トータル1/8秒の露光時間の場合に、露光時間1/32秒として複数回の撮影を行う場合において、ステップS2002で選択された構図ズレの少ない画像が4枚得られ、これらの画像が合成された時点でステップS2005に進む。
【0190】
一方、必要枚数の画像が合成されていない場合には、必要枚数の画像合成が完了するまでステップS1006に戻り、撮影、特徴点抽出、画像選択、画像合成(ステップS1006〜ステップS1012)を繰り返す。
【0191】
なお、ステップS2007は、ステップS2004とステップS1006の間に設けられており、現在の撮影枚数が推定した撮影枚数(例えば8枚)以内の場合にはステップS1006に進み、推定枚数を超えたときはステップS2005に進む。
【0192】
これは、構図ズレの少ない画像を撮影するためにむやみに撮影枚数を増やすことを防ぐためである。
【0193】
そして、適正露出に必要な撮影枚数だけ合成用の画像として得られなかった場合、例えば画像合成に4枚の画像が必要なのに構図ズレの小さい画像が2枚しか得られなかった場合には、得られた画像のみを合成して合成画像信号のゲインアップをして露出の補正を行う。
【0194】
なお、第1実施形態においてはステップS1013で合成された画像のうち各画像が構図ズレにより重ならなかった領域をカットし、元のフレームの大きさになるように画像を拡散補完している。
【0195】
しかし、本実施形態においては構図ズレの少ない画像を選んで画像合成に使用しているので画像が重ならない領域は少なく、第1実施形態のステップS1013に相当するステップはなくなっている。
【0196】
すなわち、本実施形態においては、撮影画面全体を無駄なく再現した振れ補正を行うことができる。
【0197】
ステップS2005では、実際に撮影した枚数を、カメラのファインダ内に設けられた表示部やカメラ背面に設けられた液晶表示部に表示する。
【0198】
ステップS1014では、ステップS1012で得られた合成画像データを、カメラ背面などに配置された液晶表示部に撮影画像として表示する。
【0199】
ステップS1015では、ステップS1012で得られた画像データを記録媒体に記録する。
【0200】
ステップS1016では、スタートに戻る。
【0201】
なお、ステップS1016の段階でまだ継続してレリースボタンが半押し操作されることによりsw1がオンになっているときには、そのままステップS1001、♯1002、♯1003、♯1004と再度フローを進めてゆく。また、ステップS1016の段階でレリースボタンが全押し操作されて、sw2がオンになっているときには、スタートに戻らずステップS1016で待機する。
【0202】
複数枚の画像はそれらを合成するごとに1枚1枚の露出不足が改善されてゆく。このため、撮影前の測光によりあらかじめ露出改善に必要な撮影枚数は分かる。
【0203】
しかし、これらの撮影画像の中には構図ズレが大きく合成に適さない画像もある。
【0204】
そこで、上述した第3実施形態および第4実施形態では、複数の撮影を実行するときにはあらかじめ必要な撮影枚数以上の撮影を行い、これにより得られた画像の中から比較的構図ズレの少ない画像を選択し、選択された画像を合成することで振れの少ない合成画像を得ることができる。
【0205】
例えば、長時間の露光を行いたい場合には、1回の露光撮影を多くの短時間露光撮影に分けて撮影するが、撮影枚数が多くなるに伴い各画像の構図ズレも大きくなる。
【0206】
このため、画像選択部21で合成に適する画像を必要枚数選択することができなくなる恐れがある。
【0207】
そこで、第4実施形態では、長時間露光のような撮影条件の場合には画像の選択基準を甘くして、多少の構図ズレの画像は選択するようにして確実に撮影が続行できるようにしている。
【0208】
(第5実施形態)
図13は、本発明の第5実施形態であるカメラの構成図である。同図において、図1および図10で説明した部材と同じ部材については、同一符号を付して説明を省略する。
【0209】
本実施形態において第3実施形態(第4実施形態)と異なる点は、ある程度の構図ズレの画像は画像選択部で許容して合成画像として使用し、このような画像は第1実施形態のように座標変換して構図ズレの補正を行う点にある。
【0210】
しかも、画像の選択に際しては、第3実施形態のようにフレームの周辺の静止物など(図3又は図7の領域125)における特徴点の変化だけではなく、主被写体(人物)の特徴点の変化も考慮に入れている点にある。
【0211】
ここで、第1実施形態のように画像の座標変換を行うとともに、第2実施形態のように画像の選択を行う理由について説明する。
【0212】
実際に複数撮影した画像においては、撮影時間が長くなるにしたがって大きな構図ズレの画像も出てくる。
【0213】
そして、このような大きな構図ズレの場合、画像を座標変換してから合成しても画面欠け(図4の領域127)の部分が大きくなり、鑑賞用の画像領域が極端に狭くなってしまう。
【0214】
また、大きな構図ズレの場合には、単に座標上で像がシフトしただけではなく、カメラのレンズ特性やカメラのあおり姿勢の変化による画像ひずみが大きくなるので、画像上の一部の特徴点の変化を座標変換で補完しても像全体が前の画像とうまく重ならなくなる。
【0215】
このため、ある程度構図ズレの小さい画像のみを選択し、この選択した画像に対して座標変換を行ってから画像合成を行うようにしている。
【0216】
次に、画像の選択として第2実施形態のように画面周辺の特徴点の変化ばかりではなく主被写体の動きの大きさも考慮に入れている点を説明する。
【0217】
露光時間が長くなると手振れによる構図の変化ばかりでなく、主被写体の動き(被写体振れ)も大きくなる。
【0218】
そして、各撮影の中で主被写体の動きの大きな画像を合成してしまうと、合成された画像の主被写体はボケた画像になってしまう。
【0219】
例えば、複数枚の撮影を行う時に最後の撮影に近くなると、主被写体(人物)は撮影が終了したと勘違いして撮影位置から動いてしまうことがある。
【0220】
そこで、本実施形態では、このように主被写体の動きが大きい画像も合成には使用しない構成にしている。
【0221】
図13において、第2の画像選択部32は、図3の領域126や図7の領域126のように主被写体の位置する領域における特徴点の変化が大きいときには、この画像は合成用には使用しないようにしている。
【0222】
信号処理部112から出力される信号は、ズレ検出部113に入力され、このズレ検出部113において特徴点の変化が求められる。
【0223】
この特徴点の変化は、撮影画面を、図3や図7の領域125(主被写体領域以外の領域)と領域126(主被写体領域など)に分けて、それぞれの領域において特徴点の変化を求めている。そして、各領域において複数の特徴点の変化が求められ、各領域ごとに平均値、又は上述した最小値が求められる。
【0224】
第1の画像選択部31は、ズレ検出部113により撮影画像の領域125(図3や図7)における特徴点の変化と、選択制御部22で決定される選択基準(画像選択の際に基準となる特徴点の変化量)とに基づいて画像選択を行い、選択された画像のみ第2の画像選択部32に出力する。
【0225】
ここで、画像の選択基準は、第3実施形態における選択基準ほど厳しくはしていない。これは、ある程度の構図ズレ(特徴点の変化)は、座標変換部114により補正(座標変換)できるからである。
【0226】
このため、第3実施形態では、例えばトータルの露光時間が1/15秒の場合には、特徴点の変化量が撮像部15の5画素分(選択基準)まで許容するとしているが、本実施形態では特徴点の変化量が10画素分(選択基準)まで許容するようになっている。
【0227】
また、この選択基準も第3実施形態と同様に選択制御部22により変更されて、トータルの露光時間が1/8秒必要な被写体の明るさの場合には、トータルの露光時間が1/15秒必要な被写体の明るさの場合に比べて選択基準の値を倍に設定している。
【0228】
例えば、トータルの露光時間が1/15秒の場合には、特徴点の変化量が撮像部15の10画素分(選択基準)まで許容し、トータルの露光時間が1/8秒の場合には20画素分(選択基準)まで許容して画像の選択を行う。
【0229】
第2の画像選択部32は、ズレ検出部113の領域126(図3や図7)における特徴点変化に基づき画像選択を行い、選択された画像のみを座標変換部114に出力する。
【0230】
なお、ここでの特徴点の変化は領域125における特徴点の変化分を削除した値であり、構図ズレのない純粋な主被写体(人物)の動きを特徴点の変化としており、単純に領域126における特徴点の変化を求めた値ではない。
【0231】
第2の画像選択部32の役割は、前述したように主被写体の振れが大きい画像を画像合成には使わないようにすることであり、例えば主被写体の振れ(特徴点の変化量)が撮像部15の10画素以上変化している画像は合成に使用しないようにしている。
【0232】
座標変換部114は、第1実施形態と同様に第2の画像選択部32より出力された画像を領域125における特徴点変化に基づいて座標変換し、この結果を画像記憶部115に出力する。
【0233】
画像記憶部115は、各画像データが適正露出のために必要な合成枚数だけ蓄積すると、これらの画像データを画像合成部118に出力する。
【0234】
画像合成部118は、入力された画像を加算平均して1枚の画像に合成し、適正にゲイン変更するとともに、図4の画面欠け領域127をカットして、元のフレームの大きさにあわせるように画像を拡大補完する。
【0235】
そして、仕上がった画像データは、表示部116及び記録部117に出力されて、カメラの背面に設けられた液晶表示部に撮影画像として表示されるとともに、半導体メモリなどで構成される記録媒体に記録される。
【0236】
図14は、本実施形態における撮影動作を示すフローチャートであり、このフローは防振スイッチをオンさせたときにスタートする。
【0237】
ステップS1001では、撮影者がレリースボタンの半押し操作を行うことにより、sw1がオンになるまで待機し、sw1がオンになるとステップS1002に進む。
【0238】
ステップS1002では、撮像部15で撮像が行われる。撮影制御部111は、信号処理部112の出力に基づいて画像のコントラストを検出しながら、AF駆動モータ14を駆動して撮影レンズ11を光軸方向に移動させる。そして、コントラストがピーク値に達した時点で、撮影レンズ11の移動を停止させる。これにより、撮影光学系は合焦状態となる。
【0239】
また、撮影制御部111は、撮像部15の出力に基づいて被写体の明るさを求める。
【0240】
ステップS1003では、ステップS1002で求めた被写体の明るさから撮影する枚数を求める。
【0241】
例えば、被写体の明るさを測光し、この測光結果に基づいて適正に露光するためには、絞り13を全開(例えばf2.8)にするとともにシャッタ12の開き時間、露光時間を1/8秒にする必要があるとする。
【0242】
ここで、撮影光学系の焦点距離が35mmフィルム換算で30mmであるとき、露光時間を1/8秒とする撮影では手振れによる像振れが生じる恐れがあるので、像振れの恐れがないように露光時間を1/32秒に設定して6回撮影を行うように設定する。
【0243】
第1実施形態では、同一条件下で撮影回数を4回としており、第3実施形態では構図ズレ(特徴点の変化量)の大きい画像は合成に使わないため、破棄する画像を見込んで撮影枚数を倍に設定している。
【0244】
一方、本実施形態においては、構図ズレによる破棄画像の判定をゆるく(選択基準の値を大きく)し、このときの信号処理工程で座標変換により構図ズレを補正するため、第3実施形態よりも撮影枚数は少なくしている。
【0245】
また、撮影光学系の焦点距離が300mmであるとき、像振れの恐れがないように露光時間を1/320秒に設定して60回撮影を行うように設定する。
【0246】
これも第1実施形態より多く、第3実施形態より少ない枚数に設定にしている。
【0247】
ステップS1004では、カメラのファインダ内に設けられた表示部やカメラの外装に設けられた液晶表示部に、撮影枚数を表示して撮影者に知らせる。
【0248】
ステップS1005では、レリースボタンが全押し操作されることによりsw2がオンになるまで待機する。
【0249】
なお、この待機ステップ中にレリースボタンの半押し操作が解除され、sw1がオフになったときにはスタートに戻る。
【0250】
ステップS1006では、1枚目の撮影を開始する。
【0251】
ステップS1007では、1枚目の撮影が完了するまでステップS1006、ステップS1007を循環して待機する。そして、1枚目の撮影が完了するとステップS1008に進む。
【0252】
ステップS1008では、ズレ検出部113が撮影画面内の領域125(図3や図7)の中から特徴的な像(特徴点)を抽出し、その像の座標を求める。
【0253】
実際には、ここで相関演算が行われて特徴点の変化量が求められ、2枚目の画像がこのステップに来た時に1枚目の画像と相関演算され特徴点の変化量が求められる。
【0254】
前述したようにこのステップにおいては2つの領域125、126(図3、図6)における特徴点変化を求めており、領域125(画面の周辺など)と領域126(主被写体領域など)の各領域において複数の特徴点の変化が求められる。そして、領域ごとに平均値、又は前述したように最小値を求め、それぞれの領域における特徴点の変化量としている。
【0255】
また、領域126における特徴点は、実際の領域126の画像の座標の動き量に対して領域125の動き量の差分を求めており、これにより領域126の特徴点変化は手振れによる構図ズレが排除された純粋な被写体振れのみとして求められる。
【0256】
3枚目、4枚目の画像に対しても同様にステップS1008で、予め記憶してある1枚目の画像との相関演算が行われ特徴点の変化量が求められる。
【0257】
ステップS2001では、選択制御部22は、ステップS1002で求めた画像の明るさに対応して第1の画像選択部31の選択基準(第1の選択基準)を変更する。
【0258】
この第1の選択基準の変更は、前述したように適正露出のためにトータルの露光時間が1/8秒必要な被写体の明るさの場合には、トータルの露光時間が1/15秒必要な被写体の明るさの場合に比べて第1の選択基準の値を倍に設定している。
【0259】
例えば、トータルの露光時間が1/15秒の場合は、特徴点の変化量が撮像部15の10画素分まで許容するようにしたとき、トータルの露光時間が1/8秒の場合には20画素分まで許容するようにしている。
【0260】
ステップS3001では、ステップS1008で求めた領域125における特徴点の変化と、ステップS2001で求めた第1の選択基準とに基づいて撮影された画像の構図ズレを判定する。ここで、特徴点の座標変化が許容量(第1の選択基準の値)を超える場合にはステップS2003に進んで、この画像を破棄するとともにステップS1006に戻る。
【0261】
なお、最初の1枚の画像のみの場合には、画像の選択は行わずにそのままステップS1010に進む。
【0262】
ステップS3002では、ステップS1008で求めた領域126における特徴点の変化に基づいて撮影された画像の構図ズレを判定する。そして、特徴点の座標変化量が所定の許容量(第2の選択基準の値)を超える場合にはステップS2003に進んで、この画像を破棄するとともにステップS1006に戻る。
【0263】
なお、このステップにおける判定基準(第2の選択基準の値)もステップS3001と同様に露光時間などの撮影条件で変更するようにしてもよい。
【0264】
また、このステップS3002においても、最初の1枚の画像のみの場合には、画像の選択は行わずそのままステップS1009に進む。
【0265】
ステップS1009では、ステップS1008で求められた領域125の特徴点の変化に基づいて画像の座標変換が行われ、2枚目以降の画像が1枚目の画像と重なるように処理される。
【0266】
ステップS1010では、1枚目の画像および2枚目以降の選択された画像を画像記憶部115に記憶する。
【0267】
ステップS1011では、ステップS1003で求めた全画像の撮影が終了したか否かを判断しており、全画像の撮影が終了するまではステップS1006に戻り撮影、特徴点抽出、画像選択、画像記憶(ステップS1006からステップS1010)を繰り返す。
【0268】
なお、このフローでは1枚目の撮影が終了した後に2枚目の撮影を実行しているように見えるが、実際には1枚目の画像の特徴点抽出、座標計算、画像保存を行っている間にも2枚目の画像の撮像、撮像部15からの読み出しが行われている。
【0269】
これにより、画像記憶部115に記憶される2枚目以降の画像の構図はすべて1枚目の構図に揃うことになる。
【0270】
すべての撮影が終了するとステップS1012に進む。
【0271】
ステップS1012では、画像の合成を行う。
【0272】
ここで、画像の合成は、各画像の対応する座標の信号を加算平均することで行い、画像内のランダムノイズは加算平均することで減少させられる。そして、ノイズの減少した画像をゲインアップして露出の適正化を図る。
【0273】
また、このステップにおいて第3実施形態と同様に合成に必要な枚数だけ画像が得られるか分からない。
【0274】
すなわち、6枚撮影してもその中で構図ズレや主被写体ズレが少なくて画像合成に使える画像が6枚あるかもしれないし、3枚しか合成に使えない画像があるかもしれない。
【0275】
そこで、このステップにおいて、例えば、合成に必要な画像枚数が4枚である場合であって、4枚以上の適正画像が得られたときには、その画像の中からもっとも構図ズレ(特徴点の変化量)の少ない画像から順番に4枚の画像を合成に使用するようにしている。
【0276】
逆に、3枚しか適正画像が得られなかった場合には、その3枚のみで画像合成を行い多少のノイズは許容して画像のゲインアップを行い露出の適正化を図る。
【0277】
ステップS1013では、ステップS1012で合成された画像のうち各画像が構図ズレにより重ならなかった領域(図4の領域127)をカットし、元のフレームの大きさになるように画像を拡散補完している。
【0278】
ステップS1014では、ステップS1012で得られた画像を、カメラの背面などに配置された液晶表示部に表示する。
【0279】
ステップS1015では、ステップS1012で得られた画像を、記録媒体に記録する。
【0280】
ステップS1016では、スタートに戻る。
【0281】
なお、ステップS1016の段階でまだ継続してレリースボタンが半押し操作されてsw1がオンになっているときには、そのままステップS1001、♯1002、♯1003、♯1004と再度フローを進めてゆく。
【0282】
また、ステップS1016の段階でレリースボタンが全押し操作されてsw2がオンになっているときには、スタートに戻らずステップS1016で待機する。
【0283】
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態は、上述した第5実施形態の変形例であり、本実施形態におけるカメラの構成は、第5実施形態(図13)で説明した構成と同様である。
【0284】
図14のフローチャートから分かるように、ステップS2003で画像の破棄を行った後、その分だけ撮影を追加する構成にし、はじめの撮影枚数は余裕を見込まない構成にすれば余分な撮影を避けることができる。しかし、この場合にはあらかじめ何枚撮影するのかが撮影者に分からない点、撮影終了の予測が付かない点などが問題になる。
【0285】
しかしながら、上記方法においても撮影枚数の目安を撮影者に表示し、その枚数を超える撮影が行われるときには強制的に撮影を終了する構成にしておけば無駄の少ない撮影が行えるようになる。
【0286】
図15はそのような構成を説明するフローチャートであり、このフローは防振スイッチをオンさせたときにスタートする。
【0287】
ステップS1001では、撮影者がレリースボタンを半押し操作してsw1がオンになるまで待機し、sw1がオンになるとステップS1002に進む。
【0288】
ステップS1002では、撮像部15で撮像が行われる。撮影制御部111は、信号処理部112からの出力に基づいて画像のコントラストを検出しながら、AF駆動モータ14を駆動して撮影レンズ11を光軸方向に移動させる。そして、コントラストが最も高くなった時点で撮影レンズ11の移動を停止させる。これにより、撮影光学系は合焦状態となる。
【0289】
また、撮影制御部111は、同時に撮像部15の出力に基づいて被写体の明るさを求める。
【0290】
ステップS1003では、ステップS1002で求めた被写体の明るさから撮影する枚数を求める。
【0291】
例えば、被写体の明るさを測光し、この測光結果に基づいて適正に露光するためには、絞り13を全開(例えばf2.8)にするとともにシャッタ12の開き時間、露光時間を1/8秒とする必要があるとする。
【0292】
ここで、撮影光学系の焦点距離が35mmフィルム換算で30mmであるとき、露光時間を1/8秒とする撮影では、手振れによる像振れの恐れがあるので、像振れの恐れがないように露光時間を1/32秒に設定して6回撮影を行うように設定する。
【0293】
第1実施形態では、同一条件下で撮影回数を4回としており、第3実施形態では構図ズレの大きい画像は合成に使わないため、破棄する画像を見込んで撮影枚数を倍に設定している。
【0294】
本実施形態においては、構図ズレにより破棄する画像の判定をゆるくし、このときの信号処理工程において座標変換により構図ズレを補正することを前提にして第3実施形態よりも撮影枚数は少なくしている。
【0295】
一方、撮影光学系の焦点距離が300mmであるときには、像振れの恐れがないように露光時間を1/320秒に設定して60回撮影を行うように設定する。
【0296】
これも第1実施形態よりも多く、第3実施形態よりも少ない枚数に設定にしている。
【0297】
ステップS2006では、カメラのファインダ内に設けられた表示部やカメラの外装に設けられた液晶表示部に、推定撮影枚数を表示して撮影者に知らせる。
【0298】
ここで、推定枚数としたのは、実際に合成に使用する枚数は、このときの各撮影画像における構図ズレ(特徴点の変化量)により変化するためである。例えば、カメラをしっかりと固定しており、1枚も構図ズレがない場合には4枚の撮影枚数で終了する。また、各撮影とも構図ズレが大きい時には、8枚の撮影でも合成に必要な画像は足りなくなる可能性があるからである。
【0299】
ステップS1005では、レリースボタンが全押し操作されることによりsw2がオンになるまで待機する。
【0300】
なお、この待機ステップ中にレリースボタンが半押し操作が解除されて、sw1がオフになったときには、スタートに戻る。
【0301】
ステップS1006では、1枚目の撮影を開始する。
【0302】
ステップS1007では、1枚目の撮影が完了するまでステップS1006、♯1007を循環して待機する。そして、1枚目の撮影が完了するとステップS1008に進む。
【0303】
ステップS1008では、ズレ検出部113が撮影画面内の領域125(図3又は図6)の中から特徴的な像(特徴点)を抽出し、その像の座標を求める。
【0304】
実際には、ここで相関演算が行われて特徴点の変化量が求められ、2枚目の画像がこのステップに来た時に1枚目の画像と相関演算されて特徴点の変化量が求められる。
【0305】
前述したようにこのステップにおいては、2つの領域125、126における特徴点の変化を求めており、領域125(画面の周辺など)と領域126(主被写体領域など)の各領域において複数の特徴点の変化が求められる。そして、各領域において平均値、又は前述したように最小値を求め、それぞれの領域の特徴点変化としている。
【0306】
また、領域126における特徴点は、実際の領域126の画像の座標の動き量に対して領域125の動き量の差分を求めており、これにより領域126の特徴点変化は手振れによる構図ズレが排除された純粋な被写体振れのみとして求められる。
【0307】
3枚目、4枚目の画像に対しても同様にしてステップS1008で、予め記憶してある1枚目の画像との相関演算が行われ特徴点の変化量が求められる。
【0308】
ステップS2001では、選択制御部22は、ステップS1002で求めた画像の明るさに対応して第1の画像選択部31における第1の選択基準(画像選択の際に基準となる特徴点の変化量)を変更する。
【0309】
この第1の選択基準の変更は、前述したように適正露出のためにトータルの露光時間が1/8秒必要な被写体の明るさの場合は、トータルの露光時間が1/15秒必要な被写体の明るさの場合に比べて構図ズレの許容量(第1の選択基準の値)を倍に設定している。
【0310】
例えば、トータルの露光時間が1/15秒の場合には、特徴点の変化量が撮像部15の10画素分(第1の選択基準)まで許容し、トータルの露光時間が1/8秒の場合には20画素分(第1の選択基準)まで許容する。そして、後述するように特徴点の変化量と第1の選択基準との比較により、合成に利用される画像を選択する。
【0311】
ステップS3001では、ステップS1008で求めた領域125における特徴点の変化と、ステップS2001で求めた画像の選択基準とに基づいて、撮影された画像の構図ズレを判定する。そして、特徴点の座標変化量が許容量(第1の選択基準の値)を超える場合にはステップS2003に進んで、この画像を破棄するとともにステップS1006に戻る。
【0312】
なお、最初の1枚の画像のみの場合には、画像の選択は行わずそのままステップS1010に進む。
【0313】
ステップS3002では、ステップS1008で求めた領域126における特徴点の変化に基づいて撮影された画像の構図ズレを判定する。そして、特徴点の座標変化量が所定の許容量(第2の選択基準の値)を超える場合にはステップS2003に進んで、この画像を破棄するとともにステップS1006に戻る。
【0314】
なお、このステップにおける判定基準(第2の選択基準)もステップS3001と同様に露光時間などの撮影条件で変更するようにしてもよい。また、このステップS3002においても最初の1枚の画像のみの場合には、画像の選択は行わずそのままステップS1009に進む。
【0315】
ステップS1009では、ステップS1008で求められた領域125における特徴点の変化に基づいて画像の座標変換が行われ、2枚目以降の画像が1枚目の画像と重なるように処理される。
【0316】
ステップS1012では、画像の合成を行う。
【0317】
ここで、画像の合成は各画像の対応する座標の信号を加算平均することで行い、画像内のランダムノイズは加算平均することで減少させられる。そして、ノイズの減少した画像をゲインアップして露出の適正化を図る。
【0318】
ステップS2004では、露出適正化に必要な枚数だけ合成を行えたか否かを判別している。
【0319】
例えば、トータル1/8秒の露光を1/32秒の複数回の露光で行う場合において、ステップS3001、3002を通過した構図ズレの少ない画像が4枚(必要枚数)得られ、これらの画像が合成された時点でステップS1013に進み、そうでないときは全画像の撮影が終了するまではステップS1006に戻り、撮影、特徴点抽出、画像選択、画像合成(ステップS1006〜ステップS1012)を繰り返す。
【0320】
なお、ステップS2007は、ステップS2004とステップS1006の間に設けられており、現在の撮影枚数が推定した撮影枚数(例えば8枚)以内の場合にはステップS1006に進み、推定枚数を超えたときはステップS2005に進む。
【0321】
これは、構図ズレの少ない画像を撮影するためにむやみに撮影枚数を増やすことを防ぐためである。
【0322】
そして、適正露出に必要な撮影枚数だけ合成用の画像として得られなかった場合、例えば合成には4枚必要なのに構図ズレの小さい(上記選択基準に適した)画像が2枚しか得られなかった場合には、得られた画像のみを合成し、信号のゲインアップをして露出の補正を行う。
【0323】
ステップS1013では、ステップS1012で合成された画像のうち各画像が構図ズレにより重ならなかった領域(図4の領域127)をカットし、元のフレームの大きさになるように画像を拡散補完している。
【0324】
ステップS2005では、撮影枚数をカメラの液晶表示部等に表示する。
【0325】
ステップS1014では、ステップS1012で得られた画像を、カメラ背面などに配置された液晶表示部に表示する。
【0326】
ステップS1015では、ステップS1012で得られた画像を記録媒体に記録する。
【0327】
ステップS1016では、スタートに戻る。
【0328】
なお、ステップS1016の段階でまだ継続してレリースボタンが半押し操作されsw1がオンになっているときは、そのままステップS1001、♯1002、♯1003、♯1004と再度フローを進めてゆく。
【0329】
また、ステップS1016の段階でレリースボタンが全押し操作されてsw2がオンになっているときには、スタートに戻らずステップS1016で待機する。
【0330】
複数枚の画像はそれらを合成するごとに1枚1枚の露出不足が改善されてゆく。このため、撮影前の測光によりあらかじめ露出改善に必要な撮影枚数は分かる。
【0331】
しかし、それらの撮影画像の中には構図ズレが大きく合成に適さない画像もある。
【0332】
そこで、上述した本実施形態では、撮影を実行するときにはあらかじめ必要な撮影枚数以上の撮影を行い、それら画像の中から比較的構図ズレの少ない(選択基準を満たす)画像を選択し、選択された画像を合成することで振れの少ない合成画像を得ることができる。
【0333】
しかも、選択された画像の中での微妙な構図ズレを画像ごとに座標変換して構図を揃えた後に合成することで、より良い画像を得ることができる。
【0334】
一方、複数枚の撮影画像の中には主被写体(人物)が大きく動いてしまった画像もある。これらの画像は画像ごとの構図ズレ(複数枚撮影中の手振れ)がなくても合成を行うと主被写体は鮮明な画像にはならない。
【0335】
そこで、主被写体の位置などをフォーカスエリア(図7の128a〜128e)で特定し、このエリア(図7の領域126)内の動きが他の撮影画像に比べて大きく異なる画像は合成しないようにして、主被写体が鮮明な合成画像を得るようにしている。
【0336】
以上説明した各実施形態は、以下に示す各発明を実施した場合の一例でもあり、下記の各発明は上記各実施形態に様々な変更や改良が加えられて実施されるものである。
【0372】
【発明の効果】
本発明の撮影装置又はプログラムによれば、フォーカスエリア内とフォーカスエリア外から特徴点を抽出し、フォーカスエリア内の特徴点の移動量に応じてフォーカスエリア外の特徴点の移動量を用いて位置あわせすることによって、像振れのない精度良い合成画像(1枚の撮影画像)を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるカメラのブロック図。
【図2】本発明の第1実施形態における座標変換説明図。
【図3】本発明の第1実施形態における特徴点抽出領域の説明図。
【図4】本発明の第1実施形態における画像合成の説明図。
【図5】本発明の第1実施形態における撮影動作を示すフローチャート。
【図6】本発明の第1実施形態における撮影動作を示すフローチャート(変形例)。
【図7】本発明の第2実施形態における特徴点抽出領域の説明図。
【図8】本発明の第2実施形態における撮影処理動作を示すタイミングチャート。
【図9】本発明の第2実施形態における撮影動作を示すフローチャート。
【図10】本発明の第3実施形態であるカメラのブロック図。
【図11】本発明の第3実施形態における撮影動作を示すフローチャート。
【図12】本発明の第4実施形態における撮影動作を示すフローチャート。
【図13】本発明の第5実施形態であるカメラのブロック図。
【図14】本発明の第5実施形態における撮影動作を示すフローチャート。
【図15】本発明の第6実施形態における撮影動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
10 :光軸
11 :撮影レンズ
12 :シャッタ
13 :絞り
14 :AF駆動モータ
15 :撮像部
16 :駆動部
17 :絞り駆動部
18 :シャッタ駆動部
19 :焦点駆動部
110 :A/D変換部
111 :撮影制御部
112 :信号処理部
113 :ズレ検出部
114 :座標変換部
115 :画像記録部
116 :表示部
117 :記録部
118 :画像合成部
119 :フレーム
120 :主被写体
123 :特徴点
124 :特徴点の変化
125 :特徴点抽出領域
126 :主被写体領域
127 :画面欠け領域
128 :フォーカスエリア
21 :画像選択部
22 :選択制御部
31 :第1の画像選択部
32 :第2の画像選択部
Claims (11)
- フォーカスエリアにて合焦させて撮影した複数の画像を合成して合成画像を得る撮影装置であって、
前記複数の画像のそれぞれに対して、前記フォーカスエリア内に対応する領域と前記フォーカスエリア外に対応する領域にて特徴点をそれぞれ抽出する抽出手段と、
前記複数の画像間で前記フォーカスエリア内に対応する領域にて抽出した特徴点に基づいて第1の変位量を検出し、前記複数の画像間で前記フォーカスエリア外に対応する領域にて抽出した特徴点に基づいて第2の変位量を検出する検出手段と、
前記第1の変位量が第1の所定値を超えるかどうかを判定し、前記第2の変位量が第2の所定値を超えるかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段にて前記第1の変位量が前記第1の所定値を超えないと判定され、かつ、前記判定手段にて前記第2の変位量が前記第2の所定値を超えないと判定されたときは、前記フォーカスエリア外に対応する領域にて抽出した前記複数の画像の特徴点同士が一致するように、前記複数の画像を合成する合成手段とを有し、
前記第1の所定値は前記複数の画像を撮影する際の露光時間によって変化することを特徴とする撮影装置。 - 前記第1の所定値を変更する設定手段を更に有し、
前記フォーカスエリア内に対応する領域における輝度が低いときは、前記設定手段によって前記第1の所定値を上げることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記合成手段は、前記判定手段によって前記第2の変位量が前記第2の所定値を超えないと判定された画像のうち、前記第2の変位量が小さい画像から順に合成することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
- フォーカスエリアにて合焦させて撮影した複数の画像を合成して合成画像を得る撮影装置であって、
前記複数の画像のそれぞれに対して、前記フォーカスエリア内に対応する領域と前記フォーカスエリア外に対応する領域にて特徴点をそれぞれ抽出する抽出手段と、
前記複数の画像間で前記フォーカスエリア内に対応する領域にて抽出した特徴点の変位量である第1の変位量と、前記複数の画像間で前記フォーカスエリア外に対応する領域にて抽出した特徴点の変位量である第2の変位量とを検出する検出手段と、
前記第1の変位量が第1の所定値を超えるかどうかを判定し、前記第1の変位量と前記第2の変位量の差分が第2の所定値を超えるかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段にて前記第1の変位量が前記第1の所定値を超えないと判定され、かつ、前記判定手段にて前記第1の変位量と前記第2の変位量の差分が前記第2の所定値を超えないと判定されたときは、前記第1の変位量と前記第2の変位量の差分に基づいて座標変換を行うことで前記複数の画像を合成する合成手段とを有し、
前記第1の所定値は前記複数の画像を撮影する際の露光時間によって変化することを特徴とする撮影装置。 - 前記第1の所定値を変更する設定手段を更に有し、
前記フォーカスエリア内に対応する領域における輝度が低いときは、前記設定手段によって前記第1の所定値を上げることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。 - 前記合成手段は、前記判定手段によって前記第1の変位量と前記第2の変位量の差分が前記第2の所定値を超えないと判定された画像のうち、前記変位量が小さい画像から順に合成することを特徴とする請求項4又は5の何れか1項に記載の撮像装置。
- 前記合成手段は、前記判定手段によって前記第1の変位量が前記第1の所定値を超えると判定された際は、前記合成手段による合成動作を行わないことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記合成手段は、前記複数の画像の撮影がすべて終了した後に合成動作を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
- フォーカスエリアにて合焦させて撮影した複数の画像を合成して合成画像を得る合成画像生成方法であって、
前記複数の画像のそれぞれに対して、前記フォーカスエリア内に対応する領域と前記フォーカスエリア外に対応する領域にて特徴点をそれぞれ抽出する抽出ステップと、
前記複数の画像間で前記フォーカスエリア内に対応する領域にて抽出した特徴点に基づいて第1の変位量を検出し、前記複数の画像間で前記フォーカスエリア外に対応する領域にて抽出した特徴点に基づいて第2の変位量を検出する検出ステップと、
前記第1の変位量が第1の所定値を超えるかどうかを判定し、前記第2の変位量が第2の所定値を超えるかどうかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにて前記第1の変位量が前記第1の所定値を超えないと判定され、かつ、前記判定ステップにて前記第2の変位量が前記第2の所定値を超えないと判定されたときは、前記フォーカスエリア外に対応する領域にて抽出した前記複数の画像の特徴点同士が一致するように、前記複数の画像を合成する合成ステップとを有し、
前記第1の所定値は前記複数の画像を撮影する際の露光時間によって変化することを特徴とする合成画像生成方法。 - フォーカスエリアにて合焦させて撮影した複数の画像を合成して合成画像を得る合成画像生成方法であって、
前記複数の画像のそれぞれに対して、前記フォーカスエリア内に対応する領域と前記フォーカスエリア外に対応する領域にて特徴点をそれぞれ抽出する抽出ステップと、
前記複数の画像間で前記フォーカスエリア内に対応する領域にて抽出した特徴点の変位量である第1の変位量と、前記複数の画像間で前記フォーカスエリア外に対応する領域にて抽出した特徴点の変位量である第2の変位量とを検出する検出ステップと、
前記第1の変位量が第1の所定値を超えるかどうかを判定し、前記第1の変位量と前記第2の変位量の差分が第2の所定値を超えるかどうかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにて前記第1の変位量が前記第1の所定値を超えないと判定され、かつ、前記判定ステップにて前記第1の変位量と前記第2の変位量の差分が前記第2の所定値を超えないと判定されたときは、前記第1の変位量と前記第2の変位量の差分に基づいて座標変換を行うことで前記複数の画像を合成する合成ステップとを有し、
前記第1の所定値は前記複数の画像を撮影する際の露光時間によって変化することを特徴とする合成画像生成方法。 - 請求項9又は10に記載の合成画像生成方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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