JP4418084B2 - 架橋基含有ポリイミド前駆体、架橋基含有ポリイミド、及び、耐熱性接着剤 - Google Patents
架橋基含有ポリイミド前駆体、架橋基含有ポリイミド、及び、耐熱性接着剤 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリイミド前駆体、ポリイミド、及び、耐熱性接着剤に関する。より詳細には、保存安定性に優れたポリイミド前駆体、及び、優れた半田耐熱性を有するポリイミドを含んでなる耐熱性接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物の反応によって得られるポリイミドは、その高耐熱性に加え、力学的強度、寸法安定性に優れ、難燃性、電気絶縁性等を併せ持つために、電気電子機器、宇宙航空用機器、輸送機器など様々な分野において使用されており、今後も耐熱性の要求される分野で広く用いられることが期待されている。
【0003】
耐熱性接着剤としては、従来より多くの有機合成高分子からなる耐熱性接着剤が知られており、これらのうちで耐熱性の優れたものとしては、ポリベンズイミダゾール系、ポリイミド系の接着剤が開発されている。特に、ポリイミド系の耐熱性接着剤として、耐熱性および接着力ともに優れているものとして、米国特許第4,065,345号や特開昭61−143477号等に開示された接着剤が知られている。しかし、これらの耐熱性接着剤は優れた耐熱性、接着性を有しているものの、良好な接着状態を得るためには、高温、高圧の接着条件が必要であった。更に、これらの耐熱性接着剤の前駆体であるポリアミド酸は経時変化しやすく、窒素雰囲気下、低温での保存においても対数粘度、溶液粘度は経時的に徐々に低下する。そのため、塗工、加工時の作業性、加工後の樹脂自体の強度、接着性等を長期に渡り維持することは困難であった。
【0004】
一方、ジアミノシロキサン化合物を併することにより、接着性を向上させる方法も数多く報告されている(特開平5−72425号、同5−98233号、同5−98234号、同5−98235号、同5−98236号、同5−98237号、同5−112760号等)が、ジアミノシロキサン化合物の併用量が多いため、芳香族ポリイミドが本来有する耐熱性を損なうという問題点があった。
【0005】
また、ポリイミドを電子材料用の接着剤として使用する場合においては、熱可塑性のポリイミドを用いて熱圧着により金属積層板を作製することが可能である。しかし、熱可塑性のポリイミドを用いる場合、熱圧着後に金属積層板を樹脂のガラス転移温度以上に保持すると膨れを生じる等問題点があった。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明の目的の一つは、架橋基含有ポリイミドの前駆体である保存安定性に優れた架橋基含有ポリアミド酸を提供することにある。
【0007】
本発明の目的の一つは、半田耐熱性に優れた架橋基含有ポリイミドを熱処理して得られる架橋型ポリイミドを提供することにある。
【0008】
本発明の目的の一つは、半田耐熱性に優れた架橋基含有ポリイミドを熱処理して得られる架橋型ポリイミドを含んでなる耐熱性接着剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明で述べる耐熱性接着剤は分子末端の一部が不飽和基すなわち炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を有する架橋基含有ジカルボン酸無水物で封止された線状高分子である架橋基含有ポリイミドまたは架橋基含有ポリイミド前駆体からなる。また、架橋型ポリイミドとは、架橋基含有ポリイミドを熱的に架橋したポリイミドであり、架橋基含有ポリイミドの分子末端に導入された不飽和基が熱的な架橋反応により架橋点となるため、分子形状が網目状高分子である。
【0010】
しかしながら、架橋型ポリイミドは従来の熱硬化性ポリイミドとは全く異なり、それと比較して架橋点間距離が長いため、架橋密度は低く架橋前においては熱可塑性を示す。すなわち、本発明に係る架橋型ポリイミドは、架橋前の状態で熱可塑性を有し、フィルム形成能を有するのに対して、従来のビスマレイミドタイプの熱硬化性ポリイミドは、低分子であるため架橋前の状態ではフィルム形成能がなく、硬化後でなければ使用できない。
【0011】
本発明は、本発明の耐熱性良好な架橋基含有ポリイミドが、熱的に反応可能な架橋点を分子末端に有しているため、該ポリイミドを熱的に架橋させることにより、優れた耐熱性を有する架橋型ポリイミドを得ることが可能なことが重要な特徴である。更には、分子末端に残るアミノ基を架橋基含有ジカルボン酸無水物で完全に封止せず、一部アミノ基を残存させることにより、架橋基含有ポリアミド酸の保存安定性が完全に封止した場合に比べて良好である。また、この架橋基含有ポリアミド酸をイミド化して得られる分子末端にアミノ基の一部を残存させた架橋基含有ポリイミドは接着時及び半田耐熱試験時に膨れを生じにくいことも重要な特徴である。
【0012】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の繰り返し単位を有し、その分子末端の一部が炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を有する架橋基含有ジカルボン酸無水物で封止された架橋基含有ポリイミドまたはその前駆体である架橋基含有ポリアミド酸を熱処理して得られる架橋型ポリイミドが、ポリイミドが本来有する優れた諸物性に加え、更に、接着性、保存安定性に優れ、かつ半田耐熱性が良好な耐熱性接着剤として使用できることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[11]に記載した事項により特定される。
【0013】
[1] 一般式(1)[化10]で表される繰り返し単位の分子末端の5〜99モル%に架橋基を有することを特徴とする架橋基含有ポリイミド前駆体(一般式(1)[化10]中、Ar1は、式(V)[化11]からなる群から選択された4価の基を示す。式(V)[化11]中、Xは、式(VI)[化11]からなる群から選択された2価の基を示す。)。
【0014】
【化10】
【0015】
【化11】
【0016】
[2] 分子末端の5〜99モル%が、式(I)[化12]で表される架橋基含有分子末端であって、かつ、分子末端の95〜1モル%が、式(II)[化12]で表される架橋基を含まない分子末端であることを特徴とする[1]に記載した架橋基含有ポリイミド前駆体(式(I)[化12]中、Ar2は、式(III)[化12]からなる群から選択された2価の基を示す。式(III)[化12]中、R1〜R6は、それぞれ独立して、同一であっても、異なってもよく、−H、−F、トリフルオロメチル基、メチル基、エチル基、又は、フェニル基を示す。式(III)[化12]中、Yは、式(IV)[化12]からなる群から選択された3価の基を示す。式(IV)[化12]中、Zは、直結、-CO-、-SO2-、-S-、-O-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-からなる群から選択された2価の基を示す。)。
【0017】
【化12】
【0018】
[3] 式(3)[化13]で表されるジアミン、
一般式(4)[化13]で表されるテトラカルボン酸二無水物、及び、
一般式(5)[化13]で表される架橋基含有ジカルボン酸無水物
を重縮合反応して得られる[1]又は[2]に記載した架橋基含有ポリイミド前駆体(一般式(4)[化13]中、Ar1は、式(V)[化14]からなる群から選択された4価の基を示す。式(V)[化14]中、Xは、式(VI)[化14]からなる群から選択された2価の基を示す。一般式(5)[化13]中、Ar2は、式(III)[化15]からなる群から選択された2価の基を示す。式(III)[化15]中、R1〜R6は、それぞれ独立して、同一であっても、異なってもよく、−H、−F、トリフルオロメチル基、メチル基、エチル基、又は、フェニル基を示す。式(III)[化15]中、Yは、式(IV)[化15]からなる群から選択された3価の基を示す。式(IV)[化15]中、Zは、直結、-CO-、-SO2-、-S-、-O-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-からなる群から選択された2価の基を示す。)。
【0019】
【化13】
【0020】
【化14】
【0021】
【化15】
【0022】
[4] 数式(A)[数5]で表される対数粘度を有することを特徴とする[1]乃至[3]の何れかに記載した架橋基含有ポリイミド前駆体(数式(A)において、〔η〕は、架橋基含有ポリイミド前駆体を、N−メチル−2−ピロリドンに、0.5g/dlの濃度で溶解した後、35℃において測定した対数粘度である。)。
[数5]
〔η〕=0.2〜2.0dl/g (A)
[5] 数式(B)[数6]で計算される対数粘度保持率Rηが、数式(C)[数7]で表される数値範囲であることを特徴とする、[1]乃至[4]の何れかに記載した架橋基含有ポリイミド前駆体(数式(B)において、Rηは、保存後対数粘度保持率、すなわち、23℃で6ヶ月保存した後の対数粘度の保持率である。η[dl/g]は保存前の対数粘度であり、η’[dl/g]は、23℃で6ヶ月保存した後の対数粘度である。)。
[数6]
Rη[%]=η’[dl/g]÷η[dl/g]×100 (B)
[数7]
90[%]≦Rη[%]≦100[%] (C)
[6] 一般式(2)[化16]で表される繰り返し単位の分子末端の5〜99モル%に架橋基を有することを特徴とする架橋基含有ポリイミド(一般式(2)[化16]において、Ar1は、式(V)[化17]からなる群から選択された4価の基を示す。式(V)[化17]中、Xは、式(VI)[化17]からなる群から選択された2価の基を示す。)。
【0023】
【化16】
【0024】
【化17】
[7] 分子末端の5〜99モル%が、式(VII)[化18]で表される架橋基含有分子末端であって、かつ、分子末端の95〜1モル%が、式(II)[化18]で表される架橋基を含まない分子末端であることを特徴とする[6]に記載した架橋基含有ポリイミド(式(VII)[化18]中、Ar2は、式(III)[化18]からなる群から選択された2価の基を示す。式(III)[化18]中、R1〜R6は、それぞれ独立して、同一であっても、異なってもよく、−H、−F、トリフルオロメチル基、メチル基、エチル基、又は、フェニル基を示す。式(III)[化18]中、Yは、式(IV)[化18]からなる群から選択された3価の基を示す。式(IV)[化18]中、Z[化18]は、直結、-CO-、-SO2-、-S-、-O-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-からなる群から選択された2価の基を示す。)。
【化18】
【0025】
【0026】
[8] 数式(D)[数8]で表される対数粘度を有することを特徴とする[6]又は[7]に記載した架橋基含有ポリイミド(数式(D)において、〔η〕は、架橋基含有ポリイミドを、フェノール/p−クロロフェノール混合溶液(10重量部/90重量部)に0.5g/dlの濃度で溶解した後、35℃において測定した対数粘度)。
[数8]
〔η〕=0.2〜2.0dl/g (D)
[9] [6]乃至[8]に記載した架橋基含有ポリイミドを熱処理して得られる架橋型ポリイミドであって、
前記架橋型ポリイミドをフィルム(厚み4μm)として、前記フィルムを銅箔(厚み18μm)に接着した積層体としたときに、前記積層体が288℃±5℃の半田浴に10秒間浸漬後に接着面において剥離及び/又は膨れが発生しないことを特徴とする、架橋型ポリイミド。
【0027】
[10] 熱処理が、250〜450℃において、0.1秒〜100時間で加熱処理するものである[9]に記載した、架橋型ポリイミド。
【0028】
[11] [6]乃至[10]に記載したポリイミドを含んでなる耐熱性接着剤。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、
▲1▼ 架橋基含有ポリイミド、
▲2▼ 架橋基含有ポリイミド前駆体、
▲3▼ ▲1▼のポリイミド、及び/又は、▲2▼のポリイミド前駆体を熱処理して得られる架橋型ポリイミド
の3種類のポリマーを併せ称して、ポリイミドという。
【0030】
該ポリイミドからなる耐熱性接着剤を得るために用いられるジアミンは式(3)に示した1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンである。
【0031】
本発明に係るポリイミドを製造する際にこれらの性質及び物理的性質を損なわない範囲内で以下のジアミンを混合して重合させても何等差し支えない。混合して用いることのできるジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、o−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、3−クロロ−1,2−フェニレンジアミン、4−クロロ−1,2−フェニレンジアミン、2,3−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、3,4−ジアミノトルエン、3,5−ジアミノトルエン、2−メトキシ−1,4−フェニレンジアミン、4−メトキシ−1,2−フェニレンジアミン、4−メトキシ−1,3−フェニレンジアミン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−5,5’−ジトリフルオロメチルジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジクロロベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−(4−フェニル)フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4、4’−ジ(4−フェニルフェノキシ)ベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、
1,3−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α、α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α、α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α、α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α、α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−4−トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−5−トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−4−トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−トリフルオロメチルベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)−3−トリフルオロメチルベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)−5−トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)−4−トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)−5−トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−4−トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−5−トリフルオロメチルベンゼン、1,3−〔(3−アミノ)−α,α−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル〕ベンゼン、1,3−〔(4−アミノ)−α,α−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル〕ベンゼン、1,4−〔(3−アミノ)−α,α−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル〕ベンゼン、1,4−〔(4−アミノ)−α,α−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フルオロベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス〔3−アミノ−4−(4−フェニルフェノキシベンゾイル〕ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2−フェニルベンゼン、1,3−ビス〔2−(3−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、1,3−ビス〔2−(4−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(3−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(4−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、
3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3 −ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3 −ヘキサフルオロプロパン、
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3−メチルビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’−ジメチルビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’−ジクロロビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジクロロビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’,5,5’−テトラクロロビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’−ジブロモビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジブロモビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’,5,5’−テトラブロモビフェニル、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2−〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−2−〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕プロパン、2−〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−2−〔4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕プロパン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3−メトキシフェニル〕スルフィド、〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕〔4−(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジメトキシフェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジメトキシフェニル〕スルフィド、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、6,6’−ビス(4−アミノフェノキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、6,6’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(フェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン等であり、これらジアミンは単独又は2種以上混合して用いられる。
【0032】
また、上記ジアミンの芳香環上の水素原子の一部または全てを、フルオロ基、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、またはトリフルオロメトキシ基からなる群から選択された置換基で置換したジアミンを用いることができる。また、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、ニトリロ基、及びイソプロペニル基を該ジアミンの芳香環上の水素原子の一部または全てに置換基として導入したものも用いることができる。更に、架橋点となるビニレン基、ビニリデン基、及びエチニリデン基を置換基ではなく、主鎖骨格中に組み込むこともできる。
【0033】
本発明のポリイミドは、性能の改良や改質を行なう目的で、上記ジアミンと共に1種以上の脂肪族ジアミンを用いて共重合化することもできる。具体的に示すと、
1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、ビス(アミノメチル)エーテル、1,2−ビス(アミノメトキシ)エタン、ビス[(2−アミノメトキシ)エチル]エーテル、1,2−ビス[(2−アミノメトキシ)エトキシ]エタン、ビス(2−アミノエチル)エーテル、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エタン、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、エチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタンであり、これらジアミンは単独または2種以上混合して用いることもできる。
【0034】
本発明に係るポリイミドを得るために用いられるテトラカルボン酸二無水物は、一般式(4)に示したテトラカルボン酸二無水物であるが、具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,2−ビス〔(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0035】
本発明のポリイミドを製造する際にポリイミド自体の性質及び物理的性質を損なわない範囲内で以下のテトラカルボン酸二無水物を一種以上混合して重合させても何等差し支えない。混合して用いることのできるテトラカルボン酸二無水物としては、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等であり、これらテトラカルボン酸二無水物は単独または2種以上混合して用いることもできる。
【0036】
また、上記テトラカルボン酸二無水物の芳香環上の水素原子の一部または全てを、フルオロ基、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、またはトリフルオロメトキシ基からなる群から選択された置換基で置換したテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。また、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、ニトリロ基、及びイソプロペニル基を該テトラカルボン酸二無水物の芳香環上の水素原子の一部または全てに置換基として導入したものも用いることができる。更に、架橋点となるビニレン基、ビニリデン基、及びエチニリデン基を置換基ではなく、主鎖骨格中に組み込むこともできる。
【0037】
本発明に係るポリイミドを得るために用いられる架橋基含有ジカルボン酸無水物は一般式(5)で表される架橋基含有ジカルボン酸無水物であるが、具体的には、
マレイン酸無水物、2−メチルマレイン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、2−フルオロマレイン酸無水物、2,3−ジフルオロマレイン酸無水物、2−トリフルオロメチルマレイン酸無水物、2,3−ジトリフルオロメチルマレイン酸無水物、2−エチルマレイン酸無水物、2,3−ジエチルマレイン酸無水物、2−フェニルマレイン酸無水物、2,3−ジフェニルマレイン酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、ジメチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、フルオロ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、ジフルオロ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、トリフルオロメチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、ジトリフルオロメチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、ジエチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、フェニル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、ジフェニル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、シス−1,2,3,4−テトラヒドロフタル酸無水物、5−メチル−シス−1,2,3,4−テトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジメチル−シス−1,2,3,4−テトラヒドロフタル酸無水物、5−フルオロ−シス−1,2,3,4−テトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジフルオロ−シス−1,2,3,4−テトラヒドロフタル酸無水物、5−トリフルオロメチル−シス−1,2,3,4−テトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジトリフルオロメチル−シス−1,2,3,4−テトラヒドロフタル酸無水物、5−エチル−シス−1,2,3,4−テトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジエチル−シス−1,2,3,4−テトラヒドロフタル酸無水物、1−フェニル−2−(3,4−ジカルボキシフェニル)アセチレン無水物、5−フェニル−シス−1,2,3,4−テトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジフェニル−シス−1,2,3,4−テトラヒドロフタル酸無水物、6−エチニルフタル酸無水物、1−フェニル−2−(3−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)アセチレン無水物、1−フェニル−2−(3−(3,4−ジカルボキシフェニルカルボニル)フェニル)アセチレン無水物、1−フェニル−2−(3−(3,4−ジカルボキシフェニルスルホニル)フェニル)アセチレン無水物、1−フェニル−2−(3−(3,4−ジカルボキシフェニルスルフィニル)フェニル)アセチレン無水物、1−フェニル−2−(3−(2−(3,4−ジカルボキシフェニル)イソプロパニル)フェニル)アセチレン無水物、1−フェニル−2−(3−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(3,4−ジカルボキシフェニル)イソプロパニル)フェニル)アセチレン無水物、1−フェニル−2−(3−(3,4−ジカルボキシフェニル)フェニル)アセチレン無水物、1−フェニル−2−(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)アセチレン無水物、1−フェニル−2−(4−(3,4−ジカルボキシフェニルカルボニル)フェニル)アセチレン無水物、1−フェニル−2−(4−(3,4−ジカルボキシフェニルスルホニル)フェニル)アセチレン無水物、1−フェニル−2−(4−(3,4−ジカルボキシフェニルスルフィニル)フェニル)アセチレン無水物、1−フェニル−2−(4−(2−(3,4−ジカルボキシフェニル)イソプロパニル)フェニル)アセチレン無水物、1−フェニル−2−(4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(3,4−ジカルボキシフェニル)イソプロパニル)フェニル)アセチレン無水物、1−フェニル−2−(4−(3,4−ジカルボキシフェニル)フェニル)アセチレン無水物、1−フェニル−2−(6−(2,3−ジカルボキシナフチル)アセチレン無水物、であり、これら架橋基含有ジカルボン酸無水物は単独又は2種以上混合して用いられる。
【0038】
また、上記架橋基含有ジカルボン酸無水物の芳香環上の水素原子の一部または全てを、フルオロ基、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、またはトリフルオロメトキシ基からなる群から選択された置換基で置換した架橋基含有ジカルボン酸無水物を用いることができる。また、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、ニトリロ基、及びイソプロペニル基を該架橋基含有ジカルボン酸無水物の芳香環上の水素原子の一部または全てに置換基として導入したものも用いることができる。更に、架橋点となるビニレン基、ビニリデン基、及びエチニリデン基を置換基ではなく、主鎖骨格中に組み込むこともできる。
【0039】
これらの架橋基含有ジカルボン酸無水物の中でマレイン酸無水物が得られるポリイミドの性能面及び実用面から最も好ましい。
【0040】
本発明においては、通常の重縮合系ポリマーの場合と同様に、モノマー成分のモル比を調節することにより分子量を制御する。すなわち、ジアミンに対し、数式(E)(数9)で示す数値範囲のテトラカルボン酸二無水物を使用する。
[数9]
M1:M2=1.00:0.90〜0.999 (E)
〔数式(E)において、M1はジアミンのモル数、M2はテトラカルボン酸二無水物のモル数を示す〕
ジアミン1モルに対するテトラカルボン酸二無水物が0.9モル未満では十分な特性を引き出す程の分子量が得られず、0.999モルを超えると十分な末端封止を行うことができない。好ましくは、0.92〜0.999モルであり、更に好ましくは0.95〜0.999モルであり、最も好ましくは0.96〜0.999モルの範囲である。
【0041】
本発明における重要な特徴として架橋基含有ジカルボン酸無水物の使用がある。従来の技術として、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物のモル数の差の2倍モルの末端封止剤(総末端封止剤量)を用いて末端封止を行うが、本発明においては、総末端封止剤量の5〜99モル%を架橋基含有ジカルボン酸無水物で封止しており、すなわち、総末端封止剤量の95〜1モル%はアミノ基が残存することになる。数値範囲より多い架橋基含有ジカルボン酸無水物を使用した場合、ポリイミド前駆体溶液の保存安定性が悪く、室温(23℃)での保存中に分子量の低下が見られる。保存安定性の指標として、対数粘度の保持率があるが、具体的には、
数式(B)[数10]で計算される対数粘度保持率Rηが、数式(C)[数11]で表される数値範囲であることである。
[数10]
Rη[%]=η’[dl/g]÷η[dl/g]×100 (B)
〔数式(B)において、Rηは、保存後対数粘度保持率、すなわち、23℃で6ヶ月保存した後の対数粘度の保持率である。η[dl/g]は保存前の対数粘度であり、η’[dl/g]は23℃で6ヶ月保存した後の対数粘度である。〕
[数11]
90[%]≦Rη[%]≦100[%] (C)
また、耐熱性の評価方法として半田耐熱試験を行うが、135±10℃で60分乾燥後、288±5℃の半田浴に10秒間浸漬した後の状態を目視により、接着面において、剥離、及び/又は、膨れが発生するか否か判定した。
【0042】
また、過剰の架橋基含有ジカルボン酸無水物が存在すると、熱処理時及び半田耐熱試験時に未反応の架橋基含有ジカルボン酸無水物の分解反応が起こり、剥離や膨れの原因となる。また、数値範囲未満では十分な末端封止を行うことができない。好ましい架橋基含有ジカルボン酸無水物の使用量は、総末端封止剤量の10〜99モル%であり、更に好ましくは20〜99モル%であり、最も好ましくは50〜99モル%である。
【0043】
また、本発明に係るポリイミドを製造する際にポリイミド自体の性質及び物理的性質を損なわない範囲内で以下のジカルボン酸無水物を一種以上混合して重合させても何等差し支えない。混合して用いることのできるジカルボン酸無水物としては、無水フタル酸、3−フルオロ無水フタル酸、4−フルオロ無水フタル酸、3−クロロ無水フタル酸、4−クロロ無水フタル酸、3−ブロモ無水フタル酸、4−ブロモ無水フタル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−ニトロ無水フタル酸、3−シアノ無水フタル酸、4−シアノ無水フタル酸、3−メチル無水フタル酸、4−メチル無水フタル酸、3−メトキシ無水フタル酸、4−メトキシ無水フタル酸、3−トリフルオロメチル無水フタル酸、4−トリフルオロメチル無水フタル酸、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸無水物、2,3−ジフェニルエーテルジカルボン酸無水物、3,4−ジフェニルスルフィドジカルボン酸無水物、2,3−ジフェニルスルフィドジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ジフェニルスルホンジカルボン酸無水物、2,3−ジフェニルスルホンジカルボン酸無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物等が挙げられ、また、エチニルフタル酸無水物や6−エチニル−2,3−ジカルボキシナフタレン無水物で代表されるエチニル基を含有するジカルボン酸無水物及びベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基及びイソプロペニル基を含有するフタル酸無水物誘導体または2,3−ジカルボキシナフタレン無水物誘導体を、上記架橋基含有ジカルボン酸無水物と共に単独または2種以上混合して用いることもできる。
【0044】
本発明のポリイミドの製造方法は、ポリイミドを製造可能な公知方法を含め全て適用できるが、中でも有機溶媒中で反応を行うのが特に望ましい。使用できる有機溶媒として、例えば、フェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノ−ル、2,4−キシレノ−ル、2,5−キシレノ−ル、2,6−キシレノ−ル、3,4−キシレノ−ル、3,5−キシレノ−ル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、アニソール等が挙げられる。これらの有機溶媒は単独でもまたは2種以上混合して用いても差し支えない。
【0045】
更に、以下に示す溶媒を共存させても何ら問題ない。共存できる有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、o−クロルトルエン、m−クロルトルエン、p−クロルトルエン、o−ブロモトルエン、m−ブロモトルエン、p−ブロモトルエン、クロルベンゼン、ブロムベンゼン等が挙げられる。
【0046】
また、本発明に係るポリイミドの製造において、有機溶媒中にジアミン、テトラカルボン酸二無水物及び架橋基含有ジカルボン酸無水物を添加、反応させる方法としては、
(イ) ジアミンとテトラカルボン酸二無水物成分を反応させた後、架橋基含有ジカルボン酸無水物を添加して反応を続ける方法、
(ロ) ジアミンと架橋基含有ジカルボン酸無水物を加えて反応させた後、テトラカルボン酸二無水物成分を添加し、更に反応を続ける方法、
(ハ) ジアミン、テトラカルボン酸二無水物及び架橋基含有ジカルボン酸無水物を同時に添加し反応させる方法等が挙げられるが、いずれの添加方法をとっても差し支えない。
【0047】
架橋基含有ポリイミドまたは架橋基含有ポリイミド前駆体を製造する際に、まず、架橋基含有ポリイミド前駆体を100℃以下の低温、具体的には、−20〜70℃、好ましくは0〜60℃で合成し、ついで150〜300℃に温度を上げてイミド化することにより架橋基含有ポリイミドを得ることができる(熱イミド化)。また、イミド化は無水酢酸などのイミド化剤を用いて化学的にイミド化を行う方法(化学イミド化)、あるいはジアミン、テトラカルボン酸二無水物及び架橋基含有ジカルボン酸無水物を混合した後、有機塩基及び/または共沸脱水用溶媒の存在下または不存在下、すぐに昇温することでイミド化することもできる(直接熱イミド化)。
【0048】
反応時間は使用するモノマーの種類、溶剤の種類、有機塩基触媒の種類、共沸脱水用溶媒の種類、量及び反応温度により異なるが、目安としては、1〜48時間であり、通常数時間から十数時間である。また直接熱イミド化を行なう際は目安として、留出する水がほぼ理論量に達する(通常は全てが回収されるわけではないので、70〜90%の回収率である。)まで反応することであり、通常数時間から十数時間程度である。この場合、イミド化によって生じる水を、トルエン等の共沸剤で除去する方法が一般的で有効である。
【0049】
反応圧力は、特に制限されるものではないが、通常、大気圧で十分である。
反応雰囲気は、特に制限されるものではないが、通常、空気、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンであり、好ましくは不活性気体である窒素やアルゴンである。
【0050】
また、有機溶媒中で重合反応を行って架橋基含有ポリイミドを製造するに際して、有機塩基触媒が好ましく用いられる。有機塩基触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、キノリン、イソキノリン等が挙げられるが、好ましくはピリジン、γ−ピコリンである。
これら触媒の使用量は、重合反応速度が実質的に向上すれば、特に制限はない。
【0051】
有機塩基の使用量は、数式(F)[数12]の数値範囲である。
[数12]
M1:M4=1:0.001〜1:0.500 (F)
〔数式(F)において、M1は前記と同様であり、M4は有機塩基触媒のモル数である。〕
本発明において、架橋基含有ポリイミド前駆体の対数粘度は、数式(A)[数13]の数値範囲である。
[数13]
〔η〕=0.2〜2.0dl/g (A)
〔数式(A)において、〔η〕は、架橋基含有ポリイミド前駆体をN−メチル−2−ピロリドンに0.5g/dlの濃度で溶解した後、35℃において測定した対数粘度。〕
また、架橋基含有ポリイミドの対数粘度は、数式(B)[数14]の数値範囲である。
[数14]
〔η〕=0.2〜2.0dl/g (B)
〔数式(B)において、〔η〕は、架橋基含有ポリイミドをフェノール/p−クロロフェノール混合溶液(10/90〔wt/wt〕)に0.5g/dlの濃度で溶解した後、35℃において測定した対数粘度〕。
【0052】
本発明の耐熱性接着剤を用いて接着を行なう方法としては、
a) 架橋基含有ポリイミド前駆体溶液、架橋基含有ポリイミド溶液またはそれらの懸濁液を被着体の上に流延または塗布した後、加熱乾燥する。更に、もう一方の被着体とポリイミド面を合わせて加熱、加圧することにより接着を行なう。
【0053】
b) 耐熱性を有するシートの片面または両面に、架橋基含有ポリイミド前駆体溶液、架橋基含有ポリイミド溶液またはそれらの懸濁液を被着体の上に流延または塗布した後、加熱乾燥する。この接着層を有するシートと被着体を合わせて加熱、加圧することにより接着を行なう。
【0054】
c) 架橋基含有ポリイミド前駆体溶液をガラス板等に塗布した後乾燥して架橋基含有ポリイミドフィルムを作製する。このポリイミドフィルムをガラス板等から剥した後、被着体と合わせて加熱、加圧することにより接着を行なう。
【0055】
d) 架橋基含有ポリイミドを混練押し出しすることにより、押し出しフィルムを作製する。このフィルムを被着体と合わせて加熱、加圧することにより接着を行なう。
等の方法があるが、接着は前述の方法に制限されるものではない。
【0056】
本発明に係る架橋型ポリイミドは、架橋可能な架橋基含有ポリイミドを熱処理して得られる。本発明における「熱処理」とは、化学反応上、分子末端に導入される架橋基含有ジカルボン酸無水物にある炭素−炭素三重結合が熱的に反応し、分子鎖間に架橋を生成させることを意味する。熱処理の温度、時間、圧力、方法には特に制限はないが、代表例として以下に示す。
【0057】
熱処理温度は、通常、250〜450℃前後が適用でき、好ましくは、300〜400℃前後、実施面で最も好ましく実用的なのが、330〜380℃前後である。通常、250℃より低い温度では架橋反応は起こりにくく、450℃を超える温度では架橋型ポリイミドに変性が起こり易く、その特性が十分に得られにくい。
【0058】
熱処理時間は、他の熱処理条件により異なるが、通常、0.1秒〜100時間が好ましく、好ましくは1秒〜30時間前後であり、最も好ましくは10秒〜10時間前後である。熱処理時間が0.1秒時間より短いと架橋反応が十分でなく、また、通常、100時間を超えると架橋型ポリイミドに変性が起こり易く、その特性が十分に得られにくい。
【0059】
熱処理圧力は、通常、大気圧で十分であるが、加圧下でも行なうことができる。 熱処理雰囲気は、特に制限されるものではないが、通常、空気、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンであり、好ましくは不活性気体である窒素やアルゴンである。
【0060】
また、熱処理で進行する架橋反応を促進させたり、抑制させることにより、その反応速度を制御する目的で、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム及び鉛を含有する金属触媒、モリブデン、マンガン、ニッケル、カドミウム、コバルト、クロム、鉄、銅、錫及び白金等を含む遷移金属触媒、及びリン化合物、珪素化合物、窒素化合物及び硫黄化合物を添加することも可能である。また、同様の目的で赤外線、紫外線やα、β及びγ線等の放射線、電子線及びX線の照射、更には、プラズマ処理やドーピング処理を施すこともできる。
【0061】
熱処理方法は、架橋基含有ポリイミドの形態によって制限されない。すなわち、熱処理方法の具体例として、例えば以下の▲1▼〜▲4▼に示す方法により、フィルム、粉末や顆粒で得られた架橋基含有ポリイミドを熱処理する方法が挙げられる。
【0062】
▲1▼ そのまま熱処理する方法。この方法は、架橋型ポリイミドが粉末や顆粒状で得られるため、それをそのまま充填剤として他の樹脂に添加したり、焼結成形で成形品に応用が可能である。
【0063】
▲2▼ 一度溶融成形加工を施し、所望の賦形がなされた成形物を得た後、その成形品を熱処理する方法。この方法は、一般的な溶融成形加工全般に応用が可能である。
【0064】
▲3▼ 溶融成形加工を施すと同時に熱処理する方法。この方法は、特にプレスによるフィルムやシートの成形、接着剤としての利用に応用が可能である。
【0065】
▲4▼ そのまま熱処理を途中まで行い、その後一度、溶融成形加工を施し、所望の賦形がなされた成形品を得た後、再度、その成形品を熱処理する方法。この方法は、一般的な溶融成形加工全般や、特にプレスによるフィルムやシートの成形、接着剤としての利用に応用が可能である。
【0066】
本発明に係るポリイミドから得られる溶液または懸濁液は、本発明の架橋基含有ポリイミドの加工の前処理工程において重要である。溶液または懸濁液は、本発明の架橋基含有ポリイミドと化学的な反応を起こさない溶媒を用いて調整することができる。使用することができる溶媒としては前記に示した溶媒が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種以上混合して用いることができる。混合して用いる場合は、必ずしも任意の割合で相互に溶解するような溶媒の組み合わせを選択する必要はなく、相互に均一に混合し得ない不均一な状態でもかまわない。また、本発明に係るポリイミドを含有する溶液または懸濁液の濃度は制限ない。
【0067】
それらの濃度は、用いた全溶媒と本発明に係るポリイミドとを合わせた総重量に対する、用いた本発明に係るポリイミドの全重量の割合を百分率で示した値と定義する。濃度は、1〜60%の範囲で適用でき、好ましくは5〜40%、更に好ましくは10〜30%の範囲である。本発明のポリイミドを含有する溶液または懸濁液の調整方法は制限がなく、公知の方法が全て適用できる。
【0068】
本発明の耐熱性接着剤のうち、架橋基含有ポリイミドは溶融成形加工が可能である。溶融成形加工とは、架橋基含有ポリイミドを加熱して溶融状態とし、その状態で様々な賦形を行なう加工であり、溶融状態を利用する成形は全て含まれる。適用可能な成形方法は、押し出し成形、射出成形、圧縮成形、焼結成形、ブロー成形、真空成形、回転成形、粉末成形、反応射出成形、積層成形及び注形成形である。
【0069】
本発明の耐熱性接着剤は、本発明の目的を損なわない範囲で熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、PTFE、セルロイド、ポリアリレート、ポリエーテルニトリル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、変性ポリフェニレンオキシド及びポリイミド、または熱硬化性樹脂、例えば熱硬化性ポリブタジエン、ホルムアルデヒド樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン、シリコン樹脂、SBR、NBR、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリシアネート、フェノール樹脂及びポリビスマレイミド等と目的に応じて1種もしくは2種以上の樹脂を適当量をブレンド化またはアロイ化することも可能である。それらの方法は特に限定されず公知の方法が適用できる。
【0070】
本発明の耐熱性接着剤は、本発明の目的を損なわない範囲で各種充填剤もしくは添加剤と混合してもよい。それらの例を挙げると、グラファイト、カーボランダム、ケイ石粉、二硫化モリブデン、フッ素系樹脂などの耐摩耗性向上剤、三酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の難燃性向上剤、クレー、マイカ等の電気的特性向上剤、アスベスト、シリカ、グラファイト等の耐トラッキング向上剤、硫酸バリウム、シリカ、メタケイ酸カルシウム等の耐酸性向上剤、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉等の熱伝導度向上剤、その他ガラスビーズ、ガラス球、タルク、ケイ藻土、アルミナ、シラスバルン、水和アルミナ、金属酸化物、着色料及び顔料である。混合方法は特に限定されず公知の方法が適用できる。
【0071】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により詳細に説明するが、本発明はこれにより、何ら制限されるものではない。
なお、例中で各種物性の測定は次の方法によった。
【0072】
▲1▼ 対数粘度:ポリイミド前駆体はN−メチル−2ピロリドンに、0.50g/100mlの濃度で溶解した後35℃にて測定した値。
【0073】
▲2▼ 接着強度:IPC−TM650method2,4,9に従い、90゜剥離試験により測定した値。
【0074】
▲3▼ 半田耐熱試験:135±10℃で60分乾燥後、288±5℃の半田浴に10秒間浸漬した際の状態を目視で判定。
【0075】
実施例−1
[ポリアミド酸溶液の重合]
かきまぜき、窒素導入管を備えた容器に、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン58.472g(0.200モル)およびN−メチル−2−ピロリドン269.62gを装入し、窒素雰囲気下において30分撹拌した。その後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物57.0787g(0.194モル)を溶液温度に注意しながら分割して加え、室温で6時間撹拌した。次に、マレイン酸無水物1.1375g(0.0116モル)を添加し更に10時間撹拌した。かくして得られたポリアミド酸溶液の対数粘度は0.50dl/gであった。
【0076】
[ポリイミド接着フィルムの作製]
前記ポリアミド酸溶液の一部を取り、ベースフィルムとしてDuPont社製非熱可塑性ポリイミドフィルムKapton−ENZT上にキャストした後、100℃、200℃、250℃で各々1時間加熱してポリイミド接着フィルムを作製した。
【0077】
[架橋型ポリイミド積層体の作製]
前記ポリイミド接着フィルム(4μm)を、ジャパンエナジー社製圧延銅箔BHY−02B−T(18μm)と荷重75kg/cm2、温度280℃、1時間の条件で加熱圧着し、接着シート層/銅箔層からなる架橋基含有ポリイミド積層体を形成後、更にオートクレーブ中で360℃、4時間熱処理を行い架橋型ポリイミド積層体を得た。
【0078】
[接着試験]
得られた架橋型ポリイミド積層体を用い、IPC−TM650method2,4,9に従い、90゜剥離試験を行った結果、2.49kg/cmであった。
【0079】
[保存安定性試験]
前記ポリアミド酸溶液を窒素パージ後、23℃で6ヶ月間保存後の対数粘度は0.50dl/gであり、対数粘度の保持率は100%であった。また、保存前と同様に架橋型ポリイミド積層体を形成後、接着試験を行ったところ、接着強度は2.48kg/cmであった。
【0080】
[半田耐熱性試験]
架橋型ポリイミド積層体を135℃で60分間乾燥後、288℃の半田浴に銅箔面を下向きにして10秒間浸積させる半田耐熱試験を行った結果、膨れは全く見られず良好であった。
【0081】
実施例−2〜10
テトラカルボン酸二無水物、末端封止剤の種類及び量を表1に示したものに変更した以外は実施例−1と同様にポリアミド酸の合成、各試験を行った結果を実施例−1と併せて表3に示す。
【0082】
比較例−1〜5
テトラカルボン酸二無水物、末端封止剤の種類及び量を表2に示したものに変更した以外は実施例−1と同様にポリアミド酸の合成、各試験を行った結果を実施例−1と併せて表4に示す。
【0083】
表1,3に示したようにジアミン、テトラカルボン酸二無水物、末端封止剤の割合及び/または対数粘度を本発明の範囲内とした場合、ポリアミド酸前駆体の保存安定性は良好であり、また、接着強度、半田耐熱性は良好であることがわかる。
【0084】
これに対して、表2,4に示したようにジアミン、テトラカルボン酸二無水物、末端封止剤の割合及び/または対数粘度を本発明の範囲外とした場合、ポリアミド酸前駆体の保存安定性は悪く、また、接着強度、半田耐熱性は共に悪いことがわかる。
【0085】
【発明の効果】
本発明により、架橋基含有ポリイミドの前駆体である保存安定性に優れた架橋基含有ポリアミド酸を提供することができる。
【0086】
本発明により、耐熱性のみならず、半田耐熱性に優れた架橋基含有ポリイミドを熱処理して得られる架橋型ポリイミドを提供することができる。
【0087】
本発明により、耐熱性のみならず、半田耐熱性に優れた架橋基含有ポリイミドを熱処理して得られる架橋型ポリイミドを含んでなる耐熱性接着剤を提供することができる。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
Claims (11)
- 式(3)で表されるジアミン、一般式(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物、及び、一般式(5)で表される架橋基含有ジカルボン酸無水物を重縮合反応して得られる、請求項1又は2に記載した架橋基含有ポリイミド前駆体。
一般式(5)中、Ar2は、式(III)からなる群から選択された2価の基を示す。)
式(III)中、Yは、式(IV)からなる群から選択された3価の基を示す。
式(IV)中、Zは、直結、−CO−、−SO2−、−S−、−O−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−からなる群から選択された2価の基を示す。) - 数式(A)で表される対数粘度を有する、請求項1乃至3の何れかに記載した架橋基含有ポリイミド前駆体。
〔η〕=0.2〜2.0dl/g (A)
(数式(A)において、〔η〕は、架橋基含有ポリイミド前駆体を、N−メチル−2−ピロリドンに、0.5g/dlの濃度で溶解した後、35℃において測定した対数粘度である。) - 数式(B)で計算される対数粘度保持率Rηが、数式(C)で表される数値範囲である、請求項1乃至4の何れかに記載した架橋基含有ポリイミド前駆体。
Rη[%]=η’[dl/g]÷η[dl/g]×100 (B)
90[%]≦Rη[%]≦100[%] (C)
(数式(B)において、Rηは、保存後対数粘度保持率、すなわち、23℃で6ヶ月保存した後の対数粘度の保持率である。η[dl/g]は保存前の対数粘度であり、η’[dl/g]は、23℃で6ヶ月保存した後の対数粘度である。) - 数式(D)で表される対数粘度を有する、請求項6又は7に記載した架橋基含有ポリイミド。
〔η〕=0.2〜2.0dl/g (D)
(数式(D)において、〔η〕は、架橋基含有ポリイミドを、フェノール/p−クロロフェノール混合溶液(10重量部/90重量部)に0.5g/dlの濃度で溶解した後、35℃において測定した対数粘度) - 請求項6乃至8の何れかに記載した架橋基含有ポリイミドを熱処理して得られる架橋型ポリイミドであって、
前記架橋型ポリイミドをフィルム(厚み4μm)として、前記フィルムを銅箔(厚み18μm)に接着した積層体としたときに、前記積層体が288℃±5℃の半田浴に10秒間浸漬後に接着面において剥離及び/又は膨れが発生しない、架橋型ポリイミド。 - 熱処理が、250〜450℃において、0.1秒〜100時間で加熱処理するものである、請求項9に記載した架橋型ポリイミド。
- 請求項6乃至10の何れかに記載したポリイミドを含んでなる耐熱性接着剤。
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