JP4417740B2 - 電子レンジ調理用油脂 - Google Patents

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Description

本発明は、ジアシルグリセロール含量の高い電子レンジ調理用油脂、及び該油脂を含有する電子レンジ調理用食品に関する。
世の中の簡便化指向を背景に、電子レンジ調理器の普及、保存加工技術の発達により、電子レンジ調理用食品が上市され、その使用量が急激な勢いで伸長している。しかし、電子レンジ調理(マイクロ波照射)を行うと、得られた食品に加熱むらが生じて、特に風味・食感の点で、満足できるものが得られていなかった。
上記課題を改善する為に、特定の糖類を含有する不凍液を使用する方法(特許文献1参照)や、起泡性を有する粉末油脂(特許文献2参照)、水酸基価とケン化価が特定範囲の油脂を用いる技術(特許文献3参照)等が開示されているが、効果が十分でない、甘味や起泡性の点で用途が限定されてしまう、電子レンジ調理時に発煙して安全性に乏しい等の問題がある。このほか、電子レンジ加熱した冷凍パンに嵩復元性を付与するために、ポリオール脂肪酸の部分エステル化物を用いる技術が開示されている(特許文献4参照)。
また、電子レンジ調理専用の特殊な容器・包装を用いた解決策が提案されている。例えば、マイクロ波吸収発熱体を用いる方法(特許文献5参照)や、内部圧力を高めた容器(特許文献6参照)が開示されている。
一方、ジアシルグリセロールには、体脂肪の蓄積を低下させ肥満を防ぐ効果や、植物ステロール類との組合せで血中コレステロールが低下することが見出されている(特許文献7〜9参照)。更に、ジアシルグリセロールを調理油用途に使用すると、調理機能、風味・食感等の点で利点のあることが知られている(特許文献10〜12参照)。
特開平11−299463号公報 特開平7−298839号公報 特開2000−217513号公報 特開平9−172941号公報 特開平7−95854号公報 特開2002−248051号公報 特開平4−300826号公報 特開平10−176181号公報 国際公開第99/48378号パンフレット 特開平2−291228号公報 特開平7−16051号公報 特開平11−243857号公報
本発明の目的は、電子レンジ調理時に発煙等の心配がなく安全で、加熱むらが少なく、電子レンジ調理された食品の風味・食感が良好な、ジアシルグリセロール含量の高い電子レンジ調理用油脂及び、該油脂を含有する食品を提供することにある。
電子レンジ調理時の風味・食感の劣化原因については、以下のように考えられている。すなわち、マイクロ波により、水分が局在化している部分から先に加熱されることで加熱むらが生じ、風味・食感の劣化につながっているものと考えられている。
一方、ジアシルグリセロールは、優れた健康機能があることから、食用油だけでなく、簡便な電子レンジ調理食品で使用したいという要望がある。そこで、ジアシルグリセロールを電子レンジ調理に用いたところ、著しく加熱されやすいという特異な性質を有していることを見出した。更に、ジアシルグリセロール含有電子レンジ調理食品の風味・食感が良好であることを見出し、本発明に至った。ジアシルグリセロールのこのような顕著な電子レンジ特性は、従来の油脂(トリアシルグリセロール)よりジアシルグリセロールの方が、アシル基が1分子中1つ少なく極性が高いこと、しかも、水分を吸収して保持しやすいという特徴を有していることによると考えられる。
すなわち、本発明は、モノアシルグリセロールを0.1〜5重量%、トリアシルグリセロールを4.9〜84.9重量%、及び構成脂肪酸中の不飽和脂肪酸含量が80〜100重量%かつトランス酸含量が5重量%以下であるジアシルグリセロールを15〜95重量%含有する電子レンジ調理用油脂、並びに当該油脂を含有する電子レンジ調理用食品を提供するものである。
本発明によれば、ジアシルグリセロール含量の高い油脂を電子レンジ調理に用いることにより、電子レンジ調理時に発煙等の心配がなく安全で、迅速に加熱されて加熱むらが少なく、電子レンジ調理食品の風味・食感を著しく向上させることができる。
本発明の電子レンジ調理用油脂(A)は、ジアシルグリセロール(DG)を15〜95重量%(以下、単に%で示す)含有するが、35〜95%含有するのが好ましく、更に60〜93%、特に70〜93%、殊更80〜90%含有するのが電子レンジ調理時の加熱特性・発煙、生理効果、工業的生産性の点で好ましい。
ジアシルグリセロールは、その構成脂肪酸の80〜100%が不飽和脂肪酸であるが、好ましくは90〜100%、更に93〜100%、特に93〜98%、最も好ましくは94〜98%が不飽和脂肪酸であるのが、電子レンジ調理時の加熱特性・発煙、外観、生理効果の点でよい。ここで、この不飽和脂肪酸の炭素数は14〜24、更に16〜22であるのが好ましい。
特に、ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、オレイン酸の含有量は20〜65%、好ましくは25〜60%、特に30〜50%、殊更30〜45%であるのが外観、脂肪酸の摂取バランスの点で望ましい。更に生理効果の点から、ジアシルグリセロール中のジオレイルグリセロールの含有量は、45%未満、特に0〜40%が好ましい。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうちリノール酸の含有量は15〜65%、好ましくは20〜60%、特に30〜55%、殊更35〜50%であるのが外観、脂肪酸の摂取バランスの点で望ましい。更に、酸化安定性、生理効果の点から、ジアシルグリセロール中のリノール酸/オレイン酸の含有重量比が0.01〜2.0、好ましくは0.1〜1.8、特に0.3〜1.7であることが望ましい。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうちリノレン酸の含有量は15%未満、好ましくは0〜13%、更に1〜10%、特に2〜9%であるのが外観、脂肪酸の摂取バランス、酸化安定性の点で望ましい。リノレン酸には、異性体としてα−リノレン酸とγ−リノレン酸が知られているが、α−リノレン酸が好ましい。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、飽和脂肪酸の含有量は20%以下未満であるが、0〜10%、更に0〜7%、特に2〜7%、殊更2〜6%であるのが、外観、生理効果、工業的生産性の点でよい。飽和脂肪酸としては、炭素数14〜24、特に16〜22のものが好ましく、パルミチン酸、ステアリン酸が最も好ましい。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、トランス型不飽和脂肪酸の含有量は、0〜5%、好ましくは0.1〜4%であるのが風味、生理効果、外観、工業的生産性の点で好ましい。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸中、炭素数12以下の脂肪酸の含有量は、風味、電子レンジ調理時の発煙の点で5%以下であるのが好ましく、更に0〜2%、特に0〜1%、実質的に含まないのが最も好ましい。残余の構成脂肪酸は炭素数14〜24、特に16〜22であるのが好ましい。
また、生理効果、保存性、工業的生産性及び風味の点から、ジアシルグリセロール中の1,3−ジアシルグリセロールの割合が50%以上、より好ましくは52〜100%、更に54〜90%、特に56〜80%であるジアシルグリセロールを用いるのが好ましい。
本発明の油脂(A)は、トリアシルグリセロール(TG)を4.9〜84.9%含有するが、4.9〜64.9%含有するのが好ましく、更に6.9〜39.9%、特に6.9〜29.9%、殊更9.8〜19.8%含有するのが生理効果、工業的生産性、外観の点で望ましい。
トリアシルグリセロールの構成脂肪酸はジグリセリドと同じ構成脂肪酸であることが、生理効果、工業的生産性の点で好ましい。
本発明の油脂(A)は、モノアシルグリセロール(MG)を0.1〜5%含有するが、電子レンジ調理時の風味、外観、発煙、工業的生産性等の点から0.1〜2%含有するのが好ましく、更に0.1〜1.5%、特に0.1〜1.3%、殊更0.2〜1%含有するのが好ましい。電子レンジ調理により加熱されやすいという点でモノアシルグリセロールは0.1%以上必要であるが、電子レンジ調理中の発煙等安全性の点から5%以下である。モノアシルグリセロールの構成脂肪酸はジグリセリドと同じ構成脂肪酸であることが、工業的生産性の点で好ましい。
また、本発明の油脂(A)において、遊離脂肪酸又はその塩(FFA)は、3.5%以下に低減されるのがよく、好ましくは0〜2%、更に0〜1%、特に0〜0.5%、最も好ましくは0.05〜0.2%とするのが風味、電子レンジ調理時の発煙、工業的生産性の点で好ましい。
本発明の油脂(A)を構成する全脂肪酸中、炭素−炭素二重結合を4つ以上有する脂肪酸の含有量は、酸化安定性、作業性、生理効果、着色等の点で0〜40%、好ましくは0〜20%、更に0〜10%、特に0〜1%であるのがよく、実質的に含まないのが最も好ましい。
本発明の油脂(A)の起源は、植物性油脂、動物性油脂のいずれでもよい。具体的な原料としては、菜種油、ひまわり油、とうもろこし油、大豆油、米油、紅花油、綿実油、牛脂等を挙げることができる。またこれらの油脂を分別、混合したもの、水素添加や、エステル交換反応などにより脂肪酸組成を調整したものも原料として利用できるが、水素添加していないものであることが、油脂(A)を構成する全脂肪酸中のトランス酸含量を低減させる点から好ましい。
本発明の油脂(A)は、上述した油脂由来の脂肪酸とグリセリンとのエステル化反応、油脂とグリセリンとのエステル交換反応等により得ることができる。これらの反応はアルカリ触媒等を用いた化学反応でも行うことができるが、1,3−位選択的リパーゼ等を用いて酵素的に温和な条件で反応を行うのが風味等の点で優れており好ましい。反応により生成した過剰のモノアシルグリセロールは分子蒸留法又はクロマトグラフィー法により除去することができる。
本発明の電子レンジ調理用油脂(A)には、更に成分(B)の水を含有するのが好ましい。水(B)の含有量は、油脂(A)100重量部に対して、0.02〜0.89重量部、好ましくは0.04〜0.8重量部、更に0.06〜0.6重量部、特に0.1〜0.5重量部、殊更0.2〜0.4重量部含有するのが、電子レンジ調理時の加熱特性、外観、風味の点で好ましい。
本発明において、油脂中の水の含有量は、カールフィッシャー法(「基準油脂分析試験法(日本油化学協会編)」中の「水分」2.1.3.4−1996)により測定した値のことである。
本発明の電子レンジ調理用油脂(A)には、更に成分(C)の植物ステロール類を含有するのが好ましい。植物ステロール類はコレステロール低下効果を有する成分であり、本発明において、植物ステロール類の含有量は、油脂(A)100重量部に対して、0.05〜30重量部、特に0.3〜1.2重量部が好ましい。通常の植物油以上のコレステロール低下を目的とする場合には、油脂(A)100重量部に対して植物ステロール類を1.2〜30重量部、好ましくは2〜4.7重量部の範囲で添加してもよい。
ここで植物ステロール類としては、例えばα−シトステロール、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、α−シトスタノール、β−シトスタノール、スチグマスタノール、カンペスタノール、シクロアルテノール等のフリー体、及びこれらの脂肪酸エステル、フェルラ酸エステル、桂皮酸エステル等のエステル体が挙げられる。
本発明の電子レンジ調理用油脂においては、更に結晶抑制剤を添加することが好ましい。本発明で使用する結晶抑制剤としては、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等のポリオール脂肪酸エステルが挙げられる。
またポリオール脂肪酸エステルは、HLB(Griffinの計算式、J. Soc. Cosmet. Chem., 1, 311(1949))が4以下、特に0.1〜3のポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルが好ましい。
本発明において、結晶抑制剤は、油脂(A)100重量部に対して0.02〜0.5重量部、特に0.05〜0.2重量部含有するのが、外観の点で好ましい。
本発明の電子レンジ調理用油脂には、抗酸化剤を含有することが好ましい。抗酸化剤の含有量は、風味、酸化安定性、着色等の点で油脂(A)100重量部に対して、0.005〜0.5重量部であるのが好ましく、更に0.04〜0.25重量部、特に0.08〜0.2重量部であるのが好ましい。抗酸化剤としては、通常、食品に使用されるものであれば何れでもよい。例えば、ビタミンE、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ターシャルブチルヒドロキノン(TBHQ)、ビタミンC又はその誘導体、リン脂質、ローズマリー抽出物等の天然抗酸化剤が挙げられるが、ビタミンE、ビタミンC又はその誘導体が好ましく、これらを併用するのが更に好ましい。
ビタミンEとしては、α、β、γ、δ−トコフェロール又はこれらの混合物を使用することができる。特に、酸化安定性の観点から、δ−トコフェロールが好ましい。ビタミンEの市販品としては、イーミックスD、イーミックス80(エーザイ(株)製)、MDE−6000((株)八代製)、Eオイル−400(理研ビタミン(株)製)等が挙げられる。本発明において、ビタミンEの含有量は、油脂(A)100重量部に対して、トコフェロールとして0.01〜0.4重量部が好ましく、0.02〜0.3重量部がより好ましく、0.05〜0.2重量部が特に好ましい。
ビタミンC又はその誘導体としては、油脂(A)に溶解するものが好ましく、高級脂肪酸エステル、例えばアシル基の炭素数が12〜22のものがより好ましく、L−アスコルビン酸パルミテート、L−アスコルビン酸ステアレートが特に好ましく、L−アスコルビン酸パルミテートが最も好ましい。
本発明において、ビタミンC又はその誘導体の含有量は、油脂(A)100重量部に対して、アスコルビン酸として0.004〜0.1重量部が好ましく、0.006〜0.08重量部がより好ましく、0.008〜0.06重量部が特に好ましい。
また、本発明の電子レンジ調理用油脂が水と混合され、又は水を含む食品に使用された場合であって、長期保存又は明所保存される場合には、抗酸化剤としてL−アスコルビン酸脂肪酸エステルを実質的に含ませず、ビタミンE、好ましくはδ−トコフェロールを使用することが、風味劣化、異味発生を防止する点から好ましい。
本発明の電子レンジ調理用油脂においては、更に炭素数2〜8の有機カルボン酸を添加することが好ましい。炭素数2〜8の有機カルボン酸の含有量は、油脂(A)100重量部に対して、0.001〜0.01重量部であるのが好ましく、更に0.0012〜0.007、特に0.0015〜0.0045重量部、殊更0.0025〜0.0034重量部であるのが風味、外観、酸化安定性の点で好ましい。
本発明の電子レンジ調理用油脂は、前記組成の油脂に、水、植物ステロール類、更に抗酸化剤、結晶抑制剤等を添加し、撹拌することにより得ることができる。
かくして得られた電子レンジ調理用油脂は、加熱性、発煙などの電子レンジ調理性、風味、食感等の点で良好であるため、電子レンジ調理用食感改良剤、電子レンジ調理用熱伝導改良剤として利用できる他、各種電子レンジ調理食品に応用することができる。
本発明の油脂を、他の食品素材と共に原料として使用することにより、電子レンジ調理用食品を製造することができる。本発明の油脂を乳化物(水中油型乳化物や油中水型乳化物)の形態で配合して、電子レンジ調理用食品を製造してもよい。特に、本発明の油脂を、電子レンジ調理用食品の表面又は、表面と内部に存在させるのが、加熱むらを抑制するうえで好ましい。
電子レンジ調理用食品としては、例えばレトルト食品、チルド食品、冷凍食品、無菌包装食品、常温流通食品等が挙げられる。具体的な製品としては、一食分のメニューを包装した食品、弁当、惣菜の他、パン、ケーキ、ビスケット、パイ、ピザ、ドーナツ等のベーカリー食品類、スープ、ソース、飲料等の乳化食品、トルティーヤチップス、ポテトチップス、ファブリケートポテト、ポップコーン等のスナック食品、チョコレート、キャラメル、キャンデー、デザート等の菓子、ハム、ソーセージ、ハンバーグ、フライドチキン等の肉加工食品等が挙げられる。
本発明の油脂の電子レンジ調理用食品への配合量は、食品の種類によっても異なるが、一般に0.5〜80%、更に1〜50%、特に5〜20%であるのが好ましい。なお、製剤調製の関係から、食品原料由来の油脂が含まれている場合は、食品原料由来の油脂と本発明の食用油脂との重量比は、95:5〜1:99が好ましく、95:5〜5:95がより好ましく、更に85:15〜5:95が、特に40:60〜5:95であるのが好ましい。
電子レンジ調理用食品の応用例を挙げる。
セット食メニュー:朝食、昼食、夕食、夜食、軽食、間食等に利用できる。各メニューには本発明の油脂が含まれており、電子レンジ調理により、手軽においしく喫食できる。
朝食セット1:下記(1)〜(4)よりなる冷凍食品を、電子レンジ調理することにより喫食する。
(1)本発明の油脂を含むパンケーキ、
(2)本発明の油脂を含むスクランブルエッグ、
(3)本発明の油脂を含むソーセージ、
(4)本発明の油脂を含むベーコン
朝食セット2:下記(1)に、(2)と(3)をはさんだ冷凍サンドイッチを、電子レンジ調理して喫食する。
(1)本発明の油脂を含むクロワッサン
(2)本発明の油脂を含むソーセージ
(3)本発明の油脂を含むチーズ
パスタセット:下記(1)と(2)を電子レンジ調理して、パスタを茹でることなく喫食する。
(1)茹でたパスタに、本発明の油脂をからめて無菌充填したもの(常温又はチルド流通)
(2)本発明の油脂入りのトマトソースをレトルトパウチ殺菌したもの(常温又はチルド流通)
牛丼セット:下記(1)と(2)を電子レンジ調理して喫食する。
(1)無菌充填したごはん(本発明の油脂を炊飯油として使用するのが好ましい、常温流通)
(2)本発明の油脂を含有する牛丼の具をレトルトパウチ殺菌したもの(常温流通)
実施例1
次の油脂を製造した。
油脂a
大豆油脂肪酸をウインタリングにより飽和脂肪酸を低減させたもの455重量部と菜種油脂肪酸195重量部とグリセリン107重量部とを、リポザイムIM(ノボ ノルディスクバイオインダストリー社製)を使用して0.07hPaで40℃、5時間エステル化を行った。次いで酵素を濾別し、235℃で分子蒸留し、更に脱色、水洗した。次いでこの油脂150重量部に10%クエン酸水溶液7.5重量部を加え、60℃で20分間攪拌した後、110℃、0.27kPaで脱水した。これを235℃で2時間脱臭して、油脂aを調製した。
油脂b
菜種油脂肪酸650重量部とグリセリン107重量部とを、油脂Aと同様にエステル化、後処理を行い、油脂bを調製した。
油脂c
大豆油脂肪酸650重量部とグリセリン107重量部とを、油脂Aと同様にエステル化、後処理を行い、油脂cを調製した。
油脂a、油脂b、油脂cの構成脂肪酸組成・グリセリド組成を表1に示す。
Figure 0004417740
本発明品1〜3及び、比較品1、2
油脂a、油脂b、油脂cを各100重量部に対し、クエン酸、植物ステロール類、抗酸化剤、結晶抑制剤を加えて本発明品1〜3とした。これら油脂の配合組成を表2に示す。尚、サラダ油(日清オイリオ製、TG含量98%)を比較品1に、モノグリセリド(花王製、エキセルO−95R、MG含量96%)を比較品2にした。
Figure 0004417740
実施例2 マイクロ波照射試験(550W)
本発明品1、比較品1、比較品2を、ガラス製サンプル瓶(50mL)に20gずつ入れた(初期温度20℃)。これに蓋をしないで電子レンジ(NE−N200型、松下電器製)のターンテーブル中央に置き、550Wで3分間マイクロ波照射を行った。照射後すばやくサンプルの温度を測定し、外観を目視で評価した。結果を表3に示す。
Figure 0004417740
本発明品1は、マイクロ波照射時の温度上昇に優れ、発煙・着色がなく極めて良好であった。これに対し、比較品1は、外観は良好であったが、マイクロ波照射時の温度は低かった。比較品2は、マイクロ波照射時の温度は高かったが、黄色に着色し、しかも発煙が観察され、安全性の点で十分ではなかった。
実施例3 マイクロ波照射試験(170W)
100mLの三角フラスコに50gの油脂(本発明品1、比較品1)と蒸留水30mLとを入れ、50℃の恒温槽にて攪拌した後、室温に放冷した。これらを水分量の少ない油脂で希釈し、各サンプルを調製した。水分量は、カールフィッシャー法により測定した。尚、本発明品1の飽和水分量は8900ppm、比較品1の飽和水分量は、1028ppmであった。
これらのサンプルをガラス製サンプル瓶(50mL)に20g入れた(初期温度20℃)。次いで、これを電子レンジ(NE−N200型、松下電器製)のターンテーブル中央部に置き、マイクロ波照射(170W)した後、すばやくサンプルの温度を測定した。結果を表4に示す。
Figure 0004417740
本発明品1の水分量は、比較品に比べて多く、しかもマイクロ波照射時に温度上昇しやすいという特性を有していることが明らかとなった。
次に、冷凍・解凍を想定し、本発明品1の各水分量のサンプルをガラス製サンプル瓶(50mL)に20g入れて、密栓した。これを−18℃の冷凍庫にて1日静置した後、開栓し、マイクロ波照射(170W)して解凍を行った。マイクロ波照射中に目視でサンプルの外観を観察し、解凍終了(透明化)までに要した時間を測定した。結果を表5に示す。
Figure 0004417740
本発明品1の水分量が高くなる程、解凍に要するマイクロ波照射時間が少なくて済むことが明らかとなった。
実施例4 電子レンジ調理食品(ハンバーグ)
下記配合の原料をフードプロセッサーに入れ、よく混合した後、70gずつ小判型に成形した。これをホットプレートで加熱し(180℃、2分)、次いでオーブンで焼成した(180℃、3.5分)。放冷後、−18℃にて冷凍した。これを電子レンジ調理し(500W、3分)、風味・食感を官能で評価した。結果を表6に示す。
重量部
合挽肉(牛:豚=7:3) 67.0
パン粉 2.0
全卵 5.0
脱脂粉乳 1.0
塩 0.8
胡椒 0.1
ナツメグ 0.2
ビーフエキス 0.1
大豆蛋白質 4.0
水 8.8
コーンスターチ 1.0
油脂(本発明品3又は、比較品1)2.0
Figure 0004417740
本発明品3を使用したハンバーグは、比較品1よりも電子レンジ調理後の風味・食感が良好であることがわかった。
実施例5 電子レンジ調理食品(中華まんじゅう)
市販の中華まんじゅう(山崎製パン製、あんまん、約100g/個)の端部を切り、あんをほぼ全量(約40g)取り出した。該あんに表7記載の添加物を配合し、皮に戻した。次いで、端部をセロハンテープで接着し、中華まんじゅうを再生した。これらのサンプルについて、電子レンジ調理を行った(500W、45秒)。電子レンジ調理直後及び、調理後30分静置(室温)した時の風味・食感を官能で評価した。結果を表7に示す。
Figure 0004417740
本発明品Zの中華まんじゅう(あんまん)は、電子レンジ調理後、30分静置しても、比較品X、Yよりも風味・食感が良好であった。ただ単にあんに水を添加しただけでは(比較品Y)、調理後30分静置した場合の風味・食感は、改善しなかった。

Claims (3)

  1. モノアシルグリセロールを0.1〜5重量%、トリアシルグリセロールを4.9〜39.9重量%、及び構成脂肪酸中の不飽和脂肪酸含量が80〜100重量%かつトランス酸含量が5重量%以下であるジアシルグリセロールを60〜95重量%含有する油脂(A)、並びに油脂(A)100重量部に対して結晶抑制剤としてHLB4以下のポリオール脂肪酸エステルを0.02〜0.5重量部及び水(B)を0.02〜0.89重量部含有する電子レンジ調理用食用油。
  2. 油脂(A)100重量部に対して、更に植物ステロール類(C)を0.05〜30重量部含有する請求項記載の電子レンジ調理用食用油。
  3. 請求項1又は2記載の食用油を含有する電子レンジ調理用食品。
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