JP4417619B2 - X線ct装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線CT装置に係り、特に、断層像の撮影に先立って行われる、撮影部位の位置決めや撮影条件の設定などのためのスキャノ像の撮影に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、X線CT装置により被検体の撮影を行う際には、先ず、被検体の所定範囲の部位のX線透視像であるスキャノ像を得た後に、このスキャノ像を基にしてスライス位置の位置決めや撮影条件の設定を行い、この位置に対してX線によるスキャンを行い、断層像を得る。
スキャノ像を得るためには、例えば、実開昭61−82605号公報にあるように、X線管とX線検出器を回転させずに固定させ、被検体を載置した天板を被検体の体軸方向に移動させながら、X線を照射する。こうして得られた投影データを基にしてスキャノ像が作成される。
【0003】
断層像を得るためのスキャンを行う際には、このスキャノ像に対してスライス位置を決定する。それから、被検体を載置した天板を一旦元の位置に戻してから、再び天板を移動させて、X線管を被検体に対して決定したスライス位置に配置させ、各位置でX線管を被検体の周りに回転させながらX線照射を行う。それによって得られる投影データを基にして、各スライス位置の被検体の断層像が得られる。
上記の考案が出願された当時(1984年11月2日)のX線CT装置はシングルスライスCT装置である。このシングルスライスCT装置は、ファン状のX線ビーム(ファンビーム)を照射するX線管と、ファン状あるいは直線状にMチャンネル(例えば1000チャンネル)のX線検出素子を1列に並べたX線検出器を有する。この装置は、X線管とX線検出器を被検体の周りで回転させ、1回転(1スキャン)でMデータ(例えば1000データ)を収集する。
【0004】
その後、X線管とX線検出器を連続的に回転させながら天板を被検体の体軸方向(スライス厚方向)に移動させて被検体の断層データを収集するヘリカルスキャン方式を用いるX線CT装置が提案され、さらに近年では、マルチスライスCT装置が実用化されてきている。マルチスライスCT装置は、円錐状のX線ビーム(コーンビーム)を照射するX線管と、MチャンネルのX線検出素子を体軸方向に複数列並べた(Mチャンネル×N列)2次元のX線検出器を有し、X線管と源とX線検出器を被検体の周りで回転させ、1回転でM×Nデータを収集する。マルチスライスCT装置によるスキャノ像の撮影においては、例えば、特開平11−76223のように、X線検出器のX線検出素子から出力されるデータを列方向に束ねて、その束ねたデータに基づいてX線検出器の中心位置の1スライス分のスキャノ像を生成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、シングルスライスCT装置によるスキャノ像の撮影においては、1回の撮影で1スライス分のデータしか得ることができないので、撮影すべき範囲が広範囲であるスキャノ像の撮影に時間(例えば、10秒程度)かかかる。したがって、スキャン計画の立案までに時間がかかり、被検体(患者)に負担を強いるばかりでなく、患者ループットも低下させるという問題があった。また、1スライス分のスキャン毎に被検体を移動させて撮影を行うため、スキャン毎に隣接するスライスに重なりができ、その分被検体に余分なX線を被曝させる恐れがあった。さらに、X線を照射する時間が長くなり、それだけX線管の寿命を縮めることにもつながっていた。
一方、マルチスライスCT装置によるスキャノ像の撮影においても、1スキャンで1スライス分のスキャノデータだけしか得ていなかったために、シングルスライスCT装置と同様に、必要な範囲のスキャノ像の撮影に時間がかかり、それだけX線を照射する時間が長くなってしまっていた。
このような問題を解決するために、本発明は、X線管から照射されるX線を有効に利用して、広範囲のスキャノ像の撮影を短時間に行えるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、X線を照射可能なX線管と、前記X線管から照射され、被検体を透過したX線を検出する複数のX線検出素子が、それぞれチャンネル方向及び前記被検体の体軸方向に配列されたX線検出器と、前記被検体を載置するための天板を備える寝台と、前記X線管及び前記X線検出器または前記天板を、前記体軸方向に移動させる移動手段と、第1のX線照射を行い複数の検出器列のデータを取得した後、前記移動手段によって前記X線管及びX線検出器または前記天板を移動させて第2のX線照射を行い複数の検出器列のデータを取得するように前記X線管からのX線の照射を制御するX線照射制御手段と、前記第1のX線照射で得られた複数の検出器列のデータと、前記第2のX線照射で得られた複数の検出器列のデータを用いてスキャノ像を生成するスキャノ像生成手段と、前記X線管及び前記X線検出器を前記被検体の周りを回転可能に支持する支持手段とを備え、前記X線照射制御手段は、前記X線管及び前記X線検出器の回転中心軸上において前記第1のX線照射によってX線照射された範囲と、前記第2のX線照射によってX線照射された範囲が、重複せずに接するように制御することを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。なお、これらの図において、同一部分には同一の符号を付して示してある。
図1は、本発明に係るX線CT装置の概略構成を示す概観図であり、図2は、そのX線CT装置の概略構成を示すブロック図である。
このX線CT装置は、架台1と、架台1の前面に配置される寝台2と、架台1および寝台2を操作し、かつX線CT装置を構成する各ユニットを制御する操作卓3とから構成される。寝台2の上面には、被検体を載置可能と共に、体軸方向(スライス厚方向)に移動可能な天板5が設けられ、架台1の開口部4に被検体を載せた天板5がスライドする。なお、寝台2の高さの調節および天板の移動(移動位置および移動速度)は、操作卓3の操作によって制御可能である。操作卓3上には、キーボードをはじめ、マウスやトラックボール、ジョイスティックなどのポインティングデバイスを備えた入力器6やモニタ7が配置され、操作卓内には後述する制御部20が設けられている。
【0008】
上記のX線CT装置においては、図2に示すように、架台1内には、X線管11及びX線検出器12が、天板5に載置された被検体Pを挟んで互いに対向するように回転部13に支持されており、被検体Pの周りを連続回転可能になっている。この回転部13駆動は回転駆動部14により制御され、この回転駆動部14は、制御部20からの駆動制御信号に基づいて回転部13の駆動を制御する。X線管11はスリップリングを介して高電圧発生装置16に接続されており、この高電圧発生装置16は、制御部20からのX線制御信号に基づいて管電流、管電圧を所定のタイミングでX線管11へ供給する。こうして、円錐状のX線ビーム(コーンビーム)がX線管11の焦点から発生される。
【0009】
さらに、架台1内のX線照射口近傍には絞り(コリメータ)が設けられており、X線管11からのX線ビームを所定の大きさに整形し、角錐状のX線ビームとして被検体Pへ照射される。なお、この絞りの程度は制御部20により制御可能である。そして、被検体Pを透過したX線はX線検出器12で検出される。X線検出器12はスリップリングを介してデータ収集システム(dataacquisition system;以下、DASと称する。)17と接続されている。このDAS17は、各X線検出素子からの出力を時間的に積分する積分器や積分器の出力をデジタル信号に変換するA/Dコンバータなどから構成され 、X線の発生に関連するタイミングで供給される制御部20からのデータ収集制御信号に基づいて、各X線検出素子からデータを収集する。
【0010】
また、寝台2には寝台制御部15が接続されている。この寝台制御部15は、制御部20からの寝台制御信号に基づいて寝台2の高さや天板5の移動を制御可能であり、例えば、天板5を所望のスライス位置へと所定量ずつ間欠的に移動させたり、所定のスキャン範囲にわたって連続的に移動させたりすることができる。さらに、寝台制御部15には、天板5の移動量(スライド量)あるいは移動位置(スライド位置)を検出するスライドセンサが設置されており、寝台制御部15は、制御部20からのスライド値(目標値)とスライドセンサが検出した現在のスライド位置に基づいて、天板5の移動を制御する機能を有する。
【0011】
図3は、X線検出器12の概略構成を示す図である。このX線検出器12は、1チャンネル(ch)あたり複数セグメント(本実施形態では40seg)がスライス厚方向(体軸方向)に沿って並べられたX線検出素子列をチャンネル方向(ch方向)に沿って複数チャンネル(本実施形態では1000ch)分アレイ状に配列した2次元検出器として構成されている。つまり、図3に示す本実施形態のX線検出器12は、1000ch×40列のマトリックス状にX線検出素子を配列した2次元検出器である。また、スライス厚方向のX線検出素子のピッチは例えば1mmであり、中央の素子から端部の素子まで均等なピッチで並んでいる(つまり、X線検出素子列12−1〜12−40のピッチは1mm)とする。
【0012】
次に、操作卓3内に設けられている制御部20について図4を参照して説明する。図4は、制御部20の構成を示すブロック図である。
制御部20は、X線CT装置の各部を制御する中枢的な機能を果たし、ホストコントローラとしてのCPU21を有している。このCPU21はクロック回路22を内蔵し、このクロック回路22からのクロックを用いて各部の動作および時間を管理し、また、このクロックを共通クロックとして制御部内の各部に供給するようになっている。
CPU21には、コントロールバス23とデータバス24が接続されており、コントロールバス23には、前処理部25、ディスクインターフェース26、再構成部27、スキャノ像生成部28および表示メモリ29が接続されている。また、データバス24には、前処理部25、ディスクインターフェース26、再構成部27、スキャノ像生成部28、表示メモリ29および読み書き可能なDRAMなどのメモリ30が接続されている。そして、ディスクインターフェース26には、大容量記憶装置としての磁気ディスク装置31が接続されている。
【0013】
また、予め、スキャノ像撮影用のスライス幅(X線検出素子列)が設定されており、そのスキャノ撮影モードになれば、その設定されたスライス幅のデータを検出するためのX線検出素子列が選択されて、その選択に応じて、データを収集するDASを決めて、選択されたX線検出素子列からのデータだけを収集するようにする。予め、スキャノ撮影用の複数スライス幅を一つ(例えば、4列)設定しておいてもよいし、複数のスライス幅(例えば、4列、8列、16列)を設定しておいて、オペレータがスキャノ撮影の指示を行う際に選択できるようにしてもよい。
制御部20の外部の構成として、コントロールバス23には、前述した入力器6、回転駆動部14、寝台制御部15、高電圧発生装置16、DAS17が接続されている。さらに、DAS17は前処理部25に接続され、モニタ7は表示メモリ29に接続される。
【0014】
上記のように構成されたX線CT装置による動作について、さらに、図5および図6を参照して説明する。
図5は、本発明の第1実施形態におけるスキャノ撮影の状況を示す図である。図6は、スキャノ撮影時の天板の移動とX線の照射タイミングとの関係を示す図である。
まず、オペレータは、入力器6によりスキャノ撮影モードを指定する。すると、その指定を受けたCPU21は、予め設定されている条件に従って回転駆動部14に制御信号を送り、回転駆動部14は、その制御信号に基づきX線管11とX線検出器12とを、例えば図2に示すように、天板5に対して水平となる位置に配置する。また、高電圧発生装置16に対しては、スキャノ撮影に適した管電圧と管電流の値をそれぞれ設定する。さらにオペレータは、入力器6により天板5の移動の指示を行うと、その指示に応じてCPU21は、寝台制御部15に制御信号を送り、寝台制御部15は、その制御信号に基づいて被検体Pを載せた天板5をスキャノ撮影の開始位置までスライドさせる。さらに、予め設定されたスライス幅に応じたX線検出素子列を選択して、制御部20を介して、選択されたX線検出素子列に応じたDASだけがデータを収集するようにDASの駆動を制御する。
【0015】
スキャノ撮影の準備が整った後、入力器6からスキャノ撮影の開始を指示すると、その指示に応じてCPU21は各部に制御信号を送り、スキャノ撮影が実行される。まず、スキャノ撮影用の線量のX線がX線管11から被検体Pに対して照射され、被検体Pを透過したX線がX線検出器12で検出され、透過したX線量に応じた電気信号に変換されて出力される。この出力は、X線透過データとしてDAS17によって収集される。DAS17によって収集されたデータは、前処理部25で前処理(水補正等)を施された後、投影データとして被検体Pに対するスキャノ撮影の位置情報と共にデータデータバス24を介してメモリ30に一旦格納され、さらにメモリ30からスキャノデータとして読み出されてスキャノ像生成部12へ送られてスキャノ像データが生成される。
【0016】
ここで、X線検出器12は、体軸方向にX線検出素子列が40列配列されているので、40スライス分のデータがX線検出器12で検出可能であるが、本実施形態では、その40スライス分のデータを用いて40スライス分のスキャノ像データを生成する。すなわち、図3の12−1の位置で検出されたデータを、その位置のスキャノ像を生成するためのスキャノデータとして用いる。同様に、12−2〜12−40の位置で検出されたデータをそれぞれ12−2〜12−40の位置のスキャノ像を生成するためのスキャノデータとして用いてスキャノ像データを作成する。
【0017】
こうして、図5に示すように、最初のスキャノ撮影を行ってX線管11とX線検出器12との回転中心軸RC上のS1の範囲(40スライス分)のデータを得た後、次のスキャノ撮影は、X線検出器12の列幅K(つまり、スライス厚方向に配列されている40列分のX線検出素子の幅分)だけ天板5を移動させて実行される。そして次のS2の範囲(40スライス分)のデータを得る。同様にして、範囲Snまでのデータを得る。なお、X線がX線管11とX線検出器12との回転中心軸RCを透過するときの体軸方向のビーム幅(各Si)が、スキャノ像におけるスライス厚に相当する。すなわち、1回のスキャン撮影で、スライス厚Si分のスキャノデータを得ることができる。
【0018】
この場合、X線照射毎にX線検出器12の列幅分だけ順次被検体Pを移動させているので、得られたデータ間(Sn−1とSnとの間)は、図5に示すように、X線ビームがカバーしていない部分が生じており、この部分でのデータは存在していないので、スキャノ像を作成する際には、前後のデータの補間等の方法によりデータを補う。こうして、所望範囲のスキャノ像が作成される。
生成されたスキャノ像のデータは表示メモリ29に一旦格納された後、モニタ7上にスキャノ像として表示される。このスキャノ像のデータは別途表示メモリ29から読み出され、ディスクインターフェース26を介して磁気ディスク装置31に格納されて、必要に応じてデータを読み出してモニタ7上にスキャノ像を表示可能になっている。
【0019】
ここで、天板5の位置情報とX線管11からのX線照射のトリガ信号との関係は図6のようになっている。(a)は、横軸を時間とし縦軸を天板5の移動量(すなわち、被検体PへのX線の照射位置)を示している。また、(b)は、X線を照射する際のトリガ信号の発生タイミングを示している。この図から明らかなように、まず、寝台駆動部15は、被検体Pをスキャノ撮影のための所定のスタート位置T1に位置するように天板5を移動する。
そして、CPU21は、最初のトリガ信号t1を高電圧発生装置16に与えてX線管11からX線を照射させて、第1のスキャノ撮影を実施する。トリガ信号のパルス幅Δtは、例えば約0.1秒である。X線の照射が停止すると寝台駆動部15は天板5をスライス厚方向へスライドさせる。そしてその移動量がX線検出器12の列幅に達した時、CPU21は、その位置T2においてトリガ信号t2を高電圧発生装置16に与えて第2のスキャノ撮影を実施する。以後同様にして、間欠的にX線を照射して所望範囲のスキャノ撮影を行う。
【0020】
このように、天板の移動量に基づいてX線の照射タイミングを制御することにより、X線を無駄なく、最適なタイミングで照射できる。したがって、X線を有効に利用し、被検体への余分な被曝を抑制したスキャン撮影を実現できる。
なお、この場合、必ずしも天板5を停止した状態でX線を照射する必要はなく、天板5を連続的にスライドさせながら、天板5がX線検出器12の列幅分移動する毎にトリガ信号を発生させてX線を照射するようにしてもよい。また、スキャノ撮影の間は、X線を連続的に照射するようにしてもよい。
【0021】
このようにして得られたスキャノ像に基づいて、スキャン計画が立案される。そのスキャン計画に基づいてオペレータは、入力器6からスキャン条件を入力し、スキャンの指示を行うと、CPU21からスキャン条件に基づく制御信号がX線CT装置の各部へ送られる。寝台制御部15は、スキャン計画に基づくスキャン開始位置に合わせて被検体Pを載せた天板5を移動する。その後、回転駆動部14は回転部13を所定の速度(例えば、0.5秒/1回転や1秒/1回転)で駆動してX線管11とX線検出器12を被検体Pの周りで連続回転させ、その間、高電圧発生装置はX線管11からX線を照射して、多方向のX線透過データを収集する。X線検出器12は2次元検出器であるので、1回転で複数スライス分のデータが収集可能だが、連続回転の間、天板5あるいは/及び架台1を移動させるようにしてスライス位置を変えて撮影することもできる。
【0022】
収集されたデータは、前処理部25でキャリブレーションなどの前処理をした後、被検体Pのビューの位置を表す位置情報と共に、投影データ(生データ)としてデータバス24を介してメモリ30に一旦格納され、さらに、再構成部27へ送られて断層像データが再構成される。ここで、ビューとは、被検体Pに対する或る角度における投影データの集合を意味する。再構成された断層像のデータは表示メモリ29に一旦格納された後、モニタ7上に断層像として表示される。この断層像のデータは別途表示メモリ29から読み出され、ディスクインターフェース26を介して磁気ディスク装置31に格納されて、必要に応じてデータを読み出してモニタ7上に断層像を表示可能になっている。
【0023】
本実施形態によれば、1回のスキャノ撮影で複数スライス分のスキャノデータを収集することができるので、従来よりも少ない撮影回数で所望範囲のスキャノ像を得ることができる。したがって、短時間にスキャノ撮影を完了させることができるので、被検体への撮影時の負担を軽減することができる。また、設定された複数のスライス幅分のスキャノ像を生成するために必要なX線検出素子列を選択して、スキャノ撮影を行って、その選択されたX線検出素子列分のデータを用いてスキャノ像を生成するようにしたので、従来のスキャノ像に比べて解像度が良い。
【0024】
次に、本発明の第2実施形態について、図7を参照して説明する。
図7は、本発明の第2実施形態におけるスキャノ撮影を説明するための図である。本実施形態に係るX線CT装置の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態と第1実施形態の違いは、スキャノ撮影毎に移動させる天板のスライドピッチが少し小さくなるものの、スキャノ像の作成の際にデータの不足を補うために補間等の方法が必要ないということである。
つまり、図7に示すように、X線管11とX線検出器12の回転中心軸RCにおいて、データに不足も重なりも生じないように、X線ビームがスライス厚方向(体軸方向)に接するように、スキャノ撮影毎にRC上のX線ビーム幅L分だけ天板5をスライドさせてスキャノ撮影を行う。
【0025】
本実施形態においても、天板5の位置情報とX線管11からのX線照射のトリガ信号との関係は図6のようになっている。すなわち、まず、所定のスタート位置T1で第1のスキャノ撮影を実施した後、天板5をスライス厚方向へスライドさせる。そして、その移動量がRC上のX線ビーム幅Lに達した時に高電圧発生装置に16にトリガ信号を与えて第2のスキャン撮影を実施する。以降同様にして、間欠的にX線を照射して所望範囲のスキャン撮影を行う。
このとき、照射されるX線のパルス幅(すなわち、トリガ信号のパルス幅Δt)に応じて、天板5の移動速度を最適な速度に設定することが望ましい。なぜなら、X線照射中に被検体P(すなわち、天板5)が、例えば、X線検出器12におけるスライス厚方向のX線検出素子列の1列の幅の10%以上移動してしまうと、スキャノ像の重なりが多くなり、その分照射するX線を無駄にしてしまうことになる。
【0026】
そこで、RC上でのスライス幅をΔr、照射されるX線のパルス幅をΔtとしたとき、
V≦(0.1×Δr)/Δt (1)
を満足するようなVを天板5の最適な移動速度として設定すれば、スキャノ像の重なりが少なくなる。しかも、スキャノ像再構成の際に補間等の補正が必要ないため、無駄のない、より正確なスキャノ像を比較的短時間で得ることができる。また、設定された複数のスライス幅分のスキャノ像を生成するために必要なXZ銭検出素子列を選択して、スキャノ撮影を行って、その選択されたX線検出素子列分のデータを用いてスキャノ像を生成するようにしたので、従来のスキャノ像に比べて解像度が良い。
【0027】
さて、上記第1および第2実施形態では、X線検出器12における体軸方向のX線検出素子列すべて(すなわち、X線検出器12におけるすべてのX線検出素子)の出力データに基づいてスキャノ像を生成していた。この出力データを収集するDAS17は、チャンネル方向、スライス方向共に、X線検出素子に対応させて、同じ数の積分器やA/Dコンバータなどの能動素子で構成するのが望ましい。しかし、架台1への実装スペースの制約やコストパフォーマンスの問題などから設置可能なDAS17の数には限界があり、チャンネル方向にはX線検出素子数と同数の能動素子を配置した場合は、スライス厚方向には、せいぜい10列分程度の能動素子しか配置することができない。すなわち、X線検出器12に対して10個のDAS17を設置するのがやっとである。
そこで、X線検出器12とDAS17とを、スイッチング素子などで構成されるマルチプレクサを介して接続することにより、少ない数のDAS17であっても、2次元アレイ状に構成されるすべてX線検出素子からの出力データが収集可能となる。
【0028】
図8は、X線検出器とDASとを接続するマルチプレクサの構成を示す図である。
例えば、図8に示すように、X線検出器12がスライス厚方向に40列のX線検出素子列で構成されている2次元アレイ状の検出器の場合に、10個のDAS17を設置するものとすれば、10個のマルチプレクサ40を用意することになる。そして、X線検出器12のスライス厚方向に、4列のX線検出素子毎に1個のマルチプレクサ40を割り当てるものとして、第1のマルチプレクサ40−1を、X線検出器12の1列目(12−1)から4列目(12−4)までのX線検出素子と第1のDAS17−1との間に位置させる。また、第2のマルチプレクサ40−2を、X線検出器12の5列目(12−5)から8列目(12−8)までのX線検出素子と第2のDAS17−2との間に位置させる。順次同様にして、第10のマルチプレクサ40−10を、X線検出器12の37列目(12−37)から40列目(12−40)までのX線検出素子と第10のDAS17−10との間に位置させる。
【0029】
そして、各マルチプレクサ40−1〜40−10を同期させて動作させることによって、それぞれが分担するX線検出器12の各4列のX線検出素子からの信号を順次切り替えて読み出して、各対応するDAS17−1〜17−10へ供給する。すなわち、先ずX線検出器12の1列目(12−1)、5列目(12−5)、9列目(12−9)、13列目(12−13)、17列目(12−17)、21列目(12−21)、25列目(12−25)、29列目(12−29)、33列目(12−33)そして37列目(12−37)のX線検出素子の信号が、各DAS17−1〜17−10へ供給される。次に、X線検出器12の2列目(12−2)、6列目(12−6)・・・38列目(12−38)のX線検出素子の信号が、各DAS17−1〜17−10へ供給され、さらに、X線検出器12の3列目(12−3)、7列目(12−7)・・・39列目(12−39)のX線検出素子の信号が、各DAS17−1〜17−10へ供給され、最後に、X線検出器12の4列目(12−4)、8列目(12−8)・・・40列目(12−40)のX線検出素子の信号が、各DAS17−1〜17−10へ供給される。なお、X線検出器12のX線検出素子は、信号が読み出されるまでの間、電荷などを蓄めておくことになる。
【0030】
そして、1回目のX線照射によって、40スライス分の投影データを得ると、被検体Pは次の40スライス分の投影データを得るための位置へ移動され、この間にこの部分のスキャノ像が生成され、モニタ7に表示される。さらに、2回目以降のX線照射によって順次40スライス分のスキャノ像が生成され、モニタ7にはスキャノ像が生成される毎に順次その分範囲が広がったスキャノ像が表示される。最近のヘリカルCT装置においては、ヘリカルスキャン動作に追従して、リアルタイムで断層画像を表示できるようになっているが、これは、1枚の断層画像を再構成するために必要となる投影データの収集時間よりも短い時間で、1枚の断層画像を再構成できるように、演算処理能力の高速化が図られたことによるものである。よって、この技術を適用することによって、リアルタイムにスキャノ像を表示することは容易である。
【0031】
このように、X線検出器12とDAS17とを、スイッチング素子などで構成されるマルチプレクサを介して接続することにより、少ない数のDAS17であっても、2次元アレイ状に構成されるすべてX線検出素子からの出力データが収集可能となるので、データ収集装置の数を軽減して、実装スペースの削減できると共に、コストパフォーマンスの向上を図ることができる。
【0032】
次に、本発明の第3実施形態について、図9を参照して説明する。なお、X線CT装置の構成は、上記実施形態と同様である。
図9は、本発明の第3実施形態におけるスキャノ撮影を説明するための図である。
上記の第1および第2実施形態では、2次元アレイ状に構成されるすべてX線検出素子からの出力データを収集してスキャノ像を作成した。しかし、X線管11から照射されるX線ビームのスライス厚方向(体軸方向)の端部に近くなればなるほど、X線が被検体Pに対して透過する角度が大きくなるため(つまり、X線検出器のスライス厚方向の端部で検出されるX線は、被検体Pに対して大きい角度で透過したため)、それらの透過X線をX線検出器12で検出し、その検出に基づく出力データを用いてスキャノ像を作成した場合、その部分に歪みを生じてしまい、スキャノ像における位置と実際の被検体Pにおける位置とでズレが生じてしまう。
【0033】
そこで、本実施形態では、X線管11から照射されるX線ビームが被検体Pに対してほぼ垂直に透過したX線のみ(つまり、RCラインに対してほぼ垂直に透過したX線のみ)を検出して、そのデータからスキャノ像を作成するようにする。すなわち、X線検出器12におけるスライス厚方向(体軸方向)のX線検出素子列のうち、中心付近の複数列分(例えば4列分)のX線検出素子で検出されたデータを用いてスキャノ像を作成するようにする。
図9では、X線検出器12のスライス厚方向(体軸方向)の中心を挟んだ4列分のX線検出素子を斜線で示している。この場合のスキャノ撮影手順は上記の第1実施形態と同様である。まず、被検体Pのある位置で最初のスキャノ撮影を行ってX線管11とX線検出器12の回転中心軸RC上のS1の範囲(4スライス分)のスキャノデータを得た後、次のスキャノ撮影は、X線検出器12の列幅Kだけ天板5を移動させて実行される。そして次の範囲S2のスキャノデータを得る。同様にして、範囲Snまでのスキャノデータを得る。
【0034】
この場合も第1実施形態と同様に、X線検出器12の列幅分だけ順次被検体Pを移動させているので、得られたデータ間(Sn−1とSnとの間)は、X線ビームがカバーしていない部分が生じており、この部分でのデータは存在していないので、スキャノ像を作成する際には、前後のデータを使って補間するなどの方法によりデータを補う。こうして、所望範囲のスキャノ像が作成される。このようにして得られたデータに基づくスキャノ像の生成の流れも第1実施形態と同様である。
また、天板5の位置情報とX線管11からのX線照射のトリガ信号との関係は図6のようにして、X線検出器12の列幅Kだけ天板5を移動する毎に間欠的にX線を照射して所望範囲のスキャノ撮影を行うことでもよいし、天板5を連続的にスライドさせながら、天板5がX線検出器12の列幅分移動する毎にトリガ信号を発生させてX線を照射するようにしてもよい。
【0035】
本実施例の場合、スライス厚方向のX線検出素子列のうちの一部しかスキャノデータ収集用として用いていないため、上記第1および第2実施形態に比べて、1回のX線照射で作成できるスキャノ像の範囲は狭いので、その分スキャノ撮影の時間も長くなる。しかしながら、X線ビームが被検体Pに対してほぼ垂直に透過したX線に基づく検出データだけを用いてスキャノ像を作成するため、歪みの少ない正確度の高いスキャノ像を短時間で作成することができると共に、設定された複数のスライス幅分のスキャノ像を生成するために必要なX線検出素子列を選択して、スキャノ撮影を行って、その選択されたX線検出素子列分のデータを用いてスキャノ像を生成するようにしたので、従来のスキャノ像に比べて解像度が良い。
【0036】
次に、本発明の第4実施形態について、図10を参照して説明する。
図10は、本発明の第4実施形態におけるスキャノ撮影を説明するための図である。本実施形態に係るX線CT装置の構成は、第3実施形態と同様である。本実施形態と第3実施形態の違いは、第1実施形態と第2実施形態との違いと同様に、本実施形態では第3実施形態に比べてスキャノ撮影毎に移動させる天板のスライドピッチが少し小さくなるものの、スキャノ像の作成の際にデータの不足を補うために補間等の方法が必要ないということである。
【0037】
例えば、図10に示すように、X線管11とX線検出器12の回転中心軸RCにおいて、被検体Pを透過したX線がX線検出器12においてスライス厚方向(体軸方向)の中心を挟んだ4列(斜線部分)で検出される分のX線ビーム幅Lで、スキャノ撮影毎に互いに接するように、回転中止軸RC上のX線ビーム幅L分だけ天板5をスライドさせてスキャノ撮影を行う。
本実施形態においても、天板5の位置情報とX線管11からのX線照射のトリガ信号との関係は図6と同様にして、幅Lだけ天板5を移動する毎に間欠的にX線を照射して所望範囲のスキャノ撮影を行うことでもよいし、天板5を連続的にスライドさせながら、天板5が幅L分移動する毎にトリガ信号を発生させてX線を照射するようにしてもよい。
【0038】
このとき、照射されるX線のビーム幅に応じて、天板5の移動速度を最適な速度に設定することが望ましい。つまり、上記(1)の関係式を満足するようなVを天板5の最適な移動速度として設定すれば、スキャノ像の重なりが少なくなる。したがって、無駄なX線照射を抑制することができる。さらに、X線ビームが被検体Pに対してほぼ垂直に透過したX線に基づく検出データだけを用いてスキャノ像を作成すると共に、所望範囲のスキャノデータを過不足無く収集できるので、スキャノ像再構成の際に補間等の補正が必要ない。したがって、歪みの少ない正確度の極めて高いスキャノ像を比較的短時間で作成することができる。
また、本実施形態では、設定された複数のスライス幅分のスキャノ像を生成するために必要なX線検出素子列分のデータを用いてスキャノ像を生成するようにしたので、従来のスキャノ像に比べて解像度が良い。
【0039】
次に、本発明の第5実施形態について図11を参照して説明する。
図11は、本発明の第5実施形態におけるスキャノ撮影を説明するための図である。
上記の各実施形態では、体軸方向のX線ビーム幅の制御については特に考慮していなかった。特に、第3および第4実施形態においては、スキャノ撮影の際、X線検出器12の体軸方向の中心を挟んだ4列の外側のX線検出素子で検出されたデータはスキャノ像生成には使われず、その分のX線はスキャノ撮影では必要がないものである。
【0040】
そこで、本実施形態では、スキャノ撮影の際には、スキャノ像生成のためのデータを収集するX線検出器12の体軸方向のX線検出素子数に応じて架台1内の絞り(コリメータ)を制御してX線ビームの体軸方向のビーム幅を絞り、そのスキャノデータ収集用のX線検出素子以外には被検体Pを透過したX線がほとんど検出されないようにする。
例えば、オペレータが入力器6によりスキャノ撮影モードを指定すると、予め設定されたスライス幅に応じて、CPU21がスキャノ撮影時にスキャノデータを収集するX線検出器12のスライス厚方向のX線検出素子数を選択する(例えば、図11に示すように、X線検出器の中心を挟んだ4列(斜線部分))。その選択された列数に応じてCPUは絞り量を決定し、決定された絞り量に基づいて絞りを動作させて、架台1の照射口から照射されるX線ビームのスライス厚方向のビーム幅を絞る。絞り量は、例えば、予め設定されたスライス幅に、回転中心軸RC上のX線ビーム幅がほぼ一致するようにすればよい。
【0041】
あるいは、スキャノ撮影時にスキャノデータを収集するX線検出器12のスライス厚方向(体軸方向)のX線検出素子数を、X線検出器の中心を挟んだ4列(斜線部分)と予め選択しておいてもよく、オペレータがスキャノ撮影モードを指定すると、CPUはその素子数に応じてスライス幅が決まるので、例えば、そのスライス幅に回転中心軸RC上のX線ビーム幅がほぼ一致するように絞りが動作させて、架台1の照射口から照射されるX線ビームのスライス厚方向のビーム幅が絞るようにしてもよい。
【0042】
絞りの制御が完了した後、スキャノ撮影が開始される。スキャノ撮影手順は、第3実施形態と一緒である。すなわち、まず、被検体Pのある位置で最初のスキャノ撮影を行ってX線管11とX線検出器12の回転中心軸RC上のS1の範囲(4スライス分)のスキャノデータを得た後、次のスキャノ撮影は、X線検出器12の列幅Kだけ天板5を移動させて実行される。そして次の範囲S2のスキャノデータを得る。同様にして、範囲Snまでのスキャノデータを得る。
この場合、得られた各スキャノデータS1〜Sn間はX線ビームが届かずにスキャノデータが存在しないので、その間は、前後に得られたスキャノデータを用いて補間等の処理を行うことによりデータを埋めていく。このようにして、得られたスキャノデータを再構成することにより、所望範囲のスキャノ像が生成される。
【0043】
なお、本実施形態においても、天板5の位置情報とX線管11からのX線照射のトリガ信号との関係は図6と同様にして、X線検出器12の列幅Kだけ天板5を移動する毎に間欠的にX線を照射して所望範囲のスキャノ撮影を行うことでもよいし、天板5を連続的にスライドさせながら、天板5がX線検出器12の列幅分移動する毎にトリガ信号を発生させてX線を照射するようにしてもよい。その他にも、天板または架台を連続して動かしながらX線を連続的に照射してスキャノ撮影を行うようにしてもよい。初めから、X線の照射範囲を必要最小限に絞り込んでいるので、X線を有効に利用しながら(つまり、被検体へのX線の余分な被曝を抑制しながら)、短時間にスキャノ撮影を行うことができる。
【0044】
従来は、X線ビームのスライス厚方向のビーム幅の絞り制御については考慮されていなかったが、本実施形態によれば、X線ビームのスライス厚方向のビーム幅を、スキャノデータを収集するX線検出器12のスライス厚方向のX線検出素子数に応じて制御することにより、X線を有効に活用でき、被検体に余分な被曝を与えることなくスキャノ像を得ることができる。さらに、X線ビームが被検体Pに対してほぼ垂直に透過したX線に基づく検出データだけをスキャノデータとして用いてスキャノ像を作成するため、歪みの少ない正確度の高いスキャノ像を短時間で作成することができる。また、設定された複数のスライス幅分のスキャノ像を生成するために必要なX線検出素子列を選択して、スキャノ撮影を行って、その選択されたX線検出素子列分のデータを用いてスキャノ像を生成するようにしたので、従来のスキャノ像にくらべて解像度が良い。
【0045】
次に、本発明の第6実施形態について図12を参照して説明する。
図12は、本発明の第6実施形態におけるスキャノ撮影を説明するための図である。
上記の第5実施形態では、データが不足している部分については補間等の処理によりデータを埋めたが、本実施形態では、データの不足が生じないように天板5の移動を制御してスキャノ撮影を行う。
【0046】
まず、オペレータが入力器6によりスキャノ撮影モードを指定すると、第5実施形態と同様に、予め設定されたスライス幅に応じて、CPU21がスキャノ撮影時にスキャノデータを収集するX線検出器12のスライス厚方向のX線検出素子数を選択する(例えば、図12に示すように、X線検出器の中心を挟んだ4列(斜線部分))。その選択された列数に応じてCPUは絞り量を決定し、決定された絞り量に基づいて絞りを動作させて、架台1の照射口から照射されるX線ビームのスライス厚方向のビーム幅を絞る。絞り量は、例えば、予め設定されたスライス幅に、回転中心軸RC上のX線ビーム幅がほぼ一致するようにすればよい。
【0047】
絞りの制御が完了した後、スキャノ撮影が開始される。スキャノ撮影手順は、第4実施形態と一緒である。すなわち、X線管11とX線検出器12の回転中心軸RCにおいて、被検体Pを透過したX線がX線検出器12においてスライス厚方向(体軸方向)の中心を挟んだ4列(斜線部分)で検出される分のX線ビーム幅Lで、スキャノ撮影毎に互いに接するように、RC上のX線ビーム幅L分だけ天板5をスライドさせてスキャノ撮影を行う。こうして、所望範囲の投影データを収集し、収集された投影データを再構成してスキャノ像を生成する。
【0048】
なお、本実施形態においても、天板5の位置情報とX線管11からのX線照射のトリガ信号との関係は図6と同様にして、X線検出器12の幅L(4スライス)分だけ天板5を移動する毎に間欠的にX線を照射して所望範囲のスキャノ撮影を行うことでもよいし、天板5を連続的にスライドさせながら、天板5がX線検出器12の幅L分移動する毎にトリガ信号を発生させてX線を照射するようにしてもよい。その他にも、天板または架台を連続して動かしながらX線を連続的に照射してスキャノ撮影を行うようにしてもよい。初めから、X線の照射範囲を必要最小限に絞り込んでいるので、X線を有効に利用しながら(つまり、被検体へのX線の余分な被曝を抑制しながら)、短時間にスキャノ撮影を行うことができる。
【0049】
また、照射されるX線のパルス幅に応じて、天板5の移動速度を最適な速度に設定することが望ましい。つまり、上記(1)の関係式を満足するようなVを天板5の最適な移動速度として設定すれば、スキャノ像の重なりが少なく少なくなる。したがって、無駄なX線照射を抑制することができる。
さらに、X線ビームが被検体Pに対してほぼ垂直に透過したX線に基づく検出データだけをデータとして用いてスキャノ像を作成すると共に、所望範囲の投影データを過不足無く収集できるので、スキャノ像再構成の際に補間等の補正が必要ない。したがって、歪みの少ない正確度の極めて高いスキャノ像を比較的短時間で作成することができる。
また、本実施形態では、設定された複数のスライス幅分のスキャノ像を生成するために必要なX線検出素子列を選択して、スキャノ撮影を行って、その選択されたX線検出素子列分のデータを用いてスキャノ像を生成するようにしたので、従来に比べて解像度の良いスキャノ像を作成することができる。
【0050】
以上の各実施形態では、設定された複数のスライス幅分のスキャノ像を生成するために必要なX線検出素子列を選択して、スキャノ撮影を行って、その選択されたX線検出素子列分のデータを用いてスキャノ像を生成するようにしたので、スキャノ像の撮影スピードや解像度は、従来に比べて格段に優れているが、S/Nは従来に比べて良いとは言えない。S/Nを向上させるには、照射するX線の線量を多くすればよいが、X線の線量を多くするのは、被検体の被曝量を多くすることになり、好ましくない。そこで、X線の線量を多くする代わりに、例えば、次のようにすればS/Nを向上できる。
【0051】
すなわち、天板あるいは架台(X線管およびX線検出器)を、スライス厚方向のX線検出素子1列分あるいは複数列分移動する毎にX線管からX線を照射し、異なる時間に収集された同じスライス厚方向の位置のデータ(つまり、スライス厚方向の同一位置で重なり合うデータ)について加算平均の処理を行って、そのデータをその位置のスキャノデータとして用いる。
【0052】
このようにして得たスキャノデータに基づいてスキャノ像を生成することにより、スキャノ像のS/Nを向上させることができる。架台を移動する手段としては、例えば、架台の下部にキャスター等を設けることで実現できる。そして、検知手段によりキャスターによる移動量を検知して、架台が所定の移動量動いたことを検知手段が検知すると、その検知手段から高電圧発生装置16に信号を送り、その信号を受信して、X線管からのX線の照射を実行するようにすればよい。
なお、図5、図7、図9、図10、図11および図12では、便宜的に、停止している被検体Pに対してX線管11及びX線検出器12を移動させた様子を示しているが、これは相対的なものであり、もちろん停止しているX線管11及びX線検出器12に対して天板5を移動させても同じである。
【0053】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、図3には、スライス厚方向に1mmピッチで40列のX線検出素子の配列されている均等ピッチのX線検出器12を示したが、スライス厚方向のピッチは必ずしも均等なピッチである必要はない。例えば、中央部分が0.5mmピッチで16列、その両側に1mmピッチで12列ずつ、合計40列のX線検出素子を配列して構成した不均等ピッチのX線検出器も開発されており、本発明では、このようなX線検出器を用いることもできる。勿論、X線検出素子列も40列に限られるものではなく、ピッチも0.5mmや1mmに限られるものではない。なおここで、X線検出素子のピッチの値は、X線管11とX線検出器12との回転中心でのX線に対する有感域の値であり、X線検出器12での実寸法ではない。
【0054】
また、図8において、マルチプレクサ40によってX線検出器12のX線検出素子を4列毎に切り替えて、DAS17へ信号を供給するものとして説明した。しかし、X線検出素子をチャンルネル毎に、スライス厚方向に2列分(それ以上でもよい)を束ねてその信号をDAS17へ供給することを併用すれば、DAS17の数を半分にすることができる。なお、X線検出素子列からの信号を束ねてDASへ供給する技術は、例えば特開平10−24031号公報に詳述されている。
【0055】
さらに、上記実施形態では、X線検出器の中心から4列分のX線検出素子をスキャノ像を生成するためのデータ収集用に用いる例を示したが、データを収集するX線検出素子を4列よりも広げて、例えば16列として、外側付近のX線検出素子で検出されたデータについてはファンビーム再構成の処理を行い、スキャノ像を生成すれば、外側付近の位置でのスキャノ像の歪みを補正することができ、精度の良いスキャノ像が1回のスキャノ撮影でさらに広範囲に得ることができるので、撮影時間も短縮できる。
【0056】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、広範囲のスキャノ像を短時間に得ることができ、被検体への負担が軽減されるとともに、患者スループットも向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線CT装置の概略構成を示す概観図である。
【図2】図1に示すX線CT装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示すX線検出器の概略構成を示す図である。
【図4】図2に示す制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1実施形態におけるスキャノ撮影の状況を示す図である。
【図6】スキャノ撮影時の天板の移動とX線の照射タイミングとの関係を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態におけるスキャノ撮影の状況を示す図である。
【図8】X線検出器とDASとを接続するマルチプレクサの構成を示す図である。
【図9】本発明の第3実施形態におけるスキャノ撮影の状況を示す図である。
【図10】本発明の第4実施形態におけるスキャノ撮影の状況を示す図である。
【図11】本発明の第5実施形態におけるスキャノ撮影の状況を示す図である。
【図12】本発明の第6実施形態におけるスキャノ撮影の状況を示す図である。
【符号の説明】
1 架台
2 寝台
3 操作卓
4 開口部
5 天板
6 入力器
7 モニタ
11 X線管
12 X線検出器
13 回転部
14 回転駆動部
15 寝台制御部
16 高電圧発生装置
17 DAS
20 制御部
21 CPU
22 クロック回路
23 コントロールバス
24 データバス
25 前処理部
26 ディスクインターフェース
27 再構成部
28 スキャノ像生成部
29 表示メモリ
30 メモリ
31 磁気ディスク装置
12−1〜12−40 X線検出素子列
P 被検体
RC X線管とX線検出器の回転中心軸
L、S1〜Sn スライス厚方向のX線ビーム幅

Claims (3)

  1. X線を照射可能なX線管と、
    前記X線管から照射され、被検体を透過したX線を検出する複数のX線検出素子が、それぞれチャンネル方向及び前記被検体の体軸方向に配列されたX線検出器と、前記被検体を載置するための天板を備える寝台と、
    前記X線管及び前記X線検出器または前記天板を、前記体軸方向に移動させる移動手段と、
    第1のX線照射を行い複数の検出器列のデータを取得した後、前記移動手段によって前記X線管及びX線検出器または前記天板を移動させて第2のX線照射を行い複数の検出器列のデータを取得するように前記X線管からのX線の照射を制御するX線照射制御手段と、
    前記第1のX線照射で得られた複数の検出器列のデータと、前記第2のX線照射で得られた複数の検出器列のデータを用いてスキャノ像を生成するスキャノ像生成手段と、
    前記X線管及び前記X線検出器を前記被検体の周りを回転可能に支持する支持手段とを備え、
    前記X線照射制御手段は、前記X線管及び前記X線検出器の回転中心軸上において前記第1のX線照射によってX線照射された範囲と、前記第2のX線照射によってX線照射された範囲が、重複せずに接するように制御することを特徴とするX線CT装置。
  2. 前記移動手段は、前記X線管及び前記X線検出器または前記天板を、前記体軸方向に連続移動または間欠移動せさることを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。
  3. 前記X線管から照射されるX線の前記体軸方向のビーム幅を制御するX線絞り手段を備え、
    前記X線絞り手段は、前記X線管及び前記X線検出器の回転中心軸上のX線のビーム幅が、予め設定されたスライス幅にほぼ一致するように、前記ビーム幅を制御することを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。
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